JPH11300447A - 歯車の製造方法 - Google Patents

歯車の製造方法

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JPH11300447A
JPH11300447A JP10984698A JP10984698A JPH11300447A JP H11300447 A JPH11300447 A JP H11300447A JP 10984698 A JP10984698 A JP 10984698A JP 10984698 A JP10984698 A JP 10984698A JP H11300447 A JPH11300447 A JP H11300447A
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智義 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外周と同心円に形成された溝の内壁面に歯形
を有した歯車を製造する。 【解決手段】 小径部10bとフランジ状の大径部10
aと重ね合わせ形状の一次成型品10における前記大径
部10aを折り曲げて前記歯形の周囲を囲う壁部15を
形成する。前記一次成型品10には、小径部10bにク
ラッチスプライン歯形9,9・・が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窪み内の周壁に歯
形を有した歯車の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】歯車の歯形形成には、代表的なものとし
て切削と鍛造との手段がある。切削手段では、工具を進
入させる余裕や逃げ空間のない例えばリング状に形成さ
れた凹溝の内側壁面に歯形を形成することはできない。
そのため従来は、別々に成形した部材を組み合わせて一
体化していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鍛造手段にあって、逆
テーパを有した歯形は歯筋方向へまっすぐに抜き外すこ
とができないから、歯形形成用のパンチを放射方向から
出没動作させなくてはならない。しかし周囲が壁で囲ま
れていると、放射方向から中心に向けてパンチを作用さ
せることができないから、そのような歯車は合体手段を
併用して形成することになる。従って、逆テーパを有す
る歯形に関する限り、切削、鍛造いずれを問わず、組み
付け工程が別途必要である。組み付け工程は鍛造工程と
処理スピードが違うので一連のラインに組み込めないか
ら、鍛造品を一時的にストックしておいたり、組み付け
をするためわざわざ遠く離れた工場まで運搬するなど、
それだけマイナス要素が多くなってしまう。手法の異な
る工程の利用はできるだけ避けることが望ましく、して
みると、歯車は鍛造行程のみの組み合わせにて形成する
のが一番合理的といえる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、合体させるこ
となく一体に形成する歯車の製造方法であって、その構
成は、大径と小径とを重ねた二段のドーナツ形状の素材
に対し、少なくとも小径部の周囲に歯形を形成する第一
鍛造工程と、大径部の周縁部分を小径部側へ折り曲げ、
その折り曲げた周縁部分で前記小径部を同心円にて取り
巻く壁部を形成する第二鍛造工程とを含むか、それら第
一及び第二鍛造工程に、壁部の外周に歯形を形成する第
三鍛造工程を追加することにあり、前記第一鍛造行程と
第二鍛造工程、第二鍛造工程と第三鍛造工程、或いは前
記第一、第二及び第三鍛造工程をそれぞれ同時に実行す
ることができる。そして、前記第一及び第二の鍛造工程
を二回に分けて実行すれば、小径部の周囲に形成される
歯形に、逆テーパを付与することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に係る歯車の製造方法を、
図面に基づいて説明する。図1は第一鍛造工程を示した
もので、1は第一のダイ、2は第一の昇降パンチ、3は
素材を示し、素材3は板材をプレス加工して得られ、小
径部3aと大径部3bとを重ねた二段のドーナツ形状に
なっている。前記第一のダイ1は、前記大小二段の素材
3と、その素材の小径部より更に小径のボス部とに対応
した大中小三段の円盤状を呈したキャビティ4を備え、
小径部分の周囲には、先端を放射方向から中心に向けて
キャビティ4内に出没動作可能な複数の突き出しパンチ
5,5・・を備えている。又キャビティ4の中心にはマ
ンドレル6が垂設され、そのマンドレル6の周囲には、
マンドレル6を囲んだ状態で昇降動作するエジェクタ7
が設けられている。
【0006】前記各突き出しパンチ5,5・・は、先端
にクラッチスプライン歯形成用の歯型を備え、後端縁は
下方に向かって外側に広がるよう斜めにカットされてい
て、各突き出しパンチ5,5・・の後端部上方には、前
記カットされた傾斜面に対し、各突き出しパンチ5,5
・・ごとにそれぞれ前記傾斜面に対応した傾斜面を有し
た昇降カム8,8・・が傾斜面同士を接触状態で配置さ
れている。昇降カム8,8・・は、スプリング8aの付
勢力で上端部がダイから突出せられ、又、突き出しパン
チはスプリング5aにより放射方向へ広がるように付勢
されていて、それによって第一の昇降パンチ2が上昇位
置にあるとき、突き出しパンチ5,5・・は、先端がキ
ャビティ4内から引っ込んだ待避位置にある。そして昇
降カム8が昇降パンチ2の下降動作で押し下げられる
と、突き出しパンチ5,5・・は前記待避位置から、先
端をキャビティ4の中心に向けて突出される。
【0007】このように形成された第一のダイ1に、小
径部3aが下になるようにして素材3をセットし(図1
のa)、昇降パンチ2で押し込むと、昇降カム8,8・
・の下降により突き出しパンチ5,5・・がキャビティ
4内に突き出され、小径部3aの外周には突き出しパン
チ5,5・・の押し込みによって、逆テーパを有したク
ラッチスプライン歯形9,9・・が形成される(図1の
b)。第一の昇降パンチ2を上方に待避させると、昇降
カム8,8・・はスプリング8aの力で上昇し、それに
伴い、突き出しパンチ5,5・・はスプリング5a,5
a・・の反発力で放射方向に押し戻される。そこでエジ
ェクタ7を突き上げ操作すると、クラッチスプライン歯
形9,9・・が形成された一次成型品10が第一のダイ
1から抜き外しされる(図1のc)。尚、前記突き出し
パンチ5,5・・は、エジェクタの突き上げ力により、
一時成型品10の抜き外し動作と同時に待避位置に戻す
こともできる。
【0008】脱型された一時成形品10は、その後第二
のダイ11と第二のパンチ12とにより行なう第二鍛造
工程に送られる。図2は第二鍛造工程を示したもので、
第二のダイ11は、前記一次成型品10の大径と小径と
のほぼ中間に当たる径のキャビティ13を有し、一方、
第二のパンチ12は、内周面には前記一時成型品10に
形成された歯形に対応する形状の逃がし14aが形成さ
れた筒状の押し込み部14を備えている(図2のa)。
【0009】このような第二のダイ11へ第二のパンチ
12により一次成型品10を押し込むと、大径部3aの
外周部分が押し込み方向の反対側へ直角に折り曲げら
れ、その折り曲げ部分によって壁部15が周設される
(図2のb)。その結果、クラッチスプライン歯形9,
9が、周囲を壁部15で囲まれた溝の内側壁に形成され
た二次成型品16を得ることができる。
【0010】そして次に、第三鍛造工程により壁部の外
周にヘリカル歯形を形成する。このヘリカル歯形の形成
は、図3のa,bに示すような、前記第二のダイに形成
されているキャビティの内周壁に、ヘリカル歯形形成用
歯型17を設けた第三のダイ18にて行う。この工程に
おいて、二次成型品16はヘリカル歯形形成用歯型17
の傾斜に従って回転しながら押し込まれ、又、完成品1
9を抜き外す場合は、エジェクタ7を回転させながら押
し上げる。完成品19には、壁部の外周にヘリカル歯形
20が形成される(図3のb)。
【0011】前記実施例は、ヘリカル歯形を第三鍛造工
程により形成しているが、工具の逃げを充分に確保でき
る壁の外周には、ヘリカル歯形を切削加工によって形成
することもできるし、ヘリカル以外の歯形を形成するこ
ともできる。いずれの場合も、壁で囲まれた小径部に、
逆テーパを有するクラッチスプライン歯形を有した歯車
を一体形成することが可能となるのである。
【0012】又、前記実施例は、第一鍛造工程と第二鍛
造工程を異なるダイ及びパンチを利用し、二回に分けて
実行しているが、形成する歯形が逆テーパの付与を必要
としない製品では、それら第一及び第二の工程を一度に
行うこともできる。その場合に使用されるダイ21は、
図4のa,bに示すように、製品の外周に対応するキャ
ビティ22を有し、一方昇降パンチ23には、製品の溝
に対応した筒状の凸部24を設け、その凸部24におけ
る筒状部内ににスプライン歯形形成用歯型25を形成し
ておいて、大径部の周縁部を折り返すと同時に、スプラ
イン歯形26を形成する更に、図5のa,bに例示する
ように、キャビティ27の内周面に歯形形成用歯型28
をダイ29及び昇降パンチ30に設けることで、第一、
第二及び第三鍛造工程を一括して同時に行うこともでき
る。尚図示はしないが、第一の鍛造工程を終了後、第二
と第三の鍛造工程を同時に行うこともできる。
【0013】尚、歯車の径、歯形の種類、壁の高さや厚
さなどは適宜変更して差し支えなく、溝内に歯形を多段
に形成することもできる。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、予め小径部の周囲に歯
形を形成しておき、その歯形の周りを大径部の周縁部分
を折り曲げることにより形成された壁部で取り巻くた
め、前記歯形の形成時には、歯形の周りを解放状態にし
ておけるので、特に、従来、鍛造手段で一体成形するこ
とを諦めていた例えば逆テーパ付きの特殊な形態の歯車
製造までもが可能となり、合体させるための組み付け作
業を撤廃できる。そして前記逆テーパ付きの歯車製造
は、本発明の方法がベストといえる。又、本発明の方法
は三工程に分けて成形するが、いずれも鍛造であるから
効率よく実行でき、二工程或いは三工程を同時に実行す
ることで、効率をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一鍛造工程を示した説明図である。
【図2】 第二鍛造工程を示した説明図である。
【図3】 第三鍛造工程を示した説明図である。
【図4】 第一及び第二の鍛造工程を同時に実行する一
例を示した説明図である。
【図5】 第一、第二及び第三鍛造工程を同時に実行す
る一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1・・第一のダイ、2・・第一の昇降パンチ、3・・素
材、4・・キャビティ、5・・突き出しパンチ、、6・
・マンドレル、7・・エジェクタ、8・・昇降カム、9
・・クラッチスプライン歯形、10・・一次成型品、1
1・・キャビティ、12・・第2のパンチ、13・・キ
ャビティ、14・・逃がし、15・・壁部、16・・二
次成型品、17・・ヘリカル歯形形成用歯型、18・・
第三のダイ、19・・完成品、20・・ヘリカル歯形、
21・・ダイ、22・・キャビティ、23・・昇降パン
チ、24・・凸部、25・・スプライン歯形形成用歯
型、26スプライン歯形、27・・キャビティ、28・
・ヘリカル歯形形成用歯型、29・・ダイ・、30・・
昇降パンチ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大径と小径とを重ねた二段のドーナツ形
    状の素材に対し、少なくとも小径部の周囲に歯形を形成
    する第一鍛造工程と、大径部の周縁部分を小径部側へ折
    り曲げ、その折り曲げた周縁部分で前記小径部を同心円
    にて取り巻く壁部を形成する第二鍛造工程とを含む歯車
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 第一及び第二鍛造工程に、壁部の外周に
    歯形を形成する第三鍛造工程を追加した請求項1に記載
    した歯車の製造方法。
  3. 【請求項3】 第一鍛造工程で、小径部の周囲に形成さ
    れる歯形に逆テーパを付与する請求項1又は2に記載し
    た歯車の製造方法。
  4. 【請求項4】 第一鍛造行程と第二鍛造工程とを同時に
    実行する請求項1又は2に記載した歯車の製造方法。
  5. 【請求項5】 第一、第二及び第三鍛造工程とを同時に
    実行する請求項1又は2に記載した歯車の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001347337A (ja) * 2000-06-06 2001-12-18 Iizuka Seisakusho:Kk ギアの製造法
US6935482B2 (en) * 2002-07-15 2005-08-30 O-Oka Corporation Clutch gear having boss part with spline and method for manufacturing the same
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US9273771B2 (en) 2011-07-08 2016-03-01 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method for manufacturing multi-stage gear, and multi-stage gear
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