JPH11300392A - 汚泥処理システムに用いる発酵制御装置 - Google Patents

汚泥処理システムに用いる発酵制御装置

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JPH11300392A
JPH11300392A JP12424398A JP12424398A JPH11300392A JP H11300392 A JPH11300392 A JP H11300392A JP 12424398 A JP12424398 A JP 12424398A JP 12424398 A JP12424398 A JP 12424398A JP H11300392 A JPH11300392 A JP H11300392A
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JP
Japan
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sludge
fermentation
water
steam
air
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JP12424398A
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English (en)
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Kenro Motoda
謙郎 元田
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Motoda Electronics Co Ltd
Original Assignee
Motoda Electronics Co Ltd
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/20Waste processing or separation

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  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚泥の発酵分解を行う部位からの蒸気を効率
的に凝縮させて凝縮水を得ることができる汚泥処理シス
テムに用いる発酵制御装置を提供する。 【解決手段】 汚泥に対し所定の細菌を混合して菌混合
汚泥とし、該菌混合汚泥を少なくとも所定期間エアを供
給しながら養生することにより発酵分解させ、その発酵
熱により汚泥中の水分を蒸発させて蒸気として回収する
ようにした汚泥処理システムに用いる発酵制御装置29
であって、汚泥の発酵分解を行う部位からの蒸気を導入
する蒸気配管29gと、蒸気配管に流体的に接続した熱
伝導性の優れた多数のパイプ29i及びこのパイプの周
囲に凝縮水を散水してパイプ内部を通る蒸気と熱交換す
る散水式熱交換部29cと、散水式熱交換部のパイプか
ら凝縮水を放出する放水室29dと、放水室に外気を導
入する外気管29mと、凝縮水を溜めておく放水室の下
方に設けられた貯水部29eと、そして、放水室に充満
している暖かく且つ湿った空気を汚泥の発酵分解を行う
部位に送り、汚泥を余熱して発酵を促進させるエア配管
29mとを備えて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚泥(本明細書中
において、し尿・生ゴミ・工場から排出される肉片等の
一般廃棄物及び汚泥・畜糞等の産業廃棄物を総称して
「汚泥」と呼ぶ)を菌の作用により発酵させて浄化処理
するための汚泥処理システムに用いる発酵制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より汚泥を処理することが行われて
いる。この処理を大別すると、汚泥を微生物の分解力を
用いて浄化する「浄化処理」と、海洋に投棄する「海洋
投棄」とがある。このうち浄化処理としては、自然中の
微生物を利用した浄化処理と、意図的に加えた微生物を
利用した浄化処理とが提案されている。自然中の微生物
を利用する処理の例としては、汚泥を地中に埋めて微生
物による自然発酵・分解にて浄化するものが挙げられ
る。また意図的に加えた微生物を利用する処理として、
好熱菌を利用した方法が提案されている。好熱菌は通常
の常温性微生物が増殖する温度範囲よりも高い温度で増
殖するものであり、単に有機物を分解するだけでなく、
汚泥中の病原菌や有害な寄生虫卵を高温に曝すことによ
って不活化することができるものである。
【0003】具体的な処理の過程としては、汚泥中に生
息する様々な微生物のうち比較的低温で増殖するバクテ
リア、真菌及び放線菌等の細菌によって発酵が開始さ
れ、これらは堆肥化過程進行に伴い急激に増殖し、これ
と同時に有機物の分解熱によって温度が30〜60℃ま
で上昇する。このとき温度に弱い酵母、カビ及び硝酸菌
等は死滅する。温度が上昇すると意図的に加えた好熱菌
が増殖しはじめ、さらに発酵熱が高まり、病原細菌、病
虫卵、有害昆虫卵、ウイルス、雑草種子等の大部分が不
活化され、人畜に無害なものになる。ここでの好熱菌と
して、通常の好熱菌のみならず、バイオコロニー、バイ
オヒート(共にバイオスペシャル社製)といった特に高
温性な好熱菌をも使用することにより、120℃前後の
高温まで上昇させて発酵させることが可能となる。この
ように好熱菌を使用することでより高温での発酵処理が
可能となり、したがって自然発酵に比べ処理時間を著し
く短縮することができ、また汚泥の浄化・安定化をより
一層高めることができるといったメリットがある。
【0004】また、微生物として光栄養細菌を利用した
方法もある。具体的には光栄養細菌を担体に固定させた
ものを対象物に添加したり(特開平5−111694
号)、当該細菌を担体に固定させたものをパイプ状の処
理管装置の内部に混入させて、対象物を処理する装置
(特開平8−224592号)等が挙げられる。ここで
「光栄養細菌」とは、一般に光合成細菌(Photosynthet
ic bacteria )と呼ばれている細菌のことをいい、「Be
rgey's Manual of Determinative Bacteriology8th edi
tion (1974)」で確立された分類に従い、光栄養細菌
(Phototrophic bacteria )として開示されるものを意
味する。具体的には、特に限定はなく、ロドスピリラム
属、ロドシュードモナス属、及びロドミクロビウム属を
含むロドスピリ・ラーシエ科;クロマチウム属等を含む
クロマティ・アーシエ科;クロロビウム属等を含むクロ
ロビ・アーシエ科のうちを単独で又は2種以上混合して
用いることができる。
【0005】なお、上記した光栄養細菌のみでは処理槽
内で捕食菌により捕食され、処理効率を所定のものに維
持するためには、処理中に光栄養細菌の補充が必要とな
り不便であるので、好ましい態様として、上記光栄養細
菌をその内部に固定するための「担体」を、該光栄養細
菌に対し、所定割合で添加して用いることができる。こ
のような「担体」としては、光栄養細菌の固定率が高い
という点より、多孔質粒子が好ましく、より具体的に
は、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、活性炭、
多孔質セラミックス等が好ましく、上記多孔質粒子の
他、内部に固定化光栄養細菌を含む担体を充填したポリ
ビニル製のチューブや、アルギン酸ナトリウム及び/又
はアルギン酸カルシウム等の含水ゲル状担体をも好まし
い担体として用いることが可能である。
【0006】しかし、上記従来の浄化処理のうち、自然
中の微生物を利用する処理にあっては浄化されるまで長
期間を要し、また発酵臭も強い。さらに現代の都市型住
宅では土に乏しいという実情もある。生ゴミ以外のし尿
や畜糞の浄化処理効率については未だ十分でない。また
海洋投棄による処理においては、該海洋投棄が近々全面
禁止になることが決定しており、該処理に変わる処理方
法の確立が強く要望されている。ここで、意図的に加え
た微生物を利用する処理は上記問題がなく新しい浄化処
理方法として有望視されているが、上述したようにその
基本的な原理は確立されているものの、該処理を効率良
く連続的かつ迅速に行うためのシステム及び装置は未だ
提案されておらず、実用化には至っていない。したがっ
て意図的に発生させた微生物を利用する処理を効率よく
実現するためのシステムを確立することが要望されてい
た。同時に、そのような汚泥処理システムに用いる発酵
制御装置の開発も要望されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記要望に
応えて開発されたもので、意図的に発生させた微生物を
利用した汚泥の浄化処理を効率よくまた簡易に行うこと
ができる汚泥処理システムに用いる発酵制御装置を提供
することを目的とする。本発明は、また、汚泥の発酵分
解を行う部位からの蒸気を効率的に凝縮させて凝縮水を
得ることができる汚泥処理システムに用いる発酵制御装
置を提供することを目的とする。本発明は、さらに、汚
泥の発酵分解を行う部位に暖かく且つ湿った空気を供給
して汚泥の発酵分解を促進することができる汚泥処理シ
ステムに用いる発酵制御装置を提供することを目的とす
る。本発明は、さらにまた、暖かく且つ乾いた空気を汚
泥の発酵分解を行う部位に送り、汚泥を余熱して発酵を
促進することができる汚泥処理システムに用いる発酵制
御装置を提供することを目的とする。本発明は、さらに
また、暖かく且つ湿った空気又は乾いた空気を、択一的
に選択して汚泥の発酵分解を行う部位に送り、汚泥を湿
度調節しながら余熱して発酵を促進することができる汚
泥処理システムに用いる発酵制御装置を提供することを
目的とする。本発明は、さらにまた、暖かい凝縮水を汚
泥の発酵分解を行う部位に送り、汚泥を余熱して発酵を
促進することができる汚泥処理システムに用いる発酵制
御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1に記載の本発明は、汚泥に対し所定の細菌を
混合して菌混合汚泥とし、該菌混合汚泥を少なくとも所
定期間エアを供給しながら養生することにより発酵分解
させ、その発酵熱により汚泥中の水分を蒸発させて蒸気
として回収するようにした汚泥処理システムに用いる発
酵制御装置であって、汚泥の発酵分解を行う部位からの
蒸気を導入する蒸気配管と、蒸気配管に流体的に接続し
た熱伝導性の優れた多数のパイプ及びこのパイプの周囲
に凝縮水を散水してパイプ内部を通る蒸気と熱交換する
散水式熱交換部と、散水式熱交換部のパイプから凝縮水
を放出する放水室と、放水室に外気を導入する外気管
と、凝縮水を溜めておく放水室の下方に設けられた貯水
部と、そして、放水室に充満している暖かく且つ湿った
空気を汚泥の発酵分解を行う部位に送り、汚泥を余熱し
て発酵を促進させるエア配管とを備えて構成されてなる
汚泥処理システムに用いる発酵制御装置を提供する。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の汚泥処理システムに用いる発酵制御装置において、さ
らに、貯水部の上方に放水室とは別個に区切られて形成
された空気溜め部と、そして、空気溜め部に接続され内
部のエアを消臭装置を介して外気に放出する吸引ポンプ
付き排気管とを備えていることを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の汚泥処理システムに用いる発酵制御装置におい
て、さらに、蒸気配管と散水式熱交換部との間に蒸気溜
め部と、該蒸気溜め部に配置され熱交換された暖かく且
つ乾いた空気を汚泥の発酵分解を行う部位に送り、汚泥
を余熱して発酵を促進させる熱交換用エア管とを備えて
いることを特徴とする。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の汚泥処理システムに用いる発酵制御装置において、放
水室に充満している暖かく且つ湿った空気又は蒸気溜め
部にて熱交換された暖かく且つ乾いた空気を、切替え弁
にて択一的に選択して汚泥の発酵分解を行う部位に送
り、汚泥を余熱して発酵を促進させるようにしてなるこ
とを特徴とする。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか一に記載の汚泥処理システムに用いる発酵制御
装置において、貯水部に溜められた暖かい凝縮水を汚泥
の発酵分解を行う部位に送り汚泥を余熱して発酵を促進
させることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る汚泥処理シス
テムに用いる発酵制御装置の一実施形態について図面を
参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る発酵制御
装置の一実施例を設置した汚泥処理システムにおける全
体構成を示す平面図、図2はその正面図、図3はその要
部拡大斜視図、図4は汚泥処理システムに用いられるデ
フレクタ装置の他の実施例の正面図、図5は汚泥処理シ
ステムに使用される養生コンテナの縦断面、図6はベル
トコンベア搬送式の汚泥処理方法の一実施例のフローチ
ャートであり、図7は汚泥処理システムの他の実施例の
全体構成を示す平面図である。
【0014】本発明に係る発酵制御装置の一実施例を設
置した汚泥処理システムにおいては上記した好熱菌又は
光栄養細菌をいずれか単独で又は混合して用いてもよ
い。また上記細菌のみでは処理槽内で捕食菌により捕食
されて処理効率の低下を招くので、好ましくは上記細菌
をその内部に固定するための担体、例えばパーライト、
バーミキュライト、珪藻土、活性炭、多孔質セラミック
ス等の多孔質粒子を該細菌に対し、所定割合で添加して
用いることができる。なお、図示された実施形態では好
熱菌を用いた例を示す。
【0015】まず汚泥処理システム及びその処理方法の
概略を説明し、その後システム内の各装置について詳細
に説明する。汚泥処理システムは、図1及び図2に示す
ように、汚泥を養生又は発酵分解する発酵分解領域B及
びトラック1から搬入された汚泥を細菌と混合して菌混
合汚泥を得る菌混合汚泥製造領域Cを含む汚泥処理施設
Aを備えている。この汚泥処理施設Aは一点鎖線で描い
た建屋F内に建設される。図示されているように、発酵
分解領域B及び菌混合汚泥製造領域Cは、仕切りF1に
よって区切られており、それぞれの領域ごとに必要な消
臭/臭気漏れ出し防止手段を施している。周囲への異臭
の発生・漏れ出しをなくし、この種の汚泥処理施設にあ
りがちな住民反対運動の主要因である匂いの問題を完全
になくすることができる。
【0016】菌混合汚泥製造領域Cに運ばれた汚泥は、
トラック1のタンク1aから汚泥受入装置2に投入さ
れ、ベルトコンベア6によりミキサー3に移されて該ミ
キサー3内で後述する戻し材と粗混合される。戻し材に
は、好熱菌が既に含まれているため、戻し材との粗混合
により汚泥に十分な量の種菌が付与される(このように
ミキサー3内において好熱菌が混合された汚泥を菌混合
汚泥と呼ぶ。以下同様とする)。菌混合汚泥は、次に、
菌混合粉砕装置4に搬送され、この菌混合粉砕装置4内
で菌混合汚泥は細かく粉砕されると共に好熱菌と満遍な
く接触するように混合される。
【0017】次に、菌混合汚泥は、ベルトコンベア12
を介して発酵分解領域Bに配置された養生コンテナ棟1
4のいずれかの養生コンテナ14aに移される。菌混合
汚泥は、各養生コンテナ14a内に所定日数(例えば、
2日)の養生期間停留され、その間に好熱菌の作用にて
汚泥が発酵分解する。養生期間を終えた処理済み汚泥
は、各養生コンテナ14aの底部からベルトコンベア1
5に、さらに、複数のベルトコンベア15によって搬送
された処理済み汚泥を集めて菌混合汚泥製造領域C側に
搬送するベルトコンベア17により菌混合汚泥製造領域
Cに戻される。菌混合汚泥製造領域Cでは、処理済み汚
泥は、先ず、分類装置8で戻し材(処理済み汚泥のうち
ミキサー3に投入されるものを戻し材と呼ぶ。以下同
様)と処理品(処理済み汚泥のうち堆肥として出荷され
るものを処理品と呼ぶ。以下同様)に分類される。そし
て、処理品は処理品搬出装置9に移され、農作物のため
の肥料として利用される。一方、戻し材は、計量装置1
0にて計量されたベルトコンベア6上に載せられ、汚泥
受入装置2からの新たな汚泥と共に後ミキサー3に移さ
れ、新たな汚泥と粗混合される。以後、同様の作業を連
続的に行なう。
【0018】なお、上記戻し材は主として新規に投入す
る汚泥の水分にバラツキがある場合であってもその水分
を調整する役割、即ち水分調整材として機能し、その後
の発酵促進に大いに役立つこととなる。さらにかかる戻
し材を再投入することにより、所定期間(細菌が細胞分
裂して生存し続けることができる期間)は、種菌を新規
に投入する必要がなくなる。上記戻し材は、上記新規投
入汚泥に混合した状態で、その水分が50%以上に、好
ましくは55%程度になるよう添加量を調整することが
でき、その後の汚泥の発酵を速やかに促進することがで
きる。
【0019】なお、図示された好ましい実施形態では、
ベルトコンベア15、17によって搬送された処理済み
汚泥の一部を又は計量装置10によって計量された戻し
材の一部をベルトコンベア19によって保管用コンテナ
棟20のいずれかの保管用コンテナ20aに投入保管す
るように構成されている。保管用コンテナ20aに保管
された処理済み汚泥は、その底部から必要に応じていつ
でもベルトコンベア22上に落とされ、このベルトコン
ベア22を介して養生コンテナ棟14からの処理済み汚
泥を搬送するベルトコンベア17上に載せられる。ベル
トコンベア17に載せられた処理済み汚泥は、通常の操
作を経て、分類装置8に送られ上述のような流れを繰り
返す。
【0020】次に、菌混合汚泥製造領域Cの各装置を詳
細に説明する。この菌混合汚泥製造領域Cには、概略的
に、汚泥受入装置2、ミキサー3、菌混合粉砕装置4、
分類装置8、処理品搬出装置9及び計量装置10が設け
られている。菌混合汚泥製造領域Cに出入りするトラッ
ク1は処理すべき汚泥を収納するタンク1aを搭載して
いる。このタンク1aは、汚泥を密閉状態で搬送するこ
とができるかぎりどの様な形状としても良い。汚泥受入
装置2はホッパー状に形成され、その開放した上面を介
して内部に汚泥を所定量収納自在とされている。この汚
泥受入装置2のミキサー3側の下縁部には図示しない排
出口が形成されており、この排出口には、汚泥を所定量
ずつ計量してミキサー3側に排出することができる計量
装置10と同様の計量装置を設置することができる。こ
のように、汚泥受入装置2からの新たな汚泥と、計量装
置10からの戻し材の量をそれぞれ正確に計量すること
により、ミキサー3に供給される汚泥の水分及び細菌の
混合比率等を所望の値に正確に制御することができる利
点を有している。
【0021】ミキサー3は、円筒状のもので汚泥等の投
入側から排出側に向って下りとなるように傾斜して配置
される。ミキサー3の内周面には図示しない軸方向の羽
根が固定されている。ミキサー3が回転駆動されると、
汚泥は羽根に掬い上げられて上方に持ち上げられ、所定
の角度に至った時点で底に向って落下する。このミキサ
ー3には、また、投入口3a及び図示されていない排出
口が設けられている。また、上記ミキサー3は、汚泥受
入装置2からの汚泥と分別装置8からの戻し材とを投入
口3aを介して受け入れ、これら汚泥及び戻し材を内部
の軸方向羽根の回転によって粗混合すると共に、該回転
によって排出口に向けて搬送し該排出口から排出する。
【0022】菌混合粉砕装置4は、図3に示すように、
円筒状の混合ドラム4aを基台上に回転支持装置4bを
介して低速回転自在に支持して構成されている。この混
合ドラム4aの両側面には側面板4c、4cが取付けら
れている。このうち一方の側面板4cには汚泥及び好熱
菌を取入れる図示されていない取入口が設けられ、もう
一方の側面板4cには混合処理した菌混合汚泥を取出す
取出口4dが設けられている。
【0023】この混合ドラム4aの内周には、その長手
方向に長尺の薄板片からなる多数の掬上げフィンが、回
転上り側位置にて汚泥を掬上げるように内周に対して傾
斜状に形成されている。そして、上記混合ドラム4aの
回転によって汚泥が上方に掬上げられる。また掬上げフ
ィンは、回転上り側位置にある状態において取入口側か
ら取出口4d側にかけて下り傾斜状になるように形成さ
れており、汚泥が順次回動しながら傾斜を利用して取出
口4d側へ連続的に移動するようにしてある。なお取入
口側の側面板4c上部には、空気又は好熱菌を取入れる
ための供給口を設けてある。この混合ドラム4aの内部
には、回転駆動軸4eが設けられ、該回転駆動軸4eに
は多数の回転羽が取付けられており、回転駆動軸4eを
高速に回転させることにより回転羽が高速に回転し、汚
泥を切裂状に粉砕する。
【0024】取出口4dから排出された菌混合汚泥は、
ベルトコンベア12の主ライン12bに沿って養生コン
テナ棟14の高さまで持ち上げれた後、重ね段式に配置
された複数のベルトコンベアユニットによって所定の養
生コンテナ棟14まで搬送される。主ライン12bに
は、各養生コンテナ棟14ごとに分枝ライン12aが直
角に接続されている。主ライン12bと各分枝ライン1
2aとの接続部及び分枝ライン12aの各養生コンテナ
14a上にはデフレクタ装置16が設置されている。各
デフレクタ装置16は、ベルトコンベア上に載せられた
菌混合汚泥を主ライン12bから所望の分枝ライン12
aへ、又は、分枝ライン12aから所望の養生コンテナ
14aに偏向させる役割を果たす。
【0025】図示された好ましい実施形態においては、
かかるデフレクタ装置16は、図示されていないモータ
により回転駆動される軸部材16bと、この軸部材16
bに固定されたデフレクタ板16aとを含んで構成され
ている。デフレクタ板16aは、通常は、ベルトコンベ
ア12の両側に設置されたフェンスの一部を構成し、菌
混合汚泥がサイドに落下しないように抑制している。モ
ータの回転駆動により、デフレクタ板16aがベルトコ
ンベア12上に移動すると、ベルトコンベア12によっ
て搬送されていた菌混合汚泥は、デフレクタ板16aに
よってその進行方向を直角に曲げられる。
【0026】このようにして、空の養生コンテナ14a
に所定の量の菌混合汚泥を投入するように、主ライン1
2bと各分枝ライン12aとの接続部及び分枝ライン1
2aの各養生コンテナ14a上に設置されたデフレクタ
装置16を順番に作動させる。これにより、所望の養生
コンテナ棟14の所望の養生コンテナ14aに、菌混合
汚泥を順次満たしていく。図示された好ましい実施形態
では、分枝ライン12aの各養生コンテナ14a上に
は、左右一対のデフレクタ装置16が設置されている。
これにより、菌混合汚泥を各養生コンテナ14aに均等
に充填することができる。
【0027】図4は、分枝ライン12aの各養生コンテ
ナ14a上に設置するデフレクタ装置の他の実施例を示
している。デフレクタ装置18は、概略的に、アクチュ
エータ18aと、養生コンテナ14aの側面壁にピボッ
ト18bを介して回転可能に取り付けられた回動棒18
cと、そして、この回動棒18cの先端に固定されたデ
フレクタプレート18dとから構成されている。アクチ
ュエータ18aは、養生コンテナ14aの両側面壁に掛
け渡された梁14bの所定位置と回動棒18cの所定位
置との間に装着されいる。図示されていない制御装置に
よりアクチュエータ18aを駆動すると、デフレクタ装
置18は、図4の実線の位置(デフレクタ装置が菌混合
汚泥をベルトコンベア12から養生コンテナ14a内に
偏向落下させている状態)と二点鎖線の位置(デフレク
タ装置が作動していない状態)との間で運動する。デフ
レクタプレート18dが分枝ライン12aに隣接する実
線の位置に置かれると、分枝ライン12a上に載せられ
た菌混合汚泥は、これに邪魔されて偏向され、下方の養
生コンテナ14a内に落下される。
【0028】図5は、養生コンテナ14aの縦断面図で
ある。図示されているように、養生コンテナ14aは、
底部が概略的にV字形をなす傾斜した底壁14b,14
cを有しており、その最下部に長方形の排出口14dが
形成されている。排出口14dには、処理済み汚泥を所
定量ずつ計量して排出する計量装置25が設置されてい
る。計量装置25は、概略的に、円筒状の軸部25a
と、軸部25aの外周面に軸方向に連続して且つ円周方
向に等間隔に固定された複数のプレート25bと、そし
て、図示されていない駆動装置とから構成されている。
養生コンテナ14a内において発酵分解された処理済み
汚泥は、隣接する一対のプレート25bによって形成さ
れる領域(図のA〜C)に収納されて回転し、領域Dの
位置でその自重によりベルトコンベア15上に落下す
る。駆動装置を間欠的に駆動する又はその速度を変化さ
せることによって、計量装置25によって排出される処
理済み汚泥の量を自由に調節することができる。
【0029】養生コンテナ14aの内部には、また、図
5に示すように、主として発酵に関する部材として、内
部の温度を調節するために温湯を循環するための保温管
14e及び汚泥と細菌の発酵処理を促進させるために空
気を均一に送り込むための空気供給管14fが設けられ
ている。さらに、各養生コンテナ14a又は各養生コン
テナ棟14には、水蒸気を外部に排出する蒸気排出管2
7a、好熱菌の代わりに又は好熱菌と共に光栄養細菌が
使用される場合には該光栄養細菌の欲する光を照射する
照明装置(図示されていない)が設置される。また、各
養生コンテナ14aの側面には、発酵処理の開始段階か
ら終了段階までのコンテナ内部の温度・内圧の状態を把
握し、外部の処理装置に出力するためのセンサ(図示さ
れていない)が取り付けられている。
【0030】本発明に係る発酵制御装置29は、各養生
コンテナ14a又は各養生コンテナ棟14からの蒸気排
出管27aに接続しており、この発酵制御装置29にお
いて蒸気は凝縮して凝縮水となる。図8に図示されてい
るように、本発明に係る発酵制御装置29は、概略直方
体状のハウジング29aを備えている。ハウジング29
a内には、蒸気溜め部29bと、散水式熱交換部29c
と、放水室29dと、貯水部29eと、そして、空気溜
め部29fとを備えて構成されている。
【0031】養生コンテナ14aからの蒸気は、蒸気排
出管27aから蒸気配管29gを介して蒸気溜め部29
b内へと導入される。蒸気溜め部29b内には、ジグザ
ク状に熱交換用エア管29hが配置されている。交換用
エア管29hの解放端から入ったエアは、蒸気溜め部2
9bの位置で熱交換されて暖かく且つ乾いた空気とな
り、養生コンテナ14aに送られ、汚泥を余熱して発酵
を促進させる。一方、蒸気は、蒸気溜め部29bを通っ
た後、散水式熱交換部29cにほぼ水平に配置された多
数の熱伝導性の優れたパイプ29iを通って放水室29
dに送られる。散水式熱交換部29cの底部に溜められ
た凝縮水は、配管29jを介して天井部に取り付けられ
た散水ノズル29kに送られ、この散水ノズル29kか
ら散水される。従って、パイプ29iを通る蒸気は、散
水式熱交換部29c内に散水された凝縮水により冷却さ
れて凝縮する。
【0032】散水式熱交換部29cのパイプ29iから
の凝縮水は放水室29d内に放出され、該放水室29d
を落下して、貯水部29eに溜められる。放水室29d
には外気を該放水室29dに導入する外気管29mと、
該放水室29dに充満している暖かく且つ湿った空気を
養生コンテナ14aに送るためのエア配管29nとが取
り付けられている。熱交換用エア管29hとエア配管2
9nとの接合部には、切替え弁29pが取り付けられて
おり、養生コンテナ14aに送るエアを湿ったものか、
乾いたものかのいずれかを選択し得るようにしている。
これにより、養生コンテナ14a内の菌混合汚泥の性質
(乾いたものか湿ったものか)により、最良の状態のエ
アを供給して発酵分解することができる。
【0033】貯水部29eの上方には、放水室29dと
は別個に壁29qによって区切られて空気溜め部29f
が形成されている。この空気溜め部29fには、図示さ
れていない吸引ポンプ付きの排気管29rが取り付けら
れており、空気溜め部29fの内部のエアは、消臭装置
29sを介して外気に放出される。外部に排出されるエ
アは、このように、全て、消臭装置29sを通して排出
されるため、この種の汚泥処理施設Aにありがちな異臭
問題を完全に回避することができる。
【0034】なお、貯水部29eに溜められた暖かい凝
縮水を温水管29tを介して養生コンテナ14aに送
り、汚泥を余熱して発酵を促進させることもできる。あ
るいは、凝縮水は、配管27bを通ってポンプ27cに
吸引され、コンジショナ27dに送られる。各養生コン
テナ棟14には、また、それらに隣接して加圧空気を各
養生コンテナ14a内に空気供給管14fを介して供給
するブロワ31が設置されている。配管31aは交換用
エア管29hに接続することもでき、従って、ブロワ3
1からの加圧エアは交換用エア管29hを通って一旦発
酵制御装置29内に導入され、蒸気配管29gを通る蒸
気と熱交換して加熱された後、配管27bを通して養生
コンテナ14aに送られる。これにより、養生コンテナ
14a内を余熱することができ菌混合汚泥の発酵を促進
する。
【0035】養生コンテナ棟14の発酵制御装置29及
びブロワ31の設置される側とは反対の側には、保温管
14eに流体的に接続するボイラ33が設置されてい
る。ボイラ33と保温管14eとの間には、配管33a
が配設されており、温水が必要とされる養生コンテナ1
4aに供給されるように各分枝部位にコンピュータ制御
の弁が配置される。なお、保管用コンテナ20aは、処
理済み汚泥を一時的に保管しておくためのものであるた
め、改めて余熱する必要がなく、従って、配管33aは
設置されていない。図示された好ましい実施形態におい
ては、収納された処理済み汚泥が、十分に発酵分解され
ていなかった場合用に、加圧エアをブロワ31から供給
することができるように構成されている。従って、発生
した蒸気を回収するための凝縮水回収装置27も、ま
た、設置されている。
【0036】分類装置8は、地面を掘り下げてなるピッ
ト内に配置されるもので、ベルトコンベア17の端部よ
り下方に配置される略方形コンテナ状の受槽と、該受槽
内に配置された篩分け用の格子装置とから構成されてい
る。分類装置8は、処理済み汚泥を所定径以下の小粒体
と、所定径以上の残り材との2つに分類するためのもの
で、上記所定径に対応したメッシュ径の図示しない網部
を有している。それにより、該網部上に処理済み汚泥を
載置させると共に、該網部を略水平方向に揺動させる。
この分類装置8にはベルトコンベアが連係されており、
網部を通過した所定径以下の小粒体は処理品として処理
品搬出装置9側に移送され、網部上に残留する残り材は
戻し材としてベルトコンベア7を介してミキサー3側に
移送される。また、処理品搬出装置9は、ベルトコンベ
ア11にて搬送される小粒体たる処理品を出荷可能に梱
包する。
【0037】次に、かかる汚泥処理システムにおける消
臭設備について説明する。この消臭設備には、図1に示
された凝縮水回収装置27により回収された凝縮水を利
用する。上記養生コンテナ14a内における菌混合汚泥
の発酵の際、該発酵に伴って菌混合汚泥の温度は約90
〜130℃程度にまで上昇する。そうすると、菌混合汚
泥中の水分は、上記菌混合汚泥中の細菌及び/又は消臭
成分を含んだ形で蒸気となり、この蒸気を発酵制御装置
29にて凝縮水とした後、配管27bを介してコンジシ
ョナ27dに送られそこに溜められる。
【0038】そして、上記凝縮水を図示されていない配
管を通して消臭を行うべき場所、例えば、菌混合汚泥製
造領域Cの汚泥受入装置2の上方に設置された水噴霧装
置にて建屋内に噴霧し、あるいは散水等する。これによ
り、凝縮水中の細菌及び/又は消臭成分の作用によって
消臭が行われる。例えば、汚泥受入装置2の付近は、ト
ラック1のタンク1aから汚泥が放出されるため特に異
臭が発生しやすい。
【0039】そこで、図示された好ましい実施形態で
は、汚泥受入装置2を含む領域を、特に、消臭必要領域
Dとして密閉壁で囲い、そこに、凝縮水を水噴霧装置に
て噴霧し、あるいは散水している。また、受入装置2か
らミキサー3へ、また、菌混合粉砕装置4への移送時
に、あるいは、汚泥を該受入装置2へ投入した後のトラ
ック1の荷台に、それぞれ噴霧するように構成すること
もできる。このようにして本汚泥処理システム中におけ
る適所に発生する異臭を消臭することが可能となる。
【0040】なお、得られた凝縮水は上述の汚泥処理シ
ステムにおける消臭効果のみならず、土壌改良剤等の液
体肥料に対してもその効果を発揮するものである。次
に、上記汚泥処理システムの処理手順について図6を参
照しつつ詳細に説明する。荷台に載置したタンク1aに
汚泥を収納したトラック1は、汚泥処理施設Aにおける
菌混合汚泥製造領域Cに入場し、タンク1aに収納され
た汚泥の重量を計量する(ステップS1)。この計量
は、建屋Fに隣接して設置されたトラック重量計Gによ
って行う。次に、トラック1の後部を上面を開放した汚
泥受入装置2に対峙させ、タンク1aを傾斜させること
によって、該タンク1aの内容物たる汚泥を汚泥受入装
置2に投入する(ステップS2)。投入直前より、消臭
必要領域Dに水噴霧装置より凝縮水を噴霧して消臭必要
領域Dの消臭を行う(ステップS3)。トラック1は、
自動洗浄装置Hに向かい、該自動洗浄装置Hによってト
ラック1及びそのタンク1aが自動的に洗浄され、次の
汚泥の積載地に向かう。ここでの洗浄水にも、コンジシ
ョナ27dからの凝縮水を用いることができる。
【0041】ここで汚泥受入装置2には、図5に示され
たような計量装置25と同様の汚泥重量計量器が備えら
れており、汚泥受入装置2に投入された汚泥の重量が汚
泥重量計量器にて計量されてベルトコンベア6に送られ
る。例えば、1台のトラック1から約10tの汚泥が投
入され、汚泥受入装置2に投入すべき所定量が100t
であるとすれば、10台のトラック1にて汚泥の投入が
行われる。汚泥受入装置2に投入された汚泥は、ベルト
コンベア6を介してミキサー3に投入される。また同時
にベルトコンベア6には、分類装置8にて分類された大
径部たる戻し材がベルトコンベア7を介して載せられ
る。この戻し材はその内部に好熱菌を含むものであり、
このように好熱菌を含む戻し材を汚泥と同時に投入する
ことによって、該汚泥に好熱菌が種菌として混合され
る。そしてミキサー3の内部のスクリューの回転によっ
て汚泥及び戻し材が粗混合される(ステップS4)。
【0042】ミキサー3にて粗混合され排出された汚泥
及び戻し材は菌混合粉砕装置4に設けた図示されていな
い取入口に達し、混合ドラム4a内に投入される。この
混合ドラム4aは、回転支持装置4bにより常時低速回
転されている。従って、混合ドラム4a内に投入された
菌混合汚泥は、薄板片からなる多数の掬上げフィンに掬
い上げられ、所定の高さに至った時点で自重により落下
する。菌混合汚泥の落下軌跡中に高速回転する多数の回
転羽が位置し、これにより、菌混合汚泥を切裂状に粉砕
且つ汚泥に対して好熱菌を略均一に混合する。掬上げフ
ィンは、回転上り側位置にある状態において取入口側か
ら取出口4d側にかけて下り傾斜状になるように形成さ
れている。従って、菌混合汚泥は、粉砕され且つ回動し
ながら、順次、傾斜を利用して取出口4d側へ連続的に
移動する(ステップS5)。
【0043】そして、この菌混合汚泥が菌混合粉砕装置
4の取出口4dから外部へ排出され、ベルトコンベア1
2上に落下される。この菌混合粉砕装置4における混合
に際しては、コンジショナ27dからの凝縮水を消臭ス
プレーにより吹き掛け消臭を行うこともできる。また、
凝縮水の噴霧により、水分の調節をすることもできるも
のである。菌混合粉砕装置4から排出された菌混合汚泥
は、ベルトコンベア12によって送られ、主ライン12
bから所望の分枝ライン12aにデフレクタ装置16に
よって偏向され、さらに、デフレクタ装置16又はデフ
レクタ装置18によって所望の養生コンテナ14a内に
落下される(ステップS6)。ここでも消臭スプレーに
よる消臭を行うことができる。
【0044】各養生コンテナ14aに所定の深さまで投
入された菌混合汚泥は、その中で所定日数の間収納され
細菌の作用により発酵分解される(ステップS7)。発
酵分解に際して、菌混合汚泥が低温である場合には、ボ
イラ33から配管33a及び保温管14eを介して温水
を循環供給し、温度を上げて発酵を促進するようにでき
る。あるいは、発酵が進んで高温蒸気を発生している他
の養生コンテナ14aから蒸気を供給して(菌混合汚泥
の水分を多くした方が良い場合)、あるいは、そのよう
な養生コンテナ14aの発酵制御装置29で熱交換を行
った後の加圧エアを配管31b及び空気供給管14fを
介して当該養生コンテナ14a(菌混合汚泥の水分はそ
のまま又は少なくした方が良い場合)に供給することも
できる。こうすることにより、寒冷地においては汚泥の
温度が低いために発酵が進みにくく、処理が完了するま
での期間が長くなるという事態を防ぐことが可能とな
る。
【0045】所定の養生期間が経過し菌混合汚泥が発酵
分解した後、各養生コンテナ14aの底部に設置した計
量装置25を作動させて、処理済み汚泥を所定量ずつ計
量してベルトコンベア15上に排出する。処理済み汚泥
は、ベルトコンベア15により、養生コンテナ棟14の
下方を移動した後、それとほぼ直角に延びるベルトコン
ベア17により菌混合汚泥製造領域Cに戻される(ステ
ップS8)。ベルトコンベア15、17により菌混合汚
泥製造領域Cに戻し材された処理済み汚泥は、分類装置
8の受槽に排出される。分類装置8において、処理済み
汚泥が内部のフルイ形式の分類機構によって分類された
後(ステップS9)、その略半分が処理品搬出装置9に
移され、該処理品搬出装置9で袋詰めされて、出荷待ち
のため製品倉庫に納められる(ステップS10)。
【0046】そして、分類装置8内に残存するほぼ半分
の処理済み汚泥は、戻し材として計量装置10で計量し
た後ベルトコンベア7によりミキサー3側に搬送され、
汚泥受入装置2からの新しい汚泥と一緒にすべくベルト
コンベア6上に載せられる(ステップS11)。分類装
置8内に残存するほぼ半分の処理済み汚泥は、一時的
に、保管用コンテナ棟20の保管用コンテナ20aに保
管しておくこともできる。これにより、汚泥受入装置2
へ供給される新たな汚泥とタイミングを合わせることが
できる。なお、保管用コンテナ20aに収納された処理
済み汚泥の水分調整のために、凝縮水回収装置27から
の凝縮水を噴霧したり、あるいは、ブロワ31から加圧
エアを噴射することもできる。そして、戻し材は、汚泥
受入装置2に新規に投入される汚泥と混合した時、水分
を50%以上、好ましくは、55%程度となるようにす
る。汚泥の水分調整は、また、汚泥受入装置2から送ら
れてくる新たな汚泥と計量装置10から送られてくる戻
し材の混合割合をそれぞれの計量装置の駆動速度を調節
することにより行うことができる。
【0047】さてこれまで本発明の一実施形態について
説明したが、本発明は上記に示した汚泥処理システムに
限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異な
る形態にて実施されてよいものである。例えば、図7に
示すように、汚泥受入装置2を発酵分解領域Bに隣接す
るように配置し、トラック重量計G及び自動洗浄装置H
と共に一緒の建屋E内に設置されるようにする。そし
て、その建屋全体に、凝縮水回収装置27によって回収
した凝縮水を噴霧又は散水する。それにより、トラック
1がその建屋の出入り口から後ろ向きに入り、汚泥受入
装置2に汚泥を投入し、そして、再び出入り口から出て
くる間に、汚泥の計量、洗浄及び消臭を全て終えること
ができるようにすることができる。なお、図1〜図6に
示した汚泥処理システムと同一の構成要素については同
じ参照番号を付してその詳細な説明は省略する。
【0048】
【発明の効果】上記したように請求項1に記載の本発明
は、汚泥に対し所定の細菌を混合して菌混合汚泥とし、
該菌混合汚泥を少なくとも所定期間エアを供給しながら
養生することにより発酵分解させ、その発酵熱により汚
泥中の水分を蒸発させて蒸気として回収するようにした
汚泥処理システムに用いる発酵制御装置であって、汚泥
の発酵分解を行う部位からの蒸気を導入する蒸気配管
と、蒸気配管に流体的に接続した熱伝導性の優れた多数
のパイプ及びこのパイプの周囲に凝縮水を散水してパイ
プ内部を通る蒸気と熱交換する散水式熱交換部と、散水
式熱交換部のパイプから凝縮水を放出する放水室と、放
水室に外気を導入する外気管と、凝縮水を溜めておく放
水室の下方に設けられた貯水部と、そして、放水室に充
満している暖かく且つ湿った空気を汚泥の発酵分解を行
う部位に送り、汚泥を余熱して発酵を促進させるエア配
管とを備えて構成されているため、汚泥の発酵分解を行
う部位からの蒸気を効率的に凝縮させて凝縮水を得るこ
とができる効果がある。
【0049】また、請求項2に記載の発明は、貯水部の
上方に放水室とは別個に区切られて形成された空気溜め
部と、そして、空気溜め部に接続され内部のエアを消臭
装置を介して外気に放出する吸引ポンプ付き排気管とを
備えているため、汚泥処理施設にありがちな住民反対運
動の主要因である匂いの問題を完全になくすることがで
きる。また、請求項3に記載の発明は、蒸気配管と散水
式熱交換部との間に蒸気溜め部と、該蒸気溜め部に配置
された熱交換用エア管とを備えているため、暖かく且つ
乾いた空気を汚泥の発酵分解を行う部位に送り、汚泥を
余熱して発酵を促進することができる。
【0050】そして、請求項4に記載の発明は、放水室
に接続したエア配管と蒸気溜め部に配置された熱交換用
エア管との接合部に切替え弁が設けられているため、放
水室に充満している暖かく且つ湿った空気又は蒸気溜め
部にて熱交換された暖かく且つ乾いた空気を択一的に選
択して汚泥の発酵分解を行う部位に送り湿度調節しつつ
汚泥を余熱して発酵を促進させるようにする効果があ
る。更に、請求項5に記載の発明は、貯水部に溜められ
た暖かい凝縮水を汚泥の発酵分解を行う部位に送るよう
にしたため、汚泥を余熱して発酵を促進することがで
き、寒冷地においては汚泥の温度が低いために発酵が進
みにくく、処理が完了するまでの期間が長くなるという
事態を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る発酵制御装置の一実施例を設置
した汚泥処理システムにおける全体構成を示す平面図で
ある。
【図2】 図1に示された汚泥処理システムの正面図で
ある。
【図3】 図1に示された汚泥処理システムの要部拡大
斜視図である。
【図4】 汚泥処理システムに用いられるデフレクタ装
置の他の実施例の正面図である。
【図5】 汚泥処理システムに使用される養生コンテナ
の縦断面である。
【図6】 ベルトコンベア搬送式の汚泥処理方法の一実
施例のフローチャートである。
【図7】 汚泥処理システムの他の実施例の全体構成を
示す平面図である。
【図8】 本発明に係る発酵制御装置の一実施形態の各
構成要素間の関係を示す概略図である。
【図9】 本発明に係る発酵制御装置の一実施形態の正
面図である。
【図10】 図9の発酵制御装置の右側面図である。
【符号の説明】 A 汚泥処理施設 B 発酵分解領域 C 菌混合汚泥製造領域 D 消臭必要領域 E 建屋 F 建屋 G トラック重量計 H 自動洗浄装置 1 トラック 1a タンク 2 汚泥受入装置 3 ミキサー 4 菌混合粉砕装置 6、7 ベルトコンベア 8 分類装置 9 処理品搬出装置 10 計量装置 11 ベルトコンベア 12 ベルトコンベア 12a 分枝ライン、12b 主ライン 14 養生コンテナ棟 14a 養生コンテナ、14b、14c 底壁、14d
排出口、 14e 保温管、14f 空気供給管 15、17 ベルトコンベア 16 デフレクタ装置 16a デフレクタ板、16b 軸部材 18 デフレクタ装置 18a アクチュエータ、18b ピボット、18c
回動棒、 18d デフレクタプレート 19 ベルトコンベア 20 保管用コンテナ棟 20a 保管用コンテナ 22 ベルトコンベア 25 計量装置 27 凝縮水回収装置 27a 蒸気排出管、27b 配管、27c ポンプ、
27d コンジショナ 29 発酵制御装置 29a ハウジング、29b 蒸気溜め部、29c 散
水式熱交換部、 29d 放水室、29e 貯水部、29f 空気溜め部 31 ブロワ 31a、31b 配管 33 ボイラ 33a 配管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥に対し所定の細菌を混合して菌混合
    汚泥とし、該菌混合汚泥を少なくとも所定期間エアを供
    給しながら養生することにより発酵分解させ、その発酵
    熱により汚泥中の水分を蒸発させて蒸気として回収する
    ようにした汚泥処理システムに用いる発酵制御装置であ
    って、 汚泥の発酵分解を行う部位からの蒸気を導入する蒸気配
    管と、 前記蒸気配管に流体的に接続した熱伝導性の優れた多数
    のパイプ及びこのパイプの周囲に凝縮水を散水してパイ
    プ内部を通る蒸気と熱交換する散水式熱交換部と、 前記散水式熱交換部のパイプから凝縮水を放出する放水
    室と、 前記放水室に外気を導入する外気管と、 凝縮水を溜めておく前記放水室の下方に設けられた貯水
    部と、そして、 前記放水室に充満している暖かく且つ湿った空気を汚泥
    の発酵分解を行う部位に送り、汚泥を余熱して発酵を促
    進させるエア配管と、 を備えて構成されてなる汚泥処理システムに用いる発酵
    制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の汚泥処理システムに用
    いる発酵制御装置において、さらに、前記貯水部の上方
    に前記放水室とは別個に区切られて形成された空気溜め
    部と、そして、前記空気溜め部に接続され内部のエアを
    消臭装置を介して外気に放出する吸引ポンプ付き排気管
    とを備えていることを特徴とする汚泥処理システムに用
    いる発酵制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の汚泥処理システ
    ムに用いる発酵制御装置において、さらに、前記蒸気配
    管と前記散水式熱交換部との間に蒸気溜め部と、該蒸気
    溜め部に配置され熱交換された暖かく且つ乾いた空気を
    汚泥の発酵分解を行う部位に送り、汚泥を余熱して発酵
    を促進させる熱交換用エア管とを備えていることを特徴
    とする汚泥処理システムに用いる発酵制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の汚泥処理システムに用
    いる発酵制御装置において、放水室に充満している暖か
    く且つ湿った空気又は蒸気溜め部にて熱交換された暖か
    く且つ乾いた空気を、切替え弁にて択一的に選択して汚
    泥の発酵分解を行う部位に送り、汚泥を余熱して発酵を
    促進させるようにしてなることを特徴とする汚泥処理シ
    ステムに用いる発酵制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一に記載の汚泥
    処理システムに用いる発酵制御装置において、前記貯水
    部に溜められた暖かい凝縮水を汚泥の発酵分解を行う部
    位に送り、汚泥を余熱して発酵を促進させることを特徴
    とする汚泥処理システムに用いる発酵制御装置。
JP12424398A 1998-04-17 1998-04-17 汚泥処理システムに用いる発酵制御装置 Pending JPH11300392A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017137400A (ja) * 2016-02-03 2017-08-10 太平洋セメント株式会社 有機汚泥類の燃料化方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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