JPH11299880A - カテーテル - Google Patents

カテーテル

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JPH11299880A
JPH11299880A JP10114707A JP11470798A JPH11299880A JP H11299880 A JPH11299880 A JP H11299880A JP 10114707 A JP10114707 A JP 10114707A JP 11470798 A JP11470798 A JP 11470798A JP H11299880 A JPH11299880 A JP H11299880A
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JP
Japan
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catheter
lubricity
tip
distal end
end portion
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JP10114707A
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English (en)
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Keiichi Yamamoto
慶一 山本
Shuzo Itotani
秀三 糸谷
Masanao Koyama
正直 小山
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗血栓性を有し、かつ体内に挿入する際に、
管腔壁を損傷することなく目的部位に挿入できる、操作
性の良いカテーテルを提供する。 【解決手段】 少なくとも体内に挿入される部分が抗血
栓性を有するカテーテルにおいて、表面が湿潤時に潤滑
性を有し、カテーテル先端部分の潤滑性が最も高く、基
端部分の潤滑性が最も低いことを特徴とするカテーテ
ル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテーテルに関す
るものであり、さらに詳しくは、体内の屈曲した管腔、
特に血管内を通過して体内目的部位に先端を留置し、治
療や診断を行うためのカテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カテーテルは、高カロリー輸液の
投与、血液透析用のブラッドアクセス等の目的の為に使
用されてきたが、近年、患者の負担の軽減を図るため、
経カテーテル的に目的部位に造影剤や薬剤を注入して診
断や治療を行うことが多くなってきた。このような目的
で使用されるカテーテルは、目的部位にできるだけ近く
まで挿入する必要がある。目的部位近傍では、生体の管
腔、主として血管は、一般的には径が小さく、屈曲して
いるため、カテーテルは屈曲した管腔の形状に追従して
管腔壁を傷つけることなく通過できる程度に柔軟である
必要があるが、同時に、体外からの操作によりカテーテ
ル先端を目的部位まで挿入できる程度に剛性を有してい
なければならない。このような要求性能を満たすため、
2つのアプローチが行われてきた。
【0003】1つは、カテーテル表面に潤滑性を付与し
て管腔壁との摩擦を低減する方法である。このような方
法としては、特開昭54−29343号公報にはポリビ
ニルピロリドンとポリウレタンとのインターポリマーを
表面に形成させる方法が、特開昭59−81341号公
報には表面に生成された未反応のイソシアネートに親水
性重合体を共有結合させる方法が、特開昭58−193
766号公報にはイソシアネート基を有する化合物を介
してポリエチレンオキシドのコーティングを表面に形成
させる方法がそれぞれ開示されている。また、特公平1
−33181号公報には無水マレイン酸系高分子を表面
に共有結合させる方法が、特開平6−7426号公報に
は高分子材料を極性溶媒で膨潤させ、溶媒中の親水性高
分子化合物を高分子材料に含浸させる潤滑性付与方法
が、特開平5−76590号公報には高分子材料をオゾ
ン処理し、水溶性単量体をグラフト重合させる潤滑性を
有するカテーテルの製造方法が開示されている。
【0004】もう1つのアプローチは、遠位部分を柔軟
性の高い材料で、近位部分を剛性の高い材料で成形する
方法である。特開昭48−42589号公報には可撓性
の異なる材料を接合したプラスチックチューブが開示さ
れている。また、特開昭58−218966号公報、特
開昭60−31765号公報、特開平7−308385
号公報、特開平7−148264号公報等には、可撓性
の大きい材質からなる層と剛性の大きい材質からなる層
から形成される2層構造のチューブで、遠位部分と近位
部分における両層の比を変えるか、剛性の大きい材質か
らなる層を近位部分に限局することによって遠位部分の
可撓性を近位部分の可撓性よりも大きくしたカテーテル
が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の様なアプロー
チ、及び2つのアプローチを適宜組合せることによっ
て、生体管腔内を目的部位に向かってカテーテルが移動
する際に管腔壁を損傷することの少ないカテーテルが製
造されている。このようなカテーテルは、通常シースと
よばれる筒状の容器に収納されており、使用時にはシー
ス内に生理食塩水やヘパリン化生理食塩水を充填してカ
テーテル表面を濡らし、カテーテルの滑りを良くしてシ
ースから取り出し、体内に挿入する。しかし、柔軟性が
高く潤滑性を有するカテーテルは滑りやすいため、シー
スから取り出し、体内に挿入する操作を行いにくいとい
う欠点を有していた。特に、カテーテル全体に占める体
内挿入部長の比率が大きく、かつカテーテル遠位部から
近位部までの長さが比較的長いカテーテルにおいては、
滑りやすさを避けるため、近位端のみでシースから取り
出し、体内に挿入したり体内から引き抜いたりする操作
は、難しいという欠点を有していた。一方、血液と直接
接触するような用途に用いられる医療材料では、抗血栓
性を有するものが求められており、このような材料とし
て、ミクロ相分離構造を有する材料、超親水性表面を有
する材料、抗凝固性物質を徐放する材料、抗凝固性物質
や線溶活性酵素を表面に結合させた材料等が開発されて
きた。しかし、抗血栓性を有し、かつ操作性の良いカテ
ーテルは開発されていないのが現状である。
【0006】本発明は、抗血栓性を有し、かつ体内に挿
入する際に、管腔壁を損傷することなく目的部位に挿入
できる、操作性の良いカテーテルを提供することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも
体内に挿入される部分が抗血栓性を有し、かつその一部
が湿潤時に潤滑性を有するカテーテル、また、カテーテ
ル先端部分の潤滑性を高く、基端部分の潤滑性を低くす
ることにより、患者の体内、特に目的部位近傍の細い管
腔ではカテーテル先端部分の高い潤滑性により管腔内壁
の損傷が抑えられ、カテーテルの挿入も容易に行うこと
ができ、しかもカテーテルは抗血栓性も有するという事
実を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、
少なくとも体内に挿入される部分が抗血栓性を有するカ
テーテルにおいて、表面が湿潤時に潤滑性を有し、カテ
ーテル先端部分の潤滑性が最も高く、基端部分の潤滑性
が最も低いことを特徴とするカテーテルを要旨とするも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明のカテーテルは、抗血栓性を有し、
さらにカテーテル表面が湿潤時に潤滑性を有するもので
ある。本発明のカテーテルは、少なくとも体内に挿入さ
れる部分は抗血栓性を有するものであり、好ましくは、
カテーテル全長に対して先端から50%以上の長さにわ
たって抗血栓性を有するものである。また、カテーテル
の内表面は全体が抗血栓性を有するものが好ましい。
【0010】本発明のカテーテルは、少なくとも表面の
一部が湿潤時に潤滑性を有するものであり、少なくとも
外表面の抗血栓性を有する部分の一部、好ましくは、カ
テーテル全長に対して先端から10%以上の長さにわた
って湿潤時に潤滑性を有するものである。また、カテー
テルの内表面は、湿潤時に潤滑性を有しないものであっ
てもよいが、少なくとも抗血栓性は有するものが好まし
い。本発明のカテーテルは、カテーテル先端部分の潤滑
性が最も高く、基端部分の潤滑性が最も低いものであ
る。また、カテーテルの表面の潤滑性の高さは、カテー
テルの長さ方向に変化しているものが好ましく、また、
連続的に変化しているもの、段階的に変化しているもの
が好ましい。
【0011】さらに、潤滑性の高さが連続的に変化して
いる部分と段階的に変化している部分とからなるもので
もよい。さらに、潤滑性の高さが連続的に変化している
部分又は段階的に変化している部分のうち少なくとも一
方が複数箇所存在してるものでもよい。
【0012】先端部分、基端部分、先端部分と基端部分
との間の中間部分の各部分における潤滑性の高さは、各
部分内で連続的に変化するものであっても、段階的に変
化するものであっても、一定であってもよい。先端部分
と中間部分からなる部分、及び中間部分と基端部分から
なる部分の少なくとも一部分において潤滑性の高さが連
続的に変化していてもよい。中間部分の先端側と先端部
分における潤滑性の高さは同じであっても、異なるもの
であってもよい。また、中間部分の基端側と基端部分に
おける潤滑性の高さは同じであっても、異なるものであ
ってもよい。また、中間部分における潤滑性の高さが連
続的又は段階的に変化するものは、カテーテルの先端部
分から基端部分にかけて潤滑性の高さのギャップが生じ
ないため、例えば、先端部分のみ潤滑性を有するもの等
と比較して、挿入、引出し操作がスムーズに行え、ま
た、管腔内壁の損傷が生じにくいので好ましい。
【0013】ここで、本発明における潤滑性とは、以下
の傾斜法により測定した摩擦係数により評価したもので
あり、摩擦係数が小さいものほど潤滑性が高いものであ
ると評価する。摩擦係数の測定方法は、まず潤滑処理を
行ったカテーテルを傾斜板上に2本並べ、100gの重
りをカテーテルの上に載せる。次にカテーテルを水で濡
らし、傾斜板を一定速度で傾斜させ、重りが滑り始めた
時の傾斜板の角度を測定し、その正接を摩擦係数とし
た。
【0014】先端部分の潤滑性としては、最も潤滑性の
高い部分の摩擦係数が0.3以下であることが好まし
く、0.2以下であることが更に好ましい。基端部分の
潤滑性としては、最も潤滑性の低い部分の摩擦係数が
0.6以上であることが好ましく、0.7以上であるこ
とが更に好ましい。先端部分、基端部分いずれにおいて
も先端側の潤滑性が最も高く、基端側は先端側よりも潤
滑性が低く、かつ潤滑性の高さが各部分において連続的
に変化しているものが好ましい。また、潤滑性が急激に
変化する部分があると、体内への挿入時に潤滑性の変化
部分で急に抵抗が大きくなり、非常に操作が行いにくく
なることがあるので、先端部分の基端側と基端部分の先
端側との潤滑性の高さの差が小さいものが好ましい。こ
のようなカテーテルとしては、例えば、先端部分の先端
側の摩擦係数が0.2以下、基端側の摩擦係数が0.3
〜0.6、基端部分の先端側の摩擦係数が0.3〜0.
6、基端部分の基端側の摩擦係数が0.8以上であるカ
テーテルが挙げられる。
【0015】先端部分及び基端部分の潤滑性がいずれの
部分においても連続的に変化していない場合には、先端
部分と基端部分との間に潤滑性の高さのギャップが生じ
るので、先端部分よりも低く、基端部分よりも高い潤滑
性を有する中間部分を先端部分と基端部分との間に設け
ることが好ましい。この場合には、先端部分の潤滑性は
摩擦係数が0.3以下、好ましくは0.2以下であり、
中間部分は摩擦係数が0.3〜0.6、好ましくは0.
4〜0.5であり、基端部分は摩擦係数が0.6以上、
好ましくは0.7以上である。また、この際、中間部分
における潤滑性は連続的又は段階的に変化しているもの
が好ましい。
【0016】高い潤滑性を有する先端部分の長さは、カ
テーテル先端が体内目的部位に到達した時に、目的部位
近傍の細小血管内に挿入される部分よりも長いことが必
要であり、このようなカテーテルを、例えば親カテーテ
ルを用いて挿入するような場合においては、カテーテル
留置時に親カテーテル先端からでている部分よりも長い
ことが好ましい。従って、先端部分の長さは5cm以
上、好ましくは10cm以上であることが好ましい。ま
た、先端部分の可撓性が基端部分よりも高いものや、さ
らに基端部分の剛性が先端部分よりも高いものは好まし
い。また、潤滑性の高い先端部分の先端側のみ可撓性が
基端部分よりも高いものや、さらに基端部分の剛性が先
端部分よりも高いもの等も好ましい。上記の特徴を有す
るカテーテルは、先端部分の潤滑性が特に良好であるの
で、管腔内壁を損傷しにくく、しかも体外からの操作が
行いやすいという特徴を有している。
【0017】本発明では、カテーテルの表面にあらかじ
め抗血栓性を付与した後に、抗血栓性が失われない手段
でその表面の少なくとも一部に潤滑性を付与してもよ
く、またあらかじめカテーテルの表面に潤滑性を付与し
た後に、潤滑性が失われない手段で、潤滑性を有する表
面も含め抗血栓性を付与する等、いずれの組み合わせで
行ってもよい。
【0018】本発明において、抗血栓性を付与する方法
はどのような方法であってもよいが、例えば、血栓の形
成を抑制する物質、又は形成された血栓を溶解する物質
をカテーテルの表面に被覆する方法、固定化する方法等
が挙げられる。カテーテルの表面が長期にわたり抗血栓
性を維持していくためには、上記物質をカテーテルの表
面に固定化する方法が好ましい。
【0019】上記物質としては、抗凝固剤、抗血小板
剤、線溶活性酵素等が挙げられ、具体的にはヘパリン、
活性化プロテインC、トロンボモジュリン、プラスミノ
ーゲンアクチベーター、ストレプトキナーゼ、ウロキナ
ーゼ等が挙げられる。
【0020】カテーテルの表面に抗凝固剤、抗血小板剤
又は線溶活性酵素等を固定化する方法としては種々の方
法があるが、例えば、無水マレイン酸系高分子をカテー
テルの表面に結合させた後、上記抗凝固剤、抗血小板剤
又は線溶活性酵素等を該高分子を介してカテーテルの表
面に固定化させる方法や、酸無水物基を有するポリマー
と、ポリオール、ポリアミン等、酸無水物基と反応し得
る官能基を複数個有する化合物との架橋被膜をカテーテ
ル表面に形成せしめ、架橋被膜の未反応の酸無水物基に
上記抗凝固剤、抗血小板剤又は線溶活性酵素等を結合さ
せる方法等は、比較的容易にカテーテルの表面に抗血栓
性を付与することができる。
【0021】本発明において、潤滑性を付与する方法は
どのような方法であってもよいが、親水性高分子、例え
ば、無水マレイン酸系高分子等をカテーテルの表面に共
有結合させる方法や、親水性高分子の架橋被膜をカテー
テルの表面に形成させる方法が、潤滑性の高さの制御の
容易さの点から好ましい。親水性高分子の架橋被膜とし
ては、例えば、酸無水物基を有するポリマーとポリオー
ル、ポリアミン等、酸無水物基と反応し得る官能基を複
数個有する化合物との架橋被膜が挙げられる。
【0022】本発明のカテーテルは、例えば、無水マレ
イン酸系高分子を共有結合させることによって潤滑性を
付与する場合には、カテーテルの表面と、無水マレイン
酸系高分子の溶液との接触時間(反応時間)を調整する
ことにより、容易にカテーテル長さ方向の潤滑性の程度
を変化させることができる。具体的には、無水マレイン
酸系高分子の溶液にカテーテルを先端から徐々に浸漬し
て行き、目的とする部分まで浸漬した後、カテーテルを
基端側より液中から徐々に取り出すことにより、カテー
テルの長さ方向に反応時間を変化させ、潤滑性の程度を
変化させることができる。
【0023】酸無水物基を有するポリマーとポリオー
ル、ポリアミン等、酸無水物基と反応し得る官能基を複
数個有する化合物との架橋被膜をカテーテルの表面に形
成せしめる方法によって潤滑性を付与する場合には、先
端部分から基端部分まで架橋被膜を形成させた後、先端
部分だけに再度架橋被膜を形成させ、潤滑性の程度を変
化させることができる。あるいは酸無水物基を有するポ
リマーと、該酸無水物基と反応し得る上記化合物との混
合比を変化させた溶液にカテーテルを浸漬することでカ
テーテルの表面の潤滑性の程度を変化させることもでき
る。
【0024】上記の方法により、カテーテルの長さ方向
に潤滑性が変化しているカテーテルを得ることができる
が、潤滑性処理は、カテーテル全体に行われていてもよ
く、カテーテルの一部に行われていてもよい。カテーテ
ルは通常、薬剤、造影剤等を注入する際、注射器等を接
続するためにハブを有しているが、ハブ付近は潤滑性が
ない方が操作性が良く、好ましい。従って、上記の長さ
方向に潤滑性が変化している潤滑性処理は、ハブ付近を
除いた部分に施すことが好適である。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例中の%はすべて重量%を意味する。
【0026】参考例1 [ウロキナーゼ活性の試験]試料のウロキナーゼ活性は
合成基質法により試験した〔Morita et al., J.Bioche
m.,82,1495(1977) 〕。
【0027】参考例2 [フィブリン溶解活性の試験]試料のフィブリン溶解活
性は金井らの方法(「臨床検査法提要」改訂27版、金
原出版発行、VIー100)により試験した。すなわち、
試料円盤をフィブリン平板上に置き、37℃で24時間
インキュベートした後、円盤周囲のフィブリン膜の溶解
を観察した。
【0028】参考例3 (表面潤滑性の試験)試料の表面潤滑性は、傾斜法から
摩擦係数を測定する方法で試験した。すなわち、約22
cmの長さに切断された試料2本を平板(傾斜板)上に2
本が平行になるように固定し、生理食塩水で濡らした。
その上に、下面にコラーゲンフィルムを貼付した100
gの重りを載せ、傾斜板の一端を一定速度で上昇させ、
重りが滑り始めた時の傾斜角を測定し、傾斜角の正接を
摩擦係数として表した。
【0029】実施例1 ポリウレタン(サーメディックス(Thermedics)社製テ
コフレックス(Tecoflex))製カテーテル(内径0.65m
m、外径1.00mm、長さ1m)を分子量約69,000の無水マ
レイン酸−メチルビニルエーテル共重合体〔アイ・エス
・ピー社(ISPCo.,Ltd )製〕5%、分子量400 のポ
リエチレングリコール(丸善薬品工業株式会社製)0.1
%を含むアセトン溶液中に室温で1分浸漬した後、60℃
で24時間乾燥した。次にこのカテーテルの先端から50cm
を再度上記アセトン溶液に浸漬した後、再度60℃で24時
間乾燥した。このカテーテルをウロキナーゼ(ミドリ十
字株式会社製)の生理食塩水(600 国際単位/ml)中
に、カテーテルの外表面、内表面全体が接するように、
24時間浸漬し、その後蒸留水で洗浄した(試料1)。こ
のカテーテルの先端部分、基端部分、及び無処理のカテ
ーテルを傾斜法による摩擦係数の測定に供した。摩擦係
数はそれぞれ0.02、0.6 、0.9 であった。
【0030】比較例1 実施例1で用いたものと同じポリウレタン製カテーテル
を分子量69,000の無水マレイン酸−メチルビニルエーテ
ル共重合体〔アイ・エス・ピー社(ISPCo.,Ltd )
製〕5%、分子量400 のポリエチレングリコール(丸善
薬品工業株式会社製)0.1 %を含むアセトン溶液中に室
温で1分浸漬した後、60℃で24時間乾燥した。次にこの
カテーテルを再度上記アセトン溶液に浸漬した後、再度
60℃で24時間乾燥した。このカテーテルをウロキナーゼ
(ミドリ十字株式会社製)の生理食塩水溶液(600 国際
単位/ml)中に、カテーテルの外表面、内表面全体が接
するように、24時間浸漬し、その後蒸留水で洗浄した
(試料2)。この処理により、カテーテルの表面全体が
実施例1に記載のカテーテルの先端部分と同等の摩擦係
数を示すカテーテルが得られた。
【0031】実施例1、比較例1で作製したカテーテル
(試料1、試料2)を、参考例1に記載の方法でウロキ
ナーゼ活性を調べたところ、試料1と試料2はいずれの
部位においてもウロキナーゼ活性を有していた。
【0032】次に、実施例1及び比較例1で作製した潤
滑性カテーテル(試料1、試料2)を、37℃の水中で、
直径2cmの円柱に螺旋状に巻いたポリエチレン製のチ
ューブ(内径2mm、長さ1m)に挿入し、挿入し得た
距離を測定した。なお、挿入時には手術用ゴム手袋を装
着してカテーテルを操作した。また、このとき、操作の
しやすさも評価した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1より、本発明のカテーテルは挿入距
離、操作性の点で優れていることが明らかである。
【0035】実施例2 実施例1で使用したものと同じポリウレタン製カテーテ
ルの先端から70cmを実施例1で使用したものと同じ分
子量の無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体
1%、分子量4,000 のポリエチレングリコールアミン
(三洋化成工業株式会社製)0.05%を含むメチルエチル
ケトン溶液中に15秒間浸漬した。但し、カテーテルの内
管部は浸漬液が浸入し、内表面の全体が浸漬液に接触す
るようにした。その後室温で1時間乾燥した。次にこの
カテーテルの先端から40cmを同じ分子量の無水マレイ
ン酸−メチルビニルエーテル共重合体4%を含むメチル
エチルケトン溶液中に15秒浸漬した。但しこの時も、カ
テーテル内管部は浸漬液が浸入し、内表面の全体が浸漬
液に接触する様にした。その後、60℃で2時間乾燥し、
次いで0.1mg/mlのストレプトキナーゼ水溶液中に、カテ
ーテルの外表面、内表面全体が接するように、24時間浸
漬した後、60℃で24時間乾燥した。このカテーテルの先
端部分、中間部分、基端部分の摩擦係数はそれぞれ0.0
6、0.5 、0.9 であった。
【0036】参考例2に記載の方法で得られたカテーテ
ルのフィブリン溶解活性を測定したところ、カテーテル
の内表面全てと浸漬液に接触した外表面の全てにわたっ
て、フィブリン溶解活性を有していることが確認され
た。
【0037】実施例3 エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共
重合体(住化シーディーエフ化学社製ボンダインTX8
030)を内径1mm、外径2mmのカテーテルチュー
ブに成形した。このチューブ2mを0.5 %エチレンジア
ミン(丸善薬品工業株式会社製)のアセトン溶液に30分
浸漬した後、アセトンで洗浄、乾燥し、実施例1で使用
したものと同じ分子量の無水マレイン酸−メチルビニル
エーテル共重合体1%を含むメチルエチルケトン溶液中
に2cm/minの速度でチューブを片方の先端から徐
々に浸漬し、全体が溶液中に浸漬された後、直ちに他端
からチューブを徐々に取り出して、片方の末端の浸漬時
間が約3時間20分、他端の浸漬時間が20〜30秒とした。
全体を取り出した後、チューブをメチルエチルケトンで
洗浄し、さらにウロキナーゼ(ミドリ十字株式会社製)
の生理食塩水溶液(600単位/ml)中に、カテーテル
の外表面、内表面全体が接するように、24時間浸漬し、
その後蒸留水で洗浄した。このようにして得られたカテ
ーテルの両端部及び中心付近から各30cmずつ試料を取
り、傾斜法にて摩擦係数を測定したところ、浸漬時間が
長い方の端部、中心部、浸漬時間が短い方の端部の摩擦
係数はそれぞれ0.04、0.4 、0.8 であった。
【0038】参考例1の方法で得られたカテーテルのウ
ロキナーゼ活性を調べたとこと、カテーテルのいずれの
部位もウロキナーゼ活性を有していた。
【0039】
【発明の効果】本発明のカテーテルは、抗血栓性を有
し、かつ体内に挿入した時に管腔内壁を損傷しにくく、
しかも挿入操作が行いやすい。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも体内に挿入される部分が抗血
    栓性を有するカテーテルにおいて、表面が湿潤時に潤滑
    性を有し、カテーテル先端部分の潤滑性が最も高く、基
    端部分の潤滑性が最も低いことを特徴とするカテーテ
    ル。
  2. 【請求項2】 カテーテルの表面の潤滑性の高さが先端
    部分から基端部分へ連続的に変化していることを特徴と
    する請求項1記載のカテーテル。
  3. 【請求項3】 カテーテルの表面の潤滑性の高さが先端
    部分から基端部分へ段階的に変化していることを特徴と
    する請求項1記載のカテーテル。
  4. 【請求項4】 カテーテルの内表面全体が抗血栓性を有
    することを特徴とする請求項1記載のカテーテル。
JP10114707A 1998-04-24 1998-04-24 カテーテル Pending JPH11299880A (ja)

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JP10114707A JPH11299880A (ja) 1998-04-24 1998-04-24 カテーテル

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JP10114707A Pending JPH11299880A (ja) 1998-04-24 1998-04-24 カテーテル

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JP (1) JPH11299880A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002095734A (ja) * 2000-09-22 2002-04-02 Unitika Ltd 潤滑性を有する医療用具及びその製造方法
JP2002095736A (ja) * 2000-09-22 2002-04-02 Unitika Ltd 体内挿入医療用具及びその製造方法
JP2005270464A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Terumo Corp 血管内異物除去吸引用カテーテル

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