JPH09131396A - 抗血栓性医療用基材及びその製造方法 - Google Patents

抗血栓性医療用基材及びその製造方法

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JPH09131396A
JPH09131396A JP7288509A JP28850995A JPH09131396A JP H09131396 A JPH09131396 A JP H09131396A JP 7288509 A JP7288509 A JP 7288509A JP 28850995 A JP28850995 A JP 28850995A JP H09131396 A JPH09131396 A JP H09131396A
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誠人 大西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】血液、体液または生体組織と接触して使用され
る抗凝血活性及び耐滅菌性に優れ、さらに高い安全性と
耐久性を有した医療用基材を簡便な方法で提供すること
を目的とする。 【解決手段】基材表面にプロトン供与性基に対して反応
可能な反応性官能基を分子内に複数個有する反応性化合
物を介して、プロトン供与性基及び硫酸基を分子内に有
する抗血栓性物質が被覆されており、該反応性化合物と
該抗血栓性物質が化学結合している基材表面を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液、体液または
生体組織と接触して使用される抗血栓性に優れた医療用
基材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】血液、体液または生体組織との親和性を
向上させるために、医療器具の基材表面を改質する各種
の方法が提案されている。例えば、特開昭62−871
63号には水溶性高分子化合物を基材表面にグラフト重
合することにより、抗血栓性を付与する方法が記載され
ている。この方法は、生体成分の基材表面への吸着を物
理化学的に抑制することにより基材表面での血栓形成を
抑制させる方法であり、短時間での使用や抗血栓剤の併
用時における血栓形成の抑制には効果を発揮するが、時
間が経つに連れて血漿蛋白質が表面グラフト層に入り込
んだり、基材表面で活性化した血漿成分や血小板による
凝固物の影響が生体に生じてくる等の問題を有してい
る。
【0003】特公昭60−39688号には、疎水性高
分子と親水性高分子よりなるミクロ相分離構造を有する
血液親和性医療材料が記載されているが、このような材
料も抗凝血活性を有していないため、血流速の遅い状態
や抗血栓剤を使用しない状態では、安定した抗血栓性を
発現することが困難である。
【0004】また、ヘパリン等の抗凝血活性を有する化
合物を基材表面に固定したり徐放させることにより、基
材表面に抗血栓性を付与する方法が、各種提案されてい
る。例えば、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩
とヘパリンとの複合体を基材表面にコーティングする方
法(特公平2−36267号参照)、3級アミンビニル
化合物を基材表面にグラフト重合した後ヘパリンをイオ
ン結合させる方法(特公昭55−38964号参照)、
基材表面にグリシジルアクリレートもしくはグリシジル
メタクリレートをグラフト重合した後ヘパリンを共有結
合させる方法(特公昭59−15326号参照)等が提
案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の材料は、製造方法が複雑であったり、ヘパリンを除放
する材料のため、ヘパリン以外の抗凝血活性を有する化
合物に対しては安全性上適用できないといった問題点が
ある。さらに、ヘパリンのような生体物質は、基材表面
に固定させてもその加熱による滅菌処理により抗凝血活
性が低下してしまったり、生体中の酵素により分解され
長く活性を維持できないという問題点がある。本発明
は、上記課題を解決し、優れた抗血栓性を有する医療用
基材とその簡便な製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明とは以下の通りで
ある。
【0007】(1)基材表面が、プロトン供与性基に対
して反応可能な反応性官能基を分子内に複数個有する反
応性化合物を介して、プロトン供与性基及び硫酸基とを
分子内に有する抗血栓性物質で被覆されており、該反応
性化合物と該抗血栓性物質が化学結合していることを特
徴とする抗血栓性医療用基材。
【0008】(2)前記反応性化合物が、エポキシ基、
イソシアネート基もしくはアルデヒド基を分子内に複数
個有する化合物であることを特徴とする(1)に記載の
抗血栓性医療用基材。
【0009】(3)前記抗血栓性物質が、プロトン供与
性基を分子内に有するモノマーとビニル硫酸、アリル硫
酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メ
チル−プロパンスルホン酸、スルホエチルアクリレー
ト、スルホプロピルアクリレートよりなる群から選ばれ
た硫酸基を分子内に有するモノマーより構成される共重
合体であることを特徴とする(1)及び(2)に記載の
抗血栓性医療用基材。
【0010】(4)プロトン供与性基に対して反応可能
な反応性官能基を分子内に複数個有する反応性化合物と
プロトン供与性基及び硫酸基とを分子内に有する抗血栓
性物質とを有する溶液を基材表面に塗布した後、該反応
性化合物と該抗血栓性物質を反応させ結合させることを
特徴とする(1)〜(3)に記載の抗血栓性医療用基材
の製造方法。
【0011】(5)プロトン供与性基に対して反応可能
な反応性官能基を分子内に複数個有する反応性化合物を
有する溶液を基材表面に塗布し、更にその表面にプロト
ン供与性基及び硫酸基とを分子内に有する抗血栓性物質
を有する溶液を塗布した後、該反応性化合物と該抗血栓
性物質を反応させ結合させることを特徴とする(1)〜
(3)に記載の抗血栓性医療用基材の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる反応性化合物
は、プロトン供与性基に対して反応可能な反応性官能基
を分子内に複数個有する化合物であり、好ましくはエポ
キシ基、イソシアネート基、アルデヒド基、酸クロリド
基もしくはイミド基等の反応性官能基を分子内に複数個
有する化合物である。さらに好ましくは、反応上有害な
副生成物が発生しないエポキシ基、イソシアネート基も
しくはアルデヒド基の反応性官能基を分子内に複数個有
する化合物である。
【0013】具体的に反応性化合物としては以下の2例
が挙げられる。前記反応性化合物の1例としては、エポ
キシ基、イソシアネート基もしくはアルデヒド基等の反
応性官能基を分子内に有するモノマーと前記反応性官能
基を有さない非水溶性のモノマーとの共重合体や、前記
非水溶性のモノマーの単独重合体もしくは前記非水溶性
のモノマーを主成分とした共重合体に前記反応性官能基
を導入した高分子化合物等が挙げられる。共重合体の構
造としては、前記反応性官能基が存在する領域と前記反
応性官能基が存在しない非水溶性の領域とを有するブロ
ック共重合体もしくはグラフト共重合体が、反応性化合
物内の前記反応性官能基と抗血栓性物質内のプロトン供
与性基との反応性や反応性化合物の基材表面への密着性
が向上するため好ましい。
【0014】エポキシ基を分子内に有するモノマーとし
ては、特に限定されないが、グリシジルアクリレートや
グリシジルメタクリレート等を例示できる。また、イソ
シアネート基を分子内に有するモノマーとしては、アク
リロイルオキシエチルイソシアネート、アクリロイルオ
キシメチルイソシアネート、アクリロイルイソシアネー
ト、メタクリロイルイソシアネート、メタクリロイルエ
チルイソシアネート等を例示できる。さらに、アルデヒ
ド基を分子内に有するモノマーとしては、シンナムアル
デヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、メタクロ
レイン等を例示できる。
【0015】また、非水溶性のモノマーとしては、特に
限定されないが、アクリル系モノマー、メタクリル系モ
ノマー、ビニル系モノマー、オレフィン系モノマー、各
種の開環重合や重縮合用のモノマー等でエポキシ基、イ
ソシアネート基もしくはアルデヒド基等の反応性官能基
を有さない非水溶性のモノマー等が例示できる。また、
本発明において、非水溶性のモノマーとは、25℃の蒸
留水に対する溶解度が5wt%以下のモノマーと定義し、
かつカルボキシル基やアミノ基等のイオン性解離基を有
するモノマーで塩を形成することにより容易に生理的条
件下で水溶性となるモノマーは含めない。
【0016】本発明において、非水溶性のモノマーを主
成分とする前記反応性化合物を用いることにより、体液
等の水系溶媒中で基材表面が著しく膨潤することが抑制
されるため、潤滑性が低くなり、掴みやすく取り扱いや
すい医療用基材となる。
【0017】また、非水溶性のモノマーの具体例として
は特に限定されないが、メトキシエチルアクリレート、
エトキシエチルアクリレート、メトキシブチルアクリレ
ート、ブトキシエチルアクリレート等のアルコキシアル
キルアクリレート系モノマーが例示でき、前記反応性化
合物の柔軟性、接着性、生体適合性を向上させることが
できる。
【0018】前記反応性化合物のブロック共重合体もし
くはグラフト共重合体を合成する方法は、公知の方法、
例えば、リビング重合、マクロモノマーを用いた重合、
高分子重合開始剤を用いた重合、重縮合、各種の反応性
官能基を有する化合物を用いたエポキシ基、イソシアネ
ート基もしくはアルデヒド基等の導入法等が例示できる
が、特に限定されない。前記反応性官能基を有さない非
水溶性のモノマーの単独重合体もしくは前記非水溶性の
モノマーを主成分とした共重合体に前記反応性官能基を
導入する方法も特に限定されず、酸化等による反応性官
能基導入法が例示できる。
【0019】また、反応性化合物のもう1例としては、
エポキシ基、イソシアネート基もしくはアルデヒド基等
の反応性官能基を分子内に複数個有する架橋性化合物が
挙げられる。例えば、イソシアネート基を分子内に複数
個有する架橋性化合物としては、エチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネ
ート、フェニレンジイソシアネート、ジクロロフェニル
ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン
トリイソシアネート等のジイソシアネート系化合物やト
リイソシアネート系化合物、またはポリイソシアネート
系化合物等を例示できる。更に、これらの化合物のイソ
シアネート基は、ブロック剤により保護されていても構
わない。
【0020】また、エポキシ基を分子内に複数個有する
架橋性化合物としては、エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセリンポリグリシジルエーテル、クレジルジグ
リシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、
トリメチロールプロパンジグリシジルエーテルを初め、
各種の脂肪族ジグリシジルエーテルや多官能性グリシジ
ルエーテル等を例示できる。また、アルデヒド基を分子
内に複数個有する架橋性化合物としては、グルタルアル
デヒド等の二官能性アルデヒド化合物または多官能性ア
ルデヒド化合物等を例示できる。
【0021】本発明で用いる抗血栓性物質は、プロトン
供与性基及び硫酸基を分子内に有する化合物であれば良
く、抗血栓性物質の1例としては、プロトン供与性基を
分子内に有するモノマーとビニル硫酸、アリル硫酸、ス
チレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−
プロパンスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スル
ホプロピルアクリレートよりなる群から選ばれた硫酸基
を分子内に有するモノマーから構成される水溶性もしく
は水膨潤性の高分子化合物が挙げられる。その主鎖構造
は限定されず、例えば、ポリオレフィン類、ポリアクリ
レート類、ポリメタクリレート類、ポリウレタン類、ポ
リアミド類、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリビ
ニル系化合物等を主鎖構造とする単独重合体やそれらの
共重合体等が挙げられる。また、これらの抗血栓性物質
は、ヘパリン、ヘパラン硫酸等の生体由来の抗凝血活性
物質とは異なり、様々な有機溶媒に可溶でき、さらに耐
滅菌性に優れている。これによって、体液等の水系溶媒
下では、抗血栓性物質が基材表面で膨潤して水系溶媒と
の界面(最外層)を形成し、効果的に抗凝血活性を発現
することができる。更に、本発明の抗血栓性物質として
は、10μg/ml以下の添加量で、活性化部分トロン
ボプラスチン時間(以下、APTTと称す)もしくは全
血凝固時間(以下、ACTと称す)を2倍以上に延長で
きる化合物が好ましい。
【0022】前記抗血栓性物質を構成するプロトン供与
性基を分子内に有するモノマーは特に限定されないが、
エポキシ基、イソシアネート基もしくはアルデヒド基等
の反応性官能基と反応して共有結合を形成させることが
可能な官能基を分子内に有するモノマーが例示でき、好
ましくはアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、
チオール基等のプロトン供与性基を分子内に有するモノ
マーが例示できる。さらに好ましくは、アクリル酸、メ
タクリル酸、アリルアミン、ビニルアミン、エチレンイ
ミン、アミノスチレン等を例示できる。さらに、前記抗
血栓性物質の構造は、ブロック共重合体もしくはグラフ
ト共重合体であることが、抗血栓性物質内のプロトン供
与性基と反応性化合物内のエポキシ基、イソシアネート
基もしくはアルデヒド基等の反応性官能基との反応性で
優れているため好ましい。
【0023】また、抗血栓性物質の他の例としては、ア
ミノ基を分子内に有する高分子化合物を部分的に硫酸化
した高分子化合物が挙げられる。例えば、アリルアミ
ン、エチレンイミン、リジン、アミノスチレン、アミノ
プロピルメタクリレート、ビニルアミン等のアミノ基を
分子内に有するモノマーにより構成される単独重合体も
しくは他のモノマーとの共重合体内のアミノ基を部分的
に硫酸化したものが挙げられる。前記抗血栓性物質は、
硫酸化により残った未反応のアミノ基が反応性化合物内
のエポキシ基、イソシアネート基もしくはアルデヒド基
等の反応性官能基と反応し、共有結合を形成し、硫酸化
により導入された硫酸基が抗凝血活性の発現に寄与する
こととなる。この時、硫酸化率が20〜95%である
と、反応性化合物との反応性と抗凝血活性が向上するの
で好ましい。アミノ基の硫酸化の方法は、公知の方法を
適用でき、例えば、濃硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン
酸やそれらとジオキサンやピリジン等との錯体である硫
酸化剤を用いる方法が挙げられる。
【0024】さらに、抗血栓性物質の他の例としては、
硫酸基を分子内に有する高分子化合物に水酸基等のプロ
トン供与性基を分子内に有する化合物を共有結合させた
高分子化合物が例示できる。また、抗血栓性物質内のプ
ロトン供与性基や硫酸基は、ナトリウムイオン等の陽イ
オンと塩を形成して存在していても構わない。
【0025】基材表面に反応性化合物と抗血栓性物質を
被覆させる場合、反応性化合物と抗血栓性物質とを含有
する溶液を基材表面に塗布した後、該反応性化合物と該
抗血栓性物質を反応させる方法、もしくは反応性化合物
を有する溶液を基材表面に塗布した後、抗血栓性物質を
有する溶液を塗布して該反応性化合物と該抗血栓性物質
を反応させる方法が例示できる。本発明の反応性化合物
及び抗血栓性物質を用いた抗血栓性医療用基材の製造方
法は、プロトン供与性基と反応可能なエポキシ基、イソ
シアネート基もしくはアルデヒド基等の反応性官能基に
加えて硫酸基をも分子内に有する抗血栓性物質を単独で
用いた製造方法と比較して、使用される化合物自身及び
その溶液の安定性や取り扱いにおいて優れている。ま
た、抗血栓性物質の基材表面への結合性において、前記
反応性化合物が基材表面と抗血栓性物質とのバインダー
となるため良好な耐溶出性、耐剥離性等を得ることがで
きる。
【0026】さらに、反応性化合物と抗血栓性物質との
反応は、加熱処理や触媒の添加により容易に促進するこ
とができる。一般的には、40℃以上の加熱処理により
反応が促進される。また、添加する触媒としては、エポ
キシ基に対してはトリアルキルアミン系化合物やピリジ
ン等の3級アミン系化合物やオスニウム塩系化合物、イ
ソシアネート基及びアルデヒド基に対してはプロトン供
与性の酸が例示できる。さらに、反応性化合物または抗
血栓性物質の溶液に第三成分として界面活性剤等の可溶
化剤や有機溶媒に可溶化させるための脂溶化剤等を添加
しても良い。
【0027】また、反応性化合物及び抗血栓性物質の溶
液の基材表面への塗布方法は限定されず、浸漬、噴霧、
スピンコーティング、刷毛塗等が挙げられる。反応性化
合物を被覆させる時に用いる溶媒としては、クロロホル
ム、テトラヒドロフラン、アセトン、ジオキサン、ベン
ゼン等の非プロトン供与性の有機溶媒が例示できる。抗
血栓性物質を被覆させる時に用いる溶媒としては、エタ
ノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール
系溶媒や前記非プロトン供与性の有機溶媒が例示でき
る。
【0028】また、本発明において基材の材質や形状は
特に限定されない。材質としては金属、セラミック、有
機高分子材料、カーボン、及びそれらの複合材料等が例
示でき、複数の基材より成形もしくは組み立てられてい
てもかまわない。さらに、有機高分子材料としては、ポ
リオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリエーテル、ポ
リウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステルや
それらの共重合体等が例示できる。また、基材表面に効
果的に反応性化合物と抗血栓性物質を反応させるために
は、基材全体もしくは基材表層部にプロトン供与性基が
導入されているものが好ましい。
【0029】本発明の抗血栓性医療用基材は、血液、体
液または生体組織と接触して使用される医療器具に用い
ることができ、体内埋入型の人工器官や治療器具、体外
循環型の人工臓器類、カテーテル、ガイドワイヤー等を
例示できる。具体的には、血管や管腔内へ挿入あるいは
置換される人工血管、人工気管、ステントや、人工皮
膚、人工心膜等の埋入型医療器具や、人工心臓システ
ム、人工肺システム、人工腎臓システム、人工肝臓シス
テム、免疫調節システム等の人工臓器システムや、留置
針、IVHカテーテル、薬液投与用カテーテル、サーモ
ダイリューションカテーテル、血管造影用カテーテル、
血管拡張用カテーテル及びダイレーターあるいはイント
ロデューサー等の血管内に挿入ないし留置されるカテー
テルや、あるいは、これらのカテーテル用のガイドワイ
ヤー、スタイレット等や、胃管カテーテル、栄養カテー
テル、経管栄養用(ED)チューブ、尿道カテーテル、
導尿カテーテル、バルーンカテーテル、気管内吸引カテ
ーテルをはじめとする各種の吸引カテーテルや排液カテ
ーテル等の血管以外の生体組織に挿入ないし留置される
カテーテル類が例示できる。
【0030】
【実施例】次に、実施例及び比較例によって本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定される
ものではない。
【0031】(実施例1) (1)反応性化合物の合成 アジピン酸二塩化物72.3g中に50℃でトリエチレ
ングリコール29.7gを滴下した後、50℃で3時間
撹拌反応させ、発生した塩化水素を減圧除去して得られ
たオリゴエステル22.5gにメチルエチルケトン4.5
gを加えたものを、水酸化ナトリウム5g,31%過酸
化水素水6.93g,界面活性剤ジオクチルホスフェー
ト[和光純薬(株)製]0.44g,蒸留水120gより
なる水溶液中に滴下し、0℃で20分間撹拌反応させ
た。得られた生成物は、水洗、メタノール洗浄を繰り返
した後、減圧乾燥させて複数個のパーオキサイド基を分
子内に有するポリ過酸化物(以下、PPOと称す)を得
た。続いて、このPPO 0.5gを高分子重合開始剤と
して用い、ベンゼン30gを溶媒として、エポキシ基を
分子内に有するモノマーとしてグリシジルメタクリレー
ト(以下、GMAと称す)9.5gを、70℃、2時
間、減圧下で撹拌しながら重合させた。得られた生成物
をイソプロピルエーテル中に滴下して沈殿させ、濾別し
て減圧乾燥し、複数個のパーオキサイド基を分子内に有
するポリPPO−GMAを得た。
【0032】次に、このポリPPO−GMA2gを高分
子重合開始剤として用い、非水溶性のモノマーとしてメ
トキシエチルアクリレート(以下、MEAと称す)12
gをジメチルスルホキシド(以下、DMSOと称す)1
00gを溶媒として、70℃、18時間撹拌しながら重
合させた。得られた生成物をイソプロピルエーテル中に
滴下して沈殿させ、濾別して減圧乾燥し、反応性官能基
としてエポキシ基を分子内に複数個有するポリGMA領
域と非水溶性のポリMEA領域とを有するブロックコポ
リマー(以下、反応性化合物1と称す)を得た。反応性
化合物1の分子量は24万(GPC測定による)、GM
AとMEAの組成比(モル比)はGMA:MEA=1:
5.2(1H−NMR測定による)であった。
【0033】(2)抗血栓性物質の合成 アクリル酸ナトリウム2gと2−アクリルアミド−2−
メチル−プロパンスルホン酸ナトリウム(以下、AMP
Sと称す)10gを水中で、4,4'−アゾビス(4−シ
アノ吉草酸)(以下、V501と称す)[和光純薬(株)
製]を重合開始剤として用い、70℃、16時間撹拌し
ながら共重合させた。得られた生成物をイソプロピルエ
ーテル中に滴下して沈殿させ、濾別して減圧乾燥し、プ
ロトン供与性基及び硫酸基とを分子内に有するランダム
コポリマー(以下、抗血栓性物質1と称す)を得た(組
成比 AMPS:アクリル酸ナトリウム=8:1)。抗血
栓性物質1の抗凝血活性は、ACDで抗凝固させた人新
鮮血漿に抗血栓性物質1を10μg/mlとなるように
添加し、常法に従ってAPTTを測定した。APTT
は、5倍以上(150秒以上)に延長され、抗凝血活性
を発現することを確認した。
【0034】(3)抗血栓性医療用基材表面の作製 ポリウレタン(ペレセン2363)で被覆された造影用
カテーテルを、反応性化合物1の1wt%テトラヒドロフ
ラン(以下、THFと称す)溶液中に、10秒間浸漬し
て風乾した後、さらに抗血栓性物質1の0.5wt%水溶
液(pH7.0に調製)に20秒間浸漬して塗布処理を
行った。続いて、60℃で40時間、反応性化合物1と
抗血栓性物質1を反応させた後、1Mの塩化ナトリウム
を含む0.02Nの水酸化ナトリウム水溶液と蒸留水で
十分洗浄し、乾燥させた。得られた造影用カテーテルの
表面をESCAを用いて観察したところ、AMPS由来
の硫黄を検出した。また、基材表面に結合した抗血栓性
物質1の抗凝血活性を確認するため、抗血栓性物質1が
結合している外表面の面積が約0.5cm2となるように
造影用カテーテルを切断し、ヘパリンコファクターIIの
存在下で合成基質S−2238を用いて抗トロンビン活
性の測定を行ったところ、溶液状態と同様に抗トロンビ
ン活性を発現した。ここで、抗トロンビン活性は、試料
の表面積が1cm2の時、トロンビン活性に起因する合
成基質分解物の発色を、抗血栓性物質を被覆していない
基材表面に対して吸収度で0.1以上抑えた時に、抗ト
ロンビン活性が発現したと定義する。また、造影用カテ
ーテルを人新鮮血液に5分間浸漬しても表面に血栓は付
着しなかった。
【0035】(比較例1)実施例1で用いた反応性化合
物1のTHF溶液を単独で用いて、ポリウレタン(ペレ
セン2363)で被覆された造影用カテーテルに実施例
1と同じ条件で塗布し、十分洗浄し、乾燥させた。得ら
れた造影用カテーテルの表面について、実施例1と同様
に抗トロンビン活性を測定したが、抗トロンビン活性を
発現しなかった。
【0036】(比較例2)実施例1で用いた抗血栓性物
質1の水溶液を単独で用いて、ポリウレタン(ペレセン
2363)で被覆された造影用カテーテルに実施例1と
同じ条件で塗布し、十分洗浄し、乾燥させた。得られた
造影用カテーテルの表面について、実施例1と同様に抗
トロンビン活性を測定したが、抗トロンビン活性を発現
しなかった。また、得られた造影用カテーテルの表面を
ESCAを用いて観察したところ、AMPS由来の硫黄
が検出されなかったことより、洗浄過程で抗血栓性物質
1が溶出したことが確認された。
【0037】(実施例2〜4)実施例1と同様にして、
ポリPPO−GMAを高分子重合開始剤として用い、非
水溶性のモノマーとしてメトキシブチルアクリレート
(以下、MBAと称す)、ブチルメタクリレート(以
下、BMAと称す)、スチレン(以下、Stと称す)を
用いて反応性化合物(以下、各々反応性化合物2〜4と
称す)を得た(各々の組成比 GMA:MBA=1:8.
0,GMA:BMA=1:7.5,GMA:St=1:7.
0)。また、抗血栓性物質として、蒸留水中でペルオキ
ソ2硫酸カリウムを重合開始剤として用い、ビニル硫酸
ナトリウムとメタクリル酸ナトリウムから構成されるラ
ンダムコポリマー(以下、抗血栓性物質2と称す)を得
た(組成比ビニル硫酸ナトリウム:メタクリル酸ナトリ
ウム=6.2:1)。実施例1と同様にAPTTを測定し
たところ、APTTが5倍以上(150秒以上)に延長
され、抗凝血活性を発現することを確認した。
【0038】次に、変性ポリオレフィン(エチレン−メ
タクリル酸共重合体)で被覆したガイドワイヤーの表面
を実施例1と同様にして、各々反応性化合物2〜4の1
wt%THF溶液中に10秒間浸漬して風乾した後、さら
に抗血栓性物質2の0.5wt%水溶液に20秒間浸漬し
て塗布処理を行った。続いて、60℃で40時間、反応
性化合物2〜4と抗血栓性物質2を各々反応させた後、
実施例1と同様に十分洗浄し、乾燥させた。得られたガ
イドワイヤーの表面をESCAを用いて観察したとこ
ろ、ビニル硫酸ナトリウム由来の硫黄を検出した。ま
た、基材表面に結合した抗血栓性物質2の抗凝血活性を
確認するため、抗血栓性物質2が結合している外表面の
面積が約0.2cm2となるように各々ガイドワイヤーを
切断し、アンチトロンビンIIIの存在下で合成基質S−
2222を用いて抗ファクターXa活性の測定を行った
ところ、何れの試料も溶液状態と同様に抗ファクターX
a活性を発現した。ここで、抗ファクターXa活性は、
試料の表面積が1cm2の時、ファクターXa活性に起
因する合成基質分解物の発色を、抗血栓性物質を被覆し
ていない基材表面に対して吸収度で0.1以上抑えた時
に、抗ファクターXa活性が発現したと定義する。
【0039】(実施例5)反応性化合物としてアクリロ
イルオキシエチルイソシアネートとMEAから構成され
る反応性化合物5(組成比 アクリロイルオキシエチル
イソシアネート:MEA=1:6.9)を、アゾビスイソ
ブチロニトリルを重合開始剤として用い、70℃、16
時間、ベンゼンを溶媒として共重合させることにより合
成した。また、抗血栓性物質として、硫酸化率72%の
硫酸化ポリアリルアミン(以下、抗血栓性物質3と称
す)を合成した。抗血栓性物質3は、ポリアリルアミン
を溶解したメタノール溶液に、クロルスルホン酸を滴下
することにより合成した。実施例1と同様に、APTT
を測定したところ、APTTが5倍以上(150秒以
上)に延長され、抗凝血活性を発現することを確認し
た。
【0040】次に、軟質ポリ塩化ビニル製の人工心肺用
血液回路の内面に、反応性化合物5の0.5wt%アセト
ン/THF(体積比3:1)溶液を流した後、抗血栓性物
質3の0.5wt%イソプロピルアルコール(以下、IP
Aと称す)溶液を流した。続いて、50℃で16時間、
反応性化合物5と抗血栓性物質3を反応させた後、実施
例1と同様に十分洗浄し、乾燥させた。得られた血液回
路の内表面をESCAを用いて観察したところ、硫酸化
ポリアリルアミン由来の硫黄を検出した。また、血液回
路の表面に結合した抗血栓性物質3の抗凝血活性を確認
するため、抗血栓性物質3が結合している内表面の面積
が約0.2cm2となるように血液回路を切断し、ヘパリ
ンコファクターIIの存在下で合成基質S−2238を用
いて抗トロンビン活性の測定を行ったところ、溶液状態
と同様に抗トロンビン活性を発現した。
【0041】(実施例6)反応性化合物1と抗血栓性物
質3を各々0.5wt%溶解したIPA/THF(体積比
3:1)溶液を調製し、この溶液にポリウレタン製IV
Hカテーテルの内外表面を20秒間浸漬して塗布処理を
行った。続いて、60℃で40時間、反応性化合物1と
抗血栓性物質3を反応させた後、実施例1と同様に十分
洗浄し、乾燥させた。得られたIVHカテーテルの表面
をESCAを用いて観察したところ、硫酸化ポリアリル
アミン由来の硫黄を検出した。また、基材表面に結合し
た抗血栓性物質3の抗凝血活性を確認するため、抗血栓
性物質3が結合している表面の面積が約0.5cm2とな
るようにIVHカテーテルを切断し、ヘパリンコファク
ターIIの存在下で合成基質S−2238を用いて抗トロ
ンビン活性の測定を行ったところ、溶液状態と同様に抗
トロンビン活性を発現した。
【0042】(実施例7)反応性化合物1と抗血栓性物
質3を各々0.5wt%溶解したIPA/THF(体積比
3:1)溶液を調製し、この溶液にポリスルホン中空糸
製人工腎臓用モジュールの中空糸の表面を20秒間浸漬
して塗布処理を行った。続いて、60℃で40時間、反
応性化合物1と抗血栓性物質3を反応させた後、実施例
1と同様に十分洗浄し、乾燥させた。得られたポリスル
ホン中空糸の表面をESCAを用いて観察したところ、
硫酸化ポリアリルアミン由来の硫黄を検出した。また、
基材表面に結合した抗血栓性物質3の抗凝血活性を確認
するため、抗血栓性物質3が結合している表面の面積が
約0.5cm2となるようにポリスルホン中空糸を切断
し、ヘパリンコファクターIIの存在下で合成基質S−2
238を用いて抗トロンビン活性の測定を行ったとこ
ろ、溶液状態と同様に抗トロンビン活性を発現した。
【0043】(実施例8)抗血栓性物質として、スチレ
ンスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホプロ
ピルアクリレート、アリル硫酸を硫酸基を分子内に有す
るモノマーとして用い、さらにカルボキシル基を分子内
に有する重合開始剤としてV501を用い、DMSO
中、80℃、9時間で重合させた。得られた生成物をイ
ソプロピルエーテル中に滴下して沈殿させ、濾別して減
圧乾燥し、プロトン供与性基を分子末端に有し、かつ硫
酸基を分子内に有するホモポリマー(以下、各々抗血栓
性物質4〜7と称す)を得た。
【0044】また、同様にビニルアミンおよびアリルア
ミンをプロトン供与性基を分子内に有するモノマーとし
て用い、さらにカルボキシル基を分子内に有する重合開
始剤としてV501を用い、DMSO中、80℃、18
時間で重合させた。得られたポリビニルアミンおよびポ
リアリルアミンを実施例5と同様に硫酸化し、硫酸化ポ
リビニルアミンおよび硫酸化ポリアリルアミン(以下、
抗血栓性物質8および9と称す)を得た。
【0045】これらの抗血栓性物質4〜9と実施例1で
用いた反応性化合物1を実施例1と同様の方法で造影用
カテーテルの表面に被覆した。得られた被覆表面の抗フ
ァクターXa活性をテストチームヘパリンS[第一化学
薬品(株)製]を用いて測定した。その結果を表1に示
す。
【0046】
【表1】
【0047】(実施例9)アクリル酸4gとアリル硫酸
20gをジメチルホルムアミド(以下、DMFと称す)
100ml中で、過硫酸カリウムを重合開始剤として用
い、70℃、48時間撹拌しながら共重合させた。得ら
れた生成物をイソプロピルエーテル中に滴下して沈殿さ
せ、濾別した後、0.1N水酸化ナトリウム水溶液中に
再び溶解させて中和し、さらに透析、脱塩、凍結乾燥を
行い、プロトン供与性基と硫酸基とを分子内に有する抗
血栓性物質10を得た(組成比 アクリル酸:アリル硫酸
=1:6)。抗血栓性物質10の抗凝血活性は、実施例
1と同様にAPTTを測定したところ、APTTが5倍
以上(150秒以上)に延長され、抗凝血活性を発現す
ることを確認した。
【0048】次に、ポリウレタン(ペレセン2363)
で被覆された造影用カテーテルを、反応性化合物として
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートの1wt%メ
チルエチルケトン(以下、MEKと称す)溶液中に1分
間浸漬し、60℃、30分間乾燥後、抗血栓性物質10
の1wt%IPA/水(体積比1/1)溶液中に10秒間浸
漬し、60℃、14時間反応させた。得られた造影用カ
テーテルの表面をESCAを用いて観察したところ、ア
リル硫酸ナトリウム由来の硫黄を検出した。基材表面に
結合した抗血栓性物質10の抗凝血活性を確認するた
め、抗血栓性物質10が結合している外表面の面積が約
1cm2となるように造影用カテーテルを切断し、ヘパ
リンコファクターIIの存在下で合成基質S−2238を
用いて抗トロンビン活性の測定を行ったところ、溶液状
態と同様に抗トロンビン活性を発現した。また、造影用
カテーテルを人新鮮血液に5分間浸漬しても表面に血栓
は付着しなかった。
【0049】(比較例3)抗血栓性物質10を被覆して
いない造影用カテーテルを実施例9と同様にして評価し
たところ、抗トロンビン活性は確認できなかった。ま
た、この造影用カテーテルを人新鮮血液に5分間浸漬し
た時点で表面に血栓が付着していた。
【0050】(実施例10)アクリル酸4gとビニル硫
酸20gをDMF100ml中で、過硫酸カリウムを重
合開始剤として用い、70℃、48時間撹拌しながら共
重合させた。得られた生成物をイソプロピルエーテル中
に滴下して沈殿させ、濾別して減圧乾燥することにより
抗血栓性物質11を得た(組成比 アクリル酸:ビニル硫
酸=1:5)。抗血栓性物質11の抗凝血活性は,実施
例1と同様にAPTTを測定したところ、APTTが5
倍以上(150秒以上)に延長され、抗凝血活性を発現
することを確認した。
【0051】次に、変性ポリオレフィン(エチレン−メ
タクリル酸共重合体)で被覆されたガイドワイヤーを、
反応性化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートの
1wt%THF溶液中に20秒間浸漬して風乾した後、さ
らに抗血栓性物質11の1wt%DMF溶液中に20秒間
浸漬して被覆処理を行った。続いて、60℃で40時間
反応させた後、実施例1と同様に十分洗浄し、乾燥させ
た。得られたガイドワイヤーの表面をESCAを用いて
観察したところ、ビニル硫酸ナトリウム由来の硫黄を検
出した。また、基材表面に結合した抗血栓性物質11の
抗凝血活性を確認するため、抗血栓性物質11が結合し
ている外表面の面積が約0.2cm2となるようにガイド
ワイヤーを切断し、アンチトロンビンIIIの存在下で合
成基質S−2238を用いて抗ファクターXa活性を測
定したところ、溶液状態と同様に抗ファクターXa活性
を発現した。また、ガイドワイヤーを人新鮮血液に5分
間浸漬しても表面に血栓は付着しなかった。
【0052】(実施例11)蒸留水中でペルオキソ2硫
酸カリウムを重合開始剤として用い、ビニル硫酸ナトリ
ウムとメタクリル酸ナトリウムから構成される抗血栓性
物質12を得た(組成比 ビニル硫酸ナトリウム:メタク
リル酸ナトリウム=6.2:1)。抗血栓性物質12の抗
凝血活性は、実施例1と同様にAPTTを測定したとこ
ろ、APTTが5倍以上(150秒以上)に延長され、
抗凝血活性を発現することを確認した。
【0053】次に、軟質ポリ塩化ビニル製の1/4イン
チの人工心肺用血液回路の内面に、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体(エチレン含量28wt%)を0.2wt
%、エチレングリコールジグリシジルエーテルを1wt
%、ピリジンを0.02wt%溶解したIPA/水(体積比
1/1)溶液を流した後、抗血栓性物質12の1wt%水溶
液を流した。続いて、60℃で40時間反応させた後、
実施例1と同様に十分洗浄し、乾燥させた。得られた血
液回路の表面をESCAを用いて観察したところ、ビニ
ル硫酸ナトリウム由来の硫黄を検出した。また、基材表
面に結合した抗血栓性物質12の抗凝血活性を確認する
ため、抗血栓性物質12が結合している外表面の面積が
約0.5cm2となるように血液回路を切断し、アンチト
ロンビンIIIの存在下で合成基質S−2238を用いて
抗ファクターXa活性を測定したところ、溶液状態と同
様に抗ファクターXa活性を発現した。さらに、この血
液回路を用いて外径60cmのサンプルループを作製
し、回路内に人新鮮血液を入れ20分間、8rpmで回転
させた後も、表面に血栓は付着していなかった。
【0054】(比較例4)抗血栓性物質12を被覆して
いない血液回路を実施例11と同様にして評価したとこ
ろ、抗トロンビン活性は確認できなかった。また、回路
内に人新鮮血液を入れ20分間、8rpmで回転させた
後、表面に血栓が付着していた。
【0055】(実施例12)ポリウレタン(ペレセン2
363)製の1/4インチの血液回路を、反応性化合物
として4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートの1
wt%MEK溶液中に1分間浸漬し、60℃、30分間乾
燥後、抗血栓性物質として硫酸化率68%の硫酸化ポリ
アリルアミン(以下、抗血栓性物質13と称す)の1wt
%IPA/水(体積比1/1)溶液中に20秒間浸漬し、
60℃、14時間反応させた後、1Mの塩化ナトリウム
を含む0.02Nの水酸化ナトリウム水溶液と蒸留水で
十分洗浄し、乾燥させた。抗血栓性物質13の抗凝血活
性は、実施例1と同様にAPTTを測定したところ、A
PTTが5倍以上(150秒以上)に延長され、抗凝血
活性を発現することを確認した。
【0056】次に、得られた血液回路の表面をESCA
を用いて観察したところ、硫酸化ポリアリルアミン由来
の硫黄を検出した。また、基材表面に結合した抗血栓性
物質13の抗凝血活性を確認するため、抗血栓性物質1
3が結合している内表面の面積が約0.2cm2となるよ
うに血液回路を切断し、ヘパリンコファクターIIの存在
下で合成基質S−2228を用いて抗トロンビン活性の
測定を行ったところ、溶液状態と同様に抗トロンビン活
性を発現した。
【0057】(実施例13)実施例12と同様にして、
抗血栓性物質として硫酸化ポリアリルアミンの代わりに
硫酸化率56%の硫酸化ポリエチレンイミン(以下、抗
血栓性物質14と称す)を用いて血液回路に被覆した。
この抗血栓性物質14の抗凝血活性は、実施例1と同様
にAPTTを測定したところ、APTTが5倍以上(1
50秒以上)に延長され、抗凝血活性を発現することを
確認した。
【0058】次に、得られた血液回路の表面をESCA
を用いて観察したところ、硫酸化ポリエチレンイミン由
来の硫黄を検出した。また、基材表面に結合した抗血栓
性物質14の抗凝血活性を確認するため、抗血栓性物質
14が結合している内表面の面積が約0.2cm2となる
ように血液回路を切断し、ヘパリンコファクターIIの存
在下で合成基質S−2228を用いて抗トロンビン活性
の測定を行ったところ、溶液状態と同様に抗トロンビン
活性を発現した。また、この血液回路を用いて外径60
cmのサンプルループを作製し、回路内に人新鮮血液を
入れ20分間、8rpmで回転させた後も、表面に血栓は
付着していなかった。
【0059】(比較例5)抗血栓性物質14を被覆して
いない血液回路を実施例13と同様にして評価したとこ
ろ、抗トロンビン活性は確認できなかった。また、回路
内に人新鮮血液を入れ20分間、8rpmで回転させた
後、表面に血栓が付着していた。
【0060】(実施例14)抗血栓性物質として、2−
アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸ナト
リウム、スチレンスルホン酸、スルホエチルアクリレー
ト、スルホプロピルアクリレートを硫酸基を分子内に有
するモノマーとして用い、さらにカルボキシル基を分子
内に有する重合開始剤としてV501を用い、DMSO
中、80℃、8時間で重合させた。得られた生成物をイ
ソプロピルエーテル中に滴下して沈殿させ、濾別して減
圧乾燥し、プロトン供与性基を分子末端に有し、かつ硫
酸基を分子内に有するホモポリマー(以下、各々抗血栓
性物質15〜18と称す)を得た。
【0061】次に、これらの抗血栓性物質15〜18と
実施例10で用いられたヘキサメチレンジイソシアネー
トを実施例10と同様の方法でガイドワイヤーの表面に
被覆した。得られた被覆表面の抗ファクターXa活性を
実施例8と同様に測定した。その結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】(実施例15)実施例1で用いられた抗血
栓性物質1をPBSに溶解し、80℃、60分間保持前
後の抗ファクターXa活性を実施例8と同様に測定し
た。次に、実施例1で作製した反応性化合物1と抗血栓
性物質1の被覆表面の80℃、60分間保持前後の抗フ
ァクターXa活性を実施例8と同様に測定した。その結
果を表3及び4に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】(比較例6)実施例15で用いられた抗血
栓性物質1の代わりヘパリンを用いた時の80℃、60
分間保持前後の抗ファクターXa活性を実施例8と同様
に測定した。その結果を表3及び4に示す。
【0067】(実施例16)実施例10で用いられた抗
血栓性物質11をPBSに溶解し、80℃、60分間保
持前後の抗ファクターXa活性を実施例8と同様に測定
した。次に、実施例10で作製したヘキサメチレンジイ
ソシアネートと抗血栓性物質11の被覆表面の80℃、
60分間保持前後の抗ファクターXa活性を実施例8と
同様に測定した。その結果を表5及び6に示す。
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】(比較例7)実施例16で用いられた抗血
栓性物質11の代わりにヘパリンを用いた時の80℃、
60分間保持前後の抗ファクターXa活性を実施例8と
同様に測定した。その結果を表5及び6に示す。
【0071】(実施例17)水系にてアゾビスイソブチ
ロニトリルを重合開始剤として用い、懸濁重合を行い、
ポリアクリロニトリルを合成した。得られたポリマーを
厚さ100μmのフィルム状とした。得られたフィルム
状ポリアクリロニトリルに反応性化合物1を実施例1と
同様の方法で被覆した。得られたフィルム状ポリアクリ
ロニトリルのエポキシ基の導入量は、滴定から5.00
×10-4eq/gであった。次に、得られたエポキシ基
導入フィルムに抗血栓性物質1を実施例1と同様の方法
で被覆した。得られたフィルム表面の抗ファクターXa
活性を実施例8と同様に測定したところ、2.9×10
-2U/cm2であった。
【0072】(実施例18)実施例17と同様にして、
フィルム状ポリアクリロニトリルを作製し、得られたフ
ィルム状ポリアクリロニトリルにエチレングリコールジ
グリシジルエーテルの0.5wt%IPA/THF(体積比
1/4)溶液中に20秒間浸漬して被覆した。得られた
フィルム状ポリアクリロニトリルのエポキシ基の導入量
は、滴定から5.00×10-4eq/gであった。次に、
得られたエポキシ基導入フィルムに抗血栓性物質11を
実施例10と同様の方法で被覆した。得られたフィルム
表面の抗ファクターXa活性を実施例8と同様に測定し
たところ、2.8×10-2U/cm2であった。
【0073】(比較例8)実施例17と同様にして、フ
ィルム状ポリアクリロニトリルを作製し、このフィルム
状ポリアクリロニトリル1gに硝酸第二セリウムアンモ
ニウム0.5gを重合開始剤として水系にてアクリルア
ミド7g、GMA0.3mlの存在下、200℃、1時
間でグラフト重合した。得られたフィルム状ポリアクリ
ロニトリルをアセトンで洗浄して生成したホモポリマー
を除去した。得られたフィルム状ポリアクリロニトリル
のエポキシ基の導入量は滴定から5.58×10-4eq/
gであった。次に、得られたエポキシ基導入フィルムに
抗血栓性物質1を実施例1と同様の方法で被覆した。得
られたフィルム表面の抗ファクターXa活性を実施例8
と同様に測定したところ、0.8×10-2U/cm2であ
った。
【0074】(実施例19)実施例1で用いられた抗血
栓性物質1及び反応性化合物1を用いて、ポリ塩化ビニ
ル製チューブに実施例1と同様の条件で被覆した。この
チューブを用いて回路長50cmのサンプルループを作
製した。このサンプルループの中に採血後直ちに人全血
10mlを充填し、8rpmで回転させ、血液の流動性が
無くなるまでの時間を計測したところ、6時間経過後も
血液の流動性は維持された。
【0075】(実施例20)実施例10で用いられた抗
血栓性物質11を用いて、ポリ塩化ビニル製チューブに
実施例10と同様の条件で被覆した。このチューブを用
いて回路長50cmのサンプルループを作製した。この
サンプルループについて、実施例19と同様に血液の流
動性維持の評価を行ったところ、6時間経過後も血液の
流動性は維持された。
【0076】(比較例9)実施例19で用いたポリ塩化
ビニル製チューブをトリメチロールプロパンジフェニル
メタンジイソシアネートの0.2wt%MEK溶液に10
分間浸漬し、60℃、2分間で乾燥させた。続いて、こ
のポリ塩化ビニル製チューブを電子線重合により合成し
たポリ(ビニルピロリドン−アクリルアミド)コポリマ
ー(分子量20万)の3wt%酢酸エチル溶液に10分間
浸漬し、60℃、3時間で反応させた。次に、実施例1
9と同様に回路長50cmのサンプルループを作製し
た。このサンプルループについて、実施例19と同様に
血液の流動性維持の評価を行ったところ、2時間後に血
液の流動性が無くなった。
【0077】
【発明の効果】本発明の医療用基材は、基材表面にプロ
トン供与性基及び硫酸基を分子内に有する抗血栓性物質
が、プロトン供与性基に対して反応可能な反応性官能基
を分子内に複数個有する反応性化合物を介して不溶化さ
れた状態で固定されているため、抗血栓性物質及び反応
性化合物の脱離や溶出も観察されず、抗凝血活性及び耐
滅菌性に優れ、さらに高い安全性と耐久性を有すること
となる。また、本発明の医療用基材の製造方法において
は、抗血栓性物質及び反応性化合物が種々の有機溶媒に
溶解する特徴を利用して基材表面に塗布するのみか、塗
布後加熱処理することにより、抗血栓性に優れた基材表
面を、簡便かつ安定して提供できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材表面が、プロトン供与性基に対して反
    応可能な反応性官能基を分子内に複数個有する反応性化
    合物を介して、プロトン供与性基及び硫酸基とを分子内
    に有する抗血栓性物質で被覆されており、該反応性化合
    物と該抗血栓性物質が化学結合していることを特徴とす
    る抗血栓性医療用基材。
  2. 【請求項2】前記反応性化合物が、エポキシ基、イソシ
    アネート基もしくはアルデヒド基を分子内に複数個有す
    る化合物であることを特徴とする請求項1に記載の抗血
    栓性医療用基材。
  3. 【請求項3】前記抗血栓性物質が、プロトン供与性基を
    分子内に有するモノマーとビニル硫酸、アリル硫酸、ス
    チレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−
    プロパンスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スル
    ホプロピルアクリレートよりなる群から選ばれた硫酸基
    を分子内に有するモノマーより構成される共重合体であ
    ることを特徴とする請求項1及び2に記載の抗血栓性医
    療用基材。
  4. 【請求項4】プロトン供与性基に対して反応可能な反応
    性官能基を分子内に複数個有する反応性化合物とプロト
    ン供与性基及び硫酸基とを分子内に有する抗血栓性物質
    とを有する溶液を基材表面に塗布した後、該反応性化合
    物と該抗血栓性物質を反応させ結合させることを特徴と
    する請求項1〜3に記載の抗血栓性医療用基材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】プロトン供与性基に対して反応可能な反応
    性官能基を分子内に複数個有する反応性化合物を有する
    溶液を基材表面に塗布し、更にその表面にプロトン供与
    性基及び硫酸基とを分子内に有する抗血栓性物質を有す
    る溶液を塗布した後、該反応性化合物と該抗血栓性物質
    を反応させ結合させることを特徴とする請求項1〜3に
    記載の抗血栓性医療用基材の製造方法。
JP28850995A 1995-11-07 1995-11-07 抗血栓性医療用基材及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3818684B2 (ja)

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