JPH11297646A - 半導体チップ支持用フィルム - Google Patents
半導体チップ支持用フィルムInfo
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- JPH11297646A JPH11297646A JP10115982A JP11598298A JPH11297646A JP H11297646 A JPH11297646 A JP H11297646A JP 10115982 A JP10115982 A JP 10115982A JP 11598298 A JP11598298 A JP 11598298A JP H11297646 A JPH11297646 A JP H11297646A
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- tensile strain
- stress
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- semiconductor chip
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Abstract
(57)【要約】
【課題】焼却処理しても環境破壊を回避でき、かつ、エ
キスパンディング工程でのネッキングを防止して分割チ
ップ間を所望の間隙で分離できる半導体チップ支持用フ
ィルムを提供する。 【解決手段】フィルムを中央からエキスパンドリングに
向け全放射方向にエキスパンドリングでのフィルム伸び
率β%で引張ってチップ間に間隙を形成する場合に使用
するフィルムであり、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテンの何れかのα-オレフィン重合体Aと炭素数
2〜8のα-オレフィンの共重合体Bとの混合物を主成
分とし、フィルム長手方向(縦方向)の引張りに対する上
記伸び率β%までのS-S曲線の応力δrとフィルム横方
向の引張りに対する上記伸び率β%までのS-S曲線の
応力δcとの間にδr=(0.8〜1.2)δcの関係が
あり、しかも両S-S曲線の接線係数が全範囲において
正である。
キスパンディング工程でのネッキングを防止して分割チ
ップ間を所望の間隙で分離できる半導体チップ支持用フ
ィルムを提供する。 【解決手段】フィルムを中央からエキスパンドリングに
向け全放射方向にエキスパンドリングでのフィルム伸び
率β%で引張ってチップ間に間隙を形成する場合に使用
するフィルムであり、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテンの何れかのα-オレフィン重合体Aと炭素数
2〜8のα-オレフィンの共重合体Bとの混合物を主成
分とし、フィルム長手方向(縦方向)の引張りに対する上
記伸び率β%までのS-S曲線の応力δrとフィルム横方
向の引張りに対する上記伸び率β%までのS-S曲線の
応力δcとの間にδr=(0.8〜1.2)δcの関係が
あり、しかも両S-S曲線の接線係数が全範囲において
正である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハのチ
ップへの分割、エキスパンディング、ピックアップ等の
チップ加工・処理工程において使用する半導体チップ支
持用フィルムに関するものである。
ップへの分割、エキスパンディング、ピックアップ等の
チップ加工・処理工程において使用する半導体チップ支
持用フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体チップの製造においては、ウエハ
プロセス(熱酸化,窓開け、不純物拡散,窓開け、アル
ミニウム蒸着,電極形成等)により得たウエハのチップ特
性を検査した後、該ウエハを上面粘着フィルムに粘着固
定し、ダイシング等で多数個のチップに分割し、更に前
記フィルムを全放射方向に引張ってチップ間に間隙を形
成し(エキスパンディング工程)、而るのち、チップを
フィルム裏面側からニ−ドルで突き上げると共にエアピ
ンセット等でピックアップしてフィルムキャリア等にボ
ンディングしている。図3は上記のチップ分割工程及び
エキスパンディング工程を示し、上面粘着フィルムF’
の上面にウエハ3’を囲んでリングフレ−ム4’を粘着
固定し、ウエハ3’をダイシング等で分割した後、リン
グフレ−ム4’をエキスパンドリング5’に沿いスライ
ド降下させフィルムF’を全放射方向に引き伸ばしてチ
ップ30’,30’間に間隙を形成している。
プロセス(熱酸化,窓開け、不純物拡散,窓開け、アル
ミニウム蒸着,電極形成等)により得たウエハのチップ特
性を検査した後、該ウエハを上面粘着フィルムに粘着固
定し、ダイシング等で多数個のチップに分割し、更に前
記フィルムを全放射方向に引張ってチップ間に間隙を形
成し(エキスパンディング工程)、而るのち、チップを
フィルム裏面側からニ−ドルで突き上げると共にエアピ
ンセット等でピックアップしてフィルムキャリア等にボ
ンディングしている。図3は上記のチップ分割工程及び
エキスパンディング工程を示し、上面粘着フィルムF’
の上面にウエハ3’を囲んでリングフレ−ム4’を粘着
固定し、ウエハ3’をダイシング等で分割した後、リン
グフレ−ム4’をエキスパンドリング5’に沿いスライ
ド降下させフィルムF’を全放射方向に引き伸ばしてチ
ップ30’,30’間に間隙を形成している。
【0003】このエキスパンディングにおいて、このエ
キスパンド対象物の半径方向弾性率Er及び周方向弾性
率Ecが一定であるとすれば、半径rと半径(r+Δ
r)で囲まれた部分での半径方向応力をδr、周方向応
力をδcとして、
キスパンド対象物の半径方向弾性率Er及び周方向弾性
率Ecが一定であるとすれば、半径rと半径(r+Δ
r)で囲まれた部分での半径方向応力をδr、周方向応
力をδcとして、
【0004】 2r・Δδr=2δc・Δr
【0005】 2πδr/Er=δc/Ec の関係より、
【0006】 Logδr=2πEc/Er・Logr+K
【0007】が成立し、エキスパンドリング(半径R)
箇所でのフィルムの半径方向歪をβとすれば、δrは、
箇所でのフィルムの半径方向歪をβとすれば、δrは、
【0008】
【数1】 で与えられる。この場合、半径方向弾性率Er及び周方
向弾性率Ecが等しいとし、その値をEとすれば、
向弾性率Ecが等しいとし、その値をEとすれば、
【数2】 で与えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来、上記の半導体チ
ップ支持用フィルムとして一般にポリ塩化ビニルフィル
ムが使用されている。しかしながら、ポリ塩化ビニルフ
ィルムにおいては、焼却処理上、有毒ガスの発生による
環境破壊の問題がある。この半導体チップ支持用ポリ塩
化ビニルフィルムの代替品として、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリブデンフィルム等の
α−オレフィン重合体フィルムの使用が検討されてい
る。しかしながら、本発明者等の検討結果によれば、通
常用途のα−オレフィン重合体フィルムでは、エキスパ
ンディング工程においてエキスパンドリング上円周の局
部に永久伸びが生じ、その近傍のチップ間の間隙に変化
が生じることが判明した(以下、この現象を局部的ネッ
キングと称する)。このネッキングは、従来の半導体チ
ップ支持用のポリ塩化ビニルフィルムでは発生しておら
ず、半導体チップ支持用フィルムの分野での新たな課題
である。
ップ支持用フィルムとして一般にポリ塩化ビニルフィル
ムが使用されている。しかしながら、ポリ塩化ビニルフ
ィルムにおいては、焼却処理上、有毒ガスの発生による
環境破壊の問題がある。この半導体チップ支持用ポリ塩
化ビニルフィルムの代替品として、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリブデンフィルム等の
α−オレフィン重合体フィルムの使用が検討されてい
る。しかしながら、本発明者等の検討結果によれば、通
常用途のα−オレフィン重合体フィルムでは、エキスパ
ンディング工程においてエキスパンドリング上円周の局
部に永久伸びが生じ、その近傍のチップ間の間隙に変化
が生じることが判明した(以下、この現象を局部的ネッ
キングと称する)。このネッキングは、従来の半導体チ
ップ支持用のポリ塩化ビニルフィルムでは発生しておら
ず、半導体チップ支持用フィルムの分野での新たな課題
である。
【0010】ところで、前記の半径方向弾性率Er及び
周方向弾性率Ecがそれぞれ一定であるとする仮定に基
づく式またはの応力分布によれば、エキスパンドリ
ング上円周に沿う応力は一定であり(εEr)、ネッキ
ングはリングフレ−ムの全内周に沿って生じるとするこ
とが前記の仮定に整合する。しかしながら、上記した通
常用途のα−オレフィン重合体フィルムではかかる全周
ネッキングの発生が観られず、殆どが局部的ネッキング
である。そこで、本発明者等において上記局部ネッキン
グの原因を鋭意究明した結果、上記通常用途のα−オレ
フィン重合体フィルムでは応力−歪曲線(S-S曲線)
に相当の方向性があることが判明し、このS-S曲線の
方向性のために応力−歪分布が周方向に不均一になり、
上記エキスパンドリング上円周のフィルムの局部に応力
が集中して永久伸びが生じた結果であると推定された。
簡易化して説明すると、図4において、矢印Xをフィル
ム製造時の長手方向(引取り方向)、矢印Yを横方向と
すると、長手方向引張りに対するS-S曲線と横方向引
張りに対するS-S曲線とが相当に大きく相違し、その
結果、エキスパンドリング上円周に沿うフィルムの径方
向応力δRや周方向応力δCが不均一になり、永久伸び
(塑性変形)が生じるような局部的な応力集中が発生し
た結果と推定された。
周方向弾性率Ecがそれぞれ一定であるとする仮定に基
づく式またはの応力分布によれば、エキスパンドリ
ング上円周に沿う応力は一定であり(εEr)、ネッキ
ングはリングフレ−ムの全内周に沿って生じるとするこ
とが前記の仮定に整合する。しかしながら、上記した通
常用途のα−オレフィン重合体フィルムではかかる全周
ネッキングの発生が観られず、殆どが局部的ネッキング
である。そこで、本発明者等において上記局部ネッキン
グの原因を鋭意究明した結果、上記通常用途のα−オレ
フィン重合体フィルムでは応力−歪曲線(S-S曲線)
に相当の方向性があることが判明し、このS-S曲線の
方向性のために応力−歪分布が周方向に不均一になり、
上記エキスパンドリング上円周のフィルムの局部に応力
が集中して永久伸びが生じた結果であると推定された。
簡易化して説明すると、図4において、矢印Xをフィル
ム製造時の長手方向(引取り方向)、矢印Yを横方向と
すると、長手方向引張りに対するS-S曲線と横方向引
張りに対するS-S曲線とが相当に大きく相違し、その
結果、エキスパンドリング上円周に沿うフィルムの径方
向応力δRや周方向応力δCが不均一になり、永久伸び
(塑性変形)が生じるような局部的な応力集中が発生し
た結果と推定された。
【0011】そこで、更にS-S曲線の方向性を実質上
無くしたポリエチレンフィルムを製造し、エキスパンデ
ィングを行ったところ、エキスパンドリング上の全円周
に沿いネッキングが発生し、前記局部的ネッキングより
も領域的には重度のネッキングとなった。その原因とし
ては、局部的ネッキングの場合、S-S曲線の方向性の
ためにエキスパンドリング上円周の局部に応力が集中
し、その応力集中箇所でフィルム分子の結晶が破壊され
て伸び歪に対し殆ど抵抗することがないために引張り力
の伝播がなされずにネッキングがその局部に留められた
のに対し、全周ネッキングではその全周でのフィルム伸
びで結晶が破壊された結果であると推定される。
無くしたポリエチレンフィルムを製造し、エキスパンデ
ィングを行ったところ、エキスパンドリング上の全円周
に沿いネッキングが発生し、前記局部的ネッキングより
も領域的には重度のネッキングとなった。その原因とし
ては、局部的ネッキングの場合、S-S曲線の方向性の
ためにエキスパンドリング上円周の局部に応力が集中
し、その応力集中箇所でフィルム分子の結晶が破壊され
て伸び歪に対し殆ど抵抗することがないために引張り力
の伝播がなされずにネッキングがその局部に留められた
のに対し、全周ネッキングではその全周でのフィルム伸
びで結晶が破壊された結果であると推定される。
【0012】本発明の目的は、焼却処理しても環境破壊
を回避できるα−オレフィン系ポリマ−を半導体チップ
支持用フィルムとして使用するにもかかわらず、エキス
パンディング工程でのネッキングを防止して分割チップ
間を所望の間隙で分離できる半導体チップ支持用フィル
ムを提供することにある。
を回避できるα−オレフィン系ポリマ−を半導体チップ
支持用フィルムとして使用するにもかかわらず、エキス
パンディング工程でのネッキングを防止して分割チップ
間を所望の間隙で分離できる半導体チップ支持用フィル
ムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体チッ
プ支持用フィルムは、上面に粘着層を設けたフィルムに
半導体ウエハを粘着固定し、該ウエハをチップに分割
し、次いでフィルムを中央からエキスパンドリングに向
け全放射方向にエキスパンドリングでのフィルム引張り
歪β%で引張ってチップ間に間隙を形成する半導体チッ
プの処理工程において使用するフィルムであり、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテンの何れかのα-オ
レフィン重合体Aと炭素数2〜8のα-オレフィンの共
重合体Bとの混合物を主成分とし、フィルム長手方向
(縦方向)の引張りに対する上記引張り歪β%までのS-
S曲線の応力δrとフィルム横方向の引張りに対する上
記引張り歪β%までのS-S曲線の応力δcとの間にδr
=(0.8〜1.2)δcの関係があり、しかも両S-S
曲線の接線係数が全範囲において正であることを特徴と
する構成であり、混合物中のα-オレフィン共重合体B
の割合は40〜95重量%される。上記の引張り歪β%
は通常50%であり、全放射方向引張力は引張り歪β%
が50%のもとで0.15kg/mm2〜1.3kg/
mm2である。また、フィルムの摩擦係数は0.45以
下とすることが好ましい。
プ支持用フィルムは、上面に粘着層を設けたフィルムに
半導体ウエハを粘着固定し、該ウエハをチップに分割
し、次いでフィルムを中央からエキスパンドリングに向
け全放射方向にエキスパンドリングでのフィルム引張り
歪β%で引張ってチップ間に間隙を形成する半導体チッ
プの処理工程において使用するフィルムであり、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテンの何れかのα-オ
レフィン重合体Aと炭素数2〜8のα-オレフィンの共
重合体Bとの混合物を主成分とし、フィルム長手方向
(縦方向)の引張りに対する上記引張り歪β%までのS-
S曲線の応力δrとフィルム横方向の引張りに対する上
記引張り歪β%までのS-S曲線の応力δcとの間にδr
=(0.8〜1.2)δcの関係があり、しかも両S-S
曲線の接線係数が全範囲において正であることを特徴と
する構成であり、混合物中のα-オレフィン共重合体B
の割合は40〜95重量%される。上記の引張り歪β%
は通常50%であり、全放射方向引張力は引張り歪β%
が50%のもとで0.15kg/mm2〜1.3kg/
mm2である。また、フィルムの摩擦係数は0.45以
下とすることが好ましい。
【0014】また、上記混合物のフィルムに代え、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテンの何れかのα-
オレフィン重合体Aのフィルムと炭素数2〜8のα-オ
レフィンの共重合体Bのフィルムとの積層体であり、フ
ィルム長手方向(縦方向)の引張りに対する上記引張り歪
β%までのS-S曲線の応力δrとフィルム横方向の引張
りに対する上記引張り歪β%までのS-S曲線の応力δc
との間にδr=(0.8〜1.2)δcの関係があり、し
かも両S-S曲線の接線係数が全範囲において正である
ものを使用することも可能である。
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテンの何れかのα-
オレフィン重合体Aのフィルムと炭素数2〜8のα-オ
レフィンの共重合体Bのフィルムとの積層体であり、フ
ィルム長手方向(縦方向)の引張りに対する上記引張り歪
β%までのS-S曲線の応力δrとフィルム横方向の引張
りに対する上記引張り歪β%までのS-S曲線の応力δc
との間にδr=(0.8〜1.2)δcの関係があり、し
かも両S-S曲線の接線係数が全範囲において正である
ものを使用することも可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。図1の(イ)は本発明に
係る半導体チップ支持用フィルムの平面図を、図1の
(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面図をそれぞれ
示している。図1において、1はポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテンの何れかのα-オレフィン重合体
Aと炭素数2〜8のα-オレフィンの共重合体Bとの混
合物を主成分とするフィルムであり、フィルム長手方向
(縦方向)の引張りに対するエキスパンディング時の全放
射方向最大引張り歪β%までのS-S曲線の応力δrとフ
ィルム横方向の引張りに対するエキスパンディング時の
全放射方向最大引張り歪β%までのS-S曲線の応力δc
とが、δr=(0.8〜1.2)δcであり、両S-S曲
線の接線係数が全範囲において正である機械的特性を備
えている。図1において、2はフィルム1の上面に設け
た粘着層であり、放射線の照射で粘着力を低下させ得る
ものを使用することが好ましい。
実施の形態について説明する。図1の(イ)は本発明に
係る半導体チップ支持用フィルムの平面図を、図1の
(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面図をそれぞれ
示している。図1において、1はポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテンの何れかのα-オレフィン重合体
Aと炭素数2〜8のα-オレフィンの共重合体Bとの混
合物を主成分とするフィルムであり、フィルム長手方向
(縦方向)の引張りに対するエキスパンディング時の全放
射方向最大引張り歪β%までのS-S曲線の応力δrとフ
ィルム横方向の引張りに対するエキスパンディング時の
全放射方向最大引張り歪β%までのS-S曲線の応力δc
とが、δr=(0.8〜1.2)δcであり、両S-S曲
線の接線係数が全範囲において正である機械的特性を備
えている。図1において、2はフィルム1の上面に設け
た粘着層であり、放射線の照射で粘着力を低下させ得る
ものを使用することが好ましい。
【0016】上記α−オレフィン共重合体Bの炭素数2
〜8のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、1−ヘキセン、1−ヘ
ブテン、1−オクテン等を挙げることができ、このα−
オレフィンの共重合体Bとしては、例えば、エチレン・
プロピレ共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、プ
ロピレン・ブテン−1共重合体、エチレン・ペンテン−
1共重合体、エチレン・オクテン−1共重合体等の二元
共重合体やプロピレン・ブテン・オクテン−1共重合体
等の三元共重合体等を挙げることができる。上記α−オ
レフィン重合体Aは、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテンを主体とするものであればよく、分子鎖中に
多少の(ポリエチレン等の機械的特性を維持し得る範囲
内)異種分子を含有しいてもよい。
〜8のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、1−ヘキセン、1−ヘ
ブテン、1−オクテン等を挙げることができ、このα−
オレフィンの共重合体Bとしては、例えば、エチレン・
プロピレ共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、プ
ロピレン・ブテン−1共重合体、エチレン・ペンテン−
1共重合体、エチレン・オクテン−1共重合体等の二元
共重合体やプロピレン・ブテン・オクテン−1共重合体
等の三元共重合体等を挙げることができる。上記α−オ
レフィン重合体Aは、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテンを主体とするものであればよく、分子鎖中に
多少の(ポリエチレン等の機械的特性を維持し得る範囲
内)異種分子を含有しいてもよい。
【0017】上記フィルムの製造には、インフレ−ショ
ン方式(樹脂を円筒状に押出し、次いでその内部に空気
を吹き込んで膨張させると同時に外部から水冷や空冷で
冷却固化してフィルムとする方式)やTダイス方式(樹
脂をTダイスで平滑な薄膜状に押出したのち、水槽また
は冷却ドラムで冷却固化してフィルム状とする方式)を
使用でき、押出し温度は(樹脂の融点+15℃)以上で
(熱分解開始温度)未満とされる。
ン方式(樹脂を円筒状に押出し、次いでその内部に空気
を吹き込んで膨張させると同時に外部から水冷や空冷で
冷却固化してフィルムとする方式)やTダイス方式(樹
脂をTダイスで平滑な薄膜状に押出したのち、水槽また
は冷却ドラムで冷却固化してフィルム状とする方式)を
使用でき、押出し温度は(樹脂の融点+15℃)以上で
(熱分解開始温度)未満とされる。
【0018】上記ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテン等のα−オレフィン重合体Aは結晶性であり、引
張りに対する応力が大、すなわち弾性率が高く、フィル
ムのS-S曲線の大部分の範囲はこのα−オレフィン重
合体Aで決せられる。而して、上記フィルムの製造時、
樹脂分子が押出し時の長手方向引っ張りで長手方向に配
向され、また、Tダイス内での樹脂の幅方向流動や膨張
時での周方向引っ張りで横方向に配向され、フィルムの
S-S特性がこの分子配向によって大きく左右されると
ころ、この配向の調整により、フィルム長手方向(縦方
向)の引張りに対するエキスパンディング時の全放射方
向引張最大歪β%までのS-S曲線の応力δrとフィルム
横方向の引張りに対するエキスパンディング時の全放射
方向引張最大歪β%までのS-S曲線の応力δcとの間
に、δr=(0.8〜1.2)δcの関係を与えてある。
ブテン等のα−オレフィン重合体Aは結晶性であり、引
張りに対する応力が大、すなわち弾性率が高く、フィル
ムのS-S曲線の大部分の範囲はこのα−オレフィン重
合体Aで決せられる。而して、上記フィルムの製造時、
樹脂分子が押出し時の長手方向引っ張りで長手方向に配
向され、また、Tダイス内での樹脂の幅方向流動や膨張
時での周方向引っ張りで横方向に配向され、フィルムの
S-S特性がこの分子配向によって大きく左右されると
ころ、この配向の調整により、フィルム長手方向(縦方
向)の引張りに対するエキスパンディング時の全放射方
向引張最大歪β%までのS-S曲線の応力δrとフィルム
横方向の引張りに対するエキスパンディング時の全放射
方向引張最大歪β%までのS-S曲線の応力δcとの間
に、δr=(0.8〜1.2)δcの関係を与えてある。
【0019】上記混合物中のα−オレフィン共重合体B
は、引張りに対する応力が小さく、従って、弾性率が低
く、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα
−オレフィン重合体Aが引張りに対して結晶破壊を生じ
ることなく応力を伝播する限りは、フィルムのS-S曲
線には殆ど関与しない。しかしながら、このα−オレフ
ィン共重合体Bは結晶化し難く、ゴム弾性を呈し、弾性
率が低くても、ポリエチレン等が結晶破壊される寸前で
引張りに対し殆ど抵抗することなく伸ばされようとする
と、α−オレフィン共重合体Bがそのときの引張り力を
負担し、α−オレフィン重合体Aの結晶に作用する引張
り力を緩和し、その結晶破壊が生じるフィルム引張り歪
をプラス側にシフトさせる。すなわち、α−オレフィン
共重合体Bの添加が無いときにα−オレフィン重合体A
の結晶破壊がフィルム引張り歪β’%で生じるとする
と、α−オレフィン共重合体Bの添加によってα−オレ
フィン重合体Aの結晶破壊を引張り歪(β’+Δβ’)
%〔前記のβに対し(β’+Δβ’)≦β〕で生じさせ
ることができ、本発明においては、この引張り歪(β’
+Δβ’)%を50%とするようにα−オレフィン共重
合体Bの配合量を40〜95重量%、好ましくは60〜
90重量%として(40重量%未満ではα−オレフィン
共重合体Aが少な過ぎ、弾性率や強度を保証し難く、9
5重量%を越えると満足なシフト効果を保証し難い)、
フィルムの長さ方向の引張りに対するS-S曲線及び横
方向の引張りに対するS-S曲線の接線係数を引張り歪
0〜50%の全範囲において正に保持してある。
は、引張りに対する応力が小さく、従って、弾性率が低
く、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα
−オレフィン重合体Aが引張りに対して結晶破壊を生じ
ることなく応力を伝播する限りは、フィルムのS-S曲
線には殆ど関与しない。しかしながら、このα−オレフ
ィン共重合体Bは結晶化し難く、ゴム弾性を呈し、弾性
率が低くても、ポリエチレン等が結晶破壊される寸前で
引張りに対し殆ど抵抗することなく伸ばされようとする
と、α−オレフィン共重合体Bがそのときの引張り力を
負担し、α−オレフィン重合体Aの結晶に作用する引張
り力を緩和し、その結晶破壊が生じるフィルム引張り歪
をプラス側にシフトさせる。すなわち、α−オレフィン
共重合体Bの添加が無いときにα−オレフィン重合体A
の結晶破壊がフィルム引張り歪β’%で生じるとする
と、α−オレフィン共重合体Bの添加によってα−オレ
フィン重合体Aの結晶破壊を引張り歪(β’+Δβ’)
%〔前記のβに対し(β’+Δβ’)≦β〕で生じさせ
ることができ、本発明においては、この引張り歪(β’
+Δβ’)%を50%とするようにα−オレフィン共重
合体Bの配合量を40〜95重量%、好ましくは60〜
90重量%として(40重量%未満ではα−オレフィン
共重合体Aが少な過ぎ、弾性率や強度を保証し難く、9
5重量%を越えると満足なシフト効果を保証し難い)、
フィルムの長さ方向の引張りに対するS-S曲線及び横
方向の引張りに対するS-S曲線の接線係数を引張り歪
0〜50%の全範囲において正に保持してある。
【0020】本発明に係るフィルムの上記混合物原料に
は、有機または無機滑り剤若しくは粒子系滑り剤を添加
してフィルムの摩擦係数を0.45以下とすることが好
ましい。フィルム裏面をエンボス加工して摩擦係数を
0.45以下とすることもできる。粒子系滑り剤として
は、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、クレ−、タル
ク、ゼオライト、有機架橋粒子を挙げることができ、有
機滑り剤としては、オレイン酸アミド、ステアリン酸ア
ミド、エルカ酸アミド等の高級脂肪酸アミドやステアリ
ン酸モノグリセリドのような高級脂肪酸エステル類、ア
ルキルアミンエステルのエチレンオキサイド付加物等を
挙げることができる。その外、他の帯電防止剤、着色剤
を添加することもできる。上記フィルムの厚さは、通常
10〜140μmとされる。
は、有機または無機滑り剤若しくは粒子系滑り剤を添加
してフィルムの摩擦係数を0.45以下とすることが好
ましい。フィルム裏面をエンボス加工して摩擦係数を
0.45以下とすることもできる。粒子系滑り剤として
は、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、クレ−、タル
ク、ゼオライト、有機架橋粒子を挙げることができ、有
機滑り剤としては、オレイン酸アミド、ステアリン酸ア
ミド、エルカ酸アミド等の高級脂肪酸アミドやステアリ
ン酸モノグリセリドのような高級脂肪酸エステル類、ア
ルキルアミンエステルのエチレンオキサイド付加物等を
挙げることができる。その外、他の帯電防止剤、着色剤
を添加することもできる。上記フィルムの厚さは、通常
10〜140μmとされる。
【0021】また、上記混合物を主成分とするフィルム
に代え、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等
のα-オレフィン重合体Aフィルムと炭素数2〜8のα-
オレフィンの共重合体Bのフィルムとを同時押出し、押
出し直後の溶融状態で一体化した積層体を使用すること
も可能であり、この場合、フィルム長手方向(縦方向)の
引張りに対するエキスパンディング時の全放射方向最大
引張り歪β%までのS-S曲線の応力δrとフィルム横方
向の引張りに対するエキスパンディング時の全放射方向
最大引張り歪β%までのS-S曲線の応力δcとの間にδ
r=(0.8〜1.2)δcの関係を与え、かつ両S-S
曲線の接線係数を正とするように各フィルムの厚さ比が
設定される。
に代え、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等
のα-オレフィン重合体Aフィルムと炭素数2〜8のα-
オレフィンの共重合体Bのフィルムとを同時押出し、押
出し直後の溶融状態で一体化した積層体を使用すること
も可能であり、この場合、フィルム長手方向(縦方向)の
引張りに対するエキスパンディング時の全放射方向最大
引張り歪β%までのS-S曲線の応力δrとフィルム横方
向の引張りに対するエキスパンディング時の全放射方向
最大引張り歪β%までのS-S曲線の応力δcとの間にδ
r=(0.8〜1.2)δcの関係を与え、かつ両S-S
曲線の接線係数を正とするように各フィルムの厚さ比が
設定される。
【0022】上記放射線の照射で粘着力が低下する粘着
剤には、例えば、アクリル系粘着剤と光重合性炭素−炭
素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子化合物を
含有し、光重合開始剤及び重合促進剤、粘着付与剤、軟
化剤、酸化防止剤、顔料等を添加した組成物を使用でき
る。かかる放射線光重合難着剤を使用する場合、フィル
ムは透光性とされる。フィルムと粘着剤層との結着性を
高めるために、フィルム表面にコロナ処理、スパッタエ
ッチング処理等を施すこともできる。上記アクリル系粘
着剤は、アリクル酸またはメタアクリル酸のエステルを
単位とする単独重合体またはアリクル酸またはメタアク
リル酸あるいはそのエステルまたはその酸アミド等とそ
の他のコモノマ−との共重合体であり、アリクル酸また
はメタアクリル酸のエステルとしては、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタアクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸グ
リシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等を挙げる
ことができる。上記光重合性炭素−炭素二重結合を少な
くとも2個以上有する低分子化合物としては、トリメチ
ロ−ルプロパントリアクリレ−ト、テトラメチロ−ルプ
ロパントリアクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリア
クリレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラアクリレ−
ト、ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト、1,
4−ブチレングリコ−ルジアクリレ−ト、1,6−ヘキ
サンジオ−ルジアクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ル
ジアクリレ−ト等を挙げることができる。
剤には、例えば、アクリル系粘着剤と光重合性炭素−炭
素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子化合物を
含有し、光重合開始剤及び重合促進剤、粘着付与剤、軟
化剤、酸化防止剤、顔料等を添加した組成物を使用でき
る。かかる放射線光重合難着剤を使用する場合、フィル
ムは透光性とされる。フィルムと粘着剤層との結着性を
高めるために、フィルム表面にコロナ処理、スパッタエ
ッチング処理等を施すこともできる。上記アクリル系粘
着剤は、アリクル酸またはメタアクリル酸のエステルを
単位とする単独重合体またはアリクル酸またはメタアク
リル酸あるいはそのエステルまたはその酸アミド等とそ
の他のコモノマ−との共重合体であり、アリクル酸また
はメタアクリル酸のエステルとしては、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタアクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸グ
リシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等を挙げる
ことができる。上記光重合性炭素−炭素二重結合を少な
くとも2個以上有する低分子化合物としては、トリメチ
ロ−ルプロパントリアクリレ−ト、テトラメチロ−ルプ
ロパントリアクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリア
クリレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラアクリレ−
ト、ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト、1,
4−ブチレングリコ−ルジアクリレ−ト、1,6−ヘキ
サンジオ−ルジアクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ル
ジアクリレ−ト等を挙げることができる。
【0023】図2の(イ)〔平面図〕及び図2の(ロ)
〔図2の(イ)におけるロ−ロ断面図〕は本発明に係る
半導体チップ支持用フィルムの使用状態を示し、上面粘
着フィルムFの上面にウエハ3を囲んでリングフレ−ム
4を粘着固定し、ウエハを分割した後、リングフレ−ム
4をエキスパンドリング5に沿いスライド降下させフィ
ルムFを全放射方向に引き伸ばしてチップ30,30間
に間隙31を形成している。この場合、チップ間に所望
の間隙を形成するのに必要なフィルムの平均引張り歪
β”%は後述の式で与えられる。また、エキスパンド
リング5上でのフィルムFの引張り歪(全放射方向最大
引張り歪)は前記した通りβ%で与えられる。本発明に
係る半導体チップ支持用フィルムにおいては、フィルム
長手方向(縦方向)Xの引張りに対するエキスパンディン
グ時の全放射方向最大引張り歪β%(エキスパンドリン
グ箇所でのフィルムの引張り歪)までのS-S曲線の応
力δrとフィルム横方向Yの引張りに対するエキスパン
ディング時の全放射方向最大引張り歪β%までのS-S
曲線の応力δcとの間にδr=(0.8〜1.2)δcの
関係を与えてあるから、フィルムのX方向の機械的特性
とフィルムのY方向の機械的特性とがほぼ等しく、また
X方向とY方向との間の任意の方向Wの機械的特性もフ
ィルム分子の配向上から上記の機械的特性にほぼ等しく
なり、結局何れの半径方向においても、応力状態がほぼ
等しくなることが理解される。従って、フィルムの応力
分布は、図2の(イ)において、位置的には角度θに関
係なく中心Oからの距離rのみの関数となり弾性率を一
定と仮定するなら前記した式若しくはで与えられ、
この式からも、前記応力分布の無方向性が理解される。
而して、エキスパンドリング5上に沿うフィルムの径方
向応力δ0は一定となる。而るに、本発明に係る半導体
チップ支持用フィルムにおいては、エキスパンディング
時のエキスパンドリング5箇所のフィルム引張り歪β%
に対し、引張り歪β%〜0の範囲内でS-S曲線の接線
係数を正にする機械的特性を与えてあり、この応力範囲
内ではフィルム中のポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン等のα-オレフィン重合体が結晶破壊されるこ
となく応力が平常に伝播されるから、リングフレ−ム5
上に沿う応力δ0のフィルム部分にネッキングが発生す
るようなことはない。
〔図2の(イ)におけるロ−ロ断面図〕は本発明に係る
半導体チップ支持用フィルムの使用状態を示し、上面粘
着フィルムFの上面にウエハ3を囲んでリングフレ−ム
4を粘着固定し、ウエハを分割した後、リングフレ−ム
4をエキスパンドリング5に沿いスライド降下させフィ
ルムFを全放射方向に引き伸ばしてチップ30,30間
に間隙31を形成している。この場合、チップ間に所望
の間隙を形成するのに必要なフィルムの平均引張り歪
β”%は後述の式で与えられる。また、エキスパンド
リング5上でのフィルムFの引張り歪(全放射方向最大
引張り歪)は前記した通りβ%で与えられる。本発明に
係る半導体チップ支持用フィルムにおいては、フィルム
長手方向(縦方向)Xの引張りに対するエキスパンディン
グ時の全放射方向最大引張り歪β%(エキスパンドリン
グ箇所でのフィルムの引張り歪)までのS-S曲線の応
力δrとフィルム横方向Yの引張りに対するエキスパン
ディング時の全放射方向最大引張り歪β%までのS-S
曲線の応力δcとの間にδr=(0.8〜1.2)δcの
関係を与えてあるから、フィルムのX方向の機械的特性
とフィルムのY方向の機械的特性とがほぼ等しく、また
X方向とY方向との間の任意の方向Wの機械的特性もフ
ィルム分子の配向上から上記の機械的特性にほぼ等しく
なり、結局何れの半径方向においても、応力状態がほぼ
等しくなることが理解される。従って、フィルムの応力
分布は、図2の(イ)において、位置的には角度θに関
係なく中心Oからの距離rのみの関数となり弾性率を一
定と仮定するなら前記した式若しくはで与えられ、
この式からも、前記応力分布の無方向性が理解される。
而して、エキスパンドリング5上に沿うフィルムの径方
向応力δ0は一定となる。而るに、本発明に係る半導体
チップ支持用フィルムにおいては、エキスパンディング
時のエキスパンドリング5箇所のフィルム引張り歪β%
に対し、引張り歪β%〜0の範囲内でS-S曲線の接線
係数を正にする機械的特性を与えてあり、この応力範囲
内ではフィルム中のポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン等のα-オレフィン重合体が結晶破壊されるこ
となく応力が平常に伝播されるから、リングフレ−ム5
上に沿う応力δ0のフィルム部分にネッキングが発生す
るようなことはない。
【0024】上記において、エキスパンドリング5とフ
ィルムFとの間の摩擦力をδ’とすると、リングフレ−
ム4内周でのフィルムの引張り応力f”はδ0+δ’と
なるが、フィルムの摩擦係数を0.45以下として摩擦
力δ’を小にしてあるので、リングフレ−ム4の内周で
のフィルムのネッキングが問題となるようなこともな
い。上記のようにしてエキスパンディングを行った後
は、放射線をフィルム裏面側から照射してチップの粘着
固定力を低下させチップのピックアップを行っていく。
ィルムFとの間の摩擦力をδ’とすると、リングフレ−
ム4内周でのフィルムの引張り応力f”はδ0+δ’と
なるが、フィルムの摩擦係数を0.45以下として摩擦
力δ’を小にしてあるので、リングフレ−ム4の内周で
のフィルムのネッキングが問題となるようなこともな
い。上記のようにしてエキスパンディングを行った後
は、放射線をフィルム裏面側から照射してチップの粘着
固定力を低下させチップのピックアップを行っていく。
【0025】なお、上記において、エキスパンドリング
でのフィルムの引張り歪(全放射方向最大引張り歪)β
%は50%に設定することが好ましい。これは、「上記
エキスパンディング時のフィルムの応力が外周側ほど大
となり、外周側ほど伸びが大でそれに伴い外周側ほど弾
性率が小となるから、その弾性率が小となる分だけ外周
側が累積的に大きく伸ばされ、エキスパンドリングでの
フィルムの引張り歪(全放射方向最大引張り歪)が弾性
率一定とする前記の式から求めた引張り歪よりも大きく
なる。」ことを勘案した結果であり、この引張り歪に対
する全放射方向引張り応力は通常0.15kg/mm2
〜1.3kg/mm2となる。る。
でのフィルムの引張り歪(全放射方向最大引張り歪)β
%は50%に設定することが好ましい。これは、「上記
エキスパンディング時のフィルムの応力が外周側ほど大
となり、外周側ほど伸びが大でそれに伴い外周側ほど弾
性率が小となるから、その弾性率が小となる分だけ外周
側が累積的に大きく伸ばされ、エキスパンドリングでの
フィルムの引張り歪(全放射方向最大引張り歪)が弾性
率一定とする前記の式から求めた引張り歪よりも大きく
なる。」ことを勘案した結果であり、この引張り歪に対
する全放射方向引張り応力は通常0.15kg/mm2
〜1.3kg/mm2となる。る。
【0026】また、上記の平均引張り歪β”は
【数3】 であたえられ、実測値は上記と同様な理由で、この計算
値よりもやや大きくなる。
値よりもやや大きくなる。
【0027】
【実施例】〔実施例1〕ポリエチレン(MI=3.0)
25重量部とエチレン・ブテン−1共重合体(α−オレ
フィン共重合体B)75重量部との混合物からTダイス
法により厚さ80μmのフィルムを成形した。Tダイス
には、スリット幅1.5mmのものを使用し、冷却は冷
却ロ−ル表面温度30℃で行い、引取り速度60m/m
inとした。このフィルムの長手方向引張りに対する伸
び率0〜50%のS-S曲線及び横方向引張りに対する
る引張り歪0〜50%のS-S曲線を測定したところ、
両S-S曲線の応力比δr/δcは0.95〜1.2の範囲
内であり、接線係数は全範囲において正であった。この
フィルム上にアクリル系粘着剤100重量部にポリイソ
シアネ−ト化合物3重量部、イソシアヌレ−ト化合物と
してトリス−2−アクリロキシエチルイソシアレ−ト1
00重量部及び光重合開始剤としてα−ヒドロキシシク
ロヘキシルフエニルケトン1重量部を添加した放射線硬
化性粘着剤を塗布して半導体チップ支持用フィルムを得
た。この支持用フィルムに直径5インチのウエハを粘着
固定し、更に内径6インチのリングフレ−ムを粘着固定
し、5mm×5mmのチップにダイシリングし、次い
で、リングフレ−ムをエキスパンドリングをコアとして
10mmスライド降下させ、全放射方向に引張り歪50
%、引張り応力0.7kg/mm2でエキスパンディン
グした。ネッキングは全く発生せず、極めて良好にエキ
スパンディングできた。なお、平均引張り歪は長手方向
及び横方向ともほぼ25%であった。
25重量部とエチレン・ブテン−1共重合体(α−オレ
フィン共重合体B)75重量部との混合物からTダイス
法により厚さ80μmのフィルムを成形した。Tダイス
には、スリット幅1.5mmのものを使用し、冷却は冷
却ロ−ル表面温度30℃で行い、引取り速度60m/m
inとした。このフィルムの長手方向引張りに対する伸
び率0〜50%のS-S曲線及び横方向引張りに対する
る引張り歪0〜50%のS-S曲線を測定したところ、
両S-S曲線の応力比δr/δcは0.95〜1.2の範囲
内であり、接線係数は全範囲において正であった。この
フィルム上にアクリル系粘着剤100重量部にポリイソ
シアネ−ト化合物3重量部、イソシアヌレ−ト化合物と
してトリス−2−アクリロキシエチルイソシアレ−ト1
00重量部及び光重合開始剤としてα−ヒドロキシシク
ロヘキシルフエニルケトン1重量部を添加した放射線硬
化性粘着剤を塗布して半導体チップ支持用フィルムを得
た。この支持用フィルムに直径5インチのウエハを粘着
固定し、更に内径6インチのリングフレ−ムを粘着固定
し、5mm×5mmのチップにダイシリングし、次い
で、リングフレ−ムをエキスパンドリングをコアとして
10mmスライド降下させ、全放射方向に引張り歪50
%、引張り応力0.7kg/mm2でエキスパンディン
グした。ネッキングは全く発生せず、極めて良好にエキ
スパンディングできた。なお、平均引張り歪は長手方向
及び横方向ともほぼ25%であった。
【0028】〔比較例1〕実施例1に対しポリエチレン
のみを溶融押出した以外、実施例1と同様にして厚さ8
0μmのポリエチレンフィルムを製造した。このポリエ
チレンフィルムの両S-S曲線を測定したところ、両S-
S曲線の応力比δr/δcは0.8〜1.2の範囲内であ
ったが、引張り歪30%付近で結晶破壊が生じて両S-
S曲線の接線係数が負となった。実施例1と同様にして
エキスパンディングを行ったところ、エキスパンドリン
グ上に沿いネッキングが発生した。なお、平均引張り歪
は長手方向で12%、横方向で13%であった。
のみを溶融押出した以外、実施例1と同様にして厚さ8
0μmのポリエチレンフィルムを製造した。このポリエ
チレンフィルムの両S-S曲線を測定したところ、両S-
S曲線の応力比δr/δcは0.8〜1.2の範囲内であ
ったが、引張り歪30%付近で結晶破壊が生じて両S-
S曲線の接線係数が負となった。実施例1と同様にして
エキスパンディングを行ったところ、エキスパンドリン
グ上に沿いネッキングが発生した。なお、平均引張り歪
は長手方向で12%、横方向で13%であった。
【0029】〔実施例2〕実施例1に対しポリエチレン
(MI=3.0)40重量部とエチレン・ブテン−1共
重合体(α−オレフィン共重合体B)60重量部とした
以外、実施例1に同じとした。このフィルムの長手方向
引張りに対する引張り歪0〜50%のS-S曲線及び横
方向引張りに対するる引張り歪0〜50%のS-S曲線
を測定したところ、両S-S曲線の応力比δr/δcが0.
9〜1.1の範囲内であり、接線係数は全範囲において
正であった。実施例1と同様にしてエキスパンディング
を行ったところ、ネッキングは全く発生せず、極めて良
好にエキスパンディングできた。
(MI=3.0)40重量部とエチレン・ブテン−1共
重合体(α−オレフィン共重合体B)60重量部とした
以外、実施例1に同じとした。このフィルムの長手方向
引張りに対する引張り歪0〜50%のS-S曲線及び横
方向引張りに対するる引張り歪0〜50%のS-S曲線
を測定したところ、両S-S曲線の応力比δr/δcが0.
9〜1.1の範囲内であり、接線係数は全範囲において
正であった。実施例1と同様にしてエキスパンディング
を行ったところ、ネッキングは全く発生せず、極めて良
好にエキスパンディングできた。
【0030】〔実施例3〕実施例1に対しポリエチレン
(MI=3.0)10重量部とエチレン・ブテン−1共
重合体(α−オレフィン共重合体B)90重量部とした
以外、実施例1に同じとした。このフィルムの長手方向
引張りに対する引張り歪0〜50%のS-S曲線及び横
方向引張りに対するる引張り歪0〜50%のS-S曲線
を測定したところ、両S-S曲線の応力比δr/δcが0.
97〜1.05の範囲内であり、接線係数は全範囲にお
いて正であった。実施例1と同様にしてエキスパンディ
ングを行ったところ、ネッキングは全く発生せず、極め
て良好にエキスパンディングできた。
(MI=3.0)10重量部とエチレン・ブテン−1共
重合体(α−オレフィン共重合体B)90重量部とした
以外、実施例1に同じとした。このフィルムの長手方向
引張りに対する引張り歪0〜50%のS-S曲線及び横
方向引張りに対するる引張り歪0〜50%のS-S曲線
を測定したところ、両S-S曲線の応力比δr/δcが0.
97〜1.05の範囲内であり、接線係数は全範囲にお
いて正であった。実施例1と同様にしてエキスパンディ
ングを行ったところ、ネッキングは全く発生せず、極め
て良好にエキスパンディングできた。
【0031】〔実施例4〕実施例1に対し、ポリエチレ
ン(MI=3.0)40重量部とエチレン・オクテン−
1共重合体(α−オレフィン共重合体B)60重量部と
の混合物を使用し、冷却を冷却ロ−ル表面温度40℃で
行い、引取り速度30m/minとした以外、実施例1
と同様にして厚さ80μmのフィルムを製造した。この
フィルムの長手方向引張りに対する引張り歪0〜50%
のS-S曲線及び横方向引張りに対するる引張り歪0〜
50%のS-S曲線を測定したところ、両S-S曲線の応
力比δr/δcは1.0〜1.1の範囲内であり、接線係
数は全範囲において正であった。実施例1と同様にして
エキスパンディングを行ったところ、ネッキングは発生
せず、良好にエキスパンディングできた。
ン(MI=3.0)40重量部とエチレン・オクテン−
1共重合体(α−オレフィン共重合体B)60重量部と
の混合物を使用し、冷却を冷却ロ−ル表面温度40℃で
行い、引取り速度30m/minとした以外、実施例1
と同様にして厚さ80μmのフィルムを製造した。この
フィルムの長手方向引張りに対する引張り歪0〜50%
のS-S曲線及び横方向引張りに対するる引張り歪0〜
50%のS-S曲線を測定したところ、両S-S曲線の応
力比δr/δcは1.0〜1.1の範囲内であり、接線係
数は全範囲において正であった。実施例1と同様にして
エキスパンディングを行ったところ、ネッキングは発生
せず、良好にエキスパンディングできた。
【0032】〔実施例5〕実施例1に対し、ポリエチレ
ン(MI=4.0)10重量部とエチレン・プロピレン
・ブテン−1共重合体(α−オレフィン共重合体B)9
0重量部との混合物を使用し、冷却を冷却ロ−ル表面温
度25℃で行い、引取り速度60m/minとした以
外、実施例1と同様にして厚さ80μmのフィルムを製
造した。このフィルムの長手方向引張りに対する引張り
歪0〜50%のS-S曲線及び横方向引張りに対するる
引張り歪0〜50%のS-S曲線は図4の(ハ)の通り
であり、両S-S曲線の応力比δr/δcは1.05〜1.
15の範囲内であり、接線係数は全範囲において正であ
った。実施例1と同様にしてエキスパンディングを行っ
たところ、ネッキングは発生せず、良好にエキスパンデ
ィングできた。
ン(MI=4.0)10重量部とエチレン・プロピレン
・ブテン−1共重合体(α−オレフィン共重合体B)9
0重量部との混合物を使用し、冷却を冷却ロ−ル表面温
度25℃で行い、引取り速度60m/minとした以
外、実施例1と同様にして厚さ80μmのフィルムを製
造した。このフィルムの長手方向引張りに対する引張り
歪0〜50%のS-S曲線及び横方向引張りに対するる
引張り歪0〜50%のS-S曲線は図4の(ハ)の通り
であり、両S-S曲線の応力比δr/δcは1.05〜1.
15の範囲内であり、接線係数は全範囲において正であ
った。実施例1と同様にしてエキスパンディングを行っ
たところ、ネッキングは発生せず、良好にエキスパンデ
ィングできた。
【0033】〔実施例6〕実施例1に対し、ポリプロピ
レン(MI=4.0)25重量部とエチレン・ブテン−
1共重合体(α−オレフィン共重合体B)75重量部と
の混合物を使用し、冷却を冷却ロ−ル表面温度30℃で
行い、引取り速度45m/minとした以外、実施例1
と同様にして厚さ80μmのフィルムを製造した。この
フィルムの長手方向引張りに対する引張り歪0〜50%
のS-S曲線及び横方向引張りに対するる引張り歪0〜
50%のS-S曲線を測定したところ、両S-S曲線の応
力比δr/δが1.08〜1.2の範囲内であり、接線係
数は全範囲において正であった。実施例1と同様にして
エキスパンディングを行ったところ、ネッキングは全く
発生せず、極めて良好にエキスパンディングできた。
レン(MI=4.0)25重量部とエチレン・ブテン−
1共重合体(α−オレフィン共重合体B)75重量部と
の混合物を使用し、冷却を冷却ロ−ル表面温度30℃で
行い、引取り速度45m/minとした以外、実施例1
と同様にして厚さ80μmのフィルムを製造した。この
フィルムの長手方向引張りに対する引張り歪0〜50%
のS-S曲線及び横方向引張りに対するる引張り歪0〜
50%のS-S曲線を測定したところ、両S-S曲線の応
力比δr/δが1.08〜1.2の範囲内であり、接線係
数は全範囲において正であった。実施例1と同様にして
エキスパンディングを行ったところ、ネッキングは全く
発生せず、極めて良好にエキスパンディングできた。
【0034】〔実施例7〕実施例1に対し、ポリブテン
−1(MI=2.2)25重量部とプロピレン・ブテン
1共重合体(α−オレフィン共重合体B)75重量部と
の混合物を使用し、冷却を冷却ロ−ル表面温度30℃で
行い、引取り速度45m/minとした以外、実施例1
と同様にして厚さ80μmのフィルムを製造した。この
フィルムの長手方向引張りに対する引張り歪0〜50%
のS-S曲線及び横方向引張りに対するる引張り歪0〜
50%のS-S曲線を測定したところ、両S-S曲線の応
力比δr/δcが0.95〜1.10の範囲内であり、接
線係数は全範囲において正であった。実施例1と同様に
してエキスパンディングを行ったところ、ネッキングは
全く発生せず、極めて良好にエキスパンディングでき
た。
−1(MI=2.2)25重量部とプロピレン・ブテン
1共重合体(α−オレフィン共重合体B)75重量部と
の混合物を使用し、冷却を冷却ロ−ル表面温度30℃で
行い、引取り速度45m/minとした以外、実施例1
と同様にして厚さ80μmのフィルムを製造した。この
フィルムの長手方向引張りに対する引張り歪0〜50%
のS-S曲線及び横方向引張りに対するる引張り歪0〜
50%のS-S曲線を測定したところ、両S-S曲線の応
力比δr/δcが0.95〜1.10の範囲内であり、接
線係数は全範囲において正であった。実施例1と同様に
してエキスパンディングを行ったところ、ネッキングは
全く発生せず、極めて良好にエキスパンディングでき
た。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、上面に粘着層を設けた
フィルムに半導体ウエハを粘着固定し、該ウエハをチッ
プに分割し、次いでフィルムを中央からエキスパンドリ
ングに向け全放射方向に引張ってチップ間に間隙を形成
する場合、焼却処理してもポリ塩化ビニルのような環境
破壊を誘発しないα−オレフィン系樹脂のフィルムを使
用して、ネッキングの発生なく整然とした配置でチップ
分割でき、環境保護に資するところが大である。特に、
請求項1〜2の発明に係る半導体チップ支持用フィルム
においては、単一押出しで製造でき、共押出しに較べ製
造設備が低廉であり、コスト的に有利である。
フィルムに半導体ウエハを粘着固定し、該ウエハをチッ
プに分割し、次いでフィルムを中央からエキスパンドリ
ングに向け全放射方向に引張ってチップ間に間隙を形成
する場合、焼却処理してもポリ塩化ビニルのような環境
破壊を誘発しないα−オレフィン系樹脂のフィルムを使
用して、ネッキングの発生なく整然とした配置でチップ
分割でき、環境保護に資するところが大である。特に、
請求項1〜2の発明に係る半導体チップ支持用フィルム
においては、単一押出しで製造でき、共押出しに較べ製
造設備が低廉であり、コスト的に有利である。
【図1】本発明に係る半導体チップ支持用フィルムを示
す図面である。
す図面である。
【図2】本発明に係る半導体チップ支持用フィルムの使
用状態を示す図面である。
用状態を示す図面である。
【図3】ウエハの分割及びエクスパンディング工程を示
す図面である。
す図面である。
【図4】エクスパンディング工程での局部ネッキングを
説明するために使用した図面である。
説明するために使用した図面である。
1 フィルム 2 粘着層 F チップ支持用フィルム 3 ウエハ 30 チップ 4 リングフレ−ム 5 エキスパンドリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 栄一 兵庫県三田市友が丘二丁目6の10 (72)発明者 井坂 勤 大阪市北区堂島浜2丁目1番13号 株式会 社東洋紡パッケ−ジング・プラン・サ−ビ ス内 (72)発明者 吉岡 泰男 大阪府豊中市玉井町3丁目3番31号
Claims (6)
- 【請求項1】上面に粘着層を設けたフィルムに半導体ウ
エハを粘着固定し、該ウエハをチップに分割し、次いで
フィルムを中央からエキスパンドリングに向け全放射方
向に引張ってチップ間に間隙を形成する半導体チップの
処理工程において使用するフィルムであり、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテンの何れかのα-オレフ
ィン重合体Aと炭素数2〜8のα-オレフィンの共重合
体Bとの混合物を主成分とし、上記エキスパンドリング
でのフィルム引張り歪をβ%としてフィルム長手方向
(縦方向)の引張りに対する引張り歪β%までのS-S曲
線の応力δrとフィルム横方向の引張りに対する引張り
歪β%までのS-S曲線の応力δcとの間にδr=(0.
8〜1.2)δcの関係があり、しかも両S-S曲線の接
線係数が全範囲において正であることを特徴とする半導
体チップ支持用フィルム。 - 【請求項2】混合物中のα-オレフィン共重合体Bの割
合が40〜95重量%である請求項1記載の半導体チッ
プ支持用フィルム。 - 【請求項3】上面に粘着層を設けたフィルムに半導体ウ
エハを粘着固定し、該ウエハをチップに分割し、次いで
フィルムを中央からエキスパンドリングに向け全放射方
向に引張ってチップ間に間隙を形成する半導体チップの
処理工程において使用するフィルムであり、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテンの何れかのα-オレフ
ィン共重合体Aのフィルムと炭素数2〜8のα-オレフ
ィンの共重合体Bのフィルムとの積層体であり、上記エ
キスパンドリングでのフィルム引張り歪をβ%としてフ
ィルム長手方向(縦方向)の引張りに対する引張り歪β%
までのS-S曲線の応力δrとフィルム横方向の引張りに
対する引張り歪β%までのS-S曲線の応力δcとの間に
δr=(0.8〜1.2)δcの関係があり、しかも両S
-S曲線の接線係数が全範囲において正であることを特
徴とする半導体チップ支持用フィルム。 - 【請求項4】引張り歪β%が50%である請求項1〜3
何れか記載の半導体チップ支持用フィルム。 - 【請求項5】引張り歪β%が50%のもとでの応力が
0.15kg/mm2〜1.3kg/mm2である請求項
1〜4何れか記載の半導体チップ支持用フィルム。 - 【請求項6】フィルムの摩擦係数が0.45以下である
請求項1〜5何れか記載の半導体チップ支持用フィル
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10115982A JPH11297646A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 半導体チップ支持用フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10115982A JPH11297646A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 半導体チップ支持用フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11297646A true JPH11297646A (ja) | 1999-10-29 |
Family
ID=14675956
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10115982A Pending JPH11297646A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 半導体チップ支持用フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11297646A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010028031A (ja) * | 2008-07-24 | 2010-02-04 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 板体用固定治具 |
WO2012042869A1 (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-05 | 三井化学株式会社 | 拡張性フィルム、ダイシングフィルム、および半導体装置の製造方法 |
JP2016082165A (ja) * | 2014-10-21 | 2016-05-16 | 三井化学東セロ株式会社 | ダイシングフィルムおよび半導体装置の製造方法 |
WO2016151911A1 (ja) * | 2015-03-23 | 2016-09-29 | リンテック株式会社 | 半導体加工用シートおよび半導体装置の製造方法 |
JP2016201533A (ja) * | 2015-04-07 | 2016-12-01 | 株式会社東芝 | 半導体装置の製造方法 |
JP2021129123A (ja) * | 2017-03-27 | 2021-09-02 | 株式会社東京精密 | ワーク分割方法 |
-
1998
- 1998-04-10 JP JP10115982A patent/JPH11297646A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US8728910B2 (en) | 2010-09-30 | 2014-05-20 | Mitsui Chemicals, Inc. | Expandable film, dicing film, and method of producing semiconductor device |
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