JPH11297034A - 磁気テープカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気テープを巻装した単一のリールがカート
リッジケース内に回転可能に収容され、かつ磁気テープ
の一端を引き出すためのテープ引出し用開口部を開閉す
るスライドドアがカートリッジケースに設けられてなる
磁気テープカートリッジにおいて、外部装置側のテープ
引き出し機構の構成を簡易にする。 【解決手段】 テープ引出し用開口部２と、磁気テープ
カートリッジの外部装置への挿入に伴って該外部装置に
より操作されるスライドドア３の開閉操作部１５とを、
カートリッジケース１上で互いに分離させて設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープを巻装
した単一のリールがカートリッジケース内に回転可能に
収容された磁気テープカートリッジに関し、特に、磁気
テープの一端を引き出すためのテープ引出用開口部を開
閉するスライドドアを備えた磁気テープカートリッジに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、コンピュータ等の外部記憶装置に
用いられる記録媒体として使用されている磁気テープカ
ートリッジには、磁気テープを巻装した単一のリール
が、上ハーフと下ハーフとからなるほぼ正方形の平面形
を有する偏平なカートリッジケース内に回転可能に収容
されているものがある。これらの磁気テープカートリッ
ジは主としてコンピュータメモリのバックアップとして
用いられる。

【０００３】従来のこの種の磁気テープカートリッジに
は、例えば２種類の形式があって、その１つは、不使用
時に磁気テープが完全にリールに巻き込まれた状態で、
磁気テープの先端部分が、カートリッジケースの一隅に
形成されたテープ引出し用開口部を覆うように収容され
るリーダーブロックに係止されるように構成されてい
る。

【０００４】また、他の形式のものは、カートリッジケ
ースの一側壁に形成されたテープ引出し用開口部にカー
トリッジ平面方向に回動開閉可能なリッドが、閉位置に
向かってばね付勢された態様で、かつカートリッジ不使
用時には回動しないように、ロック位置にばね付勢され
たリッドロックにより閉位置に係止される態様で取り付
けられていて、このテープ引出し用開口部内に組み込ま
れるフックに磁気テープの先端部分が係止されるように
構成されたものとがある。

【０００５】このような構成を有する磁気テープカート
リッジが、対応する外部記憶装置の記録再生装置にセッ
トされると、下ハーフの中央部に露呈しているリールの
係合歯に装置側の回転駆動手段が係合するとともに、前
者の場合には、装置側のテープ引出し機構により上記リ
ーダーブロックがそのまま磁気テープとともに引き出さ
れることによって、また後者の場合には、装置側のテー
プ引出し機構により先にリッドが開かれてから、上記フ
ックが磁気テープとともに引き出されることによって、
磁気テープがテープ走行路の所定位置に引き込まれ、磁
気テープへのデータの書込み／読出しが可能になる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した２
種類の磁気テープカートリッジのうち、前者のリーダー
ブロックを用いるものは、テープ引出しに際してリーダ
ーブロックを掴んで引き出すだけでよいから装置側のテ
ープ引出し機構が簡単になる長所はあるものの、カート
リッジ不使用時にテープ引出し用開口部とリーダーブロ
ックとの間の隙間からカートリッジ内部に塵埃が侵入し
やすいという欠点があった。

【０００７】一方、後者の開閉リッド形式のものは、カ
ートリッジ内部に塵埃が侵入しやすいという問題は解決
されてはいるものの、テープ引出しに際して、先ずリッ
ドロックを解除してからリッドを開かなければならない
から、装置側のテープ引出し機構が複雑になるととも
に、回動型のリッドの回動スペースを必要とするという
問題があった。また、カートリッジ側においても、カー
トリッジ組立て時において、リッド付勢用のトーション
ばねおよびリッドロック付勢用のコイルばねの組み込み
に工数を要するという問題もあった。

【０００８】そこで、テープ引出し用開口部を開閉する
ためのスライドドアを備えた構成が提案されている。そ
の場合、テープ引出用開口部の内側には、磁気テープの
先端部分をクランプしたリーダーピンが収容されてお
り、この磁気テープカートリッジが対応する外部記憶装
置等の記録再生装置に挿入されると、装置側の部材によ
ってスライドドアが開かれ、かつテープ引出し機構によ
りリーダーピンが磁気テープとともに装置側に引き込ま
れることによって、磁気テープが装置側にセットされ、
磁気テープに対するデータの書込み／読出しが可能にな
る。

【０００９】このようなスライドドアを備えた磁気テー
プカートリッジにおいては、スライドドアの開閉操作の
点から見れば、磁気テープカートリッジの外部装置への
挿入に伴って、上記スライドドアが外部装置側の部材に
よって開操作される構成が望ましい。

【００１０】そこで、テープ引出し用開口部を、磁気テ
ープカートリッジの外部装置への挿入方向と平行なカー
トリッジケース側面に設け、磁気テープカートリッジの
外部装置への挿入に伴ってスライドドアが外部装置側の
部材に押されて開作動される構成が考えられるが、この
構成では、磁気テープをカートリッジケースの側面側か
ら引き出さなければならないことに加えて、テープ引き
出し機構とスライドドア開操作機構とを外部装置の同一
場所に設けなければならず、テープ引き出し機構の構成
が複雑になるという欠点がある。

【００１１】上述の事情に鑑み、本発明は、外部装置側
のテープ引き出し機構の構成を簡易にすることができる
磁気テープカートリッジを提供することを目的とするも
のである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、磁気テープを
巻装した単一のリールがカートリッジケース内に回転可
能に収容され、かつ磁気テープの一端を引き出すための
テープ引出し用開口部を開閉するスライドドアがカート
リッジケースに設けられてなる磁気テープカートリッジ
において、テープ引出し用開口部と、磁気テープカート
リッジの外部装置への挿入に伴ってこの外部装置により
操作されるスライドドアの開閉操作部とを、カートリッ
ジケース上で互いに分離させて設けたことを特徴とする
ものである。

【００１３】本発明の１つの態様によれば、上記テープ
引出し用開口部は、磁気テープカートリッジの外部装置
への挿入方向に関してカートリッジケースの前面に設け
られ、スライドドアの開閉操作部材は、磁気テープカー
トリッジの外部装置への挿入方向と平行なカートリッジ
ケース側面にこの側面に沿って摺動可能に設けられる形
成された細径部１２，１２と、細径部１２，１２の外側
に形成されたフランジ１３，１３とから構成されてい
る。

【００１４】上記細径部１２，１２は、磁気テープカー
トリッジが記録再生装置にセットされたときに、装置側
のテープ引出し機構と係合する係合部を構成し、フラン
ジ１３，１３は、カートリッジケース１のテープ引出用
開口部２の内側におけるリーダーピン収容凹部５（図
２）に対する係合部となっている。テープクランプ部１
１は、幅１／２インチ（１２．７mm）の磁気テープ１０
に対応する長さを有する。

【００１５】磁気テープカートリッジの挿入方向に平行
なカートリッジケース１の側面には、上記スライドドア
３のための開閉操作部材１５が設けられている。この開
閉操作部材１５は、カートリッジケース１の側面に沿っ
て摺動可能に設けられ、かつ図示しないバネ部材によっ
て、図１に示す位置に向かって付勢され、さらに後述す
る態様でスライドドア３に連結されている。

【００１６】図４および図５は、スライドドアの駆動機
構を示す要部の断面図で、図４はスライドドアの閉状態
を、図５はスライドドアの開状態をそれぞれ示す。

【００１７】スライドドア３は、可撓性を有する材料で
形成され、かつカートリッジケース１の上ハーフ１ａの
下面および下ハーフ１ａの上面にそれぞれ形成された湾
曲したガイド溝１６に沿って摺動可能に構成されてい
る。

【００１８】一方、カートリッジケース１の側面には、
開閉操作部材１５の移動通路を形成する凹部１７が形成
されており、スライドドア３のテープ引出用開口部２側
とは反対側の端部は、カートリッジケース１の開閉操作
部材１５とスライドドア３との間に介在するガイド壁１
ｃと上記凹部１７の壁部１ｄとの間の隙間から凹部１７
内に突出し、この部位で連結部材１８を介して開閉操作
部材１５の後端部１５ｂに連結されている。

【００１９】したがって、開閉操作部材１５が図４に示
す位置から図５に示す位置に移動すると、これにに伴っ
て、スライドドア３がガイド溝１６に沿って摺動して凹
部１７内に挿入され、スライドドア３のテープ引出用開
口部２を閉じていた部分が図５に示すように下方へ移動
して、テープ引出用開口部２が開状態になる。

【００２０】このような構成を有する磁気テープカート
リッジは、それが対応する外部記憶装置等の記録再生装
置に図２の矢Ａ方向に挿入されると、下ハーフ１ｂの中
央部の開口に露呈している図示しないリールの係合歯に
装置側の回転駆動手段が係合するとともに、磁気テープ
カートリッジの外部装置への挿入に伴って、外部装置側
の当接部材が開閉操作部材１５の前端部１５ａに当接し
て開閉操作部材１５が摺動され、この摺動に伴ってスラ
イドドア３がテープ引出用開口部２を開く。そして、外
部装置側のテープ引出し機構によりリーダーピン４が磁
気テープとともに外部装置に引き込まれることによっ
て、磁気テープが外部装置にセットされ、磁気テープに
対するデータの書込み／読出しが可能になる。

【００２１】以上の説明で明らかなように、本実施の形
態においては、テープ引出し用開口部２とスライドドア
操作部とが互いに分離して設けられているので、外部装
置側の構成を簡易にすることが可能になる。特に本実施
の形態によれば、スライドドア３の開閉操作部材１５
を、磁気テープカートリッジの外部装置への挿入方向と
平行なカートリッジケース１の側面に設けた場合でも、
テープ引出し用開口部２を、磁気テープカートリッジの
外部装置への挿入方向に関してカートリッジケース１の
前面に設けることができるので、外部装置側のテープ引
き出し機構の設計が容易になり、かつスペース的にも有
利になる。

【００２２】なお、開閉操作部材１５を図１に示す位置
に向かって付勢するバネ部材は必ずしも必要ではなく、
バネ部材を設け内場合には、磁気テープカートリッジの
外部装置からのエジェクト時に、開閉操作部材１５が外
部装置の部材によって、図１に示す位置に戻されるよう
にしてもよい。

【００２３】また、本実施の形態では、スライドドア３
全体が可撓性を有する部材で形成されているが、テープ
引出用開口部２が設けられる位置によっては、スライド
ドア３のテープ引出用開口部２を開閉する部分のみをリ
ジッドな材料で形成することも可能である。

【００２４】さらに、スライドドア３の駆動機構は、図
４および図５に示した実施の形態に限定されるものでは
なく、種々の変形、変更が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による磁気テープカートリッジを、スラ
イドドアの閉状態で示す斜視図

【図２】図１の磁気テープカートリッジを、スライドド
アの開状態で示す斜視図

【図３】本発明による磁気テープカートリッジに用いら
れるリーダーピンの一例構成を示す斜視図

【図４】本発明による磁気テープカートリッジのスライ
ドドアがの閉状態にあるときのスライドドアの駆動機構
を示す要部の断面図

【図５】本発明による磁気テープカートリッジのスライ
ドドアがの開状態にあるときのスライドドアの駆動機構
を示す要部の断面図

【符号の説明】

１ カートリッジケース １ａ 上ハーフ １ｂ 下ハーフ ２ テープ引出用開口部 ３ スライドドア ４ リーダーピン １５ 開閉操作部材 １６ ガイド溝 １７ 凹部 １８ 連結部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気テープを巻装した単一のリールがカ
   ートリッジケース内に回転可能に収容され、かつ前記磁
   気テープの一端を引き出すためのテープ引出し用開口部
   を開閉するスライドドアが前記カートリッジケースに設
   けられてなる磁気テープカートリッジにおいて、 前記テープ引出し用開口部と、前記磁気テープカートリ
   ッジの外部装置への挿入に伴って該外部装置により操作
   される前記スライドドアの開閉操作部とを、前記カート
   リッジケース上で互いに分離させて設けたことを特徴と
   する磁気テープカートリッジ。