JPH1129464A - コレステロールを添加する油中水型マイクロエマルション - Google Patents
コレステロールを添加する油中水型マイクロエマルションInfo
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- JPH1129464A JPH1129464A JP18123797A JP18123797A JPH1129464A JP H1129464 A JPH1129464 A JP H1129464A JP 18123797 A JP18123797 A JP 18123797A JP 18123797 A JP18123797 A JP 18123797A JP H1129464 A JPH1129464 A JP H1129464A
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- surfactant
- oil
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 マイクロエマルションとしての安定性が高
く、生体への適用に対する安全性も高く、しかも分散相
である水含有量が高いマイクロエマルションの調製を目
的とするものである。このマイクロエマルションは、特
に難経皮吸収性の水溶性薬物、例えばペプチド性薬物、
難経皮吸収性低分子化合物の薬物送達システムに有用で
ある。 【構成】 W/O型マイクロエマルションを形成するに
際して、主界面活性剤であるオリゴ型界面活性剤と補助
成分であるコレステロール類とを使用し、連続相である
油成分として脂肪酸トリグリセライドまたは低級アルコ
ールと高級脂肪酸とのエステル化合物を使用する。
く、生体への適用に対する安全性も高く、しかも分散相
である水含有量が高いマイクロエマルションの調製を目
的とするものである。このマイクロエマルションは、特
に難経皮吸収性の水溶性薬物、例えばペプチド性薬物、
難経皮吸収性低分子化合物の薬物送達システムに有用で
ある。 【構成】 W/O型マイクロエマルションを形成するに
際して、主界面活性剤であるオリゴ型界面活性剤と補助
成分であるコレステロール類とを使用し、連続相である
油成分として脂肪酸トリグリセライドまたは低級アルコ
ールと高級脂肪酸とのエステル化合物を使用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油中水型(W/O型)マ
イクロエマルションに関し、更に詳細には、適切な主界
面活性剤および補助成分を組み合わせて使用することに
より調製した、安定でかつ水組成比の高いマイクロエマ
ルションに関する。
イクロエマルションに関し、更に詳細には、適切な主界
面活性剤および補助成分を組み合わせて使用することに
より調製した、安定でかつ水組成比の高いマイクロエマ
ルションに関する。
【0002】
【従来の技術】W/O型マイクロエマルションは水相で
ある分散粒子が光の波長以下のナノメートルサイズであ
り、極めて微粒子であることから、薬物送達システム
(DDS)に利用する試みが最近になって散見されるよ
うになってきた(1、2、3、4及び5参照)。
ある分散粒子が光の波長以下のナノメートルサイズであ
り、極めて微粒子であることから、薬物送達システム
(DDS)に利用する試みが最近になって散見されるよ
うになってきた(1、2、3、4及び5参照)。
【0003】マイクロエマルションは、普通のエマルシ
ョンに中鎖アルコールを添加することにより、ほぼ澄明
ではあるがエマルションとしての性質を保持したコロイ
ド溶液が得られることが1943年に報告された。これ
は、普通のエマルションに比較して、分散粒子が微細な
エマルションであることから、マイクロエマルションと
呼ばれた(文献6参照)。当初、このマイクロエマルシ
ョンは、界面活性剤と中鎖アルコールの存在により界面
エネルギーがほぼゼロになって形成されるものと考えら
れた。しかしながら、最近は界面活性剤ミセルが膨潤し
分散質を封入したものと考えられるようになった。
ョンに中鎖アルコールを添加することにより、ほぼ澄明
ではあるがエマルションとしての性質を保持したコロイ
ド溶液が得られることが1943年に報告された。これ
は、普通のエマルションに比較して、分散粒子が微細な
エマルションであることから、マイクロエマルションと
呼ばれた(文献6参照)。当初、このマイクロエマルシ
ョンは、界面活性剤と中鎖アルコールの存在により界面
エネルギーがほぼゼロになって形成されるものと考えら
れた。しかしながら、最近は界面活性剤ミセルが膨潤し
分散質を封入したものと考えられるようになった。
【0004】マイクロエマルションは、使用する水の特
性(例えば塩濃度、pH等)、油の種類及び特性(例え
ば極性の程度、化学構造等)、更に界面活性剤の物性
(例えばHLBや化学構造等)により至適組成比は異な
るものの、これら物質の種類および水:油:界面活性剤
の比率を選択することにっよって形成される。使用する
界面活性剤、油相成分および水相成分とが相互に適当な
物性を持つものでないと、マイクロエマルションは形成
されないか、マイクロエマルションが形成されるとして
も、水/界面活性剤/油の組成比範囲が極めて狭いもの
となる。
性(例えば塩濃度、pH等)、油の種類及び特性(例え
ば極性の程度、化学構造等)、更に界面活性剤の物性
(例えばHLBや化学構造等)により至適組成比は異な
るものの、これら物質の種類および水:油:界面活性剤
の比率を選択することにっよって形成される。使用する
界面活性剤、油相成分および水相成分とが相互に適当な
物性を持つものでないと、マイクロエマルションは形成
されないか、マイクロエマルションが形成されるとして
も、水/界面活性剤/油の組成比範囲が極めて狭いもの
となる。
【0005】また、マイクロエマルションを形成させる
ために、従来は中鎖アルコール、例えば、オクタノー
ル、ブタノール等が使用されてきたが、不快臭を有する
等の欠点があった。
ために、従来は中鎖アルコール、例えば、オクタノー
ル、ブタノール等が使用されてきたが、不快臭を有する
等の欠点があった。
【0006】また、マイクロエマルションは、経皮/経
粘膜吸収され難い生理活性物質、例えば、高分子量の生
理活性ペプチド、難吸収性の低分子化合物等のDDSに
利用することが試みられてきた。すなわち、これら高分
子量のペプチドの殆どは水溶性であり、また、難吸収性
の低分子化合物の多くも水溶性であるため、W/O型の
マイクロエマルションとして製剤化することで吸収性を
改善する試みが行われてきた。
粘膜吸収され難い生理活性物質、例えば、高分子量の生
理活性ペプチド、難吸収性の低分子化合物等のDDSに
利用することが試みられてきた。すなわち、これら高分
子量のペプチドの殆どは水溶性であり、また、難吸収性
の低分子化合物の多くも水溶性であるため、W/O型の
マイクロエマルションとして製剤化することで吸収性を
改善する試みが行われてきた。
【0007】DDSとしてマイクロエマルションを利用
するためには、界面活性剤に由来する毒性を最小限に押
え、かつ、至適薬物投与量を与えるためのマイクロエマ
ルションの投与量をできるだけ少量に抑えることが望ま
れていた。このためには、系全体に対し、または界面活
性剤量に対して、水の組成比をできる限り大きくするこ
とが要求されていた。従来のW/O型マイクロエマルシ
ョンでは、水と界面活性剤との比率は最大でも1/2程
度、通常1/4〜1/5程度であった。一般的に、非イ
オン系界面活性剤は毒性が極めて低いが、生体にとって
異物であり、大量に投与使用すれば多少の毒性は発現す
ることが知られている。
するためには、界面活性剤に由来する毒性を最小限に押
え、かつ、至適薬物投与量を与えるためのマイクロエマ
ルションの投与量をできるだけ少量に抑えることが望ま
れていた。このためには、系全体に対し、または界面活
性剤量に対して、水の組成比をできる限り大きくするこ
とが要求されていた。従来のW/O型マイクロエマルシ
ョンでは、水と界面活性剤との比率は最大でも1/2程
度、通常1/4〜1/5程度であった。一般的に、非イ
オン系界面活性剤は毒性が極めて低いが、生体にとって
異物であり、大量に投与使用すれば多少の毒性は発現す
ることが知られている。
【0008】従来、マイクロエマルションの油相には炭
化水素系化合物が使用されていたため、水との極性の差
が大きく、使用できる界面活性剤が限られていた。ま
た、補助活性剤に当初、中鎖アルコールが使用されたよ
うに、補助界面活性剤の炭素鎖はC4〜C10程度のもの
が使用されていた。長鎖炭素鎖を持つ補助界面活性剤を
使用すると、等方性のマイクロエマルションは形成され
難く、液晶が生成してしまうことが知られている。この
ような系では、界面活性剤の使用効率が低く、多量の界
面活性剤の使用が必要であった。
化水素系化合物が使用されていたため、水との極性の差
が大きく、使用できる界面活性剤が限られていた。ま
た、補助活性剤に当初、中鎖アルコールが使用されたよ
うに、補助界面活性剤の炭素鎖はC4〜C10程度のもの
が使用されていた。長鎖炭素鎖を持つ補助界面活性剤を
使用すると、等方性のマイクロエマルションは形成され
難く、液晶が生成してしまうことが知られている。この
ような系では、界面活性剤の使用効率が低く、多量の界
面活性剤の使用が必要であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これまで、マイクロエ
マルションを形成するために使用されてきた中鎖アルコ
ールには不快臭があり、これを使用することなく安定
で、かつヒトへの投与にも安全なW/O型マイクロエマ
ルションを提供することが望まれていた。
マルションを形成するために使用されてきた中鎖アルコ
ールには不快臭があり、これを使用することなく安定
で、かつヒトへの投与にも安全なW/O型マイクロエマ
ルションを提供することが望まれていた。
【0010】従来、W/O型マイクロエマルションの調
製には、鉱物油が多用され、他に植物油などが使用され
てきたが、鉱物油は医薬品の賦形剤として使用するには
毒性の点で問題があり、植物油では安定性・酸敗や成分
のロット間のばらつきなどの問題があった。それらの問
題を防止するため、中鎖脂肪酸トリグリセライド、高級
脂肪酸アルコールエステルなどを使用することにより、
安全かつ安定な油相を使用できるようにすることであ
る。
製には、鉱物油が多用され、他に植物油などが使用され
てきたが、鉱物油は医薬品の賦形剤として使用するには
毒性の点で問題があり、植物油では安定性・酸敗や成分
のロット間のばらつきなどの問題があった。それらの問
題を防止するため、中鎖脂肪酸トリグリセライド、高級
脂肪酸アルコールエステルなどを使用することにより、
安全かつ安定な油相を使用できるようにすることであ
る。
【0011】また、従来、補助界面活性剤として使用さ
れてきた中鎖炭化水素鎖を持つ界面活性剤は、油相に中
鎖脂肪酸トリグリセライドまたは高級脂肪酸アルコール
エステルを使用した場合に、油中にミセルを形成するに
至らず、単分子又は数分子会合して分散ないし溶解して
しまう比率が高かった。このような、中鎖炭化水素鎖を
もつ界面活性剤を使用することなく、界面活性剤のミセ
ル形成効率が良く、しかも安定なマイクロエマルション
の調製が望まれていた。
れてきた中鎖炭化水素鎖を持つ界面活性剤は、油相に中
鎖脂肪酸トリグリセライドまたは高級脂肪酸アルコール
エステルを使用した場合に、油中にミセルを形成するに
至らず、単分子又は数分子会合して分散ないし溶解して
しまう比率が高かった。このような、中鎖炭化水素鎖を
もつ界面活性剤を使用することなく、界面活性剤のミセ
ル形成効率が良く、しかも安定なマイクロエマルション
の調製が望まれていた。
【0012】さらに、W/O型マイクロエマルションで
あって、分散相である水の組成比を出来る限り大きくし
たマイクロエマルションを提供することが望まれてい
る。即ち、水相中に溶解した投与薬物量に対して、付随
して投与されることになる界面活性剤、油の使用量を可
能な限り少なくすることである。薬物送達システム(D
DS)への使用に適したヒトに投与する際に安全な界面
活性剤および油相として油成分を用い、しかも系中の水
相の組成比が高いマイクロエマルションを開発すること
が望まれていた。
あって、分散相である水の組成比を出来る限り大きくし
たマイクロエマルションを提供することが望まれてい
る。即ち、水相中に溶解した投与薬物量に対して、付随
して投与されることになる界面活性剤、油の使用量を可
能な限り少なくすることである。薬物送達システム(D
DS)への使用に適したヒトに投与する際に安全な界面
活性剤および油相として油成分を用い、しかも系中の水
相の組成比が高いマイクロエマルションを開発すること
が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、後に説明する
特定の主界面活性剤およびコレステロール類である補助
成分を使用し、特定の油成分を油相物質として用いるこ
とにより、所期の特性をもつマイクロエマルションを形
成することに成功した。本発明の界面活性剤は、適当な
極性を持った油中において、極めて効率よくミセルを形
成でき、単分子状の分散したり又は数分子会合して溶解
状態になりミセル形成に寄与しない確率は低い。これ
は、コレステロール類である補助成分を添加することに
より、主界面活性剤分子の単分子ないし数分子会合体で
の分散ないし溶解を防止できるためである。また、主界
面活性剤は液晶を形成することなく、補助成分と共に安
定なミセルを形成する。したがって、添加した水相がミ
セル中に効率よく取り込まれ、マイクロエマルションが
形成される。
特定の主界面活性剤およびコレステロール類である補助
成分を使用し、特定の油成分を油相物質として用いるこ
とにより、所期の特性をもつマイクロエマルションを形
成することに成功した。本発明の界面活性剤は、適当な
極性を持った油中において、極めて効率よくミセルを形
成でき、単分子状の分散したり又は数分子会合して溶解
状態になりミセル形成に寄与しない確率は低い。これ
は、コレステロール類である補助成分を添加することに
より、主界面活性剤分子の単分子ないし数分子会合体で
の分散ないし溶解を防止できるためである。また、主界
面活性剤は液晶を形成することなく、補助成分と共に安
定なミセルを形成する。したがって、添加した水相がミ
セル中に効率よく取り込まれ、マイクロエマルションが
形成される。
【0014】本発明のマイクロエマルションは、普通、
次のようにして調製できる。まず、油成分に主界面活性
剤及び補助成分を添加混合して油溶液を得る。別途、水
に生理活性ペプチドのような親水性薬物を溶解して水溶
液を得る。この水溶液を、前に調製した油溶液中に添加
し、混合することによって、油中に存在する主界面活性
剤と補助成分の混合ミセル中に徐々に水が取り込まれ、
薬物が内包されたW/O型マイクロエマルションを調製
することができる。
次のようにして調製できる。まず、油成分に主界面活性
剤及び補助成分を添加混合して油溶液を得る。別途、水
に生理活性ペプチドのような親水性薬物を溶解して水溶
液を得る。この水溶液を、前に調製した油溶液中に添加
し、混合することによって、油中に存在する主界面活性
剤と補助成分の混合ミセル中に徐々に水が取り込まれ、
薬物が内包されたW/O型マイクロエマルションを調製
することができる。
【0015】本発明に使用できる主界面活性剤は、いわ
ゆるオリゴ型界面活性剤である。
ゆるオリゴ型界面活性剤である。
【0016】オリゴ型界面活性剤は親水基と親油基の結
合した単位が、複数単位結合した構造を持つものであ
る。その典型例はポリオキシエチレン硬化または非硬化
ヒマシ油であり、高級脂肪酸がポリオキシエチレン基を
介し、トリグレセリンエステルを形成し、更に当該脂肪
酸の末端にポリオキシエチレン鎖が結合した構造を持
つ。その結果、3本の放射状の親水基に親油性炭素鎖が
付きその親油基の末端に親水基鎖があるため、バルキー
な構造を持つ。
合した単位が、複数単位結合した構造を持つものであ
る。その典型例はポリオキシエチレン硬化または非硬化
ヒマシ油であり、高級脂肪酸がポリオキシエチレン基を
介し、トリグレセリンエステルを形成し、更に当該脂肪
酸の末端にポリオキシエチレン鎖が結合した構造を持
つ。その結果、3本の放射状の親水基に親油性炭素鎖が
付きその親油基の末端に親水基鎖があるため、バルキー
な構造を持つ。
【0017】このような構造を有するため、油相中に単
分子で分散しまたは数分子が会合して溶解ないし分散す
ることが少なく、補助成分と共に効率良くミセルを形成
する。本発明のオリゴ型界面活性剤は、1分子内に長鎖
脂肪酸2または3モル、好ましくは3モルと、ポリオキ
シエチレン鎖4〜8本、好ましくは5〜7本、最適には
約6本(長鎖脂肪酸1モル当たり平均2本)が付加した
構造を持つ主界面活性剤が好ましい。このような主界面
活性剤を使用したことにより、水との親和性が高く、塊
状の親油基に小さな親水基をもつ補助界面活性剤との親
和性も高くなった。
分子で分散しまたは数分子が会合して溶解ないし分散す
ることが少なく、補助成分と共に効率良くミセルを形成
する。本発明のオリゴ型界面活性剤は、1分子内に長鎖
脂肪酸2または3モル、好ましくは3モルと、ポリオキ
シエチレン鎖4〜8本、好ましくは5〜7本、最適には
約6本(長鎖脂肪酸1モル当たり平均2本)が付加した
構造を持つ主界面活性剤が好ましい。このような主界面
活性剤を使用したことにより、水との親和性が高く、塊
状の親油基に小さな親水基をもつ補助界面活性剤との親
和性も高くなった。
【0018】本発明においては、マイクロエマルション
を形成するための界面活性剤の特性および医薬品として
の安全性等の観点から、ポリオキシエチレン硬化または
非硬化ヒマシ油が好ましい主界面活性剤である。
を形成するための界面活性剤の特性および医薬品として
の安全性等の観点から、ポリオキシエチレン硬化または
非硬化ヒマシ油が好ましい主界面活性剤である。
【0019】オリゴ型界面活性剤は、図1に例示されて
いるように特異な分子構造を持ち、W/O型マイクロエ
マルションを調製する場合、微小な水粒子の表面に沿っ
て包み込むように位置する。この時、油相側に位置する
オリゴ型界面活性剤の親油性基が結合中心部位から離れ
るにしたがって疎になり、水/油界面で不安定になる。
コレステロール類である補助剤は、嵩高い親油基を持つ
ため、この疎になった部分を埋めるように作用する。こ
のため、ミセルは安定化され、しかもミセル内に多量の
水が内封される。尚、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマ
シ油は3本の腕を持つが、図1では解り易いように腕を
2本に省略している。
いるように特異な分子構造を持ち、W/O型マイクロエ
マルションを調製する場合、微小な水粒子の表面に沿っ
て包み込むように位置する。この時、油相側に位置する
オリゴ型界面活性剤の親油性基が結合中心部位から離れ
るにしたがって疎になり、水/油界面で不安定になる。
コレステロール類である補助剤は、嵩高い親油基を持つ
ため、この疎になった部分を埋めるように作用する。こ
のため、ミセルは安定化され、しかもミセル内に多量の
水が内封される。尚、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマ
シ油は3本の腕を持つが、図1では解り易いように腕を
2本に省略している。
【0020】一方、本発明で使用できる補助成分として
は、コレステロール類である。コレステロール類はステ
ロイド骨格を持つ化合物を包含する。本発明の目的に
は、分子内に1〜3個、好ましくは1または2個の親水
基を持つ化合物である。
は、コレステロール類である。コレステロール類はステ
ロイド骨格を持つ化合物を包含する。本発明の目的に
は、分子内に1〜3個、好ましくは1または2個の親水
基を持つ化合物である。
【0021】本発明のコレステロールおよびその類似化
合物としては、コレステロール、コレスタノール、デヒ
ドロコレステロール、シトステロール、エルゴステロー
ルなどのステロイド骨格を持つ1水酸化物、または7−
ヒドロキシコレステロール、12−ヒドロキシコレステ
ロール、5−コレスタンー7−ジオール等の2水酸化物
などがある。
合物としては、コレステロール、コレスタノール、デヒ
ドロコレステロール、シトステロール、エルゴステロー
ルなどのステロイド骨格を持つ1水酸化物、または7−
ヒドロキシコレステロール、12−ヒドロキシコレステ
ロール、5−コレスタンー7−ジオール等の2水酸化物
などがある。
【0022】なお、主界面活性剤のポリオキシエチレン
付加モル数が異なる2種以上の界面活性剤を組み合わせ
ることにより、所望のモル数を有する界面活性剤に相当
する特性を与えることも可能である。
付加モル数が異なる2種以上の界面活性剤を組み合わせ
ることにより、所望のモル数を有する界面活性剤に相当
する特性を与えることも可能である。
【0023】系全体に占める主界面活性剤と補助成分と
の合計量(全界面活性剤)の重量比率は1〜30%、好
ましくは5〜10%である。
の合計量(全界面活性剤)の重量比率は1〜30%、好
ましくは5〜10%である。
【0024】主界面活性剤に対する補助成分の配合比率
は、それぞれの界面活性剤の種類、油相を構成する油の
種類、水の配合比率等によって変わるが、通常、重量比
率で0.01〜20%、好ましくは0.1〜10%であ
る。
は、それぞれの界面活性剤の種類、油相を構成する油の
種類、水の配合比率等によって変わるが、通常、重量比
率で0.01〜20%、好ましくは0.1〜10%であ
る。
【0025】また、系全体の水の重量比率は、主補助界
面活性剤および補助成分の合計量(全界面活性剤)に基
づき0.1〜20%、好ましくは2〜10%である。
面活性剤および補助成分の合計量(全界面活性剤)に基
づき0.1〜20%、好ましくは2〜10%である。
【0026】本発明で使用する油成分は、脂肪酸トリグ
リセライド、低級アルコールと高級脂肪酸とのエステル
化合物のいずれかであることが好ましい。特に、脂肪酸
の炭素鎖がC6−C12である所謂中鎖脂肪酸トリグリセ
ライドが好ましい。また、上記のエステル化合物として
は、低級アルコール部分の炭素数が2〜6、好ましくは
炭素数2〜4であり、高級脂肪酸部分の炭素数が10〜
20、好ましくは14〜18のものである。一般的に鉱
油類はヒトに投与する場合、安全性の観点から好ましく
ない。
リセライド、低級アルコールと高級脂肪酸とのエステル
化合物のいずれかであることが好ましい。特に、脂肪酸
の炭素鎖がC6−C12である所謂中鎖脂肪酸トリグリセ
ライドが好ましい。また、上記のエステル化合物として
は、低級アルコール部分の炭素数が2〜6、好ましくは
炭素数2〜4であり、高級脂肪酸部分の炭素数が10〜
20、好ましくは14〜18のものである。一般的に鉱
油類はヒトに投与する場合、安全性の観点から好ましく
ない。
【0027】好ましい油成分の具体例としては、エチル
ヘキシル酸トリグリセライド、C8、C10脂肪酸混合ト
リグリセライドである中鎖トリグリセライド、及びイソ
プロピルミリステート、イソプロピルパルミテート等を
挙げることができる。
ヘキシル酸トリグリセライド、C8、C10脂肪酸混合ト
リグリセライドである中鎖トリグリセライド、及びイソ
プロピルミリステート、イソプロピルパルミテート等を
挙げることができる。
【0028】油成分は、系全体において、50〜95重
量%、好ましくは70〜85重量%の範囲から選ばれ
る。
量%、好ましくは70〜85重量%の範囲から選ばれ
る。
【0029】本願発明のマイクロエマルションに配合で
きる薬物としては、特に、経粘膜難吸収性薬物が好まし
いが、それに限定されない。例えば、副甲状腺ホルモ
ン、カルシトニン、黄体ホルモン放出ホルモン、インス
リン、エリスロポエチン、コロニー形成刺激因子(CS
F)、インターロイキン類、インターフェロン類、バソ
プレシン、成長ホルモンなどのペプチド性化合物;およ
びテオフィリン、プロプラノロール、メトトレキサー
ト、シタラビン、ジクロフェナク、硝酸イソソルビド、
ジルチアゼム、オキシプレノロール、ドパミン、フロロ
ウラシル、メクロフェノキサート、メシル酸ジヒドロエ
ルゴトキシン、塩酸ブレオマイシン、ネオカルチノスタ
チン等の水溶性低分子化合物が挙げられる。かかる薬物
は、系全体において一般に10重量%程度まで、好まし
くは5重量%程度までの範囲で配合される。
きる薬物としては、特に、経粘膜難吸収性薬物が好まし
いが、それに限定されない。例えば、副甲状腺ホルモ
ン、カルシトニン、黄体ホルモン放出ホルモン、インス
リン、エリスロポエチン、コロニー形成刺激因子(CS
F)、インターロイキン類、インターフェロン類、バソ
プレシン、成長ホルモンなどのペプチド性化合物;およ
びテオフィリン、プロプラノロール、メトトレキサー
ト、シタラビン、ジクロフェナク、硝酸イソソルビド、
ジルチアゼム、オキシプレノロール、ドパミン、フロロ
ウラシル、メクロフェノキサート、メシル酸ジヒドロエ
ルゴトキシン、塩酸ブレオマイシン、ネオカルチノスタ
チン等の水溶性低分子化合物が挙げられる。かかる薬物
は、系全体において一般に10重量%程度まで、好まし
くは5重量%程度までの範囲で配合される。
【0030】本発明においては、本発明のマイクロエマ
ルションの特徴を損ねない範囲で、公知の種々の添加剤
を併用することができる。例えば、エチルアルコール、
グリセリン、ソルビトール、ゼラチン、アルギン酸塩、
セルロース誘導体、スクワレン、オリーブ油などを系全
体において、0.01〜10重量%程度併用することが
できる。
ルションの特徴を損ねない範囲で、公知の種々の添加剤
を併用することができる。例えば、エチルアルコール、
グリセリン、ソルビトール、ゼラチン、アルギン酸塩、
セルロース誘導体、スクワレン、オリーブ油などを系全
体において、0.01〜10重量%程度併用することが
できる。
【0031】本発明では、主界面活性剤と補助界面活性
剤とを組み合わせることで、これまで非常に困難であっ
た水の組成比が極めて大きいマイクロエマルションを調
製することが可能になった。同時に、安定性が高く、し
かも適用時にヒトに対する安全性が改善されたマイクロ
エマルションを調製できた。
剤とを組み合わせることで、これまで非常に困難であっ
た水の組成比が極めて大きいマイクロエマルションを調
製することが可能になった。同時に、安定性が高く、し
かも適用時にヒトに対する安全性が改善されたマイクロ
エマルションを調製できた。
【0032】本発明を理論的に説明する意図ではない
が、オリゴ型界面活性剤は分散水相粒子中に1分子内の
複数の親水基が碇のように入り込み、同時に親油性基が
油相に保持されるため、界面活性剤は水相粒子の球面を
包むように保持されると考えられる。また、補助成分で
あるコレステロール類は、嵩高い親油基と小さい親水基
(水酸基、カルボキシル基等)を持つ。主界面活性剤が
作るミセルの外側(油相側)の疎になった空隙を埋める
ように作用し、多くの量の水を安定した状態で内封でき
ると考えられる(図1参照)。この結果、界面活性剤は
単分子状態で分散ないし溶解することなく、効率よくマ
イクロエマルションを形成することに寄与していると考
えられる。
が、オリゴ型界面活性剤は分散水相粒子中に1分子内の
複数の親水基が碇のように入り込み、同時に親油性基が
油相に保持されるため、界面活性剤は水相粒子の球面を
包むように保持されると考えられる。また、補助成分で
あるコレステロール類は、嵩高い親油基と小さい親水基
(水酸基、カルボキシル基等)を持つ。主界面活性剤が
作るミセルの外側(油相側)の疎になった空隙を埋める
ように作用し、多くの量の水を安定した状態で内封でき
ると考えられる(図1参照)。この結果、界面活性剤は
単分子状態で分散ないし溶解することなく、効率よくマ
イクロエマルションを形成することに寄与していると考
えられる。
【0033】更に、本発明の主界面活性剤と補助成分と
の組合わせが、油成分に対して適当なHLBを提供して
いることもあげられる。即ち、界面活性剤の混合HLB
が親水性に偏ると水にミセル溶解してしまい、逆だと、
油中に逆ミセル溶解する。W/O型マイクロエマルショ
ンを調製するばあい油中の逆ミセルが油から分離する限
界に近いHLBに近づけると、より水相を可溶化するこ
とになると考えられる。この結果、本発明はこのよう
な、機構で界面活性剤に対する水の比率を大きくできた
ものと理解できる。
の組合わせが、油成分に対して適当なHLBを提供して
いることもあげられる。即ち、界面活性剤の混合HLB
が親水性に偏ると水にミセル溶解してしまい、逆だと、
油中に逆ミセル溶解する。W/O型マイクロエマルショ
ンを調製するばあい油中の逆ミセルが油から分離する限
界に近いHLBに近づけると、より水相を可溶化するこ
とになると考えられる。この結果、本発明はこのよう
な、機構で界面活性剤に対する水の比率を大きくできた
ものと理解できる。
【0034】
【実施例】以下に実施例により、本発明を更に詳細に説
明する。尚、実施例において示される「%」は「重量
%」を表す。
明する。尚、実施例において示される「%」は「重量
%」を表す。
【0035】 [実施例1] コレステロール (補助成分) 0.1% ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油(主活性剤1) 4.9% ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油(主活性剤2) 5.0% 等張リン酸緩衝液 (水相成分) 5.0% パルミチン酸イソプロピル (油相成分) 全量100% イソプロピルパルミテートに主界面活性剤1および2、
および補助成分を添加し、撹拌した。均一になったら、
ここに等張リン酸緩衝液を添加し、撹拌した。等張リン
酸緩衝液の添加後、撹拌を20〜30分間継続した。や
や青白いほぼ透明の液が得られるので、その液のチンダ
ル現象を観察すると、光路が青白く光り、コロイド溶液
であることがわかった。
および補助成分を添加し、撹拌した。均一になったら、
ここに等張リン酸緩衝液を添加し、撹拌した。等張リン
酸緩衝液の添加後、撹拌を20〜30分間継続した。や
や青白いほぼ透明の液が得られるので、その液のチンダ
ル現象を観察すると、光路が青白く光り、コロイド溶液
であることがわかった。
【0036】この試料液をレーザー光散乱自動粒径測定
装置(Arレーザー75mW、大塚電子製、DLS−7
000型)で測定すると、平均粒径128.5±67.5
nmであった。やや大きな粒径であるが、マイクロエマ
ルションが形成されていると考えられる。この粒径分布
を図2に示す。尚、「全量100%」は、その成分にて
全量を100%にしたことを意味する(以下、同様)。
装置(Arレーザー75mW、大塚電子製、DLS−7
000型)で測定すると、平均粒径128.5±67.5
nmであった。やや大きな粒径であるが、マイクロエマ
ルションが形成されていると考えられる。この粒径分布
を図2に示す。尚、「全量100%」は、その成分にて
全量を100%にしたことを意味する(以下、同様)。
【0037】 [参考例1] ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油(主活性剤1) 4.9% ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油(主活性剤2) 5.0% 等張リン酸緩衝液 (水相成分) 4.5% パルミチン酸イソプロピル (油相成分) 全量100% 実施例1と比較するため、実施例1からコレステロール
を除いた系でマイクロエマルションを調製した。イソプ
ロピルパルミテートに活性剤1および2を添加し、撹拌
した。均一になったら、ここに等張リン酸緩衝液を添加
し、撹拌した。等張リン酸緩衝液の添加後、撹拌を20
〜30分間継続した。ほぼ透明の液が得られるので、そ
の液のチンダル現象を観察すると、光路が青白く光り、
コロイド溶液であることがわかった。
を除いた系でマイクロエマルションを調製した。イソプ
ロピルパルミテートに活性剤1および2を添加し、撹拌
した。均一になったら、ここに等張リン酸緩衝液を添加
し、撹拌した。等張リン酸緩衝液の添加後、撹拌を20
〜30分間継続した。ほぼ透明の液が得られるので、そ
の液のチンダル現象を観察すると、光路が青白く光り、
コロイド溶液であることがわかった。
【0038】この試料液をレーザー光散乱自動粒径測定
装置(Arレーザー75mW、大塚電子製、DLS−7
000型)で測定すると、平均粒径23.9±41.8n
mであった。実施例に比較すると粒径は小さいが、ほと
んどがミセルを形成しており、マイクロエマルション部
分の粒径は、81.2±42.0nmであった。粒径分布
を図3に示す。図2の実施例に比較し、粒径の小さいミ
セル部分ないし界面活性剤が数分子会合して油相に溶解
した部分が多いことが分かる(粒径が数nm以下の部
分)。
装置(Arレーザー75mW、大塚電子製、DLS−7
000型)で測定すると、平均粒径23.9±41.8n
mであった。実施例に比較すると粒径は小さいが、ほと
んどがミセルを形成しており、マイクロエマルション部
分の粒径は、81.2±42.0nmであった。粒径分布
を図3に示す。図2の実施例に比較し、粒径の小さいミ
セル部分ないし界面活性剤が数分子会合して油相に溶解
した部分が多いことが分かる(粒径が数nm以下の部
分)。
【0039】なお、実施例1と参考例1では、水相含量
が異なるが、参考例ではコレステロールを使用しなかっ
たため、4.5%以上の水を加えると、乳濁し(通常の
W/O型エマルションが形成)、マイクロエマルション
は形成されなかった。
が異なるが、参考例ではコレステロールを使用しなかっ
たため、4.5%以上の水を加えると、乳濁し(通常の
W/O型エマルションが形成)、マイクロエマルション
は形成されなかった。
【0040】 [実施例2] コレステロール(補助成分) 0.06% ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油(主活性剤) 9.94% 等張リン酸緩衝液(水相成分) 5.5% エリスロポエチン(薬効成分) 0.0001% パルミチン酸イソプロピル(油相成分) 全量100% 油相成分に主活性剤と補助成分を添加、撹拌し、均一に
した。等張リン酸緩衝液にエリスロポエチンを添加、溶
解した。均一になった油成分中に、撹拌条件下に添加し
た後、更に撹拌を30分程度継続したところ、青みのあ
る澄明な油状液体が得られた。チンダル現象を観察する
と、強い青白散乱光が光路に認められた。DLS−70
00型で粒径を測定した結果、94.3±53.1nmの
粒径分布が得られた。形成されたほぼ総ての粒子がマイ
クロエマルションになっていることが分かった。
した。等張リン酸緩衝液にエリスロポエチンを添加、溶
解した。均一になった油成分中に、撹拌条件下に添加し
た後、更に撹拌を30分程度継続したところ、青みのあ
る澄明な油状液体が得られた。チンダル現象を観察する
と、強い青白散乱光が光路に認められた。DLS−70
00型で粒径を測定した結果、94.3±53.1nmの
粒径分布が得られた。形成されたほぼ総ての粒子がマイ
クロエマルションになっていることが分かった。
【0041】 [参考例2] ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油(主活性剤)10.0% 等張リン酸緩衝液(水相成分) 5.5% エリスロポエチン(薬効成分) 0.0001% パルミチン酸イソプロピル(油相成分) 全量100% 油相成分に主活性剤を添加、撹拌し、均一にした。等張
リン酸緩衝液にエリスロポエチンを添加、溶解した。均
一になった油成分中に、撹拌条件下添加後、更に撹拌を
30分程度継続したところ、青みのある澄明な油状液体
が得られた。チンダル現象を観察すると、強い青白散乱
光が光路に認められた。
リン酸緩衝液にエリスロポエチンを添加、溶解した。均
一になった油成分中に、撹拌条件下添加後、更に撹拌を
30分程度継続したところ、青みのある澄明な油状液体
が得られた。チンダル現象を観察すると、強い青白散乱
光が光路に認められた。
【0042】DLS−7000型で粒径を測定した結
果、94.0±130.1nmの粒径分布が得られた。マ
イクロエマルション部分の粒径は184.2nmであ
り、水相を内包しないミセルおよび溶解した活性剤(数
nm以下の粒径を持つもの)が多く存在することが分か
った。
果、94.0±130.1nmの粒径分布が得られた。マ
イクロエマルション部分の粒径は184.2nmであ
り、水相を内包しないミセルおよび溶解した活性剤(数
nm以下の粒径を持つもの)が多く存在することが分か
った。
【0043】 [実施例3] コレステロール(補助成分) 0.2% ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油(主活性剤1)4.8% ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油(主活性剤2)5.0% 等張リン酸緩衝液(水相成分) 5.25% 白血球増多因子(薬効成分) 0.0002% ミリスチン酸イソプロピル(油相成分) 全量100% 予め、薬効成分を等張リン酸緩衝液に溶解した。イソプ
ロピルパルミテートに活性剤1および2、補助成分を添
加、撹拌し、均一になったら、ここに等張リン酸緩衝溶
液を撹拌下に添加し、更に撹拌を20〜30分間継続し
た。
ロピルパルミテートに活性剤1および2、補助成分を添
加、撹拌し、均一になったら、ここに等張リン酸緩衝溶
液を撹拌下に添加し、更に撹拌を20〜30分間継続し
た。
【0044】やや青白いほぼ透明の液が得られたので、
その液のチンダル現象を観察すると、光路が青白く光
り、コロイド溶液であることが分かった。
その液のチンダル現象を観察すると、光路が青白く光
り、コロイド溶液であることが分かった。
【0045】この試料液をDLS−7000型で測定す
ると、平均粒径158.1±74.3nmであった。やや
大きな粒径であるが、マイクロエマルションが形成され
ていると考えられる。粒径が20.5nmの少量の小さ
なマイクロエマルション粒子も存在するが、殆どがマイ
クロエマルションを形成していると考えられる。
ると、平均粒径158.1±74.3nmであった。やや
大きな粒径であるが、マイクロエマルションが形成され
ていると考えられる。粒径が20.5nmの少量の小さ
なマイクロエマルション粒子も存在するが、殆どがマイ
クロエマルションを形成していると考えられる。
【0046】 [参考例3] ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油(主活性剤1) 4.8% ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油(主活性剤2) 5.0% 等張リン酸緩衝液(水相成分) 4.5% ミリスチン酸イソプロピル(油相成分) 全量100% 実施例3と比較するため、実施例3からコレステロール
を除いた系でマイクロエマルションを調製した。イソプ
ロピルパルミテートに活性剤1および2を添加し、撹拌
した。均一になったら、ここに等張リン酸緩衝液を添
加、撹拌した。等張リン酸緩衝液を添加後、更に撹拌を
20〜30分間継続した。青白いほぼ透明の液が得られ
るので、その液のチンダル現象を観察すると、光路が青
白く光り、コロイド溶液であることが分かった。
を除いた系でマイクロエマルションを調製した。イソプ
ロピルパルミテートに活性剤1および2を添加し、撹拌
した。均一になったら、ここに等張リン酸緩衝液を添
加、撹拌した。等張リン酸緩衝液を添加後、更に撹拌を
20〜30分間継続した。青白いほぼ透明の液が得られ
るので、その液のチンダル現象を観察すると、光路が青
白く光り、コロイド溶液であることが分かった。
【0047】この試料液をDLS−7000型で測定し
たところ、平均粒径が53.5±119.2nmであっ
た。実施例3に比較すると平均粒径は小さいが、ほとん
どがミセルを形成しており、マイクロエマルション部分
の粒径は、255.1±142.2nmであった。粒径の
小さいミセル部分ないし界面活性剤が数分子会合して油
相に溶解した部分が多いことが分かる。
たところ、平均粒径が53.5±119.2nmであっ
た。実施例3に比較すると平均粒径は小さいが、ほとん
どがミセルを形成しており、マイクロエマルション部分
の粒径は、255.1±142.2nmであった。粒径の
小さいミセル部分ないし界面活性剤が数分子会合して油
相に溶解した部分が多いことが分かる。
【0048】なお、実施例3と参考例3では、水相含量
が異なるが、参考例ではコレステロールを省いたため、
4.5%以上の水を加えると乳濁し、マイクロエマルシ
ョンは形成されなかった。このため最大水相含量の4.
5%でマイクロエマルションを調製した。
が異なるが、参考例ではコレステロールを省いたため、
4.5%以上の水を加えると乳濁し、マイクロエマルシ
ョンは形成されなかった。このため最大水相含量の4.
5%でマイクロエマルションを調製した。
【0049】 [実施例4] コレステロール(補助成分) 0.7% ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油(主活性剤) 9.3% 等張リン酸緩衝液 (水相成分) 5.0% パルミチン酸イソプロピル(油相成分) 全量100% イソプロピルパルミテートに主界面活性剤および補助成
分を添加し撹拌した。均一になったら、ここに等張リン
酸緩衝溶液を撹拌下に添加し、更に、撹拌を20〜30
分間継続した。やや青白いほぼ透明の液が得られるの
で、その液のチンダル現象を観察すると、光路が青白く
光り、コロイド溶液であることが分かった。
分を添加し撹拌した。均一になったら、ここに等張リン
酸緩衝溶液を撹拌下に添加し、更に、撹拌を20〜30
分間継続した。やや青白いほぼ透明の液が得られるの
で、その液のチンダル現象を観察すると、光路が青白く
光り、コロイド溶液であることが分かった。
【0050】この試料液をDLS−7000型で測定し
たところ、平均粒径127.3±50.3nmであった。
やや大きな粒径であるが、マイクロエマルションが形成
されていると考えられる。粒径が20.5nmの小さな
マイクロエマルション粒子を少量含むが、殆どがマイク
ロエマルションを形成していると考えられる。
たところ、平均粒径127.3±50.3nmであった。
やや大きな粒径であるが、マイクロエマルションが形成
されていると考えられる。粒径が20.5nmの小さな
マイクロエマルション粒子を少量含むが、殆どがマイク
ロエマルションを形成していると考えられる。
【0051】
(1) Ritschel W.A.;Meth Find Exp Clin Pharmacol,13
(3)205-220,1991 (2) P.P.Constantinides,J-P.Scalart,他;Proceed Inte
rn Symp ControlRel Bioact Mater,20(1993)184-185,Co
ntrolled Release Society Inc. (3) Luisi P.L.他;Topics in Pharmaceutical Sciences
1983;Elsevier SciencePublishar B..V.,(1983) (4) 特願平6−80598 (5) スミスクラインビーチャム:PCT/US93/0
9916 (6) Hoar T.P. & Shulman J.H.;Nature,152(102),1943
(3)205-220,1991 (2) P.P.Constantinides,J-P.Scalart,他;Proceed Inte
rn Symp ControlRel Bioact Mater,20(1993)184-185,Co
ntrolled Release Society Inc. (3) Luisi P.L.他;Topics in Pharmaceutical Sciences
1983;Elsevier SciencePublishar B..V.,(1983) (4) 特願平6−80598 (5) スミスクラインビーチャム:PCT/US93/0
9916 (6) Hoar T.P. & Shulman J.H.;Nature,152(102),1943
【図1】 本発明のマイクロエマルションの水相分散粒
子の構造を示す説明図である。
子の構造を示す説明図である。
【図2】 実施例1で調製したマイクロエマルションを
レーザー光散乱自動粒径測定装置で測定した粒径分布を
示すグラフである。
レーザー光散乱自動粒径測定装置で測定した粒径分布を
示すグラフである。
【図3】 参考例1(補助成分を省略している)で調製
したマイクロエマルションをレーザー光散乱自動粒径測
定装置で測定した粒径分布を示すグラフである。
したマイクロエマルションをレーザー光散乱自動粒径測
定装置で測定した粒径分布を示すグラフである。
Claims (18)
- 【請求項1】 少なくとも、油成分、界面活性剤および
水成分から成る油中水型マイクロエマルションであっ
て、該界面活性剤としてオリゴ型界面活性剤を主界面活
性剤として使用し、かつ補助成分としてコレステロール
類を使用することを特徴とする、油中水型マイクロエマ
ルション。 - 【請求項2】 オリゴ型界面活性剤が、ポリオキシエチ
レン硬化または非硬化ヒマシ油である請求項1記載のマ
イクロエマルション。 - 【請求項3】 前記ポリオキシエチレン硬化または非硬
化ヒマシ油が、ヒマシ油1モルに対しポリオキシエチレ
ン5〜60モルから構成されることを特徴とする請求項
2記載のマイクロエマルション。 - 【請求項4】 前記コレステロール類が、ステロイド骨
格中に1または2個の水酸基および/またはカルボキシ
ル基を有する化合物であることを特徴とする請求項1、
2または3記載のマイクロエマルション。 - 【請求項5】 主界面活性剤に対する補助成分の配合比
が、重量比率で0.01〜20%であることを特徴とす
る請求項1〜4項のいずれかに記載のマイクロエマルシ
ョン。 - 【請求項6】 主界面活性剤に対する補助成分の配合比
が、重量比率で0.1〜10%であることを特徴とする
請求項5項記載のマイクロエマルション。 - 【請求項7】 系全体に対する全界面活性剤の重量比率
が1〜30%であることを特徴とする請求項1〜6項の
いずれかに記載のマイクロエマルション。 - 【請求項8】 系全体に対する全界面活性剤の重量比率
が5〜10%であることを特徴とする請求項7項記載の
マイクロエマルション。 - 【請求項9】 系全体に含まれる水の重量比率が全界面
活性剤に対して、1〜200%であることを特徴とする
請求項1〜8のいずれかに記載のマイクロエマルショ
ン。 - 【請求項10】 系全体に含まれる水の重量比率が全界
面活性剤に対して、20〜100%であることを特徴と
する請求項9記載のマイクロエマルション。 - 【請求項11】 マイクロエマルションの分散媒である
油成分が脂肪酸トリグリセライド、または低級アルコー
ルと高級脂肪酸とのエステル化合物である請求項1〜1
0のいずれかの項に記載のマイクロエマルション。 - 【請求項12】 前記油成分が、脂肪酸の炭素数が6〜
12である脂肪酸トリグリセライドであることを特徴と
する請求項11記載のマイクロエマルション。 - 【請求項13】 前記油成分が、脂肪酸の炭素数が8〜
10である脂肪酸トリグルセライドであることを特徴と
する請求項12記載のマイクロエマルション。 - 【請求項14】 前記油成分が、低級アルコール部分の
炭素数が2〜6である低級アルコールと高級脂肪酸との
エステル化合物であることを特徴とする請求項11記載
のマイクロエマルション。 - 【請求項15】 前記油成分が、低級アルコールと高級
脂肪酸とのエステル化合物であり、該高級脂肪酸部分の
炭素数が10〜20であることを特徴とする請求項11
記載のマイクロエマルション。 - 【請求項16】 前記油成分が、炭素数2〜6である低
級アルコールと炭素数10〜20の高級脂肪酸とのエス
テル化合物である請求項11記載のマイクロエマルショ
ン。 - 【請求項17】 薬理効果のある化合物が、マイクロエ
マルション中の水相中に溶解または添加されている請求
項1〜16項のいずれかの項に記載のマイクロエマルシ
ョン。 - 【請求項18】 前記薬理効果のある化合物が、ペプチ
ド性薬物もしくは水溶性低分子難吸収性化合物である請
求項17記載のマイクロエマルション。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18123797A JPH1129464A (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | コレステロールを添加する油中水型マイクロエマルション |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18123797A JPH1129464A (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | コレステロールを添加する油中水型マイクロエマルション |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1129464A true JPH1129464A (ja) | 1999-02-02 |
Family
ID=16097205
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18123797A Pending JPH1129464A (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | コレステロールを添加する油中水型マイクロエマルション |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1129464A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008519026A (ja) * | 2004-11-02 | 2008-06-05 | メデシス・ファルマ・ソシエテ・アノニム | ジグリセリドおよびフィトステロールを含む、金属カチオンの送達用の逆ミセル組成物ならびに製造方法 |
WO2012105485A1 (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-09 | マルホ株式会社 | 高分子逆ミセルを含む皮膚用組成物およびその製造方法 |
WO2020004599A1 (ja) | 2018-06-29 | 2020-01-02 | 株式会社日本触媒 | ゲルインオイル型エマルション及び経皮吸収剤 |
-
1997
- 1997-07-07 JP JP18123797A patent/JPH1129464A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008519026A (ja) * | 2004-11-02 | 2008-06-05 | メデシス・ファルマ・ソシエテ・アノニム | ジグリセリドおよびフィトステロールを含む、金属カチオンの送達用の逆ミセル組成物ならびに製造方法 |
WO2012105485A1 (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-09 | マルホ株式会社 | 高分子逆ミセルを含む皮膚用組成物およびその製造方法 |
CN103338750A (zh) * | 2011-01-31 | 2013-10-02 | 丸宝株式会社 | 含有高分子反相胶束的皮肤用组合物及其制造方法 |
EP2671568A4 (en) * | 2011-01-31 | 2015-06-03 | Maruho Kk | DERMAL COMPOSITION COMPRISING A POLYMER INVERSE MICELLE, AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME |
WO2020004599A1 (ja) | 2018-06-29 | 2020-01-02 | 株式会社日本触媒 | ゲルインオイル型エマルション及び経皮吸収剤 |
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