JPH11294380A - ガス圧縮ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出弁を調節しつつ、ガス圧縮機の運転を行
う場合に、サージング発生を検知して自動的にサージン
グ領域を回避可能に構成したガス圧縮ユニットを提供す
る。 【解決手段】 ガス圧縮機１の吐出管に吐出弁１１と流
量測定用のオリフィス１０が設けられている。吐出弁１
１をバイパスするバイパス管路１５が設けられ、このバ
イパス管路１５には電磁弁１３が設けられている。電磁
弁１３は、制御器１４で開放を制御される。制御器１４
は、オリフィス１０の前後の差圧を計測する流量計測用
センサー９からの差圧信号を受け、サージング発生によ
りその差圧信号が急変すると電磁弁１３を開くようにな
っている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、過給機等のガス圧
縮機の性能試験装置として用いて好適なガス圧縮ユニッ
トに関する。

【０００２】

【従来の技術】ガス圧縮機の吐出管に設けた流量調整用
の吐出弁を調節して大流量からサージング点に亘る圧縮
機の性能試験が行われる。そのような従来の試験装置の
一例を図４の系統図に示してある。

【０００３】図４において、０１はガス圧縮機で、軸を
介して駆動源のタービンやモーターと連結されている。
０２は吸い込みサイレンサで、ガス圧縮機０１の入口側
に吸い込み管０３を介して接続されている。ガス圧縮機
０１の入口直前には、吸い込まれる空気の状態値（圧力
と温度）を計るためのセンサー０７が設けてある。

【０００４】０４は吐出管で、ガス圧縮機０１の吐出側
に接続され、吐出口直後には吐出された空気の状態値を
計るためのセンサー０８が設けてある。吐出管０４の下
流側には、流量計測配管０５とオリフィス０１０があ
り、オリフィス０１０を挟んで流量計測配管０５には流
量計測用センサー０９が設けてある。０１１は流量調整
用の吐出弁で、コントロール装置０１２により弁開度を
調整される。０６は排気サイレンサーで、吐出弁０１１
の下流に設置してある。

【０００５】図２は、一般的な圧縮機性能試験時の流量
・圧力比特性図で、Ｘ軸に流量Ｑを、Ｙ軸にガス圧縮機
入口圧力に対する吐出圧力比である全圧比π_c をとった
ものである。２７はガス圧縮機の作動点で、回転数２
２，２３，２４一定のもとで吐出弁０１１によって抵抗
を変えて計測した点である。２５はその吐出抵抗が小さ
い場合、２６は吐出抵抗を大きくした場合でガス圧縮機
のサージングラインを示す。

【０００６】ガス圧縮機の性能試験を実施する場合、或
る回転数において吐出弁０１１を調整して作動点２７を
任意の点に移動し、或る時間保持したのち状態値を計測
するという定常計測を行っているが、サージング現象は
非定常であるため、このサージング点を計測するとき
は、吐出弁０１１を徐々に絞っていき、状態値（圧力・
音等）が急変した点を人が確認し、コントロール装置０
１２を操作し吐出弁０１１を微開しなければならなかっ
た。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前記したように、従来
のガス圧縮ユニットでは、大流量からサージング点に亘
ってガス圧縮機を運転するとき、サージング点近傍での
運転に極めて神経を使うものであった。

【０００８】本発明は、吐出弁を調節しつつガス圧縮機
の運転を行う場合に、サージング発生を検知して自動的
にサージング領域を回避可能に構成されたガス圧縮ユニ
ットを提供することを課題としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、吐出管に設けられた流量調整用の吐出弁をバ
イパスするバイパス管路と、そのバイパス管路に設けら
れた電磁弁と、その電磁弁の開度を制御する制御器とを
設け、その制御器が吐出流量計測用のオリフィスによっ
て検出された差圧変化により作動されるように構成した
ガス圧縮ユニットを提供する。

【００１０】このように構成された本発明のガス圧縮ユ
ニットにおいて、吐出弁を調節しつつ、ガス圧縮機を運
転してサージングが発生すると、吐出流量計測用のオリ
フィスで発生する差圧が周期的に変化し急変する。この
ようにオリフィス差圧が急変した場合、吐出弁をバイパ
スするバイパス管路に設けられた電磁弁が制御器により
開かれ、サージング領域を回避する。

【００１１】このように、本発明のガス圧縮ユニットに
おいては、ガス圧縮機を大流量からサージング点まで亘
って性能試験等の為に運転しても自動的にサージング領
域を回避でき、従来のように神経を使うことなし運転を
行うことができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明を、図１に示した実
施の一形態であるガス圧縮機性能試験装置に基づいて具
体的に説明する。図１において、符号１〜１２の部分は
図４の符号０１〜０１２の部分に対応しており、これら
の部分は実質同じなので説明を省略する。

【００１３】図１のガス圧縮ユニットでは吐出弁１１を
通る管路をバイパスするバイパス管路１５が設けられ、
そのバイパス管路１５には電磁弁１３が取付けられてい
る。１４は制御器で、流量計測用センサー９で検出され
た差圧を入力し、後記するように電磁弁１３を開閉制御
するように構成されている。その他の構成は図４に示し
たガス圧縮ユニットの構成と同じである。

【００１４】以上の構成をもつ図１のガス圧縮ユニット
において、コントロール装置１２によって吐出弁１１を
徐々に絞って圧縮機１の性能試験を行い、サージング計
測を行うと、サージング発生によりオリフィス１０で発
生する差圧が急変する。

【００１５】すなわち、サージングが発生すると、サー
ジング特有の逆流現象のため流量計測用センサー９で計
測される差圧が急変する。その状態を図３に示してあ
る。図３は横軸に流量Ｑをとり、縦軸にオリフィス差圧
ＤＰをとり、それぞれ一定の回転数３２，３３，３４の
もとで吐出弁１１によって抵抗を変えて取った作動点３
５を示してある。３６は、サージング時の流量Ｑとオリ
フィス差圧ＤＰが周期的に変化しガス圧縮機が或る流量
範囲を往復して作動することを示している。

【００１６】このように、ガス圧縮機にサージングが発
生するとオリフィス差圧が急変するので、オリフィス差
圧を流量計測用センサー９で検出し、その検出値が定常
値の変化より急変した場合、制御器１４から電磁弁１３
を開にする信号を送り、自動的にサージング領域を回避
するものである。定常計測時は、制御器１４をリセット
することにより電磁弁１３は閉となる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のガス圧縮
ユニットは、吐出弁をバイパスするバイパス管路と、そ
のバイパス管路に設けられた電磁弁と、この電磁弁を制
御する制御器とを有し、この制御器は、吐出流量計測用
オリフィスにより検出された差圧変化により作動される
ように構成したものである。

【００１８】ガス圧縮機の性能試験時は、大流量からサ
ージング点までを計測するのが目的であり、サージング
計測は避けられないが、本発明のガス圧縮ユニットによ
れば、操作員がサージング発生に神経を集中し人的に吐
出弁操作を行うことなくサージング計測が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のガス圧縮ユニットの実施の一形態に係
るガス圧縮機性能試験装置の系統図。

【図２】ガス圧縮機における流量・圧力比特性図。

【図３】ガス圧縮機における流量と、吐出流量計測用オ
リフィスにおけるオリフィス差圧の関係を示す線図。

【図４】従来のガス圧縮機性能試験装置の系統図。

【符号の説明】

０１，１ ガス圧縮機 ０２，２ 吸い込みサイレンサー ０３，３ 吸い込み管 ０４，４ 吐出管 ０５，５ 流量計測配管 ０６，６ 排気サイレンサー ０７，７ 吸い込み空気の状態値を計測するセ
ンサー ０８，８ 吐出された空気の状態値を計測する
センサー ０９，９ 流量計測用センサー ０１０，１０ オリフィス ０１１，１１ 吐出弁 ０１２，１２ コントロール装置 １３ 電磁弁 １４ 制御器 １５ バイパス管路 ２２，２３，２４ 回転数 ３２，３３，３４ 回転数 ２７，３５ 作動点

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガス圧縮機の吐出管に、流量調整用の吐
   出弁と吐出流量計測用オリフィスとを設けたガス圧縮ユ
   ニットであって、前記吐出弁をバイパスするバイパス管
   路と、同バイパス管路に設けられた電磁弁と、同電磁弁
   を制御する制御器とを有し、同制御器は前記吐出流量計
   測用のオリフィスにより検出された差圧変化により作動
   されるように構成されていることを特徴とするガス圧縮
   ユニット。