JPH11293199A - 滑水性表面を形成し得るポリマー組成物 - Google Patents

滑水性表面を形成し得るポリマー組成物

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JPH11293199A
JPH11293199A JP10102411A JP10241198A JPH11293199A JP H11293199 A JPH11293199 A JP H11293199A JP 10102411 A JP10102411 A JP 10102411A JP 10241198 A JP10241198 A JP 10241198A JP H11293199 A JPH11293199 A JP H11293199A
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JP
Japan
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polymer composition
hydroxyl
meth
water
composition according
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JP10102411A
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English (en)
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Fumio Yamashita
文男 山下
Yoshiyuki Yugawa
嘉之 湯川
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物体表面に撥水性を付与すると同時に、付着
水滴を物体表面から容易に滑落除去することのできる被
覆材料を提供すること。 【解決手段】 (A)(a)式 【化6】 式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、R2
は炭素数1〜6の二価の炭化水素基を表わし、R3は水
素原子又はメチル基を表わし、nは6〜300の数であ
る、で示されるシロキサンマクロモノマー2〜40重量
%、(b)水酸基含有ビニルモノマー、及び必要により
(c)これらと共重合可能な他の不飽和モノマーの共重
合により得られる水酸基価が50〜290mgKOH/
gの範囲内である水酸基含有シロキサンポリマー、及び
(B)架橋剤からなることを特徴とする滑水性表面を形
成し得るポリマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水に濡れにくく、
しかも付着水滴が容易に滑落することのできる超疎水性
表面を形成し得るポリマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来から、物体表面を濡れ
にくくする、すなわち、物体表面に撥水性を付与するた
めに、物体表面を例えばシリコン系化合物又は樹脂、フ
ッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの疎水性材料で
被覆することが行なわれている。このようにして表面疎
水化処理が施された物体表面に水が付着すると、水は弾
かれて球状の水滴となり、大きい水滴は自重により落下
するが、小さい水滴は物体表面に強く付着したままであ
り、付着表面を垂直に傾けても落下しないという現象が
しばしばみられる。このような場合には、付着水滴を拭
き取るなどの機械的方法で強制的に除去しない限り、水
滴のない乾いた表面を得ることができない。
【0003】そのため、物体表面の疎水性をできるだけ
高くして水との接触角を増加させることによって、付着
水滴をできるだけ球体に近づけて物体表面から転がり落
とすための高疎水性材料の開発研究が種々行なわれてい
る。さらに、表面粗面化やせん毛状突起を表面に形成す
る物理的な方法も検討されている。しかしながら、水と
の接触角を大きくするためにこれまでに提案されている
材料は硬度や強度などの機械的性質が劣っていたり、特
殊な物質でその生産が困難である等の問題がある。ま
た、表面粗面化やせん毛状突起の形成のような物理的方
法では、物体表面を一度擦ればその効果が薄れるなどの
問題がある。
【0004】従って、物体表面に撥水性を付与すると同
時に、付着水滴を物体表面から容易に滑落除去すること
ができ、更に滑水持続性を有する被覆材料の開発が強く
望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決し、物体表面に撥水性を付与すると同時
に、付着水滴を物体表面から容易に滑落除去することが
でき、更に滑水持続性を有する被覆材料を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題点を解決し、物体表面に撥水性を付与すると同時に、
付着水滴を物体表面から容易に滑落除去することがで
き、更に滑水持続性を有する材料を開発すべく鋭意検討
を重ねてきた。
【0007】その結果、特定の水酸基含有シロキサンポ
リマーを架橋剤と共に架橋硬化させることによって形成
される皮膜が上記の目的に合致するものであることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0008】かくして、本発明によれば、(A)(a)
【0009】
【化2】
【0010】式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基
を表わし、R2は炭素数1〜6の二価の炭化水素基を表
わし、R3は水素原子又はメチル基を表わし、nは6〜
300の数である、で示されるシロキサンマクロモノマ
ー2〜40重量%、(b)水酸基含有ビニルモノマー、
及び必要により(c)これらと共重合可能な他の不飽和
モノマーの共重合により得られる水酸基価が50〜29
0mgKOH/gの範囲内である水酸基含有シロキサン
ポリマー、及び(B)架橋剤からなることを特徴とする
滑水性表面を形成し得るポリマー組成物が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリマー組成物に
ついて更に詳細に説明する。
【0012】シロキサンマクロモノマー(a) 本発明において、水酸基含有シロキサンポリマー(A)
の製造に使用されるシロキサンマクロモノマー(a)
は、架橋塗膜表面に撥水性を付与するものであり、下記
【0013】
【化3】
【0014】で示されるものであり、ここで、R1は炭
素数1〜10のアルキル基を表わし、R2は炭素数1〜
6の二価の炭化水素基を表わし、R3は水素原子又はメ
チル基を表わし、また、nはジメチルシロキサン単位の
平均重合度を意味し、6〜300、好ましくは6〜10
0の範囲内の数である。
【0015】シロキサンマクロモノマー(a)は、一般
に300〜30,000、好ましくは500〜20,0
00の範囲内の数平均分子量を有することができる。
【0016】水酸基含有ビニルモノマー(b) 本発明において、水酸基含有シロキサンポリマー(A)
の製造に使用される水酸基含有ビニルモノマー(b)
は、架橋剤との架橋官能基としての役割と滑水性を与え
る役割とを併せ持つものであり、具体的には、例えば、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸
の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブ
チレングリコールなどのポリエーテルポリオールと(メ
タ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸とのモノエステ
ル;ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アリルアルコ
ール、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステ
ル、(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート等とラクトン類(例えば、ε−カプロラクトン、
γ−バレロラクトン)との付加物;ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコ
ールなどのポリエーテルポリオールと2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有不飽和モノ
マーとのモノエーテル;α,β−不飽和カルボン酸と、
カージュラE10(シェル化学社製)やα−オレフィン
エポキシドのようなモノエポキシ化合物との付加物;グ
リシジル(メタ)アクリレートと酢酸、プロピオン酸、
p−t−ブチル安息香酸、脂肪酸類のような一塩基酸と
の付加物;無水マレイン酸や無水イタコン酸のごとき酸
無水基含有不飽和化合物と、エチレングリコール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの
グリコール類とのモノエステル化物またはジエステル化
物;ヒドロキシエチルビニルエーテルのごときヒドロキ
シアルキルビニルエーテル類、3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレートのような塩素を含ん
だ水酸基含有単量体、アリルアルコ−ル等を挙げること
ができる。
【0017】他の不飽和モノマー(c) 上記のシロキサンマクロモノマー(a)及び水酸基含有
ビニルモノマー(b)と必要により共重合せしめられる
他の不飽和モノマー(c)としては、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、
5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等のカル
ボキシル基含有不飽和モノマー;(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル(n−,i−,t−)、(メタ)
アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)ア
クリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロ
ヘキシル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜
18のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル
酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル
等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のア
ルコキシアルキルエステル;エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテ
ル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテ
ル、オクチルビニルエーテル等の鎖状アルキルビニルエ
ーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキ
シルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル
類;フェニルビニルエーテル、トリビニルフェニルエー
テル等のアリールビニルエーテル類;ベンジルビニルエ
ーテル、フェネチルビニルエーテル等のアラルキルビニ
ルエーテル類;アリルグリシジルエーテル、アリルエチ
ルエーテル等のアリルエーテル類;酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、イソカプロン酸ビニル、ピバリ
ン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ベオバモノマ−(シェ
ル化学社製)等のビニルエステル;酢酸イソプロペニ
ル、プロピオン酸イソプロペニル等のプロペニルエステ
ル;エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル等の
オレフィン系化合物;スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン、α−クロルスチレン等のビニル芳香族
化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートなどの含窒素アルキル(メタ)アクリレート;アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)ア
クリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリルアミド等の重合性アミド類;2−ビニルピリジ
ン、1−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジン
などの芳香族含窒素モノマー;アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル等の重合性ニトリル;ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリ
ロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリ
アセトオキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシ
エチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルトリエトキシシラン等の加水分解性アル
コキシシリル基含有モノマー;グリシジル(メタ)アク
リレート,アリルグリシジルエーテル等の重合性グリシ
ジル化合物;ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレ
ート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテトラブ
ロムフタレート、ペンタエリスリト−ルジアリルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル等のアリルモノマー;パ
ーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフ
ルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレ−ト、パーフ
ルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフ
ルオロアルキル(メタ)アクリレート;エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレ
ート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリン
トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシイソシアヌレートトリ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、グリセ
ロールアリロキシジ(メタ)アクリレート、1,1,1
−トリス(ヒドロキシメチル)エタンジ(メタ)アクリ
レート、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタ
ントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテート、ジアリルテレフタレ
ート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、
ペンタエリスリトルジアリルエ−テル、ジビニルベンゼ
ン等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類
等を挙げることができる。
【0018】水酸基含有シロキサンポリマー(A) 本発明において、水酸基含有シロキサンポリマー(A)
は、上記のシロキサンマクロモノマー(a)、水酸基含
有ビニルモノマー(b)及び必要によりこれらと共重合
可能な他の不飽和モノマー(c)の共重合により得るこ
とができる。
【0019】シロキサンマクロモノマー、水酸基含有ビ
ニルモノマー及び必要によりこれらと共重合可能な他の
不飽和モノマーの共重合割合は、得られる水酸基含有シ
ロキサンポリマー(A)に望まれる物性等に応じて広い
範囲にわたって変えることができるが、上記モノマーの
合計量を基準にして、一般には次の範囲内とすることが
望ましい。
【0020】シロキサンマクロモノマー(a):2〜4
0重量%、特に3〜25重量% 水酸基含有ビニルモノマー(b):5〜98重量%、特
に10〜70重量% 他の不飽和モノマー(c):0〜93重量%、特に5〜
87重量% 上記のモノマーの共重合は、通常、有機溶媒中で、モノ
マーの合計量100重量部あたり約0.01〜約8重量
部の重合開始剤の存在下に、約−20℃〜約150℃の
温度で、常圧で又は場合により約30kg/cm2Gま
での加圧下に反応させることにより行なうことができ
る。
【0021】かくして得られる水酸基含有シロキサンポ
リマー(A)は、一般に1,000〜100,000、
好ましくは3,000〜50,000の範囲内の数平均
分子量を有することができる。さらに、水酸基含有シロ
キサンポリマー(A)は、一般に50〜290mgKO
H/g、好ましくは90〜200mgKOH/gの範囲
内の水酸基価を有することができる。
【0022】架橋剤成分(B) 本発明において、上記水酸基含有シロキサンポリマー
(A)を架橋硬化させるための架橋剤として、アミノ樹
脂又はブロックされていてもよいポリイソシアネート化
合物が用いられる。
【0023】上記のアミノ樹脂としては、トリアジン環
の数が1〜5個のメラミン単体又はその縮合物からなる
分子量が300〜3,000、特に500〜2,000
の範囲内にあるメラミン樹脂の部分メチロール化又は完
全メチロール化物、或いはさらにそのメチロール基の一
部又は全部を炭素数1〜8の1価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールな
どでエーテル化した部分アルキルエーテル化又は完全ア
ルキルエーテル化メチロールメラミン樹脂等を用いるこ
とができる。
【0024】また、上記のポリイソシアネート化合物と
しては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビ
ス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、水素化ジフェニル
メタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート等の芳香族、脂環式又は脂肪族のポリイソシアネ
ート化合物、及びこれらのポリイソシアネート化合物の
過剰量に、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒ
マシ油等の低分子活性水素含有化合物を反応させて得ら
れるイソシアネート末端プレポリマー等が挙げられる。
【0025】これらのポリイソシアネート化合物はその
まま用いてもよく、或いは必要に応じて、イソシアネー
ト基がブロック剤でブロックされた形態で使用すること
もできる。
【0026】イソシアネートブロック剤としては、フェ
ノール、m−クレゾール、キシレノール、チオフェノー
ル等のフェノール類;メタノール、エタノール、ブタノ
ール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、
エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール
類;カプロラクタム、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエ
チル等の活性水素含有化合物等を挙げることができる。
これらのブロック剤を用いるポリイソシアネート化合物
のブロッキングは、それ自体既知の方法に従って行なう
ことができる。
【0027】本発明に従うポリマー組成物 本発明のポリマー組成物は、以上に述べた水酸基含有シ
ロキサンポリマー(A)及び架橋剤成分(B)に、適宜
有機溶剤を追加して混合することにより調整することが
できる。
【0028】架橋剤成分(B)として遊離のポリイソシ
アネート化合物又は部分メチロール化もしくは完全メチ
ロール化メラミン樹脂のように、水酸基含有シロキサン
ポリマー(A)と比較的容易に反応しやすいものを使用
する場合には、本発明のポリマー組成物は成分(A)と
成分(B)とが分離した二液型にしておき、使用直前に
両成分を混合するようにすることが望ましい。
【0029】水酸基含有シロキサンポリマー(A)に対
する架橋剤成分(B)の配合割合は、架橋剤成分(B)
の種類等に応じて広い範囲にわたって変えることができ
るが、一般的には、架橋剤成分(B)がアミノ樹脂の場
合には、水酸基含有シロキサンポリマー(A)とアミノ
樹脂(B)との配合割合が、固形分重量比で(A)/
(B)=50/50〜95/5、好ましくは60/40
〜90/10の範囲内で用いるのが適当である。また、
架橋剤成分(B)がブロックされていてもよいポリイソ
シアネート化合物の場合には、水酸基含有シロキサンポ
リマー(A)の水酸基対ブロックされていてもよいポリ
イソシアネート化合物(B)のイソシアネート基の当量
比が1/0.3〜1/2.5、好ましくは1/0.5〜
1/2.0の範囲内で用いるのが適当である。
【0030】本発明のポリマー組成物には、必要により
さらに、例えば、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、染
料、界面活性剤、その他通常塗料に用いられるそれ自体
既知の添加剤等を添加することもできる。
【0031】かくして得られる本発明のポリマー組成物
は、例えば、適当な型枠内に注入するか、適当な基体表
面に塗布して皮膜を形成した後、架橋硬化させることに
より、滑水性に優れた表面を有する成形物(ここで、成
形物は、基体上に被覆された皮膜の形態の成形物も包含
するものである)を得ることができる。
【0032】本発明のポリマー組成物は、特に、被覆用
組成物として、ガラス(例えば、車輛のフロントガラ
ス、ウインドウガラス、窓ガラス、カガミなど)、金属
(例えば、自動車、車輛、アルミフィン、通路標識板、
マイクロウエーブアンテナ、大型水導管パイプ、信号機
など)、プラスチック(施設園芸ハウス展張用フィルム
又はシート、人口臓器、便器、洗面器など)、無機材
(便器、浴槽、瓦など)、木材等の基材の表面に適用す
るのに有用である。
【0033】これら基材への本発明のポリマー組成物の
塗布は、例えば、スプレー塗装、ハケ塗り、ローラー塗
装、ロールコート塗装、浸漬塗装、カーテンフローコー
ター塗装などのそれ自体既知の方法で行なうことができ
る。また、塗布された皮膜の厚さは、被塗物の用途等に
応じて変えることができるが、一般的には、硬化後の膜
厚で1〜100μm、特に10〜50μm程度が好適で
ある。
【0034】本発明のポリマー組成物の架橋硬化の条件
は、該組成物の調製に用いられた水酸基含有シロキサン
ポリマー(A)及び架橋剤成分(B)の種類等に応じて
決定されるが、通常、常温ないし約300℃、好ましく
は80〜250℃の温度で約0.5〜約40分間の条件
を用いることができる。
【0035】このようにして本発明のポリマー組成物を
用いて形成される成形物の表面は滑水性に優れており、
例えば、従来のフッ素化エチレン系樹脂で被覆した物体
表面は水滴化した水の接触角は約108°であるが、質
量10mgの水滴を付着させた皮膜を90°に傾けても
水滴は停止したままであって自重によって落下しない
が、本発明のポリマー組成物から形成された皮膜は、水
滴の接触角が約100°であり、該皮膜に付着させた質
量10mgの水滴は、皮膜を水平面から40°以内の角
度で傾けただけで自重によって滑り始めて落下するとい
う優れた滑水性を示す。また、本発明のポリマー組成物
から形成された皮膜は、水中に3日間浸漬した後におい
ても、該皮膜に付着させた質量10mgの水滴は、皮膜
を水平面から50°以内の角度で傾けただけで自重によ
って滑り始めて落下するという優れた滑水持続性を示
す。
【0036】かくして、本発明のポリマー組成物は、水
滴の付着をきらう物体又はその表面処理剤として極めて
有用である。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、物体表面に撥水性を付
与すると同時に、付着水滴を物体表面から容易に滑落除
去することのできる被覆材料が提供される。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。以下、単に「部」および「%」とあるのは、そ
れぞれ「重量部」、「重量%」を意味する。
【0039】製造例1 温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下装置を備えた4つ
口フラスコにキシレン53.8部及びメチルイソブチル
ケトン28部を仕込み、撹拌下で加熱し、115℃に保
った。次に、115℃の温度で表1記載の単量体及び重
合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル4.2部か
らなる混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、1
15℃で2時間熟成し、固形分濃度55%、水酸基価1
51mgKOH/g、数平均分子量12,000の水酸
基含有シロキサンポリマー(A−1)の溶液を得た。
【0040】製造例2〜8 下記表1に示すモノマー組成を用いる以外、製造例1と
同様にして水酸基含有シロキサンポリマー(A−2)〜
(A−8)の溶液を得た。得られたポリマーの特数値を
表1に併せて示す。
【0041】表1において、 (注1)「サイラプレーンFM−0711」:チッソ
(株)社製、メタクリル基含有シロキサンマクロモノマ
ー、商品名、分子量約1,000、構造式
【0042】
【化4】
【0043】(注2)「サイラプレーンFM−072
1」:チッソ(株)社製、メタクリル基含有シロキサン
マクロモノマー、商品名、分子量約5,000、構造式
【0044】
【化5】
【0045】
【表1】
【0046】実施例1〜7及び比較例1〜5 下記表2に示す配合(固形分)により水酸基含有シロキ
サンポリマー(A)と架橋剤成分(B)を混合して撹拌
し、ポリマー組成物を得た。
【0047】表2において、 (注3)「LTI」:協和醗酵(株)社製、商品名、2
−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートカ
プロエート、固形分100%。
【0048】(注4)「N−3500」:住友バイエル
ウレタン(株)社製、商品名「ディスモジュールN−3
500」、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート
体、固形分100%。
【0049】(注5)「L−805」:住友バイエルウ
レタン(株)社製、商品名「SBU−I−L−80
5」、ブロック型脂肪族ポリイソシアネート、固形分6
5%。
【0050】(注6)「ユーバン28−60」:三井化
学(株)社製、ブチル化メチロールメラミン、商品名、
固形分60%。
【0051】上記実施例1〜7及び比較例1〜5で得ら
れたポリマー組成物を10番のバーコーターを用いてガ
ラス板上に塗布し、表2に示す架橋塗膜作成条件下に加
熱することによって硬化皮膜を得た。作成直後の皮膜及
び水中で3日間浸漬した後の皮膜について、以下に示す
方法により接触角及び滑落角を測定した。その結果も併
せて表2に示す。
【0052】接触角:協和界面科学(株)社製のCA−
X型接触角計を用い、23℃、65%RHの雰囲気下
に、約10mgの脱イオン水をマイクロシリンジを用い
て皮膜の上に滴下して、皮膜と水滴端部の接線とからな
る角度を液滴の滴下から1分以内に測定した。
【0053】滑落角:協和界面科学(株)社製のCA−
X型接触角計を用い、23℃、65%RHの雰囲気下
に、約10mgの脱イオン水をマイクロシリンジを用い
て皮膜の上に滴下し、ガラス板をゆっくりと傾けてゆ
き、水滴が滑りを開始する角度を滑落角とした。
【0054】
【表2】

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)式 【化1】 式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、R2
    は炭素数1〜6の二価の炭化水素基を表わし、R3は水
    素原子又はメチル基を表わし、nは6〜300の数であ
    る、で示されるシロキサンマクロモノマー2〜40重量
    %、(b)水酸基含有ビニルモノマー、及び必要により
    (c)これらと共重合可能な他の不飽和モノマーの共重
    合により得られる水酸基価が50〜290mgKOH/
    gの範囲内である水酸基含有シロキサンポリマー、及び
    (B)架橋剤からなることを特徴とする滑水性表面を形
    成し得るポリマー組成物。
  2. 【請求項2】 水酸基含有シロキサンポリマー(A)の
    水酸基価が90〜200mgKOH/gの範囲内である
    請求項1記載のポリマー組成物。
  3. 【請求項3】 架橋剤(B)がアミノ樹脂である請求項
    1記載のポリマー組成物。
  4. 【請求項4】 水酸基含有シロキサンポリマー(A)と
    アミノ樹脂(B)との配合割合が、固形分重量比で
    (A)/(B)=50/50〜95/5の範囲内である
    請求項3記載のポリマー組成物。
  5. 【請求項5】 架橋剤(B)がブロックされていてもよ
    いポリイソシアネート化合物である請求項1記載のポリ
    マー組成物。
  6. 【請求項6】 水酸基含有シロキサンポリマー(A)の
    水酸基対ブロックされていてもよいポリイソシアネート
    化合物(B)のイソシアネート基の当量比が1/0.3
    〜1/2.5の範囲内である請求項5記載のポリマー組
    成物。
  7. 【請求項7】 質量10mgの表面付着水滴が自重によ
    り水平面から傾き角40°以下で滑りを開始するような
    皮膜を形成し得るものである請求項1記載のポリマー組
    成物。
  8. 【請求項8】 水中に3日間浸漬した後においても、質
    量10mgの表面付着水滴が自重により水平面から傾き
    角50°以下で滑りを開始するような皮膜を形成し得る
    ものである請求項1記載のポリマー組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のポリマー組成物からなる
    被覆用組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のポリマー組成物から形
    成された表面が滑水性の成型物。
  11. 【請求項11】 皮膜の形態にある請求項1記載の成型
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294159A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Kansai Paint Co Ltd 防汚性塗膜形成性塗料組成物

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