JPH1129313A - 活性炭、活性炭紙および活性炭臭の抑制方法 - Google Patents

活性炭、活性炭紙および活性炭臭の抑制方法

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JPH1129313A
JPH1129313A JP9202204A JP20220497A JPH1129313A JP H1129313 A JPH1129313 A JP H1129313A JP 9202204 A JP9202204 A JP 9202204A JP 20220497 A JP20220497 A JP 20220497A JP H1129313 A JPH1129313 A JP H1129313A
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Japan
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activated carbon
polyvinyl alcohol
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phosphoric acid
paper
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JP9202204A
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Takeshi Maeda
武士 前田
Katsumi Okawa
勝美 大川
Susumu Fujita
進 藤田
Takahiro Ikeda
孝博 池田
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性炭の炭香を効果的に抑制する。 【解決手段】 活性炭はポリビニルアルコールを含んで
いる。ポリビニルアルコールの含有量は、例えば0.0
1〜2重量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、活性炭、特に、臭
気が抑制された活性炭に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】活性炭は、優れた吸着特性を
有していることから、煙草臭などの臭気、並びにダニや
カビなどの浮遊物を除去可能な空気清浄機や脱臭機能付
エアコンなどの空気清浄用フィルター素材として広く用
いられている。
【0003】ところで、活性炭は、特有の臭気、すなわ
ち炭香を有している。この炭香は、甘酸っぱい臭いであ
り、活性炭自体から発生するものであるが、活性炭から
継続的に発生し、場合によっては増幅される場合があ
る。このため、活性炭を用いたフィルターは、各種の臭
気や浮遊物を効果的に除去することができるものの、同
時に炭香を放散させることになる。放散された炭香は、
感じ方に個人差があり、忌避される場合も多い。
【0004】このため、炭香を抑制するための方法が種
々検討されている。例えば、特開平8−187074号
公報には、活性炭を用いたフィルターを製造するに当た
り、接着剤である熱可塑性樹脂を使用して炭香中の酸性
臭気成分を抑制する構成が示されているが、この構成で
は満足できる程度に炭香を抑制するのは困難である。
【0005】本発明の目的は、活性炭からの炭香を効果
的に抑制することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の活性炭は、ポリ
ビニルアルコールを含んでいる。ここで、ポリビニルア
ルコールの含有量は、例えば0.01〜2重量%であ
る。また、この活性炭は、例えば、リン酸を1〜20重
量%さらに含んでいる。さらに、この活性炭は、例え
ば、p−トルイジンおよびアニリンのうちの少なくとも
一つを1〜20重量%さらに含んでいる。
【0007】本発明に係る他の活性炭は、ポリビニルア
ルコールを0.01〜2重量%と、2種以上の添加剤を
含有する添加剤混合物とを含み、平均細孔径が少なくと
も9オングストロームに設定されている。ここで、添加
剤混合物は、例えば、p−トルイジンとリン酸との混合
物およびアニリンとリン酸との混合物のうちの一方であ
る。
【0008】本発明の活性炭紙は、活性炭と、補強材
と、活性炭に対して0.1〜5重量%のポリビニルアル
コールとを含んでいる。
【0009】本発明に係る活性炭臭の抑制方法は、ポリ
ビニルアルコールを用いて活性炭を処理する工程を含ん
でいる。
【0010】
【発明の実施の形態】活性炭 本発明の活性炭は、特に限定されるものではなく、やし
がら系、石炭ピッチ系、ポリアクリロニトリル系、セル
ロース系およびピッチ系などの種々の原料から製造され
る各種のものである。また、活性炭の形態は、特に限定
されるものではなく、例えば粒状、粉末状、繊維状など
の各種である。
【0011】このような活性炭は、少なくとも6オング
ストロームの平均細孔径を有するものが好ましい。平均
細孔径が6オングストローム未満の場合は、後述するポ
リビニルアルコールの造膜作用により平均細孔径が小さ
くなり過ぎ、活性炭が所要の吸着特性や脱臭特性を発揮
しにくくなる場合がある。特に、後述するような各種の
添加剤を併用して活性炭に化学吸着特性を付与しようと
する場合は、活性炭の細孔内に添加剤が付与されにくく
なり、目的とする化学吸着特性が発揮されにくい場合が
ある。
【0012】なお、後述するような2種以上の添加剤の
混合物を用いて活性炭に化学吸着特性を付与しようとす
る場合、上述と同様の理由により、活性炭の平均細孔径
は少なくとも9オングストロームであることが好まし
い。
【0013】本発明の活性炭は、ポリビニルアルコール
を含んでおり、これにより炭香の放散が効果的に抑制さ
れている。ここで、ポリビニルアルコールは、通常、細
孔の内部表面を含む活性炭の表面をコーティングするよ
うにして活性炭に配置されている。
【0014】本発明で用いられるポリビニルアルコール
は、造膜性を有するものであれば特に限定されるもので
はないが、活性炭に対して水溶液の状態で適用し易いこ
とから水に対する溶解度の大きなものが好ましい。具体
的には、ケン化度が50〜100mol%のものが好ま
しく、70〜90mol%のものがより好ましい。ケン
化度が50mol%未満の場合は、溶解性および造膜性
が低下し、活性炭から放散される炭香を効果的に抑制で
きないおそれがある。逆に、ケン化度が100mol%
を超えると、水に対する溶解度が低下する。
【0015】本発明の活性炭が含有するポリビニルアル
コールの量は、通常、0.01〜2重量%に設定するの
が好ましい。この含有量が0.01重量%以下の場合
は、活性炭から放散される炭香を効果的に抑制できない
おそれがある。逆に、含有量が2重量%以上の場合は、
活性炭が所要の脱臭特性や吸着特性を発揮しにくくなる
おそれがある。
【0016】本発明の活性炭は、上述の活性炭をポリビ
ニルアルコールにより処理すると製造することができ
る。ここでの処理方法としては、例えば、ポリビニルア
ルコール水溶液を調製し、この水溶液を活性炭に対して
噴霧する方法、或いはポリビニルアルコール水溶液中に
活性炭を浸漬する方法などを採用することができる。な
お、これらの方法により活性炭に対して適用されたポリ
ビニルアルコール水溶液の水分は、通常の乾燥手法によ
り除去するのが好ましい。
【0017】このような本発明の活性炭は、細孔の内部
の表面を含む表面がポリビニルアルコールの膜によりコ
ーティングされることになるため、活性炭から発生する
炭香はポリビニルアルコールの膜により放散を抑制され
る。この結果、活性炭は炭香が抑制されることになる。
また、このような活性炭では、臭気成分等の被吸着物質
が直接に活性炭表面や活性炭中にふくまれる金属不純物
と接触しにくくなるので、このような被吸着物質が活性
炭や金属不純物により酸化・還元されるのが防止され
る。
【0018】本発明の活性炭は、上述のポリビニルアル
コールの他に、リン酸をさらに含んでいてもよい。リン
酸を含む場合、本発明の活性炭は、炭香を抑制しつつ塩
基性ガスの除去性能を高めることができる。なお、リン
酸の含有量は、通常、活性炭の1〜20重量%に設定す
るのが好ましく、3〜15重量%に設定するのがより好
ましい。この含有量が1重量%未満の場合は、活性炭が
所要の塩基性ガス除去性能を発揮しない場合がある。逆
に、20重量%を超える場合は、活性炭細孔を塞ぎ、吸
着量が低下するおそれがある。活性炭にリン酸を含有さ
せる方法としては、例えば、上述のポリビニルアルコー
ル水溶液中にリン酸を予め添加しておく方法を採用する
ことができる。
【0019】また、本発明の活性炭は、上述のポリビニ
ルアルコールの他に、化学吸着機能を高めるための各種
のアミン化合物をさらに含んでいてもよい。特に、アミ
ン化合物としてp−トルイジンやアニリンを含む場合、
本発明の活性炭は、炭香を抑制しつつ酸、塩基およびア
ルデヒド類(殊に、アルデヒド類)の除去性能を高める
ことができる。したがって、このようなアミン化合物を
含む活性炭は、アセトアルデヒド、酢酸およびアンモニ
アを主成分とする煙草臭を効果的に除去するために有効
である。なお、上述のアミン化合物は、2種以上のもの
が併用されてもよい。
【0020】上述のようなアミン化合物の含有量は、通
常、活性炭の1〜20重量%に設定するのが好ましく、
3〜10重量%に設定するのがより好ましい。この含有
量が1重量%未満の場合は、活性炭が所要の化学吸着機
能を発揮しない場合がある。逆に、20重量%を超える
場合は、活性炭細孔を塞ぎ、吸着量が低下するおそれが
ある。活性炭に上述のようなアミン化合物を含有させる
方法としては、例えば、上述のポリビニルアルコール水
溶液中に所定のアミン化合物を予め添加しておく方法を
採用することができる。
【0021】さらに、本発明の活性炭は、ポリビニルア
ルコールの他に、2種以上の添加剤、例えば、上述のよ
うなリン酸とアミン化合物とを同時に含んでいてもよ
い。この場合、活性炭は、各添加材により得られる機能
を同時に発揮することができる。例えば、添加剤として
リン酸とアミン化合物とを同時に含む場合は、リン酸に
よる塩基性ガス除去性能と、アミン化合物による上述の
化学吸着機能とを同時に発揮することができる。したが
って、このような活性炭は、例えば上述のような成分を
含む煙草臭をより効果的に除去するために特に有効であ
る。なお、添加剤の組み合わせは、例えば、リン酸とp
−トルイジンとの組み合わせ、またはリン酸とアニリン
との組み合わせが好ましい。
【0022】但し、このような場合、活性炭の平均細孔
径は少なくとも9オングストロームであることが好まし
い。平均細孔径が9オングストローム未満の場合は、ポ
リビニルアルコールによる膜のために平均細孔径がより
小さくなるので、細孔内に2種以上の添加剤が同時に配
置されにくくなり、活性炭が目的とする機能を発揮しに
くくなる場合がある。
【0023】活性炭紙 本発明の活性炭紙は、活性炭と、補強材と、ポリビニル
アルコールとを含んでいる。ここで用いられる活性炭
は、上述のような一般的な原料からなる活性炭であり、
好ましくは繊維状のものである。また、補強材は、抄紙
時に通常用いられる各種のものであり、具体的には麻、
ポリエステル樹脂繊維、ポリプロピレン樹脂繊維などの
繊維である。
【0024】ここで、ポリビニルアルコールは、抄紙時
に紙力増強剤としての効果を発揮させるために、水に対
する溶解度の小さなものを用いるのが好ましい。具体的
には、ケン化度が1〜70mol%のものを用いるのが
好ましく、5〜50mol%のものを用いるのがより好
ましい。ケン化度が70mol%以上の場合は、水に対
する溶解度が大きくなり過ぎ、紙力補強剤としての効果
が発揮されにくくなる。逆に、ケン化度が1mol%未
満の場合は、造膜効果が得られにくい。
【0025】ポリビニルアルコールの使用量は、活性炭
に対して0.1〜10重量%に設定するのが好ましく、
0.5〜5重量%に設定するのがより好ましい。使用量
が0.1重量%以下の場合は、紙力補強効果が不十分に
なり易く、また、活性炭紙の炭香を十分に抑制できない
場合がある。逆に、使用量が10重量以上の場合は、活
性炭紙が所要の吸着機能を発揮しにくくなる場合があ
る。
【0026】本発明の活性炭紙は、上述の活性炭、補強
材およびポリビニルアルコールを含む原料を調製し、こ
れを抄紙すると製造することができる。また、上述の活
性炭と補強材とを含む原料を調製し、これを抄紙した後
にポリビニルアルコール水溶液を噴霧することにより製
造することもできる。なお、補強材とポリビニルアルコ
ールとを含む原料又は噴霧するポリビニルアルコール水
溶液中にリン酸や上述のアミン化合物を上述と同様の条
件で添加しておくと、活性炭紙に塩基性ガス除去性能や
化学吸着機能を付与することができる。
【0027】本発明の活性炭紙は、所要の吸着特性を発
揮し、かつ活性炭特有の炭香が抑制される。したがっ
て、この活性炭紙は、空気清浄機やエアコンの脱臭用フ
ィルター用として用いられると有効である。このような
脱臭用フィルターとして用いられる場合、活性炭紙は、
通常プリーツ状に折り曲げられて通気断面積が大きくな
るように設定される。
【0028】活性炭臭の抑制方法 本発明に係る活性炭臭の抑制方法は、活性炭特有の炭香
を抑制するための方法である。この方法を適用すること
ができる活性炭は、特に限定されるものではなく、上述
のような各種の原料からなる各種の形態のものである。
【0029】本発明の方法は、ポリビニルアルコールを
用いて活性炭を処理する工程を含んでいる。ここで用い
られるポリビニルアルコールは、特に限定されるもので
はないが、活性炭に対して水溶液の状態で適用し易いも
の、すなわち水に対する溶解度の大きなものが好まし
い。具体的には、ケン化度が50〜100mol%のも
のが好ましく、70〜90mol%のものがより好まし
い。ケン化度が50mol%未満の場合は、造膜性が低
下し、活性炭から放散される炭香を効果的に抑制できな
いおそれがある。逆に、ケン化度が100mol%を超
えると、水に対する溶解度が低下して活性炭に対する適
用が困難になる。
【0030】ポリビニルアルコールの使用量は、通常、
活性炭に対して0.01〜2重量%に設定するのが好ま
しい。使用量が0.01重量%以下の場合は、活性炭か
ら放散される炭香を効果的に抑制できないおそれがあ
る。逆に、使用量が2重量%以上の場合は、活性炭の脱
臭特性や吸着特性を損なうおそれがある。
【0031】活性炭をポリビニルアルコールにより処理
する方法としては、例えば、ポリビニルアルコール水溶
液を調製し、この水溶液を活性炭に対して噴霧する方
法、或いはポリビニルアルコール水溶液中に活性炭を浸
漬する方法などを採用することができる。なお、これら
の方法により活性炭に対して適用されたポリビニルアル
コール水溶液の水分は、通常の乾燥手法により除去する
のが好ましい。
【0032】このような本発明の方法により処理された
活性炭は、細孔の内部の表面を含む表面がポリビニルア
ルコールの膜によりコーティングされることになるた
め、炭香の放散がポリビニルアルコールの膜により抑制
される。この結果、活性炭は炭香が抑制されることにな
る。
【0033】
【実施例】実施例1〜3 ポリビニルアルコール(クラレ株式会社の商品名“KL
−318”:ケン化度=85〜90mol%、粘度(2
0℃:4%溶液)=20〜30cmポイズ)の0.1重
量%水溶液を調製し、これに石炭ピッチ系繊維状活性炭
(株式会社アドールの商品名“A−10”:公称比表面
積=1,000m2/g、平均細孔径=8オングストロ
ーム)を浸漬した。これにより、石炭ピッチ系繊維状活
性炭に対して0.1重量%(実施例1)、0.5重量%
(実施例2)または1重量%(実施例3)のポリビニル
アルコールを保持させた。
【0034】実施例4〜6 石炭ピッチ系繊維状活性炭(株式会社アドールの商品名
“A−10”:公称比表面積=1,000m2/g、平
均細孔径=8オングストローム)60重量部、補強繊維
としてのポリエチレンテレフタレート樹脂繊維20重量
部、および麻20重量部からなる混合物を調製し、この
混合物を抄紙して活性炭紙を製造した。この活性炭紙に
ポリビニルアルコール(クラレ株式会社の商品名“KL
−318”:ケン化度=85〜90mol%、粘度(2
0℃:4%溶液)=20〜30cmポイズ)の0.1重
量%水溶液を均一に噴霧し、ポリビニルアルコールの付
着量が0.1重量%(実施例4)、0.5重量%(実施
例5)または1重量%(実施例6)になるよう設定した
後に乾燥した。
【0035】実施例7〜9 石炭ピッチ系繊維状活性炭(株式会社アドールの商品名
“A−10”:公称比表面積=1,000m2/g、平
均細孔径=8オングストローム)60重量部、補強繊維
としてのポリエチレンテレフタレート樹脂繊維20重量
部、麻20重量部およびポリビニルアルコール(クラレ
株式会社の商品名“KL−318”:ケン化度=85〜
90mol%、粘度(20℃:4%溶液)=20〜30
cmポイズ)0.5重量部(実施例7)、2重量部(実
施例8)または5重量部(実施例9)からなる混合物を
調製し、この混合物を抄紙してポリビニルアルコールを
0.5重量%(実施例7)、2重量%(実施例8)およ
び4.7重量%(実施例9)それぞれ含む活性炭紙を製
造した。
【0036】実施例10〜12 実施例4〜6で用いたポリビニルアルコール水溶液に付
着後の濃度が5重量%になるようリン酸を予め添加した
点を除いて実施例4〜6と同様に操作し、リン酸が5重
量%さらに付着した活性炭紙を製造した。
【0037】実施例13〜15 実施例7〜9で抄紙した活性炭紙に、付着後の濃度が5
重量%になるように調整したリン酸液を噴霧し、リン酸
を5重量%さらに含む活性炭紙を製造した。
【0038】実施例16 実施例9で抄紙した活性炭紙に、付着後の濃度が5重量
%になるように調整したp−トルイジン液を噴霧し、p
−トルイジンを5重量%さらに含む活性炭紙を製造し
た。
【0039】実施例17 実施例9で抄紙した活性炭紙に、付着後の濃度が5重量
%になるように調整したアニリン液を噴霧し、アニリン
を7重量%さらに含む活性炭紙を製造した。
【0040】実施例18 ポリビニルアルコール(クラレ株式会社の商品名“KL
−318”:ケン化度=85〜90mol%、粘度(2
0℃:4%溶液)=20〜30cmポイズ)の0.1重
量%水溶液を調製し、これに石炭ピッチ系繊維状活性炭
(株式会社アドールの商品名“A−15”:公称比表面
積=1,500m2/g、平均細孔径=9オングストロ
ーム)を浸漬した。これにより、石炭ピッチ系繊維状活
性炭に対して0.5重量%のポリビニルアルコールを保
持させた。
【0041】このようにして調製された石炭ピッチ系繊
維状活性炭に対し、p−トルイジン:リン酸が付着後に
7:5の重量割合になるよう設定された添加剤を噴霧
し、活性炭に対してp−トルイジンを7重量%およびリ
ン酸を5重量%それぞれ付着させた。
【0042】実施例19 石炭ピッチ系繊維状活性炭(株式会社アドールの商品名
“A−15”:公称比表面積=1,500m2/g、平
均細孔径=9オングストローム)40重量部、補強繊維
としてのポリエチレンテレフタレート樹脂繊維20重量
部、麻20重量部およびポリビニルアルコール(クラレ
株式会社の商品名“KL−318”:ケン化度=85〜
90mol%、粘度(20℃:4%溶液)=20〜30
cmポイズ)5重量部を混合して混合物を調製した。こ
の混合物を抄紙し、ポリビニルアルコールを0.5重量
%含有する活性炭紙を製造した。
【0043】このようにして調製された活性炭紙に対
し、p−トルイジン:リン酸が付着後に7:5の重量割
合になるよう設定された添加剤を噴霧し、活性炭紙に対
してp−トルイジンを7重量%およびリン酸を5重量%
それぞれ付着させた。
【0044】比較例1、2 ポリビニルアルコールの保持量を0.01重量%(比較
例1)および2重量%(比較例2)に変更した点を除い
て実施例1〜3の場合と同様にし、石炭ピッチ系繊維状
活性炭を得た。
【0045】比較例3、4 ポリビニルアルコールの保持量が0.01重量%(比較
例3)および2重量%(比較例4)となるように変更し
た点を除いて実施例4の場合と同様にし、活性炭紙を得
た。
【0046】比較例5、6 ポリビニルアルコールの混合量を0.05重量部(比較
例5)および10重量部(比較例6)とした点を除いて
実施例7の場合と同様にし、ポリビニルアルコールを
0.05重量部(比較例5)および9.1重量部(比較
例6)それぞれ含む活性炭紙を得た。
【0047】比較例7 比較例2で用いるポリビニルアルコール水溶液に濃度が
5重量%になるようリン酸を予め添加した点を除いて比
較例2と同様に操作し、リン酸が5重量%さらに付着し
た石炭ピッチ系繊維状活性炭を製造した。
【0048】比較例8 比較例4で用いたポリビニルアルコール水溶液に濃度が
5重量%になるようリン酸を予め添加した点を除いて比
較例4と同様に操作し、リン酸が5重量%さらに付着し
た活性炭紙を製造した。
【0049】比較例9 比較例6で抄紙した活性炭紙に、付着後の濃度が5重量
%になるように調整したリン酸液を噴霧し、リン酸を5
重量%さらに含む活性炭紙を製造した。
【0050】比較例10 実施例4で用いたポリビニルアルコール水溶液にp−ト
ルイジン:リン酸が7:5の重量割合に設定された添加
剤をさらに添加した点を除いて実施例4と同様に操作
し、活性炭紙を製造した。これにより、p−トルイジン
を7重量%およびリン酸を5重量%それぞれ含む活性炭
紙を得た。
【0051】比較例11 実施例7で抄紙した活性炭紙にp−トルイジン:リン酸
が7:5の重量割合に設定された添加剤を噴霧した点を
除いて実施例7と同様に操作し、活性炭紙を製造した。
これにより、p−トルイジンを7重量%およびリン酸を
5重量%それぞれ含む活性炭紙を得た。
【0052】比較例12 石炭ピッチ系繊維状活性炭(株式会社アドールの商品名
“A−10”:公称比表面積=1,000m2/g、平
均細孔径=8オングストローム)をリン酸水溶液中に浸
漬した。これにより、リン酸を5重量%含む繊維状活性
炭を得た。
【0053】比較例13 石炭ピッチ系繊維状活性炭(株式会社アドールの商品名
“A−10”:公称比表面積=1,000m2/g、平
均細孔径=8オングストローム)をp−トルイジン:リ
ン酸が7:5の重量割合に設定された添加剤中に浸漬し
た。これにより、p−トルイジンを7重量%およびリン
酸を5重量%それぞれ含む繊維状活性炭を得た。
【0054】評価 各実施例および各比較例で得られた繊維状活性炭または
活性炭紙について、脱臭性能および炭香の程度を評価し
た。脱臭性能は、0.5gの被検体を用い、これに対す
る煙草臭の成分であるアンモニア(濃度=10pp
m)、酢酸(濃度=10ppm)およびアセトアルデヒ
ド(濃度=10ppm)の平衡吸着量に基づいて評価し
た。
【0055】一方、炭香は、被検体を1.0m2充填し
た空気清浄機から排出される空気中に含まれるか否かを
3名のパネラーによる官能試験により評価した。また、
同様の空気清浄機を20m3の部屋に置き、3時間毎に
5本の煙草(日本たばこ産業株式会社の商品名“マイル
ドセブン”)を燃焼させて17時間経過後(合計燃焼煙
草本数=30本)に空気清浄機から排出される空気中の
臭気を3名のパネラーによる官能試験により評価した。
【0056】各評価の結果を表1および表2に示す。な
お、表1および表2には、石炭ピッチ系繊維状活性炭
(株式会社アドールの上述の商品名”A−10”(比較
例14)、同”A−15”(比較例15)および活性炭
紙(クラレ株式会社の商品名”クラシート”(比較例1
6)についても同様にして脱臭性能および炭香の有無を
評価した結果を示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明の活性炭は、上述のようにポリビ
ニルアルコールを含んでいるため、所要の吸着性能を維
持しつつ炭香が抑制される。
【0060】また、本発明の活性炭紙は、ポリビニルア
ルコールを含んでいるため、所要の吸着性能を維持しつ
つ炭香が抑制される。
【0061】さらに、本発明に係る活性炭臭の抑制方法
は、活性炭をポリビニルアルコールにより処理している
ため、活性炭の吸着性能を損なわずに炭香などの活性炭
臭を効果的に抑制することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 孝博 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコールを含む活性炭。
  2. 【請求項2】前記ポリビニルアルコールの含有量が0.
    01〜2重量%である、請求項1に記載の活性炭。
  3. 【請求項3】リン酸を1〜20重量%さらに含む、請求
    項1または2に記載の活性炭。
  4. 【請求項4】p−トルイジンおよびアニリンのうちの少
    なくとも一つを1〜20重量%さらに含む、請求項1ま
    たは2に記載の活性炭。
  5. 【請求項5】ポリビニルアルコールを0.01〜2重量
    %と、 2種以上の添加剤を含有する添加剤混合物とを含み、 平均細孔径が少なくとも9オングストロームに設定され
    ている、活性炭。
  6. 【請求項6】前記添加剤混合物がp−トルイジンとリン
    酸との混合物およびアニリンとリン酸との混合物のうち
    の一方である、請求項5に記載の活性炭。
  7. 【請求項7】活性炭と、 補強材と、 前記活性炭に対して0.1〜10重量%のポリビニルア
    ルコールと、を含む活性炭紙。
  8. 【請求項8】ポリビニルアルコールを用いて活性炭を処
    理する工程を含む、活性炭臭の抑制方法。
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JP2012249742A (ja) * 2011-06-01 2012-12-20 Suminoe Textile Co Ltd 難燃性消臭フィルター及びその製造方法

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