JPH11293025A - 光触媒機能を有した発泡性樹脂粒子及びその発泡体 - Google Patents

光触媒機能を有した発泡性樹脂粒子及びその発泡体

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JPH11293025A
JPH11293025A JP10104821A JP10482198A JPH11293025A JP H11293025 A JPH11293025 A JP H11293025A JP 10104821 A JP10104821 A JP 10104821A JP 10482198 A JP10482198 A JP 10482198A JP H11293025 A JPH11293025 A JP H11293025A
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JP
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titanium oxide
resin particles
antibacterial
expandable resin
expandable
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JP10104821A
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Naoki Nakayama
直樹 中山
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Achilles Corp
Original Assignee
Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸化チタニウムを使用して、成型品とした場
合、スキン表面、カット面のいずれにもかかわらず、ほ
ぼ均一に酸化チタニウムが含まれる事で、光の照射で優
れた抗菌性等の光触媒固有の作用が得られる抗菌性発泡
樹脂粒子を提供する事にある。 【解決手段】 本発明は、発泡性樹脂粒子100重量部
に対して、酸化チタニウムの0.1〜10重量部がほぼ
均一に樹脂中に含有され、さらに揮発性発泡剤が2〜1
5重量部含有してなる光触媒固有の作用が付与されたこ
とを特徴とする発泡性樹脂粒子に関する。また、上記に
用いられる酸化チタニウムが、その結晶構造において、
50%以上のアナターゼ型を有する事を特徴とする発泡
性樹脂粒子に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性発泡性樹脂
粒子であり、またこの粒子を予備発泡したのちに発泡成
形した抗菌性合成樹脂成形体に関する。
【0002】より詳しくは、本発明は、例えば、食品用
の梱包材、容器等において、抗菌性を持ち、しかも食品
安全性に問題がない抗菌性合成樹脂成形体を得るための
抗菌性発泡性樹脂粒子に関する。
【0003】
【従来の技術】一般に、発泡性樹脂粒子は、粒状の合成
樹脂重合体に発泡剤(ブタン、ペンタン等)を含浸させ
た樹脂粒子であるが、その後、予備発泡を含む発泡化処
理を経て、発泡成形品に加工されている。最終的に生産
された発泡成形品は、家電製品用等の梱包材、建築用ボ
ードおよび断熱ブロック、魚箱等の断熱容器、並びに、
食品用トレー、即席食品カップ等の広範な用途に利用さ
れている。
【0004】かように発泡成形品の用途は多岐にわたる
が、使用環境によっては、成形品の表面に苔やカビが発
生したり、大腸菌等が繁殖したりして、外観上及び衛生
的にも好ましいものではないという問題が発生する場合
があった。
【0005】この様な問題を解決するために、合成樹脂
重合体に抗菌剤を添加したり、成形体の表面に抗菌剤を
塗布したりされるようになった。/ これらの抗菌剤とし
ては、大別して、無機系抗菌剤と、有機系抗菌剤とがあ
る。無機系抗菌剤としては、銀系、ゼオライト+銀系、
ハイドロキシアパタイト+銀系金属等があり、また、有
機系抗菌剤としては、有機ハロゲン系化合物、カチオン
界面活性剤系、ワサビ、カラシ等の天然成分系のものな
ど多種多様なものがあり、これらが用途により適宜使用
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の抗菌剤は、抗菌
作用を有し、カビ等の雑菌の繁殖を防止する。しかし、
抗菌剤の多くは、全ての菌、カビ等に対して有効である
といったものは少なく、特定の対象のみに効果を奏する
のが主流である。
【0007】また、抗菌剤を成形品に担持させる方法と
して、成形品の表面に抗菌剤を塗布する方法は、耐久性
に乏しく、成形品表面から抗菌剤が欠落してしまうため
に、一時的な作用しか期待できないものであった。
【0008】また、合成樹脂重合体に抗菌剤を添加し、
発泡性樹脂粒子を製造する方法は、抗菌剤の添加によっ
て、合成樹脂の重合に支障をきたしたり、成形時に発泡
性樹脂粒子の融着を阻害させたりして、成形体の物性低
下をきたすおそれがあり、さらに、これらの抗菌剤は、
成形体の表面に露出状態で存在して、効果を有するため
に、抗菌剤の添加量を多くしなければならなくなり、成
形体の生産コストの上昇、また、さらなる物性低下をも
たらすおそれもあった。
【0009】また、抗菌剤によっては、ポリオレフィン
等衛生協議会(ポリ衛協)におけるポジティブリストへ
の登録が認可されていないものもあり、そのような抗菌
剤を使用した抗菌性合成樹脂成形体は、食品梱包等の用
途に使用する場合好ましくない。
【0010】近年において、従来よりポリオレフィン等
衛生協議会(ポリ衛協)におけるポジティブリストへの
登録が認可されており、光触媒作用により抗菌効果のあ
る酸化チタニウムが注目され、利用技術が発明されつつ
ある。
【0011】また、この光触媒作用が、従来の抗菌剤と
大きく異なる点は、酸化チタニウムによる光触媒作用か
ら発生する活性酸素により、発泡成形品表面に付着した
あらゆる有機物を分解する作用にある。したがって、抗
菌性のみならず、カビや藻の発生を防ぐ効果もある。そ
のために、水耕栽培用の定植パネルなどの使用に最適で
ある他、付着した汚れ等をも分解するセルフクリーニン
グの作用もある事から、環境衛生が重視される分野にお
いて使用される。
【0012】発泡性樹脂粒子に酸化チタニウムを被覆す
ることが特公昭59−7731に記載されている。しか
し、この公報に記載されている発明は、酸化アルミニウ
ムや酸化チタニウムの超微粉末(2mμ〜10mμ)
を、粒子表面に被覆させることで、予備発泡の段階にお
いて、ブロッキング(予備発泡粒子同志が互いに融着し
て塊となってしまう)が防止でき、この予備発泡粒子を
用いた成形においては、融着が良好になると記載されて
いる。この一見矛盾する事象は、前記の超微粉末が粒子
表面に被覆されると、予備発泡段階では、該粉体が、粒
子同志の融着を阻害する物質となるが、その後は、該粉
体は粒子表面から発泡性樹脂粒子表面から脱落してしま
い、成形時には融着阻害を起こさずに良好な融着性を示
すものと推察される。
【0013】特公昭59−7731公報に記載されてい
る実施例に準じて得られた発泡成形品について、抗菌性
について評価したが、抗菌作用は殆ど見られなった。ま
た、発泡成形品の表面を電子顕微鏡にて観察した結果、
被覆した酸化アルミニウムや酸化チタニウムは殆ど粒子
表面に観察されなかった。
【0014】一方、発泡性樹脂粒子に酸化チタニウムを
強固に付着させ、発泡成形体とした場合には、光の照射
により、抗菌性等の光触媒固有の作用が得られる事が、
特願平9-349970等に示されている。しかし、ここで得ら
れる発泡体の抗菌性は、酸化チタニウムが存在している
その成型表面(スキン面)に光が照射された時に発生す
るものであり、繰り返しの洗浄や使用環境等によりスキ
ン面が摩耗し脱落してしまった場合、発泡成型品をカット
してその内部を使用する場合等においては、酸化チタニ
ウムは、構造上ほとんど存在せず、従って抗菌性等の光
触媒固有の作用は得られなかった。
【0015】本発明は、かかる背景に基づいてなされた
ものであって、その課題は、抗菌性発泡樹脂粒子を得る
ために、ポリオレフィン等衛生協議会(ポリ衛協)にお
けるポジティブリストへの登録が認可されている酸化チ
タニウムを使用して、成型品とした場合、スキン表面、
カット面のいずれにもかかわらず、ほぼ均一に酸化チタ
ニウムが含まれる事で、光の照射で優れた抗菌性等の光
触媒固有の作用が得られる抗菌性発泡樹脂粒子を提供す
る事にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、発泡性樹脂粒
子100重量部に対して、酸化チタニウムの0.1〜1
0重量部がほぼ均一に樹脂中に含有され、さらに揮発性
発泡剤が2〜15重量部含有してなる光触媒固有の作用
が付与されたことを特徴とする発泡性樹脂粒子に関す
る。
【0017】また、上記に用いられる酸化チタニウム
が、その結晶構造において、50%以上のアナターゼ型
を有する事を特徴とする発泡性樹脂粒子に関する。
【0018】さらに、上記に用いられる酸化チタニウム
が、その粒子径において、1〜100ナノメータである
事を特徴とする発泡性樹脂粒子に関する。
【0019】更にまた、上記に用いられる酸化チタニウ
ムの表面がシラン系カップリング剤で表面処理されてい
る事を特徴とする発泡性樹脂粒子に関する。
【0020】上記の発泡性樹脂粒子を発泡成形して得ら
れる抗菌性合成樹脂成形体に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】発泡性樹脂粒子は、一般に発泡剤
を樹脂粒子に含浸させる事により製造されるが、その具
体的な製造方法としては、次の3つの方法が知られてい
る。例えば、1つの方法は、ポリスチレン樹脂(重合
体)粒子を作るため、ポリスチレン系単量体が分散され
た水性懸濁液の系内に、発泡剤を懸濁重合の後または途
中にて添加し、その発泡剤を水性懸濁液ないで重合され
たポリスチレン系樹脂粒子に含浸させるて発泡性樹脂粒
子を得る方法である(以下、これを方法Aとする)。2
番目の方法は、ポリスチレ系樹脂を所定の添加剤ととも
に押出機に投入し粒子製品を押出成形する過程におい
て、押出機内部のポリスチレ系樹脂が溶融混合されてい
る系内に、発泡剤を添加し、溶融混合された樹脂と共に
押出成形し、その後ペレット化することにより発泡性樹
脂粒子を得る方法である(以下、これを方法Bとす
る)。そして、3番目の方法は、押出成形により作られ
たペレット状のポリスチレン系樹脂粒子(押出ペレッ
ト)が分散された水性懸濁液の系内に、発泡剤を添加
し、該樹脂粒子(押出ペレット)に含浸させて発泡性樹
脂粒子を得る方法である(以下、これを方法Cとす
る)。
【0022】酸化チタニウムを、ほぼ均一にポリスチレ
ン系発泡樹脂粒子中に含有させる為には、基本的に上記
方法A〜Cのいずれにおいても可能である。しかしなが
ら、方法Aの場合、酸化チタニウムを均一に樹脂粒子に
分散させる為には、ポリスチレン系単量体が分散された
水性懸濁液の系内に比較的初期の段階で、酸化チタニウ
ムを添加する必要があるが、これにより、懸濁系は極め
て分散不安定となる事から、あまり現実的でない。ま
た、この分散を確保する為には、多量の分散安定剤が使
用されるが、これにより、発泡成型品としての要求品質
にそぐわない、粒子径が0.5mm以下の微小な樹脂粒子
や粒子径2.0mm以上の粗大な樹脂粒子の割合が増大して
しまい、これらの物は製品として使用できないために、
使用できる発泡性樹脂粒子の歩留まりが著しく低下する
といった欠点が生じる。これに対して、方法B、方法C
は、押出機内で酸化チタニウムとポリスチレン系樹脂が
均一に溶融混練りされ、押出法により、均一な樹脂粒子
が得られ、その前後で発泡剤が含浸される事から、本発
明にとっては、望ましい方法である。
【0023】以上の点からも分かるように、本発明の主
要な特徴は、揮発性発泡剤を含有する発泡性樹脂粒子で
あって、その樹脂粒子全体にほぼ均一に酸化チタニウム
が分散していることにある。
【0024】発泡性樹脂粒子としては、ポリスチレン系
樹脂、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィ
ン系樹脂よりなる基材樹脂が、押出機等により酸化チタ
ニウムと溶融混練りされた樹脂に、プロパン、ブタン、
ペンタン、ヘキサン等の揮発性発泡剤が、重合体粒子1
00重量部に対して、2〜15重量部含浸されたもので
ある。3重量部未満では、所望の発泡倍率を得る事がで
きず、また、15重量部を超えても高発泡倍率のものを
得る事ができない。
【0025】本発明でいうスチレン系樹脂、オレフィン
系樹脂には、それぞれの樹脂の単量体の単独重合体に限
らず、他の単量体との共重合体が含まれる。
【0026】例えば、スチレン系単量体には、単独のス
チレンの他に、α−メチルスチレン、エチルスチレン、
p−クロロスチレン等の置換スチレンが含まれる。ま
た、共重合体の相手方の単量体には、メチルメタクリレ
ート、メチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブ
チルアクリレート等の(メタ)アクリレート、並びに、
アクリロニトリル、ビニルトルエン、ビニルカルバゾー
ル等のビニル系単量体などが挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上のものを併用してもよい。ま
たさらに、スチレン系樹脂としては、スチレンーイソプ
レン共重合体、スチレンーブタジエン共重合体及びその
水素添加物及びそれらの樹脂、ポニフェニレンエーテル
等と上記のスチレン単量体との重合体、ブレンド樹脂が
含まれる。
【0027】オレフィン系樹脂であるポイプロピレンや
ポリエチレン等の場合も同様に、他の樹脂との共重合体
やブレンド樹脂も含まれる。
【0028】また、これらのポリスチレン系樹脂やポリ
オレフィン系樹脂を他の樹脂等と共に押出機等に投入し
て、発泡剤を押出機の中で混合含浸し後ペレット状にし
たり、ペレット状にした後に発泡剤を含浸させたペレッ
ト状発泡性樹脂粒子も本発明の発泡性樹脂粒子である。
【0029】資源の再利用を考慮して、発泡剤が含浸さ
れた発泡性樹脂粒子(粒径の不足等でオフグレードに成
った物や発泡力の低下してしまった発泡性樹脂粒子)
や、成形品の粉砕片を単独または、前記の樹脂共に押出
機に投入して、上記の方法により本発明の発泡性樹脂粒
子を得ても良い。これらの発泡性樹脂粒子等を使用する
場合は、通常の発泡剤の含有量を確保するために、発泡
剤の添加量を考慮する必要がある。
【0030】また、本発明で使用される酸化チタニウム
は、通常顔料等に使用されるルチル型酸化チタニウムよ
りも、アナターゼ型酸化チタニウムが好ましい。ルチル
型は、光触媒作用に乏しく、添加量を多くしても、所望
の抗菌作用を得ることが難しいためである。したがっ
て、50%以上のアナターゼ型酸化チタニウムを含まれ
る酸化チタニウムが好ましく、さらに好ましくは、60
%以上のアナターゼ型酸化チタニウムを含まれる酸化チ
タニウムである。
【0031】また、酸化チタニウムの粒径としては、平
均1〜100nm程度が好ましい。粒径が1nm未満の
ものであると、特殊な用途用であり、取扱いが難しく、
単価も高くなるので、経済的でない。また、100nm
を超えると、添加量に対する酸化チタニウムの粒子の表
面積が減少してしまい、添加量に対する抗菌効果の減少
してしまい好ましくない。さらに、好ましくは、平均粒
径5〜30nmの酸化チタニウムである。
【0032】またさらに、酸化チタニウムの添加量とし
ては、発泡性樹脂粒子100重量部に対して、0.1〜
10重量部である。0.1重量部未満であると、所望の
抗菌効果が余りえられず、10重量部を超えると抗菌効
果の増加はそれ以上向上せず、コストの上昇のみなって
しまうばかりか、成形品の融着不良を起こす恐れがあ
る。更に好ましくは、酸化チタニウムの添加量が1〜5
重量部である。また、酸化チタニウムは、予めアルコキ
シシランカップリング剤で被覆したものを使用しても良
い。アルコキシシランカップリング剤としては、モノア
ルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシ
シラン等のカップリング剤を使用することができる。こ
の処理された酸化チタニウムを使用することで、押出機
内での溶融混練り時に、酸化チタニウムがよりミクロに
かつ均一に分散する事ができる事から、発泡成型品とし
た場合においても効率良く光触媒の機能を発揮し保持さ
せることが可能となる。
【0033】本発明での発泡性樹脂粒子は、押出機内で
発泡剤が含浸された粒子、押出機で作られたペレット状
の樹脂粒子に後から発泡剤を含浸させた粒子のいずれの
形態でも可能であるが、発泡性樹脂粒子を発泡した時に
良好なセルを得るために、セルの形成剤を押出機内で、
酸化チタニウムとともに溶融混練りする事ができる。
【0034】このセル形成剤としては、タルク、炭酸カ
ルシウム、金属石鹸、エチレンビスアマイド等の通常使
用されるものが用いられる。この他、着色剤、熱安定
剤、難燃剤も同様に押出機内に添加する事ができる。例
えば、難燃性としては、ヘキサブロモシクロドデカン、
テトラブロモビスフェノールA、ペンタブロモモノクロ
ルシクロヘキサン等の難燃剤が挙げられる。
【0035】発泡性樹脂粒子表面への被覆ブレンド剤と
しては、成型品の融着の促進、成型時間の短縮を目的
に、各種の植物性または動物性の硬化油、ブロッキング
防止剤としての金属石鹸、エチレンビスアマイド、その
他帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等をブレンド
する事ができる。ブレンドは、一般的なブレンダーを用
いる事ができ、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブ
レンダー等を使用してブレンドすることができる。 実施例)基材樹脂、及び酸化チタニウムの種類として、
表ー1に示される内容のポリスチレン系樹脂を使用し、
これらを押出成型機内に投入し、同成型機で、それらを
加熱溶融しスクリューにより混練りし、出口(ダイス
部)付近を水冷してストランドの形態に押出成型する。
引き続き、得られたストランドをロータリー式ペレタイ
ザーにおいて切断して、ペレット形態のポリスチレン系
樹脂粒子(一部は発泡性ポリスチレン樹脂粒子)を作
る。
【0036】
【0037】
【表1】 ※発泡性ポリスチレン樹脂:既に発泡剤が含浸されてい
る懸濁重合法で得られたオフグレード粒子(粒子径が
0.5mm以下、2.0mm以上)を用いた。 ※P−25:日本アエロジル(株)製 平均粒径21n
m酸化チタニウム ※T−805:日本アエロジル(株)製 P−25をオ
クチルシランで、化学的に処理した疎水性グレード酸化
チタニウム 発泡剤の含浸)発泡剤を既に含有しているペレット(N
o.4)以外のロットは、下記の方法で発泡剤を含浸し
た。5Lのオートクレーブ中に、得られたペレット形状
のポリスチレン系樹脂粒子1500gr、イオン交換水
2500gr、揮発性発泡剤としてのn−ペンタン10
0〜220gr、分散剤として、リン酸三カルシウム1
5gr、分散助剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム0.15grをそれぞれに添加した後、2時間
かけて120℃まで昇温し、同温度で4時間含浸を行
い、室温まで冷却してポリスチレン系発泡性樹脂粒子を
取り出した。
【0038】ここで得られた発泡性樹脂粒子は、水と分
離後乾燥され、ブロッキング防止剤のステアリン酸亜鉛
を該粒子100重量部あたり、0.1重量部、融着促進
剤の硬化ヒマシ油を0.2重量部加え、ミキサーにてド
ライブレンドして、室温で5日熟成した。 予備発泡及び成型)発泡性樹脂粒子は、水蒸気により嵩
倍率40倍に予備発泡され、室温で1日熟成した後、自
動成型機の成形型内に充填し、発泡成形を常法に従って
行い、発泡成型品を作った。発泡成形時の蒸気圧力は、
基材樹脂の種類によって変更する必要があるため、一定
値ではないが、ゲージ圧力で0.6kg/cm2 〜1.
3kg/cm2 の範囲とした。また、加熱の時間は10
〜20秒間とした。 比較例)表1におけるNo.1で得られた発泡性樹脂粒
子に、表2に示されるような添加量の酸化チタニウム、
約150メッシュの微粉状の硬化ヒマシ油をヘンシェル
ミキサーによってブレンドし、発泡性樹脂粒子に酸化チ
タニウムを被覆した例を比較例1,2とした。
【0039】
【表2】 比較例1,2の酸化チタンを被覆した発泡性樹脂粒子も
実施例と同様の方法で成型品とした。
【0040】ここで得られた成型品の抗菌性について評
価を実施した。各ロットの成型品を50mm×50mm
×5mmの大きさにした形態の検体を2個づつ作成し、
下記の試験方法により、各検体の抗菌性の評価を実施し
た。 試験方法 1.試験菌 Escherichia coli IFO 3972(大腸菌) 2.試験用培地 NA培地:普通寒天培地(栄研化学(株)) NB培地:肉エキスを0.2%添加した普通ブイヨン培地(栄
研化学(株)) 1/500NB培地:NB培地を精製水で500倍に希釈し、PH
7.0±0.2に調整したもの SCDLP培地:SCDLP培地(日本製薬(株)) SA培地:標準寒天培地(栄研化学(株)) 3.菌液の調整 試験菌をNA培地で37±1℃、16〜24時間培養後、NA
培地に再度接種し、37±1℃、16〜20時間培養し
た。培養後の菌体を1/500NB培地に均一に分散させ、1m
l当たりの菌数が約105となるように調整した。 4.試験操作 検体をそのまま試料とした。試料をプラスチックシャー
レに入れ、試料の試験面に菌液0.5mlを滴下した。この
シャーレをポリエチレンフィルムで覆ってふたをし、ブ
ラックライトを約4cm離れた位置から照射し(試料表面
での光強度:約800μW/cm2)、25℃で保存した。
【0041】また、プラスチックシャーレにそのまま菌
液を滴下し、同様に試験し、対照とした。 5.菌数の測定 保存4時間後に、SCDLP培地に10mlを用いた試料から
生残菌を洗い出し、この洗い出し菌の生菌数をSA培地を
用いた寒天平板培養法(35℃、2日間培養)により測
定し、試料1個当たりに換算した。
【0042】また、接種直後の測定は対照試料で行っ
た。その評価結果を表3に示す。
【0043】
【表3】 ※<10:生菌が検出されない。 ※成形品のカット面:成形品をカッターにてカットし、
スキン面を除いたもの。 ※成形品のスキン面:成形金型面に接して、形成された
面。 1.No.1は、酸化チタニウムがないブランクである
が、光の照射の有無にかかわらず、抗菌性はない。 2.No.2は、酸化チタニウムとして、P−25を用
いた例であるが、押出機内でのP−25の分散性がやや
劣る為に抗菌性は少し劣るが、ブランクと比較すると明
らかな差がみられ、抗菌性の面で、特に問題ないと判断
される。 3.No.3〜8は、酸化チタニウムとしてT−805
を用いた例であるが、発泡剤の添加方法の差異、基材樹
脂の差異があっても、光の照射により優れた抗菌性を示
す事がわかった。これらは、No.2と比較して、いず
れもT−805が押出機内で良好にかつ均一に混練り分
散するためであると考えられる。したがって、酸化チタ
ニウムを予めシラン系カップリング剤で表面処理するこ
とが好ましいと判断される。 4.比較例1,2は、発泡性樹脂粒子の表面に酸化チタ
ニウムを被覆処理したものであるが、成型品の表面(ス
キン面)には、優れた抗菌性がみられるものの、そのカ
ット面での成型品内部ではまったく抗菌性がない事がわ
かる。
【0044】
【発明の効果】以上の結果のように、本発明によれば、
酸化チタニウムの光触媒作用による抗菌効果を有する発
泡性樹脂粒子を得ることがき、更にそれらに発泡性樹脂
粒子より得られた成形品は、例えば、ブロック状の成形
品を熱線等のカット機にて、カット加工して得られた、
二次加工品も光触媒作用を失うことがなく、使用するこ
とが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3/22 C08K 3/22 7/16 7/16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡性樹脂粒子100重量部に対して、酸
    化チタニウムの0.1〜10重量部がほぼ均一に樹脂中
    に含有され、さらに揮発性発泡剤が2〜15重量部含有
    してなる光触媒固有の作用が付与されたことを特徴とす
    る発泡性樹脂粒子。
  2. 【請求項2】用いられる酸化チタニウムが、その結晶構
    造において、50%以上のアナターゼ型を有する事を特
    徴とする請求項1記載の発泡性樹脂粒子。
  3. 【請求項3】用いられる酸化チタニウムが、その粒子径
    において、1〜100ナノメータである事を特徴とする
    請求項1、2記載の発泡性樹脂粒子。
  4. 【請求項4】酸化チタニウムの表面がシラン系カップリ
    ング剤で表面処理されている事を特徴とする請求項1〜
    3記載の発泡性樹脂粒子。
  5. 【請求項5】請求項1〜4記載の抗菌性等の光触媒固有
    の作用が付与された発泡性樹脂粒子を予備発泡し、その
    後発泡成型した合成樹脂発泡体であることを特徴とする
    抗菌性合成樹脂成形体。
JP10104821A 1998-04-15 1998-04-15 光触媒機能を有した発泡性樹脂粒子及びその発泡体 Pending JPH11293025A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103447099A (zh) * 2013-09-27 2013-12-18 上海第二工业大学 一种用发泡法制备块体光催化材料的方法

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