JPH11292827A - 炭酸エステル製造用触媒、および炭酸エステルの製造法 - Google Patents

炭酸エステル製造用触媒、および炭酸エステルの製造法

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JPH11292827A
JPH11292827A JP10108570A JP10857098A JPH11292827A JP H11292827 A JPH11292827 A JP H11292827A JP 10108570 A JP10108570 A JP 10108570A JP 10857098 A JP10857098 A JP 10857098A JP H11292827 A JPH11292827 A JP H11292827A
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JP
Japan
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catalyst
carbonate
producing
alcohol
formate
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JP10108570A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Matsuoka
一之 松岡
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルコール、一酸化炭素及び酸素から、高い
空時収率及び選択率で炭酸エステルを得る。 【解決手段】 炭酸エステル製造用触媒は、アルコール
の酸化カルボニル化により炭酸エステルを製造するため
の触媒であって、活性炭などの多孔質担体に、(A)ハ
ロゲン化銅と、(B)ギ酸及びギ酸塩からなる群から選
択された少なくとも1種とが担持されている。ハロゲン
化銅には、塩化第二銅などが含まれる。ギ酸塩として、
ギ酸アンモニウムなどを使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコールの酸化
カルボニル化により炭酸エステルを製造する際に使用さ
れる改良された炭酸エステル製造用触媒、及び炭酸エス
テルの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭酸エステルは、ガソリンの増量剤、オ
クタン価向上剤、有機溶剤として、またイソシアネート
類、ポリカーボネート類ならびに種々の農薬、医薬中間
体の製造におけるホスゲンに代わる反応剤として重要な
化合物である。
【0003】アルコールに一酸化炭素及び酸素を反応さ
せる酸化カルボニル化によって炭酸エステルが得られる
ことはよく知られている。この酸化カルボニル化反応に
より炭酸エステルを製造する際に用いられる触媒とし
て、ハロゲン化銅を担体に担持させた触媒が知られてい
る。例えば、国際出願公開WO87/07601号に
は、担体に含浸させた金属ハロゲン化物又は混合された
金属ハロゲン化物の存在下で、アルコール、一酸化炭素
及び酸素を気相で反応させることにより炭酸エステルを
製造する方法が開示されている。この文献には、特に塩
化第二銅を活性炭に担持させた触媒や、塩化第二銅とカ
リウム、ナトリウム、リチウム、マグネシウム又はカル
シウムの塩化物とを活性炭に担持させた触媒が好ましい
と記載されている。しかしながら、これらの触媒を用い
た炭酸ジメチルの製造においては、炭酸ジメチルの空時
収率及び選択率が低いという問題や、反応初期に塩化メ
チルが生成して反応器を腐蝕させるため高級な材料を使
用する必要がある等の欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
コール、一酸化炭素及び酸素を触媒の存在下に反応させ
て炭酸エステルを製造する際に、高い空時収率及び選択
率を得ることができる炭酸エステル製造用触媒、及び炭
酸エステルの製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するため鋭意検討した結果、多孔質担体に特定の
2種の成分を組み合わせて担持すると、触媒活性及び反
応選択性が著しく向上することを見出し、本発明を完成
した。
【0006】すなわち、本発明は、アルコールの酸化カ
ルボニル化により炭酸エステルを製造するための触媒で
あって、多孔質担体に、(A)ハロゲン化銅と、(B)
ギ酸及びギ酸塩からなる群から選択された少なくとも1
成分とが担持された炭酸エステル製造用触媒を提供す
る。また、本発明は、アルコール、一酸化炭素及び酸素
を触媒の存在下に反応させて炭酸エステルを製造する方
法において、触媒として上記の炭酸エステル製造用触媒
を用いる炭酸エステルの製造法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の炭酸エステル製造用触媒
において、ハロゲン化銅(A)とギ酸及びギ酸塩からな
る群から選択された少なくとも1成分(B)とを担持さ
せる担体としては多孔質であればよく、その比表面積
は、例えば10m2/g以上(10〜4000m2/g程
度)、好ましく30〜2500m2/g、さらに好まし
くは500〜2500m2/g程度である。多孔質担体
として、具体的には、活性炭、酸化チタン、酸化ニオ
ブ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸
化アルミニウム、シリカ−アルミナ等が挙げられる。特
に好ましい担体は活性炭である。
【0008】ハロゲン化銅(A)としては、一価又は二
価の銅のハロゲン化物が挙げられ、具体的には塩化銅
(CuCl、CuCl2)、臭化銅(CuBr、CuB
2)、ヨウ化銅(Cul、Cul2)、フッ化銅(Cu
F、CuF2)が例示できる。これらは単独で又は2種
以上を組み合わせて用いることができる。これらのう
ち、ハロゲン化第二銅が好ましく、特に塩化第二銅が好
ましい。
【0009】ハロゲン化銅(A)の担持量は、銅(C
u)換算で、前記多孔質担体とハロゲン化銅(A)の総
量に対して1.5〜20重量%、好ましくは5〜15重
量%程度である。担持量が低すぎると空時収率及び選択
率が急激に低下しやすく、また20重量%以上含有させ
ても空時収率及び選択率がより向上することはなく、経
済的に不利になりやすい。
【0010】前記(B)成分において、ギ酸塩として
は、ギ酸リチウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム等の
アルカリ金属塩;ギ酸マグネシウム、ギ酸カルシウム等
のアルカリ土類金属塩;ギ酸アンモニウム等が挙げられ
る。前記(B)成分の担持量は、ギ酸根(HCOO-
として、ハロゲン化銅(A)1モルに対して0.3〜2
モル、好ましくは0.5〜1.5モル程度である。
【0011】ハロゲン化銅(A)とギ酸及びギ酸塩から
なる群から選択された少なくとも1成分(B)の担体へ
の担持は、含浸法、混練法、共沈法等の慣用の触媒担持
法を適宜採用して行うことができる。例えば、含浸法を
例にとって説明すると、ハロゲン化銅(A)をエタノー
ル、メタノール、水などの溶媒に溶解して担体に含浸さ
せた後、不活性ガス又は空気雰囲気下で80〜120℃
程度の温度で乾燥させ、次いで、前記(B)成分の溶液
(例えば、水溶液)を含浸させ、不活性ガス又は空気雰
囲気下で80〜300℃程度の温度で熱処理することに
より、容易に担持できる。なお、(A)成分及び(B)
成分の担持の順序は上記と逆であってもよく、また同時
に担持してもよい。本発明の触媒は、高活性でしかも炭
酸エステル生成に対して高い選択率を有する。
【0012】本発明の炭酸エステルの製造法において、
反応原料であるアルコールとしては、広範囲のアルコー
ルを使用できるが、炭素数1〜6の脂肪族アルコール、
炭素数3〜6の脂環式アルコール、及び芳香族アルコー
ル(例えば、炭素数7〜14程度の芳香族アルコールな
ど)が好ましい。例えば、アルコールとして、メタノー
ル、エタノール、エチレングリコール、プロパノール、
2−プロパノール、アリルアルコール、ブタノール、ペ
ンタノール、ヘキサノール、シクロプロパノール、シク
ロブタノール、シクペンタノール、シクロヘキサノー
ル、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等が例
示できる。なかでも、メタノール、エタノールなどの一
価アルコール、特に炭素数1〜4の脂肪族一価アルコー
ルが好ましい。
【0013】アルコールは単独で用いてもよく、また異
なるアルコールを組み合わせて用いてもよい。反応原料
として1種類のアルコールを用いる場合には、対称な炭
酸エステルが得られ、異なるアルコールを組み合わせて
用いると、対称又は非対称の炭酸エステルが得られる。
【0014】反応は、液相で行ってもよいが、気相で行
う場合が多い。反応温度は、通常70〜350℃、好ま
しくは80〜250℃、さらに好ましくは100〜20
0℃程度、反応圧力は、通常、常圧〜35kgf/cm
2G(ゲージ)、好ましくは2〜20kgf/cm2G、
さらに好ましくは3〜15kgf/cm2G程度であ
る。一酸化炭素のアルコールに対するモル比(CO/ア
ルコール)は0.01〜100、好ましくは0.5〜2
0、さらに好ましくは1〜10の範囲である。また、酸
素のアルコールに対するモル比(O2/アルコール)は
0.01〜2、好ましくは0.05〜1.0、さらに好
ましくは0.05〜0.5の範囲である。また、一酸化
炭素と酸素のモル比(CO/O2)は、通常1〜100
0、好ましくは10〜100、さらに好ましくは20〜
50の範囲である。
【0015】酸素は純粋な分子状酸素として、あるいは
窒素又はアルゴンなどの不活性ガスで希釈して供給され
る。一酸化炭素、アルコール及び酸素からなる原料ガス
を窒素、炭酸ガス、アルゴンのような不活性ガスで希釈
して反応に供することも可能である。反応は、回分式、
半回分式、連続式の何れの方式で行うこともできる。ま
た、固定床形式、流動床形式などの何れの反応形式を採
用してもよい。反応生成物は、濾過、濃縮、蒸留、抽
出、カラムクロマトグラフィー等の慣用の精製手段によ
り分離精製できる。
【0016】本発明の方法によれば、前記触媒を用いる
ため、高い空時収率及び選択率で、原料アルコールに対
応する炭酸エステルを製造できる。本発明の方法で得ら
れる炭酸エステルの具体例として、例えば、ジメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボ
ネート、ジブチルカーボネート、ジペンチルカーボネー
ト、ジヘキシルカーボネート、ジシクロプロピルカーボ
ネート、ジシクロブチルカーボネート、ジシクロペンチ
ルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジベ
ンジルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチ
ルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート
などが挙げられる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、アルコール、一酸化炭
素及び酸素から、高い空時収率及び選択率で炭酸エステ
ルを製造できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明をジメチルカーボネートを例と
して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
り限定されるものではない。
【0019】比較触媒調製例1 塩化第二銅6.2gをエタノール300mlに溶解した
溶液中に活性炭90gを加え、60℃で2時間放置し
た。その後、60℃でエタノールを減圧下で蒸発除去
後、窒素気流下120℃で3時間乾燥して、活性炭に塩
化第二銅を担持した触媒Aを得た(Cu:3重量%)。
【0020】触媒調製例1 水100mlにギ酸アンモニウム0.48gを溶解した
水溶液に、比較触媒調製例1で得た塩化第二銅を活性炭
に担持した触媒Aを30g加え、60℃で2時間放置し
た。その後、80℃で水を減圧下で蒸発除去後、窒素気
流下120℃で3時間乾燥して、塩化第二銅−ギ酸アン
モニウム担持活性炭触媒Bを得た(Cu:3重量%、H
COO-/Cu(モル比)=0.5)。
【0021】触媒調製例2 水100mlにギ酸アンモニウム0.96gを溶解した
水溶液に、比較触媒調製例1で得た塩化第二銅を活性炭
に担持した触媒Aを30g加え、60℃で2時間放置し
た。その後、80℃で水を減圧下で蒸発除去後、窒素気
流下120℃で3時間乾燥して、塩化第二銅−ギ酸アン
モニウム担持活性炭触媒Cを得た(Cu:3重量%、H
COO-/Cu(モル比)=1)。
【0022】触媒調製例3 比較触媒調製例1に準じて、活性炭に塩化第二銅を銅
(Cu)として10重量%担持した触媒を調製した。こ
の担持触媒に、触媒調製例1に準じて、HCOO-/C
u(モル比)=0.5になるようにギ酸アンモニウムを
担持し、塩化第二銅−ギ酸アンモニウム担持活性炭触媒
Dを得た。
【0023】実施例 内径20mmのステンレス製高圧固定床気相反応装置
に、上記で得た各触媒A〜Dを20ml充填し、反応圧
力4kgf/cm2G、反応温度120℃の条件下で、
一酸化炭素82%、酸素2%、メタノール16%(容量
%)からなるガスを空時速度2500hr-1で供給して
反応させ、炭酸ジメチル(DMC)を合成した。反応開
始10時間目における触媒性能試験結果を表1に示す。
【0024】
【表1】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコールの酸化カルボニル化により炭
    酸エステルを製造するための触媒であって、多孔質担体
    に、(A)ハロゲン化銅と、(B)ギ酸及びギ酸塩から
    なる群から選択された少なくとも1成分とが担持された
    炭酸エステル製造用触媒。
  2. 【請求項2】 ギ酸及びギ酸塩からなる群から選択され
    た少なくとも1成分(B)の担持量が、ギ酸根(HCO
    -)として、ハロゲン化銅(A)1モルに対して0.
    3〜2モルである請求項1記載の炭酸エステル製造用触
    媒。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銅(A)がハロゲン化第二銅
    である請求項1又は2記載の炭酸エステル製造用触媒。
  4. 【請求項4】 ギ酸塩がアルカリ金属塩、アルカリ土類
    金属塩、又はアンモニウム塩である請求項1又は2記載
    の炭酸エステル製造用触媒。
  5. 【請求項5】 多孔質担体が活性炭である請求項1記載
    の炭酸エステル製造用触媒。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化銅(A)の担持量が、銅(C
    u)換算で、多孔質担体とハロゲン化銅(A)の総量に
    対して1.5〜20重量%である請求項1又は2記載の
    炭酸エステル製造用触媒。
  7. 【請求項7】 アルコール、一酸化炭素及び酸素を触媒
    の存在下に反応させて炭酸エステルを製造する方法にお
    いて、前記触媒として請求項1〜6の何れかの項に記載
    の触媒を用いる炭酸エステルの製造法。
JP10108570A 1998-04-02 1998-04-02 炭酸エステル製造用触媒、および炭酸エステルの製造法 Pending JPH11292827A (ja)

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