JPH1129272A - エレベータ用位置検出装置の診断装置 - Google Patents

エレベータ用位置検出装置の診断装置

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JPH1129272A
JPH1129272A JP18393397A JP18393397A JPH1129272A JP H1129272 A JPH1129272 A JP H1129272A JP 18393397 A JP18393397 A JP 18393397A JP 18393397 A JP18393397 A JP 18393397A JP H1129272 A JPH1129272 A JP H1129272A
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transmitter
diagnostic
radio wave
pickup
voltage
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JP18393397A
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Hiroaki Iwafune
弘皓 岩船
Matsuemon Ikeda
松右衛門 池田
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Hitachi Building Systems Co Ltd
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Hitachi Building Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近年多く採用されている非接触方式のエレベ
ータ用位置検出装置は、経年劣化を起こしやすい発信機
の予防保全が困難であるという理由から、故障を起こし
た発振器を交換するという事後保全でエレベータの運行
に支障をきたしたり、正常品も交換するという無駄なコ
ストをかけていた。そこで本発明は、発信機の予防保全
が簡単かつ的確に行える診断装置の提供を目的とする。 【解決手段】 受信回路および整流回路を内蔵し受信し
た電波の強さを直流電圧として測定可能な診断用ピック
アップAを、定格電圧よりも低い電源電圧を印加した発
信機Tに対向配置させて、この発信機Tの発振エネルギ
ーに対応する直流受信電圧を測定することにより、発信
機Tの回路構成部品の定数(発振用抵抗器の抵抗値な
ど)が不所望に変化していないかどうかを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレベータ用位置検
出装置の診断装置に係り、特に、発振回路部および発振
コイルを内蔵した発信機を用いて乗りかご位置の検出を
行う非接触方式の位置検出装置に適用されて該発信機の
動作状態を診断する診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータの乗りかご位置の検出を行う
位置検出装置は、ホール側インジケータの表示や乗りか
ごの減速開始点、ドア開ゾーンなど、各種の重要な制御
指令を与えるために不可欠な装置であり、さまざまな方
式のものが知られている。
【0003】例えば、比較的簡単な構造のエレベータ用
位置検出装置としては、乗りかごにカムを取り付けて、
塔内の所定位置に設置したスイッチが乗りかごの走行時
に、このカムによって作動されるようにした方式や、リ
ードスイッチおよび永久磁石を具備した検出器を乗りか
ごに取り付けて、塔内の所定位置に設置した遮蔽板が乗
りかごの走行時に、これらリードスイッチと永久磁石と
の間の磁力線を横切ると該リードスイッチが作動される
ようにした方式などが公知である。
【0004】また、エレベータの機械室で乗りかご位置
を検出する方式としては、駆動モータの回転軸にロータ
リーエンコーダを取り付けて回転パルスを取り込み、こ
れを演算処理して乗りかご位置を求めるという方式(電
子式)や、乗りかごの動きを縮尺連動させたエレベータ
階床選択機にて乗りかご位置を求めるという方式などが
公知である。そして、エレベータ階床選択機を用いる後
者の方式にはさらに、塔内の所定位置に対応する固定セ
グメントに、乗りかごの現在位置に対応する可動接点を
接離させるという接触方式と、塔内の所定位置に対応す
る受信機に、乗りかごの現在位置に対応する発信機を対
向配置させて発信電波を受信するという非接触方式とが
あり、この非接触方式の位置検出装置は、寿命が長くて
信頼性も高いため、多くのエレベータで採用されてい
る。
【0005】ところで、上述した各種の位置検出装置に
は保守点検が必要である。例えば、カムとスイッチを組
み合わせた方式、あるいはリードスイッチと遮蔽板を組
み合わせた方式の場合は、スイッチ作動レバーの動き、
カムや遮蔽板の取合い寸法、接点の摩耗状態等の点検が
必要である。また、ロータリーエンコーダを用いる方式
の場合は、その回転体の静止部とのギャップや、パルス
の取込み状況等の点検が必要であり、さらにまた、階床
選択機を用いる接触方式の場合は、固定セグメントと可
動接点のワイプ量や摩耗状態等の点検が必要である。そ
して、これらの保守点検は、通常、目視にて行うことが
できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、階床選
択機内で乗りかご位置の検出を行う非接触方式の位置検
出装置の場合は、市場で広く利用されているにも拘ら
ず、簡単な目視点検を行うことができないので、何らか
の対策が望まれていた。すなわち、この方式の位置検出
装置は、検出素子である発信機や受信機の小型化および
高信頼性化を図るために、電子回路部を小形ケース内に
組み込んで充填剤で充填密封した構造のものが一般的な
ので、電子回路部の構成部品に経年劣化等の不具合が生
じているか否かを目視で点検することができない。そし
て、かかる位置検出装置は、寿命が長くて信頼性も高い
という長所はあるものの、発信機の経年劣化により乗り
かご位置が正確に検出できなくなるという故障が発生し
やすかった。
【0007】このような発信機の経年劣化は、発信機に
使用される発振用の抵抗器に不良要因が内包されている
場合などに多く発生する。つまり、発振用の炭素皮膜抵
抗器や金属皮膜抵抗器等は、その抵抗体素子に汗や脂な
どの不純物を付着させたまま製造されてしまうことがあ
り、こうした不純物を含む抵抗器は、湿気が多い環境下
で常に直流電圧が印加されるという条件のもとで長期間
使用されると、抵抗体を被覆する皮膜樹脂を通って侵入
してくる微量の水分と反応して電蝕を起こしやすい。そ
して、電蝕により抵抗体が部分的に腐蝕すると、抵抗体
素子の断面積の減少(抵抗値の増大)を引き起こし、こ
の腐蝕が進行すると抵抗体素子の断線に至る。ただし、
このような不良要因を内包した抵抗器も当初は正常に機
能しており、不純物の量や水分の侵入量、印加電圧の大
きさなどにもよるが、通常は10〜15年程度経過して
から不具合が顕在化してくるので、製造段階で不良要因
内包抵抗器を発見することは困難である。
【0008】したがって、発信機の発信電波で乗りかご
位置の検出を行う非接触方式のエレベータ用位置検出装
置においては、不良要因内包抵抗器等が組み込まれた潜
在不良品の発信機を数多く稼働させているというのが現
状であり、このような発信機は経年劣化により発振エネ
ルギーが低下したり発振停止へと至る可能性が高いの
で、使用環境にもよるが、いずれ、乗りかご位置が正確
に検出できなくなったり検出不能となるはずである。そ
れゆえ、本来ならば、発振エネルギーの変化のように外
部から把握できる特性変化を測定して、故障が発生する
前に発信機を交換しておくという予防保全が必要なのだ
が、実際には、発振エネルギーと抵抗値の相関関係が不
明であったり、特殊な測定器を用いて発振エネルギーを
測定するため現地で測定スペースが確保しにくいなどの
理由から、故障を起こしやすい発信機を限られた保全時
間の中で選別することは困難であるとされていた。
【0009】このように予防保全が困難であるという事
情から、近年多くのエレベータに採用されている非接触
方式の位置検出装置は、発信機が故障を起こした後、つ
まり検出誤差や検出不能が顕在化した後に部品の交換を
行うという事後保全が一般的であり、そのためエレベー
タの運行に支障をきたし利用者に多大な迷惑をかけてし
まうという問題点があった。また、発信機が故障を起こ
した現場では、再発防止のため、まだ故障していない発
信機についても一斉に交換して信頼性を確保するという
手法がとられることが多いが、かかる手法は、まだ十分
に使用できる正常品も交換してしまうというものなの
で、コストの無駄が大きかった。
【0010】本発明は上述した従来技術の課題に鑑みて
なされたもので、その目的は、経年劣化を起こしやすい
発信機の良否が故障発生前に簡単かつ的確に診断できて
予防保全を可能にした、受発信回路内蔵非接触方式のエ
レベータ用位置検出装置の診断装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明は、発振回路部および発振コイルを内蔵した
発信機の発信電波を受信機が受信すると、この受信機の
スイッチング回路部が作動して乗りかご位置の検出が行
えるようになっているエレベータ用位置検出装置に適用
されて、前記発信機の動作状態を診断する診断装置にお
いて、受信回路および整流回路を内蔵し受信した電波の
強さを直流電圧として測定可能な診断用ピックアップを
備え、所定の電源電圧を印加した前記発信機に前記診断
用ピックアップを対向配置させた状態で前記発信電波の
強さを測定するようにした。その際、前記発信機に印加
する前記電源電圧を定格電圧(通常使用電圧)よりも低
く設定して診断すれば好ましい。
【0012】上述した診断装置は、診断用ピックアップ
によって、発信機の発信電波の強さ(発振エネルギーの
大きさ)を直流受信電圧として測定することができるの
で、扱いやすいDCメータで発信電波の強さが定量的に
測定できる。それゆえ、発振エネルギーがどの程度の値
まで低下したときに発信機の回路構成部品の定数(例え
ば抵抗体素子の抵抗値)が許容範囲を越えるのかを把握
しておけば、遠からず故障しやすく交換が必要な発信機
と、まだ十分に使用できて正常とみなせる発信機とを、
簡単かつ的確に選別することが可能となる。
【0013】また、上述したように、診断時に発信機に
印加する電源電圧を定格電圧よりも低く設定しておけ
ば、不安定動作領域に近い状態となって、発信機の回路
構成部品の定数変化に伴い発振エネルギーが敏感に変化
するようになるので、発振エネルギーの大きさを測定す
ることで回路構成部品の定数変化が把握しやすくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態に係る
診断装置の主要構成要素である診断用ピックアップの回
路図、図2は図1に示す診断用ピックアップで位置検出
装置の発信機の発信電波の強さを測定している様子を示
す外観図である。
【0015】これらの図において、符号Tは、受発信回
路内蔵非接触方式のエレベータ用位置検出装置の発信
機、符号Aは、測定対象となるこの発信機Tの動作状態
を診断するための診断用ピックアップを示している。こ
の診断用ピックアップAの回路には、図1に示すよう
に、前記位置検出装置の受信機に使用されている受信コ
イルと同仕様の受信コイル1や、電圧安定用抵抗器2
や、高周波発振をしている発信機Tの発振電波を安定し
て整流できる高速スイッチング用シリコンダイオード
3,4や、シャント抵抗5等が配設されている。そのた
め、この診断用ピックアップAは、受信した電波の強さ
を直流電圧として測定することができる。
【0016】測定対象となる発信機Tの動作状態を診断
する際には、図2に示すように、診断用ピックアップA
を発信機Tに密着対向させる。すると、発信機Tの発振
電波を受信する診断用ピックアップAの受信コイル1
に、発振電波の強さに比例する誘起電圧が発生するの
で、この誘起電圧を電圧安定用抵抗器2で安定化させて
高速スイッチング用シリコンダイオード3,4で整流し
てから、シャント抵抗5を通してダミー電流を流すこと
により、発生した誘起電圧の直流電圧変換とその安定化
とが行える。
【0017】なお、診断用ピックアップAを発信機Tに
密着対向させると、測定誤差を極力抑えることができ
る。また、この診断用ピックアップAは、受信電波を直
流電圧変換してから端子部6より出力させるので、その
出力値を鰐口クリップ付きリード線7を介して、直流電
圧計8で測定することができる。その際、端子部6に半
田付けされている前記リード線7に鰐口クリップが設け
てあり、この鰐口クリップを直流電圧計8の測定針に接
触させれば診断用ピックアップAの出力値が測定できる
ので、電圧測定作業は簡単に行える。また、電源入力端
子9から直流電源電圧が入力される発信機Tは、定格電
圧(DC24V)が印加されると所望の電波を発信する
ようになっている。
【0018】図3は受発信回路を内蔵した非接触方式の
エレベータ用位置検出装置の動作原理を説明するための
ブロック図であり、図中の符号Tは発信機、R,R1,
R2は受信機、10はDC24Vで動作する発振回路
部、11は発振コイル、12はケース、13は充填剤、
14は受信コイル、15はスイッチング回路部を示して
いる。
【0019】同図に示すように、発信機Tや受信機R
(R1,R2も同様)は、発振回路部10や発振コイル
11、あるいは受信コイル14やスイッチング回路部1
5を、ケース12内に組み込んで充填剤13を充填させ
ることにより構成されている。また、この種の位置検出
装置では、階床選択機内に、乗りかごに連動して移動す
る発信機Tと、この発信機Tが所定位置へ移動したとき
に対向するように配置される複数の受信機(R,R1,
R2等)とが備えられており、発信機Tが発振コイル1
1から電波を発信しながら移動してきて例えば受信機R
と対向する位置まで来ると、その発信電波を受信機Rの
受信コイル14が受信してスイッチング回路部15を作
動させ、この受信機Rからオン信号が出力されるように
なっているので、各受信機の出力信号から乗りかご位置
が検出できるようになっている。
【0020】そして、この種の位置検出装置では前述し
たように、寿命が長くて信頼性も高いという長所はある
ものの、発信機Tの経年劣化による故障が懸念される。
そこで、先に説明した診断用ピックアップAを使用し
て、発信機Tの回路構成部品の動作状態を診断し、測定
対象の発信機Tが故障を起こしやすい経年劣化品である
か否かの判定を行うこととする。
【0021】以下、このような診断が行える理由とその
診断方法とについて、具体的に説明する。なお、ここで
は、発信機Tの発振回路部10に組み込まれている発振
用抵抗器の経年劣化を診断する場合について説明する。
【0022】発信機Tの発振用抵抗器は、経年劣化によ
り抵抗値の増大が懸念される回路構成部品である。そし
て、発信機Tを設計する際には、最大の発振エネルギー
が出力できるように回路構成部品の定数が決められるも
のなので、この定数が変化すると発振エネルギーが低下
するのが一般的である。つまり、発信機Tの発振用抵抗
器が経年劣化して抵抗値が増大すると、発振エネルギー
が低下するので、この発信機Tに対向配置させた診断用
ピックアップAから出力される直流受信電圧も変化す
る。
【0023】図4は、発信機Tと同等の構成のサンプル
発信機について、発振用抵抗器の抵抗値と受信した直流
電圧との相関関係を示す特性図であり、発振用抵抗器の
抵抗値が異なる種々のサンプル発信機に診断用ピックア
ップAを密着対向させて直流受信電圧を測定することに
よって、データを得たものである。ただし、図中のグラ
フ1はサンプル発信機に定格電圧DC24Vを印加した
場合のデータであり、グラフ2はサンプル発信機に定格
電圧よりも低いDC15Vを印加した場合のデータであ
る。
【0024】グラフ1に示すように、サンプル発信機に
DC24Vを印加した場合、発信機Tの設計どおり30
KΩの発振用抵抗器を組み込んだサンプル発信機の発振
エネルギーに対応する直流受信電圧は540mV程度で
あり、また、150KΩ、240KΩ、300KΩの発
振用抵抗器を組み込んだ各サンプル発信機の発振エネル
ギーに対応する直流受信電圧も同程度であったが、35
0KΩの発振用抵抗器を組み込んだサンプル発信機の発
振エネルギーに対応する直流受信電圧は40mVに激減
した。つまり、グラフ1では300〜350KΩの間に
変曲点が存在することがわかり、これは、発振用抵抗器
の抵抗値が経年劣化でかなり増大しても発振エネルギー
はほとんど低下しないということなので、発信機Tが余
裕のある設計になっていることを示している。だがその
一方で、発振エネルギーの変化から発振用抵抗器の経年
劣化を診断しようとするときには、抵抗値が不所望に増
大するまで発振用抵抗器の経年劣化が判明しないという
ことなので、グラフ1を基準にした診断で潜在不良品を
簡単かつ的確に選別することは容易ではない。
【0025】だが、発信機Tに印加する電源電圧を定格
電圧よりも低く設定しておけば、この発信機Tが不安定
動作領域に近い状態となるため、発振用抵抗器のような
回路構成部品の定数変化に伴い発振エネルギーが敏感に
変化するようになるので、発振エネルギーの大きさを測
定することで回路構成部品の定数変化が把握しやすくな
る。すなわち、グラフ2に示すように、電源電圧として
定格電圧よりも低いDC15Vを印加した場合には、3
0KΩ(正規の抵抗値)の発振用抵抗器を組み込んだサ
ンプル発信機の発振エネルギーに対応する直流受信電圧
は400mV程度であるが、経年劣化を想定して抵抗値
のより大きな発振用抵抗器を組み込んだサンプル発信機
の発振エネルギーに対応する直流受信電圧を測定する
と、その抵抗値の増加にほぼ反比例して直流受信電圧は
低下していき、変曲点は存在しなくなる。したがって、
発振用抵抗器の抵抗値の許容できる上限を定めて、その
許容値に対応する直流受信電圧をグラフ2から求めれ
ば、診断の判定基準値が得られる。例えば、発振用抵抗
器の抵抗値が100KΩよりも大きくなっていたら遠か
らず故障が起こりうる潜在不良品であるとみなせば、直
流受信電圧の判定基準値はグラフ2から200mVとい
うことになる。それゆえ、この場合、電源電圧としてD
C15Vを印加した発信機Tに診断用ピックアップAを
対向配置させて、この診断用ピックアップAから出力さ
れる直流受信電圧を直流電圧計8で測定したとき、測定
値が200mV以上であれば当分故障の虞のない正常品
であるとみなせ、測定値が200mV未満であれば交換
が必要な潜在不良品であるとみなせることになり、発信
機Tの動作状態の診断が簡単かつ的確に行える。
【0026】なお、直流受信電圧の判定基準値は、低く
設定しすぎると潜在不良品を正常品と判定してしまい、
逆に高く設定しすぎると正常品を潜在不良品と判定して
しまう虞があるので、実使用時に要求される発信機Tの
最小発振エネルギー、発振用抵抗器の抵抗値の経年変化
の度合い、製造上のばらつきなどを、多くのサンプルで
実測して決定することが好ましい。ただし、本発明者ら
の実験によれば、上述したように発信機Tに印加する電
源電圧をDC15Vに設定したときには、直流受信電圧
の判定基準値は200mV程度が最適であることが判明
した。
【0027】このように、診断用ピックアップAを使用
することにより、発信機Tの発信電波の強さ(発振エネ
ルギーの大きさ)を直流受信電圧として測定することが
できるので、扱いやすいDCメータ(直流電圧計8)で
発信電波の強さが定量的に測定できる。それゆえ、発振
エネルギーの許容値に対応する直流受信電圧の判定基準
値を把握しておけば、測定対象の発信機Tのうち、遠か
らず故障しやすく交換が必要なものと、まだ十分に使用
できて正常とみなせるものとを、簡単かつ的確に選別す
ることができて、発信機Tの予防保全が可能となる。そ
の際、上述したように発信機Tに印加する電源電圧を定
格電圧よりも低く設定して診断すれば、発振用抵抗器の
抵抗値変化に伴い発振エネルギーが敏感に変化するよう
になるので、診断用ピックアップAによる直流受信電圧
から発振用抵抗器の良否が判定しやすくなる。
【0028】なお、上述した実施形態では、発振用抵抗
器の経年劣化による抵抗値変化を診断する場合について
説明したが、発振用コンデンサのように発信機Tの他の
回路構成部品についても、その経年的な定数変化を、同
様に診断用ピックアップAを使用して直流受信電圧から
診断することができる。その際、発信機Tに印加する電
源電圧を定格電圧よりも低く設定して診断すれば、回路
構成部品の定数変化に伴い発振エネルギーが敏感に変化
するようになるので、良否の判定が行いやすくなる。
【0029】
【発明の効果】本発明によるエレベータ用位置検出装置
の診断装置は、以上説明したような形態で実施され、以
下に記載されるような効果を奏する。
【0030】診断用ピックアップにより発信機の発信電
波の強さを直流受信電圧として測定できるので、発振エ
ネルギーがどの程度の値まで低下したときに発信機の回
路構成部品の定数(例えば抵抗体素子の抵抗値)が許容
範囲を越えるのかを把握しておけば、経年劣化を起こし
やすい発信機の良否が故障発生前に簡単かつ的確に診断
できて、エレベータの運行に支障をきたさない予防保全
が可能となる。その結果、無駄な交換コストが不要とな
り、事後保全で利用者に多大な迷惑をかけることもなく
なる。
【0031】また、かかる診断時に発信機に印加する電
源電圧を定格電圧よりも低く設定しておけば、発信機の
回路構成部品の定数変化に伴い発振エネルギーが敏感に
変化するようになるので、発振エネルギーの大きさを測
定することで回路構成部品の定数変化が把握しやすくな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る診断装置の主要構成
要素である診断用ピックアップの回路図である。
【図2】図1に示す診断用ピックアップで位置検出装置
の発信機の発信電波の強さを測定している様子を示す外
観図である。
【図3】受発信回路を内蔵した非接触方式のエレベータ
用位置検出装置の動作原理を説明するためのブロック図
である。
【図4】発信機と同等の構成のサンプル発信機について
発振用抵抗器の抵抗値と受信した直流電圧との相関関係
を示す特性図である。
【符号の説明】
1 受信コイル 2 電圧安定用抵抗器 3,4 高速スイッチング用シリコンダイオード 5 シャント抵抗 6 端子部 7 鰐口クリップ付きリード線 8 直流電圧計 9 入力端子 10 発振回路部 11 発振コイル 12 ケース 13 充填剤 14 受信コイル 15 スイッチング回路部 A 診断用ピックアップ T 発信機 R,R1,R2 受信機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振回路部および発振コイルを内蔵した
    発信機の発信電波を受信機が受信すると、この受信機の
    スイッチング回路部が作動して乗りかご位置の検出が行
    えるようになっているエレベータ用位置検出装置に適用
    されて、前記発信機の動作状態を診断する診断装置にお
    いて、受信回路および整流回路を内蔵し受信した電波の
    強さを直流電圧として測定可能な診断用ピックアップを
    備え、所定の電源電圧を印加した前記発信機に前記診断
    用ピックアップを対向配置させた状態で前記発信電波の
    強さを測定するようにしたことを特徴とするエレベータ
    用位置検出装置の診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、診断時に前記
    発信機に印加する前記電源電圧を定格電圧よりも低く設
    定しておくことを特徴とするエレベータ用位置検出装置
    の診断装置。
JP18393397A 1997-07-09 1997-07-09 エレベータ用位置検出装置の診断装置 Pending JPH1129272A (ja)

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