JPH11291038A - 溶接装置及び溶接方法 - Google Patents

溶接装置及び溶接方法

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JPH11291038A
JPH11291038A JP10594198A JP10594198A JPH11291038A JP H11291038 A JPH11291038 A JP H11291038A JP 10594198 A JP10594198 A JP 10594198A JP 10594198 A JP10594198 A JP 10594198A JP H11291038 A JPH11291038 A JP H11291038A
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JP
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welding
arc
welding arc
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bias
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JP10594198A
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Risuke Nayama
理介 名山
Yukio Doge
幸雄 道下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接アークの偏りを確実になくして健全な溶
接を行なうことができるような溶接装置及び溶接方法を
提供する。 【解決手段】 溶接アーク3の偏りを補正するための磁
場を発生する磁極10と、磁極10に電流を供給する電
源16と、溶接アーク3の偏りの大きさを検出するため
の画像センサ13及び画像処理装置14と、画像センサ
13及び画像処理装置14にて検出された溶接アーク3
の偏りの大きさに応じて、溶接アーク3の偏りを補正す
るのに必要な大きさの磁場を磁極10にて発生させるた
めの電流の大きさを決定するデータ処理装置15とをそ
れぞれ具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アーク溶接を施行
するための溶接装置及び溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アーク溶接の対象材としては、各種の素
材のものがあるが、その中には磁性体を着磁して成る部
材も含まれる。従来、この種の部材をアーク溶接する場
合には、何らかの理由により、着磁した状態のままアー
ク溶接を施行する場合がある。このような場合、図5に
示す如く溶接電極1と溶接対象材(母材)2との間に生
じる溶接アーク3が溶接対象材2の開先4内において真
直にならず、何れかの側に偏る現象を生じていた。な
お、このような現象が生じるのは、溶接対象材2の開先
4内に残留する磁場によって、溶接アーク3がローレン
ツ力(電磁力)を受けるためである。このため、図5に
示すように、前記開先4の片側のみにアーク熱が偏って
与えられ、健全な溶接が困難になる場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような現象に対し
ては、従来、アーク溶接前に溶接対象材2を充分に脱磁
して残留磁場を小さくしておく対応策しかないのが実状
である。しかし、溶接対象材2の形状が複雑な場合等に
は充分な脱磁を行なうことが不可能なこともあり、この
場合には健全な溶接を行なうことができないという問題
点があった。
【0004】本発明は、このような問題点を解消すべく
なされたものであって、その目的は、溶接アークの偏り
を確実になくして健全な溶接を行なうことができるよう
な溶接装置及び溶接方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る溶接装置においては、(a) 溶接
アークの偏りを補正するための磁場を発生する磁極と、
(b) 前記磁極に電流を供給する電源と、(c) 前
記溶接アークの偏りの大きさを検出するための画像セン
サ及び画像処理装置と、(d) 前記画像センサ及び画
像処理装置にて検出された溶接アークの偏りの大きさに
応じて、前記溶接アークの偏りを補正するのに必要な大
きさの磁場を前記磁極にて発生させるための電流の大き
さを決定するデータ処理装置と、をそれぞれ具備するよ
うにしている。
【0006】また、上述の目的を達成するために、本発
明に係る溶接方法においては、(a) 溶接電極及び溶
接アークの画像を採取する工程と、(b) 前記画像セ
ンサにより採取された画像に基づいて、前記溶接電極及
び溶接アークの両位置を検出する工程と、(c) 前記
検出された両位置を比較することにより、前記溶接アー
クの偏りの大きさを決定する工程と、(d) 前記決定
された溶接アークの偏りの大きさに応じて、前記溶接ア
ークの偏りを補正するのに必要な大きさの磁場を前記磁
極にて発生させるための電流の大きさを決定する工程
と、(e) 前記決定された大きさの電流により、前記
溶接アークを横切る方向の磁場を発生させて前記溶接ア
ークの偏りを補正する工程と、を順次に施行するように
している。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施態様につい
て図1〜図4を参照して説明する。なお、図1〜図4に
おいて、図5と同様の部分には同一の符号を付すること
とする。
【0008】図1は、本発明の一実施形態に係る溶接装
置を示すものである。本装置は、図1に示すように、溶
接アーク3を発生するための溶接電極1とこの溶接電極
1に電力を供給するための電源5とから成る基本的な従
来の溶接装置に加えて、溶接アーク3を横切る方向の磁
場(磁界)を発生する磁極10と、この磁極10の励磁
コイル11に供給される電流(励磁電流)の大きさを制
御する電流制御装置12とをそれぞれ備えている。
【0009】上述の電流制御装置12は、溶接アーク3
及び溶接電極1の位置を検出するCCDカメラ等の画像
センサ13と、この画像センサ13からの画像情報に基
づいて溶接アーク3及び溶接電極1の位置関係を認識す
る画像処理装置14と、検出された溶接アーク3及び溶
接電極1の位置に応じて溶接アーク3の偏りを補正する
ために磁場発生用の磁極10に流す直流電流の大きさを
決定するデータ処理装置15と、このデータ処理装置1
5から出力される電流制御信号に基づいて前記磁極10
に流す直流電流(励磁電流)を供給するための直流電源
16とから構成されている。
【0010】ここで、電流制御装置12の機能について
説明すると、以下の通りである。まず、溶接電極1およ
び溶接中に発生する溶接アーク3を画像センサ13にて
採取することにより、開先4内における溶接電極1の位
置及び溶接アーク3の状態が確認される。図2に示す画
像は、残留磁場が存在する溶接対象の母材2(完全に脱
磁されていない溶接対象材2)をアーク溶接する場合に
画像センサ13により認識される画像の一例である。こ
の場合には、溶接対象の母材2に残留磁場が存在するた
め、この残留磁場から受けるローレンツ力にて溶接アー
ク3に偏りが生じている。この際に生じる溶接アーク3
の偏りの大きさは、次のようにして求められる。すなわ
ち、図2のように採取された画像に基づいて、画像処理
装置14によって、溶接電極1の電極位置17と溶接ア
ーク3のアーク中心位置18がそれぞれ検出される。そ
して、検出された電極位置17及びアーク中心位置18
の両位置をデータ処理装置15において互いに比較する
ことにより、溶接アーク3の偏りの大きさが決定され
る。
【0011】一方、図1に示すように、溶接電極1の近
くに配置された磁極10に直流電源16から直流電流が
供給されると、供給される直流電流の大きさに比例した
強さの磁場であって、かつ、溶接アーク3を横切る方向
の磁場(磁界)が発生される。この場合には、発生され
た磁場と、溶接アーク3に流れる溶接電流との間にロー
レンツ力が生じ、このローレンツ力によって溶接アーク
3が図1の紙面に対して垂直な方向への力を受け、これ
に伴い溶接アーク3の向きが変えられることとなる。
【0012】そこで、実験により、直流電源16から磁
極10の励磁コイル11に供給する直流電流の大きさ
と、それによって生じる溶接アーク3の偏りの大きさと
の関係についてのデータを予め採取し、例えば図3に示
すような相関関係を明かにしておく。かくして、画像セ
ンサ13及び画像処理装置14によって検出された溶接
アーク3の偏りの大きさ(溶接電極1及び溶接アーク3
の両位置を比較することによりデータ処理装置15にて
決定された溶接アーク3の偏りの大きさ)に応じて、前
記溶接アーク3の偏りを補正するのに必要な励磁電流
(直流電源16から励磁コイル11に供給すべき直流電
流)の大きさが、データ処理装置15により決定され
る。すなわち、前記溶接アーク3の偏りをなくすために
は直流電源16から励磁コイル11に供給される電流の
大きさをどのように設定すれば良いかについての演算
が、前記データ処理装置15にて図3の実験結果を利用
して行なわれ、その演算結果が電流制御信号(指令信
号)として直流電源16に供給される。これに伴い、磁
極10による励磁作用にて、溶接アーク3の偏りを補正
するのに必要な大きさを有しかつ溶接アーク3を横切る
方向の磁場が発生され、これにより溶接アーク3は溶接
電極1及び溶接対象材2に対して偏りの無い真直な状態
に補正される。
【0013】図4は、図1に示す如き本発明の溶接装置
を用いてアーク溶接を施行する手順を示すフローチャー
トである。この場合の溶接施行手順を具体的に述べる
と、まず、アーク溶接が開始された後に(工程S1
照)、画像センサ13にて溶接アーク3,溶接電極1及
び開先4の画像を取り込んで採取する(工程S2
照)。次いで、採取した画像から開先中央位置(この場
合には、溶接電極1の電極位置17に対応)を画像処理
装置14にて求め(工程S3 参照)、さらに溶接アーク
3のアーク中心位置18を求める(工程S4 参照)。し
かる後に、開先中央位置(電極位置)17からアーク中
心位置18までの距離及び方向をデータ処理装置15に
て求め(工程S5 参照)、このデータ処理装置15にお
いて、アーク中心位置18を開先中央位置17に制御す
るために発生させるべき強制磁場の強さ及び方向を計算
する(工程S6 参照)。そして、この計算結果に応じた
制御信号をデータ処理装置15から直流電源16に供給
することにより、溶接アーク3の偏りを補正するのに必
要な大きさの電流を磁極10の励磁コイル11に流し、
磁極10の付近において溶接アーク3を横切る方向の強
制磁場を加える(工程S7 参照)。
【0014】このようにして強制磁場を加えた状態の下
で、アーク中心位置18が開先中央位置17に近づいた
場合には(工程S8 参照)同じ向きの磁場を加えること
とし(工程S9 参照)、また、アーク中心位置18が開
先中央位置17から離れた場合には(工程S10参照)逆
向きの磁場を加える(工程S11参照)。このような操作
により、アーク中心位置18を開先中央位置17の側に
向けて移動せしめ、アーク中心位置18が開先中央位置
17に一致するように溶接アーク3の方向を補正する
(工程S12参照)。かくして、溶接を継続する場合に
は、工程S2 に戻って前記S2 〜S12の工程を再び順次
に施行しながらアーク溶接を行なう(工程S 13参照)。
また、溶接を終了する場合には、アークをストップして
(S14参照)溶接作業を終了する。
【0015】以上、本発明の一実施態様につき述べた
が、本発明はこの実施態様に限定されるものではなく、
本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可
能である。例えば、本発明に係る溶接装置及び溶接方法
は、図2に示した形状の開先4に限らず、各種形状(非
対称形状も含む)の開先に対しても適用可能である。ま
た、開先中央位置17とアーク中心位置18とが一致す
る場合に限らず、これらが互いにずれた状態の下で溶接
する場合にも本発明に係る溶接装置及び溶接方法を適用
することが可能である。この場合には、開先中央位置に
代えて電極位置17とアーク中心位置18とに基づいて
溶接アーク3の補正を行なうようにすれば良い。
【0016】
【発明の効果】以上の如く、本発明に係る溶接装置及び
溶接方法は、溶接アークの偏りの大きさに応じて、溶接
アークの偏りを補正するのに必要な磁場を発生させるよ
うにしているので、溶接アークの偏りを確実になくすこ
とができて健全な溶接を行なうことが可能となる。ま
た、着磁状態のままの溶接対象材(母材)を溶接する場
合であっても、溶接対象材が着磁状態であることに起因
して生じる溶接アークの偏りをその程度に応じて確実に
補正し得て溶接アークを真直にすることができ、ひいて
は、あらゆる条件下でも常に健全な溶接を行なうことが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る溶接装置の構成を概
略的に示す構成図である。
【図2】上述の溶接装置に備えられる画像センサにより
採取(検出)される画像の一例を示す説明図である。
【図3】溶接アークの偏りの大きさと磁極に供給される
電流の大きさとの関係を示す特性図である。
【図4】本発明に係る溶接方法の施行手順を示すフロー
チャートである。
【図5】従来の溶接装置の構成図である。
【符号の説明】
1 溶接電極 2 溶接対象材(母材) 3 溶接アーク 4 開先 10 磁極 11 励磁コイル 12 電流制御装置 13 画像センサ 14 画像処理装置 15 データ処理装置 16 直流電源 17 電極位置(開先中央位置) 18 アーク中心位置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 溶接アークの偏りを補正するため
    の磁場を発生する磁極と、(b) 前記磁極に電流を供
    給する電源と、(c) 前記溶接アークの偏りの大きさ
    を検出するための画像センサ及び画像処理装置と、
    (d) 前記画像センサ及び画像処理装置にて検出され
    た溶接アークの偏りの大きさに応じて、前記溶接アーク
    の偏りを補正するのに必要な大きさの磁場を前記磁極に
    て発生させるための電流の大きさを決定するデータ処理
    装置と、をそれぞれ具備することを特徴とする溶接装
    置。
  2. 【請求項2】(a) 溶接電極及び溶接アークの画像を
    採取する工程と、(b) 前記画像センサにより採取さ
    れた画像に基づいて、前記溶接電極及び溶接アークの両
    位置を検出する工程と、(c) 前記検出された両位置
    を比較することにより、前記溶接アークの偏りの大きさ
    を決定する工程と、(d) 前記決定された溶接アーク
    の偏りの大きさに応じて、前記溶接アークの偏りを補正
    するのに必要な大きさの磁場を前記磁極にて発生させる
    ための電流の大きさを決定する工程と、(e) 前記決
    定された大きさの電流により、前記溶接アークを横切る
    方向の磁場を発生させて前記溶接アークの偏りを補正す
    る工程と、を順次に施行するようにしたことを特徴とす
    る溶接方法。
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