JPH11290449A - 抗菌性導尿カテーテル - Google Patents

抗菌性導尿カテーテル

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JPH11290449A
JPH11290449A JP10096002A JP9600298A JPH11290449A JP H11290449 A JPH11290449 A JP H11290449A JP 10096002 A JP10096002 A JP 10096002A JP 9600298 A JP9600298 A JP 9600298A JP H11290449 A JPH11290449 A JP H11290449A
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JP
Japan
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antibacterial
urinary catheter
silver
compound
catheter
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JP10096002A
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English (en)
Inventor
Noriko Kadota
典子 門田
Masahiro Seko
政弘 世古
Hideyuki Yokota
英之 横田
Masakazu Tanaka
昌和 田中
Kana Arimori
奏 有森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた抗菌性を示し、しかも長期間にわたり抗
菌性が持続される抗菌性導尿カテーテルを提供する。 【解決手段】銀イオンと結合可能な化合物を導尿カテー
テルに吸収せしめた後、銀化合物水溶液に浸漬すること
より表面に銀化合物を導入されたことを特徴とする抗菌
性導尿カテーテル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗菌性導尿カテーテ
ルに関するものである。より詳しくは、銀イオンと結合
可能な化合物を導尿カテーテルに吸収せしめ、さらに該
化合物に銀化合物が主としてイオン結合により結合され
ることにより、表面に銀化合物が導入された抗菌性導尿
カテーテルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体内に留置する医療用具の一つである
導尿カテーテルは、その使用に先立ち何らかの方法で消
毒、滅菌し使用されてきたが、長期にわたり使用する場
合がほとんどである。したがって、使用中に導尿カテー
テル自体の無菌性が保たれないことがしばしば起こるた
め、改善が望まれている。無菌性が保たれない理由はカ
テーテルの管腔内外を通して外界から細菌が侵入するた
めであり、尿道炎、膀胱炎、腎盂腎炎などの感染症を引
き起こす。
【0003】感染症予防に対するこれまでの対策とし
て、抗生物質などを予防的投与する化学療法が行なわれ
てきた。しかし、この方法では抗生物質を大量に投与す
るために、抗生物質の種類によっては副作用の問題が避
けられない。また、一旦感染してしまうと化学療法によ
り、一時的に細菌の消滅がみられるが、その後の耐性菌
の出現による再感染が発症しやすいことから安易な化学
療法は問題がある。
【0004】最も有効な対策として、導尿カテーテル全
体もしくはその表面に抗菌性を付与させる方法がある。
【0005】代表的な抗菌性物質として、金、銀、銅、
亜鉛などの重金属およびこれらの金属化合物がある。こ
れらは金属イオンの状態において極めて微量でも細菌、
真菌に対する幅広い抗菌スペクトルを有する。これまで
にも、これらの金属化合物をマトリックス中に含有させ
抗菌性を付与した導尿カテーテルを製造することが試み
られている。
【0006】銀系の抗菌性物質を導尿カテーテルに適応
したものとして、特公平6−34817号公報に開示さ
れている方法がある。すなわち、プロテイン銀を配合し
たラテックスをコ−ティングした導尿カテーテルを成形
する方法が記載されている。
【0007】また、上記金属化合物以外にも抗菌性を示
す化合物としては、カチオン系の抗菌性物質の一つであ
る第4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの化合物
も細菌に対して強い抗菌作用を示すことから、金属化合
物同様マトリックス中に含有させ抗菌性を付与した導尿
カテーテルに利用することが試みられている。
【0008】カチオン性抗菌性物質を導尿カテーテルに
含有させたものとして、特公平3−64143号公報に
開示されているものがある。この方法は導尿カテーテル
の表面に難水溶性の第4級アンモニウム塩を含むもので
ある。
【0009】抗菌性の導入方法としては、基材に抗菌性
物質を分散させて加工する方法以外に、特公平3−10
341号公報に開示されているように水溶性抗菌性物質
の溶液を導尿カテーテルに吸収させ、その後に抗菌性物
質を難水性化合物の変える方法がある。
【0010】また、特表平4−502111号公報に開
示されているように、ラテックス製品の製造に際して、
リーチング工程と硬化工程の間に抗菌性物質を導入する
方法がある。さらに、特公平2−24544号公報に開
示されているように導尿カテーテルの表面に無水マレイ
ン酸基を有する被膜を形成させ、そのマレイン酸基を加
水分解後抗菌物質を結合させる製造方法がある。
【0011】このように細菌に対して強い抗菌性を有す
る化合物、例えばプロテイン銀や第4級アンモニウム塩
を各種ラテックス中に分散させて加工した場合はラテッ
クス中で長期に安定した分散状態を維持することが困難
であり、ラテックス粒子の凝集や抗菌性物質、特に金属
化合物の沈降が起こりやすく、コーティング層が不均一
になり安定した抗菌性が得られにくい。さらに、ラテッ
クス中に抗菌性物質を分散させこれを塗布後加硫などの
後処理工程で高温に暴露されることになり、抗菌性物質
が酸化あるいは熱分解し、銀の析出による黒ずみや分解
生成物による安定性の低下などの恐れが生じる。
【0012】基材に抗菌性物質を混ぜ込む以外の抗菌性
物質の付与方法について、抗菌性物質溶液を導尿カテー
テルに吸収させる方法では、基材への抗菌性物質の侵透
速度が遅く加工に幾日も時間を要するため、経済的な製
造方法とはいえない。さらに使用時の抗菌活性の持続性
が短いと考えられる。また、カテーテル表面に無水マレ
イン酸の被膜を形成して抗菌性物質と結合させる方法で
は、マレイン酸被膜を形成させたり、加水分解させたり
など加工における工程数が多くなる。
【0013】また、導尿カテーテルの基材については、
その優れた物性、低価格より天然ゴムラテックスが主に
使用されているが、近年天然ゴムラテックス製品使用直
後に天然ゴムラテックス中のタンパク質が原因と見られ
るアナフィラキシー様症状を起こすことが報告され問題
となっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のようなラテックス中に抗菌性物質を添加した場合の問
題点の回避、天然ゴムラテックスに含有されるタンパク
質によるアレルギー反応の防御、および優れた抗菌性を
示し、しかも長期間にわたりその抗菌性が維持されるよ
うな抗菌性導尿カテーテルを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決すべく鋭意検討した結果、種々の菌に対して
抗菌性を有する物質として銀化合物を導尿カテーテルに
効率よく導入せしめることにより抗菌性を付与するこ
と、すなわちカテーテル加工中に銀イオンと結合可能な
化合物を基材に吸収させ、その後抗菌性を付与するとい
う方法によって、基材中に直接上記の抗菌性を有する物
質を混ぜ込まないことが有用であることを見出し、本発
明に到達した。
【0016】すなわち、本発明は、以下のような構成を
有するものである。 (1)銀イオンと結合可能な化合物を導尿カテーテルに
吸収せしめた後、銀化合物水溶液に浸漬することにより
表面に銀化合物が導入されたことを特徴とする抗菌性導
尿カテーテル。 (2)水溶性の銀化合物が硝酸銀、酢酸銀および過塩素
酸銀から選ばれた少なくとも1種である(1)に記載の
抗菌性導尿カテーテル。 (3)銀イオンと結合可能な化合物がアミノ酸、アミノ
酸オリゴマー、アミノ酸ポリマーおよびアミノ酸誘導体
から選ばれた少なくとも1種である(1)または(2)
に記載の抗菌性導尿カテーテル。 (4)銀イオンと結合可能な化合物が陰イオン界面活性
剤である(1)〜(3)のいずれかに記載の抗菌性導尿
カテーテル。 (5)銀イオンと結合可能な化合物として、少なくとも
1種のカルボキシル基もしくはスルホン基を有する化合
物が含まれている(1)〜(4)のいずれかに記載の抗
菌性導尿カテーテル。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の抗菌性導尿カテーテルに
おける基材となる素材は導尿カテーテルに適した性質の
素材であればよい。一般的な導尿カテーテルの基材とし
ては、天然ゴム、シリコーンゴム、合成ゴム、その他合
成高分子が挙げられる。
【0018】天然ゴムは安価で優れた機械的特性を有す
る素材である。医療器材用途として使用する際には、原
料に含まれるアレルギー物質を取り除く目的で、十分に
精製したラテックスを用いること、成型加工時のリーチ
ングを十分に行うことが重要である。さらに、加硫時に
添加する種々の薬品の安全性についても、十分に考慮し
なければならない。
【0019】例えば、原料の天然ゴムラテックスには、
特開平6−56902号公報に開示されているような、
高純度に精製し溶存タンパクを除去した脱タンパク天然
ゴムラテックスを用いる、とタンパクによるアレルギー
反応を防ぐことができる。
【0020】シリコーンゴムは、医療用材料として高い
安全性があることや生体適合性に優れているなどの実績
があることから、導尿カテーテルの基材としても適して
いる。シリコーンゴムとしてはジメチルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルビニルポリ
シロキサン、フロロアルキルメチルポリシロキサンなど
が挙げられる。
【0021】合成ゴムとしては、例えば、エチレン、ス
チレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ア
クリロニトリルなどのビニル系モノマーの単一重合体ま
たはその共重合体、ブタジエン、イソプレン、クロロプ
レン、1,3−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン等
のジエン系のモノマーの単一重合体、あるいは共重合
体、上記ビニル系モノマーとジエン系モノマーの共重合
体が挙げられる。
【0022】その他合成高分子としては、例えば、ポリ
エーテルウレタン、ポリウレタン、ポリウレタンウレ
ア、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレン、
ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、
酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体などが挙げられ
る。この中でも、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリ
エーテルウレタン、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体が特に好ま
しい。
【0023】本発明の抗菌性導尿カテーテルにおいて用
いられる銀イオンと結合可能な化合物は、好ましくはア
ミノ酸、アミノ酸オリゴマー、アミノ酸ポリマーおよび
アミノ酸誘導体であり、これらのうち1種類だけ使用し
ても、何種類かを同時に使用してもよい。ここで、アミ
ノ酸オリゴマーとはアミノ酸残基数が2〜10のものを
いう。また、アミノ酸ポリマーとはアミノ酸残基数が1
1以上のものを指すのであり、アミノ酸残基数が11〜
500ものが好ましく、11〜200のものがさらに好
ましい。具体的には、ポリ−L−グルタミン酸ナトリウ
ム等が挙げられる。さらに、アミノ酸誘導体とは、アミ
ノ酸の一部が他の化合物と結合したものをいうものであ
り、例えばステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム
等が挙げられる。
【0024】本発明の抗菌性導尿カテーテルにおいて用
いられる銀イオンと結合可能な化合物としては、好適に
は陰イオン界面活性剤が挙げられる。例えば、スルホン
酸系界面活性、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩など
が挙げられる。アルキル基は炭素数6〜20が適切であ
る。これらの化合物のうち、1種類のみを使用しても、
あるいは2種類以上を同時に使用してもよい。
【0025】また、本発明の抗菌性導尿カテーテルの基
材に分散させる銀イオンと結合可能な化合物は、好まし
くは、カルボキシル基を有する化合物もしくはスルホン
基を有する化合物であり、例えば、タウリン、グルタチ
オン、スルファジアジンおよび炭素数6〜40の飽和ま
たは不飽和の1価または多価カルボン酸などが挙げられ
る。
【0026】上記銀イオンと結合可能な化合物の基材へ
の吸収は、該化合物の水溶液に導尿カテーテルを浸漬す
ることによって行われる。該化合物の水溶液の濃度はそ
の化合物の溶解度にも関係するが、0.0001〜30
重量%の範囲が好ましい。より好ましくは0.001〜
10重量%である。浸漬温度は化合物の安定性にも関係
するが25〜120℃が好ましく、より好ましくは30
〜100℃である。浸漬時間は温度に依存するが5分か
ら48時間である。より好ましくは1〜24時間であ
る。
【0027】上記銀イオンと結合可能な化合物の基材へ
の導入の際、浸漬する導尿カテーテルは加硫前から成型
加工工程終了後のどの状態のものでもよい。
【0028】本発明の抗菌性導尿カテーテルにおいて用
いられる抗菌性物質は銀化合物であることを特徴とす
る。上記銀化合物は溶媒への溶解性がよい、分子量が小
さいので反応性が高いという点から、硝酸銀、酢酸銀、
過塩素酸銀のいずれかであることが好ましい。
【0029】本発明における抗菌性導尿カテーテルへの
銀化合物の導入工程は銀イオンと結合可能な化合物の導
入後であればどの工程に組み込んでもよい。即ち、銀イ
オンと結合可能な化合物の導入直後から成型加工工程終
了までの間であればいつでもよい。
【0030】抗菌性導尿カテーテルに加工する銀化合物
の処理条件は、その種類や組合わせにより異なるが、本
発明においては0.0001〜5重量%の上記銀化合物
の水溶液が用いられる。より好ましくは0.001〜
0.5重量%の水溶液が用いられる。この場合、0.0
001重量%以下では十分量の銀化合物がカテーテルに
結合せず、また5重量%以上では銀化合物が十分に溶解
しない場合があるため適当でない。銀化合物水溶液への
導尿カテーテルの浸漬条件は基材、銀イオンと結合可能
な化合物、銀化合物に悪影響を及ぼさない範囲であれば
制限されないが通常、浸漬時間は0.1〜48時間が好
ましく、より好ましくは1〜24時間である。銀化合物
水溶液への導尿カテーテルの浸漬温度は、30〜120
℃が好ましく、より好ましくは40〜100℃である。
また、この場合振盪することが好ましい。
【0031】上記のような工程により得られる抗菌性導
尿カテーテルは、基材と抗菌性物質である銀化合物の分
散性を考慮する必要がなく、また抗菌性付与の工程がマ
イルドな処理条件で行えるため、加工が容易であるとと
もに、抗菌性物質の熱による分解を防ぐことができる。
さらに、導尿カテーテル中の抗菌性能を必要とする表面
だけに効率よく銀化合物を化学結合させることから、余
分な銀化合物を必要とせず経済的である。
【0032】本発明における抗菌性導尿カテーテルに結
合した銀化合物は導尿カテーテル基材に導入させた化合
物と結合する前は水溶性であるが、導尿カテーテルの基
材に導入した銀イオンと結合可能な化合物と結合した際
にその結合前と比較して水溶性が低くなる性質を示すこ
とより、抗菌性成分が使用中に尿などによって流されに
くくなり、使用中も長期の抗菌性能が得られる。
【0033】以上のように、本発明の抗菌性導尿カテー
テルは、従来の抗菌性導尿カテーテルと比較してマイル
ドな条件で銀化合物をカテーテル管腔内外の表面に結合
させることができる。また、コーティング法とは異な
り、導尿カテーテルの所定の規格どおりの内径および外
径に仕上げることも容易である。
【0034】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
なお、本発明は実施例により特に制限されるものではな
い。
【0035】<実施例1>固形分濃度60%の天然ゴム
ラテックス100部にジメチルジチオカルバミン酸亜鉛
0.3部、コロイド硫黄1.5部、活性亜鉛3.0部、
ステアリン酸1.2部を加え天然ゴムラテックス液を調
製した。天然ゴムラテックスのpHは10.5であっ
た。
【0036】次に、導尿カテーテル用浸漬型を上記天然
ゴムラテックス液に浸漬、乾燥(80℃、10分)を
1.6mmの厚さまで繰り返した。最後は70℃、12
時間乾燥し、その後50℃、10時間リーチングを行い
導尿カテーテルを作製した。上記カテーテルを0.1%
に調整したラウロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム
水溶液に、80℃、20時間の条件で浸漬した。その後
カテーテルを水洗し、さらに0.05%に調製した酢酸
銀水溶液中に浸漬し50℃、12時間振盪した。再び導
尿カテーテルを水洗し60℃で乾燥し、抗菌性導尿カテ
ーテルを得た。
【0037】上記抗菌性導尿カテーテルを長さ5cmに
なるようにカットし、エチレンオキサイドガスによる滅
菌処理を施した。ブロース液(生理食塩水で50倍希
釈)により約1×105 個/mlの細菌数とした緑膿菌
懸濁液を調製して、この中に上記カテーテルを浸漬して
37℃、24時間振盪培養した。培養後の液中の細菌数
を塗沫法により計測して抗菌性能を評価した。また同様
の評価を大腸菌、黄色ブドウ球菌についても行った。結
果を表1に示した。
【0038】<実施例2>固形分濃度50%の脱タンパ
ク天然ゴムラテックス100部にジメチルジチオカルバ
ミン酸亜鉛0.3部、コロイド硫黄1.5部、活性亜鉛
3.0部、ステアリン酸1.2部を加え天然ゴムラテッ
クス液を調製した。天然ゴムラテックスのpHは10.
5であった。
【0039】次に、導尿カテーテル用浸漬型を上記天然
ゴムラテックス液に浸漬、乾燥(80℃、10分)を
1.6mmの厚さまで繰り返した。最後は70℃、12
時間乾燥し、導尿カテーテルを作製した。上記カテーテ
ルを1.0%に調整したステアロイル−L−グルタミン
酸二ナトリウム水溶液に、50℃、24時間の条件で浸
漬した。その後カテーテルを水洗し、さらに0.01%
に調製した硝酸銀水溶液中に浸漬し30℃、24時間振
盪した。再び導尿カテーテルを水洗し60℃で乾燥し、
抗菌性導尿カテーテルを得た。抗菌性の評価は実施例1
と同様の方法で行った。結果を表1に示した。
【0040】<実施例3>メチルビニルポリシロキサン
100部、無水ケイ酸20部、ベンゾイルペルオキシド
0.5部を加え、よく素練りしたものを押し出し成形
し200℃、2分間加熱後、130℃で7日間後加硫し
導尿カテーテルを成形した。
【0041】上記カテーテルを0.01%に調整したア
ルキルベンゼンスルホン酸塩水溶液に、90℃、12時
間の条件で浸漬した。その後カテーテルを水洗し、さら
に0.1%に調製した過塩素酸銀水溶液中に浸漬し40
℃、18時間振盪した。再び導尿カテーテルを水洗し
て、60℃で乾燥し、抗菌性導尿カテーテルを得た。抗
菌性の評価は実施例1と同様の方法で行った。結果を表
1に示した。
【0042】<実施例4>固形分濃度50%のアニオン
系スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス100部に
2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩0.5部、コロ
イド硫黄1.5部、活性亜鉛1.0部、ステアリン酸
1.0部を加え合成ゴムラテックス液を調製した。合成
ゴムラテックス液のpHは10.5であった。次に、導
尿カテーテル用浸漬型を上記合成ゴムラテックス液に浸
漬、乾燥(80℃、10分)を1.6mmの厚さまで繰
り返した。最後は70℃、12時間乾燥を行い、その後
流水中で1週間洗浄、乾燥し導尿カテーテルを作製し
た。
【0043】上記カテーテルを5%に調整したタウリン
水溶液に、30℃、6時間の条件で浸漬した。その後カ
テーテルを水洗し、さらに0.1%に調製した硝酸銀水
溶液中に浸漬し80℃、2時間振盪した。再び導尿カテ
ーテルを水洗し60℃で乾燥し、抗菌性導尿カテーテル
を得た。抗菌性の評価は実施例1と同様の方法で行っ
た。結果を表1に示した。
【0044】<実施例5>市販ポリウレタン(Pelletha
ne(商品名))を溶融押出し成型し、導尿カテーテルを
作製した。
【0045】上記カテーテルを0.005%に調整した
アルキルベンゼンスルホン酸水溶液に、70℃、3時間
の条件で浸漬した。その後カテーテルを水洗し、さらに
0.005%に調製した酢酸銀水溶液中に浸漬し、60
℃、20時間振盪した。再び導尿カテーテルを水洗し
て、60℃で乾燥し、抗菌性導尿カテーテルを得た。抗
菌性の評価は実施例1と同様の方法で行った。結果を表
1に示した。
【0046】<比較例1>固形分濃度60%の天然ゴム
ラテックス100部にジメチルジチオカルバミン酸亜鉛
0.3部、コロイド硫黄1.5部、活性亜鉛3.0部、
ステアリン酸1.2部を加え天然ゴムラテックス液を調
製した。天然ゴムラテックスのpHは10.5であっ
た。
【0047】次に、導尿カテーテル用浸漬型を上記天然
ゴムラテックス液に浸漬、乾燥(80℃、10分)を
1.6mmの厚さまで繰り返した。最後は70℃、12
時間乾燥し、その後50℃、10時間リーチングを行い
導尿カテーテルを作製した。抗菌性の評価は実施例1と
同様の方法で行った。結果を表1に示した。
【0048】<比較例2>固形分濃度60%の天然ゴム
ラテックス100部にジメチルジチオカルバミン酸亜鉛
0.3部、コロイド硫黄1.5部、活性亜鉛3.0部、
ステアリン酸1.2部を加え天然ゴムラテックス液を調
製した。天然ゴムラテックスのpHは10.5であっ
た。
【0049】次に、導尿カテーテル用浸漬型を上記天然
ゴムラテックス液に浸漬、乾燥(80℃、10分)を
1.6mmの厚さまで繰り返した。最後は70℃、12
時間乾燥、その後50℃、10時間リーチングを行い導
尿カテーテルを作製した。上記カテーテルを0.005
%に調製した酢酸銀水溶液中に浸漬し30℃、12時間
振盪した。再び導尿カテーテルを水洗し60℃で乾燥
し、導尿カテーテルを得た。抗菌性の評価は実施例1と
同様の方法で行った。結果を表1に示した。
【0050】<比較例3>固形分濃度60%の天然ゴム
ラテックス100部にジメチルジチオカルバミン酸亜鉛
0.3部、コロイド硫黄1.5部、活性亜鉛3.0部、
ステアリン酸1.2部を加え天然ゴムラテックス液を調
製した。天然ゴムラテックスのpHは10.5であっ
た。
【0051】次に、導尿カテーテル用浸漬型を上記天然
ゴムラテックス液に浸漬、乾燥(80℃、10分)を
1.6mmの厚さまで繰り返した。最後は70℃12時
間乾燥、その後50℃、10時間リーチングを行い導尿
カテーテルを作製した。上記カテーテルを1.0%に調
製したタウリン水溶液中に浸漬し30℃、2時間振盪し
た。再び導尿カテーテルを水洗し60℃で乾燥して、導
尿カテーテルを得た。抗菌性の評価は実施例1と同様の
方法で行った。結果を表1に示した。
【0052】<比較例4>固形分濃度50%の脱タンパ
ク天然ゴムラテックス100部にジメチルジチオカルバ
ミン酸亜鉛0.3部、コロイド硫黄1.5部、活性亜鉛
3.0部、ステアリン酸1.2部を加え天然ゴムラテッ
クス液を調製した。天然ゴムラテックスのpHは10.
5であった。
【0053】次に、導尿カテーテル用浸漬型を上記天然
ゴムラテックス液に浸漬、乾燥(80℃、10分)を
1.6mmの厚さまで繰り返した。最後は70℃、12
時間乾燥し導尿カテーテルを作製した。上記カテーテル
を12.0%に調整したステアロイル−L−グルタミン
酸二ナトリウム水溶液に、70℃、20時間の条件で浸
漬した。その後カテーテルを水洗し、さらに0.01%
に調製した硝酸銀水溶液中に浸漬し30℃、2時間振盪
した。再び導尿カテーテルを水洗し60℃で乾燥し、導
尿カテーテルを得た。抗菌性の評価は実施例1と同様の
方法で行った。結果を表1に示した。
【0054】<比較例5>メチルビニルポリシロキサン
100部、無水ケイ酸20部、ベンゾイルペルオキシド
0.5部を加えよく素練りしたものを押出し成形し、2
00℃、2分間加熱後、130℃で7日間後加硫し導尿
カテーテルを成形した。
【0055】上記カテーテルを0.01%に調整したア
ルキルベンゼンスルホン酸塩水溶液に、90℃、12時
間の条件で浸漬した。その後カテーテルを水洗し、さら
に1.0%に調製した硝酸銀水溶液中に浸漬し40℃、
20時間振盪した。再び導尿カテーテルを水洗して、6
0℃で乾燥し、導尿カテーテルを得た。抗菌性の評価は
実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示した。
【0056】<比較例6>固形分濃度50%のアニオン
系スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス100部に
2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩0.5部、コロ
イド硫黄1.5部、活性亜鉛1.0部、ステアリン酸
1.0部を加え合成ゴムラテックス液を調製した。合成
ゴムラテックス液のpHは10.5であった。次に、導
尿カテーテル用浸漬型を上記合成ゴムラテックス液に浸
漬、乾燥(80℃、10分)を1.6mmの厚さまで繰
り返した。最後は70℃、12時間乾燥を行い、その後
流水中で1週間洗浄、乾燥して導尿カテーテルを作製し
た。
【0057】上記カテーテルを0.0001%に調整し
たタウリン水溶液に、30℃、6時間の条件で浸漬し
た。その後カテーテルを水洗し、さらに、0.1%に調
製した過塩素酸銀水溶液中に浸漬し50℃、2時間振盪
した。再び導尿カテーテルを水洗し60℃で乾燥し、導
尿カテーテルを得た。抗菌性の評価は実施例1と同様の
方法で行った。結果を表1に示した。
【0058】<比較例7>市販ポリウレタン(Pelletha
ne(商品名))を溶融押出し成型し導尿カテーテルを作
製した。
【0059】上記カテーテルを0.01%に調整したア
ルキルベンゼンスルホン酸水溶液に、70℃、3時間の
条件で浸漬した。その後カテーテルを水洗し、さらに
0.0001%に調製した酢酸銀水溶液中に浸漬し60
℃、5時間振盪した。再び導尿カテーテルを水洗して、
60℃で乾燥し、導尿カテーテルを得た。抗菌性の評価
は実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示し
た。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】上述したように、本発明における抗菌性
導尿カテーテルは、毒性の低い基材を使用しているため
アレルギー反応をひき起こしにくい。また、カテーテル
表面に抗菌性物質である銀化合物が存在するため、抗菌
性能は使用直後から優れており、しかも銀化合物は基材
中に吸収させた化合物と結合し水に溶けにくくなってい
るために長期にわたってその抗菌性を維持できる。さら
に上記のような銀化合物をイオン結合させることにより
導尿カテーテルの内径、外径は変わらないため、規格通
りの抗菌性導尿カテーテルの製造が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 昌和 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 有森 奏 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀イオンと結合可能な化合物を導尿カテ
    ーテルに吸収せしめた後、銀化合物水溶液に浸漬するこ
    とにより表面に銀化合物が導入されたことを特徴とする
    抗菌性導尿カテーテル。
  2. 【請求項2】 銀化合物が硝酸銀、酢酸銀および過塩素
    酸銀よりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求
    項1記載の抗菌性導尿カテーテル。
  3. 【請求項3】 銀イオンと結合可能な化合物がアミノ
    酸、アミノ酸オリゴマー、アミノ酸ポリマーおよびアミ
    ノ酸誘導体よりなる群から選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項1または2に記載の抗菌性導尿カテーテル。
  4. 【請求項4】 銀イオンと結合可能な化合物が陰イオン
    界面活性剤である請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌
    性導尿カテーテル。
  5. 【請求項5】 銀イオンと結合可能な化合物として、少
    なくとも1種のカルボキシル基もしくはスルホン基を有
    する化合物が含まれている請求項1〜4のいずれかに記
    載の抗菌性導尿カテーテル。
JP10096002A 1997-06-23 1998-04-08 抗菌性導尿カテーテル Pending JPH11290449A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008174751A (ja) * 2001-02-28 2008-07-31 Covalon Technologies Inc 抗菌性高分子表面の生成方法
US10071189B2 (en) 2011-03-30 2018-09-11 Covidien Lp Medical apparatus with lubricity and manufacturing method of same

Cited By (3)

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JP2009030074A (ja) * 2001-02-28 2009-02-12 Covalon Technologies Inc 抗菌性高分子表面の生成方法
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