JPH11289984A - 容器入り飲料及びその製法 - Google Patents

容器入り飲料及びその製法

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JPH11289984A
JPH11289984A JP10105959A JP10595998A JPH11289984A JP H11289984 A JPH11289984 A JP H11289984A JP 10105959 A JP10105959 A JP 10105959A JP 10595998 A JP10595998 A JP 10595998A JP H11289984 A JPH11289984 A JP H11289984A
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container
beverage
spout
mouth
drinking
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JP10105959A
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Hideya Tsutsui
筒井  秀也
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Kracie Foods Ltd
Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
Kanebo Foods Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】飲み口を開けるだけで、そのまま飲用すること
ができ、かつ飲用時に嗜好性固形原料が混飲されず、飲
用液だけをスムーズに飲用することができ、かつ長期流
通保存可能な容器入り飲料を提供する。 【解決手段】容器に嗜好性固形原料と水性媒体とが収
容、密封されてなる容器入り飲料であって、該容器が、
下記条件(A)〜(C)を満たすことを特徴とする容器
入り飲料。 (A)パウチ本体と飲み口とからなる容器である。 (B)温度125℃、差圧1.0kg/cm2 に耐えら
れる耐熱性および耐圧性を有する。 (C)上記飲み口に設けられた飲み口流入部が容器内の
嗜好性固形原料が通過できない大きさもしくは形状であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーヒー豆等の嗜
好性固形原料を水性媒体と共に収容、密封した袋入り飲
料及びその製法に関し、更に詳しくは、飲み口を開ける
だけで、そのまま飲用することができ、かつ飲用時に嗜
好性固形原料が混飲されず、飲用液だけをスムーズに飲
用することができ、かつ長期流通保存可能な容器入り飲
料およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般市場に大量に流通される、コーヒ
ー、紅茶、茶類などの嗜好性飲料は、通常缶入り飲料や
紙パック飲料等がよく知られている。これらの飲料は、
コーヒー豆、茶葉などの嗜好性固形原料を、必要に応じ
粉砕し、これに熱水を通過させることによって抽出した
後、嗜好性固形原料残渣を除去した溶液部のみを容器に
充填するものであるが、粉砕工程や抽出工程で香気成分
が飛散しやすく、良好な風味を維持することが困難であ
る。また、特に缶飲料は、長期流通保存ができるように
溶液を缶に充填後、高温のレトルト殺菌が行われるが、
この際、どうしてもコーヒー豆等の嗜好性固形原料から
抽出される成分が分解したり、香気成分が消失したり、
特有の殺菌臭が加わるなど、風味の点で問題があった。
【0003】そこで、例えば特開昭53−15468号
公報に記載されているように、缶などの耐圧性容器に、
未粉砕のコーヒー豆を水性媒体と共に収納し、密封して
118〜130℃で加熱抽出する方法も提案されてい
る。この方法によれば、密封状態で抽出と殺菌を行って
いるので、工程中の香気成分の消失が防止され、かつ未
粉砕のコーヒー豆から直接加熱抽出するので、抽出成分
の分解が生じにくく、良好な風味の飲料を得ることがで
きる。また、特公昭57−24736号公報には、缶容
器に代えて、携帯性、物流面に優れた耐圧性の袋を用い
ることも開示されている。しかしながら、これらの容器
では、容器を開封後、飲用しようとすると、コーヒー豆
も一緒に誤飲しやすく、飲みにくいという欠点があっ
た。
【0004】そこで、実公平59−2675号公報で
は、袋の注出口に濾過機能を有するフィルターを設ける
ことが提案されているが、フィルターを袋の胴体部に設
けるので、注ぎにくく、片手で飲用するのには不適当で
ある。また、注ぎ出すには抽出口を下に向ける必要があ
るが、その際にコーヒー豆がすべて注出口に集まってし
まい、飲用液が出にくくなるという欠点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みなされたものであって、その目的とするところ
は、飲用液中に固形の抽出原料が含有されているにもか
かわらず、開封するだけで、片手で簡単に飲用すること
ができ、かつ風味もよく長期流通保存可能な容器入り飲
料及びその製法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】容器入り飲料にかかる本
発明は、容器に嗜好性固形原料と水性媒体とが収容、密
封されてなる容器入り飲料であって、該容器が、下記条
件(A)〜(C)を満たすことを特徴とする容器入り飲
料である。 (A)パウチ本体と飲み口とからなる容器である。 (B)温度125℃、差圧1.0kg/cm2 に耐えら
れる耐熱性および耐圧性を有する。 (C)上記飲み口に設けられた飲み口流入部が容器内の
嗜好性固形原料が通過できない大きさもしくは形状であ
る。
【0007】また、容器入り飲料の製造方法にかかる本
願発明は、容器内に嗜好性固形原料と水性媒体とを収容
し、密封した後加熱処理することを特徴とする請求項1
記載の容器入り飲料の製法である。
【0008】すなわち、本発明者は、缶コーヒー等の抽
出系の飲料の製造工程中の香気成分飛散を防止しつつ、
長期保存可能で風味の良好な抽出系飲料であって、かつ
飲用が簡便な容器入り飲料及びその製法について検討を
行った。その結果、容器中に水性媒体と嗜好性固形原料
とを収容して密封するとともに、容器の飲み口の流入部
を、特定形状にすること、更には密封後加熱処理するこ
とにより、上記の目的を達成できることを見いだし本発
明に到達した。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳しく説明する。本
発明において嗜好性固形原料とは、水性媒体と混合して
加熱すると、有効成分が溶出して、嗜好性飲料を得るこ
とのできるような固形原料を指す。具体的には、コーヒ
ー豆、カカオ豆等の豆類、ナッツ等の種実類、茶葉(発
酵茶、半発酵茶、不発酵茶)、ミントリーフ、バニラビ
ーンズなどの香料原料、香辛料、果実、野菜、鰹節、昆
布などが挙げられ、適宜単独もしくは複数組み合わせて
用いればよい。これらの原料は、必要に応じ適宜焙煎、
発酵、乾燥、熱処理等前処理を行えばよい。これらは以
下に述べる理由から粉末状態であるよりも、未粉砕であ
ることが望ましい。
【0010】例えば、コーヒー豆を用いる場合、焙煎し
て未粉砕のまま添加すれば、抽出中に香気成分、呈味成
分が適度に溶出し、加熱処理を行っても成分の分解、消
失、飛散が生じにくく、また好ましくない成分の溶出も
抑えられて好適である。また、カカオ豆の場合は、焙煎
して未粉砕のまま用いれば、カカオ脂の溶出が適度に抑
えられたカカオの香り高い飲料となる。
【0011】あるいは、茶葉の場合、適宜熱処理、発酵
処理をしたのち、未粉砕のまま用いれば、苦渋みが抑え
られた軽い風味の茶飲料とすることができる。香料原
料、香辛料、果実、野菜の場合は、シロップ付け、乾
燥、切断、剥皮等の適宜処理をしたのち用いれば、旨味
成分、有効成分の抽出が効率的に行われる。鰹節、昆布
の場合も、未粉砕のまま用いれば、アクが抑えられた軽
い風味のだし入り飲料とすることができる。
【0012】次に、上記嗜好性固形原料とともに容器に
収容する水性媒体としては、特に限定するものではな
く、水の他、水に各種原料を添加した溶液、分散液でも
よい。水に添加する各種原料としては、砂糖、アスパル
テームなどの各種甘味料や、乳製品、ペプチドなどの各
種蛋白質や、カカオ脂、バター、サラトリムなどの油脂
や油脂代替原料や、小麦粉、片栗粉などの澱粉原料及び
その加工澱粉や、有機酸、塩類などの各種呈味原料や、
食物繊維、ミネラル、ビタミンなどの各種栄養成分や、
重曹などの各種pH調整剤や、着色料、香料、ゲル化
剤、乳化剤、安定剤などが挙げられる。これらは適宜必
要に応じて単独もしくは数種組み合わせて用いればよ
い。
【0013】なお、嗜好性固形原料がコーヒー豆の場
合、水性媒体中にpH調整剤を用いて、抽出前の初期p
Hを8〜12に調整することが風味の点で望ましい。p
Hが8よりも低いと、嗜好性固形原料と水性媒体とを容
器に収容・密封後、加熱処理した時にpHが4以下のコ
ーヒー飲料となり、酸味が強く、風味が劣る傾向にあ
る。逆にpHが12を超えると、同じく加熱処理した時
に、pH7以上の飲料となり、コーヒー特有の香り、味
が出にくくなる傾向にある。また、特に乳製品などの蛋
白質を含む水性媒体を用いた場合にはpH8〜12に調
整することが望ましい。pHが8より低い場合は抽出中
に局所的に強い酸性の部分が生じて、乳製品中のタンパ
ク質が凝固しやすくなる傾向にある。
【0014】次に、上記嗜好性固形原料と水性媒体とを
収納する容器としては、下記の(A)〜(C)の条件を
備えた容器が用いられる。 (A)パウチ本体と飲み口とからなる容器である。 (B)温度125℃、差圧1.0kg/cm2 に耐えら
れる耐熱性および耐圧性を有する。 (C)上記飲み口に設けられた飲み口流入部が容器内の
嗜好性固形原料が通過できない大きさもしくは形状であ
る。
【0015】まず本発明においてパウチ本体と飲み口と
からなる容器とは、具体的には、プラスチックからなる
フィルムを成形して得られるパウチ本体と、プラスチッ
クを射出成形などの方法によって成形して得られる飲み
口とからなり、たとえばパウチ本体の袋口に飲み口が固
着された容器が挙げられる。プラスチック材料として
は、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステル,ナ
イロン,ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。これら
は適宜単体もしくは数種組み合わせて用いられ、必要に
応じアルミニウム等の金属を併用し用いればよい。例え
ば後述の図1に示したパウチ本体の場合には、プラスチ
ックフィルムを用い、このフィルムの単体もしくは数種
類の多層フィルムに必要に応じ金属箔をラミネートした
ものを用いればよい。
【0016】また、本発明の容器は密封した状態でレト
ルト処理を行うため、温度125℃、差圧1.0kg/
cm2 に耐えられる耐熱性および耐圧性を有しなければ
ならない。なお、かかる温度、圧力に耐える耐熱性およ
び耐圧性とは、容器に内容物を充填した後かかる条件で
の処理を行った場合、容器の剥離、割れ、ピンホール変
形の発生などの問題を発生しないことをいう。また、差
圧とは容器内(内圧)と容器外(外圧)との差圧をい
う。
【0017】本発明の飲み口は、飲み口に設けられた飲
み口流入部が容器内の嗜好性固形原料が通過できない大
きさもしくは形状であることが必要である。このように
設定することによって、嗜好性固形原料を含む飲料か
ら、飲料のみを喫飲することができる。
【0018】さらには、飲み口流入部の長径が容器内の
嗜好性固形原料の最小断面長径以下であるか、または飲
み口流入部の最大幅が容器内の嗜好性固形原料の最小断
面幅以下であることが好ましい。なお、ここで嗜好性固
形原料の最小断面長径とは、嗜好性固形原料の2次元の
投影の長径のうち最小となるものをいう。また嗜好性固
形原料の最小断面幅とは、嗜好性固形原料の2次元の投
影の短径のうち、最小となるものをいう。また飲み口流
入部の最大幅とは、最長長さ方向(長手方向)に対して
垂直の方向を最大幅という。飲み口流入部が円形,多角
形,これらを分割した形状などの場合は、最小断面長径
が基準となることが多く、飲み口流入部がスリット形状
のような細長い形状の場合は嗜好性固形原料の最小断面
幅が基準となることが多い。なお複数の嗜好性固形原料
が充填されている場合は、最小の嗜好性固形原料を基準
とする。嗜好性固形原料の大きさと飲み口流入部がかか
る関係を満たした場合、嗜好性固形原料は飲み口流入部
を通過することができないものとなる。
【0019】具体的には嗜好性固形原料として未粉砕の
コーヒー豆を用いた場合は、飲み口流入部は、内径5m
m以下の孔、もしくは長手方向の幅と垂直方向の隙間
(飲み口流入部の最大幅)が3.5mm以下のスリット
となっていることが望ましい。
【0020】また、粉砕していないカカオ豆の場合は、
飲み口流入部は、内径7mm以下の孔、もしくは長手方
向の幅と垂直方向の隙間(飲み口流入部の最大幅)が
5.5mm以下のスリットとなっていることが望まし
い。
【0021】また、粉砕していない茶葉の場合は、飲み
口流入部は、内径2mm以下の孔、もしくは長手方向の
幅と垂直方向の隙間(飲み口流入部の最大幅)が2mm
以下のスリットとなっていることが望ましい。
【0022】以下、本発明に用いる容器の形状を、図面
に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に用いる容
器の一例を示した図である。
【0023】図1において1はキャップ、2は飲み口、
3は飲み口2に設けられた吸引部、5は飲み口2に設け
られた流路、9は飲み口2に設けられた接合部、6はパ
ウチ本体である。容器は、パウチ本体6の上部4に、飲
み口2に設けられた接合部9を挿入した状態で、パウチ
上部4をヒートシールすることにより、パウチ本体6と
飲み口2とが一体成形されている。
【0024】飲み口2は、中空の管状構造となってお
り、キャップ1を螺着して飲み口の吸引部3の開口を密
封できるようになっている。また、キャップ1を開封後
は、飲用後に再びキャップを締めることで閉栓すること
が可能となっており、容器入り飲料を飲み残した場合も
携帯して再び飲用することができるようになっている。
飲み口2には、飲み口吸引部3内に嵌入された、管状構
造の飲み口流路5が設けられ、飲み口流路5の飲み口吸
引部3への嵌入部分と、飲み口流路5のパウチ底部8側
の開口とが各々飲み口流入部7a,7bとなっている。
【0025】飲み口2の構造について図2を用いて詳細
に説明する。図2(A)は、図1の飲み口2を詳細に示
した説明図である。また、図2(B)は、飲み口2を、
飲み口流入部7b側から見た底面図である。なお、図2
(B)において、斜線部分が飲み口流入部7a,7bを
示し、実際には中空となっている。
【0026】図2(A)において、飲み口流路5と飲み
口吸引部3とは、それぞれ中空の管状構造となってお
り、飲み口流路5は、飲み口吸引部3内に嵌入した状態
(図中破線で示す)となっている。そして、飲み口流路
5は、飲み口吸引部3内に設けられた4つの係止条(図
示せず)によって飲み口吸引部3内に固定されている。
【0027】また、接合部9はパウチ本体6と飲み口吸
引部3とを一体成形するために設けられたもので、図2
(B)に示すように、両端にいくにつれて先すぼまりの
紡錘形状となっており、パウチ上部4をヒートシールし
たときに、パウチ包材同士が密着、封止しやすい形状と
なっている。
【0028】図2(A)に戻り、接合部9は、その上部
につば部10が一体的に形成され、パウチ本体6内に飲
み口2を挿入する際の位置決めをしやすくなっている。
したがって、パウチ上部4の上端は、つば部10に当接
した状態でヒートシールされている。
【0029】次に、飲み口流入部7aは、飲み口吸引部
3と飲み口流入部5とを系止条(図示せず)で固定した
際に2つの管の間隙にできるスリット状構造となってい
る。ここでは、飲み口流入部5を、4つの系止条で飲み
口吸引部3内に固定しているので、図2(B)に示すよ
うに、飲み口流入部7aは4つに別れたスリットとなっ
ている。飲み口流入部7bは、飲み口吸引部3内に嵌入
されていない側の開口であり、断面形状は円形となって
いる。
【0030】上記図1、2に示した飲み口2及びパウチ
本体1を用いた本発明の容器入り飲料は図4に示すよう
なものである。図4において11は嗜好性固形原料、1
2は水性媒体である。パウチ本体6内には嗜好性固形原
料11と水性媒体12とが収容され、密封されている。
したがって、この容器入り飲料を飲用する最は、キャッ
プ1を開栓し、図1に示す飲み口吸引部3の開口から吸
引すると、飲料は飲み口流入部7aと7bとから吸い上
げられ、飲み口吸引部3に到達することによって飲用す
ることができる。
【0031】なお、上記図1、図2の例では、飲み口2
を二重管状構造にし、飲み口流入部7が2か所設けられ
るようにしているが、飲み口流路7は、この形状に限定
されるものではなく、飲み口2の、飲用者が吸引時に口
をつける開口部分以外に設けられていればよい。例え
ば、飲み口2を1本の管状構造とし、飲み口吸引部3側
の開口とは反対側の開口のみを飲み口流入部7としても
よい。あるいは、飲み口流路5のいずれかの位置に適宜
孔やスリットを設けてもよい。もしくは図3のようにこ
れらの構造を複数組み合わせるようにしてもよい。
【0032】図3は、本発明に用いる容器の飲み口2の
他の一例を示した説明図である。図において7c,7d
は飲み口流入部である。飲み口2は、一本の管状構造と
なっており、飲み口流入部7は2ヶ所設けられている。
すなわち飲み口吸引部3側の開口3とは反対側の開口が
飲み口流入部7cとなっており、飲み口流路5に設けら
れた同一形状の複数の孔が飲み口流入部7dとなってい
る。したがって、飲み口吸引部3の開口から吸引する
と、飲料は飲み口流入部7cと7dとから吸い上げら
れ、飲み口吸引部3に到達することによって飲用するこ
とができる。
【0033】これらの中でも、図1の例のように飲み口
流入部7を、容器の底部側(7b)と容器の上部側(7
a)とに設けるようにすると、飲料を吸引したときに、
嗜好性固形原料が飲み口流入部に集中して目詰まりを起
すことがなく、スムーズに吸引することができ、好適で
ある。
【0034】また、飲み口流入部7の断面形状は上記例
のような円形、スリット状に限らず、任意に設定すれば
よい。また、大きさも適宜設定すればよく、形状、大き
さを複数組み合わせてもよい。但し、パウチ本体内に収
容された嗜好性固形原料が通過できない大きさおよび形
状であることが必要である。なお、飲み口2全体の製造
方法は特に限定するものではなく、射出成形等の公知の
製造方法を用いればよい。
【0035】上記嗜好性固形原料と、水性媒体と、容器
とを用いて、本発明の容器入り飲料は例えば次のように
して製造することができる。
【0036】まず、必要に応じて前処理された嗜好性固
形原料と水性媒体とを、容器の開口部から収容する。嗜
好性固形原料と水性媒体とは重量比で1:5〜1:30
となるよう収容することが望ましい。この比率よりも水
性媒体が少ないと、嗜好性固形原料から抽出される成分
の濃度が低くなり、良好な香り、味が出にくくなる傾向
にある。逆に水性媒体が多いと、抽出される成分の濃度
が低くなり、良好な香り、味が乏しくなる傾向にある。
【0037】なお、上記嗜好性固形原料と水性媒体とを
容器に収容、密封する具体的方法としてはキャップ1で
閉栓された飲み口2を、接合部9を介してパウチ本体6
の上部4と接合(ヒートシール)した状態でパウチ底部
8の開口部から嗜好性固形原料と水性媒体とを充填した
後、開口底部をヒートシールして密封する方法や、パウ
チ底部8をヒートシールした後、パウチ上部4の開口部
(飲み口2側)から嗜好性固形原料を充填し、開口部に
飲み口2を挿入し、接合部9を介して、パウチ上部4と
接合(ヒートシール)して飲み口2から水性媒体を充填
して飲み口2にキャップ1を密封する方法などが挙げら
れる。
【0038】次に、密封された容器入り飲料を加熱処理
する。加熱処理条件は、嗜好性固形原料の種類によって
適宜設定すればよく、例えば、コーヒー豆を用いる場合
は、100℃以上、好ましくは110〜125℃で10
〜70分(好ましくは20〜60分)の範囲で行うこと
が良好な風味、長期保存安定性を得る点で望ましい。ま
た、乳製品などの蛋白質を含有する水性媒体を用いた場
合、抽出の段階で部分的にpHが極端に低い部分が形成
されると、かかる部分で蛋白質の凝固が起こりやすい傾
向にある。かかる現象を防止するためには、水性媒体が
容器内で流動した状態で抽出を行うことが好ましい。こ
のような方法として具体的には、例えば回転レトルト装
置、連続レトルト装置などを用いる方法が挙げられる。
【0039】このようにして加熱処理された容器入り飲
料は、密封容器内で、嗜好性固形原料からの抽出が行わ
れると同時に、殺菌処理も行われるので、通常の缶入り
コーヒーでは、製造工程中で飛散しやすい良好な香気成
分や味を完全に保持するとともに、長期保存も可能とな
る。
【0040】次に、本発明を実施例に基づき具体的に説
明する。 (実施例1)ポリエステル、アルミニウム、ポリプロピ
レンを最内層からポリプロピレン、アルミニウム、ポリ
エステルの順に貼り合わせてなる耐熱性(耐熱温度12
5℃)を有するフィルム材を図1に示す形状に製袋し
た、容量250mlのパウチ本体に、焙煎したコーヒー
豆を未粉砕のまま11g充填した。パウチ上部4開口に
ポリプロピレン製飲み口2をつば部10の位置まで挿入
した後、パウチ上部4と飲み口2とを接合部9を介して
ヒートシールした。なお、飲み口2は図2に示すような
形状をしており、飲み口吸引部3は内径8.9mmの円
筒形とし、飲み口流路5は、内径4.2mmの円筒形流
路とし、飲み口7bの内径形状も同様とした。飲み口流
入部7aは、間隙寸法1.5mmの4穴スリット状流路
によって構成されているものを用いた。
【0041】次にグラニュー糖4%,重曹0.1%を添
加したpH8.0の水性媒体を200g飲み口2より充
填し、その後飲み口2をプラスチックキャップ1にて密
封した。そしてこの密封容器をレトルト殺菌装置内に収
納し、118℃、1.5kg/cm2 の条件(差圧1.
0kg/cm2 以下)で30分間加熱処理を行い、容器
入りコーヒー飲料を得た。かかる容器入り飲料は加熱処
理を行った後でも、容器の剥離、割れ、ピンホール変形
等の発生を生ずることがなく、耐熱性、耐圧性を有する
ものであった。また、125℃の温度にも耐える耐熱性
も有していた。
【0042】(実施例2)実施例1において水性媒体と
して、グラニュー糖4.5%、牛乳8%、10%水酸化
ナトリウム水溶液0.6%、蔗糖脂肪酸エステル0.0
5%、クエン酸モノグリセリド0.04%の配合組成で
pH11の水溶液を用いた。また、加熱処理を120
℃、2.0kg/cm2 (差圧1.0kg/cm2
下)の条件で35分間2回転/分の回転レトルトで行う
以外は実施例1と同様にして容器入りコーヒー飲料を得
た。
【0043】(実施例3)実施例1において水性媒体と
して、グラニュー糖4%でpH7の水溶液を用いる以外
は実施例1と同様にして容器入りコーヒー飲料を得た。
【0044】(実施例4)実施例2において水性媒体中
の10%水酸化ナトリウム水溶液の添加量を1.0%と
し、pH12.5の水溶液とする以外は実施例2と同様
に実施して容器入りコーヒー飲料を得た。
【0045】(比較例1)実施例1においてパウチ包材
の飲み口2を図3に示した形状に変えた以外は実施例1
と同様に実施して容器入りコーヒー飲料を得た。なお、
飲み口2は、内径8.5mmの飲み口流入部7cと、飲
み口流路5中に設けられた幅5mmのスリット状飲み口
流入部7dを形成したものを用いた。なお、かかる飲み
口流入部の大きさはコーヒー豆が通過することのできる
大きさである。
【0046】次に実施例1〜4と比較例1のコーヒー飲
料について、香り、味の比較を官能検査により調査した
結果を表1に示した。評価点はそれぞれ非常に良いを5
点、良いを4点、普通を3点、悪いを2点、非常に悪い
を1点として、30人で評価した。
【0047】
【表1】
【0048】表1の結果から比較例1はパウチ包材の飲
み口部分からコーヒー飲料と共にコーヒー豆が出てくる
ため、非常に飲みにくく、飲み口に直接口をつけて吸い
ながら飲むことは非常に困難であった。これに対し、実
施例1〜4のコーヒー飲料はコーヒー豆を混飲すること
なくスムーズに片手で飲用に供することができた。な
お、上記の飲料の香り、味の官能検査において、比較例
1はコーヒー豆を濾過した後、官能検査に使用して行っ
た。
【0049】本発明のうちでも、特に実施例1,2の結
果が特に良好であり、用いる水性媒体はpH8〜12が
良好であることが分かる。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明の容器入り飲料は、
コーヒー豆等の嗜好性固形原料を水性媒体と共に、特定
形状の容器に収容しているので、飲み口を開けるだけ
で、片手でそのまま飲用することができ、かつ飲用時に
嗜好性固形原料が混飲されず、飲用液だけをスムーズに
飲用することができ、かつ長期流通保存可能である。ま
た得られる飲料は、香り、味共に従来の缶飲料に比べて
格段に優れており、嗜好性固形原料の風味が活かされた
本格的な飲料を簡便に楽しむことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いる容器の一例を示した図であ
る。
【図2】 本発明の容器で用いる飲み口の一例を示した
図である。
【図3】 本発明の容器に用いる飲み口の他の一例を示
した図である。
【図4】 本発明の容器入り飲料の一例を示した図であ
る。
【符号の説明】
1.キャップ 2.飲み口 3.飲み口吸引部 4.パウチ上部 5.飲み口流路 6.パウチ本体 7a,7b,7c,7d.飲み口流入部 8.パウチ底部 9.接合部 10.つば部 11.嗜好性固形原料 12.溶液部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器に嗜好性固形原料と水性媒体とが収
    容、密封されてなる容器入り飲料であって、該容器が、
    下記条件(A)〜(C)を満たすことを特徴とする容器
    入り飲料。 (A)パウチ本体と飲み口とからなる容器である。 (B)温度125℃、差圧1.0kg/cm2 に耐えら
    れる耐熱性および耐圧性を有する。 (C)上記飲み口に設けられた飲み口流入部が容器内の
    嗜好性固形原料が通過できない大きさもしくは形状であ
    る。
  2. 【請求項2】 飲み口流入部の長径が容器内の嗜好性固
    形原料の最小断面長径以下であるか、または飲み口流入
    部の最大幅が容器内の嗜好性固形原料の最小断面幅以下
    であることを特徴とする請求項1の容器入り飲料。
  3. 【請求項3】 嗜好性固形原料が未粉砕のコーヒー豆、
    茶葉、カカオ豆、だし昆布、鰹節のいずれかである請求
    項1記載の容器入り飲料。
  4. 【請求項4】 容器内に未粉砕のコーヒー豆と水性媒体
    とが収容、密封されてなる容器入り飲料であって、該容
    器が、下記条件(D)を満足することを特徴とする請求
    項1記載の容器入り飲料。(D)飲み口流入部が幅4m
    m以下のスリットまたは内径6mm以下の略円形であ
    る。
  5. 【請求項5】 容器内に嗜好性固形原料と水性媒体とを
    収容し、密封した後加熱処理することを特徴とする請求
    項1記載の容器入り飲料の製法。
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