JPH11288670A - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents

プラズマディスプレイ装置

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Publication number
JPH11288670A
JPH11288670A JP10091550A JP9155098A JPH11288670A JP H11288670 A JPH11288670 A JP H11288670A JP 10091550 A JP10091550 A JP 10091550A JP 9155098 A JP9155098 A JP 9155098A JP H11288670 A JPH11288670 A JP H11288670A
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JP
Japan
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panel
duct cover
plasma display
display device
fan
Prior art date
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Pending
Application number
JP10091550A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Ogawa
英夫 小川
Takao Kochiyama
隆男 河内山
Kazunari Shigetoshi
一成 重歳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱歪によるパネルの封止の破れを防止する。 【解決手段】 ファンが取り付けられたダクトカバー5
0が、プラズマディスプレイパネルの背面1Cを覆うよ
うに設けられる。両者の周辺は部分的に、断熱性ある断
熱接続部材53で接続される。断熱接続部材53で接続
されない背面1Cとダクトカバー50の周辺の部分には
通風用の隙間52Aが設けれ、しかもこの部分には、周
辺に沿ってバリヤー54が配置される。冷却のための外
部の空気は、通風口52とともに隙間52Aを通じて、
ダクトカバー50で覆われた領域内へと流入し、ファン
51によってかき混ぜられた上で、ファン51を通じて
外部へと排出される。断熱性接続部材53とバリヤー5
4は、パネル1の中で発熱のない有効部境界100の外
側を覆うように設置されるので、最も熱歪が発生し易い
部位において、熱歪の発生が抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プラズマディス
プレイ装置に関し、特に、パネルの熱歪を有効に抑える
ための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイ装置のパネルは、
一般に、互いに重ね合わせられた2枚のガラス板を備え
ている。これら2枚のガラスは、所定の間隔を保つよう
に互いに平行に配置され、重なり合っている部分の周辺
のすぐ内側が、全周にわたって、周辺封じ部材によって
気密性を保ちつつ接着されている。この中には所定のガ
スが充填されている。周辺封じ部材で囲まれた範囲のさ
らに内側には、画像の映し出される範囲である有効部が
設定されている。
【0003】有効部には所定数の放電電極が配置されて
おり、画像はこの有効部に映出される。すなわち、有効
部の放電電極相互の間に、画像に応じたプラズマ放電が
引き起こされ、それによって紫外線が生成され、生じた
紫外線が蛍光体によって可視光線へと変換される。そし
て、この可視光線が、ほぼ透明となっているパネルの前
面から取り出される。有効部は、有効部境界によって縁
取られている。このように、プラズマディスプレイ装置
では、画像の映出のためにプラズマ放電が利用されるの
で、動作中のパネルの有効部は相当量の発熱をともな
う。
【0004】しかしながら、パネルの発熱は、画像に応
じて発生するため、最近行われつつあるような高出力の
条件下では、画像の明るい部分において、昇温に起因す
る大きな局部的熱歪がパネルに生じ、最悪の場合には、
パネルの封止が破れる(気密性が保てなくなる)という
問題点があった。このため、プラズマディスプレイ装置
には、熱放散のための工夫が施されている。
【0005】その一つとして、パネルの面の中で、画像
が映し出される前面に対向する面である背面全体を覆う
ように、カバー(ダクトカバー)を設け、この内部をフ
ァンで強制換気し、一方、画像の映出動作のための回路
基板類は、このカバーの外に配置する構造が知られてい
る。その例として特開平9-22658号公報(プラズマディ
スプレイ装置)を挙げることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パネル
が発熱に起因して、その封止が破れてしまう現象にとっ
て、温度が高くなることだけが問題なのではなく、同一
パネル内で昇温の著しい部分とそうでない部分とが生じ
ることが問題なのであり、原理的には、この温度不均一
を少なくすることこそが重要である。温度不均一の問題
は、明るい画像が映し出されている部分とそうでない部
分の間の問題といえるが、中でも、画像の映し出される
有効部とこれを取り囲んでいて発熱のない周辺部との間
の問題が重要である。発熱がなく従って熱膨張の少ない
周辺部には、熱歪として大きな引張り歪が生じるためあ
る。
【0007】また、強制換気に伴う騒音は、なるべく小
さくすることが望まれる。同時に、プラズマディスプレ
イ装置が、薄型ディスプレイとして、その有用性を高め
ている以上、装置全体の厚さが大きくならないための配
慮も必要である。
【0008】この発明は、従来の装置における上記した
問題点を解消するためになされたもので、パネルに生じ
る熱歪を減少させ、封止の破れを防止することのできる
プラズマディスプレイ装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明の装置は、プ
ラズマディスプレイ装置であって、画像を映し出す前面
とこれに対向する背面とを規定するパネルと、前記背面
と所定の間隔を保って当該背面の略全面を覆うダクトカ
バーと、当該ダクトカバーに取り付けられ、当該ダクト
カバーで覆われた領域の中の空気を、当該領域の外へと
排出するファンと、前記ダクトカバーの周辺に沿って部
分的に、前記ダクトカバーと前記背面との間を、空気の
流通を妨げるように接続する側壁部と、を備え、当該側
壁部が、断熱性の接続部材を含んでいる。
【0010】第2の発明の装置は、第1の発明のプラズ
マディスプレイ装置において、前記接続部材が緩衝性を
有する。
【0011】第3の発明の装置は、第1または第2の発
明のプラズマディスプレイ装置において、前記パネルの
中で前記画像が映し出される部分が、有効部として、有
効部境界で縁取られており、前記接続部材が、前記背面
の中で前記有効部境界の外側の部分を覆っている。
【0012】第4の発明の装置は、第1または第2の発
明のプラズマディスプレイ装置において、前記パネルの
中で前記画像が映し出される部分が、有効部として、有
効部境界で縁取られており、前記周辺に沿って前記側壁
部のない範囲には、前記ダクトカバーと前記背面との間
に、空気の流通が可能な隙間が規定され、前記装置は、
前記隙間が規定される前記範囲にわたって、前記背面の
中の前記有効部境界の外側を覆うように設けられ、しか
も、前記隙間を閉塞しないように設けられたバリヤー
を、さらに備えている。
【0013】第5の発明の装置は、第4の発明のプラズ
マディスプレイ装置において、前記バリヤーが断熱性材
料で構成されている。
【0014】第6の発明の装置は、第4の発明のプラズ
マディスプレイ装置において、前記パネルの輪郭形状が
略矩形であり、略矩形をなす前記輪郭形状の一組の対辺
の一方から他方へと向かって、下1/3領域、中1/3
領域、および、上1/3領域の3領域へと、前記パネル
が観念上、略三等分に分割され、前記ファンは、前記ダ
クトカバーの前記上1/3領域に相当する範囲に取り付
けられており、前記側壁部は、前記ダクトカバーの前記
周辺の中で、前記下1/3領域に相当する範囲を除いて
設けられている。
【0015】第7の発明の装置は、第6の発明のプラズ
マディスプレイ装置において、前記ダクトカバーの前記
下1/3領域に相当する範囲に、通風口が形成されてい
る。
【0016】第8の発明の装置は、第6または第7の発
明のプラズマディスプレイ装置において、前記背面の上
に取り付けられたフィンを、さらに備え、当該フィン
は、突起するフィン有効部の表面が、前記一組の対辺に
直交する直線に沿うように方向付けられ、前記フィン
は、前記下1/3領域および前記上1/3領域のいずれ
よりも多く、前記中1/3領域を占めるように、取り付
けられている。
【0017】第9の発明の装置は、プラズマディスプレ
イ装置であって、画像を映し出す前面とこれに対向する
背面とを規定するパネルと、前記背面と所定の間隔を保
って当該背面の略全面を覆うダクトカバーと、当該ダク
トカバーに取り付けられ、当該ダクトカバーで覆われた
領域の中の空気を、当該領域の外へと排出するファン
と、前記背面に取り付けられたフィンとを、備えてい
る。そして、当該フィンは、熱良導性の金属板を、折り
筋が平行となるように折り曲げることによって、底板部
と当該底板部から起立するフィン有効部とを含む反復単
位が、周期的に並ぶように形成されており、前記フィン
は、前記底板部を前記背面に接着することによって、前
記背面に取り付けられている。
【0018】第10の発明の装置は、第9の発明のプラ
ズマディスプレイ装置において、前記フィンは、前記折
り筋の方向に沿って、複数個に分割されている。
【0019】第11の発明の装置は、第9または第10
の発明のプラズマディスプレイ装置において、前記底板
部と前記背面の一方に突起が設けられ、他方がこれに係
合することによって、前記フィンが前記背面の所定の位
置に位置決めされている。
【0020】第12の発明の装置は、プラズマディスプ
レイ装置であって、画像を映し出す前面とこれに対向す
る背面とを規定するパネルと、前記背面と所定の間隔を
保って当該背面の略全面を覆うダクトカバーと、当該ダ
クトカバーに取り付けられ、当該ダクトカバーで覆われ
た領域の中の空気を、当該領域の外へと排出するファン
と、を備えている。そして、前記ファンが、回転翼を有
する軸流ファンであり、前記回転翼の先端が描く軌跡の
半径R1、回転翼のつけ根が描く軌跡の半径R2、およ
び、前記軸流ファンが取り付けられている部位での前記
背面と前記ダクトカバーの間の距離Dにもとづいて定義
されるファン直前通風面積S=2πR1Dと有効断面積
F=π(R1 2−R2 2)との間の比率S/Fが、S/F=
0.7〜1.2の範囲の値に設定されている。
【0021】第13の発明の装置は、第12の発明のプ
ラズマディスプレイ装置において、前記軸流ファンが複
数個の単位軸流ファンに分割して配置されており、前記
複数個の単位軸流ファンの各々について、前記比率S/
Fが、S/F=0.7〜1.2の範囲の値に設定されて
いる。
【0022】第14の発明の装置は、第1ないし第13
のいずれかの発明のプラズマディスプレイ装置におい
て、前記パネルが、外側の面に前記前面を規定するフロ
ントパネルと、当該フロントパネルの内側の面に対向し
て配置されたバックパネルとを備え、前記装置は、前記
ダクトカバーの前記パネルに対向する面とは反対側の面
に取り付けられた回路基板を、さらに備えている。そし
て、前記パネルの周辺に沿って少なくとも部分的に、前
記フロントパネルと前記バックパネルとの間で、一方が
他方より外方に張り出している張り出し部が形成されて
おり、前記装置は、前記張り出し部と前記回路基板とを
接続する可撓性の回路接続フィルムを、さらに備え、前
記回路接続フィルムは、前記バックパネルの端面を覆う
ように配置されている。さらに、前記側壁部は、前記パ
ネルの前記周辺に沿って、前記回路接続フィルムが配置
されている部分の少なくとも一部を避けて設けられてお
り、当該少なくとも一部においては、前記ダクトカバー
と前記背面との間に、空気の流通が可能な隙間が規定さ
れている。
【0023】第15の発明の装置は、第1ないし第14
のいずれかの発明のプラズマディスプレイ装置におい
て、前記パネルが、外側の面に前記前面を規定するフロ
ントパネルと、当該フロントパネルの内側の面に対向し
て配置されたバックパネルと、前記バックパネルに密着
するとともに前記背面に露出する熱良導性の伝熱板と、
を備えている。
【0024】
【発明の実施の形態】<1.実施の形態1>はじめに実施
の形態1のプラズマディスプレイ装置について説明す
る。
【0025】<1-1.装置の構成>図1は、本発明の一つ
の実施の形態としてのプラズマディスプレイ装置の部分
破断背面図である。また、図2は同装置の断面図であ
り、図3は、同装置の要部の背面斜視図である。これら
の図において、パネル1は、長方形のガラス板を備えて
おり、プラズマディスプレイ装置の発光部本体を構成す
る。パネル1は、画像が映出される前面1Aとこれに対
向する外面である背面1Bとを有するガラス板を、主な
構成要素としている。前面1Aには、画像を表示する部
分である有効部が規定される。有効部は、有効部境界1
00によって縁取られている。図1および図2は、有効
部境界100を二点鎖線で示している。
【0026】なお、映出される画像は前面1Aの側から
しか見ることができず、したがって、有効部境界も前面
1Aからしか見ることはできないが、本明細書では、有
効部境界100は、背面1Bにまで及ぶものとする。す
なわち、画像が映し出される前面1Aから見える有効部
境界を通り、しかも、前面1Aに垂直な面を仮想し、こ
れとパネル1の諸面とが交差する線を有効部境界100
と称する。
【0027】また、本実施の形態のプラズマディスプレ
イ装置は、使用に際しては、図1に示す長方形のパネル
1の左右両辺が、鉛直方向に沿うように設置される。し
たがって、本明細書では、装置に関して、上下、左右、
水平、垂直等の表現は、この使用状態を基準とするもの
とする。例えば、図2においては、手前側が装置の下方
となる。
【0028】パネル1の背面1Bには、伝熱板30が、
接着部材としての粘着シート31を用いて、全面にわた
って貼り付けられている。伝熱板30は、例えば、適当
な厚さのアルミニウム板またはアルミニウム合金板によ
って構成される。
【0029】なお、以下の実施の形態では、すべてガラ
スの背面1Aに伝熱板30が貼り付けられた例を示す
が、本発明では、伝熱板30が必須であるわけではな
い。そこで、以下において、伝熱板30が貼り付けられ
ていていても、その表面を改めてパネル背面と称するこ
ととし、符号1Cで、これを表示するものとする。つま
り、背面1Cは、伝熱板30が貼り付けられておれば、
伝熱板30の表面を指し、貼り付けられていない場合に
は、パネル1の画像の映出される前面1Aとは反対側の
ガラス板の背面1B(大気に曝される側)を指すものと
する。
【0030】背面1Cに所定の距離を保って向き合い、
しかも、背面1Cの略全面を覆うように、ダクトカバー
50が設けられている。ダクトカバー50は、薄い金属
板で構成される。ダクトカバー50は、パネル1の外周
から十分内側に入った部位に垂直に立てられた複数個の
適当な長さの金属棒であるスタッド32に、ネジなどで
固定されている。スタッド32は、厚手の金属板で構成
される保持板33に、溶接などによって植設されてお
り、この保持板33が、粘着シート34によって背面1
Cへ、しっかりと貼り付けられている。これらによっ
て、ダクトカバー50が、背面1Cへと固定されてい
る。
【0031】スタッド32および保持板33の材料は、
例えば、いずれもアルミニウム合金である。なお、ダク
トカバー50で覆われた空間には、保持、冷却、およ
び、温度均一化の目的以外のもの、例えば、回路基板な
どは配置されない。ダクトカバー50には、2個のファ
ン51が左右対称に取り付けられている。ファン51
は、いわゆる軸流ファンであり、ダクトカバー50で覆
われた領域の空気を、領域外へ向かって送り出すように
機能する。
【0032】ファン51の直径はパネル1の水平長の8
〜12%程度とし、取り付け高さは上方に偏り、その中
心がダクトカバー50の上辺からファン51の直径の
1.5倍程度の部位に位置する。左右方向の位置は、ダ
クトカバー50の水平長の3等分点と4等分点の間に設
定されている。すなわち、パネル1の全高を3等分し、
上段に相当する上1/3領域、中段に相当する中1/3
領域、および、下段に相当する下1/3領域を定義する
と、ファン51は、上1/3領域の中にバランスを考え
て配置されている。
【0033】ダクトカバー50には、また、複数個の通
風口52が設けられている。通風口52は下方に偏って
設けられており、特に、下1/3領域に設けられる。ダ
クトカバー50は、さらに、その左右両端の周辺部に左
右折り曲げ部50Aを有し、上端の周辺部に上部折り曲
げ部50Bを有している。左右折り曲げ部50Aは、ダ
クトカバー50の左右端が90度の角度をもって折り曲
げられたものであるが、設けられている範囲が上方に偏
っており、下1/3領域におおよそ該当する範囲には設
けられていない。
【0034】上部折り曲げ部50Bの折り曲げ構造は、
左右折り曲げ部50Aと略同じであるが、上辺全体にわ
たって形成されている。図3の斜視図は、折り曲げ部
と、以下に述べるその周辺部材との関係を示している。
左右折り曲げ部50Aおよび上部折り曲げ部50Bの先
端と、背面1Cとの間には、断熱性接続部材53が配置
されている。断熱性接続部材53の幅は、背面1Cの輪
郭をなす外周端縁から有効部境界100の付近までを覆
うように定められる。断熱性接続部材53は、例えば、
スポンジ状の発泡性樹脂で構成される厚手のテープ状の
部材であり、背面1Cに接着剤、あるいは、粘着シート
などで接着されている。
【0035】折り曲げ部50A,50Bは、それらの先
端が断熱性接続部材53に食い込むことにより、この部
分での空気の自由な流通を生じ難くしている。つまり折
り曲げ部50A,50Bと断熱性接続部材53で構成さ
れるダクトカバー50の側壁部は、ダクトカバー50で
覆われた領域の内外の通風をできなくしている。
【0036】背面1Cの周辺において、上述した側壁部
(左右折り曲げ部50Aおよび上部折り曲げ部50B)
が設けられていない部分には、バリヤー54が設けられ
ている。バリヤー54も、例えば、スポンジ状の樹脂で
構成される厚手のテープ状、ないしは、角柱の紐状の部
材であり、断熱性を有する。
【0037】バリヤー54は、背面1Cの周辺に貼り付
けられるが、ダクトカバー50と背面1Cの間隔に達し
ない範囲で、背面1Cの表面からある程度の高さを有し
て突出している。また貼り付けられる幅は断熱性接続部
材53の幅と同じ程度であるが、内側の端部の位置は、
後に述べる事情を考慮し定められる。本例では、内側の
端部の位置は、背面1Cの有効部境界100の外側に設
定されている。
【0038】<1-2.装置の動作>次に、このような構造
に由来する装置の特徴的な動作について説明する。プラ
ズマディスプレイ装置が動作するときに、昇温のために
パネル1の封止が破れるのは、つぎの原因によるもので
ある。すなわち、パネル1では、画像が映し出されると
きには、画像に応じて分布する電力消費が、その有効部
に発生する。パネル1の中で、画像の明るい部分では、
温度が局部的に上昇し、熱膨張しようとする結果、温度
上昇が少なく熱膨張の少ない部分に、引張り応力(ある
いは、引張り歪)が生ずる。この応力あるいは歪が、過
度に大きくなることによって、パネルの封止部の気密性
が保てなくなってしまうのである。
【0039】したがって、温度上昇が大きい部分の熱
を、なるべく早く、外部へと逃がすことは勿論ながら、
元々温度が低い部分では、むしろ積極的に温度上昇を図
ることが、パネルの封止部に加わる歪を少なくする上で
有効である。すなわち、温度上昇が大きい部分の熱を、
温度上昇が小さい部分へと運んで、局部的な温度の高低
差(温度勾配)をなるべく小さく抑えることが、有効な
対策となり得る。特に、発熱は、画像が表示される領
域、すなわち、有効部境界100で囲まれた領域で生
じ、この外側では生じないので、有効部境界100の付
近に、温度勾配の大きい部分が現れ易く、封止の破れる
部分が発生し易い。
【0040】この実施の形態の装置では、アルミニウム
を主成分とする伝熱板30が、パネル1を構成するガラ
ス板へと貼り付けられているので、局部的な温度勾配が
効果的に抑えられる。伝熱板30は、その材料がアルミ
ニウムそのものではなく、アルミニウムの合金である場
合でも、ガラスの100倍程度の高い熱伝導率を有す
る。したがって、映し出される画像の関係で、パネル1
の温度が局部的に上昇しても、伝熱板30がこの熱を周
辺の広い範囲へと分散させるので、温度勾配の大きい部
分の発生を防ぐことができる。
【0041】また、伝熱板30を、有効部境界100で
囲まれた領域から、その外側のパネル1の端部にまで達
するように配置すれば、これが有効部境界100の内側
から外側へと熱を運び、外側の温度を高めるように働
く。このため、有効部境界100の近傍での温度勾配を
低く抑えることができる。アルミニウムまたはその合金
は、価格も安く、この点でも、伝熱板30としての使用
に適している。
【0042】つぎに、冷却用の空気は、いくら冷却効果
を発揮するとはいえ、単に背面1Cの表面に当たるだけ
では、熱歪を抑える上では、余り効果的ではない。温度
の低い空気が背面1Cに局部的に当たり、局部冷却が起
こると、これが温度勾配を生じる原因になるからであ
る。すなわち、冷却風は、基本的には、背面1Cの一端
から他端に向かって、背面1Cの表面近くを層流をなし
て移動するのが好ましい。温度の高い空気にさらされる
部分があっても、その近傍が同じように温度の高い空気
にさらされるならば、それはそれで、局部的な温度勾配
の緩和には有効に作用するからである。
【0043】この実施の形態の装置では、背面1Cと適
当な間隔を保ったダクトカバー50が設けられるので、
温度勾配の発生が、さらに効果的に抑えられる。ダクト
カバー50と背面1Cの間には、開口は、下方にしか設
けられていないので、冷却風は下方からダクトカバー5
0内に吸い込まれ、ファン51による吸い込みと温度上
昇に伴う密度の減少とによって、ファン51が取り付け
られている上方へ向かって移動した後、ファン51によ
って排出される。
【0044】ダクトカバー50の上半部は、左右折り曲
げ部50A、上部折り曲げ部50B、および、断熱接続
部材53で覆われており、外部との間で空気の流通はほ
とんどない。この部分には、下方から比較的温度の高い
空気が上昇して来るが、この空気は、ファン51で送り
出される前に、すでにファン51で送り出されつつある
空気の移動の影響を受け、ファン51の付近で充分に撹
拌される。つまり上半部はほとんど密閉されているにも
関わらず、温度分布の点から見ると、比較的、均一性が
高くなるのである。
【0045】もしも仮に、上半部の背面1Cとダクトカ
バー50の周辺に、側壁部のない隙間があると、この隙
間を通過して外気が吸い込まれるため、比較的高温に保
たれているパネル上半部に局部的に冷却される部分が生
じることとなり、熱歪を低く抑える上では好ましくな
い。また、上方から外部の空気が、ダクトカバー50で
覆われた範囲に吸い込まれると、この影響で、下方の空
気を吸入する力が弱くなり、下方の冷却能力が減少する
という問題も生じる。この実施の形態の装置では、上半
部の背面1Cとダクトカバー50の周辺には、側壁部が
設けられ、外気の流れ込みが阻止されるので、パネル1
の上方、下方のいずれにおいても、熱応力が効果的に抑
えられる。
【0046】また、断熱接続部材53が設置されるため
に、さらに、つぎの3つの効果が得られる。第1は、上
記した空気の流通が阻止されるという効果である。第2
は、断熱接続部材53が設置された部位において、有効
部境界100の外側の冷却が抑えられるという効果であ
る。先に述べたように、有効部境界100の外側では発
熱がない。したがって、この部分を冷却するのは好まし
いことではなく、むしろ昇温を図ることが望まれる。
【0047】パネル1の内部を伝わって熱は有効部境界
100の外側にも運ばれるが(背面1Bに伝熱板30
が、有効部境界100の内側から外側にかけて、貼り付
けられている場合には、特にこの効果が大きい)、運ば
れている熱が途中で逃げないようにする必要がある。特
に、折り曲げ部50A,50Bの外側は、外部の空気に
触れてよく冷却されるため、これを防ぐことが重要であ
る。断熱性接続部材53は、この目的を有効に達成す
る。断熱を目的とするので、断熱性接続部材53には、
スポンジ状の材料の使用が適している。
【0048】有効部境界100のすぐ内側で発生する熱
は、その外側へ向かって、パネル1および伝熱板3を伝
って運び出される。したがって、断熱接続部材53を用
いて、有効部境界100の内側をも、ある程度の幅で覆
い、この熱を有効部境界100の外側の昇温、特に、パ
ネル1の最外周部の昇温に、利用する方が良い場合もあ
る。断熱接続部材53の幅は、この点をも考慮して決め
られるのが望ましい。
【0049】ダクトカバー50は、その中を通過中の空
気を冷却できるようにするために、一般には、熱伝導性
の良い金属板で構成されるのが望ましい。しかし、この
場合に、ダクトカバー50の周辺が、背面1C(特に、
伝熱板30)に、直接に接続されると、接続部付近にお
いて、パネル1が過度に冷却されることとなるのが通例
である。断熱性接続部材53には、このような不都合を
解消するという利点もある。
【0050】第3は、ダクトカバー50の振動を防止す
る効果である。有効部境界100の外側は断熱を必要と
するため、金属板で構成されるダクトカバー50を、背
面1Cのこの部分に直接に接続するのは好ましくない。
しかしながら、これらの間を接続しないと、折り曲げ部
50A,50Bを含むダクトカバー50の端部は、ファ
ン51の振動の影響を受け、耳障りな騒音を伴う共振を
起こしやすい。この実施の形態の装置では、断熱性接続
部材53が設けられるので、有効部境界100の外側に
おける断熱を保ちつつ、しかも、共振の発生を防止する
ことができる。断熱性接続部材53が、スポンジ状の緩
衝材料で構成されるときには、この効果が、特に有効に
発揮される。
【0051】これらの3通りの効果の中で、パネル1の
封止部に加わる歪を少なくするという観点からは、第2
の効果が特に重要である。したがって、断熱性接続部材
53の材料として、クッション性には乏しいが、断熱性
を有する材料を用いることも可能である。また、断熱性
のみに注目するならば、ダクトカバー50自体を、例え
ば樹脂で構成し、周辺の接続部である折り曲げ部50
A、50Bも同じ材料で構成し、これらをそのまま背面
1Cへと接続しても良い。
【0052】<1-3.下方部分の特徴>つぎに、特に、パ
ネル1の背面1Cの下方部分における特徴について説明
する。背面1Cの下方部分、特に、下1/3領域は、フ
ァン51から比較的遠く、この領域の空気は、ファン5
1によりかき混ぜられない。このため、この領域では、
空気の流れの速さ(風速)が小さいので、温度が上昇し
易い。この実施の形態の装置では、ダクトカバー50の
下1/3領域に相当する範囲には、複数個の通風口52
が設けられており、これによって、温度の上昇が低く抑
えられている。
【0053】温度均一化の点で最も微妙なのは、下1/
3領域、特に、その周辺部(左右両端縁と下端縁)であ
る。この周辺部についても、有効部境界100より外側
が冷却されるのは好ましくない。この実施の形態の装置
では、バリヤー54が設けられており、これによって、
有効部境界100の外側の冷却が抑えられている。
【0054】一方、有効部境界100の内側は、発熱が
生じる部分であるため、なるべく冷却したい部分であ
る。上記したように、通風口52が設けられるので、冷
却風は、この通風口52から吸い込まれる。しかしなが
ら、通風口52だけでは、冷却の効果が及ぶ範囲は限ら
れる。すなわち、下方部分では、保温したい部分と冷却
したい部分とが、互いに近接するという問題が、他の部
分に比べてより顕著に現れる。
【0055】この実施の形態の装置は、この問題を、隙
間52Aによって解決している。すなわち、図4または
図5の断面図が示すように、ダクトカバー50の周辺と
背面1Cとの間に、隙間52Aが設けられる。それと同
時に、背面1C上の有効部境界100の外側には、断熱
性の材料で構成されるバリヤー54が設けられる。
【0056】以上の構造の下で、ファン51が動作する
と、外部の空気が、隙間52Aを通過して、ダクトカバ
ー50で囲まれた領域内に吸い込まれる。隙間52Aが
設けられた部位には、同時に、バリヤー54が設けられ
ているため、冷却のための気流は、図4または図5に矢
印で示すように、背面1Cには直接に接触しない。この
ことと、バリアー54の断熱効果とによって、背面1C
の有効部境界100の外側における冷却が抑えられる。
すなわち、効部境界100の外側の部分では、保温を極
力図ると同時に、有効部境界100のすぐ内側では外部
からの空気による冷却を図ることが可能となっている。
【0057】隙間52Aの形態として、図4に示すよう
に、ダクトカバー50の端縁に、バリヤー54に達しな
い程度に、折り曲げ部50Cが設けられ、それらの間隙
として隙間52Aが形成される例や、図示を略するが、
折り曲げ部50Cがバリヤー54に達する部分と、バリ
ヤー54に達せずに隙間52Aを規定する部分とが、端
縁に沿って反復的に並ぶように形成される例があり得
る。また、図5に示すように、ダクトカバー50の端縁
が、バリヤー54の真上から幾分後退した部位に位置す
るように、ダクトカバー50が背面1Cを覆う範囲を狭
くした例も実施可能である。
【0058】なお、図3に示した例では、左右折り曲げ
部50Aの下端、すなわち、断熱接続部材53とバリヤ
ー54の継ぎ目において、これら断熱接続部材53とバ
リヤー54の頭部が、階段状になっているが、製造コス
トの上昇を顧みる必要がなければ、スムーズに連結する
ように形成されるのが、より望ましい。また、コスト節
減を最も重視するのであれば、断熱接続部材53を、そ
のまま幅や高さを変えずに延長することによって、バリ
ヤー54とすることも可能である。また、言うまでもな
く、バリヤー54は、背面1C上の有効部境界100の
内側にまで入り込んでもよい。
【0059】以上に述べたように、バリヤー54は、空
気の流れのコントロールと断熱との二つの働きをなして
いる。これらのいずれにおいても重要なことは、バリヤ
ー54が、ダクトカバー50ではなく、背面1Cに付着
していることである。
【0060】<2.実施の形態2>図6は、実施の形態1
の装置がさらに改良されてなる実施の形態2の装置の背
面図である。図6では、図1におけるダクトカバー50
を除去することによって、背面1Cが直接に見えるよう
に描かれている。この装置では、図1に現れる構成は、
そのまま保たれている。図1における主要な部材の一つ
である断熱接続部材53は、図6では、2点鎖線で示さ
れている。また、ダクトカバー50を伝熱板30へ固定
するスタッド32等の部材については、図示が略されて
いる。
【0061】図6に示されるように、この装置の背面1
Cには、配列する多数のフィン60が、取り付けられて
いる。フィン60は、鉛直方向の気流を妨げないよう
に、突起するフィン有効部の延在方向(長手方向)が鉛
直方向に沿うように、取り付けられ、しかも、背面1C
上でその全高を3等分したときの中央の領域に重点的に
取り付けられる。なお、図6では、多数のフィン60の
大部分は、二点鎖線の枠の形式で、簡略化して描かれて
いる。
【0062】図7は、フィン60の形状の一例を示す斜
視図である。この例では、フィン60は、フィン有効部
60A、上板部60B、および、底板部60Cを有する
ように、直角に折れ曲がったジグザグ模様状(いわゆる
長城模様状)の断面形状を有し、しかも、折曲げ線が互
いに平行かつ周期的に現れるように、折曲げられた薄い
(例えば厚さ0.4mm)のアルミ板で構成される。折
り曲げ線の方向は、上記したフィン有効部60Aの延在
方向に一致する。そして、フィン60は、底板部60C
に付された接着剤または粘着シートによって、背面1C
の上の所定の部位に取り付けられる。
【0063】上述したように、フィン60は、フィン有
効部60Aの延在方向が鉛直方向に一致するように取り
付けられる。すなわち、フィン有効部60Aは鉛直方向
に沿って直立する。背面1Cには多数のフィン60が取
り付けられ、しかも、各々のフィン60には、多数のフ
ィン有効部60Aが備わる。これらのフィン有効部60
Aは、すべて鉛直方向に沿って直立している。
【0064】すでに述べたように、図1の装置では、外
部の空気が、ダクトカバー50の下方から吸い込まれ、
上方から排出されるが、その間の中間部では、パネル1
の温度は、その勾配をなるべく緩くする観点からする
と、下から上に向かうのにともなって、等温線が水平と
なるように、徐々に上昇する様な分布をなすのが好まし
い。
【0065】したがって、気流は撹拌されず、層流をな
して整然と上方へ向かうことが望ましい。さらに中間部
は、実質的に最も発熱が多い部分であるために、冷却効
果の上で、背面1Cの表面だけでは空気に接する面積
が、十分でない場合がある。フィン60は、層流の維持
と冷却との、双方の効果を発揮し、それによって、これ
らの問題を同時に解消する。
【0066】本実施の形態の装置では、図6に示すよう
にパネル1の全高を3等分してなる3段の領域の各々で
は、主要にはつぎの機構を通じて、熱応力の抑制が達成
される。すなわち、下1/3領域では外部の空気のいわ
ば吹き付けによる冷却、中1/3領域ではフィン60に
よる放熱と、層流形成を通じてのなだらかな温度勾配の
形成、そして、上1/3領域ではファン51での撹拌に
よる均温化である。
【0067】図6の例では、フィン60は、中1/3領
域を鉛直方向に沿ってさらに3等分してなる3区間の各
々に一列ずつが納まるように、3列に分割配置されてい
る。すなわち、1個のフィン60に属するフィン有効部
60Aの鉛直方向に沿った長さが、過剰に長くなること
を防いでいる。このため、フィン60と背面1Cとの間
の密着性が向上する。
【0068】フィン60は、フィン有効部60Aの延在
方向に直交する方向には十分な可とう性を有するが、延
在方向には十分な可とう性を有しない。底板部60C
は、張り付け前の加工などのため、平坦度が十分に良好
でない場合があり、背面1Cの平坦度も必ずしも十分に
良好であるとは限らない。特に、ガラス板の背面1Bに
伝熱板30が貼り付けられることにより、パネル1の背
面1Cが形成されている場合は、ガラス板の背面1Bの
凹凸に、伝熱板30を張り付けたことによって新たに生
じる凹凸が加わるため、その平坦度は必ずしも良好では
ない。
【0069】したがって、フィン60のフィン有効部6
0Aが過度に長いときには、フィン60を背面1Cへ貼
り付けるときに隙間が生じ、所望の放熱特性が得られな
くなる恐れがある。また、通常の接着を行う場合とは異
なり、背面1Cとフィン集合体60の接着部に厚いクッ
ション材を挟むことは、伝熱性を損なうので避けねばな
らない。
【0070】この実施の形態の装置では、フィン60が
分割配置されることにより、フィン有効部60Aが過度
に長くならないように設定されているので、フィン60
と背面1Cの間の密着性が良好となり、それにより、背
面1Cからフィン60への伝熱性が良好に得られる。望
ましくは、フィン有効部60Aの延在方向の長さは、1
0cmを越えないよう設定される。
【0071】図8は、フィン60の断面形状の別の例を
示す断面図である。この例では、フィン60には、底板
部60Cとフィン有効部60Aとが備わり、上板部60
Bは備わらない。そして、断面形状には、図7のような
矩形ではなく三角形が、周期的に現れる。このフィン6
0も、図7の例と同様に、一枚のアルミニウム板を折り
曲げることによって、容易に構成可能である。そして、
折り曲げ線は、互いに平行であり、フィン有効部60A
の延在方向に一致する。
【0072】フィン60の断面形状として、図7および
図8のいずれでもない別の形態、例えば矩形でも三角形
でもない突起形状が、周期的に現れる形態も採り得る。
ただし、いずれの場合においても、空気の整流としての
流れを妨げないように、折り曲げ線はすべて平行とさ
れ、しかも、フィン60は、折り曲げ線が鉛直線に沿っ
て直立するように取り付けられる。また、図7および図
8に例示するように、断面形状には周期性を持たせるの
が望ましい。それによって、フィン60の製造工程が簡
易化される。
【0073】フィン集合体60の底板60Cの所定の位
置と背面1Cの所定の位置の一方と他方とに、それぞれ
突起と貫通孔が設けられている。これらは、位置決め機
構として機能する。図7に示す例では、伝熱板30の表
面である背面1Cに突起61が設けられ、フィン60の
底板60Cには貫通孔62が設けられている。
【0074】フィン60は、図6に示したように、中1
/3領域に、あたかもマトリクス状に、縦方向、横方向
のいずれにも分割して配置される。突起61と貫通孔6
2とが係合することによって、すべてのフィン有効部6
0Aが正確に直立するように、各フィン60を正しい姿
勢で取り付けるとともに、各フィン60の位置について
も正確に定めるための作業を、容易にかつ間違いなく行
うことが可能となる。また、このような位置決め機構を
用いることによって、用意する各フィン60を、互いに
同じ形に形成し、フィン有効部60Aの密度を、フィン
60の貼り付けの仕方だけで調整することが可能にな
り、この点でも、フィン60製造と取り付けのためのコ
ストの節減を図ることができる。
【0075】位置決め機構として、図7に例示する形態
だけでなく、例えば、打ち出しによって形成される突起
と、貫通しない穴状の凹みとの組み合わせなど、様々な
形態を採り得る。いうまでもなく、底板60C、背面1
C(伝熱板30)のどちらに突起が設けられてもよい。
背面1C(伝熱板30)に突起を設け、底板60Cには
何も設けず、その外形(フィン60全体の輪郭)または
折り曲げ模様(各底板部60Cの輪郭)を、突起の間に
はめ込む位置決め機構を採用することも可能である。
【0076】<3.実施の形態3>図9は、実施の形態3
の装置の背面図である。また、図10および図11は、
それぞれ、図9におけるB−B切断線およびC−C切断
線に沿った断面図である。パネル1は、互いに重ね合わ
されたフロントパネル2とバックパネル3とを有する。
これらのパネル2,3は、それぞれ、厚さ約3mmのガ
ラス板で構成される。画像が映出される前面1Aはフロ
ントパネル2の外面(外側表面)であり、背面1Bは、
バックパネル3の外面(フロントパネル2に向かい合わ
ない外側表面)に相当する。
【0077】フロントパネル2およびバックパネル3
は、いずれも長方形をなし、それらの大きさは、例え
ば、それぞれ約860mm×630mm、および840
mm×650mmである。これらの大きさが互いに異な
っているため、図12に示すように、両者を上下左右対
称に重ね合わせたとき、水平方向の端部(左右端)で
は、フロントパネル2がバックパネル3からはみ出し、
このはみ出し部分にフロント張り出し部2Aが形成さ
れ、また、垂直方向の端部(上下端)では、バックパネ
ル3がフロントパネル2からはみ出し、このはみ出し部
分にバック張り出し部3Aが形成されている。なお、フ
ロント張り出し部2Aとバック張り出し部3Aとの双方
を、「張り出し部」と総称する。
【0078】また、フロントパネル2およびバックパネ
ル3は、向かい合う面が所定の間隔を保つ様に、互いに
平行に配置され、両者が重なり合っている部分の最外周
には、全周にわたって、気密性を保ちつつ両者を接着す
る周辺封じ部材4が設けられている。パネル2,3と周
辺封じ部材4とによって封じ込まれた空間には、所定の
ガスが充填されている。
【0079】図9に戻って、背面1C(バックパネル3
の背面1B、または伝熱板30があればその表面)の上
には、背面1Cと平行で、背面1Cと適当な距離を保つ
ように、ダクトカバー50が設置されている。ダクトカ
バー50は、後述する下方部の通風機構以外は、実施の
形態1の装置と同様に構成される。例えば、ダクトカバ
ー50の上方にファン51が取り付けられ、下方部に通
風口52が形成されている点、断熱性接続部材53が設
けられる点などは、実施の形態1の装置と変わりない。
【0080】図10に示すように、フロントパネル2に
は、その有効部全体にわたって、所定数の多数の水平放
電電極10が、水平方向に互いに平行に規則正しく設け
られている。多数の水平放電電極10の一部は、周辺封
じ部材4を越えて左端のフロント張り出し部2Aに延長
され、この延長部に給電端子10Aが形成されている。
給電端子10Aは、FPCと称される可とう性のあるフ
ィルム状のプリント基板である回路接続フィルム11を
通じて、放電電力回路基板20へ接続されている。
【0081】水平放電電極10の別の一部は、反対側
(右端)のフロント張り出し部において、左端と同じよ
うな機構を通じて、別の放電電力回路基板20へと接続
されている。放電電力回路基板20は、スペーサ21に
よってダクトカバー50の背面に、適当な間隔をもって
固定されている。
【0082】一方、図11に示すように、バックパネル
3には、同様に有効部全体にわたって、所定数の多数の
垂直放電電極12が、垂直方向に互いに平行に規則正し
く設けられている。これら多数の垂直放電電極12は、
バック張り出し部3Aに設けられた給電端子12Aに達
して、上記と同様に回路接続フィルム11を介して、放
電制御回路基板22へと接続されている。放電制御回路
基板22は、スペーサ23によって、ダクトカバー50
の背面に、適当な間隔をもって固定されている。
【0083】給電端子10A,12Aは、それらが引き
出されているフロントパネル2およびバックパネル3の
外周に沿って、ほぼ均一に設けられている。したがっ
て、給電端子10A,12Aに接続される回路接続フィ
ルム11は、各々がある幅を有する複数個が、隣接する
ものとの間にほとんど隙間がないように配置されてい
る。そして、回路接続フィルム11が、パネル1の外周
に沿った各辺の長さの80%以上を覆っている。
【0084】なお、図9の例では、放電制御回路基板2
2がパネル1の下辺にのみ設けられており、回路接続フ
ィルム11が下端のバック張り出し部3Aにのみ接続さ
れているが、放電制御回路基板22は上辺に設けられて
もよく、上下両辺に設けられてもよい。また、回路基板
類にはIC(集積回路)を初めとする回路部品が取り付
けられているが、図9〜図11では、図示を略してい
る。さらに、背面1Cとダクトカバー50の間の距離を
保つスタッド32(図2)も、図示を略している。
【0085】本実施の形態の装置は、既述のように、基
本構成においては実施の形態1の装置と同様であり、ダ
クトカバー50の上1/3領域から中1/3領域の範囲
の周辺部には、折り曲げ部50A,50B(図1〜図
3)とクッション材53(図1〜図3)で構成される側
壁部が設けられ、これによって気流が阻止されている。
また、下1/3領域には、側壁部は設けられず、隙間5
2A(図1、図4、図5)を通じて、外部から空気が流
入する。
【0086】図10および図11に示すように、回路接
続フィルム11は、その一端がフロント張り出し部2A
またはバック張り出し部3Aにあって、他端がダクトカ
バー50の背面に配置された放電電力回路基板20およ
び放電制御回路基板22に達している。すなわち、この
部分でのバックパネル3の端面3Bは、ほとんど全面に
わたって、回路接続フィルム11で覆われている。
【0087】したがって、ファン51の作動による外部
の空気の取り込みにともなって、この付近に発生する気
流は、主として図10および図11に矢印で示すよう
に、ダクトカバー50の面に沿って入り込み、端面3B
の付近にはあまり当たらない。すなわち、回路接続フィ
ルム11が、実施の形態1において説明したバリヤー5
4と同様の機能を果たしている。このため、気流を制御
するためのバリヤー54を、省くことが可能となる。
【0088】気流を制御する効果は、特にパネル1の下
辺において著しい。この部分では、回路接続フィルム1
1の一端が、図11に示すように、バックパネル3に貼
りつけられているために、図10と比較して明らかなよ
うに、回路接続フィルム11がバックパネルの端面3B
の直前に、端面3Bを覆うように配置される。そのた
め、背面1Cの有効部境界100の外側を冷却しつつ流
れる気流は、左右辺(図10)よりも下辺(図11)に
おいて、一層少ないものとなる。
【0089】<4.実施の形態4>図13は、実施の形態
4の装置の特徴部であるファン51とその取り付け部分
の斜視図である。また、図14は、同じ取り付け部分の
断面図である。本実施の形態では、ダクトカバー50と
背面1Cの間の間隔と、ファン51の大きさとの関係に
特徴を有している。すなわち、本実施の形態の装置は、
実施の形態1または2と同様に、ダクトカバー50がパ
ネル1の背面1Cを覆う構造を前提としつつ、その設計
寸法において特徴的となっている。したがって、ダクト
カバー50およびパネル1は、実施の形態1または2と
同様の構造、および、同様の相互関係をもって構成され
ている。
【0090】図13および図14に示すように、ファン
51はダクトカバー50の背面に取り付けられている。
そして、ファン51は、複数個の回転翼51Aを有して
いる。回転翼51Aは、ファン51の中心に位置する軸
と駆動部とを兼ねたコア51Bに植設されている。
【0091】つぎに、本実施の形態の特徴部の説明に先
立って、説明に用いられる各種のパラメータについて説
明する。まず、ファン51の有効断面積なるものを定義
する。この有効断面積は、ファン51の中で、その回転
翼51Aが有効に動作する部分、すなわち、回転翼51
Aの回転によって覆われる部分の面積であって、次式に
もとづいて算出される。
【0092】 F=π・(R1 2 −R2 2 ) ・・・・・・・・・・・(数式1) ここで、Fは有効断面積、R1はファン51の回転翼5
1Aの先端が回転に伴って描く軌跡の半径、そして、R
2はコア51Bの外径半径すなわち回転翼51Aの回転
に伴ってその付け根が描く軌跡の半径である。
【0093】さらに、ファン直前通風面積なるものを定
義する。ファン51の作動によってファン51から離れ
た部位で吸い込まれた冷却風は、ダクトカバー50内の
広い範囲から逆放射状にファン51へ向かって集まって
くる。ファン51から充分遠いところでは、冷却風は、
実効的に充分広い断面積のダクト内(ダクトカバー50
と背面1Cで囲まれた空間)を緩やかに進んでいるが、
ファン51に近づくにしたがい、次第に流速を早める。
【0094】これは、ダクトの実効断面積が、ファン5
1の中心からの距離が減少するのに伴って、減少するた
めである。この実効断面積は、ファン51の直前で最小
となる。一般に、ダクトの様な通風路の通風抵抗を定め
る最大の要素は、その通風路が規定する断面積が最小と
なる部位での、当該断面積の大きさである。したがっ
て、上記した最小の実効断面積は、ファン51の設置を
行う上で重要な概念であり、これを「ファン直前通風面
積」と定義する。ファン直前通風面積は、半径R1の円
管を伝熱板30とダクトカバー50とで切り取って得ら
れる円筒の側壁(図13の斜線部)の面積である。した
がって、伝熱板30とダクトカバー50との間の距離を
Dとすると、ファン直前通風面積Sは、次式で与えられ
る。 S=2π・R1・D ・・・・・・・・・・・・・(数式2) つぎに、これらの数値の具体例を示す。例えば、ファン
51のサイズとして、 R1 = 45mm、および、R2 = 22.5mm ・・・・・・・(数式3) に設定される。このとき、有効断面積Fは、 F=4770mm2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・(数式4) となる。また、距離Dは、例えば、 D=17mm ・・・・・・・・・・・・・・・・・(数式5) に設定される。このとき、ファン直前通風面積Sは、 S=4800mm2 ・・・・・・・・・・・・・・・(数式6) となる。したがって、ファン直前通風面積Sと有効断面
積Fとの比率S/Fは、 S/F=1.0 ・・・・・・・・・・・・・・・・・(数式7) となる。比率S/Fは、0.7〜1.2の範囲に設定さ
れるのが望ましい。以下に、この数値範囲の根拠につい
て説明する。
【0095】ファン51の大きさを固定(すなわち、有
効断面積Fを一定に)しておいて、距離Dを増減した場
合を想定する。径R1が一定であるので、数式2から、
距離Dを増減することはファン直前通風面積Sを増減す
ることをも意味する。距離D(したがって、ファン直前
通風面積S)を大きくすることは、吸気側の抵抗、すな
わちダクト内に吸い込まれた外気がファン51に到達す
るまでの通風の抵抗が、小さくなることを意味するの
で、ファン51を通過する風量、したがって、ダクト5
0内を通過する風量は、一般に増大する。
【0096】しかしながら、ファン51の能力で決まる
限度があって、距離Dをいくら大きくしても、その限度
を超えた風量は得られない。また当然ながら、プラズマ
ディスプレイ装置全体の厚みが増大する。更に、距離D
を不必要に大きくすることは、伝熱板30から離れた部
位を通過し冷却に関与しない気流の増加をも意味し、あ
る程度以上に距離Dを大きくすることは、冷却効果をか
えって損じることとなる。
【0097】逆に、距離D(したがって、ファン直前通
風面積S)を小さくすると、ダクトカバー50内での通
風の抵抗が大きくなり、吸い込まれた空気がファン51
へと到達するまでに圧力が減少し、いわゆる圧損が大き
くなる。このことは、ファン51の入口(すなわち、ダ
クトカバー50に覆われた側)と出口の間で、圧力差
(負静圧)が大きくなることを意味し、ファン51はこ
れにうち勝たねばならないために、風量が減少する。ま
た、騒音が急速に増加する。
【0098】そこで、図13の構造について、比率S/
Fの様々な値に対する風量を計算すると、図15のグラ
フが得られる。図15から、S/Fが1.2の付近の値
であるときに、風量がファン能力の90%に達し、それ
以上に距離Dを増やしても、効果が少ないことがわか
る。また、比率S/Fが、0.7以下の値であるときに
は、ファンの能力は70%以下となり、明らかに無駄が
多い。また、この場合には、騒音も増加する。したがっ
て、比率S/Fの値は、0.7〜1.2の間に選ぶのが
望ましいと結論される。先の数値例であるS/F1.0
も、これを考慮して定めたものである。
【0099】図15のグラフを得るための計算では、距
離Dとしてファン51の近傍での値を用いている。ファ
ン51から少し離れると、ダクトの実効断面積は急速に
大きくなるので、離れた点での諸元の影響は小さく、実
質的にファンを取り巻く部分(ファン直前通風面積)の
みに注目すればよいからである。また、一般には、複数
個のファン51が使用されるが、これら互いの間に、フ
ァン51の直径の2倍程度の間隔があれば、隣り合うフ
ァン51の影響は無視できる。
【0100】なお、有効断面積Fを大きくするために
は、ファン直前通風面積Sを大きくすることが手段の一
つとなり得る。このとき、距離Dを大きくせねばならな
いが、そうすると、プラズマディスプレイ装置の全体の
厚さを増やすこととなり、望ましくない。したがって、
風量を増やすためには、ある限度まではファン51の大
きさを大きくしての対応でも支障ないが、風量への要求
がその限度を越えるときには、ファン51の個数を増や
すことで対応するのが望ましい。上記数値例、および、
実施の形態1で例示したファン51の個数は、このこと
をも考慮して定められたものである。
【0101】なお、ファン51自身の特性(回転速度な
ど)は、風量の増減に関係はするが、図15の縦軸目盛
りが変化するのみで、グラフの形にはほとんど影響せ
ず、したがって、比率S/Fの最適範囲にもほとんど影
響しない。
【0102】
【発明の効果】第1の発明の装置では、ダクトカバーの
周辺に沿って側壁部が部分的に設けられているので、フ
ァンの位置との関係で側壁部が設けられる部分を適切に
設定することにより、ダクトカバーで覆われた領域内へ
流れ込む空気によってパネルが局部的に冷却されるのを
抑えることができる。また、側壁部が断熱性の接続部材
を含むので、側壁部が当接する部位で、パネルが局部的
に冷却されるのを抑えることができる。
【0103】第2の発明の装置では、接続部材が緩衝性
を有するので、ファンの動作にともなう共振の発生が抑
えられる。
【0104】第3の発明の装置では、接続部材が有効部
境界の外側の部分を覆っているので、発熱のない有効部
境界の外側が、空気の流れによって冷却されにくくな
り、しかも、有効部で発生した熱が、有効部境界の外側
へと効果的に伝えられ、均熱化が促進される。その結
果、もっとも熱歪が発生し易い部位において、熱歪の発
生が抑制される。
【0105】第4の発明の装置では、側壁部のない範囲
に設けられた隙間を通じて空気が流れ込み、有効部の冷
却に寄与する一方、有効部境界の外側は、バリヤーで覆
われているために冷却が妨げられる。これにより、有効
部と外側との間の均熱化が促進され、もっとも熱歪が発
生し易い部位において、熱歪の発生が抑制される。
【0106】第5の発明の装置では、バリヤーが断熱性
材料で構成されるので、有効部境界の外側の冷却が、さ
らに効果的に抑えられる。
【0107】第6の発明の装置では、側壁部が下1/3
領域を除いて設けられ、ファンは上1/3領域に設けら
れているので、下1/3領域では外部の空気の吹き付け
による冷却、中1/3領域では空気の流れによる緩やか
な温度勾配の形成、そして、上1/3領域ではファン5
1での撹拌による均温化が行われる。結果として、パネ
ル全体にわたって、熱歪の発生が低減される。
【0108】第7の発明の装置では、ダクトカバーの下
1/3領域に相当する範囲に、通風口が形成されている
ので、ファンから遠く、ファンによる空気のかき混ぜが
起こり難いことによる冷却不足を補うことができる。
【0109】第8の発明の装置では、中1/3領域に多
くフィンが取り付けられ、しかも、フィン有効部の表面
が一組の対辺に直交する直線に沿うように方向付けられ
ているので、層流をなして整然とファンが取り付けられ
た方向へと向かう空気の流れが形成される。しかも、パ
ネルの中央部であり発熱が多い部分である中1/3領域
における冷却の不足が、フィンによって解消される。
【0110】第9の発明の装置では、フィンが簡単かつ
低コストで、形成および取り付けられるので、装置の製
造コストが節減される。
【0111】第10の発明の装置では、フィンが折り筋
の方向に分割されているので、折り筋の方向には可とう
性に欠けるフィンと、背面との間の密着性が向上する。
【0112】第11の発明の装置では、底板部と背面と
の間で、一方に設けられた突起に他方が係合することに
よって、フィンが背面の所定の位置に位置決めされるの
で、フィンの位置決めを容易にかつ間違いなく行うこと
が可能である。したがって、装置の製造コストが節減さ
れる。
【0113】第12の発明の装置では、背面とダクトカ
バーの間の距離が、ファンの能力との関係において最適
化されているので、ファンの能力を十分に利用しつつ、
しかも、背面とダクトカバーの間の距離を小さく抑え、
装置をコンパクトにすることが可能である。
【0114】第13の発明の装置では、ファンが分割配
置されているので、それぞれのファンの能力を十分に生
かしつつ、しかも、背面とダクトカバーの間の距離を、
さらに小さく抑え、装置を一層コンパクトにすることが
可能である。
【0115】第14の発明の装置では、張り出し部と回
路基板とを接続する回路接続フィルムが配設され、しか
も、その中の少なくとも一部においては、側壁部は設け
られず、空気の流通が可能となっているので、この部分
から空気が、ダクトカバーで覆われた領域内へと流入可
能となっている。しかも、回路接続フィルムがバックパ
ネルの端面を覆っているので、発熱のない有効部境界の
外側が、空気の流れによって冷却されにくくなり、この
部分の均熱化が促進される。その結果、バリヤーを設け
ることなく、もっとも熱歪が発生し易い部位において、
熱歪の発生が抑制される。
【0116】第15の発明の装置では、バックパネルに
密着する熱良導性の伝熱板が備わるので、パネルにおけ
る均熱効果がさらに促進され、熱応力がさらに低減され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の装置の背面図である。
【図2】 実施の形態1の装置の断面図である。
【図3】 実施の形態1の装置の要部の背面斜視図であ
る。
【図4】 実施の形態1の装置の断面図である。
【図5】 実施の形態1の装置の別の例の断面図であ
る。
【図6】 実施の形態2の装置の背面図である。
【図7】 実施の形態2のフィンの斜視図である。
【図8】 実施の形態2のフィンの別の例の断面図であ
る。
【図9】 実施の形態3の装置の背面図である。
【図10】 図9のB−B切断線に沿った断面図であ
る。
【図11】 図9のC−C切断線に沿った断面図であ
る。
【図12】 実施の形態3のパネルの背面図である。
【図13】 実施の形態4の装置の一部の斜視図であ
る。
【図14】 図6の断面図である。
【図15】 風量と比率S/Fの間の関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 パネル、1A 前面、1B 背面、2 フロントパ
ネル、2A フロント張り出し部(張り出し部)、3
バックパネル、3A バック張り出し部(張り出し
部)、3B 端面、11 回路接続フィルム、20,2
2 回路基板、52A 隙間、30 伝熱板、50 ダ
クトカバー、50A 左右折り曲げ部(側壁部)、50
B 上部折り曲げ部(側壁部)、51 ファン、52
通風口、52A 隙間、53 断熱性接続部材(接続部
材,側壁部)、54 バリヤー、100 有効部境界、
60 フィン、60A フィン有効部、60C 底板
部、61突起、D 距離、F 有効断面積、R1
径、R2 半径、S ファン直前通風面積、S/F 比
率。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像を映し出す前面とこれに対向する背
    面とを規定するパネルと、 前記背面と所定の間隔を保って当該背面の略全面を覆う
    ダクトカバーと、 当該ダクトカバーに取り付けられ、当該ダクトカバーで
    覆われた領域の中の空気を、当該領域の外へと排出する
    ファンと、 前記ダクトカバーの周辺に沿って部分的に、前記ダクト
    カバーと前記背面との間を、空気の流通を妨げるように
    接続する側壁部と、を備え、 当該側壁部が、断熱性の接続部材を含むプラズマディス
    プレイ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプラズマディスプレイ
    装置において、 前記接続部材が緩衝性を有するプラズマディスプレイ装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のプラズ
    マディスプレイ装置において、 前記パネルの中で前記画像が映し出される部分が、有効
    部として、有効部境界で縁取られており、 前記接続部材が、前記背面の中で前記有効部境界の外側
    の部分を覆っているプラズマディスプレイ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のプラズ
    マディスプレイ装置において、 前記パネルの中で前記画像が映し出される部分が、有効
    部として、有効部境界で縁取られており、 前記周辺に沿って前記側壁部のない範囲には、前記ダク
    トカバーと前記背面との間に、空気の流通が可能な隙間
    が規定され、 前記装置は、 前記隙間が規定される前記範囲にわたって、前記背面の
    中の前記有効部境界の外側を覆うように設けられ、しか
    も、前記隙間を閉塞しないように設けられたバリヤー
    を、さらに備えるプラズマディスプレイ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のプラズマディスプレイ
    装置において、 前記バリヤーが断熱性材料で構成されているプラズマデ
    ィスプレイ装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のプラズマディスプレイ
    装置において、前記パネルの輪郭形状が略矩形であり、 略矩形をなす前記輪郭形状の一組の対辺の一方から他方
    へと向かって、下1/3領域、中1/3領域、および、
    上1/3領域の3領域へと、前記パネルが観念上、略三
    等分に分割され、 前記ファンは、前記ダクトカバーの前記上1/3領域に
    相当する範囲に取り付けられており、 前記側壁部は、前記ダクトカバーの前記周辺の中で、前
    記下1/3領域に相当する範囲を除いて設けられている
    プラズマディスプレイ装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のプラズマディスプレイ
    装置において、 前記ダクトカバーの前記下1/3領域に相当する範囲
    に、通風口が形成されているプラズマディスプレイ装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に記載のプラズ
    マディスプレイ装置において、 前記背面の上に取り付けられたフィンを、さらに備え、 当該フィンは、突起するフィン有効部の表面が、前記一
    組の対辺に直交する直線に沿うように方向付けられ、 前記フィンは、前記下1/3領域および前記上1/3領
    域のいずれよりも多く、前記中1/3領域を占めるよう
    に、取り付けられているプラズマディスプレイ装置。
  9. 【請求項9】 画像を映し出す前面とこれに対向する背
    面とを規定するパネルと、 前記背面と所定の間隔を保って当該背面の略全面を覆う
    ダクトカバーと、 当該ダクトカバーに取り付けられ、当該ダクトカバーで
    覆われた領域の中の空気を、当該領域の外へと排出する
    ファンと、 前記背面に取り付けられたフィンとを、備え、 当該フィンは、熱良導性の金属板を、折り筋が平行とな
    るように折り曲げることによって、底板部と当該底板部
    から起立するフィン有効部とを含む反復単位が、周期的
    に並ぶように形成されており、 前記フィンは、前記底板部を前記背面に接着することに
    よって、前記背面に取り付けられているプラズマディス
    プレイ装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のプラズマディスプレ
    イ装置において、 前記フィンは、前記折り筋の方向に沿って、複数個に分
    割されているプラズマディスプレイ装置。
  11. 【請求項11】 請求項9または請求項10に記載のプ
    ラズマディスプレイ装置において、 前記底板部と前記背面の一方に突起が設けられ、他方が
    これに係合することによって、前記フィンが前記背面の
    所定の位置に位置決めされているプラズマディスプレイ
    装置。
  12. 【請求項12】 画像を映し出す前面とこれに対向する
    背面とを規定するパネルと、 前記背面と所定の間隔を保って当該背面の略全面を覆う
    ダクトカバーと、 当該ダクトカバーに取り付けられ、当該ダクトカバーで
    覆われた領域の中の空気を、当該領域の外へと排出する
    ファンと、を備え、 前記ファンが、回転翼を有する軸流ファンであり、 前記回転翼の先端が描く軌跡の半径R1、回転翼のつけ
    根が描く軌跡の半径R2、および、前記軸流ファンが取
    り付けられている部位での前記背面と前記ダクトカバー
    の間の距離Dにもとづいて定義されるファン直前通風面
    積S=2πR1Dと有効断面積F=π(R1 2−R2 2)と
    の間の比率S/Fが、 S/F=0.7〜1.2の範囲の値に設定されているプ
    ラズマディスプレイ装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のプラズマディスプ
    レイ装置において、 前記軸流ファンが複数個の単位軸流ファンに分割して配
    置されており、 前記複数個の単位軸流ファンの各々について、前記比率
    S/Fが、 S/F=0.7〜1.2の範囲の値に設定されているプ
    ラズマディスプレイ装置。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし請求項13のいずれか
    に記載のプラズマディスプレイ装置において、 前記パネルが、外側の面に前記前面を規定するフロント
    パネルと、当該フロントパネルの内側の面に対向して配
    置されたバックパネルとを備え、 前記装置は、 前記ダクトカバーの前記パネルに対向する面とは反対側
    の面に取り付けられた回路基板を、さらに備え、 前記パネルの周辺に沿って少なくとも部分的に、前記フ
    ロントパネルと前記バックパネルとの間で、一方が他方
    より外方に張り出している張り出し部が形成されてお
    り、 前記装置は、 前記張り出し部と前記回路基板とを接続する可撓性の回
    路接続フィルムを、さらに備え、 前記回路接続フィルムは、前記バックパネルの端面を覆
    うように配置されており、 前記側壁部は、前記パネルの前記周辺に沿って、前記回
    路接続フィルムが配置されている部分の少なくとも一部
    を避けて設けられており、当該少なくとも一部において
    は、前記ダクトカバーと前記背面との間に、空気の流通
    が可能な隙間が規定されているプラズマディスプレイ装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし請求項13のいずれか
    に記載のプラズマディスプレイ装置において、 前記パネルが、 外側の面に前記前面を規定するフロントパネルと、 当該フロントパネルの内側の面に対向して配置されたバ
    ックパネルと、 前記バックパネルに密着するとともに前記背面に露出す
    る熱良導性の伝熱板と、を備えるプラズマディスプレイ
    装置。
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