JPH11287621A - 回折光を利用して凹部の寸法を測定する方法 - Google Patents

回折光を利用して凹部の寸法を測定する方法

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JPH11287621A
JPH11287621A JP10711898A JP10711898A JPH11287621A JP H11287621 A JPH11287621 A JP H11287621A JP 10711898 A JP10711898 A JP 10711898A JP 10711898 A JP10711898 A JP 10711898A JP H11287621 A JPH11287621 A JP H11287621A
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substrate
diffracted light
light
measuring method
face
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JP10711898A
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English (en)
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Kiyonari Kimachi
聖也 木町
Toshinori Sugiyama
寿紀 杉山
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Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折光を利用して狭トラックピッチ化された
ガラス原盤の案内溝またはピットの寸法特性を測定する
方法を提供する。 【解決手段】 本発明の測定方法は、レーザー光9をガ
ラス原盤10に照射して、ガラス原盤の表面から射出す
る回折光の光強度を検出するとともに、ガラス原盤10
内で全反射する回折光をガラス原盤の端面から射出させ
て検出する。これにより狭トラックピッチ化されたガラ
ス原盤であってもレーザー光を短波長化させることなく
2次回折光の光強度を検出することができ、ガラス原盤
に形成されている案内溝またはピットの寸法特性を測定
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク原盤上の
案内溝やピットの寸法特性を回折光を利用して測定する
方法に関し、更に詳細には、高密度記録用に案内溝やピ
ットを微小化したディスク原盤や光ディスク基板であっ
ても2次回折光を検出して案内溝及びピットの寸法特性
を測定することができる測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア時代の到来により、音声
や動画像、グラフィックなどの多量の情報データを取り
扱うことが可能な媒体として光記録媒体が使用されてい
る。この光記録媒体には、通常、案内溝やピットなどが
予め形成されている光透過性のプラスチック製基板が用
いられている。このプラスチック製基板は、通常、案内
溝やピットが形成されているガラス原盤を原盤露光によ
り製造し、得られたガラス原盤からスタンパを複製し、
次いでスタンパを射出成形機の金型に装填して、溶融樹
脂を金型内に射出することによって製造される。上記ガ
ラス原盤は次のようにして製造される。
【0003】まず、研磨したガラス基板上にフォトレジ
ストを塗布し、フォトレジスト膜の表面上の所望位置に
レーザー光を照射して案内溝やピットパターンが形成さ
れるように露光する。次いで、露光されたフォトレジス
ト膜を、現像液を用いて現像することによって案内溝や
ピットに相当する凹凸がフォトレジスト膜上に得られ
る。更にフォトレジスト膜上に紫外線を照射して、熱処
理を施すことによってフォトレジスト膜を硬化させる。
こうして案内溝やピットが形成されたガラス原盤が得ら
れる。
【0004】上述のようにして得られたガラス原盤につ
いて、通常、案内溝またはピットが所定の寸法で形成さ
れているかについて検査され、検査手法の一つとして回
折光を利用した光学的方法が知られている。この回折光
を利用した案内溝またはピットの測定方法の原理を以下
に説明する。
【0005】図5は、案内溝またはピットが原盤半径方
向に一定周期で形成されているガラス原盤に対してレー
ザー光を垂直に照射したときに生じる回折光を概念的に
示す図である。ガラス原盤の案内溝またはピットが形成
されていない側からガラス原盤の表面に対して垂直にレ
ーザー光を照射すると、ガラス原盤に一定周期で形成さ
れている案内溝またはピットが回折格子として作用する
ため光の回折が生じる。このとき、m次回折光(mは整
数)の回折角度θmとトラックピッチTPの関係は、レー
ザー光の波長をλ、光が射出する側の媒質の屈折率をn
とすると下記式(1)で表される。
【0006】
【数1】
【0007】したがって、ガラス原盤に形成されている
案内溝のトラックピッチを求めるには、上記式(1)か
ら回折光の角度θmを測定すれば良い。また、案内溝や
ピットの幅や深さは、0次〜2次回折光の光強度比から
求めることができる。
【0008】一方、このような回折光を利用した測定方
法のほかに、SEM(走査型電子顕微鏡)により案内溝
やピットの寸法特性を直接観測する方法もあるが、ガラ
ス原盤の破壊を伴うため製造工程の検査手段として適当
ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、光記録媒体の分
野では、記憶容量をより一層増大させることが要望され
ており、その方法としてトラックピッチを狭くすること
や最短ピット長を短くすることなどによる媒体の高密度
化が行われている。ところが、トラックピッチが狭くな
るように製造したガラス原盤について、上述の回折光に
よる測定方法を用いて案内溝やピットの寸法特性を測定
しようとすると、上記式(1)において2次回折光の回
折角度θ2が90°を超えてガラス原盤とガラス原盤に
隣接する媒質との界面で全反射するため、2次回折光を
検出できないという問題があった。また、トラックピッ
チが更に狭くなると1次回折光ですら検出できないとい
う問題も起こり得る。
【0010】図2のグラフは、波長が632.8nmの
レーザー光を用いた場合の回折光の回折角とガラス原盤
に形成されているトラックピッチとの関係を示すグラフ
である。このグラフからわかるように、トラックピッチ
が狭くなるに従って1次回折光の回折角θ1 及び2次回
折光の回折角θ2 がともに大きくなっており、トラック
ピッチが1.4μmよりも小さくなるとθ2 >90°と
なり2次回折光は検出されない。このため、高密度記録
用のガラス原盤からは回折光を利用した測定方法を用い
てトラックピッチ、案内溝やピットの幅及び深さなどの
情報を得ることができなかった。
【0011】しかし、式(1)からわかるようにレーザ
ー光の波長を短くすれば回折光の回折角度を小さくする
ことができるので、ガラス原盤のトラックピッチが狭く
なったとしても2次回折光を検出することができると考
えられる。図3のグラフはレーザー光の波長と回折角の
関係を示したグラフであり、トラックピッチが0.40
μm、0.74μm及び1.00μmのガラス原盤につ
いての結果である。このグラフからわかるように、レー
ザー光の波長が短くなると回折光の回折角は小さくな
り、例えば、トラックピッチが0.74μmの場合で
は、レーザー光の波長を350nm〜400nm程度に
短くすれば2次回折光を検出することができる。しかし
ながら、このような短波長のレーザー光はクリプトンイ
オンレーザーやアルゴンイオンレーザーの発振領域であ
り、これらのレーザー光を発生させる装置の利便性や大
きさを考えると適当ではない。また、トラックピッチが
0.4μmではレーザー光の波長を350nmに短くし
ても2次回折光を検出することができず、このように高
密度化が進みトラックピッチが狭くなった場合には、レ
ーザー光の波長を更に短くしなければならないが、レー
ザー光の発振波長には限界があり、レーザー光を短波長
化しても上記問題を解決することはできない。
【0012】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたものであり、その目的は、0次〜2次回折
光の光強度比に基づいて基盤上に形成されている案内溝
またはピットの寸法を測定する方法であって、狭トラッ
クピッチ化により従来検出することができなかった2次
回折光の光強度をレーザー光を短波長化しなくても検出
することができる新規な測定方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、一定の
周期の凹部が表面に形成されてなる光透過性基盤に光を
照射し、凹部から生じる回折光を検出することによって
該凹部の寸法特性を測定する方法において、基盤表面に
光を照射し、該凹部から発生した回折光のうち、基盤内
部で全反射して基盤端面の一部から射出する回折光を検
出することを特徴とする測定方法が提供される。
【0014】本発明の測定方法では、案内溝やピットな
どの凹部が形成されている光透過性の基盤に光を照射し
て、基盤表面から射出する回折光の光強度を、基盤の光
入射側と反対側で検出するとともに、基盤端面の一部か
らも回折光の検出を行う。これにより基盤の狭トラック
ピッチ化により2次回折光が基盤内で全反射した場合で
あっても、基盤に照射する光を短波長化することなくこ
の全反射した2次回折光を基盤端面の一部から射出させ
て検出することができる。
【0015】本発明の測定方法では、基盤端面から射出
する回折光と基盤表面から射出する回折光の光強度比か
ら基盤上に形成されている案内溝またはピットの深さ及
び幅を計算により求めることができる。基盤上に形成さ
れている案内溝またはピットの形状をスカラー近似で矩
形の一次元回折格子として取り扱うと、案内溝またはピ
ットの深さD及び幅Wは、次の式(2)及び(3)に基
づいて求めることができる。
【0016】
【数2】
【0017】
【数3】
【0018】なお、式(2)及び(3)中、acosはコサ
インの逆関数を意味する。また、式(2)中、I1 及び
2 はそれぞれ1次回折光及び2次回折光の光強度を示
す。また、式(3)中、n1 及びn2 はそれぞれ基盤及
び基盤と接する媒質の屈折率を、λはレーザー光の波長
を、I0 は透過光強度を示し、ε=W/TP でありトラ
ックピッチと溝幅の比を示す。回折光の回折角を検出す
ることにより上記式(1)からトラックピッチが求めら
れ、0次〜2次回折光の光強度比を求めることにより上
記式(2)及び(3)から案内溝またはピットの深さD
及び幅Wをそれぞれ求めることができる。
【0019】本発明の測定方法では、光透過性基盤の端
面の少なくとも一部が平坦になるように処理することが
望ましい。基盤端面の少なくとも一部を平坦に処理する
ことにより、基盤端面から射出する回折光が基盤端面で
散乱することが防止され、良好に回折光を射出させるこ
とができる。
【0020】本発明において、凹部とはトラッキング用
の案内溝や溝底部にデータがピットやマークの形で形成
される溝並びにピットの少なくとも一つを含む概念であ
り、寸法特性とは溝深さ、溝幅、ピット深さ、ピット幅
及びトラックピッチの少なくとも一種を含む概念であ
る。
【0021】本発明の測定方法では、測定の際に、基盤
内で全反射した回折光が基盤の凹部の形成されている面
に入射して再度副次的な回折光が発生し、基盤端面から
射出する回折光の光強度に僅かな損失を与えるが、この
ような副次的な回折光は基盤内での全反射条件を満足し
ないので測定の障害となることはなく、しかも、回折光
の基盤内部での全反射の回数は有限回で、光強度の損失
が発生するのは基盤の凹部が形成されている側の面だけ
であるので、回折光の光強度の損失は少ないと考えられ
る。また、基盤の厚みを厚くすれば、回折光の全反射の
回数を少なくなるので、上述の光路長の差を調整するこ
とを条件に基盤端面から射出する回折光の光強度の損失
を減らすことができる。
【0022】また、基盤端面から射出する回折光は、基
盤表面から射出する回折光と比べると基盤内部で全反射
しながら基盤の端面に至る距離に相当する分だけ光路長
に差が生じており、この光路長の差による回折光の光強
度の損失が大きい場合には、この損失分を調整すること
が望ましい。この光路長の差を調整するには、最初に、
基盤端面から射出する回折光の基盤内での光路長L1
求める必要がある。基盤の凹部の形成されていない面に
光を入射した場合、光路長L1は、基盤のトラックピッ
チから回折光の回折角を類推して、基盤の回折光の生じ
る位置から基盤内で全反射を繰り返しながら基盤端面に
至るまでの幾何学的距離Lpを求め、基盤の屈折率nと
積算することにより求められる(L1=nLp)。一方、
基盤表面から射出する回折光は基盤内で全反射しないで
そのまま射出するので、基盤内での回折後の光路長を考
える必要はなく、端面から射出する回折光の光路長L1
が上述の光路長の差となる。したがって、回折光の光強
度の損失分を調整するには、基盤端面から射出する回折
光の光路長L1=nLpに相当する光路長を有する光透過
性媒体を光検出器と基盤表面の光射出点との間に配置さ
せ、基盤表面から射出する回折光を光透過性媒体内に通
過させればよい。
【0023】また、基盤の凹部の形成されている面に光
を入射した場合は、各回折光は基盤内を透過して射出す
ることから、基盤表面から射出する回折光、例えば、0
次回折光の基盤内での光路長L2は、基盤の厚みをdと
したときに、L2=ndとして求められ、基盤端面から
射出する回折光の基盤内での光路長L1は上記と同様に
1=nLpとして求められる。したがって、基盤端面か
ら射出する回折光と基盤表面から射出する0次回折光の
光路長の差はL1−L2=n(Lp−d)となり、このn
(Lp−d)に相当する光路長を有する光透過性媒体を
基盤表面から射出する回折光を検出する光検出器と基盤
表面の光射出点との間に配置させ、当該回折光を光透過
性媒体内に通過させればよい。
【0024】また、更に厳密には、基盤表面及び基盤端
面の光射出点と光検出位置との間の空気中を通過する回
折光の光路長も考慮に入れる必要があるので、その場合
には基盤表面及び基盤端面の光射出点と光検出器との距
離がそれぞれ等しくなるように光検出器を配置すること
が望ましい。
【0025】本発明の測定方法に好適な基盤は、案内溝
及びピットの少なくとも一方が同心円状またはスパイラ
ル状に予め形成されている基盤であり、例えば、光記録
媒体を製造するためのガラス原盤または光記録媒体に用
いられる基板である。これらの基盤の中でも、特にトラ
ックピッチが0.30μm〜0.74μmに狭トラック
ピッチ化された基盤であることが望ましい。
【0026】本発明の測定方法において、基盤に照射す
る光は、発振波長が250nm〜633nmのレーザー
光であることが好ましい。レーザー光は、基盤の凹部が
形成されている面に入射してもその反対側の面に入射し
ても良く、また、基盤面に対して垂直に入射しても斜め
に入射してもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の測定方法の実施の
形態及び実施例について図面を用いて説明する。
【0028】実施例 本実施例では、基盤として光記録媒体用基板を複製する
ために使用するガラス原盤を用い、本発明の測定方法で
このガラス原盤の案内溝及びピットの寸法を測定した。
かかるガラス原盤は原盤露光装置を用いてつぎに示すよ
うにして製造した。
【0029】まず、屈折率1.47の石英からなる厚さ
10mm、直径200mmのガラス基板を用意して、ガ
ラス基板表面を研磨した後、ガラス基板上に屈折率1.
65のクレゾールノボラック樹脂の高分子とナフトキノ
ンジアジドの感光剤からなるフォトレジストを0.13
μmの膜厚で塗布した。次いで、ガラス基板をターンテ
ーブルで回転させながらフォトレジスト上にレーザー光
を照射して、案内溝及びプリピットのパターンを露光し
た。つぎに、現像液を用いて、露光したフォトレジスト
膜を現像し、フォトレジスト膜面に案内溝及びプリピッ
トに相当する凹凸を形成した。更に紫外線を照射して、
熱処理を施すことによってフォトレジスト膜を硬化させ
た。こうして溝幅0.25μm、溝深さ0.13μm、
トラックピッチ0.74μmの案内溝とピット幅0.2
5μm、ピット深さ0.13μmのプリピットが形成さ
れた高密度記録媒体用のガラス原盤を得た。なお、ピッ
ト長は、検出用のレーザー光スポットサイズよりも大き
くなるように形成した。
【0030】つぎに、得られたガラス原盤の端面の所定
部分を平坦になるように研磨した後、図1に示すような
測定装置を用いて、ガラス原盤の案内溝及びプリピット
の幅並びに深さを測定した。ここで図1は本発明の測定
方法に従う測定装置の一具体例の概略構成を示してい
る。測定装置100は、主に、ガラス原盤10に光を照
射するためのレーザー光源1、基盤表面から射出する0
次及び1次回折光の光強度をそれぞれ検出する光検出器
3a及び3b、基盤端面から射出する回折光を検出する
光検出器3c、案内溝またはプリピットの幅及び深さを
計算するための演算処理装置5及び演算処理結果を表示
する表示器7から構成されている。本実施例では、レー
ザー光源1として発振波長が355nmのレーザー光
(Nd−YAGレーザーの3倍高調波)を用いた。ま
た、光検出器3a及び3bは、ガラス原盤表面から射出
する回折光の光射出点を中心とした円周上に位置すると
ともに、光検出器3aはレーザー光の光軸方向に位置す
るように、光検出器3bはトラックピッチをもとに前記
式(1)から求められる1次回折光の回折角方向に位置
するようにそれぞれ配置してある。また、光検出器3c
はガラス原盤の研磨された端面に近接させて、そこから
射出した光を検出可能に配置してある。
【0031】前述のようにして製造したガラス原盤10
を測定装置100に装填し、上記レーザー光源1からレ
ーザー光9をガラス原盤10の案内溝及びピットが形成
されていない面に垂直に入射させると、ガラス原盤表面
からは0次回折光(透過光)及び1次回折光が射出し、
ガラス原盤端面の研磨した部分からは2次回折光が射出
した。これら0次〜2次回折光の光強度I0 、I1 及び
2 を、光検出器3a、3b及び3cにてそれぞれ検出
し、相対的な光強度比I1 /I0 及びI2 /I1 を求め
るとI1 /I0 =0.07、I2 /I1 =0.25であ
った。上記式(2)及び(3)の計算処理を行う演算処
理装置9にこれらの値を入力して案内溝及びピットの深
さ並びに幅を求めた結果、案内溝深さ120nm、案内
溝幅250nm、ピット深さ120nm、ピット幅25
0nmであった。
【0032】以上、本発明の測定方法について実施例を
用いて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、例えば、測定する基盤としてドライ
エッチングによって直接ガラス基板上に案内溝またはピ
ットを形成したガラス原盤や光記録媒体用のプラスチッ
ク基板を用いてもよい。
【0033】また、基盤の表面から射出する回折光と基
盤端面から射出する回折光との光路長の差を調整するた
めに、例えば、図4に示すように、半球体の底部分を中
心が同じ半球で刳り貫いた形状の光透過性媒体11をガ
ラス原盤10の回折光が射出する面上に配置させてもよ
い。この場合、光路長の差は前述したように基盤の屈折
率nと回折光の基盤内での幾何学距離Lpとの積nLp
して求められることから、光透過性媒体11の屈折率を
n’、光が透過する部分の厚みをd’とすると、n’
d’がnLpと等しくなるようにn’及びd’を調整す
る。光透過性媒体11は、ガラス、石英、サファイア、
プラスチックなどの材料から構成することができる。ま
た、光透過性媒体11は、図4に示したような形状に限
定されることはないが、光透過性媒体11に回折光が入
射するとき、または入射した回折光が光透過性媒体11
から射出するときに、屈折により回折光の進行方向が変
わらない形状であることが好ましい。例えば、光透過性
媒体として板状の光透過性媒体を用いた場合には、光透
過性媒体の表面が回折光に対して垂直になるように板状
の光透過性媒体を基盤の回折光が射出する点と光検出位
置との間に配置すればよく、更に、上記のように、基盤
表面から射出する回折光と基盤端面から射出する回折光
の光路長の差を調整するために、光透過性媒体内を回折
光が透過する部分の厚みと光透過性媒体の屈折率との積
が、光路長の差nLpと等しくなるように調整する。
【0034】上記実施例では、基盤表面から射出する0
次及び1次回折光を検出するための光検出器3a及び3
bを固定して配置したが、光射出点を中心とする円周上
にガイドレールを配置し、このガイドレールに沿って移
動できる光検出器を用いて0次及び1次回折光をそれぞ
れ検出してもよい。このような移動型の光検出器を用い
れば、基盤表面から射出する回折光の回折角を測定する
ことができ、式(1)に基づいてトラックピッチを求め
ることができる。また、光検出器を基盤端面近傍に配置
する必要はなく、例えば、基盤端面から射出した光を光
ファイバーなどの伝達手段を用いて基盤から隔てた位置
に置かれた光検出器に送ることもできる。
【0035】また、上記実施例では、基盤内で全反射し
た2次回折光を基盤端面から検出したが、更に基盤の狭
トラックピッチ化が進んで1次回折光が基盤内で全反射
した場合には、2次回折光を検出するための光検出器を
移動可能な光検出器にして、それを用いて1次回折光を
検出するか、または1次回折光を検出するための光検出
器を基盤端面近傍に更に別途設けて1次回折光を検出し
てもよい。このような場合、1次回折光と2次回折光の
回折角及び光強度がそれぞれ異なるので、1次回折光と
2次回折光をそれぞれ検出するための光検出器を所望の
位置に移動または配置することにより、1次回折光と2
次回折光をそれぞれ区別して検出することができる。
【0036】また、上記実施例では、レーザー光源1と
して発振波長が355nmのレーザー光(Nd−YAG
レーザーの3倍高調波)を用いたが、半導体レーザーの
ような簡易なレーザー光源を用いて測定を行ってもよ
い。
【0037】
【発明の効果】本発明の測定方法は、基盤表面から射出
する回折光だけしか検出することができなかった従来の
方法と違い、基盤端面からも回折光を検出することがで
きるので、基盤の狭トラックピッチ化により回折光がガ
ラス原盤内で全反射しても、その回折光を基盤端面から
抽出して検出することができる。また、レーザー光を短
波長化する必要もなく簡易なレーザー光源を用いて測定
を行うことができ、更には、基盤を破壊することなく簡
便に測定を行うことができるので、高密度化された基盤
を製造する際の検査手段に極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の測定方法に従う測定装置の一
具体例の構成を概略的に示す図である。
【図2】図2は、波長が632.8nmのレーザー光を
用いた場合の回折光の回折角とガラス原盤に形成されて
いるトラックピッチとの関係を示すグラフである。
【図3】図3は、レーザー光の波長と回折角の関係を示
したグラフである。
【図4】図4は、光透過性媒体を備えた本発明の測定方
法に従う測定装置の別の具体例の構成を概略的に示す図
である。
【図5】図5は、ガラス原盤にレーザー光を垂直に入射
したときに生じる回折光を概念的に示す図である。
【符号の説明】
1 レーザー光源 3a、3b、3c 光検出器 5 演算処理装置 7 表示器 9 レーザー光 10 ガラス原盤 11 光透過性媒体 100 測定装置

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の周期の凹部が表面に形成されてな
    る光透過性基盤に光を照射し、凹部から生じる回折光を
    検出することによって該凹部の寸法特性を測定する方法
    において、 基盤表面に光を照射し、該凹部から発生した回折光のう
    ち、基盤内部で全反射して基盤端面の一部から射出する
    回折光を検出することを特徴とする測定方法。
  2. 【請求項2】 上記基盤端面の一部から射出する回折光
    と基盤表面から射出する回折光との光強度比に基づいて
    上記凹部の寸法特性を求めることを特徴とする請求項1
    に記載の測定方法。
  3. 【請求項3】 上記基盤端面の一部が平坦に処理されて
    なることを特徴とする請求項1または2に記載の測定方
    法。
  4. 【請求項4】 上記基盤端面の一部から射出する回折光
    が2次回折光を含み、該2次回折光を検出することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の測定方
    法。
  5. 【請求項5】 上記基盤端面の一部から射出する回折光
    の光路長と基盤表面から射出する回折光の光路長との差
    を調整するために、上記基盤と検出位置との間に光透過
    性媒体を配置することを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか一項に記載の測定方法。
  6. 【請求項6】 上記基盤が、光記録媒体製造用のガラス
    原盤または光記録媒体に用いられる基板であることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の測定方
    法。
  7. 【請求項7】 上記凹部が案内溝及びピットの少なくと
    も一方であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    一項に記載の測定方法。
  8. 【請求項8】 上記凹部の寸法特性が、溝深さ、溝幅、
    ピット幅、ピット深さ及びトラックピッチから選ばれた
    少なくとも一種であることを特徴とする請求項7に記載
    の測定方法。
  9. 【請求項9】 上記トラックピッチが、0.30μm〜
    0.74μmであることを特徴とする請求項8に記載の
    測定方法。
  10. 【請求項10】 上記基盤表面に照射する光が、発振波
    長250nm〜633nmのレーザー光であることを特
    徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の測定方
    法。
  11. 【請求項11】 上記基盤の一方の面に対して斜めに光
    を入射することを特徴とする請求項1〜10のいずれか
    一項に記載の測定方法。
  12. 【請求項12】 上記基盤の凹部が形成されている面に
    光を入射することを特徴とする請求項1〜11のいずれ
    か一項に記載の測定方法。
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