JPH11287620A - 回折光を利用して凹部の寸法を測定する装置 - Google Patents

回折光を利用して凹部の寸法を測定する装置

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JPH11287620A
JPH11287620A JP10711798A JP10711798A JPH11287620A JP H11287620 A JPH11287620 A JP H11287620A JP 10711798 A JP10711798 A JP 10711798A JP 10711798 A JP10711798 A JP 10711798A JP H11287620 A JPH11287620 A JP H11287620A
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JP10711798A
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Kiyonari Kimachi
聖也 木町
Toshinori Sugiyama
寿紀 杉山
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折光を利用して狭トラックピッチ化された
ガラス原盤の案内溝またはピットの寸法特性を測定する
装置を提供する。 【解決手段】 本発明の測定装置100は、レーザー光
源1、光透過性媒体3、光透過性部材5、光検出器7及
び演算処理装置9から構成される。光透過性媒体3及び
光透過性部材5は空気よりも屈折率が高い光透過性の材
料で構成されている。これにより狭トラックピッチ化さ
れたガラス原盤であっても2次回折光を検出することが
でき、ガラス原盤に形成されている案内溝またはピット
の寸法特性を測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク原盤上の
案内溝やピットの寸法特性を回折光を利用して測定する
測定装置に関し、更に詳細には、高密度記録用に案内溝
やピットが微小化されたディスク原盤や光ディスク基板
であっても2次回折光を検出して案内溝及びピットの寸
法特性を測定することができる測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア時代の到来により、音声
や動画像、グラフィックなどの多量の情報データを取り
扱うことが可能な媒体として光記録媒体が使用されてい
る。この光記録媒体には、通常、案内溝やピットなどが
予め形成されている光透過性のプラスチック製基板が用
いられている。このプラスチック製基板は、通常、案内
溝やピットが形成されている原盤ディスクを原盤露光に
より製造し、得られた原盤ディスクからスタンパを複製
し、次いでスタンパを射出成形機の金型に装填して、溶
融樹脂を金型内に射出することによって製造される。上
記原盤ディスクは次のようにして製造される。
【0003】まず、研磨したガラス基板上にフォトレジ
ストを塗布し、フォトレジスト膜の表面上の所望位置に
レーザー光を照射して案内溝やピットパターンが形成さ
れるように露光する。次いで、露光されたフォトレジス
ト膜を、現像液を用いて現像することによって案内溝や
ピットに相当する凹凸がフォトレジスト膜上に得られ
る。更にフォトレジスト膜上に紫外線を照射して、熱処
理を施すことによってフォトレジスト膜を硬化させる。
こうして案内溝やピットが形成された原盤ディスクが得
られる。
【0004】上述のようにして得られた原盤ディスクに
ついて、通常、案内溝またはピットが所定の寸法で形成
されているかについて検査され、検査手法の一つとして
回折光を利用した光学的方法が知られている。この回折
光を利用した案内溝またはピットの測定方法の原理を以
下に説明する。
【0005】図1は、案内溝またはピットが原盤半径方
向に一定周期で形成されているガラス原盤に対してレー
ザー光を垂直に照射したときに生じる回折光を概念的に
示す図である。ガラス原盤の案内溝またはピットが形成
されていない側からガラス原盤の表面に対して垂直にレ
ーザー光を照射すると、ガラス原盤に一定周期で形成さ
れている案内溝またはピットが回折格子として作用する
ため光の回折が生じる。このとき、m次回折光(mは整
数)の回折角度θmとトラックピッチTPの関係は、レー
ザー光の波長をλ、光が射出する側の媒質の屈折率をn
とすると下記式(1)で表される。
【0006】
【数1】
【0007】したがって、ガラス原盤に形成されている
案内溝のトラックピッチを求めるには、上記式(1)か
ら回折光の角度θmを測定すれば良い。また、案内溝や
ピットの幅や深さは、0次〜2次回折光の光強度比から
求めることができる。
【0008】一方、このような回折光を利用した測定方
法のほかに、SEM(走査型電子顕微鏡)により案内溝
やピットの寸法特性を直接観測する方法もあるが、ガラ
ス原盤の破壊を伴うため製造工程の検査手段として適当
ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、光記録媒体の分
野では、記憶容量をより一層増大させることが要望され
ており、その方法としてトラックピッチを狭くすること
や最短ピット長を短くすることなどによる媒体の高密度
化が行われている。ところが、トラックピッチが狭くな
るように製造した原盤ディスクについて、上述の回折光
による測定方法を用いて案内溝やピットの寸法特性を測
定しようとすると、上記式(1)において2次回折光の
回折角度θ2が90°を超えてしまうため、2次回折光
がガラス原盤の光射出面で全反射して射出することがで
きないという問題があった。また、トラックピッチが更
に狭くなると1次回折光ですら検出できないという問題
も起こり得る。このため、高密度記録用の原盤ディスク
からは回折光を利用した測定方法を用いてトラックピッ
チ、案内溝やピットの幅及び深さなどの情報を得ること
ができなかった。
【0010】例えば、DVD−ROMの場合、トラック
ピッチは0.74μmであり、レーザー光の波長が63
2.8nm、光射出側の媒質が空気(屈折率が1)であ
るとすると、上記式(1)からθ1=58.8°となり
1次回折光は検出されるものの、2次回折光は回折角度
θ2がθ2 >90°となり検出されない。式(1)から
レーザー光の波長を短くすることによって回折光の回折
角度を小さくすることができるので、レーザー光源の波
長を350〜400nm程度に短くすれば、2次回折光
を検出することができる。しかしながら、レーザー光の
発振波長には限界があるため、高密度化が更に進んだ場
合にはレーザー光を短波長化しても上記問題を解決する
ことはできない。
【0011】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたものであり、その目的は、0次〜2次回折
光を検出することによって基盤に形成されている案内溝
またはピットの寸法を測定するための装置であって、狭
トラックピッチ化により従来検出することができなかっ
た2次回折光を検出することができる測定装置を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、一定の
周期で凹部が形成されてなる基盤に光を照射し、凹部か
ら生じる回折光を検出することによって該凹部の寸法特
性を測定する測定装置であって、上記基盤に光を照射す
るための光源と、n>1の屈折率nを有し、上記基盤の
光射出面上に配置した光透過性部材と、該光透過性部材
を透過して射出された回折光を検出する光検出器とを備
えることを特徴とする測定装置が提供される。
【0013】本発明の測定装置は、n>1の屈折率nを
有する光透過性部材を基盤の光射出面上に設けている。
これによりレーザー光を基盤に照射すると、光透過性部
材の屈折率は空気よりも高いので、光透過性部材からは
光透過性部材を設けなかった場合よりも小さい回折角で
回折光が射出する。すなわち、上記式(1)において、
光が射出する側の屈折率nが大きいほどsinθmの値は小
さくなるので、本発明のようにn>1の屈折率nを有す
る光透過性部材を介して回折光を射出させることによ
り、光が射出する側が空気であった従来の場合よりもθ
mは小さくなる。それゆえ、狭トラックピッチ化された
基盤を用いた場合であっても回折光が全反射することな
く、検出された回折光強度を用いて基盤表面に形成され
ている案内溝やピットなどの寸法特性を求めることがで
きる。更に、基盤の屈折率と光が射出する側の媒質の屈
折率との差が大きくなるようにすることが好ましく、屈
折率の差が大きいと回折光の回折角が更に小さくなると
同時に光強度も大きくなるので回折光の検出がより容易
になる。
【0014】本発明において、光透過性部材は、基盤か
ら射出した2次回折光が光透過性部材に入射するときに
基盤と光透過性部材との界面で全反射しないような屈折
率を有することが好ましく、好ましい屈折率の値として
は1.3〜2.0である。このような高い屈折率を有す
る光透過性の材料としては、例えば、ポリカーボネー
ト、PMMA(ポリメチルメタクリレート)などのプラ
スチックやガラス、石英、サファイアなどが知られてお
り、これらの材料を用いて光透過性部材を構成すること
ができる。また、光透過性部材の形状は、基盤から射出
した種々の回折角の回折光の光路長がすべて等しくなる
と同時に透過性部材の光射出面で回折光が屈折または全
反射しないで射出するような形状、すなわち、光透過性
部材の光入射点を中心とする半球状であることが好まし
い。
【0015】本発明の測定装置に用いて凹部寸法を測定
するのに好適な基盤は、案内溝及びピットの少なくとも
一方が予め形成されている基盤であり、例えば、光記録
媒体を製造するためのガラス原盤またはスタンパ、若し
くは光記録媒体に用いられる基板である。これらの基盤
の中でも、特にトラックピッチが0.30μm〜0.7
4μmに狭トラックピッチ化された基盤であることが望
ましい。
【0016】本発明において光検出器は、基盤の光射出
点から一定の距離を保つように、すなわち基盤の光射出
点を中心とする円周上に位置するように配置される。基
盤上に形成されているトラックピッチの大きさが既にわ
かっている場合は、上記式(1)から0次〜2次回折光
の回折角を予め求めることができるので、求めた角度方
向に光検出器を配置しておき、0次〜2次回折光の光強
度を検出すればトラックピッチ以外の情報、例えば、案
内溝やピットの深さまたは幅を求めることができる。更
に、光検出器を所定の位置に固定して配置するのではな
く、図2に示すように基盤の光射出点を中心とした円弧
上を光検出器が移動できるように移動手段を設けてもよ
い。これにより回折光の光強度を検出すると同時に回折
光の回折角も測定できるので、上記式(1)を用いてト
ラックピッチを求めることもできる。
【0017】また本発明では、基盤と光透過性部材との
間に1<n’を満足する屈折率n’を有する光透過性媒
体を介在させることが好ましい。すなわち基盤に形成さ
れている凹部が光透過性媒体で満たされるように光透過
性媒体を基盤の光射出面上に設け、形成された光透過性
媒体の上に光透過性部材を密着させる。これにより光透
過性部材の平坦な面を基盤の凹部が形成されている面に
設けても、基盤の凹部部分に空気が介在することはなく
なり、凹部での回折光の全反射が防止される。また、光
透過性媒体の屈折率と光透過性部材の屈折率が等しいか
近いことが好ましい。これにより光透過性媒体と光透過
性部材との界面で回折光が屈折して回折角が変化するこ
とを抑えることができる。光透過性媒体は、水、油、ア
ルコール及びブロムナフタレンなどの液体から構成する
ことができる。
【0018】本発明の測定装置に用いられる光源は、発
振波長が250nm〜633nmのレーザー光源である
ことが好ましい。レーザー光は、基盤の凹部が形成され
ている面に入射してもその反対側の面に入射しても良
く、また、基盤面に対して垂直に入射しても斜めに入射
しても良い。
【0019】本発明の測定装置は、回折光の角度や光強
度比から案内溝またはピットの深さ及び幅を計算により
求めるための演算処理装置を更に備えることができる。
案内溝またはピットの深さD及び幅Wは、案内溝または
ピットの形状をスカラー近似で矩形の一次元回折格子と
して取り扱うと、次の式(2)及び(3)に基づいて求
めることができる。
【0020】
【数2】
【0021】
【数3】
【0022】なお、式(2)及び(3)中、acosはコサ
インの逆関数を意味する。また、式(2)中、I1 及び
2 はそれぞれ一次回折光及び二次回折光の光強度を示
す。また、式(3)中、n1 及びn2 はそれぞれ基盤及
び基盤と接する媒質の屈折率を、λはレーザー光の波長
を、I0 は透過光強度を示し、ε=W/TP でありトラ
ックピッチと溝幅の比を示す。よって、回折光の回折角
を検出することにより上記式(1)からトラックピッチ
が求められ、0次〜2次回折光の光強度比を求めること
により上記式(2)及び(3)から案内溝またはピット
の深さD及び幅Wをそれぞれ求めることができる。
【0023】また、上記式(3)において深さDが一定
の場合、屈折率の差(n1−n2 )が大きいほどI1
0 が大きくなるので、基盤と接する媒質と基盤との屈
折率の差が大きくなるように基盤の材料と、基板と接す
る媒質とを調整することが好ましい。これにより回折光
を良好に観測することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う測定装置の実
施の形態及び実施例について図面を用いて説明する。
【0025】実施例1 本実施例では、基盤として光記録媒体用基板を複製する
ために使用するガラス原盤を用い、本発明の測定装置で
このガラス原盤の案内溝及びピットの寸法を測定した。
かかるガラス原盤は原盤露光装置を用いてつぎに示すよ
うにして製造した。
【0026】まず、研磨したガラス基板を用意し、ガラ
ス基板上に屈折率1.65のクレゾールノボラック樹脂
の高分子とナフトキノンジアジドの感光剤からなるフォ
トレジストを0.13μmの膜厚で塗布した。次いで、
ガラス基板をターンテーブルで回転させながらフォトレ
ジスト上にレーザー光を照射して、プリピット及び案内
溝のパターンを露光した。つぎに現像液を用いて、露光
したフォトレジスト膜を現像し、フォトレジスト膜面に
案内溝及びプリピットに相当する凹凸を形成した。更に
紫外線を照射して、熱処理を施すことによってフォトレ
ジスト膜を硬化させた。こうして溝幅0.25μm、溝
深さ0.13μm、トラックピッチ0.74μmの案内
溝と、ピット幅0.25μm、ピット深さ0.13μm
のプリピットが形成された高密度記録媒体用のガラス原
盤を得た。なお、ピット長は、検出用のレーザー光スポ
ットサイズより大きくなるように形成した。
【0027】つぎに、本発明に従う測定装置を用いて、
得られたガラス原盤の案内溝及びプリピットの幅並びに
深さを測定した。図2に本発明に従う測定装置の構成の
概略を示す。本発明の測定装置100は、主に、ガラス
原盤10に光を照射するためのレーザー光源1、ガラス
原盤10に装着される光透過性部材としての半球体5、
0次〜2次回折光の光強度を検出する光検出器7、案内
溝またはピットの幅及び深さを計算するための演算処理
装置9及び演算処理結果を表示する表示器15から構成
されている。本実施例では、レーザー光源1として発振
波長が266nmのレーザー光(Nd−YAGレーザー
の4倍高調波)を用いた。
【0028】ガラス原盤10は測定装置100に装填す
る前に水中に浸漬させて、ガラス原盤10上のレジスト
により形成されたプリピット及び案内溝に光透過性媒体
として水を充填した。ガラス原盤10を水中から取り出
した後、プリピット及び案内溝が形成されている面が上
方になるようにガラス原盤10を水平に配置した。次い
で、プリピット及び案内溝が形成されている面上に光透
過性媒体としての水膜3を維持した状態で、光透過性部
材としての半径2mm、屈折率1.8のサファイア製の
半球体5を、その底面が密着するように水膜3を介して
装着した。この際、ガラス原盤10と半球体5との間及
びガラス原盤10上に形成されたプリピット及び案内溝
内の水膜3の中に気泡が発生しないようにした。また、
半球体5は、その中心がレーザー光の光軸がガラス原盤
と交差する点、すなわち、光入射点に位置するように配
置した。このように配置することにより、ガラス原盤1
0から射出した回折光は、半球体5内でその回折角の大
きさにかかわらず等しい光路長を有し且つ半球体5から
射出するときに屈折または反射することなく半球体5の
半径方向に直進する。
【0029】測定装置100は、更に、ガラス原盤10
上の光射出点を中心とする円弧に沿って設けられたガイ
ドレール11を備える。光検出器7はガイドレール11
と係合し且つガイドレール11上を摺動可能な係合部
(不図示)を備える。このように光検出器7がガイドレ
ール11に沿って移動可能にすることによって種々の回
折角の回折光をそれぞれ等しい光路長で検出することが
できる。
【0030】上記レーザー光源1からレーザー光13を
ガラス原盤10の案内溝及びピットが形成されていない
面に垂直に入射させて、0次回折光(透過光)の光強度
を検出した。次いで、ガイドレール11に沿って光検出
器7を移動させ、光検出器7と0次回折光を検出した位
置とのなす角が11.5°になったところで1次回折光
を検出し、更に23.5°になったところで2次回折光
を検出した。検出した0次〜2次回折光の光強度I0
1及びI2から相対的な光強度比I1 /I2 及びI2
1 を求めるとI1 /I0 =0.07、I2 /I1
0.25であった。上記式(2)及び(3)の計算処理
を行う演算処理装置9にこれらの値を入力して案内溝及
びピットの深さ並びに幅を求めた結果、案内溝深さ12
0nm、案内溝幅250nm、ピット深さ120nm、
ピット幅250nmであった。
【0031】実施例2 実施例1においてガラス原盤のトラックピッチを0.3
μm、0.4μm、0.5μm及び0.6μmにそれぞ
れ変更した以外は、実施例1と同様にしてガラス原盤を
製造し、製造したそれぞれのガラス原盤について実施例
1と同様の測定装置を用いて案内溝及びピットの幅及び
深さを測定した。図3に、トラックピッチに対する回折
角依存性を表すグラフを示す。このグラフからわかるよ
うに本発明の測定装置では、トラックピッチが0.3μ
m〜0.6μmのすべてのガラス原盤において2次回折
光を検出することができ、特に、トラックピッチが0.
3μmと極めて狭いガラス原盤であっても良好に2次回
折光を検出することができた。
【0032】比較例1 実施例1においてガラス原盤のトラックピッチを0.7
4μm、1.0μm、1.2μm、1.4μm及び1.
6μmにそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にし
てガラス原盤を製造した。そして、レーザー光源として
発振波長が632.8nmのHe−Neレーザーを用
い、光透過性媒体としての水層3及び光透過性部材とし
ての半球体5を設けなかった以外は、実施例1と同様の
測定装置を用いて、製造したそれぞれのガラス原盤につ
いて案内溝及びピットの幅及び深さを測定した。トラッ
クピッチに対する回折角依存性のグラフを図4に示す。
このグラフからわかるように、トラックピッチが1.6
μm及び1.4μmのガラス原盤においては2次回折光
を検出することができたが、トラックピッチが1.2μ
m、1.0μm及び0.74μmのガラス原盤では2次
回折光を検出することができず、案内溝及びピットの深
さ並びに幅を求めることはできなかった。
【0033】比較例2 光透過性媒体としての水層3及び光透過性部材としての
半球体5を設けないで、発振波長が351nm、400
nm、488nm、544nm及び633nmのレーザ
ーを用いた以外は、実施例1と同様の測定装置を用い、
上記実施例1、2及び比較例1で製造したトラックピッ
チ0.4μm、0.74μm及び1.0μmのガラス原
盤の案内溝及びピットの深さ並びに幅をそれぞれ測定し
た。レーザー波長に対する回折角依存性のグラフを図5
に示す。図5のグラフからわかるように、トラックピッ
チが1.0μmのガラス原盤は、レーザー波長を488
nm以下に短くすることにより2次回折光を検出するこ
とができ、トラックピッチが0.74μmのガラス原盤
はレーザー波長を351nmにすることにより2次回折
光を検出することができた。しかしながら、トラックピ
ッチが0.4μmのガラス原盤においてはレーザー波長
を350nmに短くしても2次回折光を検出することは
できなかった。
【0034】以上、本発明の測定装置について実施例を
用いて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、例えば、測定する基盤としてドライ
エッチングによって直接ガラス基板上に案内溝またはピ
ットを形成したガラス原盤やスタンパ、光記録媒体用の
プラスチック基板を用いてもよい。ただし、スタンパの
場合には、上記実施例とは逆に、案内溝またはピットが
形成されている面側から光透過性部材及び光透過性媒体
を介して光を入射することになり、回折光は反射光とし
て得られる。また、上記実施例ではガラス原盤を水平に
配置して測定を行ったが、光透過性媒体として粘着性の
ある透明材料を用いてガラス原盤と光透過性部材とを密
着させれば、ガラス原盤を垂直に配置した状態でも光透
過性部材がガラス原盤から落下することなく測定を行う
ことができる。或いは、光透過性部材を支持する支持部
材を設け、該支持部材をレールに固定させることによっ
てガラス原盤を垂直に配置してもよい。また、上記実施
例ではガイドレールに沿って移動可能な光検出器7を用
いたが、トラックピッチが既知の場合には図6に示すよ
うに、種々の回折光が射出する角度方向に固定して配置
した固定型の光検出器7a、7b及び7cを用いて、そ
れらの回折光の光強度を検出して案内溝やピットの寸法
特性を測定しても良い。なお、図6の測定装置は、ガラ
ス原盤10を垂直に配置し、上述した粘着性のある透明
材料を光透過性媒体として用いて、半球体5をガラス原
盤10に密着させた装置の例である。
【0035】また、上記実施例では、ガラス原盤の案内
溝またはピットが形成されている面の案内溝またはピッ
ト以外の部分にも光透過性媒体としての水を介在させて
測定を行ったが、ガラス原盤のピットまたは案内溝だけ
に水を充填して、光透過性部材としての半球体をガラス
原盤のピットまたは案内溝が形成されている面上に密着
させてもよい。また、レーザー光を基盤の案内溝または
ピットが形成されている側から入射させてもよい。この
場合、基盤の案内溝またはピットが形成されている面で
発生した回折光は基盤内を透過したのち、基盤の案内溝
またはピットが形成されていない平坦面で全反射してし
まうので、案内溝またはピットが形成されていない平坦
面に光透過性部材としての半球体を高屈折率媒質を介し
て設けるか、または高屈折率媒質を介しないで直接密着
させることによって、基盤の平坦面での回折光の全反射
を防止することができる。
【0036】また、上記実施例では光透過性部材として
半球体を用いたが、これに限らず、回折角にかかわらず
等しい光路長で回折光を射出する形状、すなわち、入射
光と回折光を含む面で切断した断面が半円となり且つ案
内溝の接線方向に中心軸を有する半円柱体であっても良
い。
【0037】
【発明の効果】本発明の測定装置は、基盤の光射出面上
に空気よりも屈折率の高い光透過性部材を設けているの
で、基盤が狭トラックピッチ化された高密度記録媒体用
のガラス原盤であっても0次〜2次回折光を検出してガ
ラス原盤上に形成されている案内溝やピットの寸法特性
を求めることができる。更に本発明の測定装置は、基盤
を破壊することなく簡便に測定を行うことができるの
で、高密度化された基盤を製造する際の検査手段に極め
て好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ガラス原盤にレーザー光を垂直に入射
したときに生じる回折光を概念的に示す図である。
【図2】図2は、移動型の光検出器を備えた本発明に従
う測定装置の構成を概略的に示す図である。
【図3】図3は、本発明の測定装置を用いて検出された
回折光の回折角度とガラス原盤のトラックピッチとの関
係を示すグラフである。
【図4】図4は、光透過性媒体及び光透過性部材を設け
ないで検出された回折光の回折角度とガラス原盤のトラ
ックピッチとの関係を示すグラフである。
【図5】図5は、レーザー波長に対する回折角の依存性
を示すグラフである。
【図6】図6は、固定型の光検出器を備えた本発明に従
う測定装置の構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 レーザー光源 3 水膜 5 半球体 7、7a、7b、7c 光検出器 9 演算処理装置 11 ガイドレール 13 レーザー光 100 測定装置

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の周期で凹部が形成されてなる基盤
    に光を照射し、凹部から生じる回折光を検出することに
    よって該凹部の寸法特性を測定する測定装置であって、 上記基盤に光を照射するための光源と、 n>1の屈折率nを有し、上記基盤の光射出面上に配置
    した光透過性部材と、 該光透過性部材を透過して射出された回折光を検出する
    光検出器とを備えることを特徴とする測定装置。
  2. 【請求項2】 上記凹部の寸法特性が、0次〜2次回折
    光の光強度比に基づいて測定されることを特徴とする請
    求項1に記載の測定装置。
  3. 【請求項3】 上記光透過性部材の形状が半球状である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の測定装置。
  4. 【請求項4】 上記光透過性部材が、基盤の光射出面で
    2次回折光の全反射を起こさないような屈折率を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    測定装置。
  5. 【請求項5】 上記光透過性部材の屈折率nが、1.3
    ≦n≦2.0であることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか一項に記載の測定装置。
  6. 【請求項6】 上記基盤が、光記録媒体製造用のガラス
    原盤、スタンパ及び光記録媒体に用いられる基板から選
    ばれた一種であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか一項に記載の測定装置。
  7. 【請求項7】 上記凹部が案内溝及びピットの少なくと
    も一方であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    一項に記載の測定装置。
  8. 【請求項8】 上記凹部の寸法特性が、溝深さ、溝幅、
    ピット幅、ピット深さ及びトラックピッチから選ばれた
    少なくとも一種であることを特徴とする請求項7に記載
    の測定装置。
  9. 【請求項9】 上記トラックピッチが、0.30μm〜
    0.74μmであることを特徴とする請求項8に記載の
    測定装置。
  10. 【請求項10】 上記光源が、発振波長250nm〜6
    33nmのレーザー光源であることを特徴とする請求項
    1〜9のいずれか一項に記載の測定装置。
  11. 【請求項11】 更に、上記基盤の光射出点を中心とす
    る円弧上で上記光検出器を移動させるための移動装置を
    備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項
    に記載の測定装置。
  12. 【請求項12】 上記基盤の光射出面と上記光透過性部
    材との間に1<n’を満足する屈折率n’を有する光透
    過性媒体を介在させたことを特徴とする請求項1〜11
    のいずれか一項に記載の測定装置。
  13. 【請求項13】 上記光透過性媒体が、水、油、アルコ
    ール及びブロムナフタレンから選ばれた光透過性の液体
    であることを特徴とする請求項12に記載の測定装置。
  14. 【請求項14】 上記基盤の一方の面に対して斜めに光
    を入射することを特徴とする請求項1〜13のいずれか
    一項に記載の測定装置。
  15. 【請求項15】 上記基盤の凹部が形成されている面に
    光を入射することを特徴とする請求項1〜14のいずれ
    か一項に記載の測定装置。
  16. 【請求項16】 上記光透過性部材が、ガラス、石英、
    プラスチック及びサファイアから選ばれた透明材質で形
    成されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれ
    か一項に記載の測定装置。
  17. 【請求項17】 更に、検出された0次〜2次回折光の
    光強度比から凹部の寸法特性を計算するための演算処理
    装置を備えることを特徴とする請求項1〜16のいずれ
    か一項に記載の測定装置。
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