JPH11287425A - スラリー状物の微細化・分散装置及び微細化・分散方法 - Google Patents

スラリー状物の微細化・分散装置及び微細化・分散方法

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JPH11287425A
JPH11287425A JP10569298A JP10569298A JPH11287425A JP H11287425 A JPH11287425 A JP H11287425A JP 10569298 A JP10569298 A JP 10569298A JP 10569298 A JP10569298 A JP 10569298A JP H11287425 A JPH11287425 A JP H11287425A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下水汚泥等からなるスラリー状物の処理炉で
の反応を迅速化すると共に、処理負荷の均一性を向上し
て、安定及び高負荷処理を可能とする処理炉へ供給する
スラリー状物の微細化・分散装置及び微細化・分散方法
を提供する。 【解決手段】 スラリー状物噴出口35から噴出するス
ラリー状物16に、スラリー状物16の厚さ方向の両側
からそれぞれ、所定の噴出流量の流体11、19をスラ
リー状物16の噴出方向と同じ方向に所定の噴出角度
η、δを有して噴出させてスラリー状物16を微細化、
分散化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばスラリー状
の下水汚泥を溶融炉等に供給して、汚泥の反応を迅速化
すると共に、処理負荷の均一性を向上して、安定及び高
負荷処理を可能とするスラリー状物の微細化・分散装置
及び微細化・分散方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水分が60〜80%程度のスラリ
ー状の下水汚泥等を焼却炉に供給して処理するためにス
ラリー状物の微細化・分散装置として、特開平9−60
839号公報に記載されているような供給ノズルが知ら
れている。同号公報に記載されている供給ノズル中心部
のスクレーパ軸の周囲に断面環状の汚泥供給通路を形成
し、汚泥供給通路の外周囲に汚泥分散用の加圧蒸気や圧
縮空気などの加圧流体を供給する円筒状のジャケットが
取付けられている。ジャケットの炉側の端部に形成され
た多数の加圧流体噴出口から加圧流体を噴出させて、汚
泥供給通路の炉側の端部に形成された汚泥吐出口から吐
出されるスラリー状の汚泥を炉内に、微細化、分散化さ
せて供給している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平9−60839号公報に記載されているようなスラ
リー状物の微細化・分散装置においては、未だ解決すべ
き以下のような問題があった。スラリー状の汚泥を微細
化、分散化するための加圧流体の噴出は汚泥吐出口の外
周からのみであるため、汚泥の供給状態(微細化、分散
化)の制御性が劣るという問題があった。中実円形の場
合、外周からのみの供給であるため、中心部まで十分な
剪断力が働かず、また、中空の環状の場合も、外周から
のみのため汚泥形状の変形が生じ、先鋭状の形状とな
り、流体の剪断力が十分に与えられなくなる。この結果
微細化が十分に行えないという問題があった。また、加
圧流体噴出口から噴出された加圧流体は、ノズル先端部
近傍で中心方向に集合するため、分散化が行えず、汚泥
が中心部に集中して落下する。従って、反応が遅く、ま
た局部的に処理負荷が上昇するため、不安定で低負荷な
処理しかできないという問題があった。また、効果は少
ないものの、汚泥の微細化、分散化を行なうためには、
多くの加圧流体の流量が必要となり、このために付帯設
備の負荷が大きくなるという問題もあった。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、下水汚泥等からなるスラリー状物の処理炉での
反応を迅速化すると共に、処理負荷の均一性を向上し
て、安定及び高負荷処理を可能とする処理炉へ供給する
スラリー状物の微細化・分散装置及び微細化・分散方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載のスラリー状物の微細化・分散方法は、スラリー状
物噴出口から噴出するスラリー状物に、該スラリー状物
の厚さ方向の両側からそれぞれ、所定の噴出流量の流体
を前記スラリー状物の噴出方向と同じ方向に所定の噴出
角度を有して噴出させて前記スラリー状物を微細化、分
散化する。請求項2記載のスラリー状物の微細化・分散
方法は、請求項1記載のスラリー状物の微細化・分散方
法において、前記両側から噴出される流体のトータル噴
出流量を一定として、それぞれの前記噴出流量の割合を
変化させる。請求項3記載のスラリー状物の微細化・分
散方法は、請求項1記載のスラリー状物の微細化・分散
方法において、前記両側から噴出される流体のトータル
噴出流量を増減する。請求項4記載のスラリー状物の微
細化・分散方法は、請求項1記載のスラリー状物の微細
化・分散方法において、前記両側からそれぞれ噴出され
る流体の流量を、独立して任意に調整する。
【0006】請求項5記載のスラリー状物の微細化・分
散装置は、噴出するスラリー状物に、流体を噴出させて
該スラリー状物を微細化、分散化するスラリー状物の微
細化・分散装置であって、前記スラリー状物が流れる流
路の先端部にスラリー状物噴出口を形成し、該スラリー
状物噴出口から噴出する前記スラリー状物の両側に前記
流体を所定の噴出流量及び所定の噴出角度で噴出させる
流体噴出口を形成している。請求項6記載のスラリー状
物の微細化・分散装置は、請求項5記載のスラリー状物
の微細化・分散装置において、前記スラリー状物噴出口
の断面が矩形状である。請求項7記載のスラリー状物の
微細化・分散装置は、請求項5記載のスラリー状物の微
細化・分散装置において、前記スラリー状物噴出口の断
面が環状である。
【0007】上記の手段に加えて下記に示す手段を設け
ることもできる。スラリー状物の微細化・分散方法にお
いては、複数個の流体噴出口を介してスラリー状物の両
側から流体を噴出させること、複数個の流体噴出口の位
相を両側で異なるようにすること、流体噴出口を周方向
のスリット形状とすること、スラリー状物噴出口を2個
以上とすること、またその複数個の噴出口を管の軸方向
に前後させて配置すること、スラリー状物噴出口の断面
を矩形状又は環状とすること、噴出される流体の噴出位
置をスラリー状物の噴出方向に平行に調整可能にするこ
と、両側から噴出される流体の噴出角度を異なるように
すること、両側から噴出される流体の噴出流量を異なる
ようにすること等が可能である。また、スラリー状物の
微細化・分散装置においては、流体の流れる流路及び該
流路の先端部に形成された流体噴出口を、複数の配管と
該配管に接続される噴出ノズルから構成すること、複数
個の流体噴出口の位相を両側で異なるようにすること、
またその複数個の噴出口を管の軸方向に前後させて配置
すること、さらに噴出口径を両側で異なるようにするこ
と、スラリー状物噴出口が2個以上あるようにするこ
と、流体噴出口の噴出位置をスラリー状物の噴出方向に
平行に調整可能なようにすること、両側から噴出される
流体の噴出角度を異なるようにすることが可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係るスラリー状物の微細化・分散装置の適用する炉
に取付けた状態の断面図、図2は同スラリー状物の微細
化・分散装置の要部拡大図、図3は同平面図、図4はス
ラリー状物及び流体の噴出方向の説明図、図5は本発明
の他の実施の形態に係るスラリー状物の微細化・分散装
置の要部拡大断面図、図6(A)、(B)はそれぞれ本
発明の別の他の実施の形態に係るスラリー状物の微細化
・分散装置の要部拡大斜視図、同平断面図である。
【0009】図1〜図3に示すように、本発明の一実施
の形態に係るスラリー状物の微細化・分散装置10は、
棒形状の、中央部にはその内部を流体11が流れる内管
12と、内管12の先端部に連結され、その先端に複数
個形成された流体噴出口13から流体11を炉内に噴出
する流体噴出部14と、内管12及び流体噴出部14の
外周面とその内周面とで形成される空間15をスラリー
状物16が流れ、先端からスラリー状物16を炉内に噴
出する中央管17と、中央管17の外周面とその内周面
とで形成される空間18を流体19が流れ、中央管17
の端部とその端部とを連結する環状板20に形成された
複数の流体噴出口21から流体19を炉内に噴出する外
管22とを有している。なお、流体11、19として、
圧縮空気、蒸気等の圧縮気体を使用する。以下、これら
について詳しく説明する。
【0010】内管12はステンレス製のパイプを使用
し、基部には流体11を流すための図示しないフレキシ
ブルホースの接続フランジに連結される接続フランジ2
3が設けられ、先部には図2に示すように、流体噴出部
14が形成されている。また、先端部の外周面の周方向
に所定の間隔を開けて、中央管17の内周面と所定の間
隙を保って、スラリー状物16を整流するための支持プ
レート25が複数個固着されている。環状板27が一体
的に設けられた流体噴出部14の先端には、図2及び図
3に示すように、周方向に所定の間隔を開けて流体噴出
口13が形成されている。流体噴出口13の軸方向は環
状板27の面に対して傾斜角度η(10〜90°)を有
している。従って、前記フレキシブルホースを介して送
られた流体11は内管12、次いで流体噴出部14の流
体噴出口13を通して、内管12の軸方向に対して噴射
角度η(又は傾斜角度)が10〜90°で傾斜した外側
の方向に噴出されることになる。
【0011】中央管17も内管12と同様ステンレス製
のパイプを使用し、基部には内管12を中央管17と接
続し固定する接続フランジ28と、接続フランジ28に
連結される接続フランジ29が設けられている。また、
中央管17の基端部の一側部には空間15を水30によ
って洗浄するための配管31及び接続フランジ32が設
けられている。さらに、中央管17の基端部の他側部に
は、図示しないスラリー状物供給手段によって送られる
スラリー状物16を空間15に導入するための配管33
及び接続フランジ34が設けられている。中央管17の
先部の外側には、外管22の先部の内側との間に設けら
れる環状板20が固着されている。なお、中央管17の
先部の内側と流体噴出口13の先部の外面との間には、
スラリー状物16を断面環状に噴出するスラリー状物噴
出口35が形成されることになる。従って、スラリー状
物供給手段によって送られるスラリー状物16は中央管
17内部の空間15を通って、内管12の先部のスラリ
ー状物噴出口35を介して断面リング状で、内管12の
軸方向に噴出されることになる。
【0012】外管22も内管12及び中央管17と同様
ステンレス製のパイプを使用し、中央管17の配管33
及び接続フランジ34の下方の基部には、中央管17の
外周面とのシール性を維持するための環状のシール用プ
レート36が固着されている。外管22の基端部の一側
部には空間18に流体19を導入するための配管37及
び接続フランジ38が設けられている。また、外管22
の先部の内側には中央管17の先部の外側との間に環状
板20が設けられ、環状板20の面に形成された流体噴
出口21は外管22の軸方向に対して0〜90°の傾斜
角度(又は噴射角度)δで傾いている。従って、図示し
ないフレキシブルホースを介して送られた流体19は外
管22内の空間18を通って、環状板20に周方向に所
定のピッチで設けられた複数の流体噴出口21を介し
て、外管22の軸方向に対して噴射角度δ内側に傾いた
方向に噴出されることになる。
【0013】続いて、前記一実施の形態に係るスラリー
状物の微細化・分散装置10の作用について説明する。
まず、図1に示すように、スラリー状物の微細化・分散
装置10を適用する処理炉の一例である溶融炉41に取
付ける方法について説明する。図に示すように、溶融炉
41のスラリー状物の微細化・分散装置10を設置する
個所の耐火物42を貫通して形成されたノズル座43
に、接続フランジ44及び取付けフランジ45を設け
る。接続フランジ44には、図示しないフレキシブルホ
ース等をフランジ接続し、フレキシブルホース等を介し
て冷却用空気47を供給する。取付けフランジ45に
は、スラリー状物の微細化・分散装置10に固着された
取付けフランジ46を合わせて取付ける。その後、接続
フランジ23、38には、それぞれ流体11、19を供
給するためのフレキシブルホースを接続し、接続フラン
ジ34には、スラリー状物16を供給するための配管を
接続して取付けを完了する。溶融炉41の高温の燃焼室
48内には、スラリー状物16を所定の量だけ供給し、
スラリー状物16を燃焼室48内で微細化、分散化して
高効率で燃焼するように、流体11、19の量を制御し
ながら操業している。
【0014】次に、スラリー状物の微細化・分散装置1
0によるスラリー状物の微細化及び分散化の作用につい
て図4を参照しながら説明する。微細化及び分散化の制
御は、主として流体11、19のトータル量の増減、流
体11、19の量の割合を変化させること及び流体1
1、19の量を独立して変化させることによって可能で
ある。図4に示すように、断面が環状の空間15を流れ
るスラリー状物16がスラリー状物噴出口35から軸方
向に平行に噴出する時、断面が環状の中空柱状(破線で
示す)のスラリー状物16の内側からスラリー状物16
の流れ方向(軸方向と同じ)に傾斜角度η10〜90°
傾斜させて流体11を流体噴出口13から、同時に中空
柱状のスラリー状物16の外側からスラリー状物16の
流れ方向に噴出角度δ0〜90°傾斜させて流体19を
流体噴出口21から噴出させる。
【0015】この時のスラリー状物16の挙動につい
て、もし従来と同様に流体11を流さない場合には、ス
ラリー状物16は流体19によって断面が環状の状態で
中心部に収縮するようになって、流体19による切断が
充分に行えず、大塊形状となって落下することになる。
また、逆に、流体19を止めて、流体11だけを流した
場合には、スラリー状物16は流体11のみによって断
面が環状の状態で中心部から放射状に拡散して、外側へ
の分散化は行えるが、流体11による微細化が不十分と
なる。しかし、本実施の形態に係わるスラリー状物の微
細化・分散装置10のように断面環状のスラリー状物1
6の内側から、スラリー状物16に流体11を噴出させ
ると、スラリー状物16は両側から傾斜して噴出される
流体11、19によって充分の剪断力が付与されるた
め、充分に微細化されると共に、スラリー状物16が中
心部に収縮することが防止できて分散化することにな
る。
【0016】特に、スラリー状物16が中心部に収縮す
ることがなく、かつ、流体11、19によって充分な剪
断力が付与されるために、噴射角度ηに対し噴射角度δ
を異ならせたり、流体11、19の噴出量を異ならせた
りして適正化を図るようにしている。即ち、適正な微細
化、分散化が行われるためには、スラリー状物16の性
状、噴出速度及び噴出する断面形状等の条件の下で、流
体11、19の噴出速度、噴出量や噴出角度(傾斜角度
η、δ)等の条件を適宜決定する必要がある。
【0017】流体11、19のそれぞれの噴出速度、噴
出流量、噴出角度等の条件が適切で両方のバランスが取
れている場合には、流体11と流体19とのトータル噴
出流量の増加に伴い、流体11、19によってスラリー
状物16に与えられる剪断力は増加し、その結果スラリ
ー状物16は特に充分に微細化される。また、スラリー
状物16の両側から流体11、19を作用させているの
で、小さい剪断力、即ち少ない流量の流体11、19で
微細化、分散化が可能である。一方、流体11と流体1
9とのトータル噴出流量を変化させずに一定にして、流
体11と流体19との噴出流量の割合を変化させる場合
には、流体11と流体19それぞれの流体噴出口13、
21の孔径、孔数、傾斜角度η、δ及び相対位置等を変
化させて微細化、分散化の状態を変えることもできる。
また、流体11、19の流量を独立して任意に操作する
ことによって、微細化、分散化の状態を変えることもで
きる。
【0018】以上のように、スラリー状物16の微細
化、分散化の制御は、流体11、19の量の割合を変化
させたり、流体11と流体19とのトータル噴出流量の
増減によって容易に行うことができる。従って、スラリ
ー状物の微細化・分散装置10を用いた溶融炉41の操
業においては、スラリー状物16が充分に微細化される
ので、比表面積の増大による反応の迅速化が達成される
と共に、スラリー状物16が充分に分散化されるので、
局部的な処理負荷の上昇を防止でき、その結果、溶融炉
41での安定したかつ高負荷での処理が可能である。ま
た、スラリー状物の微細化・分散装置10は、基本的に
は3重管構造としているので、コンパクトな構造とする
ことができる。
【0019】本実施の形態においては、内管12及び流
体噴出部14は一体となって固定状態で取付けられてい
るが、別途、流体噴出部移動手段を設けて、一体的に又
は、流体噴出部のみを軸方向に移動して、流体噴出部に
形成された流体噴出口13の、環状板20に形成された
流体噴出口21に対する相対位置を調整できるようにす
ることもできる。この相対位置の調整によって、効果的
に微細化、分散化を調整できる。
【0020】本実施の形態においては、スラリー状物の
微細化・分散装置10は、基本的には3重管構造とした
が、他の実施の形態として図5に示すように、5重管構
造とすることもできる。この場合、通過するスラリー状
物16、16a間に挟まれる環状板20aには軸方向に
対して異なる方向に傾斜した2種類の流体噴出口21
a、21bが複数個、周方向に所定の間隔を開けて形成
され、また最外側の環状板20bには、噴出の対象とな
るスラリー状物16a側に傾斜した流体噴出口21cが
複数個、周方向に所定の間隔を開けて形成されている。
さらに(2n+1)重管構造(ただし、nは整数)とし
て、中心から奇数番目の管内には流体を、偶数番目の管
内にはスラリー状物を流すことができる。なお、それぞ
れの管内を流れる流体及びスラリー状物は同じものであ
っても、異なるものであっても構わない。また、流体噴
出口21a、21bから流体19を同時に噴出させてい
るが、図中の破線で示す仕切り管55を設けて、それぞ
れ異なる種類の気体とすることもできるし、同じ気体を
使用してもよい。
【0021】本実施の形態においては、流体11の流れ
る流路を内管12のように断面円形とし、スラリー状物
16及び流体19の流れる流路をそれぞれ、内管12と
中央管17、中央管17と外管22によって断面環状に
形成したが、この流路の形状に限定されず、スペース上
の制約、スラリー状物の性状等の条件に応じて、別の他
の実施の形態として図6に示すように、断面が細長の矩
形状の流路を形成するように構成することもできる。特
に、スラリー状物が噴出され、流れるスラリー状物噴出
口及び流路の断面が環状の場合には、環状の内側周と外
側周の長さが異なるため、均等な微細化及び分散化を図
るには、両側での流体の噴出条件(例えば、噴出流量、
噴出角度、噴出位置等)を変える必要がある。この点を
改善するために、断面が細長の矩形状の流路を形成する
必要がある。なお、同一の構成要素については同一の符
号を付し、類似の構成要素については添字を変えて、詳
しい説明を省略する。図中の符号20c、20d、20
eは、それぞれ流体噴出口21d、21eと21f、2
1gが所定の間隔を開けて直線方向に複数個形成された
流体噴出板を表す。
【0022】図5及び図6それぞれにおいて、流体11
が流れる流路を第1層目の流路50、50a、スラリー
状物16が流れる流路を第2層目の流路51、51a、
流体19が流れる流路を第3層目の流路52、52a、
スラリー状物16aが流れる流路を第4層目の流路5
3、53a、流体49が流れる流路を第5層目の流路5
4、54aと呼ぶことにする。なお、スラリー状物16
とスラリー状物16a、また、流体11、流体19及び
流体49は同じであっても、異なっていても適用でき
る。
【0023】本実施の形態においては、流体の噴出を複
数の流体噴出口を介して行うように説明したが、これに
限定されず、複数の流体噴出口に代えて、管の周方向の
スリットを形成することもできる。スラリー状物噴出口
35は、1個のスリットで構成したが、必要に応じて、
分割された複数個のスリットで構成することもでき、複
数のスラリー状物噴出口を噴出ノズルとして、該噴出ノ
ズルそれぞれにスラリー状物用の配管を行うこともでき
る。このように、流体及びスラリー状物共、噴出ノズル
と配管で構成すれば、装置のレイアウトやメンテナンス
作業が極めて容易になる。また、流体としては、圧縮気
体であれば圧縮空気に限定されず、その他の気体を使用
することができる。本実施の形態においては、スラリー
状物の微細化・分散装置10を溶融炉41に適用した場
合について説明したが、焼却炉等で下水汚泥等のスラリ
ー状物を焼却処理したり、また食品関係の分野におい
て、スラリー状物の乾燥処理炉等にも適用できる。
【0024】
【実施例】本実施の形態に係わるスラリー状物の微細化
・分散装置10を溶融炉41に適用した実施例の実験条
件、実験方法及びその結果について説明する。スラリー
状物16は水分80%程度の下水汚泥を使用し、流体1
1、流体19は圧縮空気とし、圧力は0.1〜3kgf
/cm2 で行った。流体噴出口13の噴出角度ηは10
〜70°とし、流体噴出口21の噴出角度δも10〜7
0°とした。
【0025】前記の条件で、流体11、流体19の噴出
流量及び噴出角度η、δを変化させながら溶融炉41に
スラリー状物16を供給して処理を行った。結果とし
て、流体11、流体19の噴出流量及び噴出角度η、δ
を適切にコントロールする、即ち両者のバランスをとる
ことによって、さらに、トータル噴出流量の増減によっ
てスラリー状物16を容易に微細化、分散化することが
でき、それによって、既設の単管形状のノズルと比較し
て、高負荷での安定した溶融処理が可能であることが確
認できた。
【0026】
【発明の効果】請求項1〜4記載のスラリー状物の微細
化・分散方法においては、スラリー状物噴出口から噴出
するスラリー状物に、該スラリー状物の厚さ方向の両側
から流体を噴出させてスラリー状物を微細化、分散化す
るので、スラリー状物が噴出される方向が偏向すること
がないため分散性が良好であると共に、両側からの流体
によってスラリー状物が充分に剪断されるために微細化
能が向上する。特に、請求項2記載のスラリー状物の微
細化・分散方法においては、両側から噴出される流体の
トータル噴出流量を一定として、それぞれの噴出流量の
割合を変化させるようにしているので、微細化及び分散
化の制御が極めて容易となった。請求項3記載のスラリ
ー状物の微細化・分散方法においては、両側から噴出さ
れる流体のトータル噴出流量を増減するようにしている
ので、スラリー状物の剪断力の調整を容易に行うことが
でき、特に微細化の制御が極めて容易となった。請求項
4記載のスラリー状物の微細化・分散方法においては、
両側から噴出される流体の流量を独立して任意に制御す
るようにしているので、剪断、細化の制御が容易となっ
た。
【0027】請求項5〜7記載のスラリー状物の微細化
・分散装置においては、スラリー状物が流れる流路の先
端部にスラリー状物噴出口を形成し、スラリー状物噴出
口から噴出するスラリー状物の両側に流体を所定の噴出
流量及び所定の噴出角度で噴出させる流体噴出口を形成
しているので、スラリー状物が噴出される方向が偏向す
ることがなく、分散性が良好であると共に、両側からの
流体によってスラリー状物が充分に剪断されるために微
細化能が向上する。従って、従来のような一方向から流
体を噴出する場合に比較して、スラリー状物をより微細
化、分散化できるので、高負荷での安定した処理が可能
となった。特に、請求項6記載のスラリー状物の微細化
・分散装置においては、スラリー状物噴出口の断面が矩
形状であるので、スラリー状物の両側に噴出される流体
の条件を同一とすることができるため、その結果、装置
をより簡略に構成することができた。請求項7記載のス
ラリー状物の微細化・分散装置においては、スラリー状
物噴出口の断面が環状であるので、装置をよりコンパク
トにでき、設置スペースが小さくても設置可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスラリー状物の微
細化・分散装置の適用する炉に取付けた状態の断面図で
ある。
【図2】同スラリー状物の微細化・分散装置の要部拡大
図である。
【図3】同平面図である。
【図4】スラリー状物及び流体の噴出方向の説明図であ
る。
【図5】本発明の他の実施の形態に係るスラリー状物の
微細化・分散装置の要部拡大断面図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ本発明の別の他の実
施の形態に係るスラリー状物の微細化・分散装置の要部
拡大斜視図、同平断面図である。
【符号の説明】
10 スラリー状物の微細化・分散装置 11 流体 12 内管 13 流体噴出口 14 流体噴出
部 15 空間 16 スラリー
状物 16a スラリー状物 17 中央管 18 空間 19 流体 20 環状板 20a 環状板 20b 環状板 20c 流体噴
出板 20d 流体噴出板 20e 流体噴
出板 21 流体噴出口 21a 流体噴
出口 21b 流体噴出口 21c 流体噴
出口 21d 流体噴出口 21e 流体噴
出口 21f 流体噴出口 21g 流体噴
出口 22 外管 23 接続フラ
ンジ 25 支持プレート 27 環状板 28 接続フランジ 29 接続フラ
ンジ 30 水 31 配管 32 接続フランジ 33 配管 34 接続フランジ 35 スラリー
状物噴出口 35a スラリー状物噴出口 35b スラリ
ー状物噴出口 35c スラリー状物噴出口 36 シール用
プレート 37 配管 38 接続フラ
ンジ 41 溶融炉 42 耐火物 43 ノズル座 44 接続フラ
ンジ 45 取付けフランジ 46 取付けフ
ランジ 47 冷却用空気 48 燃焼室 49 流体 50 第1層目
の流路 50a 第1層目の流路 51 第2層目
の流路 51a 第2層目の流路 52 第3層目
の流路 52a 第3層目の流路 53 第4層目
の流路 53a 第4層目の流路 54 第5層目
の流路 54a 第5層目の流路 55 仕切り管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 泉屋 亨 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新 日本製鐵株式会社エンジニアリング事業本 部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラリー状物噴出口から噴出するスラリ
    ー状物に、該スラリー状物の厚さ方向の両側からそれぞ
    れ、所定の噴出流量の流体を前記スラリー状物の噴出方
    向と同じ方向に所定の噴出角度を有して噴出させて前記
    スラリー状物を微細化、分散化することを特徴とするス
    ラリー状物の微細化・分散方法。
  2. 【請求項2】 前記両側から噴出される流体のトータル
    噴出流量を一定として、それぞれの前記噴出流量の割合
    を変化させる請求項1記載のスラリー状物の微細化・分
    散方法。
  3. 【請求項3】 前記両側から噴出される流体のトータル
    噴出流量を増減する請求項1記載のスラリー状物の微細
    化・分散方法。
  4. 【請求項4】 前記両側からそれぞれ噴出される流体の
    流量を、独立して任意に調整する請求項1記載のスラリ
    ー状物の微細化・分散方法。
  5. 【請求項5】 噴出するスラリー状物に、流体を噴出さ
    せて該スラリー状物を微細化、分散化するスラリー状物
    の微細化・分散装置であって、前記スラリー状物が流れ
    る流路の先端部にスラリー状物噴出口を形成し、該スラ
    リー状物噴出口から噴出する前記スラリー状物の両側に
    前記流体を所定の噴出流量及び所定の噴出角度で噴出さ
    せる流体噴出口を形成したことを特徴とするスラリー状
    物の微細化・分散装置。
  6. 【請求項6】 前記スラリー状物噴出口の断面が矩形状
    である請求項5記載のスラリー状物の微細化・分散装
    置。
  7. 【請求項7】 前記スラリー状物噴出口の断面が環状で
    ある請求項5記載のスラリー状物の微細化・分散装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100418177B1 (ko) * 2000-12-13 2004-02-11 (주)대우 슬러지 소각 용융로의 분사노즐
JP2010084811A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Thk Co Ltd 運動案内装置
JP4619550B2 (ja) * 2001-01-11 2011-01-26 月島機械株式会社 スラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置

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