JP4619550B2 - スラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置 - Google Patents

スラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば汚泥等のスラッジ・ケーキ状物質を廃棄物の焼却炉に供給して焼却処理したりする際に、かかるスラッジ・ケーキ状物質を微細に分散させつつ噴出して供給するためのスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置としては、上述のように汚泥を廃棄物の焼却炉に供給するためのものとして、例えば特開平9−60839号公報や特開平11−287425号公報に記載されたものなどが知られている。このうち、前者では、二重管構造を有する装置本体の内管と外管との間の先端部を噴出口が設けられた円錐状部材によって封止し、内管内部を通して供給されてその先端に画成される排出口から排出された汚泥を、内管と外管との間を通して上記噴出口から噴出させられる加圧流体(蒸気)によって分散させつつ焼却炉内に噴出するものが提案されている。また、後者においては、三重管構造を有する装置本体の内管先端部および外管と中管との間の先端部をやはり噴出口が設けられた部材で封止して、内管と中管との間を通して供給されてその先端の環状に画成された排出口から排出される汚泥を、内管内と外管と中管との間をそれぞれ通して上記噴出口から噴出させられる加圧流体(圧縮空気や蒸気等の圧縮気体)により分散噴出させるものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の分散噴出装置では、まず第1に、スクリュウポンプやスクリュウフィーダ等の汚泥供給手段によって上記装置本体に供給された汚泥を、そのまま上記内管内や内管と中管との間を通して装置本体先端の排出口から排出するとともに、これに該装置本体先端に形成された上記噴出口から噴出される加圧流体を吹きつけることにより、該汚泥を微細に分散させて焼却炉内に噴出させるものであるため、例えば汚泥の焼却処理量を増やそうとして装置本体に供給されて上記排出口から排出される汚泥の供給量を増大させると、たとえ加圧流体の噴出圧を増大させたり、あるいは三重管構造やそれ以上の多重管構造を採用していたりしたとしても、多量に排出される汚泥をこの加圧流体によって満遍なく微細化して分散噴出させることは困難となる。このため、分散されなかった汚泥が塊状となって焼却炉内の装置本体先端の直下に落下し、効率的な焼却処理が妨げられるとともに焼却炉への負荷も不均一となることが避けられない。
【0004】
また、特に、このようにスラッジ・ケーキ状物質としての汚泥を廃棄物の焼却炉に供給するための分散噴出装置では、かかる廃棄物の焼却炉がダイオキシン類の発生を防ぐ目的で800℃以上の高温で運転する必要があることから、装置本体には耐熱性が必要とされるとともに構造の簡単なものが要求される。ところが、上記従来の分散噴出装置のように多重管構造の装置本体を備えたものでは、この装置本体の構造が複雑となって、コストがかかるとともに故障等のトラブルも発生し易いという問題があり、取り分け上述のような廃棄物の焼却炉に汚泥を供給する場合には、このように分散噴出装置に故障が発生すると焼却炉の運転を一旦停止してその修理を行わなければならなくなるおそれもある。
【0005】
さらに、このような焼却炉にスラッジ・ケーキ状物質を分散噴出して供給する装置では、上述のように高温に晒される焼却炉内に先端を臨ませて装置本体が配設されるため、この装置本体先端から排出される汚泥等のスラッジ・ケーキ状物質が高温により焼き付きを生じて該装置本体の先端を閉塞してしまうという問題がある。しかるに、この点、例えば上記特開平9−60839号公報に記載のものでは、汚泥が供給される装置本体の内管内にスクレーパを設けることにより、焼き付いた汚泥を除去して排出口が閉塞されるのを防ぐようにしているが、このようなスクレーパによって除去できるのは上記内管先端の汚泥の排出口を閉塞する焼き付き汚泥だけであって、例えば分散噴出時に飛散した汚泥がこの内管と外管との間の上記円錐状部材に付着して焼き付くことにより、この円錐状部材に形成された加圧流体の噴出口が閉塞されると、汚泥の供給を続けながらこれを除去する術はなく、加圧流体による汚泥の分散噴出自体が不可能となるため、やはり焼却炉の運転を一旦停止して装置本体を取り外し、この噴出口を閉塞する焼き付き汚泥を取り除くといった作業を余儀なくされる。
【0006】
本発明は、このような背景の下になされたもので装置本体の構造の簡略化を図りつつ、スラッジ・ケーキ状物質の供給量を増大させた場合でもこれを確実に分散噴出させるとともに、当該分散噴出装置が上述のような焼却炉への汚泥の供給のためのものであっても、スラッジ・ケーキ状物質の焼き付きによる閉塞によってその分散噴出が不可能となったりするような事態を未然に防止することが可能なスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置を提供すること目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、ノズル状の先端部に噴出口が設けられた装置本体の内部に、分散噴出させられるスラッジ・ケーキ状物質と加圧流体とを供給可能とし、上記装置本体を有底の筒状に形成するとともに、その先端の開口部には蓋体を上記装置本体内側に付勢されて該開口部に密着可能に設け、この蓋体と上記開口部との密着部に形成された切欠部によって上記噴出口を画成したことを特徴とする。すなわち、このような構成の分散噴出装置においては、上記従来の分散噴出装置のように装置本体先端の排出口から排出されるスラッジ・ケーキ状物質に該排出口の周りの噴出口から噴出される加圧流体を吹きつけて分散噴出させるのではなく、装置本体内に供給されたスラッジ・ケーキ状物質を、同じ装置本体内に供給された加圧流体の圧力によってノズル状の装置本体先端部の噴出口から噴出させつつ分散させるので、複雑な多重管構造を要することなく、しかもスラッジ・ケーキ状物質と加圧流体とが同じ噴出口から噴出させられるため、たとえスラッジ・ケーキ状物質の供給量が増大しても、これに合わせて加圧流体の供給量や供給圧を調整することにより、このスラッジ・ケーキ状物質を確実に分散して噴出させることが可能となる。
【0008】
ところで、このようにスラッジ・ケーキ状物質を加圧流体の圧力自体で分散噴出させるようにした場合には、上記噴出口を上向きに開口させることによって該スラッジ・ケーキ状物質をより広範囲に均一に分散させて噴出させることが可能となる。すなわち、従来のように多重管構造の装置本体の排出口からスラッジ・ケーキ状物質のみを排出してその周りの噴出口から噴出する加圧流体でこれを分散噴出させるものでは、この排出口を上向きにすると排出されたスラッジ・ケーキ状物質が下に垂れ落ちてしまって均一な分散ができなくなるため、この排出口およびその周りの噴出口は、特開平11−287425号公報に記載のもののように鉛直下向き、あるいは特開平9−60839号公報記載のもののように斜め下向きに開口するように設けなければならず、スラッジ・ケーキ状物質を分散噴出可能な範囲が制限されることが避けられない。ところが、本発明のように加圧流体の圧力でスラッジ・ケーキ状物質を噴出させる場合には、下向きは勿論のこと、噴出口を鉛直上向きや斜め上向きに開口させてもスラッジ・ケーキ状物質の均一な分散噴出が可能であり、これにより、上向きに凸となる放物線を描くようにしてスラッジ・ケーキ状物質をより広範囲に均一に分散噴出させることができるのである。
【0009】
一方、本発明では、上記構成の分散噴出装置において、上記装置本体を有底の筒状に形成するとともに、その先端の開口部には蓋体を上記装置本体内側に付勢して該開口部に密着可能に設け、この蓋体と上記開口部との密着部に形成された切欠部によって上記噴出口を画成している。従って、このような蓋体を設けることにより、本発明においては、例えば当該分散噴出装置が上述のような焼却炉への汚泥の供給のためのものであって、上記噴出口に汚泥が焼き付いて閉塞を生じたりすると、装置本体内の内圧が上昇してこの装置本体内側に付勢された蓋体が外側に押し出され、これにより、蓋体と装置本体の開口部との密着部に形成された切欠部によって画成される上記噴出口のうち蓋体側の縁部も外側にずれて噴出口が分断されるため、この噴出口に焼き付いた汚泥を装置本体側と蓋体側とで破断することができるとともに、装置本体の開口部が解放されるのに伴い装置本体内で昇圧させられた汚泥と加圧流体とが一気に噴出させられるので、その圧力によって上述のように破断した焼き付き汚泥を除去することができる。なお、こうして汚泥の焼き付きによる閉塞が除かれた後は、汚泥と加圧流体とが一気に噴出して装置本体内が減圧されるのに伴い、蓋体が付勢によって再び上記開口部に密着することにより、この密着部に上記切欠部によって噴出口が画成されて通常の分散噴出が行われる。
【0010】
ここで、このように蓋体を装置本体内側に付勢して装置本体先端の開口部に密着可能に設けるには、この装置本体内に、その底部から上記開口部に向けて軸体を進退自在に挿通するとともに、この軸体を付勢手段によって上記底部側に付勢し、上記蓋体はこの軸体の先端部に設けるようにすればよく、これにより、蓋体はこの軸体を介して上記付勢手段により装置本体の後端側、すなわち装置本体内側に付勢されて上記開口部に密着する。また、このようにした場合、装置本体の底部には上記軸体が挿通される挿通穴が形成されることとなり、装置本体内に供給されたスラッジ・ケーキ状物質や加圧流体がこの挿通穴と軸体との間から漏れ出るおそれがあるので、この装置本体の後端側には、軸体が挿通される上記底部の挿通穴を取り囲むように密封室を設けて、この密封室内にパージ流体を供給可能とし、このパージ流体の圧力でスラッジ・ケーキ状物質等が漏れ出るのを防止するのが望ましい。
【0011】
さらに、こうして軸体を介して蓋体を付勢するようにした場合、装置本体の後端側に、上記底部から後端側に突出する上記軸体の後端部を上記付勢手段に抗して先端側に押し出し駆動する駆動手段を設けることにより、この駆動手段によって軸体を介して強制的に蓋体を先端側、すなわち装置本体外側に押し出して突出させることができ、上述のような焼き付きによる噴出口の閉塞によって分散噴出が影響を受ける前に、この焼き付いた汚泥等のスラッジ・ケーキ状物質を除去することが可能となる。ここで、上記装置本体に、該装置本体内の圧力を検出する圧力検出手段を備え、上記駆動手段をこの圧力検出手段による検出信号によって駆動可能とすれば、閉塞が生じ始めて装置本体内の圧力が上昇するのを上記圧力検出手段によって検出して駆動手段を駆動し、閉塞が進行する前に蓋体を突出させて焼き付き汚泥等を除去することができる。また、上記駆動手段を、所定の時間間隔で間欠的に所定の駆動時間で自動的に駆動可能とすれば、定期的に蓋体を突出させて閉塞の予防を図ることができ、さらにこの駆動手段を手動により駆動可能として、必要に応じて蓋体を出没させることもできる。勿論、これらの駆動手段の操作うちの2つまたは3つすべてを併用してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1ないし図4は、本発明の一実施形態を示すものである。これらの図に示すように、本実施形態において装置本体1は、その中心軸線Oに直交する断面が円形の筒状のケーシング2と、このケーシング2の後端外周縁に設けられたフランジ3に液密かつ気密に締結された円板状の底板4とから構成されて有底の筒状をなしており、このうちケーシング2の先端部は、装置本体1の先端側(図1、図3、および図4において右側)に向かうに従い縮径する先細りのノズル状に形成されている。一方、このケーシング2の後端部は径が一定の円筒状に形成されていて、この後端部の上部の先端側には、圧縮空気や蒸気等の加圧流体を装置本体1内に供給するための小径管状の加圧流体供給部5が、また後端部上部の後端側(図1、図3、および図4において左側)には、ポンプ圧送等により加圧されて圧送された下水処理汚泥等のスラッジ・ケーキ状物質を装置本体1内に供給するための大径管状のスラッジ・ケーキ状物質供給部6が、さらにこの後端部の下部には、当該分散噴出装置の非運転時に装置本体1内のスラッジ・ケーキ状物質を洗浄水にて希釈して排出するための中径管状のドレン部7が、それぞれ装置本体1内に連通するように軸線Oに直交する方向に接合されて取り付けられている。なお、このうちスラッジ・ケーキ状物質供給部6の胴周部には、上記洗浄水を供給するための供給管6Aと、後述する圧力計を取り付けるための取付座6Bとが設けられている。
【0013】
また、上記ケーシング2の先端部は、軸線Oに沿った断面が上記後端部から滑らかに連なる曲線を描きつつ2段に縮径するように形成されており、その最先端の開口部8においては、この開口部8の端面8A、すなわちケーシング2の先端面が内周側に向かうに従い漸次後退するテーパ面状とされるとともに、その上縁部には、この端面8Aがなす上記テーパ面に垂直な方向に該端面8Aから深さaで後退する「コ」字状の切欠部9が、軸線Oに直交する断面において図2に示すように該軸線Oを中心とした所定の角度bの弧状をなすように形成されており、この切欠部9の奥側の先端側を向く底面9Aは、上記端面8Aと等しいテーパ角で、やはり内周側に向かうに従い漸次後退するテーパ面状に形成されている。なお、ここで、上記切欠部9の大きさは、装置本体1の大きさや供給されるスラッジ・ケーキ状物質の性状や供給量、あるいは加圧流体の供給量(供給圧)などによって適宜設定されるが、例えばこのスラッジ・ケーキ状物質が下水処理汚泥である場合には、上記深さaは10〜20mmの範囲に、また上記角度bは30〜90°の範囲に、それぞれ設定されるのが望ましい。
【0014】
一方、この装置本体1の上記底板4には上記軸線O上に貫通穴4Aが形成されていて、この貫通穴4Aには円筒状のサポータ10が、軸線Oに沿って底板4に垂直に、装置本体1内を先端側に向けて延びるように取り付けられており、このサポータ10の先端は軸線O方向において上記加圧流体供給部5よりも僅かに先端側に配されるとともに、後端は底板4の後端面に開口させられ、本実施形態ではこの底板4の後端面に開口するサポータ10の内周部が装置本体1底部の挿通穴とされる。なお、このサポータ10と底板4の上記貫通穴4Aとの間は液密かつ気密に密封されている。また、サポータ10の下縁部と底板4の先端側を向く面との間には、先端側に向かうに従い漸次幅狭となる略直角三角形状の平板状のブラケット11が軸線Oを含んで鉛直下向きに延びる平面に沿って設けられており、サポータ10はこのブラケット11により軸線Oに沿った状態を維持可能とされている。
【0015】
そして、このサポータ10には、円柱状の軸体12が軸線O方向に進退可能に嵌挿されており、この軸体12の後端部は底板4の後端面、すなわち装置本体1の後端面から後端側に突出させられるとともに、該軸体10の先端は装置本体1のケーシング2最先端の上記開口部8に達せられており、この軸体10の先端部に蓋体13が、装置本体1の先端にあって当該装置本体1外に位置するように取り付けられている。この蓋体13は、軸線Oを中心とする円環状のものであって、その外径は装置本体1先端の上記開口部8の外径よりも僅かに大きくされており、上記円環の中心穴部に軸体10の先端がやはり液密かつ気密に挿入された上で、該軸体10先端に固定されている。さらに、この蓋体13の後端側を向く面は、装置本体1の開口部8の上記端面8Aと等しいテーパ角で内周側に向かうに従い後端側に向かう軸線Oを中心とした円錐面状に形成されていて、この開口部8の端面8Aに密着可能な密着面13Aとされている。
【0016】
また、装置本体1の後端側に突出させられた軸体12の後端部には、その後端側に雄ねじ部12Aが形成されていて、この雄ねじ部12Aには、円環平板状のフランジ板14が嵌挿させられた上で、その後端側からダブルナット15が螺着されており、これによって該フランジ板14は、その軸体12に対する後端側への位置が調整可能とされている。さらに、この軸体12の突出した後端部の上記底板4側にも、フランジ板14と対向するように同形同大のフランジ板16が嵌挿されており、これらのフランジ板14,16の間の軸体12後端部の周りには、本実施形態における付勢手段としてのコイルスプリング17が圧縮された状態で介装されており、このコイルスプリング17が伸張する力によって軸体12は、フランジ板14およびダブルナット15を介して常に後端側に付勢され、その先端の上記蓋体13が装置本体1先端の開口部8の端面8Aに当接して密着した状態とされる。なお、上記フランジ板14,16の互いに対向する面の外周側には、コイルスプリング17が嵌合可能な凹溝が形成されている。
【0017】
そして、これにより、装置本体1の先端部外周には、これら蓋体13と開口部8との密着部に、上記切欠部9とこの切欠部9に位置する蓋体13の密着面13Aとによって幅a、範囲bの方形状の開口部が画成され、この開口部が本実施形態におけるスラッジ・ケーキ状物質の噴出口18とされる。ここで、本実施形態では、この切欠部9が上記開口部8の上縁部に形成されるとともに、その端面8Aとこれに対向する蓋体13の密着面13Aとが内周側に向かうに従い後端側に向けて後退するテーパ面とされていることから、この噴出口18は、装置本体1の先端外周側に向けて斜め上向きに開口させられることとなる。
【0018】
一方、上記底板4の後端面には、この後端面から突出する軸体12の後端部や上記フランジ板14,16、ダブルナット15、および付勢手段としてのコイルスプリング17の外周側を取り囲むように、円筒状のカバー19が液密かつ気密に締結されて取り付けられている。また、このカバー19の後端には、本実施形態における駆動手段としてのエアシリンダー20が、そのシリンダーロッド20Aを軸線Oと同軸かつ先端側に出没可能として、やはり液密かつ気密に取り付けられていて、このカバー19内の底板4の後端面とエアシリンダー20との間に画成される空間が本実施形態における密封室21とされており、さらにカバー19には、この密封室21内に圧縮空気等のパージ流体を供給するための小径管状のパージ流体供給部22が取り付けられている。
【0019】
また、上記シリンダーロッド20Aの先端には、ダブルナット23を介しその位置が調整可能に当接板24が取り付けられており、このエアシリンダー20のシリンダーロッド20Aのストロークは、該シリンダーロッド20Aを後退させたときに、上記当接板24と蓋体13が開口部8に密着した状態での軸体12後端のダブルナット15との間に間隙が確保され、かつシリンダーロッド20Aを突出させたときには、この当接板24がダブルナット15に当接して軸体12を先端側に押し出し、その先端の蓋体13が装置本体1先端の開口部8から先端側に突出するように設定されている。なお、こうして軸体12がエアシリンダー20によって押し出し駆動された際の突出量c(図4参照)は、スラッジ・ケーキ状物質が上述のように下水処理汚泥である場合は、10〜50mmの範囲内とされるのが望ましい。
【0020】
さらにまた、このエアシリンダー20に駆動用の圧縮空気を供給する図示されない供給手段には、この圧縮空気の供給を制御する制御装置25が備えられており、この制御装置25は、まず第1に、作業者がスイッチを入れることによって上記供給手段から圧縮空気を供給可能として、任意の時刻に任意の時間の間、手動によりエアシリンダー20を駆動できるように設定されている。また、第2に、この制御装置25は、タイマーと連動して自動的に、予め設定された所定の時間間隔で間欠的に、かつやはり予め設定された所定の駆動時間の間だけエアシリンダー20を駆動して蓋体13を突出させることができるようにも設定されており、作業者による手動のエアシリンダー20の駆動が行われないときは、この自動的な駆動がなされるようにされている。
【0021】
一方、スラッジ・ケーキ状物質供給部6の胴周部に設けられた上記取付座6Bには、このスラッジ・ケーキ状物質供給部6を介して装置本体1内に供給されるスラッジ・ケーキ状物質の供給圧を測定する圧力計26が、本実施形態における圧力検出手段として取り付けられている。そして、この圧力計26は上記制御装置25に接続されており、この制御装置25は第3に、上記供給圧が予め設定された所定の圧力値以上となったときにこれを検出して圧力計26が発する検出信号によっても、上記エアシリンダー20を自動的に駆動可能に設定されている。なお、この場合には、圧力計26によって測定される供給圧が低下したところで再び検出信号が圧力計26から制御装置25に発せられ、これによってエアシリンダー20が逆に駆動させられて、そのシリンダーロッド20Aが後退するように設定される。
【0022】
このように構成されたスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置は、例えばこのスラッジ・ケーキ状物質が上述のような下水処理汚泥であって、これを都市ゴミや産業廃棄物等の焼却炉に供給して処理する場合においては、上記軸線Oを略水平にして装置本体1を横向きとするとともに、上記噴出口18を上向きにしてこの焼却炉の炉内壁に上記開口部8を臨ませるように配設される。そして、この場合、装置本体1内には、分散噴出させるスラッジ・ケーキ状物質として下水処理汚泥がポンプ圧送により上記スラッジ・ケーキ状物質供給部6から供給されるとともに、加圧流体供給部5からは加圧流体として圧縮空気が供給され、この圧縮空気の圧力により下水処理汚泥は、装置本体1のノズル状に先細りとされた先端部の噴出口18から細かい粒子状に破断されて分散されつつ、該噴出口18の大きさや向き、すなわち上記切欠部9の深さaや軸線Oに対する角度b、あるいは切欠部9の底面9Aや蓋体13の密着面13Aのテーパ角に応じた噴出角度や分布で噴出させられる。なお、このとき、上記密封室21にはパージ流体として加圧流体と同じ圧縮空気が供給される。
【0023】
従って、このように上記構成の分散噴出装置においては、装置本体1内に供給されたスラッジ・ケーキ状物質が、同じ装置本体1内に供給された加圧流体の圧力によって分散されつつ噴出されるので、従来の多重管構造を有する分散噴出装置のように複雑な装置構造を要することなく、すなわち装置構造が単純であるため、安価であるとともに故障等のトラブルも少なく抑えられる。そして、さらに上記分散噴出装置によれば、従来のように多重管内から排出されるスラッジ・ケーキ状物質に加圧流体を吹きつけて分散噴出させるのではなく、加圧流体自体の圧力によってスラッジ・ケーキ状物質を分散させつつ噴出させるため、このスラッジ・ケーキ状物質の供給量つまり噴出量が増大しても、これに合わせて加圧流体の供給量や供給圧を増大させるなどして調整することにより、確実かつ均一なスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出が可能であり、例えば上述のようにスラッジ・ケーキ状物質が下水処理汚泥であって、これを焼却炉に分散噴出して処理する場合において、この焼却炉内に汚泥が塊状に投入されて焼却炉の負荷が不均一となったり効率的な処理が妨げられたりするような事態を防止することが可能となる。
【0024】
また、本実施形態では、軸線Oを略水平にして横向きとされた装置本体1に対し、上記噴出口18が、その先端の開口部8の上縁部に形成された切欠部9と蓋体13の密着面13Aとによって画成されることにより、上向きに開口させられており、このような噴出口18からスラッジ・ケーキ状物質が加圧流体によって噴出させられることにより、該スラッジ・ケーキ状物質は上向きに凸となる放物線を描きつつ分散噴出させられることとなる。しかるに、この点、多重管から排出されたスラッジ・ケーキ状物質に加圧流体を吹きつけて分散させる従来の分散噴出装置では、このようにスラッジ・ケーキ状物質を上向きに排出させようとすると、その自重によってスラッジ・ケーキ状物質が垂れ落ちてしまって確実かつ均一な分散噴出が不可能となってしまうが、加圧流体の圧力自体でスラッジ・ケーキ状物質を噴出させる本実施形態の分散噴出装置では、こうして上向きにスラッジ・ケーキ状物質を噴出させることも可能であり、従って上述のように放物線状にスラッジ・ケーキ状物質を噴出させることにより、広範囲への均一なスラッジ・ケーキ状物質の分散を図ることができる。
【0025】
しかも、本実施形態では、この噴出口18を画成する切欠部9の上記底面9Aと蓋体13の密着面13Aとが内周側に向かうに従い装置本体1の後端側に向かうテーパ面状とされることにより、この噴出口18は先端側に向けて斜め上向きに開口させられることとなるので、より広範囲に一層均一にスラッジ・ケーキ状物質を分散させることができ、例えば下水処理汚泥を焼却炉に分散噴出する場合においては、焼却炉内に満遍なく均一に汚泥を分散せしめてその効率的な処理を促すことが可能となる。なお、本実施形態では、このような場合において、軸線Oを略水平にして装置本体1を横向きに配置しているが、必要に応じて装置本体1先端部は軸線Oが斜め上向きや斜め下向きになるように配置してもよく、場合によっては軸線Oが鉛直方向に延びて先端部が下向きとされたり上向きとされたりするように配置してもよい。
【0026】
一方、本実施形態においては、このように噴出口18が、有底筒状の装置本体1先端の開口部8に形成された切欠部9と、この開口部8に密着可能とされた蓋体13の密着面13Aとによって画成されており、この蓋体13は、該蓋体13が先端に取り付けられる軸体12を介して、付勢手段としてのコイルスプリング17によって後端側に付勢されて上記開口部8に密着させられている。このため、例えば当該分散噴出装置が上述のように下水処理汚泥を焼却炉に分散噴出するものであって、焼却炉内の高熱によって噴出口18に汚泥が焼き付きを生じて該噴出口18を閉塞したり、あるいは装置本体1内の先端部において供給された汚泥により噴出口18が詰まりを生じたりすると、該装置本体1内に供給される汚泥や加圧流体の圧力によってこの装置本体1の内圧が上昇し、ついにはコイルスプリング17による付勢力を上回って、図3に示すように蓋体13を先端側、すなわち装置本体1の外側に押し出して突出させ、開口部8が全面的に開放されることとなる。
【0027】
従って、これにより、まず噴出口18を画成する切欠部9から蓋体13の密着面13Aが離れて噴出口18が前後に分断されて拡大するため、これに伴い噴出口18に焼き付いていた汚泥も装置本体1側と蓋体13側とに破断されて分離させられ、さらにこれと同時に、内圧が上昇した装置本体1内の汚泥と加圧流体とが、開口部8が解放されることによって該開口部8から一気に放出されるので、破断・分離されて剥離し易くなった焼き付き汚泥を、この放出された汚泥や加圧流体の圧力によって吹き飛ばして確実に除去することができる。また、噴出口18に汚泥の詰まりが生じた場合でも、こうして開口部8が解放されることにより、この詰まった汚泥を内圧によって排出して除去することができる。さらに、こうして焼き付き汚泥や詰まりを生じた汚泥が除去された後は、開口部8の解放によって装置本体1内の内圧が減少するため、コイルスプリング17の付勢力によって蓋体13が後退して開口部8に再び密着し、速やかに元の定常状態(図1に示す状態)に戻って噴出口18からの汚泥の分散噴出が続行される。
【0028】
このように、本実施形態では、上記噴出口18に閉塞や詰まりが生じると、これが汚泥の焼き付き等による装置本体1の外側からのものであっても、あるいは汚泥の詰まりなどによる装置本体1の内側からのものであっても、この閉塞や詰まりが生じた状態を速やかに解消して元の定常状態に復帰させ、安定したスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出を維持することができる。従って、従来のように汚泥の焼き付きによって噴出口が閉塞した際にいちいち焼却炉の運転を停止してこれを除去したりするような必要がなく、円滑かつ効率的な汚泥の処理を図ることが可能となる。しかも、この噴出口18の閉塞や詰まりを解消する際の蓋体13の突出は、これら閉塞や詰まりが生じるのに伴って装置本体1の内圧が高まることによるものであり、また定常状態に戻る際の蓋体13の後退は、こうして閉塞や詰まりが解消されたことに伴う上記内圧の低下によるものであって、すなわち、閉塞や詰まりの発生に応じて蓋体13が出没してこの閉塞や詰まりが解消され、かつ定常状態に復帰するようになされており、例えば上記特開平9−60839号公報に記載のもののように作業者が閉塞や詰まりを発見してハンドル操作によりこれを解消したりするのに比べ、効率的であるとともに省人化を図ることも可能となる。
【0029】
なお、本実施形態では、開口部8と蓋体13との密着部となる上記端面8Aと密着面13Aのうち端面8Aの上縁部に切欠部9を形成して、この切欠部9と該切欠部9に臨む上記密着面13A部分とで噴出口18が画成されるようにしているが、例えば蓋体13の密着面13A側に切欠部を形成して端面8Aとの間に噴出口が画成されるようにしてもよく、またこれら端面13Aと密着面13Aとの両方に切欠部を形成してこれらの切欠部が互いに合致して噴出口が画成されるようにしてもよい。また、本実施形態では、上記軸線Oを略水平にして装置本体1を横向きに配置した際に上記密着部の上縁部に上向きに開口するように噴出口18が1箇所だけ設けられているが、この装置本体1の向きなどによっては複数の噴出口を装置本体1の先端部に設けるようにしてもよく、例えば軸線Oを略鉛直方向に沿わせて装置本体1を下向きに配置した場合には、装置本体1先端部に周方向に等間隔に複数の噴出口を設けることにより、均一なスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出を図ることができる。
【0030】
さらに、本実施形態では、上述のように装置本体1先端の開口部8に蓋体13を後端側に付勢して密着可能に設けるに際して、装置本体1の底部となる底板4から軸体12を挿通してその先端に蓋体13を設けており、この軸体12を装置本体1の後端側に設けたコイルスプリング17によって付勢することにより、該軸体12と一体に蓋体13が後端側に付勢されて開口部8に密着するようになされている。従って、本実施形態によれば、このように軸体12を介して蓋体13を付勢することによってコイルスプリング17等の付勢手段を装置本体1の後端側に配設することができるので、特にスラッジ・ケーキ状物質として下水処理汚泥を焼却炉に分散噴出する場合において、装置本体1先端部は焼却炉内に臨ませても付勢手段は焼却炉の外に配置することができ、例えば炉外から上記ダブルナット15を操作してコイルスプリング17による付勢力を調整したり、あるいは炉内の高温によってこの付勢手段が変調を来したりするような事態を防止したりすることができる。しかも、本実施形態では、この軸体12が、装置本体1内にブラケット11によって支持された円筒状のサポータ10に嵌挿されて進退可能に支持されており、上述のように装置本体1を横向きに配置しても撓みなどを生じることがなく、従って定常状態では確実に蓋体13の密着面13Aを開口部8の端面8Aに密着させて切欠部9による噴出口18を形成することができる。
【0031】
ところで、このように装置本体1の底部から軸体12を挿通してその先端に蓋体13を取り付けるようにした場合、装置本体1の底部にはこの軸体12が挿通される挿通穴が形成されることとなり、本実施形態では、底板4に形成された貫通穴4Aに上記サポータ10が取り付けられて軸体12が挿通されていることから、上述のようにこのサポータ10の内周部が上記挿通穴とされる。ところが、装置本体1内にスラッジ・ケーキ状物質と加圧流体とを供給してこの加圧流体の圧力によりスラッジ・ケーキ状物質を分散噴出するようにした本実施形態の分散噴出装置では、このように装置本体1に挿通穴が形成されていると、如何に軸体12がこの挿通穴すなわちサポータ10の内周部に嵌挿されているといっても、該軸体12を進退可能とするには軸体12と挿通穴との間にある程度の間隙が生じることは避けられないため、この間隙から上記加圧流体やスラッジ・ケーキ状物質の特に液分などが漏れ出てしまうおそれがある。
【0032】
しかるに、これに対して本実施形態では、この装置本体1の後端側に、カバー19とエアシリンダー20とによって密封室21が形成されるとともに、この密封室21内にはパージ流体供給部22から加圧流体と同じ圧縮空気等のパージ流体が供給可能とされており、従ってこのパージ流体によって密封室21内を装置本体1内と同圧もしくはこれより僅かに高い圧力に与圧してパージすることにより、上記挿通穴からの加圧流体やスラッジ・ケーキ状物質の漏出を防止することができる。これは、特に本実施形態のように上記付勢手段としてコイルスプリング17を用いた場合において、挿通穴からスラッジ・ケーキ状物質の液分が漏れ出てこのコイルスプリング17に錆等の腐食が発生すると、軸体12を介しての蓋体13の出没にも支障を来すおそれが生じるのに対し、効果的である。また、この密封室21に供給されるパージ流体を上述のように加圧流体と同じ流体とすれば、流体の供給源が一つで済むので効率的である。
【0033】
一方、本実施形態では、この密封室21を画成する上記エアシリンダー20が、上記軸体12の後端部をコイルスプリング17による付勢力に抗して先端側に押し出し駆動する駆動手段とされており、すなわちこのエアシリンダー20のシリンダーロッド20Aを先端側に突出させてその先端の当接板24を軸体12後端のダブルナット15に当接させ、さらにシリンダーロッド20Aを前進させることによって図4に示すように軸体12を蓋体13ごと先端側に押し出し、装置本体1先端の開口部8を強制的に解放可能とされている。このため、本実施形態によれば、スラッジ・ケーキ状物質の詰まりや焼き付きによる噴出口18の閉塞が僅かであって、装置本体1の内圧上昇による蓋体13の突出が生じない状態でも、こうして蓋体13を強制的に突出させて開口部8を解放することにより、この僅かな詰まりや焼き付きをも取り除いて閉塞が進行するのを防ぐことができ、内圧が上昇するまでに噴出口18が閉塞されることによってスラッジ・ケーキ状物質の均一な分散噴出が阻害されるのを予防することが可能となる。また、例えば装置本体1内で詰まりを生じたスラッジ・ケーキ状物質が軸体12を軸線Oに対する径方向に押し付けてその進退を拘束し、これによって詰まりに伴う内圧上昇による蓋体13の突出が阻害されたりしたような場合でも、上記駆動手段によって強力に軸体12を押し出して開口部8を強制解放することにより、詰まったスラッジ・ケーキ状物質をこの開口部8から吐出させて排出・除去することなども可能となる。
【0034】
ここで、さらに本実施形態では、この駆動手段としてのエアシリンダー20による軸体12の押し出し駆動が、該エアシリンダー20に圧縮空気を供給する供給手段に備えられた制御装置25により、装置本体1に備えられた圧力検出手段としての圧力計26からの検出信号によって駆動可能とされるとともに、予め設定された所定の時間間隔および駆動時間で間欠的かつ自動的にも駆動可能とされ、さらには作業者の手による手動でも駆動可能とされている。このため、例えば通常の定常状態でスラッジ・ケーキ状物質が分散噴出されているときには、間欠的な自動駆動によって定期的に噴出口18の詰まりや焼き付きを除去して閉塞の進行を予防する一方、それにも拘わらず閉塞が進行して装置本体1の内圧が上昇した場合には、これを圧力計26で検出して、その検出信号により自動的にエアシリンダー20を駆動して詰まりや焼き付きを取り除くようにし、さらに緊急の場合には必要に応じて手動で開口部8を解放するなど、2重3重の閉塞の防止手段を講じることが可能となる。
【0035】
なお、本実施形態においては、このように制御装置25により、手動によるエアシリンダー20の駆動と、間欠的な自動駆動と、圧力計26による検出信号に基づく駆動とを併せて可能としているが、これらのうちの1つあるいは2つだけを採用するようにしてもよい。しかるに、万一その場合に閉塞が十分に予防されなかったとしても、最終的には装置本体1の内圧が上昇することによって蓋体13が突出して開口部8が解放され、閉塞の原因となる詰まりや焼き付きが除去されるので、スラッジ・ケーキ状物質の安定的な分散噴出が阻害されることはない。また、本実施形態では上記駆動手段としてエアシリンダー20を用いているが、これ以外に例えば油圧シリンダーや電動機などを用いることも可能であり、さらに場合によっては、例えばこのようなシリンダー装置などを設けずに密封室21の後端側を閉塞した上で、この閉塞された後端部にプッシュロッドを液密かつ気密に挿入して軸体12の後端に当接可能としたり、あるいは軸体12の後端部を延長して閉塞された密封室21の後端部からやはり液密かつ気密に突出させたりして、これらプッシュロッドや延長された軸体12の後端部を用いて、作業者が直接的に軸体12ごと蓋体13を押し出し駆動するようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、まず装置本体内にスラッジ・ケーキ状物質と加圧流体とを供給可能として、この加圧流体の圧力で直接スラッジ・ケーキ状物質を分散噴出させることにより、複雑な多重管構造を要することなく低コストで、しかもスラッジ・ケーキ状物質の供給量に拘わらずその確実な分散噴出を行うことが可能となり、例えば下水処理汚泥を焼却炉に分散噴出して処理する場合でも、焼却炉への負荷に偏りが生じるのを付勢で効率的な処理を図ることが可能となる。また、こうして加圧流体の圧力によってスラッジ・ケーキ状物質を分散噴出させることにより、その噴出口を上向きにしても確実な噴出が可能となるので、これによりスラッジ・ケーキ状物質を広範囲に均一に分散させることができて、より効率的な処理等を促すことができる。
【0037】
また、上記装置本体の先端開口部に密着可能な蓋体を、例えば付勢手段を備えて装置本体に挿通された軸体を介して、装置本体内側に付勢して設け、これら開口部と蓋体との密着部に形成した切欠部によって上記噴出口を画成することにより、この噴出口に閉塞が生じた場合でも、これに伴う装置本体内圧の変動によって蓋体が出没して開口部を開閉せしめるので、噴出口の閉塞を取り除くことができ、特に上記軸体を介して蓋体を設けた場合には、この軸体が挿通される装置本体の挿通穴を密封室で取り囲んでパージ流体を供給することにより、この挿通穴からのスラッジ・ケーキ状物質や加圧流体の漏出を防止することができる。さらに、こうして軸体を介して蓋体を付勢するようにした場合には、この軸体を押し出し駆動する駆動手段を設けることにより、噴出口が閉塞される前にその予防を図ったりすることができ、さらにまた、この駆動手段を手動で駆動可能としたり、間欠的に自動駆動可能としたり、あるいは装置本体に設けた圧力検出手段の検出信号によって駆動可能としたりすることにより、一層確実な閉塞の予防を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す定常状態の側断面図である。
【図2】 図1におけるZZ断面図である。
【図3】 図1に示す実施形態において装置本体1内圧が上昇して蓋体13が突出した状態を示す側断面図である。
【図4】 図1に示す実施形態においてエアシリンダー20を駆動して蓋体13を突出させた状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 装置本体
5 加圧流体供給部
6 スラッジ・ケーキ状物質供給部
8 装置本体1先端の開口部
8A 開口部8の端面(装置本体1側の密着部)
9 切欠部
12 軸体
13 蓋体
13A 密着面(蓋体13側の密着部)
17 コイルスプリング(付勢手段)
18 噴出口
19 カバー
20 エアシリンダー(駆動手段)
21 密封室
22 パージ流体供給部
25 制御装置
26 圧力計(圧力検出手段)
O 装置本体1の中心軸線

Claims (8)

  1. ノズル状の先端部に噴出口が設けられた装置本体の内部に、分散噴出させられるスラッジ・ケーキ状物質と加圧流体とが供給可能とされており、上記装置本体は有底の筒状に形成されているとともに、その先端の開口部には蓋体が上記装置本体内側に付勢されて該開口部に密着可能に設けられ、この蓋体と上記開口部との密着部に形成された切欠部によって上記噴出口が画成されていることを特徴とするスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置。
  2. 上記噴出口が、上向きに開口させられていることを特徴とする請求項1に記載のスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置。
  3. 上記装置本体内にはその底部から上記開口部に向けて軸体が進退自在に挿通されるとともに、この軸体は付勢手段によって上記底部側に付勢されており、上記蓋体はこの軸体の先端部に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置。
  4. 上記装置本体の後端側には、上記軸体が挿通される上記底部の挿通穴を取り囲むように密封室が設けられていて、この密封室内にはパージ流体が供給可能とされていることを特徴とする請求項3に記載のスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置。
  5. 上記装置本体の後端側には、上記底部から後端側に突出する上記軸体の後端部を上記付勢手段に抗して先端側に押し出し駆動する駆動手段が設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置。
  6. 上記装置本体には、該装置本体内の圧力を検出する圧力検出手段が備えられており、上記駆動手段はこの圧力検出手段による検出信号によって駆動可能とされていることを特徴とする請求項5に記載のスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置。
  7. 上記駆動手段は、所定の時間間隔で間欠的に所定の駆動時間で自動的に駆動可能とされていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置。
  8. 上記駆動手段は、手動により駆動可能とされていることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに記載のスラッジ・ケーキ状物質の分散噴出装置。
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