JPH11286546A - ポリアスパラギン酸またはその塩の製造法 - Google Patents
ポリアスパラギン酸またはその塩の製造法Info
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- JPH11286546A JPH11286546A JP10582498A JP10582498A JPH11286546A JP H11286546 A JPH11286546 A JP H11286546A JP 10582498 A JP10582498 A JP 10582498A JP 10582498 A JP10582498 A JP 10582498A JP H11286546 A JPH11286546 A JP H11286546A
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- acid
- salt
- polycondensation
- reaction
- polysuccinimide
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- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来技術が有する製造工程の煩雑さや製品の
著しい着色といった問題点を解決し、より簡便に高品質
のポリアスパラギン酸を得る製造法の提供。 【解決手段】 温度120〜155℃、圧力0.01〜
100トールの条件下でアスパラギン酸をアスパラギン
酸1モルあたり2〜5モルのリン酸類中で重縮合させ、
得られたポリスクシンイミドを加水分解することを特徴
とするポリアスパラギン酸またはその塩の製造法。
著しい着色といった問題点を解決し、より簡便に高品質
のポリアスパラギン酸を得る製造法の提供。 【解決手段】 温度120〜155℃、圧力0.01〜
100トールの条件下でアスパラギン酸をアスパラギン
酸1モルあたり2〜5モルのリン酸類中で重縮合させ、
得られたポリスクシンイミドを加水分解することを特徴
とするポリアスパラギン酸またはその塩の製造法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品添加物、抗菌
剤、医用材料、化粧品、肥料、スケール防止剤、洗剤、
顔料分散剤等として有用なポリアスパラギン酸またはそ
の塩の製造法に関する。
剤、医用材料、化粧品、肥料、スケール防止剤、洗剤、
顔料分散剤等として有用なポリアスパラギン酸またはそ
の塩の製造法に関する。
【0002】ポリアスパラギン酸の製造法としては、ア
スパラギン酸をリン酸中、180℃で脱水重縮合して生
成した塊状物をDMFに溶解し、得られた溶液を大過剰
の水中に投入してポリスクシンイミドを生成させ、これ
をアルカリ加水分解することによってポリアスパラギン
酸を得る方法がJ.Med.Chem.16,893
(1973)に開示されている。しかし、この実験を追
試したところ、重縮合反応時の着色が顕著であり、反応
混合物が増粘もしくは固化してしまうので操作性が悪
く、また、DMFは水との分離が困難であり、ポリスク
シンイミドの生成が煩雑となり、生産コストの上昇を招
くという問題点が判明した。
スパラギン酸をリン酸中、180℃で脱水重縮合して生
成した塊状物をDMFに溶解し、得られた溶液を大過剰
の水中に投入してポリスクシンイミドを生成させ、これ
をアルカリ加水分解することによってポリアスパラギン
酸を得る方法がJ.Med.Chem.16,893
(1973)に開示されている。しかし、この実験を追
試したところ、重縮合反応時の着色が顕著であり、反応
混合物が増粘もしくは固化してしまうので操作性が悪
く、また、DMFは水との分離が困難であり、ポリスク
シンイミドの生成が煩雑となり、生産コストの上昇を招
くという問題点が判明した。
【0003】また、特開平8−59821号公報には、
非水溶性高沸点溶媒中でアスパラギン酸を重縮合してポ
リスクシンイミドを生成させ、これにアルカリ水溶液を
加え加水分解することによりポリアスパラギン酸を製造
する方法が開示されている。しかしこの方法では重縮合
反応において200℃以上の温度が必要であり、高沸点
溶媒中での高温反応により製品の着色が顕著となり、ま
た、非水溶性溶媒からのポリアスパラギン酸水溶液の分
離精製プロセスが必要となるため生産コストの面で不利
となるなどの問題があった。
非水溶性高沸点溶媒中でアスパラギン酸を重縮合してポ
リスクシンイミドを生成させ、これにアルカリ水溶液を
加え加水分解することによりポリアスパラギン酸を製造
する方法が開示されている。しかしこの方法では重縮合
反応において200℃以上の温度が必要であり、高沸点
溶媒中での高温反応により製品の着色が顕著となり、ま
た、非水溶性溶媒からのポリアスパラギン酸水溶液の分
離精製プロセスが必要となるため生産コストの面で不利
となるなどの問題があった。
【0004】特開平8−67751号公報には、無水マ
レイン酸とアンモニアガスを反応させ、直接ポリスクシ
ンイミドを製造する方法が開示されている。この方法で
は、安価な原料を用いての連続生産が可能となるという
利点があるが、得られる製品の着色が著しく顕著であ
り、この製造プロセスにおける効果的な着色防止技術も
未だ見出されておらず、品質面で大きな問題点を抱えて
いた。
レイン酸とアンモニアガスを反応させ、直接ポリスクシ
ンイミドを製造する方法が開示されている。この方法で
は、安価な原料を用いての連続生産が可能となるという
利点があるが、得られる製品の着色が著しく顕著であ
り、この製造プロセスにおける効果的な着色防止技術も
未だ見出されておらず、品質面で大きな問題点を抱えて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術が有する製造工程の煩雑さや製品の著しい着色
といった問題点を解決し、より簡便に高品質のポリアス
パラギン酸またはその塩を得る製造法を提供することに
ある。
従来技術が有する製造工程の煩雑さや製品の著しい着色
といった問題点を解決し、より簡便に高品質のポリアス
パラギン酸またはその塩を得る製造法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討した結果、アスパラギン酸とリ
ン酸とのモル比を特定の範囲に調節し、特定の温度、圧
力条件でアスパラギン酸の重縮合を行うと、高収率で高
品質のポリアスパラギン酸またはその塩が得られること
を見出し、本発明に到達した。
を解決するため鋭意検討した結果、アスパラギン酸とリ
ン酸とのモル比を特定の範囲に調節し、特定の温度、圧
力条件でアスパラギン酸の重縮合を行うと、高収率で高
品質のポリアスパラギン酸またはその塩が得られること
を見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、温度120〜155
℃、圧力0.01〜100トールの条件下でアスパラギ
ン酸をアスパラギン酸1モルあたり2〜5モルのリン酸
類中で重縮合させ、得られたポリスクシンイミドを加水
分解することを特徴とするポリアスパラギン酸またはそ
の塩の製造法に関する。
℃、圧力0.01〜100トールの条件下でアスパラギ
ン酸をアスパラギン酸1モルあたり2〜5モルのリン酸
類中で重縮合させ、得られたポリスクシンイミドを加水
分解することを特徴とするポリアスパラギン酸またはそ
の塩の製造法に関する。
【0008】前記リン酸類としては、次亜リン酸、正亜
リン酸、異亜リン酸、焦性亜リン酸、次リン酸、正リン
酸、異リン酸、焦性リン酸などを挙げることができる。
リン酸、異亜リン酸、焦性亜リン酸、次リン酸、正リン
酸、異リン酸、焦性リン酸などを挙げることができる。
【0009】本発明に用いられるアスパラギン酸は、D
体、L体、DL体のいずれでもよい。また、ポリアスパ
ラギン酸の使用目的に応じて、ポリアスパラギン酸の性
能に実質的に悪影響を与えない範囲であれば、アスパラ
ギン酸と共に、アスパラギン酸と共縮合可能なモノマー
1種以上を併用することができる。このような共縮合モ
ノマーとしては、共縮合可能な限り特に制限はないが、
グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシ
ン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、ア
スパラギン、グルタミン酸、リジン等のアミノ酸、グリ
コール酸、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸等のヒドロキシカ
ルボン酸を例示でき、少量であればマレイン酸、フマル
酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸等のジカルボン酸
をも用いることができる。コモノマーは全モノマー中5
0重量%未満の割合で使用することが好ましい。なお、
本明細書においては、コモノマーを用いた場合も含め
て、モノマーはアスパラギン酸、ポリマーはポリアスパ
ラギン酸と表示する。
体、L体、DL体のいずれでもよい。また、ポリアスパ
ラギン酸の使用目的に応じて、ポリアスパラギン酸の性
能に実質的に悪影響を与えない範囲であれば、アスパラ
ギン酸と共に、アスパラギン酸と共縮合可能なモノマー
1種以上を併用することができる。このような共縮合モ
ノマーとしては、共縮合可能な限り特に制限はないが、
グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシ
ン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、ア
スパラギン、グルタミン酸、リジン等のアミノ酸、グリ
コール酸、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸等のヒドロキシカ
ルボン酸を例示でき、少量であればマレイン酸、フマル
酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸等のジカルボン酸
をも用いることができる。コモノマーは全モノマー中5
0重量%未満の割合で使用することが好ましい。なお、
本明細書においては、コモノマーを用いた場合も含め
て、モノマーはアスパラギン酸、ポリマーはポリアスパ
ラギン酸と表示する。
【0010】本発明において、重縮合時に使用されるリ
ン酸は、アスパラギン酸等のモノマー1モルに対し2〜
5モル、好ましくは3〜4モルの範囲で使用される。リ
ン酸の使用量が2モル未満であると、反応中のモノマー
の溶解が不充分となり転化率の低下を招くばかりでな
く、縮合反応終了後の混合物が固化したり高粘度となっ
たりして操作性も悪くなる。一方、5モルをこえると生
産コストの上昇を招き、また製造に伴う廃液量も増える
ので好ましくない。
ン酸は、アスパラギン酸等のモノマー1モルに対し2〜
5モル、好ましくは3〜4モルの範囲で使用される。リ
ン酸の使用量が2モル未満であると、反応中のモノマー
の溶解が不充分となり転化率の低下を招くばかりでな
く、縮合反応終了後の混合物が固化したり高粘度となっ
たりして操作性も悪くなる。一方、5モルをこえると生
産コストの上昇を招き、また製造に伴う廃液量も増える
ので好ましくない。
【0011】また、本発明における重縮合反応は圧力
0.01〜100ト−ル、温度120〜155℃で行う
必要がある。すなわち、反応系を0.01〜100トー
ルの減圧下で重縮合し、生成する水を連続的に系外に排
出することによって、120〜155℃という比較的低
温でも重縮合の進行が速やかに行われ、添加率も高く、
しかも着色の少ない良好な製品が得られることになる。
温度120℃未満では重縮合反応の進行が不充分となり
転化率が低下する。反応温度が155℃をこえると、着
色が多くなり、反応混合物の粘度も高くなり操作性が低
下する。180℃をこえると着色が著しくなり、反応混
合物の高粘度化あるいは固化のため操作性も極度に低下
する。
0.01〜100ト−ル、温度120〜155℃で行う
必要がある。すなわち、反応系を0.01〜100トー
ルの減圧下で重縮合し、生成する水を連続的に系外に排
出することによって、120〜155℃という比較的低
温でも重縮合の進行が速やかに行われ、添加率も高く、
しかも着色の少ない良好な製品が得られることになる。
温度120℃未満では重縮合反応の進行が不充分となり
転化率が低下する。反応温度が155℃をこえると、着
色が多くなり、反応混合物の粘度も高くなり操作性が低
下する。180℃をこえると着色が著しくなり、反応混
合物の高粘度化あるいは固化のため操作性も極度に低下
する。
【0012】反応時間は特に限定されるものではない
が、通常、0.5〜12時間であり、2〜5時間である
ことが好ましい。反応時間が0.5時間未満では反応が
充分進行しない場合もあり、転化率が低くなる傾向にあ
る。また、12時間をこえると、製品の着色傾向が強ま
り、反応混合物の粘度も上昇して操作性が低下する傾向
にある。この重縮合反応は大気中で実施しても問題はな
いが、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活
性ガスの種類に制限はないが、窒素、アルゴン、ヘリウ
ムなどを例示できる。
が、通常、0.5〜12時間であり、2〜5時間である
ことが好ましい。反応時間が0.5時間未満では反応が
充分進行しない場合もあり、転化率が低くなる傾向にあ
る。また、12時間をこえると、製品の着色傾向が強ま
り、反応混合物の粘度も上昇して操作性が低下する傾向
にある。この重縮合反応は大気中で実施しても問題はな
いが、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活
性ガスの種類に制限はないが、窒素、アルゴン、ヘリウ
ムなどを例示できる。
【0013】重縮合反応で得られるポリスクシンイミド
及びこれを加水分解して得られるポリアスパラギン酸の
分子量は、原料であるアスパラギン酸とリン酸の反応モ
ル比により調節できる。
及びこれを加水分解して得られるポリアスパラギン酸の
分子量は、原料であるアスパラギン酸とリン酸の反応モ
ル比により調節できる。
【0014】前記の重縮合反応によって得られたポリス
クシンイミドをアルカリ加水分解することにより、ポリ
アスパラギン酸塩を得ることができ、この塩を酸で処理
することにより遊離のポリアスパラギン酸を得ることが
できる。
クシンイミドをアルカリ加水分解することにより、ポリ
アスパラギン酸塩を得ることができ、この塩を酸で処理
することにより遊離のポリアスパラギン酸を得ることが
できる。
【0015】加水分解に用いるアルカリとしては、特に
制限はないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等のア
ルカリ金属塩、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属
水酸化物を例示することができる。
制限はないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等のア
ルカリ金属塩、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属
水酸化物を例示することができる。
【0016】加水分解反応はポリスクシンイミドをアル
カリ水溶液に溶解することにより行われる。このポリス
クシンイミドは前記で得た反応混合物から単離したポリ
スクシンイミドをアルカリ水溶液に溶解してもよく、ポ
リスクシンイミドを単離することなく、反応混合物をそ
のままアルカリ水溶液に溶解してもよい。ポリスクシン
イミドの単離は反応混合物を大過剰の水中に投入してポ
リスクシンイミドを析出させ、これを濾別し、必要に応
じて洗浄することにより得られる。
カリ水溶液に溶解することにより行われる。このポリス
クシンイミドは前記で得た反応混合物から単離したポリ
スクシンイミドをアルカリ水溶液に溶解してもよく、ポ
リスクシンイミドを単離することなく、反応混合物をそ
のままアルカリ水溶液に溶解してもよい。ポリスクシン
イミドの単離は反応混合物を大過剰の水中に投入してポ
リスクシンイミドを析出させ、これを濾別し、必要に応
じて洗浄することにより得られる。
【0017】加水分解時の温度は通常、0〜80℃で行
い、好ましくは20〜50℃で行う。0℃未満では加水
分解が充分に進行し難く、80℃をこえると加水分解に
より得られるポリアスパラギン酸の主鎖のアミド結合が
開裂を起こし収率が低下する傾向にある。
い、好ましくは20〜50℃で行う。0℃未満では加水
分解が充分に進行し難く、80℃をこえると加水分解に
より得られるポリアスパラギン酸の主鎖のアミド結合が
開裂を起こし収率が低下する傾向にある。
【0018】加水分解後のポリアスパラギン酸は加水分
解に用いたアルカリの種類に対応するアルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩となる。これらの塩は冷却、濃縮ま
たは貧溶媒添加等の操作により、溶解度を低下させるこ
とにより結晶として分離することができる。貧溶媒によ
る結晶析出の場合の貧溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、アセトン、アセトニトリル等水
と任意の割合で混和できる有機溶媒を用いることができ
る。
解に用いたアルカリの種類に対応するアルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩となる。これらの塩は冷却、濃縮ま
たは貧溶媒添加等の操作により、溶解度を低下させるこ
とにより結晶として分離することができる。貧溶媒によ
る結晶析出の場合の貧溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、アセトン、アセトニトリル等水
と任意の割合で混和できる有機溶媒を用いることができ
る。
【0019】加水分解して得られたポリアスパラギン酸
塩溶液に酸を加えて処理するとポリアスパラギン酸とし
て晶析させることもできる。この場合に用いられる酸と
しては、塩酸、硫酸等の鉱酸、酢酸、シュウ酸などの有
機酸を例示することができる。
塩溶液に酸を加えて処理するとポリアスパラギン酸とし
て晶析させることもできる。この場合に用いられる酸と
しては、塩酸、硫酸等の鉱酸、酢酸、シュウ酸などの有
機酸を例示することができる。
【0020】本発明の方法によれば、重縮合反応後の混
合物が常温で流動性を有することから取り扱いが容易で
あり、かつ、得られるポリアスパラギン酸(塩)は着色
がなく高品質の製品となる。
合物が常温で流動性を有することから取り扱いが容易で
あり、かつ、得られるポリアスパラギン酸(塩)は着色
がなく高品質の製品となる。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本発明の製造法により得られたポリアスパラギン
酸の分析は下記の方法で行った。
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本発明の製造法により得られたポリアスパラギン
酸の分析は下記の方法で行った。
【0022】重量平均分子量:カラムとして東ソー
(株)製、TSKgel G2000PWXL、検出器
として示差屈折計(RI)を用い、溶離液として0.0
1Mリン酸ナトリウム緩衝液−0.3MNaCl(pH
7.0)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)により、ポリエチレンオキシド換算値と
して決定した。
(株)製、TSKgel G2000PWXL、検出器
として示差屈折計(RI)を用い、溶離液として0.0
1Mリン酸ナトリウム緩衝液−0.3MNaCl(pH
7.0)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)により、ポリエチレンオキシド換算値と
して決定した。
【0023】実施例1 温度計、温度制御装置、攪拌装置、コンデンサーを備え
た200mlナス型フラスコに、L−アスパラギン酸
〔和光純薬工業(株)製、以下L−Asp と略す〕3
9.9g、85%リン酸〔和光純薬工業(株)製〕80
gを仕込み(アスパラギン酸1モル当たりのリン酸のモ
ル比:2.3)、60トールの減圧下、反応により生成
した水を除去しながら155℃で3時間重縮合させた。
得られた反応混合物は無色透明であり、常温で易流動性
であった。この反応混合物を大過剰の水中に投入するこ
とにより生成した沈殿を濾別し、純水で3回、メタノー
ルで3回洗浄した後、60℃で12時間減圧乾燥して白
色のポリスクシンイミド(以下PSIと略す)粉末2
8.2gを得た(収率:97%)。
た200mlナス型フラスコに、L−アスパラギン酸
〔和光純薬工業(株)製、以下L−Asp と略す〕3
9.9g、85%リン酸〔和光純薬工業(株)製〕80
gを仕込み(アスパラギン酸1モル当たりのリン酸のモ
ル比:2.3)、60トールの減圧下、反応により生成
した水を除去しながら155℃で3時間重縮合させた。
得られた反応混合物は無色透明であり、常温で易流動性
であった。この反応混合物を大過剰の水中に投入するこ
とにより生成した沈殿を濾別し、純水で3回、メタノー
ルで3回洗浄した後、60℃で12時間減圧乾燥して白
色のポリスクシンイミド(以下PSIと略す)粉末2
8.2gを得た(収率:97%)。
【0024】得られたPSI粉末のうち、9.7gを取
り、1N−NaOH100mlに溶解し、室温で約30
分撹拌した。不溶分を濾別した後、濾液を5℃に冷却
し、希塩酸でpH2に調整してメタノールを徐々に加え
ていくと白色の沈殿物が生成した。この沈殿物を濾別
し、メタノールで3回洗浄後、60℃で12時間減圧乾
燥して、白色のポリアスパラギン酸(以下P−Aspと
略す)粉末10.4g(L−Aspからの全収率90
%、重量平均分子量11000)を得た。
り、1N−NaOH100mlに溶解し、室温で約30
分撹拌した。不溶分を濾別した後、濾液を5℃に冷却
し、希塩酸でpH2に調整してメタノールを徐々に加え
ていくと白色の沈殿物が生成した。この沈殿物を濾別
し、メタノールで3回洗浄後、60℃で12時間減圧乾
燥して、白色のポリアスパラギン酸(以下P−Aspと
略す)粉末10.4g(L−Aspからの全収率90
%、重量平均分子量11000)を得た。
【0025】実施例2 縮合反応時のリン酸/L−Aspのモル比を3.5とし
た以外は実施例1と同様にして白色のPSI24.7g
を得、このPSI9.7gを用いて実施例1と同様にし
て白色のP−Asp粉末9.8g(L−Aspからの全
収率85%、重量平均分子量8000)を得た。
た以外は実施例1と同様にして白色のPSI24.7g
を得、このPSI9.7gを用いて実施例1と同様にし
て白色のP−Asp粉末9.8g(L−Aspからの全
収率85%、重量平均分子量8000)を得た。
【0026】実施例3 実施例1と同様に重縮合を行って得た反応混合物を、氷
冷した2.4N−NaOH1000mlに、液温が30
℃をこえないように徐々に加えていき、最終的なpHを
7.5〜8.0の範囲に保持した。液温を約5℃に保ち
ながらメタノールを加えていくと白色の沈殿物が生成し
た。この沈殿物を濾別し、メタノールで3回洗浄後、6
0℃で12時間減圧乾燥して、白色のP−Aspナトリ
ウム塩33.7g(全収率82%、重量平均分子量87
00)を得た。
冷した2.4N−NaOH1000mlに、液温が30
℃をこえないように徐々に加えていき、最終的なpHを
7.5〜8.0の範囲に保持した。液温を約5℃に保ち
ながらメタノールを加えていくと白色の沈殿物が生成し
た。この沈殿物を濾別し、メタノールで3回洗浄後、6
0℃で12時間減圧乾燥して、白色のP−Aspナトリ
ウム塩33.7g(全収率82%、重量平均分子量87
00)を得た。
【0027】実施例4 実施例1と同様の装置に、L−Asp29.9g、L−
グルタミン酸〔和光純薬工業(株)製、 以下L−Gl
uと略す〕8.8g、コハク酸〔和光純薬工業(株)
製、以下SAと略す〕1.5g(モル比/L−Asp:
L−Glu:SA=75:20:5)、リン酸80gを
仕込み、60トールの減圧下、反応により生成した水を
除去しながら155℃で3時間重縮合させた。得られた
反応混合物は無色透明であり、常温で易流動性であっ
た。この反応混合物を大過剰の水性メタノール(メタノ
ール:水=2:1)中に投入することにより生成した沈
殿物を濾別し、メタノールで3回洗浄した後、80℃で
16時間減圧乾燥して白色のコポリサクシンイミドを得
た。1N−NaOH 250mlに前記のコポリサクシ
ンイミドを加え、室温で30分撹拌して加水分解を行っ
た。不溶分を濾過し、得られた濾液を5℃に冷却して希
塩酸でpH2に調節した後メタノールを加えていくと白
色の沈殿物が生成した。この沈殿物を濾別し、メタノー
ルで3回洗浄後減圧乾燥することにより、白色コポリア
スパラギン酸8.6g(モノマーからの全収率72%、
重量平均分子量7500)を得た。
グルタミン酸〔和光純薬工業(株)製、 以下L−Gl
uと略す〕8.8g、コハク酸〔和光純薬工業(株)
製、以下SAと略す〕1.5g(モル比/L−Asp:
L−Glu:SA=75:20:5)、リン酸80gを
仕込み、60トールの減圧下、反応により生成した水を
除去しながら155℃で3時間重縮合させた。得られた
反応混合物は無色透明であり、常温で易流動性であっ
た。この反応混合物を大過剰の水性メタノール(メタノ
ール:水=2:1)中に投入することにより生成した沈
殿物を濾別し、メタノールで3回洗浄した後、80℃で
16時間減圧乾燥して白色のコポリサクシンイミドを得
た。1N−NaOH 250mlに前記のコポリサクシ
ンイミドを加え、室温で30分撹拌して加水分解を行っ
た。不溶分を濾過し、得られた濾液を5℃に冷却して希
塩酸でpH2に調節した後メタノールを加えていくと白
色の沈殿物が生成した。この沈殿物を濾別し、メタノー
ルで3回洗浄後減圧乾燥することにより、白色コポリア
スパラギン酸8.6g(モノマーからの全収率72%、
重量平均分子量7500)を得た。
【0028】以上の実施例においては、いずれの場合も
重縮合終了後の反応混合物が常温で易流動性を有してお
り、得られたポリアスパラギン酸(塩)には着色が見ら
れなかった。
重縮合終了後の反応混合物が常温で易流動性を有してお
り、得られたポリアスパラギン酸(塩)には着色が見ら
れなかった。
【0029】比較例1 実施例1で用いたと同様の装置を用い、リン酸とL−A
spのモル比0.6、反応温度180℃とした以外は実
施例1と同様にして3時間重縮合を行った。反応途中で
反応液が褐色を呈し、また、粘度上昇が顕著であり撹拌
が不可能となった。反応後、反応混合物を室温まで冷却
すると完全に固化した。この固化物をDMF100ml
に溶解した後、500mlの純水に投入すると、黄土色
の沈殿が生成した。これを濾取し、純水で3回、次いで
メタノールで3回洗浄した後、60℃で12時間乾燥
し、黄土色のPSI粉末25.6g(収率88%)を得
た。以下、このPSI 9.7gを用いて、実施例1と
同様にして黄土色のP−Asp粉末8.4g(L−As
pからの全収率73%、重量平均分子量19000)を
得た。
spのモル比0.6、反応温度180℃とした以外は実
施例1と同様にして3時間重縮合を行った。反応途中で
反応液が褐色を呈し、また、粘度上昇が顕著であり撹拌
が不可能となった。反応後、反応混合物を室温まで冷却
すると完全に固化した。この固化物をDMF100ml
に溶解した後、500mlの純水に投入すると、黄土色
の沈殿が生成した。これを濾取し、純水で3回、次いで
メタノールで3回洗浄した後、60℃で12時間乾燥
し、黄土色のPSI粉末25.6g(収率88%)を得
た。以下、このPSI 9.7gを用いて、実施例1と
同様にして黄土色のP−Asp粉末8.4g(L−As
pからの全収率73%、重量平均分子量19000)を
得た。
【0030】比較例2 縮合反応時の圧力を300トールとした以外は実施例1
と同様にしたところ、最終的に得られたP−Aspは、
L−Aspからの全収率で24%(重量平均分子量94
00)であった。
と同様にしたところ、最終的に得られたP−Aspは、
L−Aspからの全収率で24%(重量平均分子量94
00)であった。
【0031】比較例3重縮合温度を105℃に設定した
以外は実施例1と同様にして縮合反応を行ったところ、
重縮合反応は全く進行せず、原料のL−Aspが定量的
に回収された。
以外は実施例1と同様にして縮合反応を行ったところ、
重縮合反応は全く進行せず、原料のL−Aspが定量的
に回収された。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ポリアスパラギ
ン酸またはその塩を製造する場合の操作性に優れ、プロ
セスが簡略であり、しかも着色のない高品質のポリアス
パラギン酸またはその塩を得ることができる。本発明の
製法による製品は、従来みられた製品への着色問題がな
く、また、ポリアスパラギン酸は生分解性にも優れるこ
とから、食品添加物、抗菌剤、医用材料、化粧品、肥
料、スケール防止剤、洗剤、顔料分散剤等への商品展開
がより容易となる。
ン酸またはその塩を製造する場合の操作性に優れ、プロ
セスが簡略であり、しかも着色のない高品質のポリアス
パラギン酸またはその塩を得ることができる。本発明の
製法による製品は、従来みられた製品への着色問題がな
く、また、ポリアスパラギン酸は生分解性にも優れるこ
とから、食品添加物、抗菌剤、医用材料、化粧品、肥
料、スケール防止剤、洗剤、顔料分散剤等への商品展開
がより容易となる。
Claims (1)
- 【請求項1】 温度120〜155℃、圧力0.01〜
100トールの条件下でアスパラギン酸をアスパラギン
酸1モルあたり2〜5モルのリン酸類中で重縮合させ、
得られたポリスクシンイミドを加水分解することを特徴
とするポリアスパラギン酸またはその塩の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10582498A JPH11286546A (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | ポリアスパラギン酸またはその塩の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10582498A JPH11286546A (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | ポリアスパラギン酸またはその塩の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11286546A true JPH11286546A (ja) | 1999-10-19 |
Family
ID=14417821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10582498A Pending JPH11286546A (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | ポリアスパラギン酸またはその塩の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11286546A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103819673A (zh) * | 2014-01-27 | 2014-05-28 | 洛阳采润环保材料有限公司 | 一种聚天门冬氨酸的制备方法 |
-
1998
- 1998-04-01 JP JP10582498A patent/JPH11286546A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103819673A (zh) * | 2014-01-27 | 2014-05-28 | 洛阳采润环保材料有限公司 | 一种聚天门冬氨酸的制备方法 |
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