JPH11286507A - アニオン重合開始剤 - Google Patents

アニオン重合開始剤

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JPH11286507A
JPH11286507A JP10548198A JP10548198A JPH11286507A JP H11286507 A JPH11286507 A JP H11286507A JP 10548198 A JP10548198 A JP 10548198A JP 10548198 A JP10548198 A JP 10548198A JP H11286507 A JPH11286507 A JP H11286507A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
potassium
polymerization initiator
anionic polymerization
tetrahydrofuran
component
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP10548198A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazukiyo Takami
和清 高見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanagawa Prefecture
Original Assignee
Kanagawa Prefecture
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不要物の副生もなく、芳香族を使用しないで
得られるアニオン重合開始剤を提供する。 【解決手段】 テトラヒドロフランとカリウムの反応に
より生成させるアニオン重合開始剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤやケーブル
被覆に使用されるブタジエン等のジエン系ゴムや、分析
用標準試料として使用される単分散ポリマーの合成に必
要なアニオン重合開始剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在使用されているアニオン重合開始剤
として、ブチルリチウム等の有機リチウム化合物と、ナ
トリウムナフタレン等の芳香族アニオンラジカル等が挙
げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の重合開始剤は、有機リチウム化合物の場合は不要な
副生物の分離を必要とし、また、芳香族アニオンラジカ
ルの場合は芳香族化合物が真空ラインの内壁に付着して
真空ラインの性能低下をもたらしてしまうという問題点
を有する。そこで、本発明は、前記従来技術の不都合を
解消し、不要物の副生もなく、芳香族を使用しないで得
られるアニオン重合開始剤を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のアニオン重合開
始剤は前記課題を解決するべく、請求項1に記載の通
り、テトラヒドロフランとカリウムの反応により生成さ
せることを特徴とする。また、請求項2記載のアニオン
重合開始剤は、前記テトラヒドロフランとして脱水、脱
気状態のものを用いることを特徴とする。また、請求項
3記載のアニオン重合開始剤は、前記請求項1または2
記載のアニオン重合開始剤において、前記カリウムとし
てナトリウムーカリウム合金を用いることを特徴とす
る。
【0005】
【発明の実施の形態】前記テトラヒドロフランとして
は、水分や酸素を含まないものを用いることが好まし
く、例えばナトリウムーカリウム合金等の脱水剤を用い
て脱水し、更に、拡散ポンプを使用して脱気処理したも
のを用いればよい。
【0006】また、前記テトラヒドロフランと反応させ
るカリウムはカリウム単体でもナトリウムーカリウム合
金の形としたものでも構わない。尚、カリウムとしてカ
リウム単体を用いる場合はカリウムを内壁に蒸着した反
応装置を用いる必要があるが、カリウムとしてナトリウ
ムーカリウム合金を用いる場合は、ナトリウムーカリウ
ム合金は常温で液状であるため、内部にナトリウムーカ
リウム合金を適当に配置した反応装置を用いることがで
きるので、実用上好ましい。
【0007】前記テトラヒドロフランとカリウムの反応
は、テトラヒドロフランとして水分や酸素を含まないも
のを用いることが反応を確実に進める上で最も重要であ
り、その他の反応条件については特に留意する必要がな
く、反応の制御が極めて簡単である。このように、反応
の制御も簡単であり、簡単かつ安価にアニオン重合開始
剤を提供できる。前記アニオン重合開始剤(テトラヒド
ロフランのカリウムとの反応溶液)にスチレンやブタジ
エン等の炭化水素系モノマーを加えるとリビングアニオ
ン重合が起こり、単分散ポリマーやブロック共重合体が
得られる。
【0008】
【実施例】次に、具体的な実施例を説明する。まず、テ
トラヒドロフランをナトリウムーカリウム合金とともに
20時間撹拌して脱水を行った後、拡散ポンプを使用し
てテトラヒドロフラン蒸気以外の気体の圧力が10ー5
orr以下になるまで脱気した。次に、脱水、脱気され
たテトラヒドロフランを、内壁にカリウムを蒸着した反
応容器内に真空蒸留したところ、テトラヒドロフランと
カリウムが反応してテトラヒドロフラン中にアニオン重
合開始剤が生成し、液は青色を呈した。
【0009】次に、前記と同様にして脱水、脱気したテ
トラヒドロフランを、内部にナトリウムーカリウム合金
を配置した反応容器内に真空蒸留したところ、前記と同
様にテトラヒドロフランとカリウムが反応してテトラヒ
ドロフラン中にアニオン重合開始剤が生成し、液は青色
を呈した。
【0010】また、前記カリウムに代えてナトリウムを
用い、ナトリウムをテトラヒドロフランと反応させよう
としたが、反応は全く起こらなかった。
【0011】次に、前記のようにして得られたアニオン
重合開始剤(テトラヒドロフランのカリウムとの反応溶
液)を、ドライアイスーメタノール浴でー78℃に冷却
し、スチレンを加えると、液は橙色、即ちアニオン重合
中のスチレンの色として知られる色に変わり、重合の開
始が確認された。4分後、少量のメタノールを加えて重
合を停止させた。この溶液を10倍量のメタノール中に
投入し、沈降したポリスチレンを回収した。得られたポ
リスチレンは、数平均分子量(Mn)が21,600
で、重量平均分子量(Mw)が24,900、Mw/M
nは1.15であった。このように分子量分布が狭いこ
とから、リビングアニオン重合が起こったと言える。
【0012】尚、前記本発明のアニオン重合開始剤が、
反応系に混入した芳香族とカリウムとが反応した既知の
芳香族アニオンラジカルではなく、新規な化合物である
ことを次のようにして確認した。まず、カリウムと反応
する前のテトラヒドロフランの紫外・可視吸収スペクト
ルを観察したところ、図1に示すように、芳香族化合物
に起因するピークが見られなかった。また、全ての芳香
族化合物はナトリウムと反応して呈色するが、使用した
テトラヒドロフランとナトリウムを接触させても全く呈
色が起こらなかった。これらの事実から、前記テトラヒ
ドロフランとカリウムの反応系には芳香族の混入はなか
ったものと確認できた。即ち、本発明のアニオン重合開
始剤が得られる反応は、次のように推定される。
【0013】
【化1】
【0014】
【発明の効果】このように、本発明によれば、 不要物
の副生もなく、芳香族も使用せず、簡単な反応によっ
て、簡単かつ安価なアニオン重合開始剤が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カリウムと反応する前のテトラヒドロフラン
の紫外・可視吸収スペクトルを示す線図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラヒドロフランとカリウムの反応に
    より生成させることを特徴とするアニオン重合開始剤。
  2. 【請求項2】 前記テトラヒドロフランとして脱水、脱
    気状態のものを用いることを特徴とする請求項1記載の
    アニオン重合開始剤。
  3. 【請求項3】 前記カリウムとしてナトリウムーカリウ
    ム合金を用いることを特徴とする請求項1または2記載
    のアニオン重合開始剤。
JP10548198A 1998-03-31 1998-03-31 アニオン重合開始剤 Withdrawn JPH11286507A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100285229B1 (ko) * 1999-03-03 2001-03-15 조충환 용액 중합 스티렌-부타디엔 고무 및 부타디엔 고무의 제조방법
US11591420B2 (en) 2016-04-20 2023-02-28 Albemarle Corporation Process and catalyst for hydrogen mediated saline hydride initiated anionic chain transfer polymerization

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KR100285229B1 (ko) * 1999-03-03 2001-03-15 조충환 용액 중합 스티렌-부타디엔 고무 및 부타디엔 고무의 제조방법
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Effective date: 20050607