JPH11286404A - 木材防腐・防蟻剤 - Google Patents

木材防腐・防蟻剤

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JPH11286404A
JPH11286404A JP10171798A JP10171798A JPH11286404A JP H11286404 A JPH11286404 A JP H11286404A JP 10171798 A JP10171798 A JP 10171798A JP 10171798 A JP10171798 A JP 10171798A JP H11286404 A JPH11286404 A JP H11286404A
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JP
Japan
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carbon atoms
alkyl
ammonium salt
group
formula
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JP10171798A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Matsugaki
吉彦 松垣
Tadashi Yamano
正 山野
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MATSUGAKI YAKUHIN KOGYO KK
NIPPON MOKUZAI BOUFU KK
Original Assignee
MATSUGAKI YAKUHIN KOGYO KK
NIPPON MOKUZAI BOUFU KK
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境汚染及び人畜に対する安全性の面で問題
がなく、防腐効果が高く、しかも持続性があり、かつ、
防蟻効果をも具有する木材防腐・防蟻剤を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 (a)一般式(I) 【化1】 で表されるツインアルキルアンモニウム塩、及び/又
は、一般式(II) 【化2】 で表されるアルキルベンジルアンモニウム塩からなる第
4級アンモニウム塩と、(b)ピレスロイド化合物(光
学異性体を含む)とを有効成分とする木材防腐・防蟻剤
を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材防腐・防蟻
剤、特に加圧注入用の木材防腐・防蟻剤に関し、更に詳
しくは防腐力が高く、しかも持続性があり、かつ、白蟻
による腐朽及び浸食を防止する効果を具有する安全性の
高い木材防腐・防蟻剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】住宅の土台処理、樹木栽培用支柱や公園
などの木製施設(木材遊具,ベンチ,椅子)などの外溝
部材には、木材腐朽及び白蟻による腐朽及び浸食を防止
するための手段が採られている。とりわけ住宅用土台に
関しては、建築基準法の関係から、防蟻、防腐が義務付
けられていることもあり、従来から種々の防腐剤、防蟻
剤の開発、使用が進んできた。
【0003】従来の防腐剤の代表的なものは、銅−クロ
ム−砒素剤(通称、CCA剤)である。しかし、CCA
剤を使用した木材、すなわちCCA製材は毒性を有する
ため、安全性の面から、その使用は控えられている。
【0004】このCCA剤の代替物として、銅とアゾー
ル系化合物との混合物が開発されている。しかし、この
銅とアゾール系化合物との混合物は、依然として無機物
の銅を使用していることと、海外も含めて木材防腐剤と
しての使用実績がないアゾール化合物を使用しているこ
とのため、あまり普及していない。
【0005】そこで亜鉛化合物及び脂肪族カルボン酸を
主体とし、ポリアミンを含有する木材防腐剤が提案され
ている(特許第2595338号参照)。この木材防腐
剤は、銅化合物を含まないものではあるが、依然として
重金属(亜鉛)が含まれている。近年、環境汚染及び人
畜に対する安全性の面から、これらの毒性のある防腐剤
は使用が控えられている。
【0006】しかも従来の木材防腐剤は、高い防腐効果
を有しているものであっても、防蟻効果を有するもので
はなかったため、オオウズラタケ、カワラタケ等を始め
とする木材腐朽菌やヤマトシロアリ、イエシロアリ等の
白蟻による腐朽や浸食までは防止することができなかっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みて、環境汚染及び人畜に対する安全性の面で問題が
なく、防腐効果が高く、しかも持続性があり、かつ、防
蟻効果をも具有する木材防腐・防蟻剤を提供することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を
有する第4級アンモニウム塩とピレスロイド化合物とを
組み合わせて用いることにより、上記目的を達成し得る
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
到った。
【0009】すなわち、請求項1記載の本発明は、
(a)一般式(I)
【化3】 (式中、R1 ,R2 は、炭素数8〜14の直鎖若しくは
分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、R3 は、炭
素数1〜2のアルキル基、又は、炭素数2〜18の直鎖
若しくは分岐鎖の酸素原子を有するアルキル基若しくは
アルケニル基であり、R4 は、炭素数1〜2のアルキル
基、又は、炭素数8〜14の直鎖若しくは分岐鎖のアル
キル基若しくはアルケニル基であり、対イオンX- はハ
ロゲンイオン、ヒドロキシルイオン、鉱酸、鉱酸エステ
ル若しくは有機カルボン酸のアニオン残基である。)で
表されるツインアルキルアンモニウム塩、及び/又は、
一般式(II)
【化4】 (式中、R5 は、炭素数8〜18の直鎖若しくは分岐鎖
のアルキル基若しくはアルケニル基、又は、酸素原子若
しくはベンゼン環を含む炭素数8〜18の直鎖若しくは
分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基であり、R6
は、メチル基、ベンジル基若しくは炭素数4〜12のア
ルキル基若しくはアルケニル基であり、R7 ,R8 は、
炭素数1〜2のアルキル基若しくはアルケニル基であ
り、対イオンX- はハロゲンイオン、ヒドロキシルイオ
ン、鉱酸、鉱酸エステル若しくは有機カルボン酸のアニ
オン残基である。)で表されるアルキルベンジルアンモ
ニウム塩からなる第4級アンモニウム塩と、(b)ピレ
スロイド化合物(光学異性体を含む)とを有効成分とす
る木材防腐・防蟻剤を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
請求項1記載の本発明は、(a)一般式(I)で表され
るツインアルキルアンモニウム塩、及び/又は、一般式
(II)で表されるアルキルベンジルアンモニウム塩から
なる第4級アンモニウム塩と、(b)ピレスロイド化合
物(光学異性体を含む)とを有効成分とするものであ
る。ここで第一の有効成分である(a)第4級アンモニ
ウム塩は、上記一般式(I)、及び/又は、一般式(I
I)で表されるものである。
【0011】請求項1記載の本発明においては、第4級
アンモニウム塩としては、上記一般式(I)又は一般式
(II)で表されるものであれば、如何なる化学構造を採
る化合物であっても使用することができる。このような
第4級アンモニウム塩は、防腐剤としては公知のもので
あるが、これをピレスロイド化合物と組合せ、環境汚染
及び人畜に対する安全性の面で問題がなく、防腐効果が
高く、しかも持続性があり、かつ、防蟻効果をも具有す
る木材防腐・防蟻剤とした点については、これまで全く
知られていない。
【0012】このような第4級アンモニウム塩として
は、上記一般式(I)で表されるツインアルキルアンモ
ニウム塩と、上記一般式(II)で表されるアルキルベン
ジルアンモニウム塩とが挙げられる。
【0013】一般式(I)で表されるツインアルキルア
ンモニウム塩、及び/又は、一般式(II)で表されるア
ルキルベンジルアンモニウム塩からなる第4級アンモニ
ウム塩は、その対イオンXに特徴を有するものである。
対イオンX- は、ハロゲンイオン、ヒドロキシルイオ
ン、鉱酸、鉱酸エステル若しくは有機カルボン酸のアニ
オン残基である。
【0014】ここでハロゲンイオンの例としては、塩素
イオン,臭素イオン又はヨウ素イオンがある。
【0015】また、鉱酸の例としては、硫酸、リン酸等
が挙げられる。
【0016】鉱酸エステルとしては、硫酸エステル,リ
ン酸エステル等が挙げられる。硫酸エステルとしては、
炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しく
はアルケニル基を有する硫酸エステルが挙げられる。リ
ン酸エステルとしては、炭素数1〜18の直鎖若しくは
分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有するリン
酸エステルが挙げられる。
【0017】有機カルボン酸としては、炭素数1〜20
の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル
基を有する有機カルボン酸を用いることができる。さら
に、アルキル基に他の官能基を有する有機カルボン酸を
用いることもできる。
【0018】ここで一般式(I)で表されるツインアル
キルアンモニウム塩の具体例としては、対イオンX-
ハロゲンイオンである場合、式(III)
【化5】 で表されるジデシルジメチルアンモニウムクロライド
や、式(IV)
【化6】 で表されるジデシルメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド等が挙げられる。
【0019】また、一般式(I)で表されるツインアル
キルアンモニウム塩の具体例として、対イオンX- が硫
酸エステルである場合、ジデシルジメチルアンモニウム
メトサルフェート等を挙げることができ、また、対イオ
ンX- がリン酸エステルである場合、例えばセチルリン
酸ジデシルジメチルアンモニウム等を挙げることができ
る。
【0020】さらに、一般式(I)で表されるツインア
ルキルアンモニウム塩の具体例として、対イオンX-
有機カルボン酸である場合、ラウリル酸ジデシルジメチ
ルアンモニウム等を挙げることができる。
【0021】また、一般式(II)で表されるアルキルベ
ンジルアンモニウム塩の具体例としては、式(V)
【化7】 で表される塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0022】本発明においては、(a)第4級アンモニ
ウム塩として、上記一般式(I)で表されるツインアル
キルアンモニウム塩と、一般式(II)で表されるアルキ
ルジメチルベンジルアンモニウム塩とのいずれか一方、
或いは双方を用いることができる。
【0023】一般式(I)で表されるツインアルキルア
ンモニウム塩、及び/又は、一般式(II)で表されるア
ルキルベンジルアンモニウム塩からなる第4級アンモニ
ウム塩は、予めイオン交換樹脂を用いて、対イオンがハ
ロゲン原子の第4級アンモニウム塩を水酸基型4級アン
モニウムにした後、上記、スルホン酸,カルボン酸,硫
酸エステル又はリン酸エステルによって中和することに
より、容易に製造することができる。また、市販品を用
いることもできる。
【0024】請求項1記載の本発明における第二の有効
成分である(b)成分は、ピレスロイド化合物(光学異
性体を含む)である。このピレスロイド化合物は、人体
に対して安全性の高い殺虫剤の有効成分として公知の化
合物であるが、上記した一般式(I)で表されるツイン
アルキルアンモニウム塩、及び/又は、一般式(II)で
表されるアルキルベンジルアンモニウム塩からなる第4
級アンモニウム塩と組合せ、環境汚染及び人畜に対する
安全性の面で問題がなく、防腐効果が高く、しかも持続
性があり、かつ、防蟻効果をも具有する木材防腐・防蟻
剤とした点については、これまで全く知られていない。
【0025】第二の有効成分である(b)ピレスロイド
化合物としては種々のものがあり、例えば、アレスリ
ン,レスメスリン,テトラメスリン,フェノスリン,バ
ルスリン,パーメスリン,サイパーメスリンなどを挙げ
ることができ、さらにこれらの光学異性体を用いること
もできる。これらの中でも、本発明においては、請求項
2に記載したように、(b)ピレスロイド化合物とし
て、アレスリン,レスメスリン,テトラメスリン,フェ
ノスリン,パーメスリン及びサイパーメスリンよりなる
群から選ばれた1種又は2種以上のものを用いることが
好ましく、特にパーメスリンが最も好ましい。
【0026】なお、アレスリンは、式(VI)
【化8】 で表されるものである。
【0027】次に、レスメスリンは、式(VII )
【化9】 で表されるものである。
【0028】また、テトラメスリンは、式(VIII)
【化10】 で表されるものである。
【0029】さらに、フェノスリンは、式(IX)
【化11】 で表されるものである。
【0030】また、パーメスリンは、式(X)
【化12】 で表されるものである。
【0031】最後に、サイパーメスリンは、式(XI)
【化13】 で表されるものである。
【0032】請求項3に記載したように、(a)一般式
(I)で表されるツインアルキルアンモニウム塩、及び
/又は、一般式(II)で表されるアルキルベンジルアン
モニウム塩からなる第4級アンモニウム塩としてジデシ
ルジメチルアンモニウムクロライドを選択し、かつ、
b)ピレスロイド化合物としてパーメスリンを選択した
組合せによれば、著しい防腐及び防蟻効果が相乗的に得
られる。
【0033】本発明の木材防腐・防蟻剤は、上記一般式
(I)で表されるツインアルキルアンモニウム塩、及び
/又は、一般式(II)で表されるアルキルベンジルアン
モニウム塩からなる第4級アンモニウム塩を、有効成分
として0.01乃至60重量%、好ましくは0.1乃至
20重量%、より好ましくは1乃至5重量%の割合で含
有するものである。ここで、上記第4級アンモニウム塩
の含有量が0.01重量%未満であると、充分な防腐効
果を得ることができない。
【0034】また、本発明の木材防腐・防蟻剤は、上記
ピレスロイド化合物を、有効成分として、その全量が
0.01乃至10重量%、好ましくは0.05乃至5重
量%の割合で含有するものである。ここで上記ピレスロ
イド化合物の含有量が0.01重量%未満であると、充
分な防蟻効果を得ることができない。
【0035】また、(a)一般式(I)で表されるツイ
ンアルキルアンモニウム塩、及び/又は、一般式(II)
で表されるアルキルベンジルアンモニウム塩からなる第
4級アンモニウム塩と、(b)ピレスロイド化合物(光
学活性体を含む)との配合比は、請求項4に記載したよ
うに、前者:後者=5:1乃至100:1(重量比)と
することが好ましく、特に7:1乃至75:1(重量
比)とすることがより好ましい。ここで(b)ピレスロ
イド化合物が多すぎると、コスト的にも問題があり、ま
た、(a)上記第4級アンモニウム塩が多すぎると、2
種の有効成分を組み合わせたことによる効果が認められ
なくなる。
【0036】本発明の木材防腐・防蟻剤は、上記2種の
成分を有効成分とするものであり、この他に、必要に応
じて、公知の殺虫剤,殺菌剤,防腐剤等の1種を単独
で、或いは2種以上を配合して用いることもできる。な
お、各成分を混合するに際しては、非イオン界面活性剤
等を使用することができる。
【0037】本発明の木材防腐・防蟻剤の使用形態は、
水溶剤,水和剤,粉剤,乳剤,油剤,ペースト剤等、い
ずれの製剤型であっても良いが、加圧注入用としては、
水溶剤,水和剤,乳剤,油剤の形態とすることが好まし
い。また、その使用形態(製剤型)に応じて、他の添加
剤、例えば乳化剤,分散剤,担体等を加えても良い。
【0038】本発明の木材防腐・防蟻剤は、通常は希釈
して使用される。本発明の木材防腐・防蟻剤を木材に希
釈添加する際には、必要に応じて溶媒,消泡剤等を用い
ることができる。使用できる溶媒には特に制限はなく、
例えば、水溶性の非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0039】このようにして、目的とする本発明の木材
防腐・防蟻剤を得ることができる。このようにして得ら
れた本発明の木材防腐・防蟻剤は、常法に従い、加圧注
入法,真空処法理,浸漬処理法,スプレー法,塗布法等
によって処理される。加圧注入法によって処理するの
が、最も好ましい。
【0040】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって何ら制限されるものでは
ない。
【0041】実施例1 ジデシルジメチルアンモニウムクロライドとパーメスリ
ンとを、前者:後者=50:1(重量比)の配合にて調
合した。これを水に溶解し、ジデシルジメチルアンモニ
ウムクロライド2.0重量%,パーメスリン0.04重
量%を含有する乳剤を得た。これを試験体1とした。こ
の試験体1について、防腐試験法(JIS A920
1)による試験及び防蟻性能試験法(日本木材保存協会
企画11号(1))による試験を行った。
【0042】まず、防腐能試験法(JIS A920
1)による試験結果を第1表に示す。なお、無処理で同
様の試験を行った結果も併せて第1表に示す。
【0043】
【表1】
【0044】第1表より、以下のことが分かる。規格に
よれば、無処理試験片の腐朽後の質量減少率の平均値
は、カワラタケの場合に15%以上、オオウズラタケの
場合に30%以上であれば、試験成立とされるが、本試
験の結果によれば、質量減少率は、それぞれ21.9
%、63.4%であるため、本試験は成立していること
が分かる。
【0045】次に、無処理試験片と試験体1で処理した
試験片との質量減少率を比較すると、以下のことが分か
る。まず、供試菌がカワラタケの場合、無処理試験片の
腐朽後の質量減少率は平均21.9%であったのに対
し、試験体1で処理した試験片の腐朽後の質量減少率
は、平均0.2%(耐候操作有り)、平均0.1%(耐
候操作無し)と非常に低いことが分かる。
【0046】一方、オオウズラタケを供試菌として用い
た場合、無処理試験片と試験体1で処理した試験片との
質量減少率を比較すると、無処理試験片の腐朽後の質量
減少率は平均63.4%であったのに対し、試験体1で
処理した試験片の腐朽後の質量減少率は、平均0.8%
(耐候操作有り)、平均0.2%(耐候操作無し)と非
常に低いことが分かる。
【0047】さらに、試験体1は、本試験におけるカワ
ラタケおよびオオウズラタケを供試菌とした場合の質量
減少率が、いずれも3%以下であったことから、木材防
腐剤の規格をクリアしていることが分かる。また、試験
体1で処理した試験片は、いずれの供試菌の場合におい
ても、耐候操作の有無にかかわらず低い質量減少率を示
すことから、安定した防腐性能を示しており、持続性が
あることも分かる。
【0048】以上のことから、本発明の防腐・防蟻剤
は、木材防腐剤の規格に合格することはもちろん、優れ
た防腐効果を有することが証明された。
【0049】次に、防蟻性能試験法(日本木材保存協会
規格11号(1))による試験の結果を第2表に示す。
【0050】
【表2】
【0051】第2表から、以下のことが分かる。まず、
規格によれば、無処理試験片の質量減少率が平均20%
以上であれば試験は成立であるが、本試験においては平
均32.3%であり、この条件を満たしている。
【0052】次に、無処理試験片と試験体1で処理した
試験片との質量減少率(平均値)を比較すると、無処理
試験片の場合は平均32.3%であるのに対し、試験体
1で処理した試験片は、耐候操作の有無を問わず、平均
0.1%と非常に低く、優れた防腐効果を有することが
分かる。
【0053】また、試験体1(耐候操作有り,無し)で
処理した試験片の質量減少率は、全て平均2%以下であ
り、木材防蟻剤の規格に合格している。即ち、木材防蟻
剤の規格を満たす為には、本試験における質量減少率が
2%以下である必要があるが、試験体1で処理した試験
片の結果は、明らかにこの規格をクリアしていた。以上
のことから、本発明の防腐・防蟻剤は、前述の防腐効果
に加えて高い防蟻効果も示し、木材防蟻剤の規格にも合
格していることが明らかである。
【0054】実施例2 ジデシルジメチルアンモニウムクロライドとパーメスリ
ンとを75:1の配合にて調合した。これを水に溶解
し、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド1.5重
量%,パーメスリン0.02重量%を含有する乳剤を得
た。これを試験体2とした。この試験体2について、実
施例1と同様に、防腐試験法(JIS A9201)に
よる試験及び防蟻性能試験法(日本木材保存協会企画1
1号(1))による試験を行った。
【0055】まず、防腐試験法(JIS A9201)
による試験結果を第3表に示す。なお、無処理で同様の
試験を行った結果も併せて第3表に示す。
【0056】
【表3】
【0057】第3表より、以下のことが分かる。規格に
よれば、無処理試験片の腐朽後の質量減少率の平均値
は、カワラタケの場合に15%以上、オオウズラタケの
場合に30%以上であれば、試験成立とされるが、本試
験の結果によれば、質量減少率は、それぞれ21.9
%、63.4%であったことから、試験は成立であるこ
とが分かる。
【0058】次に、無処理試験片と試験体3で処理した
試験片との質量減少率を比較すると、以下のことが分か
る。まず、カワラタケを供試菌とした場合、無処理試験
片の腐朽後の質量減少率は、平均21.9%であったの
に対し、試験体2で処理した試験片の腐朽後の質量減少
率は、耐候操作の有無にかかわらず、平均0.2%と非
常に低いことが分かる。
【0059】一方、オオウズラタケを供試菌として用い
た場合、無処理試験片と試験体2で処理した試験片との
質量減少率を比較すると、無処理試験片の腐朽後の質量
減少率は平均63.4%であったのに対し、試験体1で
処理した試験片の腐朽後の質量減少率は、耐候操作の有
無如何にかかわらず、平均0.8%と非常に低いことが
分かる。
【0060】さらに、試験体2は、本試験におけるカワ
ラタケおよびオオウズラタケを供試菌とした場合の質量
減少率が、いずれも3%以下であったことから、木材防
腐剤の規格もクリアしていることが分かる。
【0061】また、試験体2で処理した試験片は、いず
れの供試菌の場合においても、耐候操作にかかわらず、
平均質量減少率が低いことから、安定した防腐性能を示
しており、持続性があることが分かる。以上のことか
ら、本発明の防腐・防蟻剤は、木材防腐剤の規格に合格
することはもちろん、優れた防腐効果を有することが証
明された。
【0062】次に、防蟻性能試験法(日本木材保存協会
規格11号(1))による試験の結果を第4表に示す。
【0063】
【表4】
【0064】第4表から、以下のことが明らかである。
実施例1の結果の部分で既に述べた通り、規格によれ
ば、無処理試験片の質量減少率は平均20%以上であれ
ば試験は成立であるが、本試験においては平均32.3
%であることから、この条件を満たしていることが分か
る。
【0065】次に、無処理試験片と試験体2で処理した
試験片との質量減少率(平均値)を比較すると、無処理
の場合は平均32.3%であったのに対し、試験体2で
処理した試験片は、耐候操作有りの場合、平均0.1%
であり、耐候操作無しの場合には平均0.0%と非常に
低く、優れた防蟻効果を有することが分かる。
【0066】このように試験体2(耐候操作有り,無
し)で処理した試験片の質量減少率は、全て平均2%以
下であったので、いずれも木材防蟻剤の規格に合格であ
った。即ち、木材防蟻剤の規格を満たすためには、本試
験における質量減少率が2%以下である必要があるが、
試験体2で処理した試験片の結果は、明らかにこの規格
をクリアしていた。
【0067】以上の結果から、本発明の防腐・防蟻剤
は、前述の防腐効果に加えて高い防蟻効果も示し、木材
防蟻剤の規格にも合格していることが明らかである。
【0068】
【発明の効果】本発明の木材防腐・防蟻剤は、防腐力が
高く、しかも持続性があり、かつ、白蟻による腐朽及び
浸食を防止する効果を具有している。即ち、本発明の木
材防腐・防蟻剤は、真菌、担子菌等の木材腐朽菌に対す
る防腐力が高く、しかも持続性がある。また、本発明の
木材防腐・防蟻剤は、ヤマトシロアリ、イエシロアリ等
の白蟻による腐朽や浸食を有効に防止することができ
る。しかも、本発明の木材防腐・防蟻剤は、人畜に対す
る安全性の面でも、優れたものである。
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】なお、アレスリンは、式(VI)
【化8】 で表されるものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】次に、レスメスリンは、式(VII)
【化9】 で表されるものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】また、テトラメスリンは、式(VIII)
【化10】 で表されるものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】さらに、フェノスリンは、式(IX)
【化11】 で表されるものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】また、パーメスリンは、式(X)
【化12】 で表されるものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】最後に、サイパーメスリンは、式(XI)
【化13】 で表されるものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一般式(I) 【化1】 (式中、R1 ,R2 は、炭素数8〜14の直鎖若しくは
    分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、R3 は、炭
    素数1〜2のアルキル基、又は、炭素数2〜18の直鎖
    若しくは分岐鎖の酸素原子を有するアルキル基若しくは
    アルケニル基であり、R4 は、炭素数1〜2のアルキル
    基、又は、炭素数8〜14の直鎖若しくは分岐鎖のアル
    キル基若しくはアルケニル基であり、対イオンX- はハ
    ロゲンイオン、ヒドロキシルイオン、鉱酸、鉱酸エステ
    ル若しくは有機カルボン酸のアニオン残基である。)で
    表されるツインアルキルアンモニウム塩、及び/又は、
    一般式(II) 【化2】 (式中、R5 は、炭素数8〜18の直鎖若しくは分岐鎖
    のアルキル基若しくはアルケニル基、又は、酸素原子若
    しくはベンゼン環を含む炭素数8〜18の直鎖若しくは
    分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基であり、R6
    は、メチル基、ベンジル基若しくは炭素数4〜12のア
    ルキル基若しくはアルケニル基であり、R7 ,R8 は、
    炭素数1〜2のアルキル基若しくはアルケニル基であ
    り、対イオンX- はハロゲンイオン、ヒドロキシルイオ
    ン、鉱酸、鉱酸エステル若しくは有機カルボン酸のアニ
    オン残基である。)で表されるアルキルベンジルアンモ
    ニウム塩からなる第4級アンモニウム塩と、(b)ピレ
    スロイド化合物(光学異性体を含む)とを有効成分とす
    る木材防腐・防蟻剤。
  2. 【請求項2】 (b)ピレスロイド化合物(光学異性体
    を含む)が、アレスリン,レスメスリン,テトラメスリ
    ン,フェノスリン,パーメスリン及びサイパーメスリン
    よりなる群から選ばれた1種又は2種以上のものである
    請求項1記載の木材防腐・防蟻剤。
  3. 【請求項3】 (a)第4級アンモニウム塩が、ジデシ
    ルジメチルアンモニウムクロライドであり、かつ、
    (b)ピレスロイド化合物(光学異性体を含む)がパー
    メスリンである請求項2記載の木材防腐・防蟻剤。
  4. 【請求項4】 (a)第4級アンモニウム塩と、(b)
    ピレスロイド化合物(光学異性体を含む)との配合比
    が、前者:後者=5:1乃至100:1(重量比)であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の木材防腐・防蟻剤。
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