JPH11285834A - プラズマ溶接トーチ及びその部品 - Google Patents

プラズマ溶接トーチ及びその部品

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JPH11285834A
JPH11285834A JP10087405A JP8740598A JPH11285834A JP H11285834 A JPH11285834 A JP H11285834A JP 10087405 A JP10087405 A JP 10087405A JP 8740598 A JP8740598 A JP 8740598A JP H11285834 A JPH11285834 A JP H11285834A
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JP
Japan
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electrode
nozzle
tip
insulator
plasma torch
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Application number
JP10087405A
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English (en)
Inventor
Toshiya Shintani
俊哉 新谷
Yoshitaka Aragaki
淑隆 新垣
Iwao Kurokawa
巌 黒川
Yosuke Imai
陽介 今井
Toru Shiina
徹 椎名
Hiroshi Aoyama
洋 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パイロットアークからメインアークへの移行
をより確実化し、且つメインアーク放電点近傍でガス旋
回流を生じさせて、効果的にメインアークを安定化させ
る。 【解決手段】 銅製の筒状のノズル9内に、窒化珪素性
の筒状のガイド7が挿入され、このガイド7内に銅製の
電極棒3が挿入される。電極棒3の先端にはタングステ
ン製の電極5が固定されている。ガイド7は、その先端
部が電極棒3の先端部より先方へ延び出ていて、電極棒
3の実質的に全体を包囲している。電極5の頭部だけ
が、ガイド7の先端部から突出している。ガイド7の先
端部は、電極5の近傍に高速のガス旋回流を噴出するガ
ス噴射孔25を有してスワーラとして機能する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマアーク溶
接のためのトーチに関する。
【0002】
【従来の技術】ノズルとノズル内の電極との間でパイロ
ットアークを発生させ、このパイロットアークをガス流
によりワーク側へ押し流して電極とワーク間にメインア
ークを形成するように構成されたプラズマトーチが知ら
れている(例えば、特開平5−274310号)。一般
に、電極にはタングステンのような高い融点及び小さい
仕事関数をもった金属が使用され、これはチップ状に形
成されて、銅のような熱伝導性の高い金属製の電極棒の
先端に固定されている。電極棒とノズルの間には、両者
を電気的に絶縁するための、セラミックスのような耐熱
性の電気絶縁物質で作られた部品が介装されている。こ
の部品は、ノズル内での電極の位置を固定する機能をも
つことが多いためか、「ガイド」とも呼ばれる。このガ
イドは、その先端部に、ガスを電極棒を中心軸に渦巻く
旋回流にして吹き出すためのスワーラを有している。ガ
ス旋回流はメインアークを安定させるに役立つ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のプラズマトーチ
では、ガイドの先端部は放電点である電極棒先端からだ
いぶ基端側へ奥まった場所に配置されている。その一つ
の理由は、ガイド用のセラミックス材料にはアルミナが
主流であるが、アルミナはアーク放電点近くでは大きな
輻射熱による熱衝撃で破壊するおそれがあるからであ
る。しかしながら、ガイド先端が奥まった位置にある
と、パイロットアークが必ずしも電極棒の先端部で発生
するとは限らず、基端側へより奥まった個所で発生する
ことがある。すると、ガス流の力ではパイロットアーク
が先端部まで押し出されず、メインアークの点火が失敗
してしまうことがある。特に、溶接トーチでは、溶融ワ
ークをガス流で吹き飛ばさないようガス流量が抑えられ
ているから、点火失敗が発生する可能性が高い。また、
ガイドが奥まった位置にあると、ガス旋回流も奥まった
位置から吹き出されるから、電極棒先端のメインアーク
放電点の位置では旋回流が弱まり、アークを安定させる
効果が落ちてしまうという問題もある。
【0004】従って、本発明の目的は、パイロットアー
クからメインアークへの移行をより確実化することにあ
る。
【0005】本発明の別の目的は、メインアーク放電点
近傍でガス旋回流を生じさせて、効果的にメインアーク
安定化させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマトーチ
は、金属製の筒状のノズルと、このノズル内に挿入され
た筒状の電気絶縁体(ガイド)と、この電気絶縁体内に
挿入され、ノズルとの間で放電電圧が印加される金属製
の電極棒と、この電極棒の先端に固定された放電点を提
供するための電極とを備える。そして、電気絶縁体は、
電極棒の実質的に全体を包囲している。
【0007】このプラズマトーチによれば、電気絶縁体
が電極棒の実質的に全体を包囲しているので、電極棒と
ノズルとの間ではパイロットアークがほとんど生じなく
なり、電極棒先端の電極とノズル間でパイロットアーク
がほどんど生じるようになる。従って、このパイロット
アークをガス流で押し流してメインアークへの移行させ
ることが容易である。
【0008】好適な実施形態では、電気絶縁体で電極棒
の実質的に全体を包囲するために、電気絶縁体の先端部
が電極棒の先端部より先方へ延び出ている、或いは電気
絶縁体の先端部が電極の近傍に位置している。しかし、
必ずしもそうである必要はなく、電気絶縁体の先端部が
電極棒の先端部より僅かに基端側へ奥まった設計でも支
障が無い場合もある。
【0009】電極棒先端の電極は、その先端部が電気絶
縁体の先端部より先方へ突出していることが望ましい。
しかし、電極が電気絶縁体の先端部より僅かに奥まって
いる設計も可能である。
【0010】電気絶縁体の先端部は、望ましくは、電極
の近傍にガス旋回流を噴出するガス噴射孔を有してスワ
ーラとして機能させることができる。これにより、高速
のガス旋回流が電極近傍で発生するので、効果的にメイ
ンアークを安定させることができる。
【0011】本発明のその他の目的及び解決手段は以下
の説明の中で明らかにする。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態にか
かるプラズマ溶接トーチ1の中心軸に沿った断面を示
す。
【0013】このトーチ1の基本的構造をまず説明す
る。
【0014】トーチ1は全体としてほぼ円柱形状を呈し
ているが、これを外径の大きさの点から観ると基端部1
Aと先端部1Cと、両部1A、1Cを繋ぐテーパ部1B
とに分けることができる。基端部1Aは、文字通りトー
チ1の基端側の部分であって、これは大きい外径を維持
しつつトーチ1軸方向に延びている。一方、先端部1C
は、トーチ1の先端側の部分であって、これは基端部1
Aより明らかに小さい外径を有し、この小さい外径をほ
ぼ一定で維持しつつトーチ1軸方向に延びている。ま
た、テーパ部1Bは、基端部1Aから先端部1Cへと外
径をに縮小して、基端部1Aと先端部1Cを繋いでい
る。
【0015】トーチ先端部1Cの中心軸位置に電極棒3
が配置される。電極棒3は、銅のような熱伝導性のよい
金属で作られている。この電極棒3の先端のメインアー
ク放電点となるべき箇所にチップ状の電極5が蝋接又は
圧入といった方法で固定されている。チップ状電極5
は、タングステンのような融点が高く且つ仕事関数の小
さい金属で作られている。
【0016】電極棒3は筒状のガイド7の内部に収容さ
れている。このガイド7の内周面は電極棒3の外周面に
フィットしている。トーチ基端部1A内の中心軸位置か
らテーパ部1C内へ円筒状の電極台座17が延び出てい
る。この電極台座17の先端部にガイド7の基端部が外
嵌されている。また、ガイド7内の電極棒3の基端部
が、電極台座17の先端面に当接及び先端部内部に嵌入
されている。この構造により、電極棒3はトーチ先端部
1Cの中心軸位置に固定される。
【0017】ガイド7の外側に筒状のノズル9が被せら
れている。ノズル9は銅のような熱伝導性の良い金属で
作られている。点火時にはノズル9と電極棒3間にアー
ク放電を生成するための高電圧が印加される。ノズル9
の先端部は、電極棒3先端の電極5より更に先方へ延び
出ており、その中心軸位置に、メインアークを吹き出す
ためのアーク吹き出し口19が開いている。このアーク
吹き出し口19に、電極5の先端がノズル内部から望ん
でいる。前述したガイド7は、セラミックスのような耐
熱性が高く且つ電気的絶縁性をもった材料、特に窒化珪
素のように熱衝撃に強い材料で作られている。ガイド7
の先端部は電極棒3の先端部より先方へ若干距離だけ延
び出ており、チップ状電極5の頭部だけがガイド7先端
部より僅かに先方へ突出している。従って、ガイド7は
電極棒3のほぼ全部を包囲しており、それにより、電極
棒3とノズル9間でパイロットアークが発生する可能性
が完全に除去され、パイロットアークは電極5とノズル
9との間でのみ発生する。
【0018】ノズル9の内周面はガイド7の外周面に沿
った形状を有しているが、両面間には狭い隙間21が設
けられている。この隙間21はノズル9基端部の基端側
に形成されているガス供給路23と連通していて、ガス
を電極5の方へ送るガス通路として機能する。ガイド7
先端部はスワーラとなっていて、電極5の周囲に配置さ
れた複数のガス噴出孔25を有する。ガス通路21を通
ってガイド7先端部に送られてきたガスは、ガス噴出孔
25から旋回流となって電極5の先方へ向けて吹き出
す。このガス旋回流は、電極5の先端から出るメインア
ークの位置を、アーク吹き出し口19の中心を通るよう
に安定させる役目を果たす。
【0019】ノズル9の外周には金属製のキャップ11
が被せられる。このキャップ11の基端部の外側には更
に保護カバー13が被せられる。キャップ11は、トー
チ1の先端部1C、テーパ部1B及び基端部1Aの一部
を含む部分を覆っている。従って、最初に述べたトーチ
1の外形状は、キャップ11の外形状に反映されてい
る。すなわち、キャップ11の基端部はほぼ一定の大き
い外径を維持して軸方向に延び、先端部は基端部より明
らかに小さいほぼ一定の外径を維持して軸方向に延び、
両部を繋ぐテーパ部は基端部から先端部へと外径を縮小
している。キャップ11の内周面も外周面とほぼ平行な
形状を有している。
【0020】ノズル9は、キャップ11の先端部からテ
ーパ部までの部分の内部に収容されている。ノズル9の
サイズは当然にキャップ11より小さく、ノズル9外周
面とキャップ11内周面との間に水ジャケット領域27
が形成されている。この水ジャケット領域27は、ノズ
ル9の(基端と先端の一部を除く)ほぼ全部の外周面を
覆っている。ノズル9の外形状はキャップ11のそれを
ほぼ承継している。すなわち、ノズル9の基端部はほぼ
一定の大きい外径を維持して軸方向に延び、先端部は基
端部より明らかに小さいほぼ一定の外径を維持して軸方
向に延び、両部をテーパ部が繋いでいる。従って、ノズ
ル9の外周面とキャップ11の内周面とはほぼ平行であ
る。このことは、トーチ先端部1Cの範囲ではノズル9
の何れの箇所に対しても水ジャケット領域27の面積が
ほぼ一定で確保されていることを意味する。つまり、水
ジャケットがトーチ先端側へ近づくほど薄くなるような
ことはないのである。
【0021】トーチ基端部1Aにはキャップ11の内径
とほぼ同じ外径をもった円筒部材29があり、この円筒
部材29の外周面には雄ネジ29Aが形成されている。
キャップ11の基端部の内周面には雌ネジ11Aが形成
されており、この雌ネジ11Aを円筒部材29の雄ネジ
29Aに螺合させることにより、キャップ11がトーチ
1に取り付けられる。キャップ11は、その内部のノズ
ル9、ガイド7及び電極棒3をトーチ1に電極台座17
に押し付け固定する役目も果たしている。従って、キャ
ップ11を円筒部材29から外すと、ノズル9、ガイド
7及び電極棒3のセットは電極台座17から引き抜くこ
とで簡単に取り外せる。ノズル9、ガイド7及び電極棒
3は消耗品であるため、随時に交換される。
【0022】円筒部材29の先端部の内周面は、ノズル
9の基端部の外周面に当接しており、両面の接触部には
Oリング31が介装されている。このOリング31によ
って、ノズル9基端部の基端側に存在するガス供給路2
3とノズル9の外周に存在する水ジャケット領域27と
が完全に隔離されている。円筒部材29の壁内には、ノ
ズル9外周の水ジャケット領域27へ冷却水を供給する
ための水供給路33と、水ジャケット27から冷却水を
排出するための水排出路35とが、トーチ中心軸につい
て互いに対称な配置で形成されている。水供給路33の
基端部には継ぎ手水路37が接続しており、水排出路3
5の基端部には冷却水をトーチ外へ導くための排水路3
9が接続されている。
【0023】円筒部材29の内側空間のトーチ中心軸位
置に、より細い別の円筒部材41が配置されている。こ
の円筒部材41の先端部に、前述した筒状の電極台座1
7が螺合により固定されている。そして、前述したよう
に電極台座17の先端部に電極棒3が取り付けられてい
るが、この電極棒3の内部には、その基端から電極5の
裏側の位置まで細長い空洞が形成されている。円筒部材
41及び電極台座17の内部には、トーチ外からトーチ
内へ冷却水を導くための給水パイプ43が挿入されてい
る。この給水パイプ43の先端には細いニードルパイプ
45が取り付けられており、このニードルパイプ45は
電極棒3の空洞内へ、電極5の裏側近傍の位置まで深く
挿入されている。電極棒3の空洞の内周面とニードルパ
イプ45の外周面との間には隙間47が設けられてお
り、この隙間47は、冷却水が電極棒3を冷やしつつそ
の先端から基端へと流れるための冷却水流路となる。給
水パイプ43の外周面と円筒部材41及び電極台座17
の内周面との間にも隙間49、51があり、この隙間4
9、51は、電極棒3から出てきた冷却水を継ぎ手水路
37へ送るための冷却水流路となる。給水パイプ43の
先端部のニードルパイプ45との接続箇所より僅かに上
流側の位置に、給水パイプ43内と外側の隙間51とを
連通する複数のショートカット孔53が開いている。円
筒部材41と給水パイプ43間の隙間49は、その基端
部において前述した継ぎ手水路37の入り口に接続さ
れ、これを通じて、前述した水ジャケット領域27への
給水路33と連通している。
【0024】以上の基本的構造のうち、特に注目すべき
構造は次の4つである。1つ目は、トーチ1の外形状及
びキャップ11とノズル9の形状である。2つ目は、ノ
ズル9とガイド7と電極棒3と電極台座17の形状及び
相互の位置関係である。3つ目は、ガイド7の先端部と
と電極棒3の先端部の構造及び位置関係である。4つ目
は、冷却水の配管構造である。以下、各点について詳細
に説明する。
【0025】図1に示した通り、トーチ1の外形状は、
キャップ11の外形状が反映されたものであり、ほぼ一
定の大きい外径をもつ基端部1Cと、ほぼ一定の小さい
外径をもつ先端部1Cと、両部を繋ぐテーパ部1Bとか
ら構成されている。トーチ先端部1Cの外径が小さいの
で、この先端部1Cを狭い場所へ挿入して作業を行うこ
とができる。また、このトーチ先端部1Cつまりキャッ
プ11先端部は、従来のペンシル形トーチのように先端
へ近づくほど更に細くなるのではなく、一定の外径を維
持して延びているから、キャップ11内部の領域が先端
で極度に狭まるということがない。そして、キャップ1
1内部に格納されたノズル7の外形状にもキャップ11
の外形状が継承されていて、ノズル9の外周面とキャッ
プ11の内周面とはほぼ平行である。結果として、ノズ
ル9外周の水ジャケット領域27がノズル9の何れの場
所に対しても一定の面積で確保されるので、ノズル9を
十分に冷却することができる。
【0026】トーチ基端部1Aつまりキャップ11基端
部は大きい外径を有しており、その内部に、給電や冷却
水の給・排出などのための電気的及び機械的な諸構造が
詰め込まれている。例えば、給水路33と排水路35を
もった円筒部材29及び電極台座17がトーチ基端部1
A内に配置されている。そして、この円筒部材29と電
極台座17の先端部はテーパ部1B内にまで突出してお
り、そこに、ノズル9とガイド7と電極棒3のセットが
取り付けられている。従って、交換部品であるノズル9
とガイド7と電極棒3のそれぞれの長さは、トーチ1の
テーパ部1Bと先端部1Cを合わせた長さ以下でよい。
【0027】特に、最も頻繁に交換すべき電極3はかな
り短くてよく、具体的には、図1から分かるように、ト
ーチ先端部1Cの長さと同程度か又はそれより僅かに長
い程度である。このように電極棒3が短くできる主な理
由は、電極台座17の先端部がトーチ先端部1Cの入り
口付近まで大きく突出しているからである。このような
電極台座17の大きな突出を可能にしている1つの要因
は、前述したキャップ11の形状であるが、第2の要因
として、このキャップ11の形状をノズル9とガイド7
が継承していることも挙げられる。すなわち、ノズル9
は、トーチ(キャップ11)の先端部1C内に収まる細
い先端部と、この先端部より明らかに太い基端部と、両
部を繋ぐテーパ部とを有している。ガイド7もこのノズ
ル9の形状に合わせて、細い先端部と、太い基端部と、
テーパ部とを有している。そして、このガイド7の太い
基端部の内部に電極台座17の先端部が入り込んでい
る。このようにガイド7内へ入り込むことにより電極台
座17先端部は大きく突出し、結果として電極棒3を短
くしている。
【0028】また、ノズル9とガイド7がキャップ11
の形状を継承していることは、次のような別の幾つかの
利点も生じさせる。まず、ノズル9の基端部は一定の外
径を維持しているので、このノズル基端部の外周面に、
Oリング31を介して、円筒部材29の先端部内周面を
しっかりと密着させることができる。その結果、ノズル
9の基端部の基端側に存在するガス供給路23と、ノズ
ル9外周の水ジャケット領域27とを確実に隔離するこ
とができる。また、ノズル9の基端部もガイド7の基端
部も一定の外径及び内径を維持していて、互いにぴたり
とフィットした状態で嵌まり合うと共に、ガイド7の基
端部は電極台座17の先端部にぴたりとフィットした状
態で外嵌される。その結果、ノズル9とガイド7は、電
極台座17に対し確実に同軸に位置決めされて取り付け
られることになる。
【0029】電極棒3は、その基端に近い箇所に一定厚
みをもつフランジ55を有しており、このフランジ55
の基端側面が電極台座17の先端面に当接している。ま
た、電極棒3のフランジ55より基端側に突出した部分
57が、電極台座17の先端部の内部へ嵌め込まれてい
る。このように、電極棒3がフランジ55と基端部57
の双方で電極台座17に接触することは、電極棒3と電
極台座17との電気的接続を良好にする。また、電極棒
3のフランジ55は、電極台座17に対する電極棒3の
軸方向での位置決めを確実なものにし、かつ、電極棒3
の傾きも防止する。一方、電極台座17内に嵌め込まれ
る電極棒3の基端部57は、電極台座17に対する電極
棒3の同軸位置決めを確実なものにする。
【0030】電極棒3のフランジ55は、図示のよう
に、ノズル9及びガイド7のテーパ部の入り口近傍の位
置、換言すれば、ノズル9及びガイド7内に入り込める
最も先端側の位置に位置している。当然、電極台座17
も、このフランジの55の位置までノズル9及びガイド
7内に入り込んで来ている。要するに、電極棒3のフラ
ンジ55及び電極台座17は、トーチ内の可能な限り先
端側の位置に配置されているのである。このような設計
により、電極棒3は最小の長さになっている。
【0031】図2は、ガイド7の先端部の付近を拡大し
て示した中心軸に沿った断面図である。図3は、図2の
A−A線での横断面図である。図2の断面は、図3のB
−B線に沿っている。
【0032】ガイド7の先端部7Aは、前述したように
電極棒3の先端部より更に先方へ延び出ており、電極5
の頭部だけがこのガイド先端部7Aより先方へ突出して
いる。これにより、パイロットアークは電極5とノズル
9間でのみ発生することになる。なお、この利点を得る
ためには、電極5の頭部が必ずしもガイド先端部7Aよ
り先方へ突出していなければならないわけではなく、電
極5頭部がガイド先端部7Aと同位置又は僅かに奥まっ
ている設計も場合によっては可能である。また、ガイド
先端部7Aが電極棒3より必ずしも先方へ延び出ている
必要も必ずしも無く、ガイド先端部7Aが電極棒3先端
と同位置又は僅かに奥まっている設計も場合によっては
可能である。
【0033】ガイド先端部7Aは、また、前述したよう
にスワーラとして機能する。このスワーラの構造につい
て、以下に詳細に説明する。なお、この実施形態では、
ガイド7は、スワーラたる先端部7と基端側の部分7B
とが一体で1個の部品として構成されているが、スワー
ラたる先端部7Aが基端側の部分7Bから分離できるよ
うになっていて、ガイド7が2個の部品から構成されて
いてもよい。
【0034】ガイド7の先端部7Aより基端側の部分7
Bは前述したようにノズル9の内径より若干小さい外径
を有していて、その外周面とノズル9内周面との間にガ
ス通路21を形成している。これに対し、ガイド先端部
7Aの外周面は、より基端側の部分7Bより段差状に外
方へ張り出してノズル9の内周面に密着している。この
ガイド先端部7Aの外方へ張り出した部分には、ガス通
路21に連通する4本のガス導入溝61が軸方向に形成
されている。そして、この4つのガス導入溝61にそれ
ぞれ連通して、4個の前述したガス噴出孔25が径方向
に形成されており、それらガス噴出孔25は電極5の近
傍の電極5を囲むような位置に開口している。図3に示
すように、ガス噴出孔25は、電極5周囲の空間63へ
ほぼ接線方向に沿ってガスを噴出するように方向付けら
れていので、電極5の周囲で高速のガス旋回流が生成さ
れることになる。その結果、電極より基端側へ奥まった
位置でガス旋回流が生成される従来のトーチに比較し
て、電極5の位置におけるガス旋回流の流速が高いの
で、パイロットアークをガス流で押し流してメインアー
クへ移行させる効果、及びガス旋回流でメインアークを
安定させる効果は一層良好になる。このような利点はス
ワーラであるガイド先端部7Aが電極5の近傍に配置さ
れていることに依るものであるが、電極近傍にガイド先
端部7Aを配置できるようになった主たる要因は、ガイ
ド7の材料として窒化珪素のような熱衝撃に強いセラミ
ックス材料を用いたことにある。
【0035】図4は、図1のトーチの冷却水の配管構造
を模式的に分かり易く示している。
【0036】給水パイプ43からの冷却水の一部はニー
ドルパイプ45を通って電極棒3内に入り、ニードルパ
イプ45と電極棒3との間の流路47を先端から基端へ
向けて流れて電極棒3を冷却し、その後に継ぎ手水路3
7を通ってノズル外周の水ジャケット領域27へ流れて
ノズル9を冷却する。この給水パイプ43からの残りの
冷却水は、ショートカット孔53を通って給水パイプ4
3外周の流路51、49へ流れ出し、それにより電極棒
3をバイパスしてノズル外周の水ジャケット領域27へ
流れてノズル9を冷却する。ショートカット孔53の面
積は、ノズル9と電極棒3の発熱量を考慮して、ノズル
9と電極棒3への冷却水量の分配比が両者間の発熱量の
比に大体一致するように決められる。例えば、ノズル9
の発熱量が電極棒3の約4倍であるなら、ショートカッ
ト孔53の総面積をニードルパイプ45の断面積の3〜
5倍程度に設定すればよい(例えば、ニードルパイプ4
5と同径のショートカット孔53を3〜5個開ければよ
い)。このような構造により、電極棒3を細く設計して
も、ノズル9を十分に冷却することが可能となる。この
ように冷却能力を落とさずに電極棒3をより細く設計で
きれば、トーチ先端部1Cもより細く設計でき、より狭
い場所での作業が可能なトーチが提供できる。
【0037】以上、本発明の好適な実施形態を説明した
が、上述の実施形態は本発明の説明のための例示であっ
て、この実施形態のみに本発明の範囲を限定する趣旨で
はない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなく、
種々の変形、改良、修正、簡略化などを上記実施形態に
加えた種々の他の形態でも本発明を実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプラズマ溶接トーチ
の中心軸に沿った断面図。
【図2】図1のガイド先端部付近を拡大して示した、図
3のB−B線に沿った断面図。
【図3】図2のA−A線に沿った横断面図。
【図4】図1のトーチの冷却水の配管構造を模式的に示
した説明図。
【符号の説明】
1 トーチ 1A トーチ基端部 1B トーチテーパ部 1C トーチ先端部 3 電極棒 5 チップ状電極 7 ガイド 9 ノズル 11 キャップ 13 基端部保護カバー 15 先端部保護カバー 17 電極台座 19 アーク吹き出し口 21 ガス通路 23 ガス供給路 25 ガス噴射孔 27 水ジャケット領域 29 円筒部材 31 Oリング 33 給水路 35 排水路 37 継ぎ手パイプ 39 排水パイプ 41 円筒部材 43 給水パイプ 45 ニードルパイプ 47、49、51 隙間(冷却水流路) 53 ショートカット孔 55 電極棒のフランジ 57 電極棒の基端部 61 ガス導入溝 63 電極近傍空間
フロントページの続き (72)発明者 今井 陽介 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 (72)発明者 椎名 徹 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 (72)発明者 青山 洋 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の筒状のノズルと、 前記ノズル内に挿入された筒状の電気絶縁体と、 前記電気絶縁体内に挿入され、前記ノズルとの間で放電
    電圧が印加される金属製の電極棒と、 前記電極棒の先端に固定された放電点を提供するための
    電極とを備え、前記電気絶縁体が前記電極棒の実質的に
    全体を包囲しているプラズマトーチ。
  2. 【請求項2】 前記電気絶縁体の先端部が、前記電極棒
    の先端部より先方へ延び出ている請求項1記載のプラズ
    マトーチ。
  3. 【請求項3】 前記電気絶縁体の先端部が、前記電極の
    近傍に位置している請求項1記載のプラズマトーチ。
  4. 【請求項4】 前記電極の先端部が前記電気絶縁体の先
    端部より先方へ突出している請求項1〜3の何れか一項
    記載のプラズマトーチ。
  5. 【請求項5】 前記電気絶縁体の先端部が、前記電極の
    近傍にガス旋回流を噴出するガス噴射孔を有している請
    求項1記載のプラズマトーチ。
  6. 【請求項6】 金属製の筒状のノズルと、前記ノズル内
    に挿入された筒状の電気絶縁体と、前記電気絶縁体内に
    挿入され前記ノズルとの間で放電電圧が印加される金属
    製の電極棒と、前記電極棒の先端に固定された放電点を
    提供するための電極とを有したプラズマトーチのため
    の、前記電気絶縁体であって、 前記電極棒の実質的に全体を包囲するプラズマトーチ用
    電気絶縁体。
  7. 【請求項7】 前記電極棒の先端部より先方へ延び出て
    いる先端部を備えている請求項6記載のプラズマトーチ
    用電気絶縁体。
  8. 【請求項8】 前記電極の近傍にガス旋回流を噴出する
    ガス噴射孔を有した先端部を備えている請求項6記載の
    プラズマトーチ用電気絶縁体。
  9. 【請求項9】 窒化珪素で作られている請求項6記載の
    プラズマトーチ用電気絶縁体。
  10. 【請求項10】 金属製の筒状のノズルと、前記ノズル
    内に挿入された筒状の電気絶縁体と、前記電気絶縁体内
    に挿入され前記ノズルとの間で放電電圧が印加される金
    属製の電極棒とを備えたプラズマトーチのための、前記
    電極棒であって、 放電点を提供するための電極が先端に固定され、 前記電気絶縁体内に挿入された状態で、実質的に全体が
    前記電気絶縁体に包囲され、且つ、前記電極の先端部が
    前記電気絶縁体の先端部より先方へ突出するプラズマト
    ーチ用電極棒。
  11. 【請求項11】 金属製の筒状のノズルと、前記ノズル
    内に電気絶縁体を介して挿入され前記ノズルとの間で放
    電電圧が印加される金属製の電極棒と、前記電極棒の先
    端に固定された放電点を提供するための電極とを備えた
    プラズマトーチのための、前記電極から放電されるプラ
    ズマアークにガス旋回流を供給するためのスワーラであ
    って、 電気絶縁材料製の筒状体であり、前記電極の近傍に前記
    電極を囲むように配置され、 前記電極の近傍に前記ガス旋回流を噴射させるためのガ
    ス噴射孔を有したプラズマトーチ用スワーラ。
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