JPH1128576A - 電気抵抗溶接におけるスパッタ発生防止方法 - Google Patents
電気抵抗溶接におけるスパッタ発生防止方法Info
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- JPH1128576A JPH1128576A JP9215398A JP21539897A JPH1128576A JP H1128576 A JPH1128576 A JP H1128576A JP 9215398 A JP9215398 A JP 9215398A JP 21539897 A JP21539897 A JP 21539897A JP H1128576 A JPH1128576 A JP H1128576A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スポット溶接、プロジェクション溶接等の電
気抵抗溶接におけるスパッタの発生を防止することであ
る。 【解決手段】 少なくとも二つの部材1、3が電極2・
4間で加圧されている状態において、溶接通電は、初期
の予熱通電t1、部材の溶融を図る溶融通電t3、部材
の温度上昇を緩和して通電時間の長期化を図る調整通電
t4の順序で行い、前記調整通電はスパッタ発生温度T
mに達しない時期に停止する方法によって、スパッタの
発生を防止している。
気抵抗溶接におけるスパッタの発生を防止することであ
る。 【解決手段】 少なくとも二つの部材1、3が電極2・
4間で加圧されている状態において、溶接通電は、初期
の予熱通電t1、部材の溶融を図る溶融通電t3、部材
の温度上昇を緩和して通電時間の長期化を図る調整通電
t4の順序で行い、前記調整通電はスパッタ発生温度T
mに達しない時期に停止する方法によって、スパッタの
発生を防止している。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、スポット溶接、
プロジェクション溶接等の電気抵抗溶接におけるスパッ
タの発生を防止するもので、溶接通電を制御してスパッ
タの発生防止を図るものである。なお、本発明における
スパッタ発生防止というのは、スパッタが一切発生しな
い状態から、スパッタは発生しても実害のないいわゆる
スパッタの最少化の状態までの範囲におよんでいる。
プロジェクション溶接等の電気抵抗溶接におけるスパッ
タの発生を防止するもので、溶接通電を制御してスパッ
タの発生防止を図るものである。なお、本発明における
スパッタ発生防止というのは、スパッタが一切発生しな
い状態から、スパッタは発生しても実害のないいわゆる
スパッタの最少化の状態までの範囲におよんでいる。
【0002】
【従来の技術と解決するべきその問題点】例えば、図5
に示したように大きな表面積を有する鋼板1を固定電極
3上に載置し、それに短冊状のクランプ金具3をスポッ
ト溶接するときには、可動電極4で二つの部材1および
3を加圧し、両電極間に溶接通電を行い、ナゲット部5
での溶着がなされる。この時にスパッタが発生するので
あるが、その発生原因は鋼板1とクランプ金具3との間
に図6のような異物、たとえば鉄屑6のようなものが介
在していると両部材間に空隙が存在することになる。あ
るいは、図7のようにクランプ金具3が若干湾曲してい
ることによって、やはり空隙7が存在することになる。
に示したように大きな表面積を有する鋼板1を固定電極
3上に載置し、それに短冊状のクランプ金具3をスポッ
ト溶接するときには、可動電極4で二つの部材1および
3を加圧し、両電極間に溶接通電を行い、ナゲット部5
での溶着がなされる。この時にスパッタが発生するので
あるが、その発生原因は鋼板1とクランプ金具3との間
に図6のような異物、たとえば鉄屑6のようなものが介
在していると両部材間に空隙が存在することになる。あ
るいは、図7のようにクランプ金具3が若干湾曲してい
ることによって、やはり空隙7が存在することになる。
【0003】これらの空隙が存在している状況下で溶接
通電を行うと、図6のような点接触をしている加圧状態
の筒所に通電されることとなり、したがって、その筒所
が異常な早さの急速加熱・急速溶融となり、そのときの
溶融箇所の急膨脹によって溶融金属が勢い良く周辺に飛
散し、スパッタ発生による作業者への危険性や溶接機周
辺の汚れなどが著しくなる。あるいは、図7の場合にお
いても鉄屑6の場合と同様に点接触のような筒所である
ために、同じ現象でスパッタが発生する。また、このよ
うなスパッタの発生は、両部材間に油やその他の処理剤
が付着していても、それらが急に蒸発したり燃焼したり
することによって、溶融金属を飛散させる作用が発生す
る。
通電を行うと、図6のような点接触をしている加圧状態
の筒所に通電されることとなり、したがって、その筒所
が異常な早さの急速加熱・急速溶融となり、そのときの
溶融箇所の急膨脹によって溶融金属が勢い良く周辺に飛
散し、スパッタ発生による作業者への危険性や溶接機周
辺の汚れなどが著しくなる。あるいは、図7の場合にお
いても鉄屑6の場合と同様に点接触のような筒所である
ために、同じ現象でスパッタが発生する。また、このよ
うなスパッタの発生は、両部材間に油やその他の処理剤
が付着していても、それらが急に蒸発したり燃焼したり
することによって、溶融金属を飛散させる作用が発生す
る。
【0004】このようなスパッタ発生の要因を、図4を
見ながら通電制御の面から観察すると、一般に大電流を
短時間通電させる形式であって、通電が開始されて次第
に溶着局部の温度が高くなり、所定の温度Tnに到達す
ると、溶融が開始されその段階では温度がまだ低いので
溶融金属の流動性は低い状態である。通電時間と共に次
第にこの温度が上昇して温度Tmに達すると、溶融金属
の流動性も高くなった完全な溶融状態となり、スパッタ
飛散がこの温度域で発生する。ところで、作業者は溶接
品質を確実なものにするために、スパッタが発生する位
の温度Tmを越えた直後に通電を停止するように、通電
設定を行っている。すなわち、tなる微小時間の間に通
電を停止するのである。このような通電停止の制御は溶
着性、すなわち溶接品質を確実なレベルにすることに主
眼がおかれているもので、スパッタ発生の防止に対して
は何等の配慮もされていない。
見ながら通電制御の面から観察すると、一般に大電流を
短時間通電させる形式であって、通電が開始されて次第
に溶着局部の温度が高くなり、所定の温度Tnに到達す
ると、溶融が開始されその段階では温度がまだ低いので
溶融金属の流動性は低い状態である。通電時間と共に次
第にこの温度が上昇して温度Tmに達すると、溶融金属
の流動性も高くなった完全な溶融状態となり、スパッタ
飛散がこの温度域で発生する。ところで、作業者は溶接
品質を確実なものにするために、スパッタが発生する位
の温度Tmを越えた直後に通電を停止するように、通電
設定を行っている。すなわち、tなる微小時間の間に通
電を停止するのである。このような通電停止の制御は溶
着性、すなわち溶接品質を確実なレベルにすることに主
眼がおかれているもので、スパッタ発生の防止に対して
は何等の配慮もされていない。
【0005】以上のスパッタ発生を防止する手段とし
て、電極の加圧力を高めて両部材間に介在している異物
を押し潰したり、空隙が消滅する位まで両部材を変形さ
せることが採用できる。しかし、このような加圧力上昇
のためには、加圧シリンダの能力向上や加圧力増大によ
る電極チップの耐久性改善などが必要となり、設備費用
の面で好ましくない。
て、電極の加圧力を高めて両部材間に介在している異物
を押し潰したり、空隙が消滅する位まで両部材を変形さ
せることが採用できる。しかし、このような加圧力上昇
のためには、加圧シリンダの能力向上や加圧力増大によ
る電極チップの耐久性改善などが必要となり、設備費用
の面で好ましくない。
【0006】
【問題を解決するための手段とその作用】本発明は、以
上に述べた問題点を解決するために提供されたもので、
請求項1は、溶接される少なくとも二つの部材が電極間
で加圧されている状態において、溶接通電は、初期の予
熱通電、部材の溶融を図る溶融通電、部材の温度上昇を
緩和して通電時間の長期化を図る調整通電の順序で行
い、前記調整通電はスパッタ発生温度に達しない時期に
停止することを特徴とする方法であり、予熱通電の金属
溶融が始まらない段階で異物が柔軟になった部材にめり
込んだり、空隙が消滅するような変形が部材に生じ、両
部材は面対面の良好な接触状態となる。その後の溶融通
電により両部材の溶着が開始されるのであるが、スパッ
タ発生の温度に達する前に調整通電を行って、温度上昇
を緩和しつつ溶融状態の長期化を図って確実な溶着を
得、スパッタ発生前に通電を停止する。請求項2は、請
求項1において、予熱通電の後に非通電の時間帯を設定
したことを特徴とする方法であって、両部材間に介在し
ている異物の大小や部材の湾曲度合いによる空隙の大
小、あるいは部材の表面に付着している油の量の大小な
どのばらつきがあるので、この非通電の時間帯に異物の
めり込みや湾曲の矯正あるいは油の完全燃焼等を終了さ
せてしまうのである。請求項3は、請求項1において、
予熱通電および調整通電の電流値は溶融通電の電流値よ
りも低く設定されていることを特徴とする方法であっ
て、溶融作用の前後に予熱や温度調整を適性に行うので
ある。請求項4は、溶接される少なくとも二つの部材が
電極間で加圧されていると共に二つの部材の密着箇所に
空気や異物が介在しないように十分な前処理を施した状
態において、溶接通電は、部材の溶融を図る溶融通電、
部材の温度上昇を緩和して通電時間の長期化を図る調整
通電の順序で行い、前記調整通電はスパッタ発生温度に
達しない時期に停止することを特徴とする方法で、前処
理を十分に行うことによって、予熱通電による予備的作
用を省略している。
上に述べた問題点を解決するために提供されたもので、
請求項1は、溶接される少なくとも二つの部材が電極間
で加圧されている状態において、溶接通電は、初期の予
熱通電、部材の溶融を図る溶融通電、部材の温度上昇を
緩和して通電時間の長期化を図る調整通電の順序で行
い、前記調整通電はスパッタ発生温度に達しない時期に
停止することを特徴とする方法であり、予熱通電の金属
溶融が始まらない段階で異物が柔軟になった部材にめり
込んだり、空隙が消滅するような変形が部材に生じ、両
部材は面対面の良好な接触状態となる。その後の溶融通
電により両部材の溶着が開始されるのであるが、スパッ
タ発生の温度に達する前に調整通電を行って、温度上昇
を緩和しつつ溶融状態の長期化を図って確実な溶着を
得、スパッタ発生前に通電を停止する。請求項2は、請
求項1において、予熱通電の後に非通電の時間帯を設定
したことを特徴とする方法であって、両部材間に介在し
ている異物の大小や部材の湾曲度合いによる空隙の大
小、あるいは部材の表面に付着している油の量の大小な
どのばらつきがあるので、この非通電の時間帯に異物の
めり込みや湾曲の矯正あるいは油の完全燃焼等を終了さ
せてしまうのである。請求項3は、請求項1において、
予熱通電および調整通電の電流値は溶融通電の電流値よ
りも低く設定されていることを特徴とする方法であっ
て、溶融作用の前後に予熱や温度調整を適性に行うので
ある。請求項4は、溶接される少なくとも二つの部材が
電極間で加圧されていると共に二つの部材の密着箇所に
空気や異物が介在しないように十分な前処理を施した状
態において、溶接通電は、部材の溶融を図る溶融通電、
部材の温度上昇を緩和して通電時間の長期化を図る調整
通電の順序で行い、前記調整通電はスパッタ発生温度に
達しない時期に停止することを特徴とする方法で、前処
理を十分に行うことによって、予熱通電による予備的作
用を省略している。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、図1から図3にしたがって
本願発明の実施の形態を説明する。なお、溶接する部材
は図5のものである。図1は、通電の状態を経時的に示
したもので、t1は初期の予熱通電、t2は非通電の時
間帯、t3は部材の溶融を図る溶融通電、t4は部材の
温度上昇を緩和して通電時間の長期化を図る調整通電で
あり、これらの各通電を順次行って行く。そして、調整
通電t4はスパッタ発生温度に達しない時期に停止させ
ている。このような通電の制御は、一般に使用されてい
る通電制御回路によって容易に実施することができるの
で、ここではその制御手段の説明は省略している。
本願発明の実施の形態を説明する。なお、溶接する部材
は図5のものである。図1は、通電の状態を経時的に示
したもので、t1は初期の予熱通電、t2は非通電の時
間帯、t3は部材の溶融を図る溶融通電、t4は部材の
温度上昇を緩和して通電時間の長期化を図る調整通電で
あり、これらの各通電を順次行って行く。そして、調整
通電t4はスパッタ発生温度に達しない時期に停止させ
ている。このような通電の制御は、一般に使用されてい
る通電制御回路によって容易に実施することができるの
で、ここではその制御手段の説明は省略している。
【0008】図2および図3にしたがって各通電段階と
溶着部の温度の変化を説明すると、予熱通電t1では常
温から両部材に柔軟性が現れる赤熱状態の温度T1に達
する。この状態では両部材間に介在している異物が燃焼
したり部材にめり込んだり、あるいは空隙が消滅するま
で部材に変形が付与される。t2の非通電の時間帯にお
いては、温度はT1そのままであり、この間に前述のば
らつきによる条件の相違を均一化させる。このようにし
て両部材の面同志の適正な密着が得られる。溶融通電t
3が開始されると、溶着部の温度は急上昇し両部材は溶
融状態となりスパッタ発生温度Tmに到達する前に、す
なわち温度T2の時期に調整通電t4に移行する。こう
なると、温度上昇は緩和され溶融状態は長期化されて、
完全な溶着が達成される。そして、調整通電t4はスパ
ッタ発生温度Tmに達する前の温度T3の時点で停止さ
せられる。
溶着部の温度の変化を説明すると、予熱通電t1では常
温から両部材に柔軟性が現れる赤熱状態の温度T1に達
する。この状態では両部材間に介在している異物が燃焼
したり部材にめり込んだり、あるいは空隙が消滅するま
で部材に変形が付与される。t2の非通電の時間帯にお
いては、温度はT1そのままであり、この間に前述のば
らつきによる条件の相違を均一化させる。このようにし
て両部材の面同志の適正な密着が得られる。溶融通電t
3が開始されると、溶着部の温度は急上昇し両部材は溶
融状態となりスパッタ発生温度Tmに到達する前に、す
なわち温度T2の時期に調整通電t4に移行する。こう
なると、温度上昇は緩和され溶融状態は長期化されて、
完全な溶着が達成される。そして、調整通電t4はスパ
ッタ発生温度Tmに達する前の温度T3の時点で停止さ
せられる。
【0009】図5における鋼板1と鋼板製のクランプ金
具3の板厚は1mmであり、電極の加圧加重は150k
g/cm2で、各通電段階の時間と電流値は、次のとお
りである。 時間(サイクル) 電流(アンペア) 予熱通電t1 3〜5 4500〜5000 非通電 t2 2〜5 溶融通電t3 8〜10 7000〜7500 調整通電t4 5〜8 6500〜7000 注:60サイクル=1秒
具3の板厚は1mmであり、電極の加圧加重は150k
g/cm2で、各通電段階の時間と電流値は、次のとお
りである。 時間(サイクル) 電流(アンペア) 予熱通電t1 3〜5 4500〜5000 非通電 t2 2〜5 溶融通電t3 8〜10 7000〜7500 調整通電t4 5〜8 6500〜7000 注:60サイクル=1秒
【0010】以上に述べた実施の形態においては、予熱
通電t1、非通電の時間帯t2を採用しているものであ
るが、両部材の密着状態を前処理によって完全なものと
し、このt1、t2を省いて本発明を実施することが可
能である。すなわち、前処理において部材の表面に付着
している異物や油等を完全に除去したり、部材が完全に
密着するように表面の形状精度を高めるのである。
通電t1、非通電の時間帯t2を採用しているものであ
るが、両部材の密着状態を前処理によって完全なものと
し、このt1、t2を省いて本発明を実施することが可
能である。すなわち、前処理において部材の表面に付着
している異物や油等を完全に除去したり、部材が完全に
密着するように表面の形状精度を高めるのである。
【0011】なお、図5に基づく以上の説明は、2枚の
鋼板間の溶着に注目して行ったが、電極と鋼板表面との
間においても、本発明を適用することが可能である。ま
た、以上に述べたスポット溶接ではなく、プロジェクシ
ョン溶接にも本発明の考え方を採用することができる。
そして、図1では電流値が階段状に変化しているが、こ
れを徐変させるようにしてもよい。
鋼板間の溶着に注目して行ったが、電極と鋼板表面との
間においても、本発明を適用することが可能である。ま
た、以上に述べたスポット溶接ではなく、プロジェクシ
ョン溶接にも本発明の考え方を採用することができる。
そして、図1では電流値が階段状に変化しているが、こ
れを徐変させるようにしてもよい。
【0012】
【効果】本発明によれば、予熱通電によって非溶融状態
で異物や空気の介在を前もって排斥して、両部材の面対
面の適正な密着をあらかじめ確保し、溶融通電において
はスパッタ発生温度に到達する前に調整通電へ移行して
ゆき、スパッタ発生温度に到達する前に調整通電を停止
するものであるから、スパッタ発生が確実に防止でき
る。あるいは、何等かの原因でスパッタが発生したとし
ても、実害のない最小限度のものとすることができる。
そして、調整通電においては、溶融状態を長期化させる
ことができるので、両部材の溶着状態は十分なものとな
り、溶接品質の向上にとって有効である。換言すると、
事前にスパッタの発生要因を消滅させておいて、かつ溶
融状態においてもスパッタ発生の領域を避けているもの
であり、さらに溶着性を向上させるための溶融時間の長
期化が図られているのである。予熱通電の後に非通電の
時間帯を設置しているので、異物の介在状態や空隙の存
在状態にばらつきがあっても、溶融前に完全な密着が得
られてスパッタの発生要因の事前除去が確実なものとな
る。
で異物や空気の介在を前もって排斥して、両部材の面対
面の適正な密着をあらかじめ確保し、溶融通電において
はスパッタ発生温度に到達する前に調整通電へ移行して
ゆき、スパッタ発生温度に到達する前に調整通電を停止
するものであるから、スパッタ発生が確実に防止でき
る。あるいは、何等かの原因でスパッタが発生したとし
ても、実害のない最小限度のものとすることができる。
そして、調整通電においては、溶融状態を長期化させる
ことができるので、両部材の溶着状態は十分なものとな
り、溶接品質の向上にとって有効である。換言すると、
事前にスパッタの発生要因を消滅させておいて、かつ溶
融状態においてもスパッタ発生の領域を避けているもの
であり、さらに溶着性を向上させるための溶融時間の長
期化が図られているのである。予熱通電の後に非通電の
時間帯を設置しているので、異物の介在状態や空隙の存
在状態にばらつきがあっても、溶融前に完全な密着が得
られてスパッタの発生要因の事前除去が確実なものとな
る。
【図1】溶接通電の状態を示す波形図である。
【図2】温度と時間の関係を示す線図である。
【図3】図2の線図の一部を拡大した線図である。
【図4】従来技術における温度・時間線図である。
【図5】スポット溶接の状態を示す縦断側面図である。
【図6】両部材間に異物が介在している状態を示す縦断
側面図である。
側面図である。
【図7】両部材間に湾曲による空隙ができた状態を示す
縦断側面図である。
縦断側面図である。
1、3 二つの部材 2 固定電極 4 可動電極 t1 予熱通電 t3 溶融通電 t4 調整通電 t2 非通電の時間帯
Claims (4)
- 【請求項1】 溶接される少なくとも二つの部材が電極
間で加圧されている状態において、溶接通電は、初期の
予熱通電、部材の溶融を図る溶融通電、部材の温度上昇
を緩和して通電時間の長期化を図る調整通電の順序で行
い、前記調整通電はスパッタ発生温度に達しない時期に
停止することを特徴とする電気抵抗溶接におけるスパッ
タ発生防止方法。 - 【請求項2】 請求項1において、予熱通電の後に非通
電の時間帯を設定したことを特徴とする電気抵抗溶接に
おけるスパッタ発生防止方法。 - 【請求項3】 請求項1において、予熱通電および調整
通電の電流値は溶融通電の電流値よりも低く設定されて
いることを特徴とする電気抵抗溶接におけるスパッタ発
生防止方法。 - 【請求項4】 溶接される少なくとも二つの部材が電極
間で加圧されていると共に二つの部材の密着箇所に空気
や異物が介在しないように十分な前処理を施した状態に
おいて、溶接通電は、部材の溶融を図る溶融通電、部材
の温度上昇を緩和して通電時間の長期化を図る調整通電
の順序で行い、前記調整通電はスパッタ発生温度に達し
ない時期に停止することを特徴とする電気抵抗溶接にお
けるスパッタ発生防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21539897A JP3235021B2 (ja) | 1997-07-05 | 1997-07-05 | 電気抵抗溶接におけるスパッタ発生防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21539897A JP3235021B2 (ja) | 1997-07-05 | 1997-07-05 | 電気抵抗溶接におけるスパッタ発生防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1128576A true JPH1128576A (ja) | 1999-02-02 |
JP3235021B2 JP3235021B2 (ja) | 2001-12-04 |
Family
ID=16671672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21539897A Expired - Fee Related JP3235021B2 (ja) | 1997-07-05 | 1997-07-05 | 電気抵抗溶接におけるスパッタ発生防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3235021B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007038227A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-02-15 | Kyocera Kinseki Corp | 溶接方法 |
JP2007237209A (ja) * | 2006-03-07 | 2007-09-20 | Nisshin Steel Co Ltd | 抵抗溶接方法 |
JP2007319887A (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-13 | Okuchi Kensan Kk | 抵抗溶接方法 |
CN100439026C (zh) * | 2005-06-23 | 2008-12-03 | 彩虹集团电子股份有限公司 | 一种金属零部件的热压焊焊接工艺 |
JP2010207909A (ja) * | 2009-02-12 | 2010-09-24 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高張力鋼板の抵抗溶接方法および抵抗溶接継手の製造方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006043731A (ja) * | 2004-08-04 | 2006-02-16 | Daihatsu Motor Co Ltd | スポット溶接の通電制御方法 |
-
1997
- 1997-07-05 JP JP21539897A patent/JP3235021B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100439026C (zh) * | 2005-06-23 | 2008-12-03 | 彩虹集团电子股份有限公司 | 一种金属零部件的热压焊焊接工艺 |
JP2007038227A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-02-15 | Kyocera Kinseki Corp | 溶接方法 |
JP2007237209A (ja) * | 2006-03-07 | 2007-09-20 | Nisshin Steel Co Ltd | 抵抗溶接方法 |
JP2007319887A (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-13 | Okuchi Kensan Kk | 抵抗溶接方法 |
JP2010207909A (ja) * | 2009-02-12 | 2010-09-24 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高張力鋼板の抵抗溶接方法および抵抗溶接継手の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3235021B2 (ja) | 2001-12-04 |
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