JPH11285723A - 薄鋼板の均一冷却方法 - Google Patents
薄鋼板の均一冷却方法Info
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- JPH11285723A JPH11285723A JP10533598A JP10533598A JPH11285723A JP H11285723 A JPH11285723 A JP H11285723A JP 10533598 A JP10533598 A JP 10533598A JP 10533598 A JP10533598 A JP 10533598A JP H11285723 A JPH11285723 A JP H11285723A
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Abstract
板幅方向の温度分布が均一になるように冷却する。 【解決手段】 板幅方向端部から少なくとも50mmの
範囲で下面冷却用ノズルの使用を避け、さらに、該ノズ
ルの噴出角度を限定することにより、板幅方向端部の過
冷却を防止する冷却方法。
Description
き、薄鋼板を水噴流で冷却するに際し、鋼板の板幅方向
の温度分布を均一に冷却する方法に関するものである。
定の材質特性を得るため、または、生産能率向上のた
め、通常、熱間圧延に引き続き強制冷却される。強制冷
却の方法としては、多くの場合、水を冷却媒体として噴
流を形成し上下面から鋼板に衝突させ、沸騰現象を伴う
強冷が行われる。その際、均一な機械的性質や形状等を
得るため薄鋼板の温度分布を均一にすることが重要であ
る。薄鋼板の板幅方向の温度分布を均一とするため、通
常は板幅方向の噴流量の分布を均等にして冷却するが、
それのみでは、板幅方向端部の鋼板温度が図7に示すよ
うに最端部に向かって低下する。そのため、従来から、
この端部温度の低下防止に関する冷却方法の提案がいく
つかなされている。
や、特開昭58−32511号公報においては、鋼板を
冷却するに際し、水噴流の鋼板への衝突を遮断する樋等
を設けて端部の冷却を弱めることが開示されている。ま
た、特開平6−71328号公報においては、冷却区間
の一部に、板幅方向に複数の分割冷却ヘッダを設けて板
幅方向の噴流水量を制御する装置が開示されている。
いては、鋼板の搬送用ロール間に冷却水室を設け、この
冷却水室に注入された水噴流が鋼板の搬送方向またはそ
の逆方向にのみ流れるように、すなわち板幅方向には流
れないように、冷却水室内に案内板を設け、かつ、冷却
水室内のロール直近に排水部を設けることにより、水噴
流の衝突、および、それに引き続く水流の状態を板幅方
向で均一にする方法が開示されている。
ち、特開昭57−165114号公報や、特開昭58−
32511号公報に開示された方法は、いずれも板幅方
向端部の水噴流の遮断により端部の鋼板平均温度は上昇
するが、板幅方向中央部の冷却水が鋼板に衝突した後、
板幅方向端部を通過して板幅方向最端部より排水される
ので、この排水される流水により、板幅方向端部が冷却
されることは変わりなく、端部の鋼板温度はやはり最端
部に向かって低下するのを避けられない。
された装置においては、板幅方向に複数の分割冷却ヘッ
ダを設けることにより、板幅方向の噴流水量分布を制御
する上で有利となるが、やはり、冷却水が鋼板に衝突し
た後、板幅方向端部を通過して板幅方向最端部より排水
され、板幅方向端部が冷却される問題を解消できない。
また、分割冷却ヘッダーの制御等の設備費がかさむ。
示された方法は、前記の冷却水が鋼板に衝突した後、板
幅方向端部を通過して板幅方向最端部より排水され、板
幅方向端部が冷却される問題を解消することを目的とし
ているが、この方法は設備が複雑、かつ、高価なものと
なり、また、薄鋼板の熱間圧延は通板速度が大きいの
で、通板性から採用が難しい。
し、熱間圧延に引き続き、薄鋼板を水噴流で冷却するに
際し、鋼板の板幅方向の温度分布を均一に冷却する方法
を提供するものである。
めの本発明の方法の一つは、熱間圧延に引き続き、薄鋼
板をその上下面から水噴流で冷却するに際し、薄鋼板へ
の該水噴流の板幅方向衝突範囲を該薄鋼板の板幅方向最
端部から50mm乃至250mmの位置から板幅方向中
心位置までとするように下面冷却用ノズルからの水噴流
を吐出させるとともに、該衝突範囲の板幅方向最端部位
置から、板幅方向中心側に向かい少なくとも50mmの
位置までの範囲に衝突する水噴流の吐出中心線の方向を
該薄鋼板の下表面に対し直角の方向より板幅方向中心側
に15゜乃至85゜傾斜して吐出させて冷却することを
特徴とする薄鋼板の冷却方法である。
の方法の一つは、熱間圧延に引き続き、薄鋼板をその上
下面から水噴流で冷却するに際し、薄鋼板への該水噴流
の板幅方向衝突範囲を該薄鋼板の板幅方向最端部から5
0mm乃至250mmの位置から板幅方向中心位置まで
とするように下面冷却用ノズルからの水噴流を吐出させ
るとともに、該衝突範囲の板幅方向最端部位置から、板
幅方向中心側に向かい少なくとも50mmの位置までの
範囲に衝突する水噴流の吐出中心線の方向を、該薄鋼板
の下表面に対し直角の方向より板幅方向中心側に15゜
乃至85゜傾斜して吐出させ、かつ、該衝突範囲の板幅
方向最端部から50mmの位置から板幅方向中心までの
範囲に衝突する水噴流の吐出中心線の方向の、該薄鋼板
の下表面に対し直角の方向とのなす角度を、板幅方向最
端部側より板幅方向中心側に向かい漸減するようにして
冷却することを特徴とする薄鋼板の冷却方法である。
等と呼称される噴射流や、ラミナー流等と呼称される円
柱状の連続流等の、要すれば、ある大きさの運動量をも
って鋼板に衝突する流れを総称するものである。また、
本発明において、後述する板幅方向端部とは、鋼板の板
幅方向の最端部から板幅方向中央に向かい大略200m
m以内の部位を意味し、板幅方向中央部とは、鋼板のそ
の他の部位を意味する。
その上下面からの水噴流で冷却するに際し、下面冷却用
ノズルからの水噴流の衝突範囲を、板幅方向最端部から
一定範囲除外し、かつ、水噴流の衝突後の流水が衝突点
から板幅方向最端部側に向かい流れるのを、噴流衝突範
囲の外郭に位置する下面冷却用ノズルの吐出方向を板幅
方向中心側に傾斜させることにより抑制し、板幅方向端
部の冷却能力を減じて過冷却を防止できる。
鋼板をその上下面からの水噴流で冷却するに際し、下面
冷却用ノズルからの水噴流の衝突範囲を、板幅方向最端
部から一定範囲除外し、かつ、水噴流の衝突後の流水が
衝突点から板幅方向最端部側に向かい流れるのを噴流衝
突範囲の外郭に位置する下面冷却用ノズルの吐出方向を
板幅方向中心側に傾斜させ、かつ、該ノズルよりさらに
板幅方向中心側に位置する下面冷却用ノズルも、傾斜角
度は板幅方向中心に向かい漸減させながら、傾斜して吐
出させることにより、板幅方向端部の冷却能力を減じて
過冷却を防止でき、かつ、水噴流の吐出方向の傾斜に起
因する流水部の流れの不均一の発生を少なくできる。
面に基づいて説明する。図3は本発明の方法の薄鋼板板
幅方向端部の上面および下面における冷却水の板幅方向
断面の流れを示す説明図、また、図4は従来の方法の薄
鋼板板幅方向端部の上面および下面における冷却水の板
幅方向断面の流れを示す説明図である。図4に示す従来
の方法においては、薄鋼板上面の冷却に使用された水は
集まって全て鋼板の最端部に向かって流れた後に、最端
部から落下し、また、薄鋼板下面の板幅方向最端部側に
位置する下面冷却ノズル11から吐出される下面水噴流
12は薄鋼板1の下面に衝突後、下面に沿う水流13と
なって流れる。この時、薄鋼板の板幅方向端部の温度分
布は図7に示すように板幅方向最端部に向かい低下す
る。この原因は、主に薄鋼板上面の冷却において板幅方
向最端部に向かい水流の量が増加すること及び板幅方向
最端部からの水流落下の影響とにより水流の乱れが最大
になること等により板幅方向端部で熱伝達強度が上昇す
ることにあると考えられる。この熱伝達強度の上昇原因
を直接排除するためには、薄鋼板上面の水流を制御する
必要があり、そのためには冷却設備として若干複雑なも
のが要求されることになる。
の温度差が極めて小さく、冷却能力は、ほぼ上面と下面
の冷却能力の和により決まっていることに着目し、前記
目的を達成するための簡便な冷却方法として、薄鋼板の
板幅方向端部下面の冷却を抑制して、板幅方向端部の過
冷却を防止する方法を創案した。その方法につき図3と
図4を用いて説明する。図3において、薄鋼板1の上面
は、通常の冷却の例であり、板幅方向に均等配置された
上面水噴流9と衝突後の冷却水が集積した水流10とに
より冷却される。それに対し、下面は、通常の冷却ノズ
ル配置と同様、薄鋼板表面に垂直方向に吐出する下面中
央部冷却ノズル4から吐出される下面中央部噴流6と該
下面中央部冷却ノズル4より板幅方向最端部側に配置さ
れる下面傾斜冷却ノズル3から吐出される下面傾斜噴流
5とにより冷却される。この時、下面傾斜冷却ノズル3
は吐出中心線の方向を薄鋼板の下表面に対し直角の方向
より板幅方向中心側に15゜乃至85゜傾斜して水噴流
を吐出するため、図4に示す従来の方法における、領域
C内の下面に沿う水流13が生じない。すなわち、薄鋼
板下面の図3の領域aに示す範囲では、水流が存在せず
乾いた状態となり、冷却能力は著しく減少する。一方、
領域aの上面は、衝突後の冷却水が集積した水流10に
より冷却能力が、下面とは逆に、他領域より大きくなっ
ている。すなわち、上面と下面の冷却能力の総和におい
て、前記冷却能力の増減が相殺しあい、板幅方向全体の
冷却能力の均一性が得られる。すなわち、極めて単純で
安価な方法で板幅方向温度分布の均一化を達成すること
が可能である。
線の方向を薄鋼板の下表面に対し直角の方向より板幅方
向中心側に傾斜して水噴流を吐出する傾斜角度を15゜
乃至85゜と限定する理由を説明する。発明者による測
定実験によれば、通常操業の典型条件で薄鋼板下面に水
噴流を衝突させた時において、該水噴流の中心線を下面
に垂直とした場合は、図4の領域C内の下面に沿う水流
13のごとく広がる水流は、噴流衝突点から約200m
mの範囲まで下面に沿った後、重力により落下する。ま
た、該水噴流の中心線を下面に垂直な位置から徐々に傾
斜させると、衝突点から傾斜させた方向と反対側に広が
る水流の下面に沿う距離は短くなり、傾斜角度15゜で
50mmとなることがわかった。従って、傾斜角度を1
5゜乃至85゜とするのは、図3の水流がほぼ存在せず
乾いた状態の領域aを無理なく生じさせるためである。
から傾斜させた方向と反対側に広がる水流の下面に沿う
距離はほぼ0mmとなり、該水流はほぼ存在しなくなる
ことと、傾斜角度が45゜を越えると、逆に衝突点から
傾斜させた方向側に広がる水流が強くなりすぎ、板幅方
向中央部の水流の均一性を保持する上で不利となること
もあるので、傾斜角度の範囲は30゜乃至45゜とする
ことが望ましいが、本発明の方法の効果を発現させる上
で必ずしも限定するものではない。
3は、板幅方向に一列しか配置してない例を示している
が、本発明の一つの方法では、水噴流衝突範囲の板幅方
向最端部位置から、板幅方向中心側に向かい少なくとも
50mmの位置までの範囲に何列配置してもよい。この
方法において、最小必要範囲の板幅方向距離を50mm
とするのは、下面中央部噴流6から板幅方向最端部側に
向かい下面に沿って流れようとする水流を完全に遮断す
るために必要だからである。
ズル3は水噴流衝突範囲の板幅方向最端部位置から板幅
方向中心位置まで、すなわち、衝突範囲の全てに配置し
てもよい。下面傾斜冷却ノズル3の配置の範囲が大とな
るほど、下面における板幅方向中心側に向かう水流が多
くなり、板幅方向中央部の冷却能力が相対的に増すこと
になる。薄鋼板上面における板幅方向中央部の冷却能力
が不足している場合等に有利に適用可能である。
突範囲の板幅方向最端部位置から、板幅方向中心側に向
かい50mmの位置までの範囲の下面傾斜冷却ノズル3
の配置の仕方は前記本発明の一つの方法と同じである
が、水噴流衝突範囲の板幅方向最端部から50mmの位
置から板幅方向中心までの範囲に衝突させる冷却ノズル
については、水噴流の吐出中心線の方向の薄鋼板の下表
面に対し直角の方向とのなす角度を、板幅方向最端部側
より板幅方向中心側に向かい漸減するようにして配置す
る。この配置により、板幅方向の各冷却ノズル間の傾斜
角度の差異を比較的小さくすることができる。すなわ
ち、図3の領域bに示すように下面傾斜噴流の衝突後の
板幅方向中心側に向かう水流が、隣接する冷却ノズルか
らの水流を押しのけて広がるのを緩和し、水流の干渉位
置の板幅方向中心側への偏りを防止し板幅方向の温度分
布の均一度をより一層向上させることができる。この方
法は、板幅方向中央部の温度分布の均一性の要求により
採用が決定されるべきである。
板幅方向衝突範囲を該薄鋼板の板幅方向最端部から50
mm乃至250mmの位置から板幅方向中心位置までと
しているが、これは、通常の板幅方向端部の過冷却発生
範囲に対応している。この過冷却発生範囲は、様々な操
業条件および設備条件により異なってくるので、適宜対
応する水噴流の板幅方向衝突範囲を選択すればよい。
端部の下面の冷却能力を減じるが、そのためには、薄鋼
板の板厚が十分小という条件が必要である。その理由
は、上面と下面の冷却能力の差により、板厚が大となる
ほど大きな熱応力が発生し、薄鋼板の歪み等、品質上の
不具合を生じさせるからである。この点から本発明の方
法は、一般的には薄鋼板の板厚が5mm以内で用いられ
ることが推奨されるが、この値は、冷却中の薄鋼板にか
かる張力等の操業条件や製品の品質に対する要求度等に
より変化するので、ここでは薄鋼板の板厚については特
に限定しない。以上説明した通り、本発明の方法によれ
ば、薄鋼板の板幅方向端部の温度低下を防止し、鋼板温
度分布が平坦化し、均一冷却作用が得られる。
に基づいて説明する。図1は本発明の一つの方法の実施
例を説明するための設備の鋼板幅方向断面概略図を示す
ものである。図1において、1は薄鋼板、2は下面冷却
水ヘッダ、3は下面傾斜冷却ノズル、4は下面中央部冷
却ノズル、5は下面傾斜噴流、6は下面中央部噴流、7
は上面冷却水ヘッダ、8は上面冷却ノズル、9は上面水
噴流、10は衝突後の冷却水が集積した水流である。
後、図示せぬ搬送用ロールで搬送されつつ、上下からの
水噴流の衝突と衝突後の水流により冷却される。
いて詳しく説明する。薄鋼板1の板幅方向中央部の冷却
は、下面においては、下面冷却水ヘッダを通り下面中央
部冷却ノズル4から噴射された下面中央部噴流6と衝突
後の水流で冷却されるが、衝突後の水流は隣接する冷却
ノズルからの水流と干渉し、重力の作用で落下するた
め、水流が偏って集積することはなく、各冷却ノズル近
傍の冷却はほぼ均等となり板幅方向に均一な冷却が行わ
れる。また、上面においては、上面冷却水ヘッダ7を通
り上面冷却ノズル8から噴射された上面水噴流9と、水
噴流が薄鋼板1に衝突後に板面に沿って流れ板幅最端部
から排水される衝突後の冷却水が集積した水流10によ
って冷却される。この時、衝突後の冷却水が集積した水
流10の水量はそれほど多くなってないため、冷却能力
は上面水噴流9によってほぼ決まり、板幅方向中央部の
鋼板温度分布は、図7に示す通り、通常の冷却と同様な
構成であるが、比較的均一なものとなる。
つき、先ず、本発明を適用せず、板幅方向の噴流量の分
布を均等にしてのみ冷却する場合を説明する。下面にお
ける冷却は、前記板幅方向中央部の冷却と同様であり、
板幅方向に均一な冷却能力を有する。一方、上面におけ
る冷却は、上面冷却水ヘッダ7を通り上面冷却ノズル8
から噴射された上面水噴流9と、衝突後の冷却水が集積
した水流10によって冷却される。板幅方向端部におけ
る衝突後の冷却水が集積した水流10は、板幅方向中央
部の流水も加わっているため水量が増加しており、冷却
能力への影響が顕れてくる。そのため、板幅方向端部の
鋼板の温度分布は図7に示すように板幅方向最端部に向
かい低下する。
た場合の作用は、本実施例では下面傾斜冷却ノズル3は
吐出中心線の方向を薄鋼板の下表面に対し直角の方向よ
り板幅方向中心側に30゜傾斜して水噴流を吐出するよ
うに、板幅方向に片側3列配置されており、前述したよ
うに、板幅方向最端部に向かう下面に沿う水流がほぼ存
在しない。すなわち、薄鋼板下面の板幅方向端部の相当
部分において、水流が存在せず乾いた状態となり、冷却
能力は著しく減少する。一方、その上面は、衝突後の冷
却水が集積した水流10により冷却能力が、下面とは逆
に大きくなっており、上面と下面の冷却能力の総和にお
いて、前記冷却能力の増減が相殺しあい、板幅方向全体
の冷却能力の均一性が得られる。その結果、薄鋼板の板
幅方向の温度分布は図5に示すように平坦で均一なもの
となっている。なお、図5において、板幅方向最端部の
温度は低下しているが、これは、鋼板の最端部側面から
の抜熱に起因するもので、鋼板の厚さにもよるが、鋼板
の厚さの2ないし10倍の最端部からの距離範囲におい
て影響を受ける。しかし、この距離範囲は、通常別の目
的で縁切りし、廃棄されるので問題はない。
を説明するための設備の鋼板幅方向断面概略図を示すも
のであるが、図1に示す実施例と異なる点は、水噴流衝
突範囲の板幅方向最端部から50mmの位置から板幅方
向中心までの範囲に衝突させる冷却ノズルについては、
水噴流の吐出中心線の方向の薄鋼板の下表面に対し直角
の方向とのなす角度を、板幅方向最端部側より板幅方向
中心側に向かい漸減するようにして配置していることで
ある。本実施例では、板幅方向の最も中心側の下面冷却
ノズルの噴流中心線を薄鋼板下面に対し垂直になるよう
にし、板幅方向最端部側より板幅方向中心側に向かい前
記角度を等差的に漸減させている。前述したように、こ
の配置により、板幅方向の各冷却ノズル間の傾斜角度の
差異を比較的小さくすることができ、水流の干渉位置の
板幅方向中心側への偏りを防止し板幅方向の温度分布の
均一度をより一層向上させることができる。その結果、
薄鋼板の板幅方向の温度分布は、図6に示すように極め
て平坦で均一となる。
に関しては特に限定してはいないが、基本的には、図1
および図2に示すような均等配置された冷却ノズルから
の噴流による冷却を想定している。しかし、上面の冷却
はこの方法に限るものでは勿論なく、上面の冷却におい
て板幅方向端部の冷却能力が強い場合には、その強さの
度合いにかかわらず、本発明の方法が有利に適用できる
ことは言うまでもない。
および図2に示した装置を用いて、幅1.5m、厚さ
1.2mmの薄鋼板を、鋼板表面温度が800℃から5
50℃まで水で冷却した実施例の結果を表1に示す。
た実施例は、図1に示した装置により冷却した例であ
り、また、本発明法の3行目と4行目に示した実施例
は、図2に示した装置により冷却した場合の例である。
また、比較例は、通常の板幅方向に均等な水量で冷却し
た場合の例である。なお、上面の冷却については、通常
の板幅方向に均等な水量で冷却している。
でも、板幅方向の温度差を小さくでき、比較例に対し顕
著な改善がみられ、極めて良好な均一冷却が達成されて
いることが明らかである。なお、表1に示した実施例の
結果は、前述したように、上面の冷却については、通常
の板幅方向に均等な水量で冷却している。実際の操業で
は、上面の冷却方法に均一冷却の手段が加わる等の変化
がありうるが、その場合も、本発明の方法を、その作用
を緩和するよう適用するなどして、表1に示した温度差
より、さらに小さい温度差を実現することができる。以
上の結果から、本発明法では、薄鋼板の板幅方向端部の
過冷却を防止できることが明らかであり、薄鋼板の板幅
方向の均一冷却の目的が達成されることがわかる。
熱間圧延に引き続き、薄鋼板を水噴流で冷却するに際
し、薄鋼板の板幅方向の温度分布を均一に冷却すること
ができるため、均一な機械的性質や形状等を得る冷却方
法を提供することができ、当該産業分野において多大な
貢献を期待できる。
薄鋼板幅方向断面概略図。
薄鋼板幅方向断面概略図。
る冷却水の流れを説明する図。
の流れを説明する図。
度の分布を説明する図。
度の分布を説明する図。
する図。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱間圧延に引き続き、薄鋼板をその上下
面から水噴流で冷却するに際し、薄鋼板への該水噴流の
板幅方向衝突範囲を該薄鋼板の板幅方向最端部から50
mm乃至250mmの位置から板幅方向中心位置までと
するように下面冷却用ノズルからの水噴流を吐出させる
とともに、該衝突範囲の板幅方向最端部位置から、板幅
方向中心側に向かい少なくとも50mmの位置までの範
囲に衝突する水噴流の吐出中心線の方向を該薄鋼板の下
表面に対し直角の方向より板幅方向中心側に15゜乃至
85゜傾斜して吐出させて冷却することを特徴とする薄
鋼板の冷却方法。 - 【請求項2】 熱間圧延に引き続き、薄鋼板をその上下
面から水噴流で冷却するに際し、薄鋼板への該水噴流の
板幅方向衝突範囲を該薄鋼板の板幅方向最端部から50
mm乃至250mmの位置から板幅方向中心位置までと
するように下面冷却用ノズルからの水噴流を吐出させる
とともに、該衝突範囲の板幅方向最端部位置から、板幅
方向中心側に向かい少なくとも50mmの位置までの範
囲に衝突する水噴流の吐出中心線の方向を、該薄鋼板の
下表面に対し直角の方向より板幅方向中心側に15゜乃
至85゜傾斜して吐出させ、かつ、該衝突範囲の板幅方
向最端部から50mmの位置から板幅方向中心までの範
囲に衝突する水噴流の吐出中心線の方向の、該薄鋼板の
下表面に対し直角の方向とのなす角度を、板幅方向最端
部側より板幅方向中心側に向かい漸減するようにして冷
却することを特徴とする薄鋼板の冷却方法。
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---|---|---|---|
JP10533598A JP3739934B2 (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | 薄鋼板の均一冷却方法 |
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