JPH11283828A - 比例ソレノイド型アクチュエータ - Google Patents

比例ソレノイド型アクチュエータ

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JPH11283828A
JPH11283828A JP10020698A JP10020698A JPH11283828A JP H11283828 A JPH11283828 A JP H11283828A JP 10020698 A JP10020698 A JP 10020698A JP 10020698 A JP10020698 A JP 10020698A JP H11283828 A JPH11283828 A JP H11283828A
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movable iron
casing
output rod
amount
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JP10020698A
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Hiroshi Sakai
博史 酒井
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比例ソレノイド型アクチュエータの部品点数
を減らして製造時の作業性を高め、製品の歩留りを向上
させると共に、全体を小型化できるようにする。 【解決手段】 ケーシング32の鉄心収容室35内に可
動鉄心38を軸方向に変位可能に設け、可動鉄心38の
回転を吸着防止ストッパ37の係合突部37Bで規制す
る。また、可動鉄心38に形成したねじ穴38Aには出
力ロッド39を螺合し、出力ロッド39を可動鉄心38
に対して位置調整可能に設ける。そして、カバー34の
ねじ穴34Aには調整プラグ40を設け、ケーシング3
2の外部から調整プラグ40を回転させることにより、
ケーシング本体33の取付穴33C内での出力ロッド3
9の突出量を可変に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば減衰力調整
式油圧緩衝器等の減衰力可変アクチュエータとして好適
に用いられる比例ソレノイド型アクチュエータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両に搭載されるセミアクティ
ブサスペンション等の懸架装置には、走行条件に応じて
減衰力を可変に調整するようにした減衰力調整式油圧緩
衝器が設けられ、該油圧緩衝器の減衰力調整バルブには
減衰力可変アクチュエータとして比例ソレノイド型アク
チュエータを用いたものが知られている。
【0003】そこで、この種の従来技術による比例ソレ
ノイド型アクチュエータが適用された減衰力調整式油圧
緩衝器を図3及び図4を参照して説明する。
【0004】図において、1は車両の懸架装置を構成す
る減衰力調整式油圧緩衝器(以下、油圧緩衝器1とい
う)で、該油圧緩衝器1は、内部に油液を収容するチュ
ーブ2と、該チューブ2内に摺動可能に挿嵌され、該チ
ューブ2内を2つの油室A,Bに画成したピストン3
と、一端(下端)側が該ピストン3に固着され、他端
(上端)側がチューブ2外に突出したピストンロッド4
と、後述のアキュムレータ8及び減衰力調整バルブ10
等とから構成されている。
【0005】また、油圧緩衝器1にはチューブ2の外側
に延びて油室A,B間を減衰力調整バルブ10等を介し
て連通させる油通路5A,5Bが設けられている。さら
に、チューブ2のボトム側には、チューブ2の外部から
油通路5B等を介して油室B内に油液が流通するのを許
し逆向きの流れを阻止するチェック弁6が設けられ、ピ
ストン3には、油室B内の油液が油室A側に向けて流通
するのを許し逆向きの流れを阻止する他のチェック弁7
が設けられている。
【0006】そして、油圧緩衝器1は車両の車体側と車
軸側(いずれも図示せず)との間に設けられ、車両の振
動等に応じてピストンロッド4がチューブ2から伸縮す
ることにより、減衰力調整バルブ10等で減衰力を発生
させるものである。
【0007】8はチューブ2の外部に設けられたアキュ
ムレータで、該アキュムレータ8は内部が、例えばダイ
ヤフラム等の可動隔壁8Aによりガス室8Bと蓄油室8
Cとに画成され、蓄油室8Cは油路9を介して油通路5
Bの途中部位に接続されている。そして、アキュムレー
タ8は、ピストンロッド4がチューブ2から伸縮すると
きに、これに応じて可動隔壁8Aが変位することによ
り、チューブ2内でのピストンロッド4の進入体積分に
相当する油液が蓄油室8Cから流出入するのを補償する
ものである。
【0008】即ち、チューブ2内に収容される油液量
は、ピストンロッド4がチューブ2から伸縮するに応じ
て変化する。そこで、アキュムレータ8は、ピストンロ
ッド4の伸長行程において蓄油室8C内の油液をチェッ
ク弁6等を通じて油室B側に補給させ、ピストンロッド
4の縮小行程では、チューブ2内でのピストンロッド4
の進入体積分に相当する油液を油室Aから油通路5A,
5B等を通じて蓄油室8C内へと流入させ、これによっ
てピストンロッド4の進入体積分に相当する油液の流動
を許すものである。
【0009】10は油通路5A,5B間に配設された減
衰力調整バルブで、該減衰力調整バルブ10は、有底筒
状のバルブハウジング11と、該バルブハウジング11
内に摺動可能に挿嵌されたスプール12と、バルブハウ
ジング11の開口側に設けられた後述の比例ソレノイド
型アクチュエータ16とから大略構成されている。
【0010】ここで、バルブハウジング11には、油通
路5Aによりチューブ2内の油室Aと接続されたポート
13と、油通路5Bによりチューブ2内の油室Bと接続
された他のポート14とが設けられている。また、バル
ブハウジング11の底部側には、スプール12との間に
スプリング15が配設され、該スプリング15はスプー
ル12を矢示C方向に常時付勢する構成となっている。
【0011】一方、スプール12には軸方向に離間して
環状のランド12A,12Bが形成され、ランド12A
はスプール12の摺動変位に応じてポート13側の開口
面積を可変に調整する。また、ランド12Bはスプール
12の摺動変位に応じてポート14側の開口面積を可変
に調整する。そして、油圧緩衝器1によって発生する減
衰力は、これらの各ポート13,14の開口面積(有効
流路面積)に応じて可変に調整されるものである。
【0012】次に、16は減衰力調整バルブ10の減衰
力可変アクチュエータを構成する比例ソレノイド型アク
チュエータ(以下、アクチュエータ16という)で、該
アクチュエータ16は、図4に示すように段付筒状のケ
ーシング17と、該ケーシング17内に設けられた後述
の可動鉄心23及びコイル28等とによって構成されて
いる。
【0013】ここで、ケーシング17は鉄系の磁性材料
により形成され、底部側に取付穴18Aが設けられた有
底筒状のケーシング本体18と、該ケーシング本体18
の開口端側にカシメ等の手段を用いて固着された段付筒
状のカバー19とから構成されている。そして、ケーシ
ング17はケーシング本体18の取付穴18Aにより、
図3に示す如くバルブハウジング11の開口端側に固着
され、この開口端をケーシング本体18の底部側で閉塞
するものである。
【0014】また、カバー19の内周側には段付円柱状
の栓体20が螺合状態で取付られ、該栓体20とケーシ
ング本体18との間には、ケーシング17内に位置して
ばね室を兼用した鉄心収容室21が設けられている。そ
して、ケーシング本体18の底部側には連通路22が穿
設され、該連通路22は鉄心収容室21内を図3に示す
バルブハウジング11内と連通させ、バルブハウジング
11内の油液が鉄心収容室21内に流出入するのを許す
構成となっている。
【0015】23はケーシング17の鉄心収容室21内
にスライドベアリング24を介して軸方向に変位可能に
設けられた可動鉄心で、該可動鉄心23は鉄系の磁性材
料により略円柱状に形成されている。また、可動鉄心2
3には出力ロッド25が一体に設けられ、該出力ロッド
25はケーシング本体18の底部側からスライドベアリ
ング26等を介して取付穴18A側に突出している。
【0016】そして、出力ロッド25は可動鉄心23と
一体に変位することにより、図3に示す駆動対象物とし
てのスプール12をスプリング15との間で矢示C,D
方向に摺動変位させる。また、可動鉄心23にはダンピ
ングオリフィス23Aが形成され、該オリフィス23A
は流通する油液に絞り作用を与えることにより、鉄心収
容室21内で可動鉄心23が矢示C,D方向に変位する
ときの速度を制限する構成となっている。
【0017】27は可動鉄心23と栓体20との間に配
設された調整ばねで、該調整ばね27は、栓体20の螺
合位置を変え、カバー19のねじ穴内で栓体20を図4
中の矢示E,F方向に移動させるに応じて、調整ばね2
7のばね力が可変に調整される。これによって、調整ば
ね27は、鉄心収容室21内での可動鉄心23の初期位
置と変位領域(範囲)とを適宜に変化させるものであ
る。
【0018】ここで、図4に示すアクチュエータ16
は、バルブハウジング11から取外した場合を示してい
るので、出力ロッド25は調整ばね27の付勢力により
矢示D方向に最大ストローク位置まで突出した状態とな
っている。しかし、アクチュエータ16を図3に示すよ
うにバルブハウジング11に取付けた場合には、スプリ
ング15の付勢力がスプール12を介して出力ロッド2
5に作用し、これにより出力ロッド25は調整ばね27
に抗して矢示C方向に押戻される。
【0019】そして、この状態でカバー19に対する栓
体20の螺合位置を調整することにより調整ばね27の
ばね力は適宜に増減され、このときのばね力(スプリン
グ15に抗した調整ばね27のばね力)によって、可動
鉄心23の初期位置と変位範囲とが手動調整されるもの
である。
【0020】28は可動鉄心23の周囲に位置してケー
シング17内に設けられた励磁用のコイルで、該コイル
28は外部から制御信号が給電されることにより、この
ときの通電量(電流値)に対応した磁力を、例えばケー
シング本体18の底部側から可動鉄心23に向けて発生
させる。そして、この磁力により可動鉄心23はスプリ
ング15の付勢力等に抗して鉄心収容室21内を軸方向
に変位し、出力ロッド25を矢示C,D方向に進退させ
るものである。
【0021】このように構成される従来技術にあって
は、例えばチューブ2のボトム側が車両の車軸側に取付
けられ、ピストンロッド4の突出端側が車両の車体側に
取付けられる。そして、車両の走行時の振動によりピス
トンロッド4がチューブ2から伸縮すると、油室A,B
内の油液が油通路5A,5Bを介して減衰力調整バルブ
10内を流通し、該減衰力調整バルブ10によって減衰
力が発生される。
【0022】即ち、減衰力調整バルブ10のバルブハウ
ジング11内では、アクチュエータ16の出力ロッド2
5を外部からの通電量に応じて矢示C,D方向に進退さ
せることにより、スプール12が出力ロッド25に追従
して摺動変位する。そして、バルブハウジング11のポ
ート13,14は、スプール12の摺動変位に応じてラ
ンド12A,12Bにより開口面積(有効流路面積)が
変化する。
【0023】このため、油室A,Bから油通路5A,5
Bを介して減衰力調整バルブ10内に流通する油液は、
ポート13,14側の開口面積に応じて流量が制御さ
れ、このときの流量を小さく絞った状態では高い減衰力
を発生でき、例えば車両の乗り心地をハードな状態に設
定できる。
【0024】一方、ポート13,14側の開口面積を大
きくし、減衰力調整バルブ10を流通する油液の流量を
増大させたときには、発生する減衰力を小さくすること
ができ、例えば車両の乗り心地をソフトな状態に設定で
きる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による油圧緩衝器1では、例えばバルブハウジン
グ11とスプール12との間の寸法公差、可動鉄心23
や出力ロッド25の寸法公差等が原因となって、減衰力
調整バルブ10の減衰力特性が各製品毎にばらつくこと
がある。
【0026】このため、図4に示す如くカバー19に対
する栓体20の螺合位置を適宜に調節し、調整ばね27
のばね力(スプリング15に抗した調整ばね27のばね
力)を増減させることによって、可動鉄心23の初期位
置と変位範囲とを調整し、出力ロッド25の突出量を変
化させるようにしている。
【0027】しかし、従来技術にあっては、可動鉄心2
3の変位範囲等を調整するため、栓体20と可動鉄心2
3との間に調整ばね27を配設する構成としているか
ら、調整ばね27によって鉄心収容室21等を大きく形
成する必要が生じ、アクチュエータ16のケーシング1
7を小型化することが難しいという問題がある。
【0028】また、減衰力調整バルブ10により発生す
る減衰力特性を、アクチュエータ16への通電量に対応
した比例的な特性に設定するためには、調整ばね27の
ばね力を一定の範囲内でしか調整することができず、こ
の調整幅が制限されることによって、バルブハウジング
11、スプール12及びスプリング15を高精度に製作
する必要が生じ、製品の歩留りが悪くなるという問題が
ある。
【0029】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は部品点数を減らして製造時の作
業性を高め、製品の歩留りを向上できると共に、全体を
小型化し、コンパクトに形成することができるようにし
た比例ソレノイド型アクチュエータを提供することを目
的としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、筒状のケーシングと、駆動対象物を
駆動するため該ケーシング内に変位可能に設けられた可
動鉄心と、該可動鉄心の周囲に位置して前記ケーシング
内に設けられ、外部からの通電量に応じて該可動鉄心を
変位させる励磁用のコイルとからなる比例ソレノイド型
アクチュエータに適用される。
【0031】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記可動鉄心に位置調整可能に設けられ、前記
駆動対象物を駆動するため該可動鉄心と一体に変位する
出力ロッドと、該出力ロッドが可動鉄心から前記駆動対
象物側に向けて突出する突出量を可変に調整するロッド
突出量調整手段とを備えたことにある。
【0032】このように構成することにより、ケーシン
グ内で可動鉄心を相対移動させることなく、ロッド突出
量調整手段を用いて可動鉄心に対する出力ロッドの突出
量を適宜に変えることができる。そして、ロッド突出量
の調整後は、励磁用のコイルに給電する制御信号の通電
量に応じて可動鉄心を出力ロッドと共に変位させること
ができ、例えば減衰力調整バルブの減衰力特性を出力ロ
ッドの突出量に応じて可変に調整できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
比例ソレノイド型アクチュエータを添付図面に従って詳
細に説明する。なお、実施の形態では前述した従来技術
と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略
するものとする。
【0034】図中、31は減衰力可変アクチュエータと
しての比例ソレノイド型アクチュエータ(以下、アクチ
ュエータ31という)、32は該アクチュエータ31の
ケーシングで、該ケーシング32は従来技術で述べたケ
ーシング17と同様に磁性材料からなるケーシング本体
33とカバー34とにより構成されているものの、該ケ
ーシング32は、特にカバー34側がより小型に形成さ
れている。
【0035】ここで、ケーシング本体33は、軸方向に
延びる筒部33Aと、該筒部33Aの一端側に一体形成
された底部33Bとから構成されている。そして、底部
33Bには、従来技術で述べた取付穴18Aと同様に図
3に例示したバルブハウジング11の開口端側が螺着さ
れる取付穴33Cと、後述する可動鉄心38の径方向外
側に位置してテーパ状に突出形成されたテーパ筒部33
Dと、後述の出力ロッド39をスライドベアリング26
を介して摺動可能に支持したロッド挿通穴33Eと、後
述の連通路36とが設けられている。
【0036】また、ケーシング本体33のテーパ筒部3
3Dは、その外周側が後述の鉄心収容室35内に向けて
テーパ状に縮径され、コイル28を励磁したときにケー
シング本体33の底部33B側に発生する磁束の一部
を、可動鉄心38とテーパ筒部33Dとの間で径方向に
導く構成となっている。これにより、ケーシング本体3
3の底部33B側に発生する磁力(可動鉄心38に対す
る吸引力)は、鉄心収容室35内での可動鉄心38の変
位位置に拘りなくほぼ一定の推力に保たれ、可動鉄心3
8が底部33B側に接近するに応じて磁力が変化するこ
とは抑えられるものである。
【0037】一方、カバー34の中心側には小径のねじ
穴34Aが穿設され、該ねじ穴34A内には後述の調整
プラグ40が螺着されている。さらに、カバー34には
鉄心収容室35側に向けて延びるガイド筒34Bが一体
形成され、該ガイド筒34Bはスライドベアリング24
を介して可動鉄心38を軸方向に摺動可能にガイドする
構成となっている。
【0038】35はケーシング32内に形成された鉄心
収容室で、該鉄心収容室35はケーシング本体33の底
部33Bとカバー34の間に位置し、可動鉄心38を軸
方向に変位可能に収容するものである。
【0039】36はケーシング本体33のテーパ筒部3
3Dとロッド挿通穴33Eとの間に位置して底部33B
に穿設された連通路で、該連通路36は従来技術で述べ
た連通路22と同様に、図3に示すバルブハウジング1
1内に鉄心収容室35を連通させ、バルブハウジング1
1内の油液が鉄心収容室35内に流出入するのを許す構
成となっている。
【0040】37は連通路36に固着された吸着防止ス
トッパで、該吸着防止ストッパ37は一端側が連通路3
6内に嵌合して固定される固定部37Aとなり、他端側
は後述する可動鉄心38の油穴38Cに摺動可能に係合
する係合突部37Bとなっている。そして、吸着防止ス
トッパ37は係合突部37Bを可動鉄心38に係合させ
ることにより、鉄心収容室35内で可動鉄心38が回転
するのを規制し、軸方向の変位を許す構成となってい
る。
【0041】また、吸着防止ストッパ37には可動鉄心
38用のダンピングオリフィス37Cが軸方向に穿設さ
れ、該ダンピングオリフィス37Cは従来技術で述べた
ダンピングオリフィス23Aと同様に、鉄心収容室35
内で可動鉄心38が矢示C,D方向に変位するときの速
度を低く抑えるものである。そして、吸着防止ストッパ
37は、図1に示すようにケーシング本体33の底部3
3Bと可動鉄心38との間に隙間を確保し、可動鉄心3
8が底部33B側に吸着するのを防止するようになって
いる。
【0042】38はケーシング32の鉄心収容室35内
にスライドベアリング24を介して変位可能に設けられ
た可動鉄心で、該可動鉄心38は従来技術で述べた可動
鉄心23とほぼ同様に構成されているものの、該可動鉄
心38の中心側には軸方向に延びるねじ穴38Aが形成
されている。また、可動鉄心38にはカバー34側の端
面に座ぐりとしての凹部38Bが形成され、ねじ穴38
Aから径方向に離間した位置には軸方向に延びる油穴3
8Cが穿設されている。
【0043】39は可動鉄心38に位置調整可能に設け
られた出力ロッドで、該出力ロッド39は従来技術で述
べた出力ロッド25と同様にケーシング本体33の底部
33B側からスライドベアリング26等を介して取付穴
33C側に突出している。しかし、該出力ロッド39は
外周側におねじ39Aが形成され、該おねじ39Aは可
動鉄心38のねじ穴38Aに螺合することにより、可動
鉄心38に対する出力ロッド39の軸方向突出量を可変
に調整させるものである。また、出力ロッド39の基端
側には有底の係合穴39Bが形成され、該係合穴39B
には後述する調整プラグ40の小径突部40Aが一体回
転するように係合している。
【0044】40はカバー34のねじ穴34A内に螺合
してカバー34に設けられたロッド突出量調整手段とし
ての調整プラグで、該調整プラグ40の先端側には軸方
向に突出する小径突部40Aが一体に設けられ、該小径
突部40Aの外周面には一対の平面部40B(一方のみ
図示)が形成されている。そして、調整プラグ40は小
径突部40Aが各平面部40Bを介して出力ロッド39
の係合穴39Bに係合し、出力ロッド39を調整プラグ
40と一体に回転させる構成となっている。
【0045】即ち、ケーシング32の外部から調整プラ
グ40を一方向に回転させたときには、調整プラグ40
がカバー34のねじ穴34Aに螺合した状態で図1中の
矢示E方向に変位する。そして、可動鉄心38のねじ穴
38A内では出力ロッド39が調整プラグ40の回転に
追従して同方向に回転し、これによって出力ロッド39
は可動鉄心38に対し軸方向(例えば矢示C方向)に相
対変位し、取付穴33C内での出力ロッド39の突出量
は小さくなるように調整される。
【0046】また、ケーシング32の外部から調整プラ
グ40を逆方向に回転させると、可動鉄心38のねじ穴
38A内では出力ロッド39が同方向に回転され、この
ときにはカバー34に螺合した調整プラグ40が図1中
の矢示F方向に変位すると共に、出力ロッド39も可動
鉄心38に対して軸方向に相対変位し、取付穴33C内
での出力ロッド39の突出量は大きくなる。
【0047】本実施の形態によるアクチュエータ31は
上述の如き構成を有するもので、その基本的作動につい
ては従来技術によるものと格別差異はない。
【0048】然るに、本実施の形態では、ケーシング3
2の鉄心収容室35内に可動鉄心38を軸方向に変位可
能に設け、可動鉄心38の回転を吸着防止ストッパ37
の係合突部37Bで規制すると共に、可動鉄心38に形
成したねじ穴38Aには出力ロッド39を螺合して設
け、カバー34のねじ穴34に設けた調整プラグ40に
より、ケーシング本体33の取付穴33C内での出力ロ
ッド39の突出量を可変に調整する構成としたから、下
記のような作用効果を得ることができる。
【0049】即ち、図3に例示した油圧緩衝器1のアク
チュエータ16に替えて、本実施の形態によるアクチュ
エータ31を減衰力調整バルブ10のバルブケーシング
11に取付けた場合には、バルブケーシング11内のス
プール12がスプリング15により矢示C方向に付勢さ
れることにより、アクチュエータ31の可動鉄心38は
出力ロッド39と共に矢示C方向に押戻される。
【0050】そして、コイル28への通電を解除してい
る状態では、出力ロッド39の基端側端面が調整プラグ
40の端面40Cに当接する。また、可動鉄心38は鉄
心収容室35内で出力ロッド39と共に矢示C方向に変
位し、油穴38Cが吸着防止ストッパ37の係合突部3
7Bに対して摺動可能に係合した状態を保つことによ
り、鉄心収容室35内での回転が規制されている。
【0051】そして、この状態で外部からコイル28に
制御信号を給電すると、ケーシング本体33の底部33
B側に磁力(可動鉄心38に対する吸引力)が発生し、
このときの磁力に従って可動鉄心38が出力ロッド39
と共に図1中の矢示D方向に変位する。このため、取付
穴33C内での出力ロッド39の突出量は、例えば図2
に示す特性線41の如く通電量(電流値I)に応じて比
例的に変化する。
【0052】次に、カバー34のねじ穴34A内で調整
プラグ40を一方向に回転して図1中の矢示E方向に後
退させ、出力ロッド39が可動鉄心38に対して縮小す
る方向で突出量の調整を行う。そして、この場合にもコ
イル28への通電量に対応した磁力がケーシング本体3
3の底部33B側に発生することにより、可動鉄心38
が出力ロッド39と共に矢示D方向に変位し、取付穴3
3C内での出力ロッド39の突出量は、図2に示す特性
線42の如く相対的に小さくなるように通電量に応じて
変化する。
【0053】また、カバー34のねじ穴34A内で調整
プラグ40を逆方向に回転して図1中の矢示F方向に進
出させ、出力ロッド39が可動鉄心38から伸長する方
向で突出量の調整を行うと、この場合には取付穴33C
内での出力ロッド39の突出量が大きくなり、ロッド突
出量は図2に示す特性線43の如く通電量に応じて比例
的に変化する。
【0054】これに対し、図4に例示した従来技術の場
合には、ロッド突出量を小さくするために栓体20を矢
示E方向に後退させると、調整ばね27のばね力が漸次
小さくなり、調整ばね27は自由長状態に近付くことに
なる。そして、この状態でコイル28への通電量を大き
くし、ロッド突出量を図2中の特性線42に沿って漸次
増大させて行くと、例えば通電量Ib に達した段階で、
調整ばね27が自由長状態を越えることにより、ロッド
突出量は図2中に点線で示す特性線部42Aの如く、通
電量Ib 以上の領域で急に変化することになり、いわゆ
るリニアな特性(線形性)が失われてしまう。
【0055】一方、ロッド突出量を大きくするために、
図4に示す栓体20を矢示F方向に進出させ、調整ばね
27のばね力を増大させた場合には、これに応じて図3
に示すバルブハウジング11内のスプリング15も圧縮
変形され、矢示C方向の付勢力が増大することによっ
て、調整ばね27の撓み量が過大な状態へと近付くこと
になる。
【0056】そして、この状態でロッド突出量を小さく
するために、コイル28への通電量を図2に示す特性線
43に沿って漸次小さくして行くと、例えば通電量Ia
以下の領域では調整ばね27が縮みきってしまい、ロッ
ド突出量は図2中に点線で示す特性線部43Aのように
一定値を保つことになり、この場合にもリニアな特性が
失われる。
【0057】かくして、本実施の形態にあっては、従来
技術で用いている調整ばね27を廃止し、可動鉄心38
のねじ穴38A内に出力ロッド39を螺合させることに
よって、出力ロッド39を可動鉄心38に対し位置調整
可能に設けると共に、カバー34に設けた調整プラグ4
0により出力ロッド39の突出量を可変に調整する構成
としているから、図2に示す特性線41〜43のよう
に、ロッド突出量を通電量に比例して変化させることが
でき、ロッド突出量の調整範囲を拡大できると共に、通
電量に対するロッド突出量の制御特性を広範囲に亘りリ
ニアな特性に保つことができる。
【0058】この結果、当該アクチュエータ31を図3
に例示した油圧緩衝器1の減衰力可変アクチュエータと
して用いた場合に、減衰力調整バルブ10により発生す
る減衰力特性を、アクチュエータ31への通電量に対す
るロッド突出量の比例的な特性(リニアな特性)として
広い調整範囲をもって取出すことができ、減衰力の調整
範囲を確実に広げることができる。
【0059】そして、ロッド突出量の調整範囲を広げる
ことによって、図3に示すバルブハウジング11、スプ
ール12及びスプリング15を従来技術のように高精度
に製作する必要がなくなり、製品の歩留りを向上させる
ことができる。
【0060】また、従来技術のように調整ばね27等を
用いる必要がないから、アクチュエータ31の部品点数
を削減でき、鉄心収容室35等を小さくコンパクトに形
成できると共に、ケーシング32の全長を短縮でき、ア
クチュエータ31の小型化を図ることができる。
【0061】さらに、調整プラグ40により出力ロッド
39の突出量調整を行うときには、可動鉄心38が吸着
防止ストッパ37等により鉄心収容室35内で廻止め状
態に保持され、軸方向にも変位することはないので、突
出量の調整を行っている間はコイル28に対する可動鉄
心38の位置関係を不変に保つことができ、調整代を見
込んだ線形領域を特別に確保する必要がなくなり、例え
ば減衰力の調整作業を簡単に行うことができる。
【0062】従って、本実施の形態によれば、アクチュ
エータ31の部品点数を減らして製造時の作業性を高
め、製品の歩留りを向上できると共に、装置全体を小型
化することができる。そして、電磁比例ソレノイド型の
アクチュエータ31によって微妙な減衰力調整が可能な
セミアクティブサスペンションを構成でき、車両の乗り
心地を向上させることができる。
【0063】なお、前記実施の形態では、車両用のセミ
アクティブサスペンションとなる油圧緩衝器1にアクチ
ュエータ31を適用し、減衰力調整バルブ10のスプー
ル12を駆動対象物として用いる場合を例に挙げて説明
したが、本発明はこれに限らず、例えばアームやレバー
等の駆動対象物を出力ロッドによりリニアな特性をもっ
て駆動する構成としてもよく、油圧回路等に用いる各種
バルブ用の比例ソレノイド型アクチュエータとして採用
してもよいものである。
【0064】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば、出
力ロッドを可動鉄心に位置調整可能に設け、可動鉄心か
ら駆動対象物側に向けて突出する出力ロッドの突出量を
ロッド突出量調整手段により可変に調整する構成とした
から、ケーシング内で可動鉄心を相対移動させることな
く、出力ロッドの突出量を適宜に変えることができ、突
出量の調整時に励磁用のコイルに対する可動鉄心の位置
関係が変わるのを防止できる。このため、比例ソレノイ
ド型アクチュエータとしての線形領域をロッド突出量の
調整代を見込んで特別に確保する必要がなくなり、例え
ば減衰力の調整範囲を広げることができ、その調整作業
も簡略化できる。
【0065】また、当該比例ソレノイド型アクチュエー
タの部品点数を減らして製造時の作業性を高めることが
でき、製品の歩留りを向上できると共に、装置全体を小
型化することができる。そして、例えばセミアクティブ
サスペンション等の減衰力特性を出力ロッドの突出量に
応じて微妙に調整でき、車両の乗り心地等を良好に高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による比例ソレノイド型ア
クチュエータを示す縦断面図である。
【図2】図1に示す出力ロッドの突出量と通電量との関
係を示す特性線図である。
【図3】従来技術による比例ソレノイド型アクチュエー
タが適用された減衰力調整式油圧緩衝器を示す全体構成
図である。
【図4】図3中の比例ソレノイド型アクチュエータを拡
大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 減衰力調整バルブ 11 バルブハウジング 12 スプール(駆動対象物) 28 励磁用のコイル 31 比例ソレノイド型アクチュエータ 32 ケーシング 33 ケーシング本体 34 カバー 34A,38A ねじ穴 35 鉄心収容室 37 吸着防止ストッパ 38 可動鉄心 39 出力ロッド 39B 係合穴 40 調整プラグ(ロッド突出量調整手段) 40A 小径突部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のケーシングと、駆動対象物を駆動
    するため該ケーシング内に変位可能に設けられた可動鉄
    心と、該可動鉄心の周囲に位置して前記ケーシング内に
    設けられ、外部からの通電量に応じて該可動鉄心を変位
    させる励磁用のコイルとからなる比例ソレノイド型アク
    チュエータにおいて、 前記可動鉄心に位置調整可能に設けられ、前記駆動対象
    物を駆動するため該可動鉄心と一体に変位する出力ロッ
    ドと、該出力ロッドが可動鉄心から前記駆動対象物側に
    向けて突出する突出量を可変に調整するロッド突出量調
    整手段とを備えたことを特徴とする比例ソレノイド型ア
    クチュエータ。
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