JP2023172640A - 減衰力調整式緩衝器および圧力制御弁 - Google Patents

減衰力調整式緩衝器および圧力制御弁 Download PDF

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Abstract

【課題】弁体の振動を抑制し、油圧(吐出圧)が脈動することを低減できる減衰力調整式緩衝器および圧力制御弁を提供する。【解決手段】圧力制御弁33は、シート面26Eに着座する弁体としてのパイロット弁体32と、パイロット弁体32と一体的に設けられた軸部49と、軸部49が挿入されてパイロット弁体32をシート面26E側に付勢して開弁圧力を調整するプランジャ48と、プランジャ48の推力を調整するソレノイド35Aと、軸部49の一側と他側を支持する第1軸受38および第2軸受43と、を有している。この上で、パイロット弁体32がシート面26Eから離間しているとき、パイロット弁体32の周方向位置によりシート面26Eまでの軸方向長さ(軸方向距離)を異ならせている。【選択図】図4

Description

本開示は、例えば減衰力調整式緩衝器および圧力制御弁に関する。
4輪自動車等の車両は、車体(ばね上)側と各車輪(ばね下)側との間に緩衝器(ダンパ)が設けられている。このような車両の緩衝器として、例えば、走行条件、車両の挙動等に応じて減衰力を可変に調整する減衰力調整式油圧緩衝器が知られている。減衰力調整式油圧緩衝器は、車両のセミアクティブ式サスペンションを構成している。
減衰力調整式油圧緩衝器は、例えば、減衰力調整バルブの開弁圧を減衰力可変アクチュエータにより調整することで、発生減衰力を可変に調整する。減衰力可変アクチュエータとしては、例えば、ソレノイドアクチュエータが用いられている。
ここで、特許文献1には、減衰力調整バルブ(メインバルブ)の開弁圧を圧力制御弁により制御する減衰力調整式緩衝器が記載されている。圧力制御弁は、弁体がソレノイドアクチュエータのロッド(軸部)と一体に設けられている。ロッド(軸部)は、2つの軸受により支持されている。
特開2009-281584号公報
従来技術の場合、圧力制御弁の弁体が開弁するときに、弁体に加わる圧力が急変することに伴って弁体が振動し、油圧(吐出圧)が脈動する可能性がある。
本発明の一実施形態の目的は、弁体の振動を抑制し、油圧(吐出圧)が脈動することを低減できる減衰力調整式緩衝器および圧力制御弁を提供することにある。
本発明の一実施形態は、減衰力調整式緩衝器であって、作動流体が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させ、開弁圧力を調整可能な圧力制御弁と、を備え、前記圧力制御弁は、シート面に着座する弁体と、前記弁体と一体的に設けられた軸部と、前記軸部が挿入されて前記弁体を前記シート面側に付勢して開弁圧力を調整するプランジャと、前記プランジャの推力を調整するソレノイドと、前記軸部の一側と他側を支持する第1軸受および第2軸受と、を有し、前記弁体が前記シート面から離間しているとき、前記弁体の周方向位置により前記シート面までの軸方向長さが異なっている。
また、本発明の一実施形態は、減衰力調整式緩衝器に設けられる圧力制御弁であって、前記圧力制御弁は、シート面に着座する弁体と、前記弁体と一体的に設けられた軸部と、前記軸部が挿入されて前記弁体を前記シート面側に付勢して開弁圧力を調整するプランジャと、前記プランジャの推力を調整するソレノイドと、前記軸部の一側と他側を支持する第1軸受および第2軸受と、を有し、前記弁体が前記シート面から離間しているとき、前記弁体の周方向位置により前記シート面までの軸方向長さが異なっている。
本発明の一実施形態によれば、弁体の振動を抑制し、油圧(吐出圧)が脈動することを低減できる。
実施形態による圧力制御弁が組込まれた減衰力調整式緩衝器を示す縦断面図である。 図1中の減衰力調整機構を示す拡大断面図である。 図2中の圧力制御弁を示す拡大断面図である。 圧力制御弁の弁体と軸部の一部とパイロットボディ(シート面)を示す拡大断面図である。 圧力制御弁の「開弁状態」および「閉弁から開弁への移行中の状態」を、軸部と軸受との隙間、軸部の傾き等を誇張して示す説明図(断面図)である。 圧力制御弁の吐出圧の時間変化を示す特性線図である。
以下、実施形態による圧力制御弁および減衰力調整式緩衝器を、減衰力調整式油圧緩衝器に用いた場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ説明する。
図1において、減衰力調整式油圧緩衝器1(以下、緩衝器1という)は、ソレノイドアクチュエータ34を駆動源とする減衰力調整機構17を備えている。即ち、減衰力調整式緩衝器としての緩衝器1は、シリンダとしての外筒2および内筒4と、ピストン5と、ピストンロッド8と、減衰力調整機構17と、を含んで構成されている。
油圧緩衝器である緩衝器1は、外殻をなす有底筒状の外筒2を備えている。外筒2の下端側は、ボトムキャップ3により溶接手段等を用いて閉塞されている。外筒2の上端側は、径方向内側に屈曲されたかしめ部2Aとなっている。かしめ部2Aと内筒4との間には、ロッドガイド9とシール部材10が設けられている。一方、外筒2の下部側には、中間筒12の接続口12Cと同心に開口2Bが形成されている。外筒2の下部側には、開口2Bと対向して減衰力調整機構17が取付けられている。ボトムキャップ3には、例えば車両の車輪側に取付けられる取付アイ3Aが設けられている。
外筒2内には、外筒2と同軸上に内筒4が設けられている。内筒4の下端側は、ボトムバルブ13に嵌合して取付けられている。内筒4の上端側は、ロッドガイド9に嵌合して取付けられている。シリンダとしての外筒2および内筒4内には、作動液(作動流体)としての油液(オイル)が封入されている。作動液としては油液(オイル)に限らず、例えば添加剤を混在させた水等でもよい。
内筒4と外筒2との間には、環状のリザーバ室Aが形成されている。リザーバ室A内には、油液と共にガスが封入されている。このガスは、大気圧状態の空気であってもよく、また圧縮された窒素ガス等の気体を用いてもよい。リザーバ室Aは、ピストンロッド8の進入および退出を補償する。内筒4の長さ方向(軸方向)の途中位置には、ロッド側油室Bを環状油室Dに常時連通させる油穴4Aが径方向に穿設されている。
ピストン5は、内筒4内に摺動可能に嵌装されている。ピストン5は、内筒4内に挿入されており、内筒4内をロッド側油室B(ロッド側室)とボトム側油室C(ボトム側室)との2室に画成(区画)している。ピストン5には、ロッド側油室Bとボトム側油室Cとを連通可能とする油路5A,5Bがそれぞれ複数個、周方向に離間して形成されている。
ここで、ピストン5の下端面には、伸長側のディスクバルブ6が設けられている。伸長側のディスクバルブ6は、ピストンロッド8の伸長行程でピストン5が上向きに摺動変位するときに、ロッド側油室B内の圧力がリリーフ設定圧を越えると開弁し、このときの圧力を、各油路5Aを介してボトム側油室C側にリリーフする。リリーフ設定圧は、減衰力調整機構17がハードに設定されたときの開弁圧より高い圧に設定されている。
ピストン5の上端面には、ピストンロッド8の縮小行程でピストン5が下向きに摺動変位するときに開弁し、これ以外のときには閉弁する縮み側逆止弁7が設けられている。逆止弁7は、ボトム側油室C内の油液がロッド側油室Bに向けて各油路5B内を流通するのを許し、これとは逆向きに油液が流れるのを阻止する。逆止弁7の開弁圧は、減衰力調整機構17がソフトに設定されたときの開弁圧より低い圧に設定され、実質的に減衰力を発生しない。この実質的に減衰力を発生しないとは、ピストン5やシール部材10のフリクション以下の力であり、車の運動に対し影響しない。
ピストンロッド8は、内筒4内を軸方向(図1の上下方向)に延びている。ピストンロッド8の下端側は、内筒4内に挿入されている。ピストンロッド8は、ナット8A等によりピストン5に固着して設けられている。ピストンロッド8の上端側は、ロッドガイド9を介して外筒2および内筒4の外部に突出している。即ち、ピストンロッド8は、一端となる下端がピストン5に連結され、他端となる上端が内筒4および外筒2の外部へ延出されている。なお、ピストンロッド8の下端をさらに延ばしてボトム部(例えば、ボトムキャップ3)側から外向きに突出させ、所謂、両ロッドとしてもよい。
内筒4の上端側には、段付円筒状のロッドガイド9が設けられている。ロッドガイド9は、内筒4の上側部分を外筒2の中央に位置決めすると共に、その内周側でピストンロッド8を軸方向に摺動可能にガイドしている。ロッドガイド9と外筒2のかしめ部2Aとの間には、環状のシール部材10が設けられている。シール部材10は、例えば、中心にピストンロッド8が挿通される孔が設けられた金属製の円輪板にゴム等の弾性材料を焼き付けることにより構成されている。シール部材10は、弾性材料の内周がピストンロッド8の外周側に摺接することにより、ピストンロッド8との間をシールする。
シール部材10は、下面側にロッドガイド9と接触するように延びるチェック弁としてのリップシール10Aが形成されている。リップシール10Aは、油溜め室11とリザーバ室Aとの間に配置されている。リップシール10Aは、油溜め室11内の油液等がロッドガイド9の戻し通路9Aを介してリザーバ室A側に向け流通するのを許し、逆向きの流れを阻止する。
外筒2と内筒4との間には、筒体からなる中間筒12が配設されている。中間筒12は、例えば、内筒4の外周側に上下の筒状シール12A,12Bを介して取付けられている。中間筒12は、内筒4の外周側を全周にわたって取囲むように延びた環状油室Dを内部に形成している。環状油室Dは、リザーバ室Aとは独立した油室となっている。環状油室Dは、内筒4に形成した径方向の油穴4Aによりロッド側油室Bと常時連通している。環状油室Dは、ピストンロッド8の移動によって作動液体の流れが生じる流路を構成している。中間筒12の下端側には、減衰力調整バルブ18の接続管体20が取付けられる接続口12Cが設けられている。
ボトムバルブ13は、内筒4の下端側に位置してボトムキャップ3と内筒4との間に設けられている。ボトムバルブ13は、ボトムキャップ3と内筒4との間でリザーバ室Aとボトム側油室Cとを仕切る(区画する)バルブボディ14と、バルブボディ14の下面側に設けられた縮小側のディスクバルブ15と、バルブボディ14の上面側に設けられた伸び側逆止弁16とにより構成されている。バルブボディ14には、リザーバ室Aとボトム側油室Cとを連通可能とする油路14A,14Bがそれぞれ周方向に間隔をあけて形成されている。
縮小側のディスクバルブ15は、ピストンロッド8の縮小行程でピストン5が下向きに摺動変位するときに、ボトム側油室C内の圧力がリリーフ設定圧を越えると開弁し、このときの圧力を、各油路14Aを介してリザーバ室A側にリリーフする。リリーフ設定圧は、減衰力調整機構17がハードに設定されたときの開弁圧より高い圧に設定されている。
伸び側逆止弁16は、ピストンロッド8の伸長行程でピストン5が上向きに摺動変位するときに開弁し、これ以外のときには閉弁する。逆止弁16は、リザーバ室A内の油液がボトム側油室Cに向けて各油路14B内を流通するのを許し、これとは逆向きに油液が流れるのを阻止する。逆止弁16の開弁圧は、減衰力調整機構17がソフトに設定されたときの開弁圧より低い圧に設定され、実質的に減衰力を発生しない。
次に、緩衝器1の発生減衰力を可変に調整するための減衰力調整機構17について、図1に加えて、図2も参照しつつ説明する。
減衰力調整機構17は、シリンダ(内筒4)内のピストン5の摺動によって生じる作動液体の流れを制御して減衰力を発生させると共に、緩衝器1の発生減衰力を可変に調整する。なお、図2の減衰力調整機構17は、ソレノイドアクチュエータ34のソレノイド35Aに外部から通電(例えば、ハードな減衰力を発生させる制御)を行うことにより、プランジャ48、軸部49およびパイロット弁体32が図2の左側に移動した状態を示している。換言すれば、図2の減衰力調整機構17は、圧力制御弁33の弁体であるパイロット弁体32がパイロットボディ26のシート面26Eに着座した閉弁状態を示している。
図1に示すように、減衰力調整機構17は、その基端側(図1の左端側)がリザーバ室Aと環状油室Dとの間に介在して配置され、先端側(図1の右端側)が外筒2の下部側から径方向外向きに突出するように設けられている。減衰力調整機構17は、環状油室Dからリザーバ室Aへの油液の流通を、減衰力調整バルブ18(メインバルブ23、パイロット弁体32)により制御することで、減衰力を発生する。また、減衰力調整バルブ18(メインバルブ23、パイロット弁体32)の開弁圧を、ソレノイドアクチュエータ34により駆動される圧力制御弁33で調整することにより、発生減衰力を可変に調整する。
このように、減衰力調整機構17は、内筒4内のピストン5の摺動によって生じる作動流体(油液)の流れを制御して減衰力を発生させる。このために、減衰力調整機構17は、減衰力調整バルブ18と、ソレノイドアクチュエータ34と、を含んで構成されている。減衰力調整バルブ18は、環状油室Dからリザーバ室Aへの油液の流通を可変に制御することにより、ハードまたはソフトな特性の減衰力を発生させる。減衰力調整バルブ18は、ソレノイドアクチュエータ34によって駆動される。即ち、減衰力調整バルブ18は、ソレノイドアクチュエータ34によって開閉弁動作が調整されるバルブであり、ピストンロッド8の移動(伸縮)によって作動液体の流れが生じる流路(例えば、環状油室Dとリザーバ室Aとの間)に設けられている。
減衰力調整バルブ18は、メインバルブ23と、パイロット弁体32と、を備えている。パイロット弁体32は、ソレノイドアクチュエータ34と共に、圧力制御弁33を構成している。即ち、パイロット弁体32は、圧力制御弁33の弁体に対応する。ソレノイドアクチュエータ34は、減衰力調整バルブ18(パイロット弁体32、延いては、メインバルブ23)の開閉弁動作を調整する。この場合、減衰力調整バルブ18(パイロット弁体32、延いては、メインバルブ23)の開弁圧は、減衰力可変アクチュエータとして用いられるソレノイドアクチュエータ34により調整され、これによって、発生減衰力はハードまたはソフトな特性に可変に制御される。
ここで、減衰力調整バルブ18は、バルブケース19と、接続管体20と、バルブ部材21と、を含んで構成されている。バルブケース19は、略円筒状に形成されており、その基端側が外筒2の開口2Bの周囲に固着され、先端側が外筒2から径方向外向に突出している。接続管体20は、基端側が中間筒12の接続口12Cに固定されると共に、先端側が環状のフランジ部20Aとなってバルブケース19の内側に隙間をもって配設されている。バルブ部材21は、接続管体20のフランジ部20Aに当接している。
図2に示すように、バルブケース19の基端側は、径方向内側に向けて延びる環状の内側フランジ部19Aとなっている。バルブケース19の先端側は、バルブケース19とソレノイドアクチュエータ34のヨーク39(一側筒部39G)とを結合するロックナット53が螺着される雄ねじ部19Bとなっている。バルブケース19の内周面とバルブ部材21の外周面との間、さらに、バルブケース19の内周面とパイロットボディ26等の外周面との間は、リザーバ室Aに常時連通する環状の油室19Cとなっている。なお、バルブケース19とソレノイドアクチュエータ34は、ロックナット53で結合する他、例えば、バルブケースの先端側をソレノイドのヨークにかしめ付ける構成(ロックナットを用いない構成)としてもよい。
接続管体20の内側は、一方側が環状油室Dに連通し、他方側がバルブ部材21の位置まで延びる油路20Bとなっている。また、接続管体20のフランジ部20Aとバルブケース19の内側フランジ部19Aとの間には、円環状のスペーサ22が挟持状態で設けられている。スペーサ22には、油室19Cとリザーバ室Aとを連通するため径方向の油路となる切欠き22Aが、放射状に延びて複数個設けられている。なお、本実施形態では、スペーサ22に油路を形成するための切欠き22Aを設ける構成とした。しかし、スペーサ22に代えて、バルブケース19の内側フランジ部19Aに油路を形成するための切欠き(溝)を放射状に設けてもよい。
バルブ部材21には、径方向の中心に位置して軸方向に延びる中心孔21Aが設けられている。また、バルブ部材21には、中心孔21Aの周囲に周方向に離間して複数の油路21Bが設けられている。各油路21Bは、その一方側(図1および図2の左側)が接続管体20の油路20B側に常時連通している。また、バルブ部材21の他方側(図1および図2の右側)の端面には、油路21Bの他側開口を取囲むように形成された環状凹部21Cと、この環状凹部21Cの径方向外側に位置してメインバルブ23が離着座する環状弁座21Dとが設けられている。バルブ部材21の各油路21Bは、環状油室Dに連通した接続管体20の油路20Bと、リザーバ室Aに連通したバルブケース19の油室19Cとの間で、メインバルブ23の開度に応じた流量の圧油が流通する流路となる。
メインバルブ23は、ディスクバルブにより構成されている。メインバルブ23は、内周側がバルブ部材21とパイロットピン24の大径部24Aとの間に挟持されている。メインバルブ23は、外周側がバルブ部材21の環状弁座21Dに離着座する。メインバルブ23の背面側の外周部には、弾性シール部材23Aが焼付け等の手段で固着されている。メインバルブ23は、バルブ部材21の油路21B側(環状油室D側)の圧力を受けて環状弁座21Dから離座することにより開弁する。これにより、バルブ部材21の油路21B(環状油室D側)は、油室19C(リザーバ室A側)にメインバルブ23を介して連通され、このときに矢印Y方向に流れる圧油の量(流量)は、メインバルブ23の開度に応じて可変に調整される。
パイロットピン24は、段付円筒状に形成されており、軸方向中間部に環状の大径部24Aが設けられている。パイロットピン24は、内周側に軸方向に延びる中心孔24Bを有している。中心孔24Bの一端部(接続管体20側の端部)には、小径孔(オリフィス24C)が形成されている。パイロットピン24は、一端側(図1および図2の左端側)がバルブ部材21の中心孔21Aに圧入されている。この状態で、パイロットピン24の大径部24Aは、バルブ部材21との間でメインバルブ23を挟持している。
パイロットピン24の他端側(図1および図2の右端側)は、パイロットボディ26の中心孔26Cに嵌合している。パイロットボディ26の中心孔26Cとパイロットピン24の他端側との間には、軸方向に延びる油路25が形成されている。この油路25は、メインバルブ23とパイロットボディ26との間に形成される背圧室27に連通している。言い換えると、パイロットピン24の他端側の側面には、軸方向に延びる油路25が周方向に複数設けられ、その他の周方向位置は、パイロットボディ26の中心孔26Cに圧入されている。
パイロットボディ26は、略有底筒状体として形成されており、内側に段付き穴が形成された円筒部26Aと、該円筒部26Aを塞ぐ底部26Bと、を有している。パイロットボディ26の底部26Bには、パイロットピン24の他端側が嵌合される中心孔26Cが設けられている。パイロットボディ26の底部26Bの一端側(図1および図2の左端側)には、外径側に位置して全周にわたってバルブ部材21側に突出する突出筒部26Dが一体に設けられている。突出筒部26Dの内周面には、メインバルブ23の弾性シール部材23Aが液密に嵌合しており、これにより、メインバルブ23とパイロットボディ26との間に背圧室27を形成している。背圧室27は、メインバルブ23に対して閉弁方向、即ち、メインバルブ23をバルブ部材21の環状弁座21Dに着座させる方向に押圧する圧力(内圧、パイロット圧)を発生させる。
パイロットボディ26の底部26Bの他端側(図1および図2の右端側)には、パイロット弁体32が離着座するシート面26Eが、中心孔26Cを囲むように設けられている。また、パイロットボディ26の円筒部26Aの内側には、パイロット弁体32をパイロットボディ26のシート面26Eから離れる方向に付勢するリターンばね28、ソレノイドアクチュエータ34が非通電状態のとき(パイロット弁体32がシート面26Eから最も離れたとき)のフェールセーフバルブを構成するディスクバルブ29、中心側に油路30Aが形成された保持プレート30等が配設されている。
パイロットボディ26の円筒部26Aの開口端には、この円筒部26Aの内側にリターンばね28、ディスクバルブ29、保持プレート30等を配設した状態で、キャップ31が嵌合固定される。キャップ31には、例えば周方向で離間した4個所位置に切欠き31Aが形成されている。図2に矢印Xで示すように、切欠き31Aは、保持プレート30の油路30Aを通じてソレノイドアクチュエータ34側に流れた油液を油室19C(リザーバ室A側)に流通させる流路となっている。
パイロット弁体32は、パイロットボディ26と共にパイロットバルブ(パイロット制御弁)を構成している。また、パイロット弁体32は、ソレノイドアクチュエータ34と共に圧力制御弁33を構成している。パイロット弁体32は、段付円筒状に形成されている。パイロット弁体32の先端部、即ち、パイロットボディ26のシート面26Eに離着座する先端部は、先細りのテーパ状となっている。パイロット弁体32の内側には、ソレノイドアクチュエータ34の軸部49が嵌合固定されており、ソレノイドアクチュエータ34への通電に応じて、パイロット弁体32の開弁圧、延いては、メインバルブ23の開弁圧が調節される。
即ち、パイロット弁体32は、ソレノイドアクチュエータ34の軸部49(より具体的には、軸部49に固定されたプランジャ48)の軸方向の移動により制御される。パイロット弁体32の基端側には、ばね受となるフランジ部32Aが全周にわたって形成されている。フランジ部32Aは、ソレノイドアクチュエータ34が非通電状態のとき、即ち、パイロット弁体32がシート面26Eから最も離間する全開位置まで変位したときに、ディスクバルブ29の内周部と当接することにより、フェールセーフバルブを構成している。
次に、ソレノイドアクチュエータ34について、図1および図2に加えて、図3も参照しつつ説明する。なお、図3は、図2の左右方向の右側を上側にして符号を付している。
ソレノイドアクチュエータ34は、減衰力調整機構17の減衰力可変アクチュエータとして減衰力調整機構17に組込まれている。即ち、ソレノイドアクチュエータ34は、減衰力調整バルブ18の開閉弁動作を調整するため減衰力調整式緩衝器に用いられる。ソレノイドアクチュエータ34は、パイロット弁体32と共に、圧力制御弁33を構成している。ソレノイドアクチュエータ34は、モールドコイル35と、磁性部材(収納部材)としてのハウジング36と、ヨーク39と、固定鉄心(固定子)としてのアンカ41と、接合部材(非磁性リング)としてのシリンダ44と、可動鉄心(可動子)としてのプランジャ48と、作動ピンとなる軸部49と、カバー部材51と、を備えている。
モールドコイル35は、熱硬化性樹脂等の樹脂部材35Bでソレノイド35Aを一体的に覆う(モールド成形する)ことにより、略円筒状に形成されている。ソレノイド35Aは、コイルボビン35A1と、コイル35A2と、を備えている。コイル35A2は、コイルボビン35A1の周囲に巻回されている。モールドコイル35の周方向の一部には、軸方向または径方向外側に突出するケーブル取出部35C(図3)が設けられている。ケーブル取出部35Cには、電線ケーブル(図示せず)が接続される。ソレノイド35Aは、コイルボビン35A1の周囲に環状に巻き付けられたコイル35A2に外部からのケーブルを通じて電力を供給(通電)することにより、電磁石となって磁界(磁力)を発生する。
ハウジング36は、ソレノイド35Aの内周側に配置して設けられた磁性部材(収納部材)を構成している。ハウジング36は、例えば低炭素鋼、機械構造用炭素鋼(S10C)等の磁性材料(磁性体)により有蓋円筒状の筒体として形成されている。ハウジング36は、収納部としての収納筒部36Aと、蓋部36Bと、小径筒部36Cと、を含んで構成されている。収納筒部36Aは、ソレノイド35A(コイル35A2)の巻回軸線方向に延びており、一端側(図2の左側、図3の下側)が開口している。蓋部36Bは、収納筒部36Aの他端側(図2の右側、図3の上側)を閉塞している。小径筒部36Cは、収納筒部36Aの開口側(一側)に位置して、収納筒部36Aの外周を縮径させるように形成されている。
ハウジング36の小径筒部36Cの外周には、シリンダ44の内周がろう付けにより接合される。ハウジング36の収納筒部36Aは、その内径寸法がプランジャ48の外径寸法よりも僅かに大きく形成されている。収納筒部36A内には、プランジャ48が軸方向に移動可能に収納されている。即ち、ハウジング36は、軸線方向の一端側が開口し、プランジャ48が収納されている。ハウジング36とシリンダ44は、ハウジング36(小径筒部36C)をシリンダ44の内側に圧入し、ろう付けを行うことにより、圧力容器を形成している。
一方、ハウジング36の蓋部36Bは、収納筒部36Aを軸方向他側から閉塞する有蓋筒体として収納筒部36Aと一体に形成されている。蓋部36Bは、外径が収納筒部36Aの外径よりも小径の段付形状となっている。蓋部36Bの外周側には、カバー部材51の嵌合筒部51Aが嵌合して設けられている。また、ハウジング36には、蓋部36Bの内側に位置して有底の段付穴37が形成されている。段付穴37は、軸受取付穴部37Aと、この軸受取付穴部37Aよりも奥側に位置して小径に形成された小径穴部37Bと、を有している。軸受取付穴部37A内には、作動ピンとなる軸部49を摺動可能に支持するための第1軸受38が設けられている。第1軸受38は、例えば、円筒状のブッシュ(軸受筒)により構成されている。
また、ハウジング36の蓋部36Bは、その他側端面がカバー部材51の蓋板51Bに対し軸方向の隙間をもって対向配置されている。この軸方向の隙間は、カバー部材51の蓋板51B側から蓋部36Bを介して軸方向の力がハウジング36に直接加わるのを防ぐ機能を有している。なお、ハウジング36の蓋部36Bについては、収納筒部36Aと必ずしも一体に同一材料(磁性体)で形成する必要はない。この場合の蓋部36Bは、磁性体の材料ではなく、例えば剛性をもった金属材料、セラミックス材料または繊維強化樹脂材料により形成することも可能である。なお、ハウジング36の収納筒部36Aと蓋部36Bとの繋ぎ目は、磁束の受け渡しを考慮した位置とする。
ヨーク39は、プランジャ48の移動方向の一側に設けられている。ヨーク39は、ハウジング36と共にソレノイド35Aの内周側と外周側とにわたって磁気回路(磁路)を形成する磁性部材である。即ち、ヨーク39は、ハウジング36と同様に磁性材料(磁性体)を用いて形成されている。ヨーク39は、ソレノイド35Aの軸方向一側(コイル35A2の巻回軸線方向の一側)で径方向に延び、その内周側が段付きの固定穴39Aとなった環状部39Bと、環状部39Bの内周側から軸方向他側(ソレノイド35A側)に向け固定穴39Aの軸方向に沿って筒状に突出した筒状突起部39Cと、を含んで構成されている。筒状突起部39Cは、シリンダ44との接合用の突起(筒部)を構成しており、筒状突起部39C内径側には、シリンダ44が挿入されている。
換言すれば、ヨーク39は、固定穴39Aを有しており、固定穴39A内に、アンカ41が配置されている。また、固定穴39A内には、全周にわたって内径側に突出する内向き鍔部39Dが設けられている。内向き鍔部39Dの側面(ソレノイド35A側の側面)には、シリンダ44の軸方向一側の端面(一端面)が当接している。また、ヨーク39の内周、即ち、固定穴39Aの内面(換言すれば、筒状突起部39Cの内周面)には、シリンダ44の軸方向一側の外周が嵌合されている。
また、ヨーク39は、環状部39Bの外周側から軸方向一側(メインバルブ23側)に向けて延びる円筒状の一側筒部39Gと、環状部39Bの外周側から軸方向他側(カバー部材51側)に向けて延び、モールドコイル35を径方向外側から取囲むように形成された他側筒部39Hと、他側筒部39Hの先端側に設けられカバー部材51の鍔部51Cを抜止め状態で保持するカシメ部39Jと、を含んだ一体物として形成されている。なお、ヨーク39の他側筒部39Hには、モールドコイル35のケーブル取出部35Cを他側筒部39Hの外側に露出させるための切欠き39Kが設けられている。
ヨーク39の一側筒部39Gと他側筒部39Hとの間には、ヨーク39の外周面に開口するように断面半円形状をなす係合凹部39Lが(全周にわたって、または、周方向に離間して複数個所に)設けられている。係合凹部39Lには、バルブケース19に螺着されるロックナット53が抜止めリング54(図2参照)を介して係合される。
アンカ41は、プランジャ48の移動方向の一側に設けられている。アンカ41は、プランジャ48と軸方向に対向して配置されている。アンカ41は、ヨーク39の固定穴39A内に圧入等の手段を用いて固定された固定鉄心(固定子)である。アンカ41は、ハウジング36およびヨーク39と同様に低炭素鋼、機械構造用炭素鋼(S10C)等の磁性材料(磁性体)により、ヨーク39の固定穴39Aを内側から埋める形状に形成されている。アンカ41は、中心側が軸方向に延びる貫通穴41Aとなった短尺円筒状の環状体として形成されている。アンカ41の軸方向一側面(図2に示すキャップ31と軸方向で対向する面)は、ヨーク39の環状部39Bの一側面と同様に平坦面となるように形成されている。
アンカ41の軸方向他側(プランジャ48と軸方向で対向する他側面)には、ハウジング36の収納筒部36Aと同軸となるように円形の凹窪部41Bが凹設されている。凹窪部41Bは、その内側にプランジャ48が磁力により進入,退出可能に挿入されるように、プランジャ48よりも僅かに大径な円形溝として形成されている。このために、アンカ41の他側には、円筒状の外周凸部41Cが設けられている。外周凸部41Cの開口側の外周面は、アンカ41とプランジャ48との間で磁気特性がリニア(直線的)な特性となるように、円錐面として形成されている。即ち、角部とも呼ばれる外周凸部41Cは、アンカ41の外周側から軸方向他側に向けて筒状に突出している。そして、外周凸部41Cの外周面(開口側の外周面)は、軸方向の他側(開口側)に向けて外径寸法が漸次小さくなるように、テーパ状に傾斜したコニカル面となっている。
また、アンカ41の外周側には、外周凸部41Cの外周に沿ってハウジング36の収納筒部36Aの開口から離れる方向に延びる側面部41Dが形成されている。この側面部41Dのうち開口から離れた側の端部は、径方向外側に向けて突出する環状のフランジ部41Eとなっている。環状のフランジ部41Eは、ハウジング36の収納筒部36Aの開口端から軸方向一側に大きく離間した位置(即ち、凹窪部41Bとは反対側の端部)に配置されている。
環状のフランジ部41Eは、例えば、ヨーク39の固定穴39A内に圧入等の手段を用いて固定されている。環状のフランジ部41Eは、ヨーク39の固定穴39Aに対するアンカ41(側面部41D)の固定部分となり、フランジ部41Eと固定穴39Aが径方向で対向する部分でもある。アンカ41の側面部41D(環状のフランジ部41Eを除く)は、シリンダ44の内周面およびヨーク39の内向き鍔部39Dの内面と隙間(径方向隙間)を介して対向している。
図3に示すように、アンカ41の中心(内周)側に形成された段付の貫通穴41Aには、軸部49を摺動可能に支持するための第2軸受43が嵌合して設けられている。第2軸受43は、例えば、円筒状のブッシュ(軸受筒)により構成されている。一方、図2に示すように、ヨーク39の一側筒部39Gの内周側には、パイロットボディ26、リターンばね28、ディスクバルブ29、保持プレート30およびキャップ31等が挿入して設けられている。また、一側筒部39Gの外周側には、バルブケース19が嵌合(外嵌)される。
シリンダ44は、径方向に関して、ヨーク39とアンカ41との間に設けられている。また、シリンダ44は、軸方向および径方向に関して、ヨーク39とハウジング36との間に設けられている。即ち、シリンダ44は、ハウジング36の小径筒部36Cとヨーク39の筒状突起部39Cとの間に位置してソレノイド35Aの内周側に設けられた非磁性の繋ぎ部材(接合部材)である。シリンダ44は、非磁性体からなっている。より具体的には、シリンダ44は、例えばオーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性材料により円筒体(単なる円筒体)として形成されている。
シリンダ44は、ソレノイド35A(コイル35A2)の巻回軸線方向の一端側(ヨーク39側)の外周が、ヨーク39(固定穴39A、筒状突起部39C)の内周と接合されている。これにより、シリンダ44は、軸線方向の一側が固定子となるヨーク39に固定されている。また、シリンダ44は、モールドコイル35(ソレノイド35A)の巻回軸線方向の他端側(ハウジング36側)の内周が、ハウジング36(小径筒部36C)の外周と接合されている。即ち、シリンダ44は、ハウジング36の小径筒部36Cの外側(外周側)に嵌合(圧入)され、ろう付けにより両者は接合されている。実施形態では、ハウジング36とシリンダ44、および、シリンダ44とヨーク39は、ろう材を介して接合されている。即ち、シリンダ44は、ハウジング36の小径筒部36Cとヨーク39の筒状突起部39Cとに対してろう付けにより接合している。
アマチュアとも呼ばれるプランジャ48は、ハウジング36の収納筒部36Aとアンカ41の凹窪部41Bとの間に配置されている。プランジャ48は、ソレノイド35A(コイル35A2)の巻回軸線方向に移動可能に設けられた磁性体からなる可動鉄心(可動子)である。即ち、プランジャ48は、ソレノイド35Aの内周側に軸方向へ移動可能に設けられている。プランジャ48は、ハウジング36の収納筒部36A、アンカ41の凹窪部41B、ヨーク39の筒状突起部39Cおよびシリンダ44の内周側に配され、ハウジング36の収納筒部36Aとアンカ41の凹窪部41Bとの間で軸方向に移動可能となっている。即ち、プランジャ48は、ハウジング36の収納筒部36Aおよびアンカ41の凹窪部41Bの内周側に配され、ソレノイド35Aに発生する磁力により第1,第2軸受38,43および軸部49を介して軸方向へと移動可能となっている。
プランジャ48は、その中心側を貫通して延びる軸部49に固定(一体化)して設けられ、軸部49と一緒に移動する。軸部49は、ハウジング36の蓋部36Bとアンカ41とに第1,第2軸受38,43を介して軸方向に摺動可能に支持されている。ここで、プランジャ48は、例えばハウジング36、ヨーク39およびアンカ41と同様に、鉄系の磁性体を用いて略円筒状に形成されている。そして、プランジャ48はソレノイド35Aに発生する磁力により、アンカ41の凹窪部41B内に向けて吸着される方向の推力(吸引力)が発生される。
軸部49は、プランジャ48の推力をパイロット弁体32に伝達する作動ピンであり、中空ロッドにより形成されている。軸部49は、プランジャ48と一体に変位する。即ち、軸部49の軸方向中間部には、プランジャ48が圧入等の手段を用いて一体的に固定され、これにより、プランジャ48と軸部49とはサブアッセンブリ化されている。軸部49の軸方向の両側は、ハウジング36側の蓋部36Bとヨーク39(アンカ41)とに第1,第2軸受38,43を介して摺動可能に支持されている。
軸部49の一端側(図2中の左側端部、図3中の下側端部)は、アンカ41(ヨーク39)から軸方向に突出すると共に、その突出端には、圧力制御弁33のパイロット弁体32が固定されている。このため、パイロット弁体32は、プランジャ48および軸部49と一緒に軸方向へと一体的に移動する。換言すれば、パイロット弁体32の開弁設定圧は、ソレノイド35Aへの通電に基づくプランジャ48の推力に対応した圧力値となる。プランジャ48は、ソレノイド35A(コイル35A2)からの磁力で軸方向に移動することにより、パイロットボディ26に対するパイロット弁体32の開弁、閉弁を行う。
カバー部材51は、ヨーク39の他側筒部39Hと共にモールドコイル35を外側から覆う磁性体カバーである。このカバー部材51は、モールドコイル35を軸方向他側から覆う蓋体として磁性材料(磁性体)により形成され、ヨーク39の他側筒部39Hと共にモールドコイル35(ソレノイド35A)の外側で磁気回路(磁路)を形成する。カバー部材51は、全体として有蓋筒状に形成されており、円筒状の嵌合筒部51Aと、嵌合筒部51Aの他端側(図2の右側端部、図3中の上側端部)を閉塞する円皿状の蓋板51Bとにより大略構成されている。
ここで、カバー部材51の嵌合筒部51Aは、ハウジング36の蓋部36Bの外周に挿嵌され、この状態でハウジング36の蓋部36Bを内側に収容する構成となっている。一方、カバー部材51の蓋板51Bは、その外周側が嵌合筒部51Aの径方向外側へと延びる環状の鍔部51Cとなり、鍔部51Cの外周縁は、ヨーク39の他側筒部39Hに設けたカシメ部39Jに固定されている。これにより、ヨーク39の他側筒部39Hとカバー部材51の蓋板51Bとは、図3に示す如く内側にモールドコイル35を内蔵した状態で予備組付け(サブアッセンブリ化)される。このように、ヨーク39の他側筒部39Hとカバー部材51の蓋板51Bとの内側にモールドコイル35を内蔵した状態では、ハウジング36の蓋部36Bがカバー部材51の嵌合筒部51A内に嵌着されている。これにより、カバー部材51の嵌合筒部51A、蓋板51Bおよびヨーク39との間で磁束の受け渡しを行うことができる。
ヨーク39とカバー部材51とは、図3に示す如く内側にモールドコイル35を内蔵した状態で、図2に示すように、締結部材としてのロックナット53と抜止めリング54とを用いて減衰力調整バルブ18のバルブケース19に締結される。この場合、ヨーク39の係合凹部39Lには、ロックナット53に先立って抜止めリング54が取付けられる。この抜止めリング54は、ヨーク39の係合凹部39Lから径方向外側へと部分的に突出し、ロックナット53による締結力をヨーク39の一側筒部39Gに伝えるものである。
ロックナット53は、段付筒状体として形成され、その軸方向一側に位置し内周側にバルブケース19の雄ねじ部19Bに螺合する雌ねじ部53Aと、内径寸法が抜止めリング54の外径寸法よりも小さくなるように径方向内向きに屈曲され、抜止めリング54に対して外側から係合する係合筒部53Bとが設けられている。ロックナット53は、ヨーク39の係合凹部39Lに装着された抜止めリング54に対して係合筒部53Bの内側面を当接させた状態で、雌ねじ部53Aとバルブケース19の雄ねじ部19Bとを螺合することにより、減衰力調整バルブ18とソレノイドアクチュエータ34とを一体的に結合する締結部材である。
ところで、前述の特許文献1の減衰力調整式緩衝器は、圧力制御弁の弁体によって油液の流通抵抗を直接調整すると共にメインバルブの背圧室の内圧を調整してこのメインバルブの開弁圧力を調整することにより、減衰力を可変に制御する。ここで、従来技術によれば、圧力制御弁は、弁体とシート面(着座面)とが接触した閉弁状態で、弁体とシート面との間に面圧が均一な中空円状の接触面が形成される。この構造によれば、開弁するときは、接触面内の圧力が減少し、接触面内の圧力と弁体の下流側の圧力との差圧による力が弁体の開弁動作への抵抗力となる。これにより、弁体は、抵抗力とソレノイドアクチュエータによる推力との合力を超えたときに、接触面全域が開弁する。そして、開弁後は、抵抗力が消滅するため、弁体は、急に大きな加速度を受けて振動する。この結果、オイル流量が急激に変化し、油圧(吐出圧)が脈動することにより、不要な音(コトコト音、100~500Hz)が発生する可能性がある。即ち、従来技術の場合、圧力制御弁が開弁するときに(弁体がシート面から離れるときに)、弁体に加わる圧力が急変することに伴って、不要な音である異音(コトコト音)が発生する可能性がある。
そこで、実施形態では、弁体としてのパイロット弁体32の先端部を傾斜させている。これにより、パイロット弁体32が開弁するとき、即ち、パイロット弁体32がパイロットボディ26のシート面26Eから離れるときに、パイロット弁体32の振動を抑制し、油圧(吐出圧)が脈動することを低減している。以下、これらの点について説明する。
先ず、図1に示すように、緩衝器1は、シリンダとしての内筒4および外筒2と、ピストン5と、ピストンロッド8と、圧力制御弁33と、を備えている。圧力制御弁33は、内筒4内のピストン5の摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させ、開弁圧力を調整可能である。圧力制御弁33は、緩衝器1に設けられている。図3に示すように、圧力制御弁33は、弁体としてのパイロット弁体32と、作動ピンとなる軸部49と、プランジャ48と、ソレノイド35Aと、第1軸受38および第2軸受43と、を有している。図2および図5の(A)に示すように、パイロット弁体32は、シート面26Eに着座する。シート面26Eは、パイロットボディ26の底部26Bに設けられた弁座部(弁座面)に対応する。
図3に示すように、軸部49は、パイロット弁体32と一体的に設けられている。プランジャ48には、軸部49が挿入されている。プランジャ48は、パイロット弁体32をシート面26E側に付勢して開弁圧力を調整する。ソレノイド35Aは、プランジャ48の推力を調整する。ソレノイド35Aは、コイルボビン35A1とコイル35A2とを含んで構成されている。第1軸受38および第2軸受43は、軸部49の一側と他側を支持する。第1軸受38は、パイロット弁体32から離れた側となる一側(図3の上側)に設けられており、第2軸受43は、パイロット弁体32に近い側となる他側(図3の下側)に設けられている。
図4に示すように、実施形態では、圧力制御弁33のパイロット弁体32の形状を工夫している。具体的には、パイロット弁体32のシート面26Eに対する接触面61を、パイロット弁体32(および軸部49)の中心軸線D-Dに直交する面C-Cに対して傾斜角βで傾斜させている。これにより、パイロット弁体32がシート面26Eから離間しているとき、パイロット弁体32の周方向位置によりシート面26Eまでの軸方向長さが異なるようにしている。即ち、パイロット弁体32の中心軸D-Dをシート面26Eに対して直交させた状態でパイロット弁体32とシート面26Eとを離間させたときに、パイロット弁体32の周方向位置によりパイロット弁体32(接触面61)からシート面26Eまでの軸方向長さ(接触面61とシート面26Eとの間の軸方向距離)が異なっている。
より詳しく説明すると、パイロット弁体32のうちシート面26Eと接触する部分を接触部62とし、接触部62のなす平面を接触面61とする。この場合に、接触面61を傾斜させている。即ち、接触面61をA-A面とし、シート面26EをB-B面とし、シート面26EであるB-B面と平行な面をC-C面としたときに、A-A面とC-C面との間に傾斜角βを持たせている。換言すれば、パイロット弁体32と一体に設けられる軸部46の中心軸線をD-Dとし、軸部49の中心軸線D-Dをシート面26EであるB-B面に対して直交させる(中心軸線D-DをC-C面に対して直交させる)。この状態で、接触面61となるA-A面を、中心軸線D-Dと直交するC-C面と一致させずに、このC-C面に対して傾斜するようにしている。
さらに、実施形態では、図5に誇張して示すように、軸部49を支持する2個の軸受38,43と軸部49との間には、クリアランス(隙間)を設けている。この場合に、それぞれのクリアランス量e1,e2は、軸受38,43とパイロット弁体32との距離(例えば、第1軸受38の上端とシート面26Eとの距離h1、第2軸受43の上端とシート面26Eとの距離h2)と傾斜角βとから決定する。具体的には、クリアランス量e1,e2は、パイロット弁体32が閉弁したときに、接触面61であるA-A面とシート面26EであるB-B面との接触に基づいて軸部49が傾斜することに伴って、パイロット弁体32の軸部49が軸受38,43から垂直抗力F1,F2を受けるように設定している。
図5は、圧力制御弁33の「(A)開弁状態」および「(B)閉弁から開弁への移行中の状態」を示している。図5では、軸部49と軸受38,43との隙間(クリアランス量e1,e2)、軸部49の傾き等を誇張して示している。図5の(A)に示すように、パイロット弁体32から遠い側の第1軸受のクリアランスをe1とし、パイロット弁体32に近い側の第2軸受のクリアランスをe2とした場合に、e1>e2としている。これにより、図5の(B)に示すように、パイロット弁体32がシート面26Eと接触した閉弁状態で、軸部49は、接触面61の傾斜角βとクリアランス量e1,e2とに基づいて傾斜する。そして、パイロット弁体32が閉弁するときに、軸部49は、パイロット弁体32の進行方向に対して傾斜して軸受38,43に接触した状態で、シート面26Eから離れる方向に移動する。これにより、軸部49は、軸受38,43から垂直抗力F1,F2を受ける。
このように、実施形態では、パイロット弁体32の周方向位置によりシート面26Eまでの軸方向距離が異なっている。これにより、パイロット弁体32の接触部62のなす平面、即ち、パイロット弁体32の接触面61は、シート面26Eに対して傾斜角βを持っている。そして、パイロットボディ26の中心孔26C側が圧力制御弁33の上流側となり、パイロット弁体32が変位する油室が圧力制御弁33の下流側となっている。
図5の(A)は、パイロット弁体32が開弁した状態を示している。この状態から、パイロット弁体32は、プランジャ48および軸部49を介してソレノイド35Aへの電流の供給に応じた推力を受け、パイロットボディ26のシート面26Eに押し付けられる。これにより、図5の(B)に示すように、パイロット弁体32は、閉弁する。パイロット弁体32が閉弁すると、パイロット弁体32は、傾斜角βに基づいてパイロット弁体32の進行方向に対して傾斜し、軸部49の外周面の一部が軸受38,43の内周面の一部と接触する。これにより、軸部49は、両方の軸受38,43から垂直抗力F1,F2を受け、パイロット弁体32の接触面61とシート面26Eとの接触面圧が不均一になる。
この結果、パイロット弁体32の開弁初期は、軸部49の外周面と軸受38,43の内周面との摩擦力に基づいて、軸部の上下方向の動きを緩やかにできる。また、パイロット弁体32の接触面61とシート面26Eとの接触面圧が不均一であることに基づいて、開弁するときに、パイロット弁体32が面圧の低い部分から緩やかに開弁する。これらにより、パイロット弁体32が開弁するときに、オイル流量の立ち上がりを緩やかにでき、油圧の脈動を低減できる。
ここで、軸受38,43の内径は、小さくする程、閉弁中の垂直抗力を大きくすることができる。このため、軸受38,43の内径の調整により、垂直抗力F1,F2を調整できる。そして、垂直抗力F1,F2を調整することにより、軸部49の外周面と軸受38,43の内周面との摩擦力、および、パイロット弁体32の接触面61とシート面26Eとの接触面圧(不均一の程度)を調整することができる。また、接触面61の傾斜角βは、大きくする程、閉弁中の垂直抗力F1,F2を大きくすることができる。このため、接触面61の傾斜角βの調整により、垂直抗力F1,F2を調整できる。これにより、この面からも、軸部49の外周面と軸受38,43の内周面との摩擦力、および、パイロット弁体32の接触面61とシート面26Eとの接触面圧(不均一の程度)を調整することができる。そして、摩擦力および接触面圧(不均一の程度)を調整することにより、オイル流量の立ち上がりを緩やかにし、油圧の脈動を低減することができる。
本実施形態による圧力制御弁33および緩衝器1は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、緩衝器1を自動車等の車両に実装するときには、例えば、ピストンロッド8の上端側(突出端側)が車両の車体側に取付けられ、ボトムキャップ3に設けられた取付アイ3A側が車輪側に取付けられる。また、減衰力調整機構17のソレノイドアクチュエータ34は、車両の車体側に設けられた制御装置(コントローラ)に電気配線のケーブル(いずれも図示せず)等を介して接続される。
車両の走行時には、路面の凹凸等により、上下方向の振動が発生すると、ピストンロッド8が外筒2から伸長、縮小するように変位し、減衰力調整機構17等により減衰力を発生することができ、車両の振動を緩衝することができる。このとき、コントローラによりソレノイド35A(コイル35A2)への電流値を制御し、パイロット弁体32の開弁圧を調整することにより、緩衝器1の発生減衰力を可変に調整することができる。
例えば、ピストンロッド8の伸び行程時には、内筒4内のピストン5の移動によってピストン5の縮み側逆止弁7が閉じる。ピストン5のディスクバルブ6の開弁前には、ロッド側油室Bの油液が加圧され、内筒4の油穴4A、環状油室D、中間筒12の接続口12Cを通じて減衰力調整バルブ18の接続管体20の油路20Bに流入する。このとき、ピストン5が移動した分の油液は、リザーバ室Aからボトムバルブ13の伸び側逆止弁16を開いてボトム側油室Cに流入する。なお、ロッド側油室Bの圧力がディスクバルブ6の開弁圧力に達すると、該ディスクバルブ6が開き、ロッド側油室Bの圧力をボトム側油室Cにリリーフする。
減衰力調整機構17では、接続管体20の油路20Bに流入した油液は、メインバルブ23の開弁前(ピストン速度低速域)においては、図2に矢印Xで示すように、バルブ部材21の中心孔21A、パイロットピン24の中心孔24B、パイロットボディ26の中心孔26Cを通り、パイロット弁体32を押し開き、パイロットボディ26の内側に流入する。そして、パイロットボディ26の内側に流入した油液は、パイロット弁体32のフランジ部32Aとディスクバルブ29との間、保持プレート30の油路30A、キャップ31の切欠き31A、バルブケース19の油室19Cを通ってリザーバ室Aへ流れる。ピストン速度の上昇に伴って、接続管体20の油路20Bの圧力、即ち、ロッド側油室Bの圧力が、メインバルブ23の開弁圧力に達すると、接続管体20の油路20Bに流入した油液は、図2に矢印Yで示すように、バルブ部材21の油路21Bを通り、メインバルブ23を押し開き、バルブケース19の油室19Cを通ってリザーバ室Aへ流れる。
一方、ピストンロッド8の縮み行程時には、内筒4内のピストン5の移動によってピストン5の縮み側逆止弁7が開き、ボトムバルブ13の伸び側逆止弁16が閉じる。ボトムバルブ13(ディスクバルブ15)の開弁前には、ボトム側油室Cの油液がロッド側油室Bに流入する。これと共に、ピストンロッド8が内筒4内に浸入した分に相当する油液が、ロッド側油室Bから減衰力調整バルブ18を介してリザーバ室Aに、伸び行程時と同様の経路で流れる。なお、ボトム側油室C内の圧力がボトムバルブ13(ディスクバルブ15)の開弁圧力に達すると、ボトムバルブ13(ディスクバルブ15)が開き、ボトム側油室Cの圧力をリザーバ室Aにリリーフする。
これにより、ピストンロッド8の伸び行程時と縮み行程時に、減衰力調整バルブ18のメインバルブ23の開弁前は、パイロットピン24のオリフィス24Cとパイロット弁体32の開弁圧力とによって減衰力が発生し、メインバルブ23の開弁後は、該メインバルブ23の開度に応じて減衰力が発生する。この場合、ソレノイドアクチュエータ34のソレノイド35Aへの通電によってパイロット弁体32の開弁圧力を調整することにより、ピストン速度に拘わらず、減衰力を直接制御することができる。
具体的には、ソレノイド35Aへの通電電流を小さくしてプランジャ48の推力を小さくすると、パイロット弁体32の開弁圧力が低下し、ソフト側の減衰力が発生する。一方、ソレノイド35Aへの通電電流を大きくしてプランジャ48の推力を大きくすると、パイロット弁体32の開弁圧力が上昇し、ハード側の減衰力が発生する。このとき、パイロット弁体32の開弁圧力によって、その上流側の油路25を介して連通する背圧室27の内圧が変化する。これにより、パイロット弁体32の開弁圧力を制御することにより、メインバルブ23の開弁圧力を同時に調整することができ、減衰力特性の調整範囲を広くすることができる。
なお、ソレノイド35Aの断線等によりプランジャ48の推力が失われた場合には、パイロット弁体32がリターンばね28により後退(シート面26Eから離れる方向に変位)し、パイロット弁体32のフランジ部32Aとディスクバルブ29とが当接する。この状態では、ディスクバルブ29の開弁圧によって減衰力を発生することができ、コイルの断線等の不調時にも、必要な減衰力を得ることができる。
ここで、実施形態によれば、圧力制御弁33が開弁しているとき、即ち、パイロット弁体32がシート面26Eから離間しているとき、パイロット弁体32の周方向位置によりシート面26Eまでの軸方向長さ(接触面61とシート面26Eとの間の軸方向距離)が異なっている。このため、図5の(B)に示すように、パイロット弁体32をシート面26Eに接触させたときに、軸部49の中心軸線D-Dを第1軸受38および第2軸受43の中心軸に対して傾斜させることができる。即ち、軸部49の外周面を第1軸受38の内周面および第2軸受43の内周面に対して傾斜した状態で接触させることができる。これにより、パイロット弁体32の開弁初期に、軸部49の外周面と第1軸受38の内周面および第2軸受43の内周面との摺動により摩擦力が発生し、軸部49の上下方向の動きを緩やかにできる。この結果、パイロット弁体32の開弁によるオイル流量の立ち上がりが緩やかになり、油圧の脈動を低減できる。
また、パイロット弁体32の閉弁状態では、パイロット弁体32とシート面26Eとの接触に基づいて軸部49が第1軸受38および第2軸受43の中心軸に対して傾斜することにより、軸部49には、軸部49の外周面の一部と第1軸受38の内周面の一部および第2軸受43の内周面の一部との接触に基づいて、垂直抗力F1,F2が加わる。これにより、パイロット弁体32の接触面61とシート面26Eと面圧を不均一にできる。このため、パイロット弁体32が開弁するときに、面圧の低い部分から緩やかにパイロット弁体32が開弁する。この結果、この面からも、オイル流量の立ち上がりが緩やかになり、油圧の脈動を低減できる。
図6は、圧力制御弁33の解析結果、即ち、圧力制御弁33の吐出圧の時間変化を示している。図6中の実線71は、接触面61を傾斜させた実施形態の圧力制御弁33の吐出圧に対応し、図6中の破線72は、接触面を傾斜させていない比較例の圧力制御弁の吐出圧に対応する。図6では、実施形態の圧力制御弁33と比較例の圧力制御弁とに、それぞれ流量1[L/min]のステップ入力を与えたときの、弁体(パイロット弁体)の前後差圧(上流側と下流側との差圧)による油圧の脈動の波形(特性)を示している。図6から明らかなように、実施形態の圧力制御弁33は、比較例の圧力制御弁に対して、油圧脈動の最大差圧を小さくでき、油圧脈動を抑えることができる。
なお、実施形態では、軸部49に第1軸受38との接触に基づく垂直抗力F1と第2軸受43との接触に基づく垂直抗力F2とが加わる構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、軸部に第1軸受と第2軸受とのうちのいずれか一方の軸受との接触に基づく垂直抗力が加わるように、クリアランス量および傾斜角を設定してもよい。
実施形態では、ハウジング36とシリンダ44、および、シリンダ44とヨーク39とを、ろう材を介して接合する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、ハウジング36とシリンダ44、および、シリンダ44とヨーク39を溶接にて接合してもよい。
実施形態では、アンカ41をヨーク39の固定穴39A内に圧入により固定する場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、ねじ等の螺合手段、かしめ手段等を用いてアンカをヨーク内に固定する構成としてもよい。
実施形態では、アンカ41とヨーク39とを別体(別部品)に構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、アンカとヨークとを一体(一部品)に構成してもよい。
実施形態では、シリンダ44の一側をヨーク39に固定する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、シリンダ(接合部材)の一側をアンカに固定する構成としてもよい。
実施形態では、ヨーク39に他側筒部39Hを設け、他側筒部39Hの先端側(軸方向他側)をカシメ部39Jによりカバー部材51の外周側に固定する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、ヨークの環状部と他側筒部とを別体に形成し、この他側筒部をカバー部材と一体に形成する構成としてもよい。
実施形態では、ソレノイドアクチュエータ34を比例ソレノイドとして構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、ON/OFF式のソレノイドとして構成してもよい。
実施形態では、外筒2と内筒4とからなる複筒式の緩衝器1を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、単筒式の筒部材(シリンダ)からなる減衰力調整式緩衝器に用いてもよい。
実施形態では、ソレノイドアクチュエータ34を緩衝器1の減衰力可変アクチュエータとして用いる場合、即ち、減衰力調整機構17のパイロット弁体32をソレノイドアクチュエータ34の駆動対象物とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、ソレノイドアクチュエータは、例えば、油圧回路に用いるバルブ等の各種機械装置に組み込まれるアクチュエータ、即ち、直線的に駆動すべき駆動対象物を駆動する駆動装置として広く用いることができる。
以上説明した実施形態によれば、弁体がシート面から離間しているとき、弁体の周方向位置によりシート面までの軸方向長さが異なっている。このため、弁体をシート面に接触させたときに、軸部を第1軸受および第2軸受の中心軸に対して傾斜させることができる。即ち、軸部の外周面を第1軸受の内周面および/または第2軸受の内周面に対して傾斜した状態で接触させることができる。これにより、弁体の開弁初期に、軸部の外周面と第1軸受の内周面および/または第2軸受の内周面との摺動により摩擦力が発生し、軸部の上下方向の動きを緩やかにできる。この結果、開弁によるオイル流量の立ち上がりが緩やかになり、油圧の脈動を低減できる。また、弁体の閉弁状態では、弁体とシート面との接触に基づいて軸部が第1軸受および第2軸受の中心軸に対して傾斜することにより、軸部には、軸部の外周面の一部と第1軸受の内周面の一部および/または第2軸受の内周面の一部との接触に基づいて、垂直抗力が加わる。これにより、弁体とシート面との接触面圧を不均一にできる。このため、開弁するときに、弁体が面圧の低い部分から緩やかに開弁する。この結果、この面からも、オイル流量の立ち上がりが緩やかになり、油圧の脈動を低減できる。
1:緩衝器(減衰力調整式緩衝器)
2:外筒(シリンダ)
4:内筒(シリンダ)
5:ピストン
8:ピストンロッド
26E:シート面
32:パイロット弁体(弁体)
33:圧力制御弁
35A:ソレノイド
38:第1軸受
43:第2軸受
48:プランジャ
49:軸部

Claims (2)

  1. 作動流体が封入されたシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、
    一端が前記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、
    前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させ、開弁圧力を調整可能な圧力制御弁と、を備え、
    前記圧力制御弁は、
    シート面に着座する弁体と、
    前記弁体と一体的に設けられた軸部と、
    前記軸部が挿入されて前記弁体を前記シート面側に付勢して開弁圧力を調整するプランジャと、
    前記プランジャの推力を調整するソレノイドと、
    前記軸部の一側と他側を支持する第1軸受および第2軸受と、を有し、
    前記弁体が前記シート面から離間しているとき、前記弁体の周方向位置により前記シート面までの軸方向長さが異なる、減衰力調整式緩衝器。
  2. 減衰力調整式緩衝器に設けられる圧力制御弁であって、
    前記圧力制御弁は、
    シート面に着座する弁体と、
    前記弁体と一体的に設けられた軸部と、
    前記軸部が挿入されて前記弁体を前記シート面側に付勢して開弁圧力を調整するプランジャと、
    前記プランジャの推力を調整するソレノイドと、
    前記軸部の一側と他側を支持する第1軸受および第2軸受と、を有し、
    前記弁体が前記シート面から離間しているとき、前記弁体の周方向位置により前記シート面までの軸方向長さが異なる、圧力制御弁。
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