JPH11281750A - 電磁誘導式パイプロケータの検知コイル - Google Patents
電磁誘導式パイプロケータの検知コイルInfo
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- JPH11281750A JPH11281750A JP10079677A JP7967798A JPH11281750A JP H11281750 A JPH11281750 A JP H11281750A JP 10079677 A JP10079677 A JP 10079677A JP 7967798 A JP7967798 A JP 7967798A JP H11281750 A JPH11281750 A JP H11281750A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 地下埋設管の埋設位置を電磁誘導式パイプロ
ケータで探査する際に、信号を地下埋設管に導くケーブ
ルからの磁場の影響を受けにくくする。 【解決手段】 (a)に示すように、検出器20の探査
棒22の先端に装着する検知コイル21は、高さhが小
さく、幅Wが大きい偏平な形状とする。(b)に示すよ
うに、地下埋設管32の上方の地表面33に沿って検知
コイル21を移動させると、扁平コイルからの信号出力
35のような磁界の強度変化が得られる。高さhが大き
な従来の検知コイルを用いると、(b)に示すような従
来コイルからの信号出力36のように、地下埋設管32
の埋設位置および深さについての検出精度が劣化する。
ケータで探査する際に、信号を地下埋設管に導くケーブ
ルからの磁場の影響を受けにくくする。 【解決手段】 (a)に示すように、検出器20の探査
棒22の先端に装着する検知コイル21は、高さhが小
さく、幅Wが大きい偏平な形状とする。(b)に示すよ
うに、地下埋設管32の上方の地表面33に沿って検知
コイル21を移動させると、扁平コイルからの信号出力
35のような磁界の強度変化が得られる。高さhが大き
な従来の検知コイルを用いると、(b)に示すような従
来コイルからの信号出力36のように、地下埋設管32
の埋設位置および深さについての検出精度が劣化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ガス供給用の
配管など、地下埋設管の埋設位置を探査するために用い
る電磁誘導式パイプロケータの検知コイルに関する。
配管など、地下埋設管の埋設位置を探査するために用い
る電磁誘導式パイプロケータの検知コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、一旦地下に埋設された都市ガ
ス供給管などの埋設位置を、地表面から改めて探索する
ために、電磁誘導式パイプロケータが使用されている。
地下埋設管は、埋設工事が行われた後で、時間経過とと
もに正確な埋設位置などが不明になる場合がある。ま
た、地盤変動などに伴って埋設位置が移動する場合もあ
る。埋設位置の付近で新たな掘削工事を行う場合なども
あり、その際に埋設管を破損させる恐れがある。また都
市ガスなどの供給管では、新たな顧客が都市ガスの利用
を開始するときに、新たに掘削して供給用の管路の分岐
部を設ける必要もある。
ス供給管などの埋設位置を、地表面から改めて探索する
ために、電磁誘導式パイプロケータが使用されている。
地下埋設管は、埋設工事が行われた後で、時間経過とと
もに正確な埋設位置などが不明になる場合がある。ま
た、地盤変動などに伴って埋設位置が移動する場合もあ
る。埋設位置の付近で新たな掘削工事を行う場合なども
あり、その際に埋設管を破損させる恐れがある。また都
市ガスなどの供給管では、新たな顧客が都市ガスの利用
を開始するときに、新たに掘削して供給用の管路の分岐
部を設ける必要もある。
【0003】図5は、従来からの電磁式パイプロケータ
で土壌1中に埋設されている地下埋設管2の位置を地表
面3から探査している状態を示す。このような探査法
は、2点法と呼ばれ、地下埋設管2に間隔をあけた2箇
所で接続して地下埋設管2に信号電流を流す。たとえば
地表面3に設けるプロテクタ4内でバルブ5などに1点
目の接続を行い、地下埋設管2から分岐して顧客に都市
ガスを供給する供給管6からガスメータ7に至る途中の
露出部に2点目の接続を行う。2つの接続点には2本の
ケーブル8の先端をそれぞれ電気的に接続し、2本のケ
ーブル8の基端は発信器9の出力端子に接続する。発信
器9は、たとえば2kHz〜100kHzの周波数帯域
中で、一定の周波数の交流信号を発生し、地下埋設管2
に信号電流を流す。
で土壌1中に埋設されている地下埋設管2の位置を地表
面3から探査している状態を示す。このような探査法
は、2点法と呼ばれ、地下埋設管2に間隔をあけた2箇
所で接続して地下埋設管2に信号電流を流す。たとえば
地表面3に設けるプロテクタ4内でバルブ5などに1点
目の接続を行い、地下埋設管2から分岐して顧客に都市
ガスを供給する供給管6からガスメータ7に至る途中の
露出部に2点目の接続を行う。2つの接続点には2本の
ケーブル8の先端をそれぞれ電気的に接続し、2本のケ
ーブル8の基端は発信器9の出力端子に接続する。発信
器9は、たとえば2kHz〜100kHzの周波数帯域
中で、一定の周波数の交流信号を発生し、地下埋設管2
に信号電流を流す。
【0004】地下埋設管2に信号電流が流れると、土壌
1および地表面3の上方の空間には信号電流に応じた磁
界が発生する。地表面3上で検出器10を用い、地下埋
設管2から発生する磁界を検出して、地下埋設管2の埋
設位置を地表面3上から探査する。検出器10は、検知
コイル11と下端に検知コイル11が装着される探査棒
12とから成る。探査棒12を保持して作業者が地表面
3上を移動すると、検知コイル11に電気的に接続され
る信号線13から受信器14に入力される受信信号の強
度のピーク値が得られる位置の直下が地下埋設管2の埋
設位置であると検知される。
1および地表面3の上方の空間には信号電流に応じた磁
界が発生する。地表面3上で検出器10を用い、地下埋
設管2から発生する磁界を検出して、地下埋設管2の埋
設位置を地表面3上から探査する。検出器10は、検知
コイル11と下端に検知コイル11が装着される探査棒
12とから成る。探査棒12を保持して作業者が地表面
3上を移動すると、検知コイル11に電気的に接続され
る信号線13から受信器14に入力される受信信号の強
度のピーク値が得られる位置の直下が地下埋設管2の埋
設位置であると検知される。
【0005】図6は、図5に示すような電磁誘導式パイ
プロケータを用いて得られる磁界の強度分布の例を示
す。強度のピーク値が地下埋設管2の埋設位置に対応す
る。また地表面3から地下埋設管2までの深さDは、磁
界強度がピーク値の80%になる地点間の距離に等し
い。すなわち、図6に示すような磁界強度分布を計測す
れば、地下埋設管2の埋設位置と埋設深さDとを探査す
ることができる。
プロケータを用いて得られる磁界の強度分布の例を示
す。強度のピーク値が地下埋設管2の埋設位置に対応す
る。また地表面3から地下埋設管2までの深さDは、磁
界強度がピーク値の80%になる地点間の距離に等し
い。すなわち、図6に示すような磁界強度分布を計測す
れば、地下埋設管2の埋設位置と埋設深さDとを探査す
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電磁誘導式パイプロケ
ータを用いる地下埋設管2の位置探査では、地下埋設管
2のみに信号電流が流れていれば、図6に示すように埋
設位置および埋設深さを探査することができる。しかし
ながら、図5に示すように、地下埋設管2に信号電流を
流すためには、ケーブル8によって発信器9の出力を地
下埋設管2まで導く必要がある。ケーブル8にも地下埋
設管2と同程度の信号電流が流れ、その周囲には電磁界
が発生する。地下埋設管2の埋設深さは、たとえば12
0cm程度である。ケーブル8から発生する電磁界が正
確な地下埋設管2の位置測定に影響を与えないようにす
るため、ケーブル8はなるべく地下埋設管2から離れた
場所にはわせるようにしている。しかしながら、狭い場
所で地下埋設管2の位置を探査しなければならない場合
には、地下埋設管2の推定される埋設位置とケーブル8
との距離を充分に取ることができない条件下で地下埋設
管2の位置を探査しなければならない場合がある。ケー
ブル8の磁気シールドは難しく、たとえ同軸ケーブルを
用いても、外側の網線にも漏れ電流が流れてしまい、結
局普通のケーブルと同様の磁界が発生する結果となり、
ケーブル8を同軸ケーブルに変えても、ケーブル8から
の磁界の軽減の効果は見込めないことが明らかとなって
いる。
ータを用いる地下埋設管2の位置探査では、地下埋設管
2のみに信号電流が流れていれば、図6に示すように埋
設位置および埋設深さを探査することができる。しかし
ながら、図5に示すように、地下埋設管2に信号電流を
流すためには、ケーブル8によって発信器9の出力を地
下埋設管2まで導く必要がある。ケーブル8にも地下埋
設管2と同程度の信号電流が流れ、その周囲には電磁界
が発生する。地下埋設管2の埋設深さは、たとえば12
0cm程度である。ケーブル8から発生する電磁界が正
確な地下埋設管2の位置測定に影響を与えないようにす
るため、ケーブル8はなるべく地下埋設管2から離れた
場所にはわせるようにしている。しかしながら、狭い場
所で地下埋設管2の位置を探査しなければならない場合
には、地下埋設管2の推定される埋設位置とケーブル8
との距離を充分に取ることができない条件下で地下埋設
管2の位置を探査しなければならない場合がある。ケー
ブル8の磁気シールドは難しく、たとえ同軸ケーブルを
用いても、外側の網線にも漏れ電流が流れてしまい、結
局普通のケーブルと同様の磁界が発生する結果となり、
ケーブル8を同軸ケーブルに変えても、ケーブル8から
の磁界の軽減の効果は見込めないことが明らかとなって
いる。
【0007】本発明の目的は、ケーブルから発生する磁
界の影響を少なくし、正確に地下埋設位置の探査を行う
ことができる電磁誘導式パイプロケータの検知コイルを
提供することである。
界の影響を少なくし、正確に地下埋設位置の探査を行う
ことができる電磁誘導式パイプロケータの検知コイルを
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、地下埋設管に
信号電流を流し、地表面での電磁界強度分布を計測し
て、地下埋設管の埋設位置を探査するための電磁誘導式
パイプロケータの検知コイルにおいて、高さが予め定め
る基準値以下である偏平な形状を有することを特徴とす
る電磁誘導式パイプロケータの検知コイルである。
信号電流を流し、地表面での電磁界強度分布を計測し
て、地下埋設管の埋設位置を探査するための電磁誘導式
パイプロケータの検知コイルにおいて、高さが予め定め
る基準値以下である偏平な形状を有することを特徴とす
る電磁誘導式パイプロケータの検知コイルである。
【0009】本発明に従えば、電磁誘導式パイプロケー
タで地下埋設管からの磁界を検出する検知コイルは、高
さが予め定める基準値以下である偏平な形状を有する。
地下埋設管に信号電流を供給するためのケーブルは、地
表面にはわせるので、検知コイルはケーブルから発生す
る磁界を水平方向から受ける。地下埋設管から発生する
磁界は、地表面で鉛直方向から受ける。検知コイルの形
状が扁平であるので、地表面に沿って検知コイルを移動
させるとき、地下埋設管の直上で鉛直方向に作用する磁
界を水平方向から作用するケーブルによる磁界の影響が
小さい状態で位置探査を行うことができる。検知コイル
の高さは予め定める基準値以下であるので、基準値をた
とえばケーブルが地下埋設管の埋設深さとして予想され
る深さよりも近い距離に存在する場合でも、測定誤差が
許容値以下となるように設定しておくことによって、ケ
ーブルから発生する磁界の影響を抑えて、正確な地下埋
設管の位置探査を行うことができる。
タで地下埋設管からの磁界を検出する検知コイルは、高
さが予め定める基準値以下である偏平な形状を有する。
地下埋設管に信号電流を供給するためのケーブルは、地
表面にはわせるので、検知コイルはケーブルから発生す
る磁界を水平方向から受ける。地下埋設管から発生する
磁界は、地表面で鉛直方向から受ける。検知コイルの形
状が扁平であるので、地表面に沿って検知コイルを移動
させるとき、地下埋設管の直上で鉛直方向に作用する磁
界を水平方向から作用するケーブルによる磁界の影響が
小さい状態で位置探査を行うことができる。検知コイル
の高さは予め定める基準値以下であるので、基準値をた
とえばケーブルが地下埋設管の埋設深さとして予想され
る深さよりも近い距離に存在する場合でも、測定誤差が
許容値以下となるように設定しておくことによって、ケ
ーブルから発生する磁界の影響を抑えて、正確な地下埋
設管の位置探査を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
電磁誘導式パイプロケータの検知コイルの概略的な構
成、および検知する磁場の強度分布を従来の検知コイル
によって検知される磁界強度分布と比較して示す。図1
(a)に示すように、本実施形態の検出器20は、偏平
な検知コイル21を有する。検知コイル21の高さh
は、たとえば0.5cmである。検知コイル21の幅W
は、たとえば15〜20cmである。検知コイル21
は、探査棒22の下端に装着され、作業者が検知コイル
21を地表面に接触させながら、地表面上を移動させる
ことができる。探査棒22の上端からは、信号線23で
検知コイル21に誘起される電気的信号が、図5に示し
たような受信器14と同等な受信器に入力され、検知す
る磁界の強度を計測することができる。
電磁誘導式パイプロケータの検知コイルの概略的な構
成、および検知する磁場の強度分布を従来の検知コイル
によって検知される磁界強度分布と比較して示す。図1
(a)に示すように、本実施形態の検出器20は、偏平
な検知コイル21を有する。検知コイル21の高さh
は、たとえば0.5cmである。検知コイル21の幅W
は、たとえば15〜20cmである。検知コイル21
は、探査棒22の下端に装着され、作業者が検知コイル
21を地表面に接触させながら、地表面上を移動させる
ことができる。探査棒22の上端からは、信号線23で
検知コイル21に誘起される電気的信号が、図5に示し
たような受信器14と同等な受信器に入力され、検知す
る磁界の強度を計測することができる。
【0011】図1(b)に示すように、実際の電磁誘導
式パイプロケータによる土壌31中の地下埋設管32の
位置探査は、地表面33で信号供給用のケーブル34が
近接して配置されている条件下で行われることがある。
ケーブル34には、地下埋設管32と同様な信号電流が
流れる一方、地下埋設管32までの距離は埋設深さ以下
にはならないのに対し、ケーブル34に対しての距離は
より小さくなり得る。このため、扁平コイルからの信号
出力35および従来コイルからの信号出力36として示
すように、ケーブル34の直上の位置の方が検知される
磁界強度は強くなる。ケーブル34によって地下埋設管
32に信号電流を供給する場合には、信号電流の向きは
地下埋設管32とケーブル34とで逆方向となる。この
ため、地下埋設管32に流れる信号電流によって生じる
磁界の方向とケーブル34に流れる信号電流によって生
じる磁界の方向とは逆方向となり、地下埋設管32の埋
設位置の直上とケーブル34の位置との中間付近で磁界
強度が小さくなる。
式パイプロケータによる土壌31中の地下埋設管32の
位置探査は、地表面33で信号供給用のケーブル34が
近接して配置されている条件下で行われることがある。
ケーブル34には、地下埋設管32と同様な信号電流が
流れる一方、地下埋設管32までの距離は埋設深さ以下
にはならないのに対し、ケーブル34に対しての距離は
より小さくなり得る。このため、扁平コイルからの信号
出力35および従来コイルからの信号出力36として示
すように、ケーブル34の直上の位置の方が検知される
磁界強度は強くなる。ケーブル34によって地下埋設管
32に信号電流を供給する場合には、信号電流の向きは
地下埋設管32とケーブル34とで逆方向となる。この
ため、地下埋設管32に流れる信号電流によって生じる
磁界の方向とケーブル34に流れる信号電流によって生
じる磁界の方向とは逆方向となり、地下埋設管32の埋
設位置の直上とケーブル34の位置との中間付近で磁界
強度が小さくなる。
【0012】図2は、図1(b)に示す扁平コイルから
の信号出力35や従来コイルからの信号出力36のよう
に、磁界強度がケーブル34と地下埋設管32との間で
低下する理由を示す。図2(a)に示すように、信号電
流Iが流れると、その周囲の空間には信号電流Iの方向
に垂直な方向の磁場が同心円状に生じる。信号電流Iか
ら半径r離れた位置での磁場の強さである磁束密度B
は、周囲の空間の透磁率をμ0とすると、磁束密度Bは
次の第1式のように表される。
の信号出力35や従来コイルからの信号出力36のよう
に、磁界強度がケーブル34と地下埋設管32との間で
低下する理由を示す。図2(a)に示すように、信号電
流Iが流れると、その周囲の空間には信号電流Iの方向
に垂直な方向の磁場が同心円状に生じる。信号電流Iか
ら半径r離れた位置での磁場の強さである磁束密度B
は、周囲の空間の透磁率をμ0とすると、磁束密度Bは
次の第1式のように表される。
【0013】
【数1】
【0014】図1(b)に示すように地下埋設管32と
地表面33上のケーブル34とに信号電流が流れると、
たとえば空間の1点Pでは、地下埋設管32に流れる信
号電流によって生じる磁束密度Bpipeとケーブル3
4に流れる信号電流によって生じる磁束密度Bcabl
eとが生じる。ケーブル34の中心から点Pまでに至る
直線と、地表面33の法線との成す角をθとし、地下埋
設管32の中心と点Pとを結ぶ直線と地表面33の法線
とを結ぶ直線の成す角をφとする。点Pにおいて発生す
る磁界の強さであるBcableは、点Pとケーブル3
4の中心とを結ぶ直線に垂直な方向に発生する。また地
下埋設管32に基づく磁束密度Bpipeは、点Pと地
下埋設管32との間を結ぶ直線に垂直な方向に生じる。
点Pに生じる磁場の成分のうち、たとえば地表面33に
平行なx方向の成分は、磁束密度BcableとBpi
peとが合成されたものである。この合成の際には、次
の第2式従ってx方向の磁界の強さBxが求められる。
地表面33上のケーブル34とに信号電流が流れると、
たとえば空間の1点Pでは、地下埋設管32に流れる信
号電流によって生じる磁束密度Bpipeとケーブル3
4に流れる信号電流によって生じる磁束密度Bcabl
eとが生じる。ケーブル34の中心から点Pまでに至る
直線と、地表面33の法線との成す角をθとし、地下埋
設管32の中心と点Pとを結ぶ直線と地表面33の法線
とを結ぶ直線の成す角をφとする。点Pにおいて発生す
る磁界の強さであるBcableは、点Pとケーブル3
4の中心とを結ぶ直線に垂直な方向に発生する。また地
下埋設管32に基づく磁束密度Bpipeは、点Pと地
下埋設管32との間を結ぶ直線に垂直な方向に生じる。
点Pに生じる磁場の成分のうち、たとえば地表面33に
平行なx方向の成分は、磁束密度BcableとBpi
peとが合成されたものである。この合成の際には、次
の第2式従ってx方向の磁界の強さBxが求められる。
【0015】 Bx=Bpipe×cosφ+Bcable×cosθ …(2) 点Pにおける磁場の強さは、x方向の成分とそれに垂直
な方向の成分とを合成して得られる。本実施形態の検知
コイル21は偏平な形状であるので、水平方向すなわち
x方向の成分の検知感度に比較して、xに垂直な方向の
成分の検知感度は極めて低くなる。さらに、図1(a)
に示す高さhが小さいので、検知コイル21を地表面3
3上に接触させている状態では、図2(b)に示す角度
θは90°に近くなる。このため第2式でケーブル34
に流れる信号電流によって発生する磁束密度Bcabl
eに乗算するcosθの値が小さくなり、検知コイル2
1が検知する磁場の強さは、ケーブル34を流れる信号
電流による磁場の影響を受けにくくなり、正確な位置検
知を行うことができる。なお地下埋設管32とケーブル
34とで信号電流の向きが違うときには、点Pに発生す
る磁場のx方向の成分の向きも逆方向となり、打消し合
う。これが、図1(b)での扁平コイルからの信号出力
35および従来コイルからの信号出力36で、地下埋設
管32の設置位置とケーブル34の位置との間で磁場の
強度が低下している理由である。
な方向の成分とを合成して得られる。本実施形態の検知
コイル21は偏平な形状であるので、水平方向すなわち
x方向の成分の検知感度に比較して、xに垂直な方向の
成分の検知感度は極めて低くなる。さらに、図1(a)
に示す高さhが小さいので、検知コイル21を地表面3
3上に接触させている状態では、図2(b)に示す角度
θは90°に近くなる。このため第2式でケーブル34
に流れる信号電流によって発生する磁束密度Bcabl
eに乗算するcosθの値が小さくなり、検知コイル2
1が検知する磁場の強さは、ケーブル34を流れる信号
電流による磁場の影響を受けにくくなり、正確な位置検
知を行うことができる。なお地下埋設管32とケーブル
34とで信号電流の向きが違うときには、点Pに発生す
る磁場のx方向の成分の向きも逆方向となり、打消し合
う。これが、図1(b)での扁平コイルからの信号出力
35および従来コイルからの信号出力36で、地下埋設
管32の設置位置とケーブル34の位置との間で磁場の
強度が低下している理由である。
【0016】図3および図4は、図2(b)に示すよう
に、ケーブル34と地下埋設管32との水平距離aをパ
ラメータとし、コイルの高さhに対する水平誤差および
深さ誤差の関係をそれぞれ示す。水平誤差および深さ誤
差は、第2式から次の第3式のように変形されるx方向
の磁場の強さから第4式の関数f(x)を計算し、図6
に示したような考え方で、位置と深さとを求め、元にな
ったaおよびbの値との差をそれぞれ誤差として求めた
結果である。
に、ケーブル34と地下埋設管32との水平距離aをパ
ラメータとし、コイルの高さhに対する水平誤差および
深さ誤差の関係をそれぞれ示す。水平誤差および深さ誤
差は、第2式から次の第3式のように変形されるx方向
の磁場の強さから第4式の関数f(x)を計算し、図6
に示したような考え方で、位置と深さとを求め、元にな
ったaおよびbの値との差をそれぞれ誤差として求めた
結果である。
【0017】
【数2】
【0018】図5に示す従来の検知コイル11では、高
さが2cm以上あるのに対し、本実施形態の検知コイル
21では、高さhは0.5cm以下である。このため、
ケーブルと管の水平方向距離aが10cmと接近してい
る場合であっても、図3および図4にそれぞれ示す水平
誤差および深さ誤差は、管深さ120cmに対する20
%以下である。すなわち管深さの20%を基準値とすれ
ば、本実施形態の検知コイル21は、基準値以下の高さ
を有する偏平な形状であるので、地下埋設管32の探査
の際の誤差を小さく抑えることができることが判る。な
お本実施形態では、地下埋設管32について、いわゆる
2点法で信号電流を流して埋設位置の探査を行っている
けれども、地下埋設管32に信号を供給する方法とし
て、いわゆる1点法やダブル1点法、あるいは3点法な
ど、他の方法でも同様に、信号電流を供給するケーブル
からの磁場による誤差を低減することができる。また、
地下埋設管32は導電性を有する金属管の場合ばかりで
はなく、電気絶縁性の合成樹脂管などであっても、ロケ
ーティングワイヤと称される導線が沿わせてあれば、同
様に埋設位置の探査を行うことができる。
さが2cm以上あるのに対し、本実施形態の検知コイル
21では、高さhは0.5cm以下である。このため、
ケーブルと管の水平方向距離aが10cmと接近してい
る場合であっても、図3および図4にそれぞれ示す水平
誤差および深さ誤差は、管深さ120cmに対する20
%以下である。すなわち管深さの20%を基準値とすれ
ば、本実施形態の検知コイル21は、基準値以下の高さ
を有する偏平な形状であるので、地下埋設管32の探査
の際の誤差を小さく抑えることができることが判る。な
お本実施形態では、地下埋設管32について、いわゆる
2点法で信号電流を流して埋設位置の探査を行っている
けれども、地下埋設管32に信号を供給する方法とし
て、いわゆる1点法やダブル1点法、あるいは3点法な
ど、他の方法でも同様に、信号電流を供給するケーブル
からの磁場による誤差を低減することができる。また、
地下埋設管32は導電性を有する金属管の場合ばかりで
はなく、電気絶縁性の合成樹脂管などであっても、ロケ
ーティングワイヤと称される導線が沿わせてあれば、同
様に埋設位置の探査を行うことができる。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、検知コイ
ルの形状を扁平にして高さを基準値以下とするので、地
下埋設管に信号を供給するケーブルとの距離を充分に取
ることができないような狭い場所でも、誤差が小さい地
下埋設管の位置探査を行うことができる。
ルの形状を扁平にして高さを基準値以下とするので、地
下埋設管に信号を供給するケーブルとの距離を充分に取
ることができないような狭い場所でも、誤差が小さい地
下埋設管の位置探査を行うことができる。
【図1】本発明の実施の一形態の検知コイルおよび検知
される磁界強度分布を示す簡略化した断面図およびグラ
フである。
される磁界強度分布を示す簡略化した断面図およびグラ
フである。
【図2】図1に示すようなグラフが得られる理由を、電
流と磁界との関係によって説明する図である。
流と磁界との関係によって説明する図である。
【図3】検知コイルの高さと水平方向の誤差との関係を
ケーブルと管の水平方向距離をパラメータとして示すグ
ラフである。
ケーブルと管の水平方向距離をパラメータとして示すグ
ラフである。
【図4】コイルの高さと深さ方向の誤差との関係を、ケ
ーブルと管の水平方向距離をパラメータとして示すグラ
フである。
ーブルと管の水平方向距離をパラメータとして示すグラ
フである。
【図5】従来からの2点法による電磁誘導式パイプロケ
ータの使用状態を示す簡略化した断面図である。
ータの使用状態を示す簡略化した断面図である。
【図6】図5の電磁誘導式パイプロケータで地下埋設管
2の埋設位置と埋設深さとを算出する考え方を示すグラ
フである。
2の埋設位置と埋設深さとを算出する考え方を示すグラ
フである。
20 検出器 21 検知コイル 31 土壌 32 地下埋設管 33 地表面 34 ケーブル 35 扁平コイルからの信号出力 36 従来コイルからの信号出力
Claims (1)
- 【請求項1】 地下埋設管に信号電流を流し、地表面で
の電磁界強度分布を計測して、地下埋設管の埋設位置を
探査するための電磁誘導式パイプロケータの検知コイル
において、 高さが予め定める基準値以下である偏平な形状を有する
ことを特徴とする電磁誘導式パイプロケータの検知コイ
ル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10079677A JPH11281750A (ja) | 1998-03-26 | 1998-03-26 | 電磁誘導式パイプロケータの検知コイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10079677A JPH11281750A (ja) | 1998-03-26 | 1998-03-26 | 電磁誘導式パイプロケータの検知コイル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11281750A true JPH11281750A (ja) | 1999-10-15 |
Family
ID=13696839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10079677A Pending JPH11281750A (ja) | 1998-03-26 | 1998-03-26 | 電磁誘導式パイプロケータの検知コイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11281750A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6748340B2 (en) | 2002-09-20 | 2004-06-08 | Ntt Infrastructure Network Corporation | Cable position information management system, facility information management system, cable core wire management system, and methods and programs thereof |
CN113267819A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-08-17 | 新余学院 | 一种超埋深地下管线探测装置 |
CN113566686A (zh) * | 2021-06-15 | 2021-10-29 | 北京城建勘测设计研究院有限责任公司 | 基于超大埋深管线的埋深位置验证方法及装置 |
-
1998
- 1998-03-26 JP JP10079677A patent/JPH11281750A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6748340B2 (en) | 2002-09-20 | 2004-06-08 | Ntt Infrastructure Network Corporation | Cable position information management system, facility information management system, cable core wire management system, and methods and programs thereof |
CN113566686A (zh) * | 2021-06-15 | 2021-10-29 | 北京城建勘测设计研究院有限责任公司 | 基于超大埋深管线的埋深位置验证方法及装置 |
CN113566686B (zh) * | 2021-06-15 | 2023-10-13 | 北京城建勘测设计研究院有限责任公司 | 基于超大埋深管线的埋深位置验证方法及装置 |
CN113267819A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-08-17 | 新余学院 | 一种超埋深地下管线探测装置 |
CN113267819B (zh) * | 2021-06-29 | 2023-06-16 | 新余学院 | 一种超埋深地下管线探测装置 |
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