JPH11281742A - 速度測定装置 - Google Patents

速度測定装置

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JPH11281742A
JPH11281742A JP10098411A JP9841198A JPH11281742A JP H11281742 A JPH11281742 A JP H11281742A JP 10098411 A JP10098411 A JP 10098411A JP 9841198 A JP9841198 A JP 9841198A JP H11281742 A JPH11281742 A JP H11281742A
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JP
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signal
frequency
signal processing
output
speed
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JP10098411A
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English (en)
Inventor
Takuo Takai
拓夫 高井
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Ricoh Microelectronics Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Microelectronics Co Ltd
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速域での測定精度を確保するとともに、よ
り低速域からの速度測定が可能となる速度測定装置を提
供する。 【解決手段】 前置増幅器22が、ノッチフィルタを1
段以上有する信号処理部と、該ノッチフィルタを有さな
い信号処理部とを有する。そして、該信号処理部それぞ
れからの複数の出力信号が互いに異なる複数のバンドパ
スフィルタBPFのいずれかに入力され、かつ、上記ノ
ッチフィルタの段数が多い信号処理部からの出力信号ほ
ど通過帯域の中心周波数と上記基準信号の周波数Foと
の差が大きいバンドパスフィルタBPFに入力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物から反射さ
れてきた音波を受波して得られた受信信号の特定の信号
成分の周波数に基づいて、該対象物の本装置に対する相
対移動速度を測定する速度測定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の速度測定装置として、所
定周波数の基準信号に基づいて生成した音波を対象物に
向けて送波する送波手段と、該対象物から反射してきた
反射波を音波を受波して受信信号とし、該受信信号から
特定の信号成分例えば上記対象物からの反射波信号成分
と上記基準信号との差分であるドップラ信号成分を出力
する受波手段と、該受波手段からの出力信号に基づいて
本装置に対する該対象物の相対移動速度を演算する速度
演算手段とを備えた速度測定装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の速度測定装
置において、音波を送波する対象物が小さかったり対象
物が遠くにあったりする場合でも所定の測定精度を得る
ことができるようにするためには、送波手段における送
波レベルを上げたり、受波手段における信号の増幅度を
高めるなどの対策が必要であった。しかしながら、これ
らの対策を行うと、対象物からの反射波に比較してレベ
ルの大きい、基準信号と同じ周波数の音波が送波手段か
ら受波手段に回り込んだり、対象物の近辺に位置する静
止物体から反射したドップラ効果を受けない反射波を受
波手段が受波したりすることにより、受波手段の増幅器
や混合器等の信号処理回路が飽和する可能性が高まり、
正常な信号処理ができなくなるおそれがあった。
【0004】先に本出願人は、「所定周波数の基準信号
に基づいて生成した音波を対象物に向けて送波する送波
手段と、該対象物から反射してきた音波を受波して受信
信号とし、該受信信号中のドップラ信号成分を抽出する
受波手段と、該ドップラ信号成分に基づいて本装置に対
する該対象物の相対移動速度を演算する速度演算手段と
を備えた速度測定装置において、上記受波手段に、上記
基準信号と同じ周波数の信号成分を選択的に減衰させる
信号減衰手段を設けたことを特徴とする速度測定装置」
を提案した(特願平9−340669)。この装置によ
れば、送波手段から受波手段への音波の回り込みや対象
物の近辺にある静止物体からの音波の反射があっても、
該回り込みや反射に対応する信号成分を選択的に減衰さ
せて、該信号処理部よりも後段にある信号処理回路の信
号レベルが飽和レベルに到達しないという条件下で受信
信号の増幅度や送波手段の送波レベルの上限を高くし
て、小さい対象物や遠くにある対象物の相対速度を精度
良く測定することができる。図3はこのような信号減衰
手段を有する速度測定装置の一構成例を示すブロック図
である。この速度測定装置は、送波器11を有する送波
手段としての超音波送波部10と、受波器21を有する
受波手段としての超音波受波部20と、信号演算部30
とを備えている。超音波受波部20には、上記受波器2
1のほか、増幅器とノッチフィルタとの組を3段接続し
て構成した前置増幅器22も備えている。また、図4
(a)、(b)、(c)はそれぞれ同速度測定装置の3
つのノッチフィルタ241、242、243それぞれか
らの出力信号S1,S2,S3の周波数特性を示す説明
図であり、図4(d)は、図4(c)の周波数特性の拡
大図である。図3の速度測定装置においては、図4
(a)、(b)、(c)それぞれに示すように、ノッチ
フィルタの段数を重ねる毎に上記基準信号と同じ周波数
の信号成分が減衰する。このように、基準信号と同じ周
波数の信号成分を減衰させることによって、上記音波の
回り込みや対象物の近辺にある静止物体からの音波の反
射があっても、小さい対象物や遠くにある対象物の相対
速度を精度良く測定することができる。
【0005】上記信号減衰手段で上記基準信号と同じ周
波数の信号成分を減衰させる場合には、該基準周波数と
同じ周波数の信号のみを減衰し、この周波数と異なる周
波数の信号は全く減衰しないことが理想である。しかし
ながら、上記基準信号と同じ周波数の信号成分のみを減
衰することは難しく、図4(d)に示すように該周波数
近傍の周波数の信号成分も減衰されることとなる。上記
対象物からの反射波が受けるドップラシフトは、該対象
物の速度が高速であるほど大きい。例えば図4(d)中
に示すように、30、60、90、120、150、1
80[km/h]の相対速度で移動する対象物のそれぞれか
らの反射波の周波数f1、f2、f3、f4、f5、f
6は、高速になるほど、上記基準信号の周波数f0から
離れることとなる。従って、反射波の周波数が上記基準
信号の周波数から十分離れた周波数範囲B内の周波数と
なるドップラシフトの比較的大きい高速の対象物の測定
速度を測定する場合には、上記小さい対象物や遠くにあ
る対象物の相対速度も精度良く測定することができる
が、反射波の周波数が上記基準信号の周波数近傍の周波
数範囲A内の周波数となるドップラシフトの比較的小さ
い低速の対象物の測定速度を測定する場合には、送波手
段から受波手段への音波の回り込みや対象物の近辺にあ
る静止物体からの音波の反射が上記対象物からの反射波
に比較してレベルが小さかったとしても、該反射波が上
記ノッチフィルタによって減衰してしまい、このため低
速の対象物の相対速度を測定するのが困難であるという
問題点があった。例えば、図3の速度測定装置におい
て、32.768[kHz]の周波数の基準信号を用
い、上記ノッチフィルタ241,242,243とし
て、減衰帯域の中心周波数が32.768[kHz]で
あり、該中心周波数での減衰度が40dBであるような
図5に示す周波数特性を有するノッチフィルタを用い、
増幅器231、232,233として40dBの増幅度
の増幅器を用いた場合、32.768[kHz]の信号
に対する上記前置増幅器のゲインは、40dB+(−4
0dB)+40dB+(−40dB)+40dB+(−
40dB)=0dBとなる。なお、図5において、特性
線a1は、入力信号を、特性線a2は、出力信号を示
す。また、上記ノッチフィルタ241,242,243
で減衰されない周波数すなわち32.768[kHz]
から十分離れた周波数の信号に対する上記前置増幅器の
ゲインは、40dB+0dB+40dB+0dB+40
dB+0dB=120dBとなる。一方、上記基準信号
の周波数近傍の周波数、例えば20kmの対象物からの
反射波の周波数に相当する32.768+1[kHz]
の周波数の信号に対する上記前置増幅器のゲインは、4
0dB+(−6.5dB)+40dB+(−6.5d
B)+40dB+(−6.5dB)=100.5dBと
なる。従って、20kmの対象物からの反射波の周波数
の信号に対するゲインは、上記32.768[kHz]
から十分離れた周波数の信号に対するゲインよりも1
9.5dB低くなってしまう。なお、上記例ではノッチ
フィルタの挿入損失を無視したが、実際にはノッチフィ
ルタ1段毎に−10dB程度の挿入損失が加わる。
【0006】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、高速域での測定精度
を確保するとともに、より低速域からの速度測定が可能
となる速度測定装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、所定周波数の基準信号に基づい
て生成した音波を対象物に向けて送波する送波手段と、
該対象物から反射してきた反射波を含む音波を受波して
受信信号とし、該受信信号から特定の信号成分を出力す
る受波手段と、該受波手段からの出力信号に基づいて本
装置に対する該対象物の相対移動速度を演算する速度演
算手段とを備えた速度測定装置において、上記受波手段
が、一定の信号処理を行う複数の信号処理部を有しかつ
該複数の信号処理部それぞれからの複数の出力信号を出
力し得る信号処理手段と、上記反射波の信号成分がとり
得る周波数帯域を複数に分割した部分帯域のそれぞれに
通過帯域が設定された複数の部分帯域通過部を有しかつ
該複数の部分帯域通過部を通過する複数の受信信号の中
から選択して出力するように構成した分割帯域通過手段
とを有し、上記複数の信号処理部の少なくとも一つが、
少なくとも上記基準信号と同じ周波数を含みかつ上記反
射波の信号成分がとり得る周波数帯域を含まない所定の
周波数範囲の信号成分を主に選択的に減衰させる濾波器
を1段以上有するとともに、該複数の信号処理部の濾波
器の段数(上記濾波器を有さない信号処理部については
0段とみる)が、互いに異なり、かつ、上記受波手段
を、上記信号処理手段からの複数の出力信号がそれぞ
れ、互いに異なる上記複数の部分帯域通過部のいずれか
に入力されるとともに、上記濾波器の段数が多い信号処
理部からの出力信号ほど上記通過帯域の中心周波数と上
記基準信号の周波数との差が大きい部分帯域通過部に入
力されるように構成したことを特徴とするものである。
なお、上記特定の信号成分としては、例えば上記反射波
の信号成分を用いたり、該反射波の信号成分と上記基準
信号との差分であるドップラ信号成分を用いたりすれば
よい。
【0008】この速度測定装置において、上記複数の信
号処理部からの出力信号は、上記濾波器の段数が多いほ
ど、所定の周波数範囲の信号成分が、該所定の周波数範
囲以外の信号成分に比して減衰されたものとなるが、こ
れとともに、上記所定の周波数範囲以外の信号成分のう
ちの上記所定の周波数範囲と上記所定の周波数範囲以外
の周波数範囲との境界の周波数(以下、境界周波数とい
う)に比較的近い周波数の信号成分も減衰されてしまう
こととなる。上記境界周波数は、上記基準信号の周波数
と等しいか、該基準信号の周波数と上記反射波の信号成
分がとり得る周波数帯域内の上記基準信号の周波数に最
も近い周波数との間に位置する。よって、上記通過帯域
の中心周波数と上記基準信号の周波数との差が大きい部
分帯域通過部からの出力信号の周波数ほど、上記境界周
波数との差が大きくなる。この速度測定装置において
は、上記信号処理手段の、上記濾波器の段数(上記濾波
器を有さない信号処理部については0段とみる)が互い
に異なる上記複数の信号処理部それぞれからの出力信号
が、互いに異なる上記複数の部分帯域通過部のいずれか
に入力され、かつ、上記濾波器の段数が多い信号処理部
からの出力信号ほど上記通過帯域の中心周波数と上記基
準信号の周波数との差が大きい部分帯域通過部に入力さ
れる。すなわち、上記境界周波数との差が比較的大きい
周波数の信号が出力されることとなる、上記通過帯域の
中心周波数と上記基準信号の周波数との差が比較的大き
い部分帯域通過部には、上記濾波器の段数が比較的多い
信号処理部からの出力信号が入力される。これにより、
上記送波手段から受波手段への音波の回り込みや対象物
の近辺にある静止物体からの音波の反射があっても、該
部分帯域通過部を通過させる前にあらかじめ上記信号処
理部で、該部分帯域通過部から出力される信号が取り得
る周波数範囲の信号成分すなわち上記境界周波数との差
が比較的大きい周波数の信号成分を減衰することなく該
回り込みや反射に対応する信号成分を選択的に減衰させ
る。よって、該信号処理部よりも後段にある信号処理回
路の信号レベルが飽和レベルに到達しないという条件下
で受信信号の増幅度や送波手段の送波レベルの上限を高
くして、上記部分帯域通過部から出力される上記境界周
波数との差が比較的大きい周波数の信号を用いて、比較
的高速の対象物の速度を精度良く演算することができ
る。一方、上記境界周波数との差が比較的小さい周波数
の信号が出力されることとなる、上記通過帯域の中心周
波数と上記基準信号の周波数との差が比較的小さい部分
帯域通過部には、上記濾波器の段数が比較的少ない信号
処理部あるいは濾波器を有さない信号処理部からの出力
信号が入力される。これにより、上記部分帯域通過部か
ら出力される信号が取り得る周波数範囲の信号成分すな
わち上記境界周波数との差が比較的小さい周波数の信号
成分が上記部分帯域通過部を通過させる前に上記信号処
理部で減衰するのを抑制する。よって、上記回り込みや
反射に対応する信号成分が少ないときに、上記部分帯域
通過部から出力される上記境界周波数との差が比較的小
さい周波数の信号を用いて比較的低速の対象物の速度を
演算することができる。従って、上記所定の周波数の範
囲の信号成分を所定の減衰度で減衰させた信号のみしか
出力されない場合とは異なり、反射波の信号成分の周波
数が上記境界周波数から十分離れることとなる高速の対
象物の速度を測定する場合の測定精度を確保するととも
に、該反射波の信号成分の周波数が上記境界周波数近傍
の周波数となる低速の対象物の速度を測定する場合に該
信号成分が減衰されて測定が不可能となるのを防止する
ことが可能となる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の速度測定装
置において、上記複数の信号処理部のうちの少なくとも
1つを構成する濾波器の少なくとも1段を、該少なくと
も1つの信号処理部以外の信号処理部を構成する濾波器
の少なくとも1段として兼用したことを特徴とするもの
である。
【0010】この速度測定装置においては、上記複数の
信号処理部の内の少なくとも1つを構成する濾波器の少
なくとも1段が、上記少なくとも1つの信号処理部以外
の信号処理部を構成する濾波器の少なくとも1段として
兼用されるので、各信号処理部毎に別々の濾波器を用い
る場合に比して、必要とする濾波器の数が少なくて済
む。
【0011】請求項3の発明は、請求項1又は2の速度
測定装置において、上記濾波器として、上記基準信号の
周波数に減衰帯域の中心周波数を設定した帯域阻止濾波
器を用いたことを特徴とするものである。
【0012】この速度測定装置においては、上記濾波器
として、上記基準信号の周波数に減衰帯域の中心周波数
を設定した帯域阻止濾波器を用いることにより、上記基
準信号と同じ周波数の信号成分のみを確実に減衰させる
ことができる。なお、上記帯域阻止濾波器としてはノッ
チフィルタを用いるのが好ましい。このノッチフィルタ
は、減衰帯域におけるQが高く、上記基準信号と同じ周
波数の信号成分のみを減衰させる機能が優れている。
【0013】請求項4の発明は、請求項1又は2の速度
測定装置において、上記濾波器として、減衰帯域が少な
くとも上記基準信号と同じ周波数を含む高域通過濾波器
又は低域通過濾波器を用いたことを特徴とするものであ
る。
【0014】この速度測定装置においては、上記濾波器
として、減衰帯域が少なくとも上記基準信号の周波数を
含む高域通過濾波器を用いることにより、上記基準信号
と同じ周波数以下の周波数の信号成分を確実に減衰させ
ることが可能となる。これにより、該基準信号と同じ周
波数よりも大きい周波数の信号成分を用いて、上記対象
物の相対移動速度を演算することが可能となる。また、
上記濾波器として、減衰帯域が少なくとも上記基準信号
の周波数を含む低域通過濾波器を用いることにより、上
記基準信号と同じ周波数以上の信号成分を確実に減衰さ
せることが可能となる。これにより、該基準信号と同じ
周波数よりも小さい周波数の信号成分を用いて、上記対
象物の相対移動速度を演算することが可能となる。
【0015】請求項5の発明は、所定周波数の基準信号
に基づいて生成した音波を対象物に向けて送波する送波
手段と、該対象物から反射してきた反射波を含む音波を
受波して受信信号とし、該受信信号から特定の信号成分
を出力する受波手段と、該受波手段からの出力信号に基
づいて本装置に対する該対象物の相対移動速度を演算す
る速度演算手段とを備えた速度測定装置において、上記
受波手段が、一定の信号処理を行う複数の信号処理部を
有しかつ該複数の信号処理部それぞれからの複数の出力
信号を出力し得る信号処理手段と、上記反射波の信号成
分がとり得る周波数帯域を複数に分割した部分帯域のそ
れぞれに通過帯域が設定された複数の部分帯域通過部を
有しかつ該複数の部分帯域通過部を通過する複数の受信
信号の中から選択して出力するように構成した分割帯域
通過手段とを有し、上記複数の信号処理部のそれぞれに
おいて、少なくとも上記基準信号と同じ周波数を含みか
つ上記反射波の信号成分がとり得る周波数帯域を含まな
い所定の周波数範囲の信号成分に対する第1のゲイン
が、該所定の周波数範囲以外の信号成分に対する第2の
ゲイン以下となるとともに、該複数の信号処理部の上記
第1のゲインと上記第2のゲインとの比が、互いに異な
り、かつ、上記受波手段を、上記信号処理手段からの複
数の出力信号がそれぞれ、互いに異なる上記複数の部分
帯域通過部のいずれかに入力されるとともに、上記第1
のゲインの上記第2のゲインに対する比が小さい信号処
理部からの出力信号ほど上記通過帯域の中心周波数と上
記基準信号の周波数との差が大きい部分帯域通過部に入
力されるように構成したことを特徴とするものである。
【0016】この速度測定装置において、上記複数の信
号処理部からの出力信号は、上記第1のゲインの上記第
2のゲインに対する比が小さいほど、上記所定の周波数
範囲以外の信号成分のうちの上記所定の周波数範囲と上
記所定の周波数範囲以外の周波数範囲との境界の周波数
(以下、境界周波数という)に比較的近い周波数の信号
成分のゲインの上記第2のゲインに対する比も小さくな
ってしまうこととなる。上記境界周波数は、上記基準信
号の周波数と等しいか、該基準信号の周波数と上記反射
波の信号成分がとり得る周波数帯域内の上記基準信号の
周波数に最も近い周波数との間に位置する。よって、上
記通過帯域の中心周波数と上記基準信号の周波数との差
が大きい部分帯域通過部からの出力信号の周波数ほど、
上記境界周波数との差が大きくなる。この速度測定装置
においては、上記信号処理手段の、上記第1のゲインと
上記第2のゲインとの比が互いに異なる上記複数の信号
処理部それぞれからの出力信号が、互いに異なる上記複
数の部分帯域通過部のいずれかに入力され、かつ、上記
第1のゲインの上記第2のゲインに対する比が小さい信
号処理部からの出力信号ほど上記通過帯域の中心周波数
と上記基準信号の周波数との差が大きい部分帯域通過部
に入力される。すなわち、上記境界周波数との差が比較
的大きい周波数の信号が出力されることとなる、上記通
過帯域の中心周波数と上記基準信号の周波数との差が比
較的大きい部分帯域通過部には、上記第1のゲインの上
記第2のゲインに対する比が比較的小さい信号処理部か
らの出力信号が入力される。これにより、上記送波手段
から受波手段への音波の回り込みや対象物の近辺にある
静止物体からの音波の反射があっても、該部分帯域通過
部を通過させる前にあらかじめ上記信号処理部で、該部
分帯域通過部から出力される信号が取り得る周波数範囲
の信号成分すなわち上記境界周波数との差が比較的大き
い周波数の信号成分を減衰することなく該回り込みや反
射に対応する信号成分を選択的に減衰させる。よって、
該信号処理部よりも後段にある信号処理回路の信号レベ
ルが飽和レベルに到達しないという条件下で受信信号の
増幅度や送波手段の送波レベルの上限を高くして、上記
部分帯域通過部から出力される上記境界周波数との差が
比較的大きい周波数の信号を用いて、比較的高速の対象
物の速度を精度良く演算することができる。一方、上記
境界周波数との差が比較的小さい周波数の信号が出力さ
れることとなる、上記通過帯域の中心周波数と上記基準
信号の周波数との差が比較的小さい部分帯域通過部に
は、上記第1のゲインの上記第2のゲインに対する比が
比較的大きい信号処理部からの出力信号が入力される。
これにより、上記部分帯域通過部から出力される信号が
取り得る周波数範囲の信号成分すなわち上記境界周波数
との差が比較的小さい周波数の信号成分が上記部分帯域
通過部を通過させる前に上記信号処理部で減衰するのを
抑制する。よって、上記回り込みや反射に対応する信号
成分が少ないときに、上記境界周波数との差が比較的小
さい周波数の信号成分が上記部分帯域通過部を通過させ
る前に減衰するのを抑制して、上記部分帯域通過部から
出力される上記境界周波数との差が比較的小さい周波数
の信号を用いて比較的低速の対象物の速度を演算するこ
とができる。従って、上記所定の周波数の範囲の信号成
分を所定の減衰度で減衰させた信号のみしか出力されな
い場合とは異なり、反射波の信号成分の周波数が上記境
界周波数から十分離れることとなる高速の対象物の速度
を測定する場合の測定精度を確保するとともに、該反射
波の信号成分の周波数が上記境界周波数近傍の周波数と
なる低速の対象物の速度を測定する場合に該信号成分が
減衰されて測定が不可能となるのを防止することが可能
となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、野球ボール等の
移動している対象物から反射した超音波のドップラ効果
を利用して該対象物の移動速度を測定する速度測定装置
に適用した実施形態について説明する。
【0018】図1は本実施形態に係る速度測定装置のブ
ロック図である。この速度測定装置は、所定周波数の基
準信号に基づいて生成した音波を対象物に向けて送波す
る送波手段としての超音波送波部10と、該対象物から
反射してきた反射波を含む音波を受波して受信信号と
し、該受信信号から特定の信号成分を出力する受波手段
としての超音波受波部20と、該受波手段からの出力信
号に基づいて本装置に対する該対象物の相対移動速度を
演算する速度演算手段としての信号演算部30とを備え
ている。図示の装置においては、上記特定の信号成分と
して、対象物からの反射波の信号成分を用いる。
【0019】上記超音波送波部10は、所定周波数Fo
の基準信号に基づいて送波器11で生成した超音波を、
移動速度Vで近づくように移動する対象物としてのボー
ル50に向けて送波するものであり、電気信号を超音波
に変換する超音波振動子等からなる送波器11、所定周
波数Foの基準信号を発生させるための基準発振器1
2、基準信号を送波器の駆動に必要なレベルまで増幅す
る出力増幅器13等により構成されている。
【0020】上記超音波受波部20は、超音波を電気信
号に変換する超音波振動子等からなる受波器21、受波
器21から出力された微弱な受信信号を増幅する信号処
理手段である前置増幅器22、該増幅器22から出力さ
れる受信信号中のドップラシフトを受けた反射波信号成
分がとり得る周波数帯域を複数に分割した部分帯域のそ
れぞれに通過帯域が設定された複数の部分帯域通過部を
有し、且つ該複数の部分帯域通過部を通過する複数の反
射波信号成分の中から選択して出力するように構成した
分割帯域通過手段等により構成されている。
【0021】上記前置増幅器22は、受信信号中の反射
波信号成分を増幅して出力するように構成されている。
この前置増幅器の詳しい構成については後述する。
【0022】上記分割帯域通過手段は、上記部分帯域通
過部としての5個のバンドパスフィルタBPFを含むフ
ィルタ群26と、各BPFを通過した信号を検出する5
個の信号検出器を含む検出器群27と、各信号検出器か
ら出力される信号の中から一つの信号を速度Vを演算す
るための反射波信号成分として選択する信号選択器28
とを用いて構成されている。
【0023】上記バンドパスフィルタ群26は、高周波
側から5つの通過帯域(HH,HL,M,LH,LL)
に分割構成され、各バンドパスフィルタ毎に、ドップラ
シフトを受けた反射波信号成分を各帯域信号Se(Se
HH〜SeLL)として信号検出器群27及び信号選択
器28に出力する。なお、上記バンドパスフィルタBP
Fおよび信号検出器の個数は、5個に限定されるもので
はなく、測定速度範囲と要求される測定精度に応じて決
定される。
【0024】上記信号検出器群27は、バンドパスフィ
ルタ群26から出力される各帯域信号Seのうち、各信
号検出器に予め設定されている閾値よりも大きな信号レ
ベルをもつ帯域信号を優位レベルの検出信号Sfとして
信号選択器28に出力する。
【0025】上記信号選択器28は、優位レベルをもつ
検出信号Sfから最も周波数の高い検出信号Shを選択
して、周波数計測器31に出力する。ここで、複数の検
出信号Sfから最も周波数の高い信号を選択する理由
は、例えばピッチャーから反射された超音波とボール5
0から反射された超音波との周波数を比べた場合、ボー
ルから反射された超音波の周波数が高い(ドップラ周波
数が高い)ためである。なお、対象物から反射された超
音波と目的外の超音波との関係が上述した関係にない場
合には、信号選択器28で選択する基準を適宜設ければ
よい。
【0026】上記信号選択器28でどのバンドパスフィ
ルタBPFを通過した信号を選択するかについては、い
くつかの方法が考えられる。例えば、本実施形態のよう
に信号検出器から同時に複数の信号が出力される場合は
中心周波数が一番高いBPFを通過した信号を選択する
方法や、一番最初に信号検出器から出力された信号を選
択する方法などがある。
【0027】上記信号演算部30は、信号選択器28か
ら出力されるドップラシフトを受けた反射波信号成分の
周波数Fiを計測する周波数計測器31、反射波信号成
分の周波数Fiの計測結果からボール50の移動速度V
を演算する速度演算手段としての演算器32、速度Vの
測定結果を表示する液晶パネル等からなる表示器33等
により構成されている。上記演算器32は、次の(1)
式に基づいてボール50の移動速度Vを演算する。な
お、(1)式中のCは音速を示している。
【数1】 Fi=Fo(C+V)/(C−V) ・・・(1)
【0028】上記信号演算部30には、気温による音速
変動の補正に用いる温度計測器を設けてもよい。この補
正は、例えば次の(2)式に基づいて行うことができ
る。なお、(2)式中のtは温度計測器で計測される外
気温を示している。
【数2】 C=331.5+0.6・t ・・・(2)
【0029】そして、本実施形態に係る速度測定装置に
おいては、上記前置増幅器22が複数の出力信号を出力
し得るように構成されている。具体的には、上記基準信
号と同じ周波数を含む所定の周波数範囲の信号成分に対
する第1のゲインが、該所定の周波数範囲以外の信号成
分に対する第2のゲイン以下となるような、複数の信号
処理部を有しており、各信号処理部からの出力信号をそ
れぞれ出力し得るように構成されている。図示の装置に
おいては、後述するノッチフィルタを1段以上有する信
号処理部と、該ノッチフィルタを有さない信号処理部と
が設けられており、該信号処理部それぞれを通過させた
複数の出力信号を出力し得る。具体的には、増幅器23
aと該増幅器23aから出力される信号が入力される増
幅器23bとから構成される第1信号処理部を通過した
第1出力信号SAと、上記増幅器23aと該増幅器23
aから出力される信号が入力されるノッチフィルタ24
aと該ノッチフィルタ24aから出力される信号が入力
される増幅器23cとから構成される第2信号処理部を
通過した第2出力信号SBと、上記増幅器23aと該増
幅器23aから出力される信号が入力されるノッチフィ
ルタ24bと該ノッチフィルタ24bから出力される信
号が入力される増幅器23dと該増幅器23dから出力
される信号が入力されるノッチフィルタ24cと該ノッ
チフィルタ24cから出力される信号が入力される増幅
器23eとから構成される第3信号処理部を通過した第
3出力信号SCと、上記増幅器23aと該増幅器23a
から出力される信号が入力されるノッチフィルタ24d
と該ノッチフィルタ24dから出力される信号が入力さ
れる増幅器23fと該増幅器23fから出力される信号
が入力されるノッチフィルタ24eと該ノッチフィルタ
24eから出力される信号が入力される増幅器23gと
該増幅器23gから出力される信号が入力されるノッチ
フィルタ24fとから構成される第4信号処理部を通過
した第4出力信号SDとの4つの出力信号を出力し得
る。なお、図1の速度測定装置においては、7つの増幅
器23a、23b、23c、23d、23e、23f、
23gは、互いに同じものを用いる。また、6つのノッ
チフィルタ24a、24b、24c、24d、24e、
24fも、互いに同じものを用いる。よって、以下、こ
れら複数の増幅器あるいは複数のノッチフィルタのうち
の特定のものについて説明する場合以外には、増幅器2
3又はノッチフィルタ24として説明する。
【0030】上記ノッチフィルタ24は、上記所定の周
波数範囲の信号成分を減衰させる濾波器として機能し、
基準信号と同じ周波数の信号成分を選択的に減衰させる
ものである。該ノッチフィルタ24は、基準信号の周波
数Foに減衰帯域の中心周波数が設定された帯域阻止濾
波器であり、例えばローパスフィルタおよびハイパスフ
ィルタのカットオフ周波数を同じにしたものを並列に組
み合わせて構成したものであり、比較的Qの高い特性を
得ることができる。
【0031】上記第1のゲインと上記第2のゲインとの
比は、ノッチフィルタの段数によって異なる。具体的に
は、該ノッチフィルタの段数が多い信号処理部ほど、上
記基準信号の周波数Foの信号成分の増幅度が抑えられ
る。すなわち上記第2のゲインに対する第1のゲインの
比が小さくなる。しかし、それとともに、該基準信号の
周波数Fo近傍の周波数の信号成分の増幅度も抑えられ
ることとなってしまうので、ドップラシフトを受けた反
射波信号成分の周波数が上記基準信号の周波数Foに近
い場合、すなわち、低速の対象物の速度を測定する場合
には、該信号成分が減衰されて、速度測定が不可能とな
ってしまう。
【0032】本実施形態に係る速度測定装置において、
上記前置増幅器22の上記第1信号処理部乃至第4信号
処理部の4つの信号処理部それぞれが有するノッチフィ
ルタ24の段数は、互いに異なっている。具体的には、
第1信号処理部はノッチフィルタを有していないすなわ
ちノッチフィルタの段数は0段であり、第2信号処理部
のノッチフィルタの段数は1段、第3信号処理部のノッ
チフィルタの段数は2段、第4信号処理部のノッチフィ
ルタの段数は3段である。
【0033】さらに、この前置増幅器からの複数の出力
信号はそれぞれ、互いに異なる上記5個のバンドパスフ
ィルタBPFのいずれかに入力されており、上記ノッチ
フィルタの段数が多い信号処理部からの出力信号ほど通
過帯域の中心周波数と上記基準信号の周波数Foとの差
が大きいバンドパスフィルタBPFに入力されている。
【0034】このような構成により、上記基準信号の周
波数Foとの差が比較的大きい周波数の信号成分が出力
されることとなる、上記通過帯域の中心周波数と上記基
準信号の周波数Foとの差が比較的大きいバンドパスフ
ィルタBPFには、上記ノッチフィルタの段数が比較的
多い信号処理部からの出力信号が入力する。これによ
り、上記送波手段から受波手段への音波の回り込みや対
象物の近辺にある静止物体からの音波の反射があって
も、上記バンドパスフィルタBPFを通過させる前にあ
らかじめ、上記信号処理部で上記バンドパスフィルタB
PFから出力される信号が取り得る周波数範囲の信号成
分すなわち上記基準信号の周波数Foとの差が比較的大
きい周波数の信号成分を減衰することなく該回り込みや
反射に対応する信号成分を選択的に減衰させることがで
きる。よって、該信号処理部よりも後段にある信号処理
回路の信号レベルが飽和レベルに到達しないという条件
下で受信信号の増幅度や送波手段の送波レベルの上限を
高くして、上記バンドパスフィルタBPFから出力され
る上記基準信号の周波数Foとの差が比較的大きい周波
数の信号を用いて、比較的高速の対象物の速度を精度良
く演算することができる。
【0035】一方、上記基準信号の周波数Foとの差が
比較的小さい周波数の信号成分が出力されることとな
る、上記通過帯域の中心周波数と上記基準信号の周波数
Foとの差が比較的小さいバンドパスフィルタBPFに
は、上記ノッチフィルタの段数が比較的少ない信号処理
部あるいはノッチフィルタを有さない信号処理部からの
出力信号が入力する。これにより、上記バンドパスフィ
ルタBPFから出力される信号が取り得る周波数範囲の
信号成分すなわち上記基準信号の周波数Foとの差が比
較的小さい周波数の信号成分が上記バンドパスフィルタ
BPFを通過させる前に上記信号処理部で減衰するのを
抑制する。よって、上記回り込みや反射に対応する信号
成分が少ないときに上記部分帯域通過部から出力される
上記境界周波数との差が比較的小さい周波数の信号を用
いて比較的低速の対象物の速度を演算することができ
る。
【0036】従って、上記所定の周波数範囲の信号成分
が所定の減衰度で減衰される信号のみしか出力されない
場合とは異なり、上記基準信号の周波数Foとの差が比
較的大きい周波数の信号成分を用いて高速の対象物の速
度を測定する場合の測定精度を確保するとともに、上記
基準信号の周波数Foとの差が比較的小さい周波数の信
号成分を用いて低速の対象物の速度を測定する場合に該
信号成分が減衰されて測定が不可能となるのを防止する
ことが可能となる。
【0037】図1の速度測定装置においては、前述のよ
うに、7つの増幅器23a、23b、23c、23d、
23e、23f、23gは、互いに同じものを用い、6
つのノッチフィルタ24a、24b、24c、24d、
24e、24fも、互いに同じものを用いている。この
場合、図中E点における信号及びF点における信号は、
第2出力信号SBと等しくなる。また、図中G点におけ
る信号は、第3出力信号SCと等しくなる。従って、第
2信号処理部のノッチフィルタ24a及び該ノッチフィ
ルタ24aからの出力信号が入力される増幅器23c
を、第3信号処理部の1段目のノッチフィルタ24b及
び該ノッチフィルタ24bからの出力信号が入力される
増幅器23d、並びに、第4信号処理部の1段目のノッ
チフィルタ24dと該ノッチフィルタ24dからの出力
信号が入力される増幅器23fとして兼用したり、第3
信号処理部の2段目のノッチフィルタ24c及び該ノッ
チフィルタ24cからの出力信号が入力される増幅器2
3eを、第4信号処理部の2段目のノッチフィルタ24
eと該ノッチフィルタ24eからの出力信号が入力され
る増幅器23gとして兼用したりすれば、必要となるノ
ッチフィルタや増幅器の個数を減らすことができる。
【0038】図2は、このような改良を行った本速度測
定装置の超音波受波部20の一例を示す説明図である。
この超音波受波部20においては、ノッチフィルタと増
幅器とを交互に配置して上記前置増幅器22が構成され
ている。そして、第2出力信号SBが出力される第2信
号処理部のノッチフィルタ24a及び該ノッチフィルタ
24aからの出力信号が入力される増幅器23cを、第
3出力信号SCが出力される第3信号処理部の1段目の
ノッチフィルタ及び該ノッチフィルタからの出力信号が
入力される増幅器、並びに、第4信号処理部の1段目の
ノッチフィルタ及び該ノッチフィルタからの出力信号が
入力される増幅器として兼用している。さらに、第3出
力信号SCが出力される第3信号処理部の2段目のノッ
チフィルタ24c及び該ノッチフィルタからの出力信号
が入力される増幅器を、第4出力信号SDが出力される
第4信号処理部の2段目のノッチフィルタ及び該ノッチ
フィルタからの出力信号が入力される増幅器として兼用
している。
【0039】このように、上記複数の信号処理部のうち
の少なくとも1つを構成するノッチフィルタの少なくと
も1つを、該少なくとも1つの信号処理部以外の信号処
理部を構成するノッチフィルタの少なくとも1つとして
兼用することにより、必要となるノッチフィルタの数を
減らして構成を簡素にすることができるとともに、コス
トダウンが実現できる。
【0040】図1の速度測定装置においては、上記基準
信号と同じ周波数の信号成分を選択的に減衰させるノッ
チフィルタを用いて、上記対象物からの反射波信号成分
以外の回り込みや反射に対応する信号成分を減衰させて
いる。しかし、該回り込みや反射に対応する信号成分を
減衰させるためには、少なくとも該基準信号と同じ周波
数の信号成分を含み、かつ、上記速度の演算に用いる反
射波信号成分の周波数を含まないような周波数範囲の信
号成分を減衰するようにすればよい。例えば測定対象の
対象物が常に所定の速度以上の速度で近づいてくるもの
である場合には、上記基準信号の周波数から、該所定の
速度に対応するドップラ周波数分だけドップラシフトし
た周波数を、減衰対象の周波数範囲と該周波数範囲以外
の周波数範囲との境界の周波数(以下、境界周波数とい
う)とし、該境界周波数以下の周波数範囲の信号成分を
減衰するように構成してもよい。この場合にも、本発明
を適用することにより、上記境界周波数との差が比較的
大きい周波数の信号成分を用いて比較的高速の対象物の
速度を測定する場合の測定精度を確保するとともに、上
記境界周波数との差が比較的小さい周波数の信号成分を
用いて比較的低速の対象物の速度を測定する場合に該信
号成分が減衰されて測定が不可能となるのを防止するこ
とが可能となる。
【0041】また、図1の速度測定装置においては、前
述のように、近づくように移動する対象物としてのボー
ルの速度を測定する。このように、近づくように移動す
る対象物の速度を測定する場合には、前出の(1)式か
らも明らかなように、該対象物からの反射波信号成分の
周波数Fiは、上記基準信号の周波数Foよりも高くな
る。従って、この場合には、上記ノッチフィルタに代
え、少なくとも上記基準信号の周波数を含むような比較
的低域の周波数を遮断する高域通過濾波器、例えば、上
記基準信号の周波数に減衰帯域の遮断周波数を設定した
ハイパスフィルタを用いても、同様に速度の測定を良好
に行うことができる。
【0042】一方、図1の速度測定装置においては、遠
ざかるように移動する対象物としてのボールの速度を測
定することも可能である。この場合には、遠ざかるよう
に移動するボール50からの反射波信号成分の周波数F
i’から、次の(3)式に基づいてボール50の移動速
度Vを演算すればよい。
【数3】 Fi’=Fo(C−V)/(C+V) ・・・(3)
【0043】この場合、上記ボール50からの反射波信
号成分の周波数Fi’は、上記基準信号の周波数Foよ
りも低くなる。従って、遠ざかるように移動するボール
50の速度を測定する場合には、上記ノッチフィルタに
代え、少なくとも上記基準信号の周波数を含むような比
較的高域の周波数を遮断する低域通過濾波器、例えば、
上記基準信号の周波数に減衰帯域の遮断周波数を設定し
たローパスフィルタを用いても、同様に速度の測定を良
好に行うことができる。
【0044】なお、上記実施形態においては、上記速度
演算に用いる特定の信号成分として、上記対象物である
ボールからの、ドップラシフトを受けた反射波信号成分
を用いる場合についてのみ説明したが、該特定の信号成
分として該反射波信号成分の周波数と基準信号の周波数
との差分周波数に相当するドップラ周波数を用いてもよ
い。しかし、反射波信号成分を用いて速度を演算する場
合には、該反射波信号成分の周波数と基準信号の周波数
との差分周波数に相当するドップラ周波数を用いて上記
ボールの速度を演算する場合とは異なり、ミキサなどを
用いて該ドップラ周波数を得るための時間が不要である
ので、処理速度が高速にできる。
【0045】
【発明の効果】請求項1乃至5の発明によれば、高速域
での測定精度を確保するとともに、より低速域からの速
度測定が可能となるという優れた効果がある。
【0046】特に、請求項2の発明によれば、構成を簡
素にし、コストダウンが実現できるという効果ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る速度測定装置の概略
構成を示すブロック図。
【図2】同速度測定装置の超音波受波部20の他の一例
を示すブロック図。
【図3】従来の速度測定装置の概略構成を示すブロック
図。
【図4】(a)は、同速度測定装置のノッチフィルタ2
41からの出力信号S1の周波数特性を示す説明図。
(b)は、同速度測定装置のノッチフィルタ242から
の出力信号S2の周波数特性を示す説明図。(c)は、
同速度測定装置のノッチフィルタ243からの出力信号
S3の周波数特性を示す説明図。(d)は、図4(c)
の周波数特性を更に詳細に示す拡大図。
【図5】ノッチフィルタの一例の周波数特性を示す説明
図。
【符号の説明】
10 超音波送波部 11 送波器 20 超音波受波部 21 受波器 22 前置増幅器 23(a〜g) 増幅器 24(a〜f) ノッチフィルタ 26 バンドパスフィルタ群 27 信号検出器群 28 信号選択器 30 信号演算部 31 周波数計測器 32 演算器 33 表示器 50 ボール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定周波数の基準信号に基づいて生成した
    音波を対象物に向けて送波する送波手段と、該対象物か
    ら反射してきた反射波を含む音波を受波して受信信号と
    し、該受信信号から特定の信号成分を出力する受波手段
    と、該受波手段からの出力信号に基づいて本装置に対す
    る該対象物の相対移動速度を演算する速度演算手段とを
    備えた速度測定装置において、上記受波手段が、一定の
    信号処理を行う複数の信号処理部を有しかつ該複数の信
    号処理部それぞれからの複数の出力信号を出力し得る信
    号処理手段と、上記反射波の信号成分がとり得る周波数
    帯域を複数に分割した部分帯域のそれぞれに通過帯域が
    設定された複数の部分帯域通過部を有しかつ該複数の部
    分帯域通過部を通過する複数の受信信号の中から選択し
    て出力するように構成した分割帯域通過手段とを有し、
    上記複数の信号処理部の少なくとも一つが、少なくとも
    上記基準信号と同じ周波数を含みかつ上記反射波の信号
    成分がとり得る周波数帯域を含まない所定の周波数範囲
    の信号成分を主に選択的に減衰させる濾波器を1段以上
    有するとともに、該複数の信号処理部の濾波器の段数
    (上記濾波器を有さない信号処理部については0段とみ
    る)が、互いに異なり、かつ、上記受波手段を、上記信
    号処理手段からの複数の出力信号がそれぞれ、互いに異
    なる上記複数の部分帯域通過部のいずれかに入力される
    とともに、上記濾波器の段数が多い信号処理部からの出
    力信号ほど上記通過帯域の中心周波数と上記基準信号の
    周波数との差が大きい部分帯域通過部に入力されるよう
    に構成したことを特徴とする速度測定装置。
  2. 【請求項2】請求項1の速度測定装置において、上記複
    数の信号処理部のうちの少なくとも1つを構成する濾波
    器の少なくとも1段を、該少なくとも1つの信号処理部
    以外の信号処理部を構成する濾波器の少なくとも1段と
    して兼用したことを特徴とする速度測定装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の速度測定装置において、 上記濾波器として、上記基準信号の周波数に減衰帯域の
    中心周波数を設定した帯域阻止濾波器を用いたことを特
    徴とする速度測定装置。
  4. 【請求項4】請求項1又は2の速度測定装置において、 上記濾波器として、減衰帯域が少なくとも上記基準信号
    と同じ周波数を含む高域通過濾波器又は低域通過濾波器
    を用いたことを特徴とする速度測定装置。
  5. 【請求項5】所定周波数の基準信号に基づいて生成した
    音波を対象物に向けて送波する送波手段と、該対象物か
    ら反射してきた反射波を含む音波を受波して受信信号と
    し、該受信信号から特定の信号成分を出力する受波手段
    と、該受波手段からの出力信号に基づいて本装置に対す
    る該対象物の相対移動速度を演算する速度演算手段とを
    備えた速度測定装置において、上記受波手段が、一定の
    信号処理を行う複数の信号処理部を有しかつ該複数の信
    号処理部それぞれからの複数の出力信号を出力し得る信
    号処理手段と、上記反射波の信号成分がとり得る周波数
    帯域を複数に分割した部分帯域のそれぞれに通過帯域が
    設定された複数の部分帯域通過部を有しかつ該複数の部
    分帯域通過部を通過する複数の受信信号の中から選択し
    て出力するように構成した分割帯域通過手段とを有し、
    上記複数の信号処理部のそれぞれにおいて、少なくとも
    上記基準信号と同じ周波数を含みかつ上記反射波の信号
    成分がとり得る周波数帯域を含まない所定の周波数範囲
    の信号成分に対する第1のゲインが、該所定の周波数範
    囲以外の信号成分に対する第2のゲイン以下となるとと
    もに、該複数の信号処理部の上記第1のゲインと上記第
    2のゲインとの比が、互いに異なり、かつ、上記受波手
    段を、上記信号処理手段からの複数の出力信号がそれぞ
    れ、互いに異なる上記複数の部分帯域通過部のいずれか
    に入力されるとともに、上記第1のゲインの上記第2の
    ゲインに対する比が小さい信号処理部からの出力信号ほ
    ど上記通過帯域の中心周波数と上記基準信号の周波数と
    の差が大きい部分帯域通過部に入力されるように構成し
    たことを特徴とする速度測定装置。
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