JPH11280766A - 焼結含油軸受の製造方法 - Google Patents

焼結含油軸受の製造方法

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JPH11280766A
JPH11280766A JP8088598A JP8088598A JPH11280766A JP H11280766 A JPH11280766 A JP H11280766A JP 8088598 A JP8088598 A JP 8088598A JP 8088598 A JP8088598 A JP 8088598A JP H11280766 A JPH11280766 A JP H11280766A
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JP
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green compact
sintered
center
oil
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JP8088598A
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Toru Nakanishi
徹 中西
Minoru Yoneyama
実 米山
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイジングバーの中心が焼結体の中心からず
れ難く、サイジング後の戻りがなく、サイジング後に焼
結体の中心孔の縁部にバリが生じることのない焼結含油
軸受の製造方法を得る。 【解決手段】 成形型1の中央に棒状のセンタコア2を
配置し、センタコア2を取り囲んで原料粉体を装填し、
原料粉体を成形型1の開口端側から圧縮して円筒状の圧
粉体5を製作し、圧粉体5を焼結して焼結体を得、この
焼結体に潤滑油を含浸させて焼結含油軸受を得る。成形
型1の開口端部に対応する位置に真円部2bを有しかつ
原料粉体を成形すべき周面に周方向の一部が窪んでなる
溝2aを有するセンタコア2を用い、圧粉体5を製作す
る過程でセンタコア2の溝2aを圧粉体5の内周面に対
応する位置に配置し、圧粉体5からセンタコア2を抜き
取る際に真円部2bによって圧粉体5の内周面をほぼ真
円に仕上げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種モータなどに
用いることができ、内周面の一部のポーラスを微細化し
または目潰ししてなる焼結含油軸受の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】内周面の一部のポーラスを微細化しまた
は目潰ししてなる焼結含油軸受は既に知られている。こ
の焼結含油軸受は側圧を受ける軸の軸受として好適であ
る。すなわち、軸にかかる側圧を、ポーラスを微細化し
または目潰しした部分で受けるようにすれば、軸受に含
浸された潤滑油が軸の回転に伴いポーラスを微細化しま
たは目潰しした部分以外の部分から供給され、軸の周面
と上記ポーラスを微細化しまたは目潰しした部分との間
に追い込まれて動圧力が生じ、軸が軸受との間で金属接
触することなく、円滑に回転可能に支持される。仮に、
焼結含油軸受の内周面の一部のポーラスを微細化しまた
は目潰しすることなく軸を支持し、側圧を加えるとすれ
ば、当初は焼結含油軸受の内周面の一部に軸が接触しな
がら回転することによってポーラスが微細化されまた目
潰しされ、やがて動圧力が発生して軸が円滑に回転する
ようになる。従ってエージング時間が長くなるという問
題がある。逆に言えば、内周面の一部のポーラスを微細
化しまたは目潰ししてなる焼結含油軸受を用いれば、エ
ージング時間を短くすることができるという利点があ
る。
【0003】内周面の一部のポーラスを微細化しまたは
目潰ししてなる焼結含油軸受の従来の製造方法として、
原料粉体を成形型を用いて圧縮し円筒状の圧粉体を製作
する際に、圧粉体の内周面の一部に軸線方向に突部を形
成してサイジングの際のサイジング代を上記突部におい
て多く取り、サイジングの際に上記突部に対応する部分
のポーラスを微細化しあるいは目潰しする方法が知られ
ている。図9は上記従来の製造方法によって製作される
圧粉体の例を示すもので、(a)は円筒状の圧粉体11
の内周面に相対向して2つの突部11a,11aを形成
したものを示しており、(b)は円筒状の圧粉体12の
内周面に一つの突部12bを形成したものを示してい
る。これらの圧粉体11、12は焼結され、外形は圧粉
体11、12と同じで、表面に無数の微細なポーラスを
有する焼結体が得られる。その後この焼結体の中心孔に
サイジングバーが挿入され、中心孔がサイジングバーの
直径で決まる所定の内径寸法に仕上げられる。
【0004】上記サイジングバーによるサイジング工程
において、サイジングバーによるサイジング代は上記突
部11a,12a形成部分において多くなっているた
め、突部11a,12aの形成部分において他の部分よ
りもポーラスがさらに微細化され、あるいは目潰しがな
される。図10はサイジング後の焼結含油軸受11の例
を示しており、図9(a)の例を焼結しサイジングした
ものを示す。図10において符号11b、11bを付し
た部分が上記突部11a,11aに対応する部分で、ポ
ーラスの微細化または目潰しが行われた部分である。焼
結体からなる軸受11の上記突部11a,11aに対応
する部分は、サイジング後に軸受の弾性力でいくらかも
とに戻る傾向があるため、図10(a)では、上記突部
11a,11aに対応する部分であってポーラスの微細
化または目潰しが行われた部分11b、11bは強調し
て平坦な突出面として描いてある。
【0005】上記のように、焼結含油軸受にポーラスの
微細化または目潰しが行われた部分11b、11bを形
成し、この部分で軸にかかる側圧を受けるようにすれ
ば、前述のように、潤滑油がポーラスを微細化しまたは
目潰しした部分以外の部分から供給され、軸の周面と上
記ポーラスを微細化しまたは目潰しした部分との間に追
い込まれて動圧力が生じ、軸が円滑に回転可能に支持さ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のように
焼結体に突起があって、サイジング工程におけるサイジ
ング代を上記突起の部分で多くすると、サイジングの際
にサイジングバーの中心が焼結体の中心からずれやす
く、焼結含油軸受の外径に対し内径が片寄りやすい難点
がある。また、サイジング後において、図10(a)に
ついて説明したように、軸受の内径が完全な真円とはな
らず、突起があった部分の戻りによって僅かな突起が残
り、軸の円滑な回転を妨げることがあった。さらに、サ
イジング代の多い上記突起の部分において、サイジング
バーでしごかれた上記突部が、サイジングバーの挿入方
向および引き抜き方向に引きずられ、図11に示すよう
に焼結体11の中心孔の縁部にバリ11cが生じ、軸の
円滑な回転を妨げたり、経時的にバリ11cが離脱して
この焼結含油軸受が用いられているモータその他の装置
の円滑な作動を阻害する可能性がある。
【0007】本発明は以上のような従来技術の問題点を
解消するためになされたもので、サイジングバーの中心
が焼結体の中心からずれ難く、サイジング後の戻りがほ
とんどなく、また、サイジング後に焼結体の中心孔の縁
部にバリが生じることのないようにした焼結含油軸受の
製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解
決するために、本発明は、請求項1に記載されているよ
うに、成形型の中央に棒状のセンタコアを配置するとと
もに、このセンタコアを取り囲んで原料粉体を装填し、
この原料粉体を上記成形型の開口端側から圧縮すること
により円筒状の圧粉体を製作し、その後上記圧粉体を焼
結して焼結体を得、この焼結体に潤滑油を含浸させて焼
結含油軸受を得る焼結含油軸受の製造方法において、上
記成形型の開口端部に対応する位置に真円部を有すると
ともに、上記原料粉体を成形すべき周面に周方向の一部
が窪んでなる溝を有するセンタコアを用い、上記圧粉体
を製作する過程においてセンタコアの上記溝を圧粉体の
内周面に対応する位置に配置し、圧粉体からセンタコア
を抜き取る際に上記真円部によって圧粉体の内周面をほ
ぼ真円に仕上げることを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明のように、圧粉体を製
作する過程において、成形型内でセンタコアの溝によっ
て成形される突部をセンタコアの真円部によって潰すと
よい。請求項3記載の発明のように、圧粉体を焼結した
焼結体の中心孔に真円のサイジングバーを差し込んで焼
結体の中心孔の内径を調整するとよい。請求項4記載の
発明のように、センタコアの溝と真円部との境界部分に
は段部が形成されているとよい。請求項5記載の発明の
ように、焼結含油軸受の長さをL1、センタコアの先端
から溝までの真円部の長さをL2としたとき、L2≧L
1/2の条件を満たすセンタコアを使用するとよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図8を参照しな
がら本発明にかかる焼結含油軸受の製造方法の実施の形
態について説明する。図1において、成形型1は、圧粉
体5の外形を成形するための円筒状の孔を有し、この成
形型1の孔の中央には、センタコア2が配置されてい
る。センタコア2の中心軸線は上記センタコア2の孔の
中心軸線と一致させて配置されている。図2に示すよ
に、センタコア2は全体的には横断面形状が真円になっ
ているが、周面の一部に周方向の一部が窪んでなる溝2
aがセンタコア2の長手方向に形成されている。成形型
1の両端は開口しており、この開口両端から筒状の圧縮
部材3、4が挿入される。圧縮部材3、4は外径が成形
型1の孔の径と等しく、内径がセンタコア2の外径と等
しくなっている。図1の例では、成形型1の左側の開口
端から圧縮部材3が挿入され、成形型1の右側の開口端
から圧縮部材4が挿入され、予め成形型1内にセンタコ
ア2を取り囲んで装填されている原料粉体を成形型1の
開口両端側から上記圧縮部材3、4で圧縮することによ
り、円筒状の圧粉体5を製作する。
【0011】センタコア2は上記のように全体的には横
断面形状が真円になっていて、成形型1の開口端部に対
応する位置に真円部が位置している。センタコア2の上
記溝2aは、円筒状の圧粉体5を成形すべき位置にあ
り、圧粉体5の内径部に溝2aの深さ分の突起が圧粉体
5の長さ方向全体にわたって一体成形される。圧粉体5
を成形した後、一方の圧縮部材4を成形型1から離間さ
せ、次にセンタコア2を図1において左側に抜き取る。
このセンタコア2を抜き取る際に、センタコア2の先端
側の真円部2bによって圧粉体5の内周面がほぼ真円に
仕上げられる。また、センタコア2の上記溝2aと真円
部2bとの境界部分には段部8が形成されているため、
この段部8によって圧粉体5の内周側の上記突起がしご
かれて削り取られ、この部分のポーラスが微細化されま
たは目潰しが行われる。圧粉体5は成形型1から取り出
され、この後、焼結工程、サイジング工程等に付され
る。
【0012】図3は、上記成形工程を含む焼結含油軸受
の製造工程全体を示す。図3に示すように、原料粉体
は、銅、鉄、錫など数種類あってこれを適当な割合に配
合して混合工程に付し、均一に混合する。この混合され
た原料粉体を上記のような成形型1、特殊形状のセンタ
コア2、圧縮部材3、4を用いて成形し、かつ、センタ
コア2の抜き取りによって、上記のように内周面の一部
のポーラスが微細化されまたは目潰しされた圧粉体5を
得る。この圧粉体5は焼結工程に付されて焼結され、次
にサイジング工程によって内径が所定の内径にサイジン
グされる。サイジング工程では、圧粉体5を焼結してな
る焼結体の中心孔に真円のサイジングバーを差し込んで
焼結体の中心孔の内径を調整する。さらに、洗浄・乾燥
工程に付されて洗浄され乾燥され、最後に含浸工程でポ
ーラスに潤滑油が含浸されて焼結含油軸受の製造が完了
する。
【0013】このように、上記実施の形態によれば、成
形型1の開口端部に対応する位置に真円部を有するとと
もに、原料粉体を成形すべき周面に周方向の一部が窪ん
でなる溝2aを有してなるセンタコア2を用い、センタ
コア2の上記溝2aに対応する位置で圧粉体5を成形す
ることによって、圧粉体5の内径部に上記溝2aに対応
する位置で突起を一体成形し、圧粉体5からセンタコア
2を抜き取って圧粉体5の内周面をほぼ真円に仕上げ
る。また、その際に、上記の突起形成部がセンタコア2
の真円部2bによって潰され、この部分のポーラスの微
細化または目潰しが行われる。
【0014】図5は、上記のようにして内周の一部がポ
ーラスの微細化または目潰しが行われた圧粉体5の例を
示すもので、圧粉体5の内周面5aの一部であって、上
記突起が形成されていた部分に、ポーラスの微細化また
は目潰し部5bが圧粉体5の軸線方向に形成されてい
る。従って、圧粉体5を焼結し、サイジングし、洗浄、
乾燥後潤滑油を含浸させて焼結含油軸受として完成させ
た後、その2個を対として図6に示すように軸受ハウジ
ング6に嵌め、2個の焼結含油軸受5、5のポーラスの
微細化または目潰しが行われた部分5b,5bで側圧の
かかった回転軸7を支持するようにすれば、回転軸7の
回転に伴い、ポーラスの微細化または目潰しが行われた
部分5b,5b以外の部分から滲み出して供給された潤
滑油が、ポーラスの微細化または目潰しが行われた部分
5b,5bに追い込まれて動圧力を発生し、エージング
を行わなくても、あるいはごく短時間のエージングを行
うだけで、金属接触を起こすことなく円滑に回転軸を支
持することができる。図6では、回転軸7が側圧によっ
て傾いている様子を強調して描いている。
【0015】上記実施の形態によればまた、成形工程で
得られる圧粉体の内径はほぼ真円状であり、これを焼結
した後のサイジング工程でのサイジング代はごく僅かあ
ればよく、かつ、部分的にサイジング代が多くなること
もないから、サイジングの際にサイジングバーの中心が
焼結体の中心からずれることがなく、焼結含油軸受の外
径中心と内径中心とを一致させることが容易であり、精
度の良い焼結含油軸受を得ることができるとともに、焼
結含油軸受の内径の周縁部にバリが生じることもない。
従って、上記実施の形態によって得られる焼結含油軸受
を用いれば、軸が円滑に回転し、焼結含油軸受が用いら
れているモータその他の装置などの円滑な作動を阻害す
ることもない。
【0016】以上説明した実施の形態にかかる焼結含油
軸受の製造方法は、成形型1の開口端部に対応する位置
に真円部を有するとともに、原料粉体を成形すべき周面
に周方向の一部が窪んでなる溝2aを有してなる特殊形
状のセンタコア2を用いることに特徴があるが、圧粉体
から上記センタコア2を抜き取る際に、上記真円部によ
って圧粉体の内周面をほぼ真円に仕上げるためには、セ
ンタコア2の先端部の真円部2bの長さがある程度長く
なっている必要がある。いま、図4(a)に示すよう
に、成形しようとする圧粉体5の中心軸線方向の長さを
L1、図4(b)に示すようにセンタコア2の先端部の
真円部2bの中心軸線方向の長さをL2とすると、真円
部2bの長さL2は、 L2≧L1/2 とするのが望ましい。また、センタコア2の溝2aの深
さにも適切な深さがある。あまり深すぎると、圧粉体の
内径側に形成される突起の突出量が大きくなりすぎて、
センタコア2を抜き取った後の圧粉体の内径の真円度が
劣化し、あまり浅すぎるとポーラスの微細化または目潰
しが不十分となる。図4(c)に示すように、センタコ
ア2の真円部の外径をφd1、センタコア2に中心軸線
を挟んで互いに反対側に形成された溝2aの底面相互間
の径をφd2とすると、溝2aの深さ(φd1−φd
2)/2は、0.005〜0.05mmの範囲に設定す
るのが望ましい。図面上では溝2aの深さが強調して描
かれている。
【0017】本発明に用いられるセンタコアの溝の底面
は必ずしも円筒面である必要はない。例えば、図7
(a)(b)に示すように、センタコア2の先端側の真
円部2b側からセンタコア2の基端側(図7(a)にお
いて左側)に向かって順次径が小さくなる部分円錐形の
溝2cであってもよい。また、図8(a)(b)に示す
ように、センタコア2の先端側の真円部2b側からセン
タコア2の基端側(図8(a)において左側)に向かっ
て順次径が大きくなる部分円錐形の溝2dであってもよ
い。図7、図8に示すセンタコア2の何れの場合も、真
円部2bと溝2cまたは2Dとの境界部分には段部8が
形成されていて、成形型で圧粉体を成形した後センタコ
ア2を抜き取るとき、上記段部8によって圧粉体の内周
側の突起がしごかれて削り取られ、この部分のポーラス
が微細化されまたは目潰しが行われるようになってい
る。
【0018】図示の実施の形態では、圧粉体に形成する
突起の数およびこの突起部分をしごいて形成するポーラ
スの微細化または目潰し部分の数が2個になっていた
が、ポーラスの微細化または目潰し部分の数は任意であ
り、1個でも、3個以上であってもよい。本発明の方法
によって製造される焼結含油軸受は、各種モータに適用
可能であるとともに、回転軸を支持する軸受として広く
適用することができる。特に側圧のかかる回転軸の軸受
として有効である。
【0019】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、センタコ
アを取り囲んで原料粉体を装填し、この原料粉体を成形
型の開口端側から圧縮して円筒状の圧粉体を製作し、こ
の圧粉体を焼結し、この焼結体に潤滑油を含浸させて焼
結含油軸受を得る焼結含油軸受の製造方法において、成
形型の開口端部に対応する位置に真円部を有するととも
に、原料粉体を成形すべき周面に周方向の一部が窪んで
なる溝を有してなるセンタコアを用い、上記圧粉体を製
作する過程においてセンタコアの上記溝を圧粉体の内周
面に対応する位置に配置し、圧粉体からセンタコアを抜
き取る際に上記真円部によって圧粉体の内周面をほぼ真
円に仕上げるようにしたため、成形工程で得られる圧粉
体の内径はほぼ真円状であり、これを焼結した後のサイ
ジング工程でのサイジング代はごく僅かあればよく、か
つ、部分的にサイジング代が多くなることもないから、
サイジングの際にサイジングバーの中心が焼結体の中心
からずれることがなく、焼結含油軸受の外径中心と内径
中心とを一致させることが容易であり、精度のよい焼結
含油軸受を得ることができるとともに、焼結含油軸受の
内径の周縁部にバリが生じることもない。従って、上記
実施の形態によって得られる焼結含油軸受を用いれば、
軸が円滑に回転し、焼結含油軸受が用いられているモー
タその他の装置などの円滑な作動を阻害することもな
い。
【0020】請求項2記載の発明によれば、圧粉体を製
作する過程において、成形型内でセンタコアの溝によっ
て成形される突部をセンタコアの真円部によって潰すよ
うにしたため、圧粉体の製作とポーラスの微細化または
目潰しを連続して行うことができ、製造工程の効率化を
図ることができる。
【0021】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の方法によって得られる圧粉体を焼結し、この焼結体
の中心孔に真円のサイジングバーを差し込んで焼結体の
中心孔の内径を調整するようにしたため、もともと寸法
精度の高い圧粉体に対してサイジングを施すことにな
り、サイジング代はごく僅かあればよく、かつ、部分的
にサイジング代が多くなることもないから、サイジング
の際にサイジングバーの中心が焼結体の中心からずれる
ことがなく、焼結含油軸受の外径中心と内径中心とを一
致させることが容易であり、精度の良い焼結含油軸受を
得ることができるとともに、焼結含油軸受の内径の周縁
部にバリが生じることもない。
【0022】請求項4記載の発明によれば、センタコア
の溝と真円部との境界部分には段部が形成されているた
め、圧粉体を成形した後センタコアを抜き取る際に、上
記段部によって圧粉体の内周側の突起がしごかれて削り
取られ、この部分のポーラスが微細化されまたは目潰し
が行われる。
【0023】請求項5記載の発明によれば、焼結含油軸
受の長さをL1、センタコアの先端から溝までの真円部
の長さをL2としたとき、L2≧L1/2の条件を満た
すセンタコアを使用するため、上記真円部の長さL2が
ある程度の長さ以上となり、圧粉体からセンタコアを抜
き取る際に、上記真円部によって圧粉体の内周面をほぼ
真円に仕上げるのに必要な長さが確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる焼結含油軸受の製造方法の一製
造工程の例を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる焼結含油軸受の製造方法に用い
られるセンタコアの例を示す斜視図である。
【図3】本発明にかかる焼結含油軸受の製造方法の例を
示す工程図である。
【図4】本発明にかかる方法によって製造される焼結含
油軸受の例と本発明に用いられるセンタコアの例を示す
もので、(a)は焼結含油軸受の断面図、(b)はセン
タコアの先端部の正面図、(c)はセンタコアの側面図
である。
【図5】本発明にかかる方法によって製造される焼結含
油軸受の例を示す(a)は側面図、(b)は断面斜視図
である。
【図6】本発明にかかる方法によって製造される焼結含
油軸受の使用例を示す断面図である。
【図7】本発明に用いることができるセンタコアの別の
例を示す(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図8】本発明に用いることができるセンタコアのさら
に別の例を示す(a)は正面図、(b)は側面図であ
る。
【図9】従来の焼結含油軸受の製造方法による圧粉工程
で得られる圧粉体の各種の例を示す側面図である。
【図10】従来の焼結含油軸受の製造方法によるサイジ
ング工程で得られる軸受の例を示す(a)は側面図、
(b)は断面斜視図である。
【図11】従来の焼結含油軸受の製造方法によって得ら
れる焼結含油軸受の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 成形型 2 センタコア 2a 溝 2b 真円部 2c 溝 2d 溝 5 圧粉体 8 段部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型の中央に棒状のセンタコアを配置
    するとともに、このセンタコアを取り囲んで原料粉体を
    装填し、この原料粉体を上記成形型の開口端側から圧縮
    することにより円筒状の圧粉体を製作し、その後上記圧
    粉体を焼結して焼結体を得、この焼結体に潤滑油を含浸
    させて焼結含油軸受を得る焼結含油軸受の製造方法にお
    いて、 上記センタコアは、上記成形型の開口端部に対応する位
    置に真円部を有するとともに、上記原料粉体を成形すべ
    き周面に周方向の一部が窪んでなる溝を有し、 上記圧粉体を製作する過程においてセンタコアの上記溝
    を圧粉体の内周面に対応する位置に配置し、上記圧粉体
    から上記センタコアを抜き取る際に上記真円部によって
    圧粉体の内周面をほぼ真円に仕上げることを特徴とする
    焼結含油軸受の製造方法。
  2. 【請求項2】 圧粉体を製作する過程において、成形型
    内でセンタコアの溝によって成形される突部をセンタコ
    アの真円部によって潰すことを特徴とする請求項1記載
    の焼結含油軸受の製造方法。
  3. 【請求項3】 圧粉体を焼結した焼結体の中心孔に真円
    のサイジングバーを差し込んで焼結体の中心孔の内径を
    調整することを特徴とする請求項1または2記載の焼結
    含油軸受の製造方法。
  4. 【請求項4】 センタコアの溝と真円部との境界部分に
    は段部が形成されていることを特徴とする請求項1、2
    または3記載の焼結含油軸受の製造方法。
  5. 【請求項5】 焼結含油軸受の長さをL1、センタコア
    の先端から溝までの真円部の長さをL2としたとき、L
    2≧L1/2の条件を満たすセンタコアを使用すること
    を特徴とする請求項1、2、3または4記載の焼結含油
    軸受の製造方法。
JP8088598A 1998-03-27 1998-03-27 焼結含油軸受の製造方法 Withdrawn JPH11280766A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006258185A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Mitsubishi Materials Pmg Corp 焼結含油軸受及びその製造方法
JP2012077911A (ja) * 2012-01-13 2012-04-19 Diamet:Kk 焼結含油軸受及びその製造方法

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