JPH11279982A - ネジレカールを防止した紙およびその製造方法 - Google Patents

ネジレカールを防止した紙およびその製造方法

Info

Publication number
JPH11279982A
JPH11279982A JP8481398A JP8481398A JPH11279982A JP H11279982 A JPH11279982 A JP H11279982A JP 8481398 A JP8481398 A JP 8481398A JP 8481398 A JP8481398 A JP 8481398A JP H11279982 A JPH11279982 A JP H11279982A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
curl
orientation angle
recirculation rate
angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8481398A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Higashiyama
正人 東山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP8481398A priority Critical patent/JPH11279982A/ja
Publication of JPH11279982A publication Critical patent/JPH11279982A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ネジレカールの内ネジレカールを防止した紙お
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】紙の裏面配向角θ1に対する表面配向角θ
2の表裏配向角絶対値差|θ|を、幅方向において5度
以内に抑えることにより、ネジレカールを防止した紙。
および、抄紙機ヘッドボックスへのパルプ懸濁液流入量
に対する再循環率を10%以上に調節することによりネ
ジレカールを防止した製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネジレカールを防
止した紙およびその製造方法に関する。さらに詳しく
は、抄紙機ヘッドボックスへのパルプ懸濁液流入量に対
する再循環流量を調節することによるネジレカールを防
止した紙およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術に知られているように、パルプ
懸濁液流入ヘッダー管の入り側と出側の圧力差(以下、
ヘッダー差圧と呼ぶ)は零となるように再循環バルブに
よってヘッダー差圧制御されている。再循環率は、この
時のバルブ開度によって一義的に決まるものであり、お
およそ8%である。ヘッダー差圧制御では、ヘッダー管
の幅方向圧力は均一となる。そのため、ヘッドボックス
内部の圧力も幅方向均一な圧力を有する。幅方向均一な
圧力はヘッドボックスリップ口より噴出する際、速度に
変換され幅方向均一な噴出流速度となる。
【0003】従来技術では、ヘッドボックスからの噴出
流速度を幅方向均一にすることに重きをおき、再循環流
量自体を設定する再循環率制御は行っていなかった。
【0004】通常、すき網上に噴出したパルプ懸濁液は
広がるため、すき網両サイドからこぼれてしまう。こぼ
れ防止のため、サイドデッケルをすき網両サイドに設置
しているが、サイドデッケルは広がろうとするパルプ懸
濁液を反射し、すき網中央に向かって押し戻す現象を生
じさせる。パルプ繊維は、通常すき網の流れ方向に並ぶ
ように配向するが、この反射の影響は繊維配向に流れ方
向に対する角度差(歪み)を生じさせる。パルプ繊維の
セットは、裏面(すき網に接する面)の方が脱水が進む
ため速い。また、表面に向かうにつれ脱水が鈍くなるた
めセットは遅くなり、依然としてすき網上をパルプ繊維
が流れている状況となる。このことは、サイドデッケル
によるすき網両サイドでの反射が裏面よりも表面におい
て大きな角度差となるという重大な影響を与えることに
なり、結果的に紙の表裏での繊維配向性に歪みを生じる
ことになる。
【0005】紙は、乾燥による収縮によって繊維配向を
軸にカールする。紙の表裏での繊維配向の角度差(歪
み)がまったく無ければ、1本の軸でカールしネジレは
発生しない。しかし、表裏において角度差があれば、カ
ール軸が2本となってしまい、それぞれカールする方向
が異なることから、乾燥後の紙にネジレカールの発生と
いう悪影響を及ぼす。このように、ネジレカール発生機
構は、紙の表裏での繊維配向角度差の歪みによって発現
するものである。
【0006】通常の操業におけるカールコントロールで
は、主に表面サイズプレスでの表裏付着量コントロー
ル、およびドライヤーでの表裏乾燥コントロールなど、
表裏におけるパルプ繊維の伸縮をコントロールする方法
をとるのが一般的である。これらの方法は、ネジレの無
いカール軸が1軸のカールには非常に効果的であるが、
2軸のカール軸を有するネジレカールに対しては、カー
ル値を小さくすることはできてもネジレ自体を防止する
ことは不可能である。
【0007】ネジレカールの発生は、コピー時の通紙ト
ラブルの一因ともなり、また、コピー後の積み姿の悪さ
ゆえ客先でのクレームともなる。このことから、反射の
影響を軽減し、表裏での角度差(歪み)を小さくするこ
とにより、ネジレカールの無い紙を製造することが必要
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、従
来技術であるヘッダー差圧制御において発生するすき網
両サイドでの反射により発生した繊維配向の歪みを、再
循環率制御として再循環率を増加することにより反射を
軽減し、表裏での配向角の角度差(歪み)を小さく抑え
ようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記に鑑み
鋭意研究した結果、本発明のネジレカールを防止した紙
およびその製造方法を発明するに至った。即ち、本発明
のネジレカールを防止した紙は、紙の裏面配向角θ1に
対する表面配向角θ2の表裏配向角絶対値差|θ|が、
幅方向において5度以内であることを特徴とするもので
ある。
【0010】また、本発明のネジレカールを防止した紙
の製造方法は、抄紙機ヘッドボックスへのパルプ懸濁液
流入量に対する再循環率を10%に調節することを特徴
とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】紙の裏面配向角θ1に対する表面
配向角θ2の表裏配向角絶対値差|θ|を、幅方向にお
いて5度以内に抑えることにより、ネジレカールを防止
する。ここでいう表裏配向角絶対値差|θ|を5度以内
という定義は、実際にサンプルを通紙コピーしたカール
結果から得られたものである。
【0012】図4に示すように、表裏配向角絶対値差|
θ|を5度以内に納めることにより、通紙コピーカール
はネジレ→縦軸カールへと変化し、ネジレカールが防止
されていることがわかる。更に、抄紙機ヘッドボックス
へのパルプ懸濁液流入量に対する再循環率を10%より
大きく調節しネジレカールを防止する。
【0013】本発明による解決方法は、再循環率を10
%より大きく調節し、パルプ懸濁液流入ヘッダー管の出
側の圧力を入り側の圧力より低くすることにある。従来
技術であるヘッダー差圧から再循環率への制御方法の変
更は、切り替えスイッチを設けることで可能としてあ
る。再循環率を増加するにつれ、ヘッドボックスリップ
口から噴出する噴出流速度は、噴出流自体が有する圧力
に従い、ヘッダー管出側の方が入り側より遅くなること
になる。このため、出側において、サイドデッケルによ
る反射は噴出流速度が小さくなった分、弱まり表裏での
繊維配向角の角度差(歪み)の発生は軽減する。次に、
ヘッダー管入り側においては、再循環率変更前とヘッダ
ー管圧力は変化しないため、ヘッドボックスリップ口か
らの噴出流速度も変わらない。
【0014】しかしながら、ヘッドボックスリップ口か
ら噴出する噴出流速度の幅方向速度分布は、噴出流自体
が有している圧力に従い、ヘッダー管出側に向かうにつ
れ徐々に低下していく。これにより、ヘッダー管入り側
におけるパルプ繊維の繊維配向は、速度の低い出側の方
に僅かに傾斜した状態でヘッドボックスリップ口より噴
出される。つまり、ヘッダー管入り側における噴出流速
度自体は、再循環率変更前後で変わることはないが、繊
維配向に関しては、ヘッダー管出側方向に僅かに傾斜ま
まサイドデッケルにぶつかることになる。繊維配向がヘ
ッダー管出側に傾斜していることにより、サイドデッケ
ルによる反射は傾斜した分小さくなり、表裏での繊維配
向角の角度差(歪み)は軽減されることになる。
【0015】以上より、すき網両サイドにおけるパルプ
懸濁液の反射の影響は、再循環率を増加することにより
それぞれ軽減し、表裏での配向角絶対値差|θ|は5度
以内の範囲に納めることが可能となる。
【0016】本発明の実施方法は、まず、現状の再循環
率において抄造した紙サンプルの表面と裏面の配向角を
測定する。更に、これらの結果を用い、表裏配向角絶対
値差を算出する。本発明における表裏の配向角測定は、
テープ剥離法を用い、表面と裏面に剥離したサンプルの
配向角をSST−3000(野村商事製)により測定し
た。紙サンプルの裏面配向角をθ1、表面配向角をθ2
とし、表裏配向角絶対値差|θ|は、下記数式1として
表す。
【0017】
【数1】 |θ|=|θ2−θ1| (数式1)
【0018】現状での幅方向における表裏配向角絶対値
差|θ|レベルを確認後、再循環率を現行率以上に順次
振っていき、同様の方法にて表裏配向角絶対値差|θ|
を求める。各水準での再循環率の内、表裏での配向角絶
対値差|θ|が幅方向において5度以内の範囲に納まっ
た再循環率の値がネジレカールを防止した紙の製造方法
である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0020】図1、図2、図3は、本発明の実施例を示
すものである。比較例として従来技術であるヘッダー差
圧制御での再循環率8%および、実施例として本発明の
再循環率制御による再循環率10%、15%における各
再循環率にて得たサンプルの表裏での配向角を測定した
結果である。図4は、各再循環率における通紙コピーカ
ール結果を示す。
【0021】実施例1 抄紙機ヘッドボックスへのパルプ懸濁液流入量に対する
再循環流量の制御方法を、従来技術であるヘッダー差圧
制御から再循環率制御へと切り替える。次に、再循環率
の設定値を10%とする。再循環率10%にて抄造した
紙サンプルをテープ剥離法を用い、表面と裏面のサンプ
ルに剥離し、裏面配向角θ1と表面配向角θ2をSST
−3000により測定する。更に、これらの結果を用
い、表裏配向角絶対値差|θ|を算出する。得られたθ
1、θ2、|θ|、通紙コピーカール結果を図1、図
2、図3、図4に示す。
【0022】実施例2 再循環率の設定値を15%とする以外は、実施例1と全
く同様にして抄造し、紙サンプルを得る。測定方法、算
出方法についても実施例1と同様である。得られたθ
1、θ2、|θ|、通紙コピーカール結果を図1、図
2、図3、図4に示す。
【0023】比較例1 抄紙機ヘッドボックスへのパルプ懸濁液流入量に対する
再循環流量の制御方法を、従来技術であるヘッダー差圧
制御とする。このときの再循環率は、再循環バルブのバ
ルブ開度により一義的に決まるものであり、おおよそ8
%である。ヘッダー差圧制御とする以外は、実施例1と
全く同様にして抄造し、紙サンプルを得る。測定方法、
算出方法についても実施例1と同様である。得られたθ
1、θ2、|θ|、通紙コピーカール結果を図1、図
2、図3、図4に示す。
【0024】以上の実施例1、実施例2と比較例1の紙
サンプルの裏面配向角θ1、表面配向角θ2、表裏配向
角絶対値差|θ|と通紙コピーカール結果を図1、図
2、図3、図4で見ると、本発明の実施例1、実施例2
は比較例1に比較して裏面配向角θ1、表面配向角θ2
ともに再循環率を増加するに従い、角度差(歪み)が小
さくなっていくことがわかる。また、表裏配向角絶対値
差|θ|からも、表裏での2軸のカール軸の角度差が小
さくなっていることがわかる。
【0025】これより、再循環率を増すに従い、ネジレ
カールが発生しやすい表裏配向角の歪みが減少していく
ことを示す。但し、再循環率10%において、表裏での
配向角の角度差(歪み)は、従来技術であるヘッダー差
圧制御での再循環率8%より小さくなっているが、ネジ
レカールは防止されるまでは至っておらず、再循環率1
5%とし、表裏配向角絶対値差|θ|が5度以内に納ま
って初めて、ネジレカールが防止されることが通紙コピ
ーカール結果からわかる。
【0026】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の製造方法によ
れば、従来のパルプ懸濁液流入ヘッダー管の入り側、出
側での圧力を同一とする方式に代えて、再循環率を10
より大きく調節し、パルプ懸濁液流入ヘッダー管の出側
圧力を入り側圧力より低くすることにより、両サイドに
おける反射の影響を軽減し、表裏での配向角の角度差
(歪み)を抑制することができる。且つ、表裏での配向
角絶対値差|θ|を5度以内に納めることができ、乾燥
後のネジレカール発生を抑制することができるという優
れた効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、再循環率8
%、10%、15%時における裏面配向角θ1の幅方向
測定結果である。
【図2】表面配向角θ2の幅方向測定結果である。
【図3】表裏配向角絶対値差|θ|の幅方向測定結果で
ある。
【図4】各再循環率における通紙コピーカール結果であ
る。
【符号の説明】
θ1 裏面配向角 θ2 表面配向角 |θ| 表裏配向角絶対値差

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙の裏面配向角θ1に対する表面配向角
    θ2の表裏配向角絶対値差|θ|が、幅方向において5
    度以内であることを特徴とするネジレカールを防止した
    紙。
  2. 【請求項2】 抄紙機ヘッドボックスへのパルプ懸濁液
    流入量に対する再循環流量の比率(以下、再循環率と呼
    ぶ)を10%以上に調節することを特徴とするネジレカ
    ールを防止した紙の製造方法。
JP8481398A 1998-03-31 1998-03-31 ネジレカールを防止した紙およびその製造方法 Pending JPH11279982A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8481398A JPH11279982A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 ネジレカールを防止した紙およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8481398A JPH11279982A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 ネジレカールを防止した紙およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11279982A true JPH11279982A (ja) 1999-10-12

Family

ID=13841183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8481398A Pending JPH11279982A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 ネジレカールを防止した紙およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11279982A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011208334A (ja) * 2010-03-31 2011-10-20 Oji Paper Co Ltd 再生葉書用紙ならびにその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011208334A (ja) * 2010-03-31 2011-10-20 Oji Paper Co Ltd 再生葉書用紙ならびにその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5645689A (en) Multilayer headbox
US5674364A (en) Method and device in the regulation of a headbox
JPH0770967A (ja) 製紙機械の原料溜まり及びその原料懸濁液流量の部分的制御方法
US6372091B2 (en) Method and apparatus for forming a paper web
JPH06506274A (ja) ヘッドボックスの管列装置
JPH111884A (ja) 製紙機械のヘッドボックス
EP0853703B1 (en) Roll and blade twin-wire gap former for a paper machine
CA2127155C (en) Method and device in the regulation of a headbox
JP4922531B2 (ja) 抄紙機等のヘッドボックス
US5470439A (en) End portion flow rate regulating apparatus for a paper machine headbox
US5833808A (en) Method of controlling curl employing inline headbox edge flow control valve
US5437769A (en) Dewatering instrument for a paper machine twin-wire former
JPH11279982A (ja) ネジレカールを防止した紙およびその製造方法
WO1999042656A1 (en) System of regulation for a paper machine
US3954558A (en) Feeding device for paper machines
US4504360A (en) A headbox in a paper-making machine having a flow rectifier
US5565064A (en) Paper machine wet forming section and method of operation thereof
CA2411359A1 (en) Method for fluidisation of pulp flow in the headbox of a paper machine or such and control equipment used in the fluidisation
JPH07279079A (ja) 抄紙機用ヘッドボックス
EP0971068B1 (en) Headbox with converging side walls
JP2891574B2 (ja) 抄紙機ヘッドボックス
FI84737C (fi) Menetelmä ja sovitelma paperirainan vinon kuituorientaation hallitsemi seksi perälaatikossa
KR100538115B1 (ko) 유량 범위를 확대시키는 제지기 헤드박스 조립체 및 그 조립체의 엣지 흐름 튜브에 모따기된 오리피스 입구를 제조하는 방법
CA2277979C (en) Roll and blade twin-wire gap former for a paper machine
JPH04333687A (ja) 抄紙機ヘッドボックス

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040302

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02