JP4922531B2 - 抄紙機等のヘッドボックス - Google Patents
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Description
本発明は、抄紙機等のヘッドボックスに関する。
【0002】
良質の紙を製造すること及び安定した製造過程が、抄紙機のヘッドボックスに対して高い要求をもたらす。特に、質的かつ生産的要求に合致するヘッドボックスは、均質かつ問題ないリップ吐出を製造できることが期待される。
【0003】
動作及び更なるリファインメント過程における様々なアプリケーションは、紙及び板紙製造物に対する高質の要求をもたらす。実務的には、これらの要求は、製造物の構造的、物理的及び視覚的特徴に関連している。個々の目的の夫々に適合する特徴を得るために、製造過程は、製造物の量も制限する限界が通常設定されるある動作範囲の夫々の時に効率的に活用される。このように、所望の種類の製造物は、製造過程の狭い動作範囲でのみ作られることが可能である。
【0004】
動作範囲によって作られた制限のために、過程中の、製造の増加及び製造物の質の向上を狙いとしたそのような変化を実行することはとても困難である。著しい変化は大抵、長い範囲での調査及び技術的な発展を必要とする。製造過程の増加した生産性に対する所望の過程変化は、例えば、増加した機械速度及び水の最小化された使用(増加されたウエブWの地合い濃度)を伴って行う新技術である。
【0005】
良質の紙を作るための努力は、渦流及び濃度ストリークの如き様々な外乱がヘッドボックスから逃げることを防止するためになされる。このような外乱は、例えば、流動化(幾何学的な大きな変化)に関し、外乱発生機のパイプの出力端中(渦流及び濃度及び速度プロファイルの如きパイプ壁からの外乱)で発生され得る。
【0006】
このため、
1)小さな幾何学的ステップを伴う流動化、及び
2)低いパイプ特有の流速
がヘッドボックスにおいて典型的に使用されていた。
【0007】
流動化の後でのヘッドボックス中の繊維パルプの平均滞留時間は、再フロキュレーションの回避の点で長すぎることが、低流速から続く。このように、繊維パルプは、良好な地合いが要求される流動状態中のヘッドボックスから吐出されない。流動化を向上させるために、事実上は、薄層がヘッドボックス中に使用された。これらの薄層は、リップ・チャネル中に設けられ、チャネル中でより大きな摩擦面をもたらす。しかしながら、薄層の最も著しい流動化促進効果は、これらのチップ乱流に関連する。これらの乱流は流動化にとって有利であるが、ゆっくりと弱めるが製造された紙中でさえも見られるコヒーレント流構造を引き起こす。実務的には、薄層によってもたらされた加えられた摩擦面及び境界層乱流の増加した産出高は、流れを流動化するには十分ではない。しかしながら、フロー・チャネル中の摩擦面及び境界層乱流の目的で、タービュランスジェネレータでもたらされた大きな流動状況を維持することは可能である。多くのステージで実行される不完全で(注意する)流動化は、制御された滞留時間に基づき、1つのステージで実行される流動化に比し、より不利なフロック構造へと導かれる。
【0008】
本発明によるヘッドボックスは、先行技術における解決と本発明のヘッドボックス内での流動化は、各パイプラインの1つのステージ中で一回だけ実行されるという点で相違する。このように、各パイプラインは1つだけの流動化要素を含む。流動化が効果的に実行されるときは、流れは加速され、流動化レベルは薄層及び望ましい流れ表面を用いて維持される。流れを加速することによって、流動化点の後のヘッドボックスでのパルプの滞留時間は出来るだけ短く維持され、パルプが地合いワイヤに到達するように、例えば、狭い入り口のフォーマーの地合いワイヤの間の狭い入り口へ、流動化レベルもまた良好に維持される。このように、タービュランスジェネレータ中の本発明によるヘッドボックスは、1つの流動化体(fluidiser)、即ち、パルプの流動化に使用される流動化要素を各パイプ列に含む。その後、パルプは、流れに対して外乱を引き起こすステップ又は他の場所を含まない流路に沿って流れ方向に案内される。
【0009】
本発明によるヘッドボックス構造は、クレームに示される事項によって特徴づけられる。
【0010】
本発明によるヘッドボックス構造では、ヘッドボックスのタービュランスジェネレータのパイプ特有の流れを増加することによって、紙質は向上し、ウエブ地合い濃度を増加することが出来る。これは、流動化体中でより多い乱流を発生することによって可能となり、従来のヘッドボックスによる解決よりも完全な流動化をもたらす。上昇された乱流レベルの有害な効果は、発生させられた乱流の渦巻きサイズの規模を制限することによって除外される。
【0011】
流動化は、繊維懸濁液の流れの特徴が、水の流れの特徴に対応するように作られることを意味する。即ち、複数相の流れは、1つの相の流れのように作用する。これによって、木の繊維、フィラー、繊維懸濁液の流れ中の微細繊維は水のように作用する。流動化中の繊維粕、即ち、繊維フロックは破壊される。
【0012】
このように、本発明のヘッドボックス中では、一度だけ流動化が行われ、そのレベルは、従来のヘッドボックスよりも高くなる。流動化は、回転対称パイプ拡張中で実行されることが望ましい。しかしながら、ターボパイプの端部及び薄層の先端でのステップの如き他の流動化要素が最小化されるので、使用される全圧力エネルギは、以前よりも必要的には高くない。流動化レベル及びこのように最小化されたフロック規模は、流動化体初期パイプによって形成された本体、ステップ拡張及び所望の損失エネルギを生産する渦巻き室を選択することによって制御される。
【0013】
より高い流動化レベルが、増加されたエネルギ供給によって獲得される。
【0014】
以下、本発明を、添付されている図面及びグラフを参照して説明する。本発明は、図面及びグラフに示されたもののみに限定されないが、グラフ及びヘッドボックスの実施例の図示は本発明の幾つかの有利な実施例を示す。
【0015】
図1は、従来技術の作用範囲(楕円形)及び本発明による作用範囲(矩形)を示すグラフであり、流動化体の損失エネルギの機能として、本発明のヘッドボックスの流動化力を図示する。縦の座標はフロックの大きさを、横の座標は圧力損失を示す。様々な印によって示される説明書きは、異なる構造を示す。
【0016】
図2は、流動化体の後に、再流動化過程および繊維流動性中の関連する減少を示す。実線によって示される説明書きに関連するフロックの大きさは左側の縦の座標で示され、滞留時間は横の座標に示される。右の縦軸は、滞留時間に関連する繊維流動性を示す。点線で示される説明書きは、このようにして読まれる。説明書きは、異なる構造、つまり異なる圧力損失を図示するものである。同じ印は、同じヘッドボックス構造に関連し、これゆえ、同じ圧力損失に関連する。
【0017】
図3Aは、本発明のヘッドボックスの側面から見た場合の断面図である。
【0018】
図3Bは、本発明のヘッドボックスの線I−Iに沿ってみた図である。
【0019】
図3Cは、本発明のヘッドボックスに関連するタービュランスジェネレータの拡大図であり、本発明の流動化要素を含むものである。
【0020】
図3Dは、流動化要素、即ち、流動化体が、リップ室で終結しリップ室が薄層を含むタービュランスジェネレータに設けられている本発明の実施例を示す図である。
【0021】
図4は、狭い入り口のフォーマーに関連する本発明のヘッドボックスを示す図である。
【0022】
図5は、本発明の流動化要素の後のパイプ15を示す図であり、当該パイプは、円形の断面のパイプ部15a及び矩形形状の断面へと変わる次のパイプ部15bを含むものである。
【0023】
図6は、本発明における流動化体、即ち、流動化要素の軸測図である。
【0024】
図7は、どのようにタービュランスジェネレータに薄層が結合しているかを示す図である。
【0025】
図8は、本発明によるヘッドボックスの実施例を示し、パルプがバイパス多岐管から直接的に本発明によるタービュランスジェネレータへ案内される。
【0026】
図1は、従来技術の作用範囲(楕円形)及び本発明による作用範囲(矩形)を示すグラフであり、流動化体の損失エネルギの機能として、本発明のヘッドボックスの流動化力を示す図である。例えば、チューブ状のタービュランスジェネレータ中の本発明によるヘッドボックスの流動化要素は、次元化され、作動範囲の下限は対応し、圧力損失最小フロックサイズ曲線(傾斜=−1)の最適条件を伴って大きい。
【0027】
損失パワー(流速)が増加するにつれて最小フロックサイズは対数的に減少されるので、ほぼ同一の流動化レベルが、上述の最適条件とともに対応する寸法点を越える流速とともに獲得される。しかしながら、より高い流速のために、これによって、より短い滞留時間が結果として生じ、これゆえ、より良好な流動化レベルがヘッドボックスからの外流中で得られる。流速範囲の最大は、消えるべき薄層及びターボパイプの遅滞中での外乱のためのリップチャネル中で必要とされる時間によって形成される。本発明によるヘッドボックスでは、高流速の目的及び小さなチャネルサイズに遅れない乱流の高レベルの流動化が引き起こされるため、この流速範囲の最大は伝統的なヘッドボックスよりも相当に高い。
【0028】
効率的な流動化体のために、強力な乱流が本発明のヘッドボックス中で得られる。このようなステップは流動化体として使用され、その寸法は、平均繊維長よりも長い。これによって、フロックを破壊するに十分な渦巻きサイズが、エネルギの十分な供給に加えて得ることが出来る。流動化体の後で、乱流は、迅速に消え始める。平均繊維長よりも大きい渦巻きがフロックを破壊するために必要とされるが、これらは、流動化の後で迅速に再フロキュレーションを引き起こす。
【0029】
図2は、繊維流動性中の関連する減少と同様に、流動化体の後の再フロキュレーションを示す。実線によって示される説明書きに関連するフロックの大きさは左側の縦の座標で示され、滞留時間は横の座標に示される。右の縦軸は、滞留時間に関連する繊維流動性を示す。点線で示される説明書きは、このようにして読まれる。説明書きは、異なる構造、つまり異なる圧力損失を図示するものである。同じ印は、同じヘッドボックス構造に関連し、これゆえ、同じ圧力損失に関連する。最大の繊維流動性は、フロックの大きさが各構造と共に最小のときに観察される。
【0030】
本発明のヘッドボックスでは、繊維流動性または流動化レベルは、以下の手続きによって維持される。
a)滞留時間が、高パイプ特有の流速によって短くされる。
b)滞留時間が、流れを加速することによって短くされる。
c)乱流規模が、チャンネル断面を減少することによって減らされる。
d)滞留時間が、流動化要素からワイヤへの距離を最小化することによって短くされる。
【0031】
くさび状の薄層16a1,16a2により、流れの加速は継続され、このような自動流動化ユニットの後の滞留時間はヘッドボックス中で短くされ、チャンネル断面の減少(規模の制御)は、ヘッドボックスのリップチャンネル部分中で継続される。同時に、壁面の負担が最適化される。壁摩擦によって、乱流がひきおこされ、乱流はゆっくりとなり、流動化体中でもたらされる高乱流レベルの消滅が停止される。加えて、得られた乱流は、所望の小規模で薄層によって分割されたリップチャネル中で起こる。
【0032】
本発明のヘッドボックスでは、これらの問題は、高い乱流レベル、即ち、以下の原理による繊維移動性で制御される。
a)小チャンネル規模での規模制御は、最大の外乱構造の規模及び強さを減少する。
b)流動化体でひきおこされる高い乱流レベルは、効率的に、コヒーラント構造(例えば、トレーリングくさび構造)を確率的乱流へと、より小さくするように破壊する。乱流の超過した消滅は、短滞留時間で、薄層及び乱流を生産するリップチャネルの流表面を用いて限界層乱流の産出によって制御される。
c)高乱流レベルは迅速に、ターボパイプの端部の壁又は薄層から密度ストリークを一様にする。
d)高レイノルズ数、即ち、高パイプ流速及び流れの加速度は、境界層を薄く安定化する。
e)流動化は一回だけ効率的に実行され、流動化状態は、上述の手段で持続される。アイテムc)によって引き起こされる外乱は、これによって避けられる。
f)流れは、減少する厚さを有する円錐の薄層を用いて流動化体の後で全部分で加速される。
g)トレーリングくさびのコヒーラント構造の振幅は、低く維持され、薄い鋭利な薄層チップを用いて高周波数を維持する。
【0033】
図3Aは、抄紙機又は板紙抄紙機において、本発明のヘッドボックス10の側面から見た場合の断面図である。図3Aに示されるように、パルプM1は、バイパス多岐管J1からパイプセット11のパイプ11a1.1、11a1.2、...;11a2.1、11a2.2、...を通じて中間室E及び更にはタービュランスジェネレータ12へ案内される。タービュランスジェネレータ12から、パルプ流れは、リップ円錐(lip cone)Kへ案内され、更には、地合いワイヤH1及びH2の間でフォーマーへ、望ましくは狭い入り口のフォーマー20へ案内される。
【0034】
図3Bは、図3Aの線I−Iに沿ったヘッドボックス10の側面図である。図3Bに示されるように、狭いバイパス多岐管J1は、パイプ流れL1をパイプセット11のパイプ11a1.1、11a1.2、...;11a2.1、11a2.2...;11a3.1、11a3.2...へ導き、更には、タービュランスジェネレータ12へ及び薄層16a1、16a2を通過しリップ円錐Kへ、そして更には地合いワイヤH1へ、望ましくは図4に示されるように狭い入り口のフォーマー20の地合いワイヤH1及びH2の間へ導く。
【0035】
図3Cは、タービュランスジェネレータ12及び図3Aのヘッドボックス中の引き続く構造の拡大図である。図3Cに示されるように、タービュランスジェネレータ12のパイプの各列のパイプ12a1.1、12a1.2...;12a2.1、12a2.2...は、以下のように形成されている。流れの方向で狭くなる中間室E中に、長さが少なくとも150mmで、10−20mmの範囲の内径(Φ2)のスロットルパイプ13は開口する。中間室Eはまた、流れの方向L1での基準の断面流れ領域を有する。流れ方向でのパイプ13の後に、流動化体14があり、図6に詳細を示すように、円形断面を伴うステップ(step)形状を有する。ステップの高さh1は、混合パイプ15aの内径とスロットルパイプ13との差を2つに分けること、即ち、
h1=(Φ1−Φ2)/2
によって決定され、ステップの高さh1は、少なくとも平均繊維長と等しい、望ましくはそれ以上であり、1mm−12mmの範囲であり、最も望ましくは1mm−6mmの範囲である。平均繊維長は、典型的には1mm−3mmの範囲であり、使用されるパルプに因る。流動化体、即ち、流動化要素14の後に、タービュランスジェネレータのパイプ15があり、当該パイプは回転的に対称で50mmよりも短くない長さの混合パイプ部分15a及びパルプ流れを加速し200mmよりも長くない長さの加速度及びリシェイプ部分15bを含み、乱流の強度は、パイプ15bの出口開口中のステップを許容するに十分である。リップチャネルKの長さは選択され、パイプ15から到着する流れは、その中で混合する時間を有し、再フロキュレーションが防止される。リップチャネルKの長さは、100mm−800mmの範囲で選択される。パイプ15aの断面は、パイプ15b中で円形から正方形へ変化する。パイプ部分15aの内径Φ1は、20mm−40mmの範囲にある。パイプ15aの内径とスロットルパイプ13との比Φ1/Φ2は、1.1−4.0の範囲にある。流れは、タービュランスジェネレータのパイプ15bから来て、パイプ12a1.1、12a2.1...と薄層16a1、16a2の間にステップがない又は2mmより長くなくタービュランスジェネレータのパイプ壁の厚さに等しくなるように、薄層16a1、16a2に到達する。本発明によれば、そのような薄層16a1、16a2が使われ、流れ方向でくさび状に狭く最終端は鋭い先端となっており、その先端の高さh2は0−2mmの範囲であり、望ましくは1mmよりも小さい。このように、タービュランスジェネレータの本発明のヘッドボックスは、1つのみの流動化点を含み、この加速度配置及び薄層配置の後に、流動化点の後に流れの流動化を維持し、ワイヤH1、H2のフォーメーションの前にヘッドボックス中の滞留時間を最小化する。
【0036】
流動化要素14の後に、パルプの流速は、全時間、リップ開口への全方法で本質的に加速される。流動化要素14の後に、z方向での流れチャネル中の最大許容ステップ拡張は、平均繊維長さよりも小さい。タービュランスジェネレータ12のパイプ13の最小長さは150mmであり、パイプ15aの回転対称部分の最大長さは50mmであり、パイプ15bの最大長さは200mmである。
【0037】
図3Dは本発明の実施例を示し、ヘッドボックスは薄層を含んでいない点でのみ上述の実施例と異なる。タービュランスジェネレータ12から流れは流動化の後に直接リップ室へ案内され、更にフォーメーションワイヤーへと案内される。
【0038】
図4は、フォーマー20のロール21及び22との関連での本発明のヘッドボックス10を示す。パルプ排出は、ヘッドボックス10からワイヤH1及びH2の間のジョーTへ実行される。ヘッドボックス10は、チップラス(tip lath)30及びスピンドル31a1、31a2...を含み、ヘッドボックス幅の異なる点においてチップラス長さに沿ってそれを制御する。パルプは、バイパス多岐管J1から直接的に本発明のタービュランスジェネレータへ案内される。
【0039】
図5は、本発明のヘッドボックス中において、タービュランスジェネレータ12中で用いられる乱流パイプ15を示し、当該パイプは、円形の断面のパイプ部15a及び矩形形状の断面15bへと変わる。壁厚さは約2mmである。円形断面において流動化度は最大へと発展し、その後、ヘッドボックス中で滞留時間は最小化されるように流れはパイプ部15b中で加速される。上述のパイプ部15bは、所謂再形状(reshaping)部と呼ばれ、円形断面がタービュランスジェネレータのパイプへの最も有利な最終形状である矩形断面へと変わる。図示されるように、くさび状に狭くなることが、タービュランスジェネレータのパイプ列12a1.1、12a1.2の間に位置されており、リップ円錐Kへくさび状に狭くなる第2の薄層16a2は、タービュランスジェネレータのパイプ列12a1.2、12a1.3の間に位置されている。
【0040】
図6は、流動化要素14又はパイプ拡大によって形成される本発明による流動化体を示す。本発明によれば、図に示される流動化要素は、パイプ部13の後に、チャンネル拡大、即ち、望ましくは環状の板であり、壁構造D1を含むステップを含む。その平面は、パイプ11の縦軸X及び流れ方向L1に対して直角であり、環状の壁部D1は円形断面を有するパイプ15aの内壁内において終了している。流動化要素のステップ拡張部の高さh1は、1−12mm中であり、少なくとも平均繊維長に等しい。図6に示される流動化体にあっては、パルプ流れL1がこのようにパイプ13から環状壁構造D1を含む放射状に拡張する点へ案内され、円形断面を有するパイプ15aの内表面中で終了する。これらの状況において、放射状に進む流れは、壁構造D1及び円形断面を有するパイプ15aの内壁表面によって制限される。
【0041】
図7は、本発明による薄層の構想及びタービュランスジェネレータ12の出口端の端表面をどのように結合するのかを示す。図に示されるように、薄層は、くさび状に狭く、最終端は鋭い先端16bとなっており、その最大高さは2mmである。望ましくは、薄層16a1、16a2とタービュランスジェネレータ12のパイプの端表面との間にはステップはない。もし、ステップが発生した場合には、タービュランスジェネレータのパイプの壁厚さは2mmよりも大きくない。
【0042】
図8は、本発明によるヘッドボックスの実施例を示し、抄紙機のヘッドボックスは、バイパス多岐管J1及びバイパス多岐管の後の本発明によるタービュランスジェネレータ12を含む。このように、パルプM1は矢印L1で示すように、直接タービュランスジェネレータ12へ、即ち、パイプ列のパイプ12a1.1、12a1.2...;12a2.1、12a2.2...;へ案内される。タービュランスジェネレータ12は、図3A、3B,及び3Cの実施例中に示されるものと近似した構造を含む。このように、パルプは、タービュランスジェネレータのパイプ列のこのようなパイプ12a1.1、12a1.2...;12a2.1、12a2.2...へ案内され、夫々のパイプは一つの流動化要素又は流動化体14を含む。パルプは、先ずバイパス多岐管J1から案内されパイプ11へ案内され、そして環状拡張、即ち、流動化体を通じてより大きな直径でパイプ15aへと案内され、円形断面を有する部分15aを含み、部分15bにおいてが狭い矩形断面へと変わる。部分15bは、パルプ加速度部分であり、そこからパルプは更に、リップ室Kへと案内され、薄層16a1、16a2を含み、その表面においてステップを有さずして本質的にタービュランスジェネレータの最終パイプの平面に結合する。このように、流動化点の後に、出来るだけ外乱が流動化点の後に流れ中に発生せず、流動化が加速され、ヘッドボックス中のパルプの滞留時間は出来るだけ短く、パルプは良好な流動化度を伴ってフォーメーションワイヤーへともたらされる。
【0043】
本発明のヘッドボックスは、抄紙機のみならず板紙機械、ソフトティッシュ機械、及びパルプ乾燥機械においても使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術の作用範囲(楕円形)及び本発明による作用範囲(矩形)を示すグラフであり、流動化体の損失エネルギの機能として、本発明のヘッドボックスの流動化力を示す図である。
【図2】 流動化体の後に、再流動化過程および繊維流動性中の関連する減少を示す図である。
【図3A】 本発明のヘッドボックスの側面から見た場合の断面図である。
【図3B】 本発明のヘッドボックスの線I−Iに沿ってみた図である。
【図3C】 本発明のヘッドボックスに関連するタービュランスジェネレータの拡大図であり、本発明の流動化要素を含むものである。
【図3D】流動化要素、即ち、流動化体が、リップ室で終結しリップ室が薄層を含むタービュランスジェネレータに設けられている本発明の実施例を示す図である。
【図4】 狭い入り口のフォーマーに関連する本発明のヘッドボックスを示す図である。
【図5】 本発明の流動化要素の後のパイプ15を示す図であり、当該パイプは、円形の断面のパイプ部15a及び矩形形状の断面へと変わる次のパイプ部15bを含むものである。
【図6】 本発明における流動化体、即ち、流動化要素の軸測図である。
【図7】 どのようにタービュランスジェネレータに薄層が結合しているかを示す図である。
【図8】 本発明によるヘッドボックスの実施例を示し、パルプがバイパス多岐管から直接的に本発明によるタービュランスジェネレータへ案内される。
Claims (13)
- 抄紙機等のヘッドボックス(10)であって、
前記ヘッドボックスはバイパス多岐管(J1)を含み、バイパス多岐管J1からパイプセット(11)のパイプ11a1.1、11a1.2...;11a2.1、11a2.2...を通じて中間室(E)及び更にはタービュランスジェネレータ(12)へ案内され、又はバイパス多岐管(J1)から直接にタービュランスジェネレータへ案内され、且つ、タービュランスジェネレータ(12)のパイプ列のパイプ12a1.1、12a1.2...;12a2.1、12a2.2...によってリップ円錐(K)へと案内され、更には、ヘッドボックスからフォーメーションワイヤへと案内されるヘッドボックス(10)であって、
ヘッドボックスのタービュランスジェネレータ(12)は小径のパイプから大径のパイプに径が拡大するパイプ径拡張部により形成される流動化要素(14)を含み、
流動化は1つのステップでのみ実行され、前記流動化要素(14)中では出来るだけ小さな乱流が流動化流れへと引き起こされることを特徴とするヘッドボックス。 - タービュランスジェネレータ(12)の出口端に薄層(16a1、16a)が結合され、
前記薄層の入口端の面は、本質的に、タービュランスジェネレータのパイプの出口端の面と同一面となるように結合し、
これによって、タービュランスジェネレータのパイプの表面に沿う流れから前記薄層(16a1、16a)の表面上へ流れる流れとは、実質的に、ステップのない状態で連続することを特徴とする請求項1記載のヘッドボックス。 - 薄層(16a1、16a)の入口側表面とタービュランスジェネレータのパイプの表面との最大許容高さ相違は、
2mm、即ち、タービュランスジェネレータのパイプのパイプ厚さであることを特徴とする請求項1記載のヘッドボックス。 - ヘッドボックスの薄層(16a1、16a)のタービュランスジェネレータの乱流パイプの端表面への結合は、如何なるステップなしに、平滑に行われ、
仮にステップが在れば、タービュランスジェネレータのパイプの壁厚さのサイズよりも大きくなく、最大サイズは2mmであることを特徴とする請求項1又は2記載のヘッドボックス。 - パイプ拡張によって流動化要素(14)が形成され、円形断面を有する壁(D1)を含み、その幅表面はそれに先立つパイプ(13)の中心軸(X)に対して直角に位置し、その壁は流動化要素(14)の後にパイプ(15)と結合し、前記後のパイプ(15)はタービュランスジェネレータ(12)の先立つパイプ(13)の内径(Φ2)よりも大きい内径(Φ1)を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項記載のヘッドボックス。
- 流動化要素(14)のステップの高さ(h1)は、少なくとも平均繊維長であり、1mm−12mmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項記載のヘッドボックス。
- パイプ(15)は、円形断面を伴うパイプ部(15a)及び結合矩形断面(15b)、即ち、再形状部を含み、
これによって、上記再形状部(15b)中では、パルプ流れ方向(L1)で狭くなるにつれて、流れは加速され円形断面を伴うパイプ部(15a)から到達することを特徴とする請求項1乃至6いずれか一項記載のヘッドボックス。 - 薄層(16a1、16a)は、端に向って狭いリップ円錐(K)に設けられたことを特徴とする請求項2乃至7いずれか一項記載のヘッドボックス。
- 薄層(16a1、16a)は、端に向ってくさび状に狭くなり、
薄層の端の高さ(h2)は0−2mmの範囲にあることを特徴とする請求項2乃至8いずれか一項記載のヘッドボックス。 - 流動化要素(14)の出口側のパイプ(15)の内径(Φ1)と入口側のパイプ(13)の内径(Φ2)との比Φ1/Φ2は、1.1−4.0の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至9いずれか一項記載のヘッドボックス。
- 流動化要素(14)の後に、パルプの流速は、全時間、リップ開口への全方法で本質的に加速されることを特徴とする請求項1乃至10いずれか一項記載のヘッドボックス。
- タービュランスジェネレータ(12)のパイプ長は少なくとも150mmであり、
パイプ(15a)の回転対称部分の長さは少なくとも50mmであり、
パイプ部(15b)の長さは200mmよりも長くないことを特徴とする請求項1乃至11いずれか一項記載のヘッドボックス。 - タービュランスジェネレータ(12)のパイプ列中のパイプは1つのみの流動化要素(14)、即ち、流動化体を含み、
流動化体は、パイプ中のパルプ流れ中の1つのステップ中で流動化が実効され、
流動化の後に、流れはヘッドボックスのリップ室(K)のリップ開口へ全て加速されることを特徴とする請求項1乃至12いずれか一項記載のヘッドボックス。
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