JPH11279764A - 除電装置 - Google Patents

除電装置

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JPH11279764A
JPH11279764A JP10081910A JP8191098A JPH11279764A JP H11279764 A JPH11279764 A JP H11279764A JP 10081910 A JP10081910 A JP 10081910A JP 8191098 A JP8191098 A JP 8191098A JP H11279764 A JPH11279764 A JP H11279764A
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JP
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discharge electrode
discharge
magnetic tape
plasma
static eliminator
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JP10081910A
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Ryoichi Hiratsuka
亮一 平塚
Takahiro Kawana
隆宏 川名
Yuka Ito
由佳 伊藤
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被搬送体に帯電した電荷を、搬送特性を損な
うことなく確実に除電する。 【解決手段】 プラズマチャンバ15内に、被搬送体1
を搬送ガイドする回転ガイド手段11と電気的に導通さ
れた回転放電電極16と、アース21に接続された固定
放電電極17とを対向して配置する。回転放電電極16
と固定放電電極17とは、その対向空間23にプラズマ
放電を発生させて、発生したプラズマを導通媒体として
電気的に接続される。被搬送体1に帯電した荷電を回転
放電電極16を介して固定放電電極17へと流して除電
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被搬送体を搬送ガ
イドするとともにこの被搬送体に帯電した電荷を除電す
る除電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、磁気テープやフロッピーディス
ク等の磁気記録媒体は、ポリエチレン樹脂やポリエステ
ル樹脂によって形成した非磁性支持体の表面に強磁性金
属層を形成するとともに、この磁性層上にカーボン膜か
らなる保護層を形成してなる原反から適宜裁断して形成
される。磁気記録媒体は、図3に示すように、排気ポン
プ51によって所定の真空条件に保持される保護層成膜
装置50内に設置されたCVD放電チャンバ52によっ
てカーボン膜が成膜形成される。
【0003】すなわち、表面に強磁性金属層が蒸着形成
された磁気テープ原反53は、供給リール54から繰り
出されて搬送ガイド機構を構成するガイドローラ55に
より搬送ガイドされてCVD放電チャンバ52内へと導
かれる。磁気テープ原反53は、CVD放電チャンバ5
2を走行する際に、強磁性金属層上にカーボン膜が成膜
形成される。磁気テープ原反53は、CVD放電チャン
バ52からガイドローラ56を介して巻取リール57に
よって巻き取られる。
【0004】CVD放電チャンバ52には、内部に放電
電極58が設けられるとともに原料ガスとして例えばエ
チレン/アルゴン混合ガスが充填されている。CVD放
電チャンバ52は、放電電極58に電圧が印加されると
内部で放電が生じることにより、原料ガス中のカーボン
を磁気テープ原反53の表面上に成膜形成するようにす
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、保護層成膜
装置50においては、搬送される磁気テープ原反53に
帯電した電荷の影響によってCVD放電チャンバ52内
でアークが発生して瞬間的放電が停止することにより、
磁気テープ原反53に成膜形成されるカーボン膜の膜厚
が不均一になるといった問題が生じることがあった。こ
のため、保護層成膜装置50は、磁気テープ原反53
を、除電装置によって帯電した電荷を除電した状態でC
VD放電チャンバ52へと搬送するように構成されてい
る。従来の除電装置は、一般にガイドローラ55が除電
のための放電電極として構成されていた。
【0006】ガイドローラ55は、表面に例えばクロー
ムメッキを施すことによって導電性が付与されて構成さ
れるとともに金属ベアリングを内蔵するとともにアース
接続された軸受59によって回転自在に支持される。し
たがって、ガイドローラ55は、磁気テープ原反53を
搬送ガイドするとともに、これに帯電した電荷を軸受5
9を介して除電する。
【0007】しかしながら、かかるガイドローラ55に
よる除電装置は、軸受筒の内壁と金属ベアリングとの接
触状態が不安定であるとともに軸受筒内に充填された潤
滑剤にも影響されることから、ガイドローラ55と軸受
59との導通が充分に保持されないことがある。このた
め、除電装置は、磁気テープ原反53に帯電した電荷を
充分に除電することができないといった問題があった。
【0008】除電装置としては、例えば、導電性を有す
るガイドローラ55の外周面に当接するカーボンや銅等
の導電材からなるアース電極を備え、このアース電極を
介して磁気テープ原反53に帯電した電荷を除電するよ
うに構成したものも提供されている。かかる除電装置に
おいては、ガイドローラ55とアース電極との導通を確
実に保持するために、ガイドローラ55に対してアース
電極をより大きな圧接力を以って圧接させる必要があ
る。しかしながら、除電装置は、このアース電極の圧接
力によってガイドローラ55の円滑な回転が阻害されて
磁気テープ原反53が安定した状態で走行されないとい
った問題が生じる。
【0009】除電装置には、ガイドローラ55の軸受部
に例えば水銀等の液体金属を封入して、この液体金属を
介して磁気テープ原反53に帯電した電荷を除電するよ
うに構成したものも提供されている。しかしながら、こ
の水銀を媒介とする除電装置においては、気圧低下によ
る蒸気圧の低下、摩擦による発熱、或いは帯電電流が流
れる際に発生するジュール熱等による種々の影響が問題
となる。
【0010】保護層成膜装置50においては、上述した
ように真空槽を構成することから、真空条件下における
ガイドローラ55の安定した回転動作と磁気テープ原反
53に帯電した電荷の確実な除電動作とが確保されなけ
ればならない。真空条件下においては、大気雰囲気中と
比較して物質間の磨耗が増加する。上述した金属ベアリ
ングを媒介とする除電装置は、ガイドローラ55の軸受
け作用や除電作用に悪影響が生じる。同様に、カーボン
や銅等のアース電極を備える除電装置についても、ガイ
ドローラ55の回転特性を劣化させるとともに除電作用
も劣化する。
【0011】また、水銀を媒介とする除電装置において
は、1pa以上の高真空条件下においては常温において
水銀が気化してしまうために導電材としての作用を奏さ
なくなる。さらに、除電装置は、1pa以下の真空条件
においても、軸受部の温度上昇により水銀による除電作
用が奏せられないことになる。
【0012】したがって、本発明は、被搬送体に帯電し
た電荷をその搬送特性を損なうことなく確実に除電する
ようにした除電装置を提供することを目的に提案された
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明にかかる除電装置は、被搬送体を搬送ガイドする導電
材からなる回転ガイド手段と、この回転ガイド手段の一
端部に電気的導通を保持されて設けられた回転放電電極
と、この回転放電電極に対向配置されるとともにアース
接続された固定放電電極と、回転放電電極と固定放電電
極とを収納するとともにその対向空間にプラズマ放電が
発生されるプラズマ放電チャンバとから構成される。
【0014】以上のように構成された本発明にかかる除
電装置によれば、被搬送体に帯電された電荷が回転放電
電極へと流れるとともに、この回転放電電極と固定放電
電極との間の放電により発生されたプラズマを導通媒体
として固定放電電極へと流れて除電される。したがっ
て、除電装置は、回転放電電極と固定放電電極とが機械
的に非接続状態とされることにより回転ガイド手段によ
る被搬送体の搬送特性を損なうことが無い。また、除電
装置は、回転放電電極と固定放電電極との電気的導通が
安定した状態に保持されることから、例えば真空条件下
においても被搬送体に帯電された電荷を確実に除電す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として示
す除電装置10は、磁気記録媒体の製造装置、詳細には
ポリエチレン樹脂やポリエステル樹脂からなる非磁性支
持体の表面に強磁性金属層が蒸着形成された磁気テープ
原反1の表面上にカーボン膜からなる保護層を成膜形成
する保護層成膜装置2に設置される。保護層成膜装置2
は、図2に示すように、排気ポンプ3によって所定の真
空条件に保持されるとともにCVD放電チャンバ4が備
えられている。保護層成膜装置2は、供給リール5から
繰り出した磁気テープ原反1が詳細を後述する除電装置
1を介してCVD放電チャンバ4へと供給され、その表
面上にカーボン保護層を成膜形成する。
【0016】保護層成膜装置2は、CVD放電チャンバ
4を通過する過程で磁気テープ原反1の表面にカーボン
膜を被膜形成した後、ガイドローラ6を介して巻取リー
ル7によって捲き取るようにする。ガイドローラ6は、
例えばアルマイト処理等を施すことによって外周面に絶
縁処理が施されてなる。
【0017】CVD放電チャンバ4は、走行する磁気テ
ープ原反1と対向するようにしてチャンバ内に収納され
た放電電極8と、この放電電極8に放電電圧を印加する
DC電源9とを備える。CVD放電チャンバ4は、例え
ば混合比率を4:1としたエチレン/アルゴンの混合ガ
スを充填してチャンバ内圧力を30paに保持してな
る。CVD放電チャンバ4は、DC電源9によって放電
電極8に電圧を印加することによりチャンバ内にプラズ
マ放電を発生させ、走行する磁気テープ原反1の強磁性
金属層の表面上にDLC(ダイヤモンド・ライク・カー
ボン)保護層を気相化学反応によって成膜形成する。
【0018】保護膜成膜装置2は、CVD放電チャンバ
4の前段位置に除電装置10が配設され、この除電装置
10によって磁気テープ原反1をCVD放電チャンバ4
へと走行させるとともにこの磁気テープ原反1に帯電し
た電荷を除電する。除電装置10は、外周面に磁気テー
プ原反1を掛け合わせて走行させる除電ガイドローラ1
1と、この除電ガイドローラ11に付設された放電部1
2とから構成されている。除電ガイドローラ11は、磁
気テープ原反1の幅方向の全域を支持するに足る軸長を
有するとともに例えばクロームメッキ処理等を施すこと
により外周面に導電性が付与されてなる。除電ガイドロ
ーラ11は、外周面が平滑面に形成されることにより、
磁気テープ原反1に傷等を付けることなく円滑に走行さ
せる。
【0019】除電ガイドローラ11は、その支軸13
が、保護膜成膜装置2の詳細を省略する支持部2aに設
けたベアリング軸受14によって回転自在に支持されて
いる。支軸13は、例えば金属棒によって形成されるこ
とにより導電性を有するとともに除電ガイドローラ11
と電気的に導通されている。支軸13は、図1に示すよ
うに、その一端13aがベアリング軸受14を貫通して
側方へと延長されて、放電部12を構成するプラズマチ
ャンバ15内に突出されている。
【0020】放電部12は、プラズマチャンバ15と、
このプラズマチャンバ15内に収納された回転放電電極
16、固定放電電極17及び補助放電電極18とから構
成される。プラズマチャンバ15には、アルゴンガス等
の放電ガスを引き込むガス供給管19と、図示しないロ
ータリポンプ等の真空装置と接続されたガス排気管20
とが接続されている。
【0021】回転放電電極16は、除電ガイドローラ1
1の支軸13の延長端部13aに固定されて、支軸13
と一体に回転する。回転放電電極16は、導電性を有す
る支軸13を介して除電ガイドローラ11と電気的に導
通されている。固定放電電極17は、回転放電電極16
と対向してプラズマチャンバ15内に固定して配置され
ている。固定放電電極17には、後述するように磁気テ
ープ原反1に帯電した電荷を引き込んでアース21へと
流すためのDC電源からなるプラズマ放電の主電源22
が接続されている。回転放電電極16と固定放電電極1
7とは、その対向空間にプラズマ放電空間部23を構成
する。
【0022】補助放電電極18は、プラズマ放電空間部
23内に位置して互いに対向して配設された一対の電極
18a、18bによって構成されている。補助放電電極
18には、電極18a、18bにAC電源やRF電源か
らなるプラズマ放電の補助電源24が接続されている。
補助放電電極18は、後述するように回転放電電極16
と固定放電電極17との間に発生するプラズマ放電を安
定した状態に保持する作用を奏する。
【0023】以上のように構成された除電装置10は、
ガス供給管19からプラズマチャンバ15内にアルゴン
・エチレンの混合ガスが充填される。除電装置10は、
ガス排気管20を介してプラズマチャンバ15内のガス
が排気される。除電装置10は、磁気テープ原反1を保
護膜成膜装置2内で走行ガイドする除電ガイドローラ1
1の回転にしたがって、その支軸13を介して回転放電
電極16が一体に回転する。除電装置10は、磁気テー
プ原反1が走行している状態で主電源22から固定放電
電極17に電圧が印加されることによって、この固定放
電電極17と回転放電電極16との間に構成されるプラ
ズマ放電空間部23にプラズマ放電が発生する。除電装
置10は、補助電源24から補助放電電極18に電圧が
印加されることによって、プラズマ放電空間部23に発
生したプラズマを安定した状態に保持する。
【0024】除電装置10は、プラズマ放電空間部23
に発生したプラズマによって、対向配置された回転放電
電極16と固定放電電極17との間が電気的に導電状態
とされる。除電装置10は、上述したように固定放電電
極17が電流の引き込み側として構成されている。磁気
テープ原反1に帯電した電荷は、除電ガイドローラ11
から支軸13を介して回転放電電極16へと流れる。除
電装置10は、回転放電電極16へと流れた磁気テープ
原反1に帯電した電荷を、この回転放電電極16からプ
ラズマ放電空間部23に発生したプラズマによって電気
的に導通状態とされるとともに引き込み型とされた固定
放電電極17へと引き込む。除電装置10は、この固定
放電電極17を介して磁気テープ原反1に帯電した電荷
をアース21から放電する。
【0025】除電装置10は、上述したように除電ガイ
ドローラ11と機械的に分離された固定放電電極17を
介して、磁気テープ原反1に帯電した電荷を効率的に除
電する。したがって、除電装置10は、真空条件下にお
いて除電ガイドローラ11に対して走行負荷を与えるこ
となく円滑に回転させるために、磁気テープ原反1を安
定した状態で走行ガイドさせる。また、除電装置10
は、回転放電電極16と固定放電電極17との間の電気
的な導通状態が安定した状態に保持されるために、磁気
テープ原反1に帯電した電荷を安定した状態で除電す
る。
【0026】保護層成膜装置2は、磁気テープ原反1が
CVD放電チャンバ4へと走行される際に、上述したよ
うに除電装置10によってこの磁気テープ原反1に帯電
した電荷が効率的に除電されるとともに円滑に走行され
るように構成される。したがって、保護層成膜装置2
は、強磁性金属層が蒸着形成された磁気テープ原反1の
表面上に、安定したDLC保護層を成膜形成する。
【0027】次に、上述した除電装置10を備えた保護
層成膜装置2によってDLC保護層を成膜形成した実施
例磁気テープ原反について、従来の除電装置を備えた保
護層成膜装置によってDLC保護層を成膜形成した磁気
テープ原反を比較例として以下の評価を行った。比較例
1は、除電ガイドローラに金属ベアリングが用いられた
除電装置によって帯電した電荷を除電した磁気テープ原
反である。また、比較例2は、除電ガイドローラに圧接
された金属電極が用いられた除電装置によって帯電した
電荷を除電した磁気テープ原反である。
【0028】CVD放電チャンバ4によるDLC保護層
の成膜条件は、いずれの磁気テープ原反について同一条
件とし、原料ガスとして混合比を4:1としたエチレン
/アルゴン混合ガスが用いられ、チャンバ内の圧力が3
0pa、放電電圧が1.2kVとした。CVD放電チャ
ンバ4に供給する磁気テープ原反には、非磁性支持体が
6μm厚のPETであり、その表面に組成Co−O単層
の磁性層を200nmの厚みで形成した蒸着磁気テープ
原反が用いられる。
【0029】CVD放電チャンバ4における放電の安定
性の評価は、アーク放電の発生回数によって評価した。
成膜形成されたDLC保護層の評価は、スチル耐久特
性、シャトル耐久特性及び摩擦特性とのテープ特性によ
って評価した。スチル耐久特性及びシャトル耐久特性
は、ソニー社製DVDカムコーダDVC−700を試験
機として用いた。
【0030】スチル耐久特性は、−5°Cの環境でスチ
ル状態のまま保持し、結果を初期値に対して−3dBと
なる時間で表示した。シャトル耐久特性は、40°C、
30%RH環境下で10分間に1回記録した後に99回
の再生を行って結果を初期出力値に対して100pas
s目の出力をdB値で表示した。シャトル耐久特性は、
一般にレベルダウン値が−3dB以内であれば、8mm
ビデオテープレコーダに搭載される信号増幅回路によっ
て表示画像に影響が生じないようになる。摩擦特性は、
40°C、80%RH環境下で摺動摩擦試験機によって
走行試験を行い、その結果を摩擦係数で表示した。各磁
気テープ原反の評価試験の結果は、次の表1のとおりで
あった。
【0031】
【表1】
【0032】同表1から明らかなように、アーク数(個
/min)については、実施例磁気テープ原反が0.1
個であったのに対して、比較例1の磁気テープ原反では
30個、比較例2の磁気テープ原反では12個であっ
た。このように、実施例磁気テープ原反においては、帯
電した荷電が効率的に除電されている。換言すれば、除
電装置10は、従来の除電装置と比較して磁気テープ原
反1に帯電した電荷を極めて効率的に除電する。
【0033】また、実施例磁気テープ原反は、摩擦特
性、シャトル耐久特性及びスチル耐久特性のいずれにお
いても、各比較例に対して極めて良好な特性値であっ
た。すなわち、実施例磁気テープ原反は、アーク発生個
数が少ないために安定した放電が行われて、DLC保護
層が表面に安定した状態で成膜形成されたことにより良
好なテープ特性を有している。一方、比較例1や比較例
2の磁気テープ原反においては、従来の除電装置によっ
て帯電した電荷が充分に除電されないために多数のアー
クが発生し、これによって瞬間的放電が停止してDLC
保護層の膜厚変動が生じてテープ特性が劣化したと推測
される。
【0034】なお、上述した実施の形態においては、除
電装置10が、磁気テープ原反1の表面にカーボン保護
層を形成する保護層成膜装置2に適用されて磁気テープ
原反1を走行ガイドするとともに帯電した電荷を除電す
るように構成したが、本発明はかかる構成に限定される
ものではない。除電装置10は、磁気テープの製造工程
内に適宜箇所、例えば磁気テープ原反1を適宜の幅に裁
断するスリッタ工程中に設置することにより裁断後の磁
気テープが電荷の影響を受けずに良好な状態で巻取りリ
ールに巻き取られるように作用する。
【0035】また、除電装置10は、上述した磁気テー
プ原反1の製造工程ばかりでなく、被搬送体が連続搬送
される種々の連続搬送装置内に設置されてこの被搬送体
に帯電した荷電を効率的に除電する。また、除電装置1
0は、真空条件下において使用することによって特に有
効に作用するが、例えば低トルク回転を必要とする被搬
送体の搬送工程中に設置して用いても非常に有効であ
る。
【0036】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる除電装置によれば、被搬送体を搬送ガイドする回転
ガイド手段と電気的導通を保持された回転放電電極に対
して固定放電電極を対向配置し、これら回転放電電極と
固定放電電極との間に発生させた放電プラズマ放電を導
通媒体として被搬送体に帯電した電荷を回転放電電極か
ら固定放電電極へと流して除電するようにしたことか
ら、放電電極による回転ガイド手段に対する負荷が無く
この回転ガイド手段が円滑に回転して被搬送体を安定し
た状態で搬送するとともに帯電した電荷を効率的に除電
する。除電装置は、真空条件下においてより有効に作用
するために、例えば磁気テープ等の保護層の成膜等の真
空条件を必要とする工程に用いることによって高精度の
磁気テープ等の製造が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す除電装置の構成
図である。
【図2】同除電装置を備えた磁気テープのCVD処理装
置の構成図である。
【図3】従来の磁気テープのCVD処理装置の構成図で
ある。
【符号の説明】
1 磁気テープ原反(被搬送体)、2 保護層成膜装
置、4 CVD放電チャンバ、5 供給リール、6 ガ
イドローラ、7 巻取リール、8 放電電極、10 除
電装置、11 除電ガイドローラ、12 放電部、13
支軸、15 プラズマチャンバ、16 回転放電電
極、17 固定放電電極、18 補助放電電極、21
アース、23 プラズマ放電空間部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被搬送体を搬送ガイドする導電材からな
    る回転ガイド手段と、 上記回転ガイド手段の一端部に電気的導通を保持されて
    設けられた回転放電電極と、 上記回転放電電極と対向して配置されるとともにアース
    接続された固定放電電極と、 上記回転放電電極と固定放電電極とが収納されるととも
    に、その対向空間にプラズマ放電が発生されるプラズマ
    放電チャンバとから構成され、 上記被搬送体に帯電した電荷を、上記プラズマを導通媒
    体として除電することを特徴とする除電装置。
  2. 【請求項2】 上記プラズマ放電チャンバには、回転放
    電電極と固定放電電極との間に位置して、安定したプラ
    ズマ放電を発生させる補助電極が備えられることを特徴
    とする請求項1に記載の除電装置。
  3. 【請求項3】 上記被搬送体は、上記回転ガイド手段を
    構成する回転ローラに掛け合わされて搬送されてプラズ
    マCVD法によって主面にカーボン膜が成膜形成される
    磁気記録媒体であり、 上記回転ローラと上記放電チャンバとは、カーボン膜を
    成膜するCVD放電チャンバ内に設置されることを特徴
    とする請求項1に記載の除電装置。
JP10081910A 1998-03-27 1998-03-27 除電装置 Withdrawn JPH11279764A (ja)

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