JPH11278551A - 包装パッド用成型体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 照明器具を包装する場合に破損防止のために
使用する包装パッドの汎用性を高め、保管、輸送に際し
て空間使用効率を高めてコストの削減を図る。 【解決手段】 パルプモールド体からなり、その略中央
部において内方又は外方に向かって折曲自在となる折曲
部（２）を配設する。更に、その一方（３）には被包装
物側面形状に合致する当接部（４）と共に突縁部（５）
を形成し、また他方（８）に、その突条縁（１８）を保
持してなる保持溝（１０）を溝設するものである。使用
時に折曲部（２）を持って内方又は外方のいずれかに向
かって折曲することで包装パッド（１２）又は（１
２’）となるので、包装箱の種類に応じて包装パッドが
変形でき、その汎用性が高められる。しかも包装パッド
としての保管、輸送は、成型体の状態で効率よく行うか
ら製品としてのコストを削減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、使用に際して内
方又は外方に向けて折曲することで、被包装物、例えば
照明器具の包装では、包装箱内に包装する照明器具に対
する衝撃を緩和して破損を防止してなる包装パッド用成
型体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、照明器具本体及びセード
から構成される照明器具の包装箱内へ包装するにあたっ
ては、包装する照明器具が搬送時における作業員に不注
意により落下、衝突等の衝撃を受けて破損が発生してし
まうことを防止するために、包装箱内の被包装物である
照明器具本体及びセードへの落下、衝突等による衝撃を
十分に緩和できるように、段ボール紙を折曲加工、発泡
スチロールを切削或は成形加工、更にパルプモールド体
によって被包装物の形状に合わせて成型加工する等によ
って、被包装物である照明器具を構成する照明器具本体
又はセードを固定可能とする包装パッドとし、この包装
パッドを包装箱内に照明器具を構成する照明器具本体及
びセードと共に内装することにより、包装箱内において
衝撃を十分に緩和しつつ、揺動することなく確実に固定
してなるものが一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のもののように、照明器具を構成する照明器具本体又
はセードを包装箱内において衝撃を十分に緩和しつつ、
揺動することなく確実に固定するために内装する包装パ
ッドは、段ボール紙、発泡スチロール或いはパルプモー
ルド体によるものである。この場合、確かに段ボール
紙、発泡スチロール或いはパルプモールド体による包装
パッドにおいては、予め被包装物である照明器具を構成
する照明器具本体及びセードの形状に合わせた上で包装
箱内にこれらのものと一体に内装される。したがって、
包装箱内においては落下や衝突等による衝撃を十分に緩
和しつつ、照明器具本体及びセードを揺動させることな
く確実に固定することができるものとなる。けれども、
包装パッドとして使用する段ボール紙、発泡スチロール
或いはパルプモールド体は、いずれの場合も当初から被
包装物である照明器具を構成する照明器具本体或いはセ
ードの形状に合わせた立体形状に成形されている。そこ
で、この包装パッドを使用して包装箱内に照明器具本体
或いはセードを包装しようとする際には、予めこの包装
パッドを包装箱内に配置した上で照明器具本体或いはセ
ードを包装箱内に収容することとなって円滑な包装作業
を行うことができない。更には、包装パッドが包装箱内
で確実に被包装物、例えば照明器具を揺動することなく
確実に固定するために、包装パッドは被包装物である照
明器具を構成する照明器具本体或いはセードの立体形状
に合わせなければならない。その上、包装箱内の内壁面
の形状にも合致する必要があるから、包装箱の開口部が
包装箱の上面又は側面にある場合にはその開口部のある
包装箱ごとに包装パッドの形状を異なるものとしなけれ
ばならず、汎用性に欠けるものとなる。

【０００４】また、この包装パッド自体を製造して、工
場に運搬し、又は倉庫に保管しようとする場合、特に発
泡スチロール或いはパルプモールド体によるものであっ
ては、すぐに使用に供することができるように被包装物
の立体的形状に合わせて加工が施されているものである
から嵩張るものとなる。また、運搬或いは保管時におけ
る効率が著しく低下してしまって製品コスト面において
非常に不利なものとなる。そして、段ボール紙による包
装パッドでは、包装箱内で固定しようとする被包装物で
ある照明器具の外形に合わせて段ボール紙を切断又は折
曲加工することが更に必要となるため、包装パッドの製
造工程が非常に煩雑なものとなって製造作業の効率が著
しく低下し、製品コストの上昇を招く問題点がある。

【０００５】そこで、この発明は上記従来のものの問題
点を改善するものであり、使用に際しては折曲すること
で容易に包装パッドとし、汎用性を向上させると共に、
運搬、保管時における空間効率を著しく向上させて製品
コストの低減を図ろうとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そのために、型材によっ
て一体に成形されるパルプモールド体であって、その略
中央部において、内方又は外方に向けて折曲自在となる
ように折曲部を配設した上で、上記折曲部に対して一方
を被包装物側面形状に対応する当接部を形成する。更に
上記当接部より折曲部寄りに当接部の平面より突出する
突縁部を形成すると共に、他方に被包装物の突条縁を保
持する保持溝を溝設してなるものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】この発明を実施するに当り、被包
装物、例えば照明器具を構成する照明器具本体及びセー
ドを包装箱内に包装するには、まずこのパルプモールド
体の包装パッド成型体の略中央部に配設する折曲部（断
面Ｖ字形状が好ましい）をもって内方に折曲する。そし
て、この包装パッド成型体の被包装物側面形状に対応す
る当接部を形成し、上記当接部より折曲部寄りに当接部
より突出する突縁部を形成する。上記成型体の一方を、
被包装物の突条縁を保持する保持溝を溝設する上記成型
体の他方に対して垂直に立設することで底面部と背部か
らなる包装パッドとするものである。この包装パッドで
包装箱内で照明器具を構成する照明器具本体及びセード
を固定しようとする時、照明器具本体は、照明器具本体
に突設される支持部及び突条縁を、包装パッドの底面部
となる保持溝によって保持すると共に、照明器具本体の
端縁を、この包装パッドの背部に一体に形成される突縁
部で把持することにより一体に固定されるものである。
またセードは、包装パッドの背部の当接部に被包装物で
あるセードの側面を当接させると共に、この背部に一体
に形成される突縁部の後面部に載置することによって固
定されるものとなるので、揺動を防止し、衝撃を緩和し
て照明器具の破損を防止する役割を果たすことができ
る。なお、上記当接部は被包装物の保持を容易にするた
め適宜被包装物の側面に合致するよう凹入させて湾曲部
あるいは当接して保持する複数条の当接リブを形成する
ことができる。被包装物の形状によっては当接して保持
するだけで充分な場合もある。また、折曲部において対
向する２面を密着するに当り、離れることのないように
係止部を設けることができる。この係止部は、凹凸面に
限ることなく、互に側縁が弾性により接触して係合され
るものも含まれるものである。

【０００８】更に、このパルプモールド体の包装パッド
成型体を略中央部に配設する折曲部をもって外方に折曲
し、この包装パッド成型体の被包装物側面形状に対応す
る当接部と共に、先端において被包装物端縁を把持して
なる把持部を有する突縁部を形成する一方の背面部
と、、被包装物の突条縁を保持する保持溝を溝設する他
方の背面部とを互いに密着させることで包装パッドとす
るものである。この包装パッドは、包装箱内の隅部に配
置した上で、セードをこの包装パッド上に載置すること
によって、この包装パッド上に載置されたセードは、包
装パッドの一方に形成される突縁部によって挟持されつ
つ固定されるので、包装箱内においてはセードの揺動を
防止し、衝撃を緩和して照明器具の破損を防止する役割
を果たすことができる。

【０００９】

【実施例】この発明を図に示す実施例により更に説明す
る。（１）は、この発明の実施例である包装パッド用成
型体であり、この包装パッド成型体（１）は、被包装
物、例えば照明器具本体（１６）とセード（２０）から
なる照明器具（１５）を包装箱（２１）内において固定
するために使用されるものであり、型材によって一体に
成形されるパルプモールド体である。その略中央部にお
いて、内方又は外方に向けて折曲自在となるように断面
Ｖ字形状の折曲部（２）を配設した上で、上記折曲部
（２）に対して一方（３）にセード（２０）の側面形状
に対応する湾曲部又は当接リブよりなる当接部（４）と
する。更に当接部（４）より折曲部（２）寄りに、先端
において照明器具本体（１６）の端縁（１９）を把持す
る内方に屈曲する把持部（７）を有する突縁部（５）を
突出形成する。これと共に、他方（８）においては、そ
の端縁に照明器具本体（１６）の支持部（１７）を支持
してなる凹陥部（９）を設け、更に照明器具本体（１
６）の突条縁（１８）を保持してなる保持溝（１０）を
溝設してなるものである。その上、折曲部（２）の対向
する面にはそれぞれ密着した時、対向面を係止する係止
部（２６）を形成する。これは凹凸突起として互に嵌着
して係合してもよく、また互に側面を接触して弾性によ
り保持されてもよい。

【００１０】そして、この発明の実施例である包装パッ
ド成型体（１）を使用して被包装物、例えば照明器具本
体（１６）及びセード（２０）よりなる照明器具（１
５）、又はセード（２０’）のみを包装箱（２１）内に
おいて固定する。この場合には、このパルプモールド体
の包装パッド成型体（１）を略中央部に配設する断面Ｖ
字形状の折曲部（２）をもって内方又は外方に折曲する
ことにより、包装パッド（１２）としてなるものであ
る。

【００１１】この発明の実施例である包装パッド（１）
は以上の構成を具えるので、被包装物、例えば照明器具
（１５）を構成する照明器具本体（１６）及びセード
（２０）を包装箱（２１）内に包装するためには、まず
このパルプモールド体の包装パッド成型体（１）を略中
央部に配設する断面Ｖ字形状の折曲部（２）をもって内
方に折曲する。そして、係合部（１６）の係合により折
曲部（２）の対向面を密着する。この包装パッド成型体
（１）の、セード（２０）の側面形状に対応する当接部
（４）と共に、先端において照明器具本体（１６）の端
縁（１９）を把持してなる内方に屈曲する把持部（７）
を有する突縁部（５）を一方（３）に形成する。この一
方（３）を、端縁に照明器具本体（１６）の支持部（１
７）を支持してなる凹陥部（９）を設けると共に、照明
器具本体（１６）の突条縁（１８）を保持する保持溝
（１０）を溝設する他方（８）に対して垂直に立設す
る。これにより、包装箱（２１）内の底面（２２）に密
着する底面部（１４）と、包装箱（２１）の側面（２
３）に密着する背部（１３）からなる包装パッド（１
２）とするものである。

【００１２】そこで、このようにしてなる包装パッド
（１２）で包装箱（２１）内で照明器具（１５）を構成
する照明器具本体（１６）及びセード（２０）を固定す
る。そのために、照明器具（１５）を構成する照明器具
本体（１６）は、照明器具本体（１６）に突設される支
持部（１７）及び突条縁（１８）を、包装パッド（１
２）の底面部（１４）の凹陥部（９）及び保持溝（１
０）によって支持及び保持する。これと共に、照明器具
本体（１５）の端縁（１９）を、この包装パッド（１
２）の背部（１３）に一体に形成される突縁部（５）の
先端の把持部（７）を持って把持することにより一体に
固定する。また、セード（２０）は、包装パッド（１
２）の背部（１３）にあたる当接部（４）に被包装物で
あるセード（２０）の側面を当接させ、この背部（１
３）に一体に形成されている突縁部（５）の後面部
（６）に載置することによって固定する。なおこの後面
部（６）はこの場合保持溝（１０）端縁の弯曲と同形に
弯曲することにより良好にセード（２０）を保持するこ
とができる。こうして、包装パッド（１２）が包装箱
（２１）内においてが確実に固定される結果、照明器具
（１５）の揺動を防止し、衝撃を緩和して照明器具（１
５）の破損を防止する役割を果たすことができる。

【００１３】また、このパルプモールド体からなる包装
パッド成型体（１）を略中央部に配設する断面Ｖ字形状
の折曲部（２）をもって外方に（前記の折曲と反対側
に）折曲する。そしてこの包装パッド成型体（１）の、
照明器具（１５）を照明器具本体（１６）と共に構成す
るセード（２０）の側面形状に合致する当接部（４）と
共に、その先端において照明器具本体（１６）の端縁
（１９）が把持される内方に屈曲する把持部（７）を有
する突縁部（５）を一方（３）に形成する。この一方
（３）の背面部（１１）と、端縁に照明器具本体（１
６）の支持部（１７）を支持してなる凹陥部（９）を設
けると共に、この照明器具本体（１６）の突条縁（１
８）を保持する保持溝（１０）を他方（８）に溝設す
る。この他方（８）の背面部（１１）と一方（３）の背
面部（１１）を互いに密着させることで包装パッド（１
２’）とするものである（図４）。

【００１４】その上、この包装パッド（１２’）をもっ
て、照明器具（１５）のセード（２０’）を包装箱（２
１’）内に包装しようとする時には、この包装パッド
（１２’）を包装箱（２１’）内の各隅部（２４）に配
置する。そして、照明器具（１５）を構成するセード
（２０’）をこの包装パッド（１２’）上に載置するこ
とによって、この包装パッド（１２’）上に載置された
セード（２０’）は、包装パッド（１２’）の一方
（３）に形成される突縁部（５）によって挟持されて固
定されるものとなる。そこで、包装箱（２１’）内でセ
ード（２０’）の揺動を防止し、衝撃を緩和して照明器
具（１５）特にそのセード（２０’）の破損を防止する
役割を果たすことができるものである。そして、あらか
じめ突縁部（５）の根本部分に切欠けを設け、突縁部
（５）全体を除去できるようにすれば、突縁部（５）の
ない直角に折曲した包装パッド体により、別途の被包装
物に対し、緩衝用パッドとして使用することもできる。

【００１５】

【発明の効果】以上のとおり、例えば照明器具を構成す
る照明器具本体及びセードを包装箱内に包装するに当た
って、揺動や衝撃を緩和して確実に固定するために使用
する包装パッドを、内方又は外方に向かって折曲自在と
なるパルプモールド体からなる包装パッド成型体からな
るものとする。また、適宜、突縁部（５）全体を除去し
て直角に折曲した包装パッドを構成する。このことによ
り、包装箱の種類に応じて包装パッドを変形させること
ができるので、包装箱内の緩衝材としての使用範囲が拡
大して（少なくとも３種のパッド材として用いることが
できる。）汎用性を著しく高められるものとなる。更に
は、使用前において折曲前の包装パッド成型体の状態で
保管及び輸送を行うことができるものとなるので、倉庫
等における空間使用の効率化が高められ、製品コストの
低減を図ることができる優れた効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例である包装パッド成型体の全
体斜視図である。

【図２】この発明の実施例である包装パッド成型体を内
方に折曲して包装パッドとした場合の全体斜視図であ
る。

【図３】この発明の実施例である包装パッド成型体を内
方に折曲して包装パッドとした場合の使用状態を示す断
面図である。

【図４】この発明の実施例である包装パッド成型体を外
方に折曲して包装パッドとした場合の全体斜視図であ
る。

【図５】この発明の実施例である包装パッド成型体を外
方に折曲して包装パッドとした場合の使用状態を示す断
面図である。

【符号の説明】

１ 包装パッド成型体 ２ 折曲部 ３ （包装パッド成型体の）一方 ４ 当接部 ５ 突縁部 ６ （突縁部の）後面部 ７ 把持部 ８ （包装パッド成型体の）他方 ９ 凹陥部 １０ 保持溝 １１ 背面部 １２、１２’ 包装パッド １３ 背部 １４ 底面部 １５ 照明器具 １６ 照明器具本体 １７ （照明器具本体の）支持部 １８ （照明器具本体の）突条縁 １９ （照明器具本体の）端縁 ２０、２０’ セード ２１ 包装箱 ２２ （包装箱の）底面 ２３ （包装箱の）側面 ２４ （包装箱の）隅部 ２５ 補強リブ ２６ 係止部

フロントページの続き (72)発明者 岡本 忠夫 大阪府羽曳野市広瀬173番地の１ 協同紙 業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 型材によって一体に成形されるパルプモ
   ールド体であって、その略中央部において、内方又は外
   方に向けて折曲自在となるように折曲部を配設した上
   で、上記折曲部に対して一方に被包装物側面形状に対応
   する当接部を形成し、更に上記当接部より折曲部寄りに
   当接部の平面より突出する突縁部を設けると共に、他方
   に被包装物の外形を保持する保持溝を溝設してなる包装
   パッド用成型体。