JPH11277983A - 白板材料 - Google Patents

白板材料

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JPH11277983A
JPH11277983A JP8433198A JP8433198A JPH11277983A JP H11277983 A JPH11277983 A JP H11277983A JP 8433198 A JP8433198 A JP 8433198A JP 8433198 A JP8433198 A JP 8433198A JP H11277983 A JPH11277983 A JP H11277983A
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JP
Japan
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white board
board material
equation
thermoplastic resin
white
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JP8433198A
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English (en)
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Takanori Sato
隆則 佐藤
Takahito Miyoshi
孝仁 三好
Fumiyuki Suzuki
文行 鈴木
Akio Ishizuka
堯夫 石塚
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 書き込まれたまれた文字等が鮮明で判読しや
すいとともに、見る人の目の疲労感が軽減されている白
板材料を提供することにある。また、簡易な製造工程に
より製造でき、かつ運搬や設置も簡易に行える白板材料
を提供することにある。 【解決手段】 基材1と、基材1の少なくとも1つの面
上に熱可塑性樹脂フィルム2が積層された白板材料であ
って、基材1のハンター色差式における指数が以下の式
(1)〜(3)を満足する白板材料である。 80≦L≦97 式(1) −3≦a≦3 式(2) −9≦b≦3 式(3) (式中Lは、ハンター色差式における明度指数を、a、
bは該式における色座標を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は筆記用の白板材料に
関し、より詳細には壁等の平面や、軽度な凹面および凸
面にも貼付け可能な筆記用の白板材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、壁面に貼付け可能な情報伝達
用の筆記具として黒板とチョークが用いられている。黒
板は、チョークで容易に文字や図形を描くことができ、
かつ、それらの文字や図形は布等の消去具で容易に消去
できるので、学校、企業等で広く使用されてきた。しか
し、チョークで文字等を書く際に、チョークから粉塵が
発生するため、この粉塵の呼吸器系への悪影響が懸念さ
れている。このため、チョークを使用せずに、文字等を
書き込むことができ、かつ、該文字を容易に消去するこ
とができる白板(ホワイトボード)が、黒板の代わりに
広く使用されるようになってきた。
【0003】白板の筆記面は、インクとの色のコントラ
ストを強調するため、およびその見栄えを良くする等の
ために、白色度の向上が図られている。例えば、一般的
な白板では、白色塗料や蛍光増白剤等を添加した樹脂
を、アルミニウム等の金属板基材の上にコーティングし
て白色樹脂層を形成し、これを筆記面としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、白板の見栄え
の良さや、インクとのコントラストを追求するあまり、
白板の白さは人の目に強く刺激となり、かえって目の疲
労感を増す結果となっている。また、従来の白板の製造
工程は複雑で、筆記面である白色樹脂層を形成した後で
なければ、白板の白色度を測定することができず製造上
問題がある。さらに、従来の白板は重く、簡易に持ち運
んだり備え付けることが困難である。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あって、その目的は、書き込まれた文字等が鮮明で判読
しやすいとともに、見る人の目の疲労感が軽減されてい
る白板材料を提供することにある。また、簡易な製造工
程で製造でき、かつ運搬や設置も簡易に行える白板材料
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を重ねた結果、紙等の基材上に熱可塑性樹脂を積層すれ
ば簡易に白板材料を製造できることを見出した。この知
見とハンター色差式の指数に関する知見とに基づいて本
発明を完成するに至った。
【0007】即ち前記課題は、ハンター色差式における
指数が以下の式(1)〜(3)を満足する基材と、該基
材の少なくとも1つの面上に積層された熱可塑性樹脂フ
ィルムからなる白板材料により解決する。 80≦L≦97 式(1) −3≦a≦3 式(2) −9≦b≦3 式(3) (式中Lは、ハンター色差式における明度指数を、a、
bは該式における色座標を表わす。)
【0008】基材のハンター色差式の指数を上記範囲に
規定することにより、見る人の目の疲労感を軽減し、ど
の色で文字等が書き込まれても鮮明で、判読しやすい白
板材料を提供することができる。ここでLは、ハンター
色差式における明度指数を、a、bは該式における色座
標を表わす。Lが大きいほどその物体の輝度が高くな
る。aが大きいほど赤色の色相が強くなり、小さいほど
緑色の色相が強くなる。また、bが大きいほど黄色の色
相が強くなり、小さいほど青色の色相が強くなる。
【0009】また、本発明は、溶融ラミネートにより熱
可塑性樹脂フィルムを基材上に設けることで、白板材料
の製造工程を容易にするという特徴を有する。さらに、
本発明は、白板材料の基材として、軽量な基材である
紙、またはプラスチックフィルムを用いることにより、
運搬、設置が容易な白板材料を提供することを可能とす
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明を実施の形態を挙げて詳細
に説明する。図1に本発明の白板材料の1態様を示し
た。基材1の1つの面上に、熱可塑性樹脂フィルム2が
積層されている。この熱可塑性樹脂フィルムからなる面
が白板材料の筆記面となる。一方、基材の他方面には、
粘着剤層3が設けられ、さらに剥離シート4が設けられ
ている。この白板材料を壁等に設置する場合は、剥離シ
ート4は粘着剤層3から剥離され、露出した粘着面を壁
等に貼り付けることにより、容易に白板材料は壁面に設
置され、白板として使用することができる。
【0011】本発明の白板材料において、基材に積層さ
れた熱可塑性樹脂フィルムは、透明もしくは半透明であ
るので、筆記面の色は基材の色とほぼ一致する。従っ
て、白板材料の筆記面の色を、人の目にとって見やすい
色に最適化するためには、用いる基材の色を最適化する
ことが必要となる。ところで物体の色は、ハンター色差
式における指数L、a、bで表示される。Lは色の明度
を表わす明度指数、abは該式の色座標である。本発明
において、白板を見る人の目の疲労感を減少させるため
には、基材はある程度の明度を有する必要があり、即
ち、適切なL値を有していることが必要である。また、
いずれの色のペンで書き込んでも鮮明で見え易くするた
めには、適切なa値、b値を有している必要がある。
【0012】本発明の白板材料に用いられる基材は、ハ
ンター色差式におけるL、a、bが、各々80≦L≦9
7、−3≦a≦3、−9≦b≦3を満足するものであ
る。好ましくは90≦L≦97、−1≦a≦2、−7≦
b≦2である。L値が80未満であると画面が暗くな
り、見る人の目の疲労感が増大する。一方、L値が97
を超えると、画面が明るすぎてかえって人の目の疲労感
を増すこととなる。また、a値が−3未満であると緑色
が強すぎて緑色等の文字が不鮮明となり、一方、3を超
えると赤色が強すぎて赤色等の文字が不鮮明となる。さ
らに、b値が−9未満であると青色が強すぎて青色等の
文字が不鮮明となり、一方、3を超えると黄色が強すぎ
て黄色等の文字が不鮮明となる。
【0013】本発明に用いる基材は、そのハンター色差
式の指数が上記範囲であれば、材料について特に制約は
なく、紙、樹脂フィルム、金属板等を広く用いることが
できる。中でも、基材として紙または樹脂フィルムを用
いると、白板材料の重量を軽量化でき、運搬、設置が容
易となる点で好ましい。
【0014】紙としては、原紙、原紙の両面に表面サイ
ズ剤が塗付されたもの、コート紙、アート紙等を挙げる
ことができる。市販のものを使用してもよい。原紙は、
針葉樹、広葉樹等から得られる天然パルプを主原料に、
必要に応じて、クレー、タルク、炭酸カルシウム、尿素
樹脂微粒子等の填料;ロジン、アルキルケテンダイマ
ー、高級脂肪酸、エポキシ化脂肪酸アミド、パラフィン
ワックス、アルケニルコハク酸等のサイズ剤;澱粉、ポ
リアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリアクリル
アミド等の紙力増強剤;硫酸バンド、カチオン性ポリマ
ー等の定着剤;等を添加したものが一般に使用される。
また、界面活性剤、エポキシ化脂肪酸アミド(上記サイ
ズ剤に用いられるものを除く。)等の柔軟化剤を添加し
てもよい。天然パルプに代えて、合成パルプ、または、
天然パルプと合成パルプとの混合物を使用してもよい。
【0015】原紙に表面サイズ剤を塗布する場合、表面
サイズ剤としては、例えば、ポリビニルアルコールおよ
び/またはその変性物の水溶液等が挙げられる。この水
溶液には、さらに、澱粉、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウ
ム、セルロースサルフェート、ゼラチン、カゼイン等の
高分子化合物;塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸
ナトリウム等の金属塩;グリセリン、ポリエチレングリ
コール等の吸湿性物質;染料等の着色剤;蛍光増白剤等
の増白物質;苛性ソーダ、アンモニア水、塩酸、硫酸、
炭酸ナトリウム等のpHコントロール剤を添加してもよ
い。また、必要に応じて、界面活性剤、エポキシ化脂肪
酸アミド等の柔軟化剤、および顔料を添加してもよい。
表面サイズ剤(液)を原紙に含浸させる方法としては、
サイズプレス、タブサイズあるいはゲイトロールコース
ターを用いて塗布する方法等が挙げられる。
【0016】中でも、コート紙、または前記表面サイズ
剤を塗布した原紙を用いると、表面の平滑性がよく熱可
塑性樹脂フィルムを積層しやすい等の点で好ましい。
【0017】基材として樹脂フィルムを用いる場合は、
例えば、ポリエステル樹脂やポリオレフィン樹脂の二軸
延伸フィルム等を用いることができる。樹脂中には、例
えば、白色無機顔料や非相溶性樹脂を混錬して、ハンタ
ー色差式の指数を前記の範囲にすることができる。白色
無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、硫
酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
無機顔料は、樹脂に対して1重量%〜35重量%の割合
で添加すると、前記範囲の指数を有するプラスッチクフ
ィルムが得られるので好ましい。非相溶性樹脂として
は、例えばポリエステル樹脂に対してはポリカーボネー
ト、ポリオレフィン樹脂等が、ポリオレフィン樹脂に対
してはポリエステル樹脂等が挙げられる。非相溶性樹脂
の添加割合は、用いる樹脂によって異なるが、通常、主
原料の樹脂に対して3重量%〜20重量%の割合で添加
するのが好ましい。
【0018】用いる基材の厚さは、250μm以下が好
ましく、特に好ましくは50〜200μm、さらに好ま
しくは70〜180μmである。基材が厚すぎると白板
材料全体が重くなり、白板材料を壁に設置する際に作業
性が悪くなる。一方、薄すぎると、白板材料を設置した
壁等の下地の色が白板の白色度に影響することがあり、
また、貼付け作業時に容易にクニックが入ることがあ
る。
【0019】次に基材上に積層する熱可塑性樹脂フィル
ムについて説明する。用いる熱可塑性樹脂としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等のポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リアミド等を挙げることができる。中でも、筆記面の耐
傷性の点で、ポリエステル系樹脂が好ましい。
【0020】ポリエステル系樹脂としては、種々のジカ
ルボン酸とグリコールから合成される樹脂、およびカプ
ロラクトンの開環重合により得られる樹脂等広く使用す
ることができる。ジカルボン酸の例としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカ
ルボン酸およびそれらのアルキルエステル誘導体;1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸等の脂肪族ジカルボン酸およびそれらのアルキルエ
ステル誘導体;トリメリト酸、ピロメリト酸等の多官能
性カルボン酸およびそれらのアルキルエステル誘導体等
を挙げることができる。グリコールの例としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコールおよびトリエチ
レングリコール等のアルキレングリコール縮合体、ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、分子量150〜
20000のポリアルキレングリコール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノールおよびビスフェノールAの両端
にn個のエチレンオキサイドが付加したもの(n:1〜
10)等を挙げることができる。
【0021】ポリエステル系樹脂の中でも、特に芳香族
ポリエステル系樹脂が好ましい。さらに、主たる構成単
位がエチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−
ナフタレートからなる芳香族ポリエステル樹脂(即ち、
ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチ
レン−2,6−ナフタレート(PEN))、およびエチ
レンテレフタレートおよびエチレン−2,6−ナフタレ
ートの両方の単位を含むポリエステル(共重合体)を挙
げることができる。中でも、特にPETが好ましい。
【0022】このような材料からなる熱可塑性樹脂フィ
ルムは、透明または半透明であるので、白板材料の熱可
塑性樹脂フィルムで被覆された面、即ち筆記面が有する
ハンターの色差式の指数は、基材の該指数とほぼ等しく
なる。白板材料の筆記面の該指数が、82≦L≦97、
−6≦a≦3、−8≦b≦3であると、目の疲労感が少
なく、いずれの色の文字等も鮮明で読みやすくなるので
好ましい。さらに好ましくは、85≦L≦93、−2≦
a≦2.5、−5≦b≦2である。
【0023】基材上に積層する熱可塑性樹脂フィルム
は、透明または半透明であるものが好ましいが、着色し
たフィルムを用いてもよい。但し、その場合には、筆記
面のハンター色差式の指数が前記の範囲となるように、
着色剤の量、種類を選定する必要がある。着色剤として
は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、硫酸バリウム、炭
酸カルシウム、タルク等の白色無機顔料等が挙げられ
る。
【0024】熱可塑性樹脂フィルム表面(筆記面)は、
光沢度1〜60であると、白板材料の筆記面の防眩性が
よくなり、より一層、目の疲労感を減少させることがで
きるので好ましい。筆記面の光沢度を、前記の範囲にす
る方法としては、例えば、熱可塑性樹脂フィルムの表面
に微細な凹凸を設ける方法や、熱可塑性樹脂中に無機顔
料等を添加する方法等が挙げられる。尚、ここにいう光
沢度とは、JIS−K−7105−1981に従って測
定される光沢度をいう。
【0025】本発明において、基材上に熱可塑性樹脂フ
ィルムを積層する方法としては、熱可塑性樹脂を基材上
に溶融ラミネートする方法、および熱可塑性樹脂を溶剤
に溶解させた溶液を基材上に塗布、乾燥する方法等が挙
げられる。中でも、熱可塑性樹脂を溶融ラミネートする
方法が、白板材料の作製工程を特に簡略化できる点で好
ましい。
【0026】溶融ラミネート方法において、熱可塑性樹
脂の溶融押出条件は、用いる樹脂の熱特性等に依存して
種々異なる。例えば、ポリエステルを用いた場合は、ポ
リエステルの融点より20℃以上高い温度で溶融させ、
このポリエステルをダイ(例えば、Tダイ)から、40
℃以下の低い温度に保持されたチルトロール上に吐出す
ることにより行うことができる。このような条件でポリ
エステルを溶融押出すると、アモルファスポリエステル
のフィルムが形成できるので好ましい。チルトロール上
に吐出された熱可塑性樹脂は、ロールにより搬送されて
くる基材の少なくも1つの面上にラミネートされる。
【0027】基材上に積層される熱可塑性樹脂フィルム
の厚さは、20〜70μmであると好ましく、さらに好
ましくは25〜50μmである。
【0028】基材と熱可塑性樹脂フィルムとの接着性を
高めるために、基材の表面に加工処理を施してもよい。
このような表面処理としては、ガス炎等による火炎処
理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、アルキルチタネ
ート等によるアンカーコート処理等を挙げることができ
る。特に、コロナ放電処理は、簡便で好ましい。コロナ
放電処理を施す場合は、その表面の水との接触角が70
度以下になるように処理することが好ましい。
【0029】アンカーコートに使用される材料として
は、有機チタン系化合物、イソシアネート系化合物、ポ
リエチレンイミン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂等を挙
げることができる。有機チタン系化合物の例としては、
テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネー
ト、テトラステアリルチタネート等のアルキルチタネー
ト;ブトキシチタニウムステアレート等のチタンアシレ
ート;チタニウムアセチルアセトネート等のチタンキレ
ート等を挙げることができる。イソシアネート系化合物
の例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサ
メチレンジイソシアネート(HMDI)、キシリレンジ
イソシアネート(XDI)、イソホロジイソシアネート
(IPDI)等を挙げることができる。
【0030】次に、粘着剤層について説明する。白板材
料の筆記面の裏面に、粘着剤層が設けられていると、白
板材料を壁等に容易に貼付け可能となり好ましい。粘着
剤層は、一般に、粘着剤溶液を塗布した後、乾燥するこ
とにより形成することができる。粘着剤層に用いられる
粘着材料としては、ゴム系ポリマー(例えば、スチレン
/ブタジエン共重合体、ポリイソブチレン等)、アクリ
ル系ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルエー
テル等を用いることができる。通常、これらの主成分
に、粘着付与剤(例えば、ロジン、ロジンエステル、エ
ステルガム、クマロン樹脂、クマロン/インデン樹脂、
テルペン樹脂、炭化水素樹脂、油溶性フェノール樹脂
等);軟化剤(例えば、脂肪酸エステル、動物植物油
脂、ワックス、石油重質成分等);および顔料(例え
ば、亜鉛華等)等が添加される。所望により、充填剤、
老化防止剤、安定剤等を添加してもよい。
【0031】粘着剤層は、基材の裏側面に直接設けても
よいし、基材の裏面に筆記面と同様の熱可塑性樹脂フィ
ルム層を設け、その上に粘着剤層を設けてもよい。基材
と粘着剤層との間に熱可塑性樹脂フィルム層を設ける
と、白板材料のそり防止効果があるので好ましい。粘着
剤層の厚さは、1〜50μmが一般的であり、3〜30
μmであると好ましい。
【0032】粘着剤層の表面には、離型紙等の離型シー
トが貼り付けされていると、運搬、保管、設置等の取り
扱い上好ましい。離型シートとしては、例えば、紙やプ
ラスチックフィルムの表面にステアリン酸塩、シリコー
ン、石鹸等からなる離型剤層を形成したもの広く用いる
ことができる。
【0033】離型シートにより粘着層が保護されている
と、白板材料をロール状に巻く等、運搬、保管に都合よ
く自由に変形することができる。さらに、使用に際して
必要な分だけ切り取り、切り取った白板材料の離型シー
トのみを剥がして、黒板や壁等に貼付け設置することが
可能となる。このように、本発明の白板材料を黒板、壁
等に貼り付ければ、貼り付けた箇所を白板として使用す
ることができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれによって限定されるもので
はない。
【0035】実施例1 [基材の作製]木材パルプの混合物(LBKP/NBS
P=2/1)を叩解し、カナディアンフリーネス250
ccのパルプスラリーを得た。次に、このパルプスラリ
ーを水で希釈した後、パルプスラリーに対してアニオン
性ポリアクリルアミド(「ポリストロン195」、荒川
化学社製、分子量約110万)1.0重量%、硫酸アル
ミニウム1.0重量%、およびポリアミドポリアミンエ
ピクロルヒドリン(「カイメン557」、ディックハー
キュレス社製)0.15重量%を攪拌しながら添加し
た。さらにエポキシ化ベヘン酸アミドを0.4重量%加
えた後、pHが7になるように水酸化ナトリウムを加
え、さらに、カチオン性ポリアクリルアミド0.5重量
%と、消泡剤0.1重量%を加えた。このパルプスラリ
ーを180g/m2 となるように抄造し、原紙を得た。
【0036】このようにして得た原紙を、オーブンにて
乾燥し、水分を約2%にした。次に、下記の配合で調製
した表面サイズ剤の水溶液を、原紙にサイズプレスし、
液の付着量が原紙の表面で20g/m2 となるように付
着させた。 ポリビニールアルコール 4.0重量% 塩化カルシウム 4.0重量% 蛍光増白剤 0.5重量% 消泡剤 0.005重量% このようにして得られたサイズ液が付着した原紙を、マ
シンカレンダーで調整し、厚さ150μmとした。この
原紙について、色差計(「Z1001」、日本電色工業
製)で指数L、a、bを測定したところ、L=94.
8、a=1.2、b=−3.6であった。
【0037】[白板材料の作製]PET樹脂を樹脂の温
度300℃で溶融し、同温度で押し出し機にてTダイか
ら表面粗さ(Rz値)が7.0のチルトロール上に吐出
させた。この吐出させたPET樹脂を、前記の原紙の両
面に30μmの厚みとなるようにラミネートし白板材料
を作製した。ラミネートした樹脂表面(筆記面)の光沢
度を、JIS−K−7105−1981に記載された方
法に従って、60度表面光沢度について測定した。光沢
計としてHANDY GLOSS METER(「HG
−246」、スガ試験機(株)製)を使用した。光沢度
は23であった。
【0038】[粘着剤層の作製]次に、下記の組成の粘
着剤層形成用の塗布液を調製し、この塗布液をナイフロ
ールコータで、前記白板材料の片面に塗布し、乾燥し
た。白板材料の片面に、厚さ10μmの粘着剤層が形成
された。このようにして作製した白板材料を実施例1と
した。 スチレン/ブタジエン共重合体(固形分として) 100重量部 亜鉛華 5重量部 油溶性フェノール樹脂(固形分として) 12重量部 エステルガム(固形分として) 40重量部 パラフィンオイル 25重量部 クマロンインデン樹脂(固形分として) 40重量部 ノルマルヘキサン 500重量部
【0039】実施例2 基材としてキャストコート紙(「エスプリコートF
P」、日本製紙製:127.9g/m2 )を使用した以
外は、実施例1と同様な方法で白板材料を作製し、これ
を実施例2とした。実施例3 PET樹脂82重量部と硫酸バリウム粉体18重量部を
二軸混錬押出し機にて分散混合した。次に、この混合物
を温度300℃で、Tダイからチルドロール上に吐出さ
せ、約800μmの未延伸フィルムを得た。このフィル
ムを温度120℃で1分間加熱した後、ロング延伸機に
て横方向に同時二軸延伸し、PET樹脂フィルムを得
た。フィルムの厚さは100μmであった。このフィル
ムを基材とし、実施例1と同様に白板材料を作製した。
これを実施例3とした。
【0040】比較例1 基材として、コピー紙(「GREEN100」、富士ゼ
ロックス社製)を用い、表面が鏡面状のチルドロールを
用いた以外は実施例1と同様に白板材料を作製し、比較
例1とた。比較例2 基材として、富士ゼロックス社製のカラー紙(ピンク)
を用いた以外は実施例1と同様に白板材料を作製し、比
較例2とした。比較例3 基材として、富士ゼロックス社製のカラー紙(ライトブ
ルー)を用いた以外は実施例1と同様に白板材料を作製
し、比較例3とした。
【0041】評価 実施例1〜実施例3の白板材料、および比較例1〜比較
例3の白板材料の接着剤層面を各々壁に貼付けた。各々
の白板に、黒、青、赤、緑のホワイトボード用マーカー
ペン(「WBMA−M−B」、「WBMA−M−L」、
「WBMA−M−R」、「WBMA−M−G」、パイロ
ット社製)を用いて、直径5cm、3cm、1cmの円
を描いた。白板に正対して蛍光灯を照射し、照度を約3
00ルックスとした。この状態で、白板から約2m離れ
た位置から、描かれた円の見やすさを、画面の明るさ、
描かれた円の色の判別のしやすさで評価した。また、描
かれた円を10分間観察した後、目の疲労感についても
評価した。
【0042】評価結果、用いた基材のL、a、b値、お
よび筆記面の光沢度を表1にまとめた。尚、表中の○×
は、以下のことを示す。 <画面明るさ> ○ 適度に明るい。 × 暗くて見え難い。 <色の判別> ○ 円の輪郭は鮮明で色が明確に判別できる。 × 円の輪郭が不鮮明で色が明確に判別できない。 <疲労感> ○ 円を観察しても目の疲労感は感じない。 × 円を観察していると目に疲労感がある。
【0043】
【表1】
【0044】表1の評価結果から、実施例1〜3の白板
材料は比較例1〜3の白板材料と比較して、いずれも画
面が明るく、黒、青、赤、緑のいずれの色で書き込まれ
ても色の判別が明確にできることがわかった。また、白
板材料に描かれた円を観察した場合、目の疲労感が格段
に少ないこともわかった。
【0045】
【発明の効果】本発明の白板材料は、基材のハンター色
差式の指数が適正な範囲に規定されているので、画面が
明るく、いずれの色で書き込まれた文字等も鮮明に見え
るという効果を有する。また、従来のものと比較して、
見る人の目の疲労感を低減できるという効果を有する。
さらに、本発明の白板材料は、容易に製造でき、運搬、
設置等の取り扱いも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の白板材料の一態様を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 基材 2 熱可塑性樹脂フィルム 3 粘着剤層 4 離型シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石塚 堯夫 東京都港区西麻布2丁目26番30号 富士写 真フィルム株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンター色差式における指数が以下の式
    (1)〜(3)を満足する基材と、該基材の少なくとも
    1つの面上に積層された熱可塑性樹脂フィルムからなる
    白板材料。 80≦L≦97 式(1) −3≦a≦3 式(2) −9≦b≦3 式(3) (式中Lは、ハンター色差式における明度指数を、a、
    bは該式における色座標を表わす。)
  2. 【請求項2】 基材の少なくとも1つの面上に積層され
    た熱可塑性樹脂フィルムが、溶融ラミネートにより積層
    されたことを特徴とする請求項1に記載の白板材料。
  3. 【請求項3】 筆記面のハンター色差式における指数が
    以下の式(1)〜(3)を満足することを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の白板材料。 82≦L≦97 式(1) −6≦a≦3 式(2) −8≦b≦3 式(3) (式中Lは、ハンター色差式における明度指数を、a、
    bは該式における色座標を表わす。)
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂フィルムの表面が、光沢度
    1〜60であることを特徴とする請求項1から3までの
    いずれか1項に記載の白板材料。
  5. 【請求項5】 基材が紙または樹脂フィルムであること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項
    に記載の白板材料。
  6. 【請求項6】 筆記面の裏面に粘着剤層を設けたことを
    特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に
    記載の白板材料。
  7. 【請求項7】 粘着剤層上に、離型シートを設けたこと
    を特徴とする請求項6に記載の白板材料。
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JP2023021526A (ja) * 2021-08-02 2023-02-14 大日本印刷株式会社 回折光沢賦形用離型紙

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