JPH11277530A - プリプレグ - Google Patents
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- JPH11277530A JPH11277530A JP8717898A JP8717898A JPH11277530A JP H11277530 A JPH11277530 A JP H11277530A JP 8717898 A JP8717898 A JP 8717898A JP 8717898 A JP8717898 A JP 8717898A JP H11277530 A JPH11277530 A JP H11277530A
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Abstract
用いたり、別のプリプレグをあらかじめ積層したりしな
くとも、通常のマトリックス樹脂や離型シートを使用し
ても、離型シートからプリプレグを容易に剥がすことが
でき、かつ、引き剥がし作業性も良好な一方向繊維強化
プリプレグを提供する。 【解決手段】複数本の強化繊維束を一方向に引き揃えて
なるプリプレグにおいて、強化繊維束のフィラメント数
当たり0.1〜30%の本数の単繊維が強化繊維束にま
たがって配置されてなることを特徴とするプリプレグ。
Description
束を引き揃えてマトリックス樹脂を含浸させた一方向繊
維強化プリプレグに関し、さらに詳しくは強化繊維方向
の引き裂きに強く取り扱い作業性に優れた一方向繊維強
化プリプレグに関する。
フト、釣り竿、テニスラケットのフレームなどの成型品
の中間素材としてスポーツ、レジャー用途に広く利用さ
れている。また、建築物の補修、補強用などの産業用途
にも使われており、年々需要が拡大している。一方向繊
維強化プリプレグは形態保持、貯蔵、あるいは輸送のた
めその片面に離型シート(通常、離型紙)を貼り、シー
ト状またはロール状の形態とするのが通例である。一方
向繊維強化プリプレグを成形する場合、通常離型シート
ごと切断し、必要に応じて芯体に巻き付け円筒にした
り、円筒チューブに巻き付けたり、そのままシート状に
重ね合わして硬化させて成形する。このとき離型シート
からの剥がれ易さが成形における作業性に対し重要であ
るが、シートから引き剥がす際、一方向に繊維が揃って
いるため繊維方向に引き裂かれ、作業性悪化の原因とな
っていた。引き剥がし作業性を良好にするため繊維間の
接着力の強いマトリックス樹脂を検討したり、離型シー
トの剥がれ易さをコントロールするなどの対策が採られ
てきた。また、あらかじめ別の一方向プリプレグをその
繊維方向が基の一方向プリプレグの繊維方向とは角度を
付けて積層することによりプリプレグの引き裂きを防止
し、作業性を良くする方法などが検討されてきた。
に鑑みてなされたもので、マトリックス樹脂や離型シー
トに特殊なものを用いたり、別のプリプレグをあらかじ
め積層したりしなくとも、通常のマトリックス樹脂や離
型シートを使用しても、離型シートからプリプレグを容
易に剥がすことができ、引き剥がし作業性も良好な一方
向繊維強化プリプレグを提供することを目的とする。
成するために次の構成を有する。すなわち、複数本の強
化繊維束を一方向に引き揃えてなるプリプレグにおい
て、強化繊維束のフィラメント数当たり0.1〜30%
の本数の単繊維が強化繊維束にまたがって配置されてな
ることを特徴とするプリプレグである。
しては連続的に繋がった炭素繊維束、アラミド繊維束、
ガラス繊維束などを例示できるが、高強度であり、成型
品となした場合に、特に優れた機械的特性を示す炭素繊
維束が好ましい。また、炭素繊維の中でもピッチ系では
連続した繊維束が得られにくく、ポリアクリロニトリル
(以下、PANと略す)系炭素繊維がより好ましい。
フィラメント以上あれば繊維束間にまたがるように繊維
を配置することで効果は得られるが、特に20,000
フィラメント以上であると繊維束間にまたがる繊維本数
も多くすることができ、引き剥がし作業性も良く、好ま
しい。
維束方向に対し、任意の角度を付けて単繊維を配置する
ことであり、これにより、一方向に並んだ繊維束におけ
る単繊維同士の拘束力や、繊維束間の拘束力を高めるこ
とができ、ひいては、プリプレグにおいて、繊維方向と
直角方向、いわゆる横方向の強度を高めることができ、
別のプリプレグを積層することなく、引き裂きに対し強
くすることができる。
の割合により成型品の物性に反映され、強化繊維束のフ
ィラメント数当たり30%を越える本数の単繊維を配置
した場合、繊維束方向の引張り強度の低下が大きくなり
望ましくない。一方0.1%未満では横方向の繊維間の
拘束力が弱く、効果が認められない。望ましくは、強化
繊維束にまたがって配置される単繊維の割合は0.5〜
20%の範囲が繊維束方向の引張り強度低下も少なく、
横方向への引き裂きに対しても有効である。さらに望ま
しくは1〜10%が最も作業性と成形後の物性のバラン
スが良く、本発明の効果が極めて顕著になる。
2以上であると、繊維を繊維束間でまたがるように配置
することが容易となり好ましい。望ましくは繊維目付1
50g/m2以上のプリプレグの方が使用する繊維束の
フィラメント数を大きくでき、繊維束間にまたがる繊維
本数も多くすることができる。さらには繊維目付が30
0g/m2を越える厚いプリプレグでは引き剥がし作業
性だけで無く、プリプレグ自身の重みにより、その後の
成形時の取り扱い性が悪くなる傾向が出てくるが、本発
明によれば、引き剥がした後の形態保持性が優れ、取り
扱い性がさらに容易になる効果もある。
%以上では繊維の含有量が多くなり、本発明の効果が発
現し易い。特に繊維含有量70重量%以上のプリプレグ
においてはマトリックス樹脂による繊維束間の拘束力が
少なくなり、本発明の効果がより顕著に発現することに
なる。しかし85重量%を越えると樹脂含有量が少な
く、均一なプリプレグが得られにくいことがある。
造方法としては、通常のプリプレグ製造工程において、
繊維束を引き揃えてシート状としたものにマトリックス
樹脂を含浸させる前に、繊維束を構成する単繊維の内の
0.1〜30%程度を後述するような手段で切断し、樹
脂含浸時に横方向へ分散配置させる方法がある。すなわ
ち切断されていない連続した繊維束は引き揃えられて一
方向へ配列されるのに対し、任意に切断された単繊維は
マトリックス樹脂の流動に応じて、横方向へ動かされ、
色々な角度で繊維束間にまたがり配置される。
には種々の方式があり、特に制限されるものではない
が、溶融、あるいは溶剤で希釈した樹脂液の中に繊維束
を入れ、含浸させる方式、いわゆるディップ方式では樹
脂液中に切断した単繊維が脱落し、連続して製造する場
合、樹脂液中に溜まる問題が生じることがあるがプリプ
レグの本発明の効果としては問題無い。一方、離型シー
トに樹脂をコーティングした樹脂フィルムをあらかじめ
用意しておき、繊維束に重ね合わせて後、熱をかけて加
圧することにより含浸させる方式、いわゆるホットメル
ト方式では上記問題が無く、切断した繊維は同時に含浸
されるので本発明プリプレグを製造するに好適に用いら
れる。
手段としては特に制限されないが、ローラー、固定ガイ
ドなどをを振動させるなどの擦過により切断する手段
や、カッターなどの刃物で適度な長さに切る手段や、空
気などの気体の流体をあて切断する手段など、どのよう
な手段をとっても良い。また、あらかじめ繊維束の一部
の単繊維を切断した繊維束をボビンに巻いておき、通常
のプリプレグ製造工程に通して製造することも可能であ
る。
割合は、次のようにして測定することができる。プリプ
レグを繊維方向に10cmの長さで引き裂き、引き裂か
れた部分から少しでも飛び出した繊維端の数を両側部分
で計数する。約20〜50倍の光学顕微鏡で見るのが繊
維端が数え易くて良い。これを任意の場所で10回繰り
返して合計して、1m当たりの繊維束間にまたがって配
置された単繊維の数とする。この1m当たりの繊維束間
にまたがって配置された単繊維の数と、プリプレグに用
いられた繊維束1本のフィラメント数との比(%)を繊
維束間にまたがって配置された単繊維の割合とする。な
お、単繊維は繊維束にまたがって配置されているので、
繊維束間が判明しにくい場合には、適宜の位置で繊維方
向に沿って引き裂き、その引き裂き部分に出る単繊維の
数を計数しても実質的に同じである。
らい場合は引き裂いた部分を溶剤で樹脂を除去してから
計数しても良い。また、あらかじめマトリックス樹脂を
溶剤で除去してから引き裂いて繊維束間にまたがった単
繊維の数を計数しても良い。
くい場合はプリプレグを適宜に硬化させて切断面で単繊
維を計数しても良い。繊維束間にまたがった単繊維の数
が多くて計数しずらい場合は、計数長を短くし、1m当
たりに換算しても良い。
0cmの大きさにカットしたプリプレグの端を持って離型
シートから引き剥がした時に、繊維方向に引き裂かれず
にプリプレグの形態を維持できるかで評価する。
トリックス樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性の樹
脂のいずれでも良いが、熱硬化性のエポキシ樹脂が一般
的に用いられる。エポキシ樹脂としては、例えばビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グ
リシルアミン型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹
脂などを使用することができる。これらのエポキシ樹脂
は単独または複数種類を混合して使用することができ、
さらには液状のものから固体状のものまで使用すること
ができる。通常、エポキシ樹脂には硬化剤が加えて用い
られることが多い。
ートに担持されている。離型シートとしては表面離型処
理した離型紙、プラスチック製フィルムなどが用いられ
るが、例えばシリコーン系離型剤の種類や量を適宜に調
整することにより離型性を適度に設定した離型紙が望ま
しい。
に説明する。なお、コンポジットの0°引張強度はAS
TM D3039に準じて測定した。
をコーティングした樹脂フィルムを作製する。次に、フ
ィラメント数70,000のPAN系炭素繊維束を9本
引き揃えて300mm幅のシート状とし、擦過ロールで
強制的に繊維束を擦過し、単繊維の一部を切断してか
ら、その両面から前記樹脂フィルムで挟んで後、加熱、
加圧しエポキシ樹脂を含浸する。この際、繊維束の擦過
の程度を変更することにより、表1に示す5水準の一方
向繊維強化プリプレグを得た。いずれのプリプレグも、
繊維目付が170g/m2であり、繊維含有量が70重
量%であった。水準1ではプリプレグを離型シートから
引き剥がす際、プリプレグの繊維方向で引き裂けが発生
し、作業性は悪かった。一方、水準5では作業性は良か
ったが、そのプリプレグから作製したコンポジットの0
°引張強度の低下が大きい。
換算した値である。
数24,000のPAN系炭素繊維束(東レ(株)製ト
レカT700S−24K)に変更し、125本引き揃え
て1m幅のシート状とし、実施例1と同様に擦過して、
表2に示す5水準の一方向繊維強化プリプレグを得た。
いずれのプリプレグも、繊維目付が200g/m2であ
り、繊維含有量が70重量%であった。水準1では実施
例1と同様、プリプレグの繊維方向での引き裂けが発生
し、作業性は悪かった。一方、水準5では作業性は良か
ったが、そのプリプレグから作製したコンポジットの0
°引張強度の低下が大きい。
い、かつ、引き剥がし作業性の優れたプリプレグを得る
ことができる。
ある。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 複数本の強化繊維束を一方向に引き揃え
てなるプリプレグにおいて、強化繊維束のフィラメント
数当たり0.1〜30%の本数の単繊維が強化繊維束に
またがって配置されてなることを特徴とするプリプレ
グ。 - 【請求項2】 強化繊維が炭素繊維であることを特徴と
する請求項1記載のプリプレグ。 - 【請求項3】 炭素繊維がポリアクリロニトリル系炭素
繊維である請求項2記載のプリプレグ。 - 【請求項4】 前記強化繊維束はフィラメント数が2
0,000本以上である請求項1記載のプリプレグ。
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JP08717898A JP3937569B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | プリプレグ |
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JP08717898A Expired - Fee Related JP3937569B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | プリプレグ |
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JP (1) | JP3937569B2 (ja) |
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1998
- 1998-03-31 JP JP08717898A patent/JP3937569B2/ja not_active Expired - Fee Related
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