JPH11277239A - 4電極片面サブマージアーク溶接方法 - Google Patents
4電極片面サブマージアーク溶接方法Info
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- JPH11277239A JPH11277239A JP8191498A JP8191498A JPH11277239A JP H11277239 A JPH11277239 A JP H11277239A JP 8191498 A JP8191498 A JP 8191498A JP 8191498 A JP8191498 A JP 8191498A JP H11277239 A JPH11277239 A JP H11277239A
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Abstract
き込み等の欠陥及び終端割れの発生を防止することがで
きる4電極片面サブマージアーク溶接方法を提供する。 【解決手段】 4電極片面サブマージアーク溶接方法
は、板材間の開先に配置されたシーリングカスケードビ
ードの溶接方向に平行な方向の長さをL1(mm)、前記第
1電極により溶融されるシーリングカスケードビードの
長さをL2(mm)としたとき、(L1−L2)を200〜1000mmに
すると共に、板材の板厚tが12mm未満である場合は、板
材表面からシーリングカスケードビード上面までの距離
dを1mm以下とし、板厚tが12mm以上の場合は、前記距
離dを(t/4-2)mm以下とする。また、第2電極のアーク
停止前の溶接速度をv(cm/分)、第4電極の溶接電流を
I(A)としたとき、第2電極のアークを停止した後に、
第4電極の溶接電流を1.1I〜1.25I(A)とし、第3及び第
4電極の進行速度を0.6v〜0.85v(cm/分)とする。
Description
ス又は固形物を使用して、4電極により溶接する片面サ
ブマージアーク溶接方法に関し、特に、溶接の終端部に
おける割れの発生を防止することができる4電極片面サ
ブマージアーク溶接方法に関する。
接として造船を中心として、広い分野に適用されている
高能率の溶接施工方法である。図3は従来の片面サブマ
ージアーク溶接により形成された溶接金属を示す断面図
である。対向して配置された一対の鋼板11間を溶接す
ると、鋼板11の表面側から裏面側に到達する溶接金属
12が形成される。しかし、片面サブマージアーク溶接
は溶接入熱が大きい条件で実施されるので、鋼板の熱変
形が大きくなり、溶接の終端部における溶接金属12の
中央部に割れ(終端割れ)12aが発生することがあ
る。
することができる方法が提案されている(特公昭51−
18234号公報)。これを第1の従来例という。図4
は第1の従来例に係る溶接方法を示す平面図である。図
4に示すように、一対の鋼板13をその端面同士を当接
させて配置すると共に、鋼板13の溶接終端部側の端面
にタブ板14を当接させて、タブ板14又は鋼板13の
溶接終端部となる両側を油圧ジャッキ15等により拘束
した後、鋼板13間に形成された開先13aに沿って溶
接する。この方法によると、油圧ジャッキ15等の外圧
によってタブ板14又は鋼板13が拘束されて、その変
形を抑制することができるので、割れの発生を低減する
ことができる。
とにより、終端割れの防止を図った終端割れ防止方法が
開示されている(特公昭52−30375号公報)。こ
れを第2の従来例という。図5は第2の従来例に係る終
端割れ防止方法を示す平面図である。図5に示すよう
に、一対の鋼板16をその端面同士を当接させて配置す
ると共に、鋼板16の溶接終端部側の端面にエンドタブ
板17を拘束溶接した後、鋼板16間に形成された開先
16aに沿って溶接する。なお、エンドタブ板17に
は、鋼板16に当接している側の端面に至る2本の平行
なスリット17aが設けられている。
接すると、エンドタブ板17におけるスリット17aの
両側方の領域で、鋼板16に生じる横方向(開先16a
が延びる方向に直交する方向)への変形を拘束する。ま
た、エンドタブ板17における2本のスリット17aの
間の領域で、鋼板16に生じる縦方向(開先16aが延
びる方向)への変形を拘束する。従って、鋼板16の溶
接終端部における割れの発生を抑制することができる。
サブマージアーク溶接方法であって、高速で溶接しても
良好な形状の表ビード及び裏ビードを得ることができ、
これにより、溶接能率の向上を図った溶接方法も提案さ
れている(特開平3−238174号公報)。
シーリングビードを配置し、このシーリングビード上で
溶接を終了するサブマージアーク溶接の終端処理方法が
開示されている(特開平5−285662号公報)。こ
れは、4電極を使用する多電極溶接であり、第2電極と
第3電極との間の距離、第1乃至第4電極のアークの停
止位置、溶接速度条件及び溶接電流条件を適切に規定す
ることにより、終端割れの防止を図ったものである。
た従来の技術には、以下に示す問題点がある。即ち、第
1の従来例においては、タブ板14又は鋼板13を外圧
によって拘束するので、極めて大きい設備が必要とな
る。また、外圧が厳密に調整されていない場合には、こ
の外圧によって鋼板13の板厚方向に角変形が発生し、
終端割れが発生する原因となる。
すると、溶接入熱が大きくなり、それに伴って、発生す
る熱変形が大きくなるので、板材に対する拘束力が不足
して変形を十分に抑制することができずに、割れが発生
してしまう。このように、第2の従来例は、適用される
板材の板厚の範囲が限定されるという問題点がある。
載された高速多電極片面サブマージアーク溶接方法で
は、従来の100(cm/分)未満の溶接速度で溶接し
た場合と同様に、終端割れを防止することはできない。
更にまた、特開平5−285662号公報に記載された
方法を使用しても、終端割れを十分に防止することがで
きないと共に、溶接終端部にスラグ巻き込みが発生し
て、健全な溶接ビードを得ることができないという問題
点がある。
ても、溶接終端部における終端割れ及びスラグ巻き込み
の発生を完全に防止することはできない。従って、割れ
及びスラグ巻き込み等の欠陥を発生させることなく、健
全な溶接ビードを得ることができる4電極片面サブマー
ジアーク溶接方法を確立することが要求されている。
のであって、溶接される板材の板厚に拘わらず、スラグ
巻き込み等の欠陥及び終端割れの発生を防止することが
できる4電極片面サブマージアーク溶接方法を提供する
ことを目的とする。
サブマージアーク溶接方法は、板厚tが12mm未満で
ある2枚の板材間に開先を形成し、この開先にシーリン
グカスケードビードを配置して、第1電極乃至第4電極
を80(cm/分)以上の速度vで前記開先に沿って溶
接方向に進行させつつ前記2枚の板材を溶接接合する片
面サブマージアーク溶接方法において、前記シーリング
カスケードビードの溶接方向に平行な方向の長さをL1
(mm)、前記第1電極により溶融されるシーリングカ
スケードビードの長さをL2(mm)としたとき、(L1
−L2)を200乃至1000mm、前記板材の表面か
ら前記シーリングカスケードビードの上面までの距離d
を1mm以下、第2電極と第3電極との間の距離を15
0乃至250mmとし、第1電極のア−クをシーリング
カスケードビードの溶接方向後端部から溶接方向に向か
って10乃至50mm前方の位置で停止させると共に、
第2電極のアークを第1電極のアーク停止位置から溶接
方向に向かって30乃至120mm前方の位置で停止さ
せ、第2電極のアーク停止前の第4電極の溶接電流をI
(A)としたとき、第2電極のアークを停止した後に第
4電極の溶接電流を1.1I乃至1.25I(A)と
し、第3及び第4電極の進行速度を0.6v乃至0.8
5v(cm/分)として、第3及び第4電極のアークを
第2電極のアーク停止位置よりも溶接方向前方の位置で
停止させることを特徴とする。
ージアーク溶接方法は、前記板厚tが12mm以上であ
る場合に、前記距離dを(t/4−2)mm以下とする
ことを特徴とする。
極片面サブマージアーク溶接方法について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施例に
係る4電極片面サブマージアーク溶接方法を示す断面図
である。図1に示すように、一対の鋼板5には、その表
面から端面に至る切欠きにより開先面5aとルート面5
bとが設けられており、これらの鋼板5は、そのルート
面5b同士が当接した状態で配置されている。
ージアーク溶接する場合には、先ず、溶接終端部となる
開先にシーリングカスケードビード6を配置すると共
に、矢印8で示す溶接方向の前方における鋼板5の端面
にエンドタブ板7を当接させる。次に、第1電極1、第
2電極2、第3電極3及び第4電極4の先端からアーク
を発生させつつ、これらの電極を矢印8で示す溶接方向
に進行させることにより、鋼板5同士を溶接接合する。
本発明においては、第2電極2と第3電極3との間の距
離、溶接速度、シーリングカスケードビード6の長さか
ら第1電極により溶融される長さを差し引いた長さ及び
鋼板5とのその板厚方向の相対距離、各電極のアーク停
止位置並びにシーリングカスケードビード6上での溶接
条件の変更を規定している。以下、これらの条件につい
て、具体的に説明する。
乃至250mm 第2電極と第3電極との間の距離は、溶接金属の縦割れ
を防止して、表ビード及び裏ビードの安定性を確保する
と共に、スラグ巻き込み及び融合不良が発生しない健全
な溶接部を得るための重要な因子である。溶接速度が8
0(cm/分)以上になると、第1電極と第2電極との
間で形成される溶融プールの長さが約100乃至150
mmとなる。そのため、第2電極と第3電極との間の距
離が150mm未満である場合には、第1電極、第2電
極及び第3電極により形成されるプールが1プールにな
ってしまい、溶け込み形状が縦長になって、溶接金属に
縦割れが発生する虞がある。また、裏ビードの形状が不
安定にもなる。
250mmを超えると、第3電極により健全な溶け込み
深さを確保することができなくなると共に、第1及び第
2電極により生成されたスラグが完全に凝固して、スラ
グ巻き込み等の欠陥が発生しやすくなる。更に、第3電
極のアークが不安定となって表ビード形状が不安定とな
る。従って、第2電極と第3電極との間の距離は150
乃至250mmとする。
溶接入熱を低減すると共に、溶接速度vを上昇させる方
法が効果的である。溶接速度vが80(cm/分)未満
であると、溶接終端部の変形を抑制する効果を得ること
ができない。従って、溶接速度vを80(cm/分)以
上にすることにより、アーク熱による変形を抑制する効
果が発揮される。
板(板材)の変形を防止する目的で溶接終端部となる位
置に配置されるものであり、溶接の前後において鋼板の
拘束力を十分に確保することが必要である。シーリング
カスケードビードの溶接方向に平行な方向の長さを
L1、第1電極により溶融されるシーリングカスケード
ビードの長さをL2としたとき、(L1−L2)が200
mm未満であると、鋼板の変形力に対して、シーリング
カスケードビードが十分に耐えることができないので、
溶接終端部において鋼板の回転変形によって割れが発生
する。一方、(L1−L2)が1000mm以上である
か、又は溶接線の全てを覆うシーリングカスケードビー
ドを配置すると、鋼板の回転変形による割れの発生を確
実に防止することができるが、このように、(L1−
L2)の長さが1000mm以上となる範囲で、又は全
溶接線上にシーリングカスケードビードを配置するため
には、極めて長い時間が必要になるので、作業能率が著
しく低下する。従って、溶接終端部における割れの発生
を防止すると共に、作業能率を高めるために、(L1−
L2)は250乃至1000mmとする。
表面との間の距離d:鋼板の板厚tが12mm未満の範
囲では1mm以下、鋼板の板厚tが12mm以上の範囲
では(t/4−2)以下 上述の如く、シーリングカスケードビードは溶接終端部
における鋼板の回転変形を抑制する目的を有している。
従って、シーリングカスケードビードの鋼板に対する拘
束力が得られなくなる程度に、第1電極以降の電極によ
ってビードが溶融されると、割れが発生する。第1電極
以降の電極がシーリングカスケードビードを通過する際
に、シーリングカスケードビードにより鋼板を拘束し
て、鋼板の回転変形を防止するためには、シーリングカ
スケードビードの高さが重要な因子となる。また、シー
リングカスケードビードの高さは、各板厚に適用される
溶接入熱と関連している。
の上面と鋼板表面との距離dをとり、横軸に鋼板の板厚
tをとって、種々の距離d及び板厚tの場合の割れの発
生状況を示すグラフ図である。但し、図2においては、
各板厚tに適用される溶接入熱で溶接した結果であり、
●は溶接終端部に割れが発生したことを示し、○は割れ
が発生していないことを示す。図2に示すように、板厚
tが12mm未満の範囲では、距離dが1mmを超える
と、シーリングカスケードビードの高さが不足して、第
1電極が通過した後、拘束力を確保することができずに
割れが発生する。また、板厚tが12mm以上の範囲で
は、距離dが(t/4−2)を超えると、同様に、シー
リングカスケードビードによる拘束力を確保することが
できずに、割れが発生する。従って、鋼板の板厚tが1
2mm未満の範囲では、シーリングカスケードビードの
上面と鋼板表面との距離dは1mm以下、鋼板の板厚t
が12mm以上の範囲では、距離dは(t/4−2)以
下とする。
スケードビードの溶接方向後端部から溶接方向に向かっ
て10乃至50mm前方の位置 図1に示すように、第1電極を溶接方向に向かって進行
させ、シーリングカスケードビード6の溶接方向後端部
6aから10mm未満の位置でアークを停止させると、
アーク停止箇所の近傍で表ビード幅及び余盛り高さが著
しく不足して、健全な溶接ビードを得ることができな
い。一方、第1電極を溶接方向に向かって進行させ、シ
ーリングカスケードビードの溶接方向後端部から50m
mを超えた位置でアークを停止させると、表ビードの余
盛り高さが過大となる。従って、シーリングカスケード
ビードの溶接方向後端部から溶接方向に向かって10乃
至50mm前方の位置で、第1電極のアークを停止させ
ることが必要である。
ーク停止位置から溶接方向に向かって30乃至120m
m前方の位置 第1電極のアークを停止させた位置においては、非連続
的な溶接金属及びスラグが存在するので、第2電極は第
1電極のアーク停止位置よりも溶接方向前方でアークを
停止させる必要がある。第1電極のアーク停止位置から
溶接方向に向かって30mm未満の位置で第2電極のア
ークを停止させると、非連続的な溶接金属及びスラグを
第2電極によって除去することができない。一方、第1
電極のアーク停止位置から溶接方向に向かって120m
mを超えた位置で第2電極のアークを停止させると、表
ビードの余盛り高さが過大となる。従って、第1電極の
アーク停止位置から溶接方向に向かって30乃至120
mm前方の位置で第2電極のアークを停止させることが
必要である。
第2電極のアーク停止位置から溶接方向に向かって前方
の位置 第1電極及び第2電極により形成されたスラグ及び非連
続的な溶接金属を取り除くためには、第3電極及び第4
電極は、第2電極のアーク停止位置よりも溶接方向前方
でアークを停止させる必要がある。なお、第3電極及び
第4電極のアーク停止位置は、クレータ処理として配置
したタブ板上とすることがより一層好ましい。
値:1.1I乃至1.25I(A)(I;第2電極のア
ーク停止前の第4電極の電流値) 第1及び第2電極で生成されたスラグを除去すると共
に、シーリングカスケードビードによる鋼板に対する拘
束力を保持して熱変形を防止するためには、第2電極以
降の電極によってシーリングカスケードビードを溶融さ
せすぎず、溶融プールの撹拌力を上昇させることが必要
である。第3電極及び第4電極の特徴から、第4電極の
アーク直下には先行する第3電極の溶融プールが存在す
るので、適切な範囲で電流値を増加させても溶け込み深
さが大きく変化することはない。一方、第3電極の電流
値を増加させると、溶け込み深さが必要以上に深くなっ
てしまう。そこで、第4電極の電流値を増加させること
により、スラグ巻き込み等の欠陥の発生を防止すること
ができる。なお、第1電極及び第2電極のアーク停止位
置の近傍においては、溶着量が少なくなっており、これ
を補うためには、第2電極のアーク停止後に第4電極の
電流値を増加させることが必要である。
値をI(A)としたとき、第2電極のアーク停止後の第
4電極の電流値を1.1I(A)未満とすると、第1電
極及び第2電極により生成されたスラグを十分に除去す
ることができず、スラグ巻き込みが発生する。一方、第
2電極のアーク停止後の第4電極の電流値を1.25I
(A)を超える値とすると、シーリングカスケードビー
ドの鋼板に対する拘束力が低下して、終端割れが発生す
る。従って、第2電極のアーク停止後に第4電極の電流
値を1.1I乃至1.25I(A)とする。
60v乃至0.85v(cm/分)(v;第2電極のア
ーク停止前の溶接速度) 第1電極及び第2電極のアーク停止位置の近傍において
は、溶着量が少なくなっているので、前述の如く、本発
明においては第4電極の電流値を増加させるものとす
る。しかし、この方法のみでは不足した溶着量を確保す
ることは困難であり、表ビード幅及び余盛り量が不十分
になる。従って、第2電極のアークを停止した後に、溶
接速度を低下させる必要がある。
(cm/分)としたとき、第2電極のアーク停止後の溶
接速度を0.60v(cm/分)未満とすると、表ビー
ド幅が第2電極のアーク停止前のビード幅よりも広くな
ると共に、表ビードの余盛りが必要以上に多くなる。ま
た、第3及び第4電極によってシーリングカスケードビ
ードを溶融する量が増加するので、シーリングカスケー
ドビードによる鋼板に対する拘束力が低下して、終端割
れが発生する。一方、第2電極のアーク停止後の溶接速
度を0.85v(cm/分)を超える値とすると、表ビ
ード幅が第2電極のアーク停止前のビード幅よりも狭く
なると共に、表ビードの余盛り不足となるので、健全な
溶接ビードを得ることができない。従って、第2電極の
アーク停止後に溶接速度を0.60v乃至0.85v
(cm/分)とする。
アーク溶接方法により鋼板(板材)を溶接する際には、
溶接材料として、表側フラックス、裏当て材(フラック
ス又は固形物)及び電極ワイヤ等を使用することができ
る。しかし、これらの溶接材料については特に限定され
るものではなく、目的に応じた適切な溶接作業性及び溶
接金属を得ることができるものを選択することができ
る。
マージアーク溶接方法により鋼板を溶接した試験結果に
ついて、その比較例による試験結果と比較して具体的に
説明する。下記表1に示す組成を有する鋼板を溶接母材
とし、下記表2に示す組成を有するワイヤにより、下記
表3に示す粒度及び組成を有する表フラックスを使用し
て、下記表4に示す溶接条件で片面サブマージアーク溶
接を実施し、溶接性について評価した。下記表4に示す
溶接条件以外の条件を下記表5乃至8に示し、評価結果
を下記表9に示す。なお、下記表3に示す表フラックス
は、原料を水ガラスで造粒した後に焼成したボンドフラ
ックスであり、表中のその他の成分としては、CO2、
B2O3、Fe−Si及びFe−Mn等がある。
o.1乃至7は溶接速度、第2電極−第3電極間の距
離、第1乃至第4電極のアーク停止位置、第2電極のア
ーク停止後の溶接速度及び第4電極電流値、並びにL1
−L2及びシーリングカスケードビードの上面と鋼板表
面との距離dが適切に調整されているので、いずれも良
好な表ビード、裏ビード及び溶け込み形状を得ることが
でき、溶接終端部においても欠陥が発生することなく健
全な溶接ビードを得ることができた。
巻き込みは発生しなかったが、第2電極と第3電極との
間の距離が本発明範囲の下限未満であるので、定常部に
おける裏ビードに再溶融が認められた。比較例No.9
は第2電極と第3電極との間の距離、及び第2電極のア
ーク停止後の溶接速度が本発明範囲の下限未満であるの
で、裏ビード形状が不安定になると共に、シーリングカ
スケードビードの溶融量が大きくなって、割れが発生し
た。比較例No.10はL1−L2の値が本発明範囲の下
限未満であると共に、第2電極のアーク停止後の第4電
極の電流値が本発明範囲の上限を超えているので、シー
リングカスケードビードによって鋼板の回転変形を抑制
することができず、割れが発生した。また、第2電極と
第3電極との間の距離が本発明範囲の下限未満であるの
で、裏ビードの再溶融が認められた。
の下限未満であるので、第2電極と第3電極との間の距
離が本発明範囲の下限未満であることによる裏ビード形
状の劣化は発生しなかったが、鋼板の回転変形が大きく
なって、割れが発生した。また、第2電極のアーク停止
位置が第1電極のアーク停止位置と同じ位置であり、本
発明範囲の下限未満であるので、第1電極により生成さ
れたスラグを除去することができず、スラグ巻き込みが
発生した。比較例No.12は第3電極及び第4電極の
アーク停止位置が第2電極のアーク停止位置と同じ位置
であるので、第2電極により生成されたスラグを除去す
ることができず、スラグ巻き込みが発生した。また、開
先が溶接されない部分(開先残し)が生じた。
位置が本発明範囲の上限を超えているので、シーリング
カスケードビードによる鋼板に対する拘束力を十分に得
ることができず、割れが発生した。また、比較例No.
13は第2電極のアーク停止位置が本発明範囲の下限未
満であるので、第1電極で形成されたスラグが除去でき
ずに、スラグ巻き込みが発生した。比較例No.14は
第2電極のアーク停止後においても、第3電極及び第4
電極の溶接速度を変更することなく溶接を続行したの
で、表ビードの幅が狭くなった。また、比較例No.1
4は第2電極のアーク停止後の第4電極の電流値が本発
明範囲の下限未満であるので、スラグ巻き込みが発生し
た。
位置が本発明範囲の上限を超えているので、シーリング
カスケードビードの溶融量が増加して、割れが発生する
と共に、表ビードの余盛りが過大となった。比較例N
o.16はシーリングカスケードビードの後端部上で第
1電極のアークを停止しているので、この停止位置近傍
における表ビードの余盛りが不足した。また、第2電極
のアークを停止した後の溶接速度が本発明範囲の下限未
満であるので、表ビード幅が狭くなった。更に、L1−
L2の値が本発明範囲の下限未満であると共に、シーリ
ングカスケードビードの上面と鋼板表面との間の距離d
が本発明範囲の上限を超えているので、鋼板の変位量を
低減することができず、割れが発生した。
後においても、第4電極の溶接電流値を変更することな
く溶接を続行したので、スラグ巻き込みが発生した。比
較例No.18は第2電極と第3電極との間の距離が本
発明範囲の上限を超えているので、第1電極及び第2電
極により形成したスラグを除去することができず、スラ
グ巻き込みが発生した。比較例No.19は、溶接速度
が本発明範囲の下限未満であるので、鋼板の回転変形が
大きくなり、割れが発生した。
4電極片面サブマージアーク溶接において、第2電極と
第3電極との間の距離、溶接速度、シーリングカスケー
ドビードの長さから第1電極により溶融される長さを差
し引いた長さ(L1−L2)及びシーリングカスケードビ
ードの上面と板材表面との間の距離d、第1乃至第4電
極のアーク停止位置、並びに第2電極のアーク停止後の
溶接速度及び溶接電流条件を適切に規定しているので、
板材の板厚に拘わらず、スラグ巻き込み等の欠陥及び終
端割れの発生を防止することができる。
ーク溶接方法を示す断面図である。
板表面との距離dをとり、横軸に鋼板の板厚tをとっ
て、種々の距離d及び板厚tの場合の割れの発生状況を
示すグラフ図である。
れた溶接金属を示す断面図である。
る。
面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 板厚tが12mm未満である2枚の板材
間に開先を形成し、この開先にシーリングカスケードビ
ードを配置して、第1電極乃至第4電極を80(cm/
分)以上の速度vで前記開先に沿って溶接方向に進行さ
せつつ前記2枚の板材を溶接接合する片面サブマージア
ーク溶接方法において、前記シーリングカスケードビー
ドの溶接方向に平行な方向の長さをL1(mm)、前記
第1電極により溶融されるシーリングカスケードビード
の長さをL2(mm)としたとき、(L1−L2)を20
0乃至1000mm、前記板材の表面から前記シーリン
グカスケードビードの上面までの距離dを1mm以下、
第2電極と第3電極との間の距離を150乃至250m
mとし、第1電極のア−クをシーリングカスケードビー
ドの溶接方向後端部から溶接方向に向かって10乃至5
0mm前方の位置で停止させると共に、第2電極のアー
クを第1電極のアーク停止位置から溶接方向に向かって
30乃至120mm前方の位置で停止させ、第2電極の
アーク停止前の第4電極の溶接電流をI(A)としたと
き、第2電極のアークを停止した後に第4電極の溶接電
流を1.1I乃至1.25I(A)とし、第3及び第4
電極の進行速度を0.6v乃至0.85v(cm/分)
として、第3及び第4電極のアークを第2電極のアーク
停止位置よりも溶接方向前方の位置で停止させることを
特徴とする4電極片面サブマージアーク溶接方法。 - 【請求項2】 板厚tが12mm以上である2枚の板材
間に開先を形成し、この開先にシーリングカスケードビ
ードを配置して、第1電極乃至第4電極を80(cm/
分)以上の速度vで前記開先に沿って溶接方向に進行さ
せつつ前記2枚の板材を溶接接合する片面サブマージア
ーク溶接方法において、前記シーリングカスケードビー
ドの溶接方向に平行な方向の長さをL1(mm)、前記
第1電極により溶融されるシーリングカスケードビード
の長さをL2(mm)としたとき、(L1−L2)を20
0乃至1000mm、前記板材の表面から前記シーリン
グカスケードビードの上面までの距離dを(t/4−
2)mm以下、第2電極と第3電極との間の距離を15
0乃至250mmとし、第1電極のア−クをシーリング
カスケードビードの溶接方向後端部から溶接方向に向か
って10乃至50mm前方の位置で停止させると共に、
第2電極のアークを第1電極のアーク停止位置から溶接
方向に向かって30乃至120mm前方の位置で停止さ
せ、第2電極のアーク停止前の第4電極の溶接電流をI
(A)としたとき、第2電極のアークを停止した後に第
4電極の溶接電流を1.1I乃至1.25I(A)と
し、第3及び第4電極の進行速度を0.6v乃至0.8
5v(cm/分)として、第3及び第4電極のアークを
第2電極のアーク停止位置よりも溶接方向前方の位置で
停止させることを特徴とする4電極片面サブマージアー
ク溶接方法。
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JP08191498A JP3706892B2 (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 4電極片面サブマージアーク溶接方法 |
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JP3706892B2 JP3706892B2 (ja) | 2005-10-19 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104942411A (zh) * | 2014-03-27 | 2015-09-30 | 株式会社神户制钢所 | 多电极单面埋弧焊接方法 |
CN113579431A (zh) * | 2021-08-30 | 2021-11-02 | 广船国际有限公司 | 一种中厚板单丝埋弧焊焊接方法 |
-
1998
- 1998-03-27 JP JP08191498A patent/JP3706892B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN104942411B (zh) * | 2014-03-27 | 2018-03-13 | 株式会社神户制钢所 | 多电极单面埋弧焊接方法 |
CN113579431A (zh) * | 2021-08-30 | 2021-11-02 | 广船国际有限公司 | 一种中厚板单丝埋弧焊焊接方法 |
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