JPH11276160A - 有機酸基質利用特性を有する凝集剤産生微生物とその微生物凝集剤及びこれを使った下廃水・汚泥処理方法 - Google Patents

有機酸基質利用特性を有する凝集剤産生微生物とその微生物凝集剤及びこれを使った下廃水・汚泥処理方法

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JPH11276160A
JPH11276160A JP10084811A JP8481198A JPH11276160A JP H11276160 A JPH11276160 A JP H11276160A JP 10084811 A JP10084811 A JP 10084811A JP 8481198 A JP8481198 A JP 8481198A JP H11276160 A JPH11276160 A JP H11276160A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機酸を基質とする新規な凝集剤産生微生物
を見い出し、下廃水汚泥から得られる有機酸を炭素源に
することにより、下廃水処理における汚泥の凝集沈殿と
その汚泥の分解消費の一貫システムを構築する。 【解決手段】 シトロバクター属細菌TKF04株(F
ERM P−16722)を凝集剤産生微生物とし、こ
のTKF04株を有機酸を基質として調製した培地で培
養し、それから得られる培養物又は培養処理物を主成分
として微生物凝集剤を構成する。下廃水汚泥を有機酸醗
酵させたり湿式酸化して得られた有機酸をTKF04株
の炭素源として用いることにより、下廃水汚泥の生産・
消費のクローズド一貫システムを確立する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有機酸基質利用
特性を有する新規な凝集剤産生微生物に係り、更に詳細
には、この凝集剤産生微生物を下廃水汚泥等の有機性廃
棄物を分解して得られる有機酸により培養して凝集活性
の高い微生物凝集剤を生産させ、この微生物凝集剤を下
廃水処理に適用して、汚泥等の固形物を処理水から効率
的に沈殿分離させたり、汚泥等の固形物を脱水させる下
廃水・汚泥処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の有機物を含有する廃水処
理、例えば食品加工や染色加工工場等の廃水処理、また
都市下水等の下水処理においては処理水中または生下水
中の懸濁物質をいかに効率的に沈殿分離するか、あるい
は沈殿で生じた汚泥をいかに効率よく濃縮・脱水するか
に多くの技術が導入されている。
【0003】下廃水処理の一例として下水処理で説明す
ると、まず流入下水から砂などを沈砂除去した後、最初
沈殿池で懸濁物質を沈殿分離し、次の生物酸化処理工程
では活性汚泥法により有機物を酸化分解し、最後に最終
沈殿池で残留浮遊している懸濁物質を沈殿除去して清澄
水を最終処理水として放流している。これらの各工程の
沈殿分離操作は速やかに行われるのが望ましいが、活性
汚泥中に糸状菌や放線菌などの糸状性微生物が増殖する
と、細かな生物フロックが膨化して活性汚泥全体の膨化
現象(バルキング)が生じ、沈殿しにくくなることによ
って活性汚泥の浮遊流出という事態が出現していた。逆
に、生物フロックが凝集圧密化せずに細かく分散するデ
フロック現象の場合には、沈殿せずに活性汚泥が流出す
るという問題があった。
【0004】下廃水処理において更に本質的な問題は、
沈殿分離等で生成される大量の下廃水汚泥をどう処理す
るかという問題である。特に下水処理においては処理水
量が極めて大量であるため、下水汚泥の処理はその死活
問題である。
【0005】全国の下水処理場から排出される下水汚泥
は脱水・焼却・溶融等で減量・減容化されてはいるが、
それでも1年間に約231万立米の下水汚泥が出現す
る。このうち60%は陸上・海上に埋立処分され、25
%は緑農地又は建設資材として有効利用されており、残
り15%はメタンガスや燃料等に再利用されている。埋
立処分地が少なくなっている中で、下水汚泥をどう再利
用するかが大きな課題となっている。下水汚泥以外に、
一般の工場等で排出される廃水処理汚泥についても同様
の問題が存する。
【0006】従来、いかに沈殿させるかという問題につ
いては、沈殿分離の対象となる混合液中にカチオン性の
合成高分子系凝集剤(例えばポリアクリルアミド)や無
機系凝集剤(例えばPAC,即ちポリアルミニウムクロ
ライド)を投入して、アニオン性の活性汚泥や固形物を
電気的に中和して強制的に凝集沈殿させる方法が採られ
ていた。しかし、これらの凝集剤は処理水中でイオン状
に溶解するから、凝集沈殿に寄与しなかったものは処理
水と一緒に放流されて環境汚染を惹起し、また合成高分
子凝集剤は生物により分解されにくいので、自然水や土
壌に残留汚染を引き起こすことが指摘されていた。
【0007】特に、ポリアクリルアミドについては凝集
能の点で優れてはいるが、この物質自身が強い変異原性
を示し、またポリアクリルアミド中に含まれるモノマー
のアクリルアミドに発ガン性・神経毒があることからそ
の残留性が危惧されている。また近年多用されているP
AC等アルミニウム系凝集剤もアルミニウムを含有する
ためアルツハイマー病の発現物質としてその毒性が指摘
されている。
【0008】このような化学凝集剤の有する欠点を打開
する切り札として開発されてきたのが、近年のバイオテ
クノロジーを利用した微生物凝集剤である。ロードコッ
カス属やノカルディア属の菌類が産生する微生物凝集剤
は凝集能力を有するとともに安全性が高いことから、前
記の化学凝集剤に替えて、又は併用して薬剤凝集処理の
必要な工程に導入されてきている(特公平4−2683
6号、特公平5−78309号、特公平6−2201
号、特公平6−11363号、特公平6−61556号
および特開平7−75561号)。更に、これらの数倍
の凝集能力を有する凝集剤産生微生物としてアシネトバ
クター属、エンテロバクター属、オーレオバクテリウム
属およびオエルスコビア属の特定の菌株(特公平6−6
1号および特公平7−108216号)が新しく発見さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の菌株が産生する
微生物凝集剤は安全性が高く同時に凝集能力が高い点で
従来の化学凝集剤よりは評価できるが、下廃水汚泥を量
産することは従来の化学凝集剤と変わらず、何ら下廃水
汚泥の最終処分に役立たない点では化学凝集剤と同様で
あった。
【0010】微生物凝集剤の役割は安全にしかも効率よ
く汚泥の沈殿を促進させることであるから、凝集沈殿性
能だけを問題とすべきであり、量産された下廃水汚泥の
後始末は全く別の技術的課題であるとする考え方もある
であろう。従来はこのような考え方が一般的であった。
しかし、本発明者等は下廃水処理の最大の問題が下廃水
汚泥の最終処分である限り、この最終処分に貢献できな
ければ微生物凝集剤またはその生産方法自体に大きな問
題を含んでいると考えている。
【0011】また、これらの微生物凝集剤は微生物(菌
株)が培地に産生するものであり、培地に微生物を培養
するための栄養源を添加しておかなければならないこと
は当然である。この栄養源には炭素源、窒素源、無機塩
類(ミネラル)、ビタミン・ホルモン等の微量有機化合
物がある。特公平5−78309号、特公平6−61
号、特公平6−61556号および特公平7−1082
16号では炭素源としてグルコース・フラクトース・ス
クロース等が利用されているが、これらは極めて高価な
材料で大量に菌株を培養する場合には生産価格に難点が
ある。
【0012】また、特公平4−26836号および特公
平6−11363号では栄養源として家畜や魚類等の血
液成分を含む廃水、またその加工残留物の廃棄物を利用
している。この廃棄物を再利用する長所があるものの、
下廃水処理に適用する場合には血液成分廃水を下水処理
場に移送する手間や廃水の腐敗という問題点がある。
【0013】特開平7−75561では窒素源として米
糠・フィッシュミール・ヒマワリ種子粉末を利用してい
るが、炭素源としてはグルコース・フラクトース等の高
価な材料を使用している点で上述したものと同じ欠点を
有している。特に、特公平6−2201号は炭素源とし
てメタノール・エタノール等のアルコール類を使用して
いる点で従来よりは凝集剤の安価な製法を提供している
が、これも下水処理工程のような大量使用の場合には培
地の調製が割高になる。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の欠点を
解消するためになされたものであり、下水処理場や工場
等の廃水処理場から生ずる有機性廃棄物、その最終形態
としての下廃水汚泥中の有機物から嫌気性消化などを通
して得られるほとんど無料に近い有機酸に着目してなさ
れたものである。
【0015】まず、本発明は有機酸を基質(炭素源、エ
ネルギー源)として増殖する新規な菌株であるシトロバ
クター属細菌TKF04株(FERM P−1672
2)からなる凝集剤産生微生物を用いる点を特徴とす
る。
【0016】次に、このシトロバクター属細菌TKF0
4株(FERM P−16722)を有機酸を基質とし
た培地で培養し、その培養物又は培養処理物を主成分と
する微生物凝集剤を提供する。又、有機酸として下廃水
汚泥等の有機性廃棄物から得られた有機酸を利用する。
【0017】そして、この微生物凝集剤を下廃水処理工
程、例えば生下水、生物酸化処理水または下廃水汚泥中
に添加して、これらの処理対象物から汚泥または固形物
を凝集沈殿させたり、汚泥を脱水させたりする下廃水・
汚泥処理方法を提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】下水処理場や工場等の廃水処理場
から日々大量に排出される最初沈殿池汚泥や余剰活性汚
泥などの下廃水汚泥は、そのほとんどが脱水や焼却など
の処理を経て、最終的に埋め立て処分されていることは
前述した通りである。ゴミの処分が社会問題となる中
で、汚泥を単なる廃棄物としてでなく、再生利用可能な
資源として捉える動きが出てきている。
【0019】このような中で発明者等は微生物凝集剤に
ついて鋭意研究した結果、下廃水汚泥等の有機性廃棄物
を処理する際に生成される有機酸を基質、即ち炭素源お
よびエネルギー源として培養できる凝集剤産生微生物を
発見できれば、極めて安価に微生物凝集剤を大量生産で
きると同時に下廃水汚泥等の有機性廃棄物の最終処分に
貢献できることを着想するに至った。即ち、下廃水処理
場では活性汚泥法により下廃水処理を行なっているが、
その中で沈殿物として得られる最初沈殿池汚泥・余剰活
性汚泥・最終沈殿池汚泥等の有機性廃棄物中の有機物を
分解処理しなければならない。
【0020】この分解処理は通常、嫌気性生物処理で行
なわれ、大別すると2段階で行なわれる。第1段階はタ
ンパク質、含水炭素、脂肪等の高分子有機物質を低級な
分子にまで分解する作用で、言い換えれば酸発酵細菌で
ある通性嫌気性菌や偏性嫌気性菌が行なう有機酸発酵で
ある。ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の低級脂肪酸
が生成され、特に酢酸・プロピオン酸がその中心とな
る。第2段階は第1段階で得られた有機酸をメタンガ
ス、二酸化炭素に分解する工程で、偏性嫌気性菌である
メタン発酵細菌が行なうメタン発酵である。
【0021】前記第1段階で生成される有機酸を凝集剤
産生微生物の培養基質として利用できれば、生産に要す
る薬品経費は非常に安価になると同時に下廃水処理場で
利用する場合輸送経費が不要となり、究極的な低価格を
実現することができる。同時に下廃水処理の最大の問題
である下廃水汚泥の最終処分に貢献することもできる。
下廃水処理場で排出される下廃水汚泥等の有機性廃棄物
から有機酸を生成し、この有機酸で微生物凝集剤を生産
し、同一又は別の処理場内で再利用すれば、下廃水汚泥
の排出と消費という一貫したリサイクルシステムを下廃
水処理場に作りだすことができる。
【0022】有機酸の別の製法として汚泥等の有機性廃
棄物を熱処理する公知の湿式酸化法がある。下廃水汚泥
を加圧しながら約300度で加熱すると、有機物の大半
は二酸化炭素と水になるが、一部は低級脂肪酸の一種で
ある酢酸になる。この酢酸を前記の基質として利用する
ことができる。勿論、下廃水汚泥から有機酸を生成する
方法としては前述した嫌気性生物処理法の方がコスト的
に安く、設備費用も少ない点で優れている。
【0023】基質として利用できる有機酸は微生物
(菌)の培養を効率的に行なえるものなら何でもよい
が、分子量の小さな有機酸の方が菌が吸収分解しやすい
ため効率的である。特に、前述した発酵有機酸であるギ
酸・酢酸・プロピオン酸等の低級脂肪酸又はそれらの混
合有機酸が好ましい。
【0024】本発明を実現するためには、有機酸で培養
できる凝集剤産生微生物の菌株を発見することが大前提
となる。各種土壌、汚泥、生物膜を分離源として使用し
た。凝集活性物質の生産能力を有する公知のノカルディ
ア属やロドコッカス属の放線菌は発泡汚泥中に多数存在
するといわれているし、凝集促進物質を産生する細菌は
生物膜中に存在すると考えられるからである。
【0025】細菌の分離には酢酸・プロピオン酸培地を
寒天で固化した平板培地を使用し、微生物凝集剤の生産
試験には酢酸・プロピオン酸液体培地を使用した。分離
された菌株をこの液体培地で培養しカオリンを浮遊物質
としてその凝集試験を行なった結果、吸光度であるOD
550 を使用した凝集活性測定により、通常より凝集活性
が高い培養液が存在することを見出すに至った。この培
養液から菌を分離したところ優れた凝集活性を有する新
規な菌を発見した。
【0026】本発明者等は、本菌株をTKF04株と以
後称する。このTKF04株を分類学的に同定するため
各種生理・形態試験を行った。また、補助的に細菌簡易
同定キット(AP120E)を利用した同定も行った。
表1にTKF04株の同定試験の結果を示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1の菌学的性質について、バージー・マ
ニュアル・システマティック・バクテリオロジー第1・
2巻(Bergey’s Manual of Sys
tematic Bacteriology Volu
me 1・2)を用いて細菌の同定を行なった。
【0029】表1から分かるように、TKF04株は、
グラム陰性の運動性を有する桿菌であり、シトロバクタ
ー・フロインジイ菌(Citrobacter fre
undii)に極めて類似した特性を持つことが明らか
になった。また、16SrRNA−DNAの上・下流各
々6〜700bの塩基配列をシーケンスし、その相同性
を検索した結果からも、シトロバクター・フロインジイ
菌との高い相同性が認められた。しかし、典型株のもの
と、生理特性、DNA塩基配列ともに若干の相違が認め
られたため、本菌株は種までは特定せず、シトロバクタ
ー(Citrobacter)属細菌と同定した。これ
までシトロバクター属細菌による微生物凝集剤の生産に
ついては報告されておらず、新規の凝集剤産生微生物と
考えられる。
【0030】本発明に係るシトロバクター属細菌TKF
04株は、工業技術院生命工学工業技術研究所 通知番
号:10生寄文第424号(FERM P−1672
2)として既に寄託されている。
【0031】この菌を有機酸を基質とする培地で培養す
ると、凝集活性の高い微生物凝集剤を産生する。つま
り、本発明の微生物凝集剤は、前記の細菌を有機酸培地
で培養して培養物、培養液又は培養処理物を主成分とし
たものである。培地はゲル状培地・液体培地を問わず、
また培養物等から遠心分離や膜分離などの公知の精製手
段で凝集剤成分を分離精製したものでもよい。更に培養
物等の濃縮物、瀘液、瀘過残滓、それらの乾燥物でもよ
く、粉体・顆粒体に成形しても構わない。
【0032】下廃水処理施設には有機酸の生成原料とな
る活性汚泥を中心とした大量の有機性汚泥が存在し、同
時に微生物凝集剤を大量に必要とする沈殿槽が多数存在
する。従って、下廃水処理施設内に有機酸生産施設を設
けておき、同時に凝集剤産生微生物を培養する培養施設
も沈殿槽などの凝集処理施設の近傍に設けておき、前記
の培養施設に下廃水汚泥から得られる有機酸を用いた培
地を調製し、この培地にて凝集剤産生微生物を培養すれ
ば、効率的に微生物凝集剤の生産とそれを使っての凝集
処理を行なうことができる。また、この有機酸として酢
酸等の低級脂肪酸を使用することが望ましいことは上述
した通りである。
【0033】本発明に係るTKF04株は、炭素源とし
て酢酸およびプロピオン酸の基質利用特性が顕著で、他
の炭素源に対する基質利用特性が小さいことが分ってい
る。下廃水汚泥を嫌気性消化・湿式酸化して得られる有
機酸は酢酸を主体としているから、TKF04株の炭素
源として好適である。
【0034】多くの微生物が微量成分をバランスよく含
んだ酵母エキスを必要とするのに対し、TKF04株の
培養では酵母エキスを必要としないことが分った。即
ち、TKF04株は酢酸およびプロピオン酸に対する選
択的基質利用特性が圧倒的に高く、培地設定が極めて安
価に済むという利点を有する。
【0035】また、TKF04株は窒素源として有機、
無機物質のいずれも利用できることが分った。下廃水汚
泥等の有機性汚泥には種々の有機・無機性の窒素化合物
が含まれているので、TKF04株の培養に有機性汚泥
の分解物を利用することが極めて合理的であることが分
る。
【0036】本発明に係る微生物凝集剤は下廃水処理の
固液分離工程に使用される。具体的には、凝集剤産生菌
を培養して得られる培養物またはそれを加工した培養処
理物を生下廃水、生物酸化処理水、下廃水汚泥等に添加
し、これ等の処理対象物から固形物を強制的に分離沈殿
させる。
【0037】下廃水処理における分離沈殿は基本的に3
段階に分類される。即ち、流入下廃水からの砂などの沈
砂除去、最初沈殿池での懸濁物を含む固形物の沈殿、活
性汚泥法による生物酸化処理後、最終沈殿池で残留浮遊
した懸濁物質の沈殿除去である。これらの各工程の沈殿
分離操作は速やかに行なわれるのが望ましいから、前記
の微生物凝集剤が沈殿促進剤として添加される。
【0038】この沈殿促進剤として微生物凝集剤単体を
用いるだけでなく、他の微生物凝集剤・高分子系凝集剤
・無機系凝集剤とともに用いて効率化を図ってもよい。
また、活性汚泥中にバルキングが生じた場合には、この
微生物凝集剤を添加して生物フロックを強制的に凝集圧
密化し、沈殿促進と活性汚泥の流出防止を図ることがで
きる。
【0039】更に、汚泥を消化、即ち有機酸発酵・メタ
ン発酵した後に残留する消化汚泥はかなりの水分を含ん
でいるから、この消化汚泥中に微生物凝集剤の培養物ま
たは培養処理物を添加すれば、その凝集作用により消化
汚泥の脱水を行ない、固形化した消化汚泥の後処理を簡
易化することができる。もちろん生汚泥、余剰汚泥ある
いはそれらの混合汚泥に添加してその脱水を効率化する
こともできる。
【0040】
【実施例】本発明に係る凝集剤産生菌を分離することか
ら始めた。各種土壌、下水処理場から採取した汚泥、台
所流しの排出口および河川底部などから採取した生物膜
を新規な凝集剤産生菌の分離源として使用した。
【0041】これを植種源として5mg/Lトリポリ燐
酸ナトリウム溶液で適当に希釈し、超音波発振機にて分
散させた後、酢酸・プロピオン酸平板培地に28℃でコ
ロニーが出現するまで培養し、コロニーを形成した細菌
株を分離した。ここで、酢酸・プロピオン培地とは、炭
素源として酢酸(Na塩として0.7%)およびプロピ
オン酸(Na塩として0.3%)、補栄養素として酵母
エキス(0.01%)を含む無機塩培地で、表2に詳細
を示している。酵母エキスは基質利用に不要であるが、
増殖を高めるために添加している。この培地組成を寒天
にて固化したものが上記の平板培地であり、滅菌水で溶
液化した培地が後述の液体培地である。
【0042】
【表2】
【0043】次に、酢酸・プロピオン酸液体培地を10
mL分注した試験管に前記コロニーを形成した細菌株を
個々に植種し、28℃の恒温下、120rpmで7日間
(増殖が遅いものは14日間)好気的に往復振とう培養
した。
【0044】イオン交換水にカオリンを分散させた5g
/Lのカオリン懸濁液10mLに0.15MのCaCl
2 溶液0.1mLを添加したものに、菌体を含む前記培
養液を1mL加える。これをタッチミキサーで5秒間攪
拌した後5分間静置し、カオリン粒子の凝集性を菌体の
培養液を添加しない系(コントロール)との比較から評
価し、微生物凝集剤産生菌を一次スクリーニングした。
上記コントロールには培養液の代りにイオン交換水1m
Lを添加している。
【0045】この一次スクリーニングで得られた陽性株
については、再度同様の凝集試験を繰り返し行い、5分
静置後の上澄部の波長550nmにおける吸光度から、
式1に示す計算式に基づいて凝集活性を定量的に評価す
る2次スクリーニングを行なった。結果として1566
の細菌株のスクリーニングにより、102の1次スクリ
ーニング陽性株が得られ、2次スクリーニングにおい
て、95%以上の凝集活性を安定して示した細菌株TK
F04株を最有望株として選別した。
【0046】 [式1] 凝集活性=(OD550-C −OD550 )/OD550-C ×100 OD550 :サンプルを添加した場合の上澄の吸光度 OD550-C :イオン交換水を添加した場合の上澄の吸光
【0047】式1において、吸光度ODは液が濁ってい
る程大きな値となり、液が完全透明のときゼロとなる。
培養液の添加によってカオリンが沈殿し液が完全透明に
なると、OD550 はゼロとなり、凝集活性は100%と
なる。逆に、カオリンが全く沈殿しない場合にはOD
550 =OD550-C となり、凝集活性は0%となる。従っ
て、凝集活性は理論的には0%〜100%を変動する
が、誤差によりこの範囲外となる場合もある。以後、凝
集活性は全て式1によって計算される。
【0048】上述と同様に、酢酸・プロピオン酸液体培
地においてTKF04株の増殖を行い、増殖率を波長6
60nmにおける吸光度0D660 により測定した。ま
た、微生物凝集剤の生産率を培養液のカオリン凝集活性
により調べ、その経時変化を菌体増殖と共に図1に示し
た。TKF04株は対数増殖期に微生物凝集剤を生産
し、培養液の凝集活性は培養1日で95%以上に達した
後、約2日間は維持されることが明らかになった。
【0049】微生物凝集剤が細胞の内部に蓄積されてい
るか、表面に固着しているか、あるいは細胞外に分泌さ
れているのかを調べるため、培養48時間後の培養液を
採取し、遠心分離にて菌体を除去した上澄液、回収した
菌体を元量の無機塩培地に懸濁した菌体懸濁液、および
これを超音波処理して細胞を破砕した菌体破砕液の各々
についてカオリン凝集活性を測定し、何等の処理も施さ
ない培養液のものと比較した。結果は図2に示されてい
る。
【0050】この試験では、凝集試験における培養液等
サンプルの添加量を1mLに固定せず、0.1mL〜
2.0mLの範囲で変化させた。凝集活性は主に上澄液
に検出されたことから、TKF04株の生産する微生物
凝集剤は細胞外に分泌されていることが明らかになっ
た。これは回収・精製を行う場合には有利な特性であ
る。換言すれば、微生物凝集剤を遠心分離等によって菌
体と分離できるから、上澄液から微生物凝集剤だけを回
収でき、濃縮・乾燥・粒体化・顆粒化等の操作を容易に
行うことができる。
【0051】培地組成がTKF04株の微生物凝集剤生
産に及ぼす影響を種々調べた。まず、酢酸・プロピオン
酸培地から酵母エキスを除いた場合にも、培養液の凝集
活性には何等の変化も認められなかったことから、TK
F04株による微生物凝集剤生産には特定の補栄養素は
必要とされないことが明らかになった。しかし、酵母エ
キス添加で増殖の促進が認められた。
【0052】また、酢酸・プロピオン酸培地の炭素源
(酢酸Na+プロピオン酸Na)を、酢酸Naのみ、プ
ロピオン酸Naのみ、エタノール、ヘキサデカン、グル
コースなど(各々10g/Lの濃度で調製)に換えた培
地でTKF04株を培養し、培養上澄液のカオリン凝集
活性を調べた。図3に示すように、酢酸およびプロピオ
ン酸のみで明らかな凝集活性が認められた。TKF04
株は低級脂肪酸を利用する際に特異的に微生物凝集剤を
生産するものと考えられ、これまでに報告されている糖
類や脂質を基質として生産される微生物凝集剤とは異な
るタイプの代謝により生じていることが推測される。
【0053】窒素源を種々変えた修正酢酸・プロピオン
酸培地における培養上澄液のカオリン凝集活性を調べ
た。その結果は図4に示されている。TKF04株は微
生物凝集剤生産の窒素源として硝酸塩以外は比較的幅広
く利用できることが分かった。
【0054】下廃水処理から生じる有機汚泥中には各種
の窒素化合物が含まれているため、TKF04株を培養
するための窒素源として利用できる。また、有機汚泥を
分解して得られる有機酸は、その多くが酢酸であり、T
KF04株の培養における炭素源として最適である。つ
まり有機汚泥によりTKF04株を培養して微生物凝集
剤を生産し、この微生物凝集剤を利用して処理水中の固
体成分の凝集沈殿に活用すれば、汚泥の生成と消費とい
う一貫システムを作り上げることができる。
【0055】酢酸・プロピオン酸培地でTKF04株が
生産した微生物凝集剤による粒子沈降特性を、48時間
後の培養上澄液を用いて種々検討した。まず、カオリン
粒子に対する凝集活性に及ぼす各種因子の影響を調べ
た。ここで、先のカオリン凝集試験では凝集助剤として
CaCl2 溶液を添加していたが、添加の影響がほとん
どないことが明らかになったため、以降の試験では省略
した。カオリン凝集試験(微生物凝集剤1mL添加試
験)におけるpHおよび温度の影響を図5および図6に
各々示す。この微生物凝集剤は幅広いpH域および温度
域で高い凝集活性を示していることから、その応用範囲
が広いことが示唆された。特に、化学凝集剤であるPA
C(ポリアルミニウムクロライド)の狭いpH依存性と
比較しても、この微生物凝集剤の優秀性は明らかであ
る。
【0056】次に、上澄液添加量を変化させてカオリン
凝集試験を行い、その有効濃度(希釈)の決定を試み
た。図7に示すように、懸濁液量の1%(10000p
pm)で凝集活性は約50%に達し、約3%も添加すれ
ば90%以上の凝集活性が得られた。また、10%以上
の過剰添加でも凝集効果は低下しなかったことから、こ
の微生物凝集剤は高い凝集活性を持っており、使用しや
すいものであるといえる。一見すると、PACが低濃度
で凝集活性を示すのと対照的に、この微生物凝集剤は上
記の高濃度側で凝集活性を示すように考えられる。しか
し、この微生物凝集剤の濃度は上澄液添加液量の懸濁液
に対する濃度であり、上澄液に含まれる微生物凝集剤成
分の濃度でない点に注意を要する。従って、精製物を用
いていない本試験ではPACの濃度と比較して、濃度の
高低を論ずることには困難がある。
【0057】さらに、カオリン以外の各種粒子に対する
凝集活性を同様の試験にて調べ、その結果を図8に示し
た。各種粒子の懸濁液は、約2〜5g/Lの濃度で調製
した。この微生物凝集剤は各種有機・無機粒子に対して
有効な凝集活性を示した。特に活性汚泥に対してかなり
高い凝集活性を示しており、本凝集剤の排水処理及び汚
泥処理工程での利用性を裏付けている。汚泥からの脂肪
酸生成→微生物凝集剤生産→排水・汚泥処理系での利用
という廃棄物リサイクルの概念が本発明により実現でき
ることを示しており、大規模な実用試験への突破口を開
いたものである。
【0058】凝集沈殿工程への微生物凝集剤の利用で
は、培養液の直接添加以外にも、濃縮液のより小量の添
加や乾燥製品としての利用形態が考慮されるべきであ
る。また、微生物凝集剤の化学組成や構造についての検
討は、化成品として実用化する場合には必須となるた
め、その回収・精製は重要である。そこで、この微生物
凝集剤の簡便な回収と精製について検討を行った。
【0059】培養上澄液を限外ろ過膜で処理したとこ
ろ、この微生物凝集剤は分画分子量50000の膜で簡
単に濃縮されることが明らかになった(カオリン凝集活
性の収率として90%以上)。その後、ゲルろ過分析に
よって分子量は200万以上であると推定され、高分子
ポリマーであると考えられる。また、別法として、この
微生物凝集剤はエタノール沈殿により回収され、沈殿物
を脱塩(透析)することで粗精製物として回収できるこ
とが明らかになった(カオリン凝集活性の収率として9
0%以上)。この粗精製された微生物凝集剤は、酢酸・
プロピオン酸培地1L当たり約200mg程度が得られ
ることが分かった。
【0060】粗精製した微生物凝集剤の化学分析で、定
法では糖およびタンパク質が小量しか検出されなかった
ことから、当初は脂質系のバイオポリマーとも考えられ
たが、窒素含量が必ずしも低くなかったため、さらに分
析を継続し、ヘキソースアミンを数10%のオーダーで
含有していることが明らかになった。さらに詳細な検討
は必要ではあるが、現状ではキトサンに類似の特性をも
つ可能性が示唆されている。
【0061】一方、粗精製物を使用したカオリン粒子の
凝集試験により、終濃度1〜3mg/Lという極めて低
い添加濃度でかなり高い凝集活性をもつことが明らかに
なっており、この微生物凝集剤の活性の高さが確認され
た。低濃度の添加で十分な凝集沈殿や、汚泥脱水が可能
なポリマーは、濃縮汚泥、脱水汚泥や、上澄処理液、脱
水ろ液中に残留する濃度が極めて低いレベルに維持でき
るため、汚泥のコンポスト化や廃棄、処理水の再利用に
おける健康リスクやハザードの可能性も低いという利点
がある。
【0062】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲における種々
の変形例、設計変更等をその技術的範囲内に包含するも
のである。
【0063】
【発明の効果】本発明は以上詳述したように、有機酸を
基質として増殖しながら凝集剤を菌体外に産生する新規
な凝集剤産生微生物であるシトロバクター属細菌TKF
04株(FERM P−16722)の発見からなされ
たものである。この菌株の培養で利用する有機酸は、下
廃水汚泥等の有機性廃棄物を嫌気性消化などの後処理を
することによってほとんど無料に近い経費で生産できる
ものであり、前記発見された微生物(菌)を培養する基
質(炭素源およびエネルギー源)として利用すれば、微
生物凝集剤の大量生産に画期的な方法を提供するもので
ある。
【0064】そして、この方法は有機酸を基質とする凝
集剤産生微生物全般に対して適用することができる。同
時に、大量に発生する下廃水汚泥を栄養原料にするか
ら、下廃水汚泥の減量化を達成でき、下廃水汚泥の排出
と消費というリサイクルシステムを下水処理場や工場等
の廃水処理場に実現することも可能となる。
【0065】培養液や上澄液を濃縮・乾燥して固形の微
生物凝集剤も容易に製造でき、この固形微生物凝集剤を
使用することにより一層効果的な凝集作用を発揮でき
る。
【0066】更に、下廃水処理場に培養施設を設け、下
廃水汚泥から得られる有機酸を基質とする培地を調製し
ておけば、有機酸の移送経費もほとんど不要となり、培
養液や培養上澄液の大量生産を安価にしかも迅速に行な
える。活性汚泥法を中心とする下廃水処理では最初沈殿
池汚泥、余剰活性汚泥などの大量の下廃水汚泥が生じ、
これら下廃水汚泥の最終処理段階で必然的に生じる有機
酸を利用するのであるから、下廃水処理は本発明の最も
効果的な適用対象となる。
【0067】このようにして得られた微生物凝集剤を下
廃水汚泥の凝集沈殿に積極的に活用すれば、環境に対し
てもクリーンであり、また活性汚泥にバルキングやデフ
ロックが生じた場合にも、この凝集剤を利用して汚泥の
沈殿分離を促進することができる。また、生汚泥、余剰
汚泥や消化汚泥あるいはそれらの混合汚泥の脱水処理に
利用すれば汚泥を廃棄するための後処理も効率化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】菌体増殖と凝集活性の培養時間依存性を示す経
時変化図である。
【図2】微生物凝集剤が蓄積される位置を示す凝集活性
特性図である。
【図3】各種炭素源での凝集剤生産性を示す凝集活性特
性図である。
【図4】各種窒素源での凝集剤生産性を示す凝集活性特
性図である。
【図5】凝集活性のpH依存性を示す凝集活性特性図で
ある。
【図6】凝集活性の温度依存性を示す凝集活性特性図で
ある。
【図7】凝集活性の濃度依存性を示す凝集活性特性図で
ある。
【図8】凝集活性の被凝集物質依存性を示す凝集活性特
性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:01) (72)発明者 藤田 正憲 大阪府吹田市津雲台5−6−20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シトロバクター属細菌TKF04株(F
    ERM P−16722)からなる凝集剤産生微生物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシトロバクター属細菌T
    KF04株(FERM P−16722)を有機酸を基
    質として調製した培地で培養し、それから得られる培養
    物又は培養処理物を主成分とした微生物凝集剤。
  3. 【請求項3】 前記有機酸は下廃水処理から生じる汚泥
    等の有機性廃棄物から得られた有機酸である請求項2記
    載の微生物凝集剤。
  4. 【請求項4】 前記培地を液体培地とし、この培養液又
    は培養液から菌体を除去した上澄液を濃縮して乾燥さ
    せ、残留した固形分からなる請求項2又は3記載の微生
    物凝集剤。
  5. 【請求項5】 培養液又は上澄液を濃縮するために限外
    濾過膜を使用する請求項4記載の微生物凝集剤。
  6. 【請求項6】 前記培地を液体培地とし、この培養液又
    は菌体を除去した上澄液からエタノール沈殿により沈殿
    物を回収し、この沈殿物を脱塩(透析)して得られた請
    求項2又は3記載の微生物凝集剤。
  7. 【請求項7】 請求項2ないし請求項6記載の微生物凝
    集剤を下廃水処理施設の流入水あるいは処理水に添加し
    て、汚泥または固形物を凝集沈殿させる下廃水処理方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項2ないし請求項6記載の微生物凝
    集剤を生汚泥、余剰汚泥又は消化汚泥あるいはそれらの
    混合汚泥に添加して、それらの汚泥を脱水する下廃水汚
    泥処理方法。
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