JP3589659B2 - 汚泥の好気的中高温醗酵処理方法 - Google Patents

汚泥の好気的中高温醗酵処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、醗酵槽内の水中に配設された通気攪拌装置と加温装置とを用いて、下水、生活系排水又は屎尿を含む汚水の好気性微生物及び/又は嫌気性微生物による生物処理法によって生じた少なくとも該微生物体と難分解性有機物とを含有してなる泥状物である汚泥を好気的通気条件のもとに中高温の温度で、かつ醗酵槽の液面上に設けられた攪拌翼を用いて醗酵槽の液面上を攪拌することにより、液面に発生する泡を消去しつつ泥状物である汚泥を処理してなる汚泥の好気的中高温醗酵処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に下水、生活系排水又は屎尿を含む汚水は微生物によるいわゆる生物処理法によって、一定の水質にまで浄化されて公共水域に放流される。生物処理法には、大別して好気性微生物を利用する活性汚泥法、散水濾床法、回転円板法、接触曝気法と嫌気性微生物を利用する嫌気性消化法(メタン醗酵法)などがある。
【0003】
一方、屎尿の処理様式として屎尿のみを処理する屎尿処理施設(或は屎尿処理場)又は単独浄化槽、生活雑排水(厨房、風呂、洗濯、洗面等の排液)と水洗屎尿とが混合した排水である生活系排水を処理する合併処理浄化槽又は農業集落排水処理施設(農村集落住宅の生活系排水処理場)並びに下水道法第12条による除外施設で予め処理して下水道法施行令第9条に定められた水質基準に適合するように浄化された産業排水、雨水、生活雑排水の混合排水である下水を処理する下水処理場とがある。そして、これらの各汚水処理施設において一般に用いられている生物処理法としては、好気性微生物による活性汚泥法又は嫌気性微生物による嫌気性消化法又は活性汚泥法と嫌気性消化法との併用法のいずれかが汚水の浄化に利用されている。
【0004】
さらに、詳しくは、例えば、通常の一般家庭で使用されている水洗トイレについて述べれば、先ず小規模な集合住宅及び個人住宅における水洗トイレの水洗屎尿は単独浄化槽の沈殿槽に流入せしめられ、水洗屎尿中の不溶物を単独浄化槽の沈殿槽に静置して沈殿せしめて生汚泥として分離し、生汚泥はバキュームカーで移送されて屎尿処理施設で処理され、一方沈殿槽の上層汚水は単独浄化槽の曝気槽に導かれ、屎尿中の有機物を好気性微生物によって酸化分解して浄化される。しかしながら、汲取り式のトイレの場合には、バキュームカーを用いて各家庭の屎尿のみが汲み取られ、次いでこれを前述したいずれかの屎尿処理施設の浄化槽に投入し、通常は好気手段又は嫌気手段或は好気手段と嫌気手段との併用による生物処理法により浄化されて公共水域に放流される。
また、大規模な団地住宅、集合住宅(小規模な住宅団地)、農村集落住宅及び比較的近年における個人住宅の生活系排水の処理に用いるいわゆる合併処理浄化槽は、通常、好気性微生物と嫌気性微生物とを併用する生物処理法によって浄化を行っている。
【0005】
下水処理においては、先ず下水が下水道経由で下水処理場の最初沈殿池に貯留され、ここで下水中の不溶物を沈殿させて生汚泥として最初沈殿池から除き、その上層汚水を下水処理場の曝気槽で好気的に処理し、次いでこれを下水処理場の最終沈殿池に導いて静置し活性汚泥を沈殿させ、さらにこの活性汚泥の一部を返送汚泥として曝気槽に返送することを繰り返して好気的に下水を浄化し、最後に最終沈殿池の上層処理液を河川に放流する。一方、最終沈殿池における返送汚泥の残余汚泥は引き抜き余剰活性汚泥とされ、通常は脱水して脱水汚泥として何らかの処分がなされる。一般に下水処理は上述の好気性処理によって浄化されるが、少数ではあるが、引き抜き余剰活性汚泥と最初沈殿池に生じた生汚泥とを合わせて、別に設けた嫌気消化槽でこれらを嫌気的に消化処理するいわゆる好気性微生物と嫌気性微生物併用の処理方式を採用している下水処理場もある。
【0006】
いずれにしても合併処理浄化槽、農業集落排水施設、下水処理場で処理される汚水は、前述した如く、屎尿と生活雑排水との混合排水であり、この生活雑排水中には各家庭のシャンプー、歯みがき剤、食器用洗剤等に含まれる種々の合成界面活性剤及び活性助剤などが存在する。一般にこれらの物質は排水処理微生物に対して有害に作用するので、生活雑排水を含むすべての汚水は例外なく汚水処理に役立つ種々な微生物の浄化作用を妨げ、汚水中のBOD(生物化学的酸素消費量:水中の好気性微性物によって消費される水に溶解して存在する溶存酸素の量)の除去率を著しく低下させる原因を招いている(非特許文献1、非特許文献2参照)。
それ故、汚水の処理に際して生活雑排水を含んだ汚水におけるこの微生物有害作用に対する対策に多大な努力が払われている現状であるが、未だに満足できる解答が得られていないため、改善が強く望まれている。
【0007】
さらに、好気性微生物を利用する好気的排水処理の概要について述べれば、汚水中の有機物は原生動物による捕食によっても消費されるが、バクテリアによる有機物の酸化分解が主役である(なお、本発明における微生物の表現は、汚水中の有機物を消費する原生動物をも包含する意味を有するものとする)。即ち、好気的排水処理は、先ず曝気槽の滞留汚水にエアレーションを行って、汚水中にすでに生存する好気性微生物によって汚水の分解性有機物の酸化分解を促し、さらに該好気性微生物の増殖も促進させる。その結果、曝気槽における活性汚泥の微生物数は著しく増大し、分解性有機物の酸化分解が旺盛となり、やがて汚水中のBODは著しく低下することになるが、一方、難分解性有機物(難消化浮遊性有機物及び難消化溶解性有機物)は未分解のまま残存する。
【0008】
このように、上述した汚水中の親微生物(X)と新生微生物(△X)が汚水中の分解性有機物を充分に消費すると、難消化浮遊性有機物と難消化溶解性有機物を汚水中に残し、さらに一部の微生物は自己生存のために、細胞内に蓄積した栄養物を呼吸用エネルギ−源として消費する。これを内生呼吸というが、内生呼吸を起こした微生物はいわゆる自己消化によって死滅し、菌体成分は分解されて炭酸ガスやアンモニア等を生成して遂には残骸微生物体が残る。したがって、余剰活性汚泥は、この残骸微生物体と生存微生物体並びに汚水中の難分解性有機物とから構成されていることとなる(非特許文献3、非特許文献4参照)。以上述べた一連の反応を式で示せば次のようになる。
【0009】
【数1】
Figure 0003589659
【0010】
【数2】
Figure 0003589659
【0011】
さらに、沈殿槽において、これらの生存微生物体並びに残骸微生物体は難分解性有機物及び生活雑排水中の合成界面活性剤等との相互の絡み合い又は表面吸着などにより、いわゆるフロックを形成し活性汚泥として沈殿し、この沈殿の一部は通常は返送汚泥として再び曝気槽に返送され、他は引き抜き余剰活性汚泥として曝気槽から除去されて廃棄される。
一方、嫌気処理法では微生物生態系が共生系になっているため、汚水中の有機物は段階的に分解される。勿論、嫌気処理法は種々なる汚水の浄化に利用されるが、しかし多くの場合は、生屎尿又は活性汚泥法で発生した引き抜き余剰活性汚泥の処理に用いられている。
【0012】
汚水を嫌気処理法で浄化する際は、先ず浄化すべき汚水は消化槽とよばれる密閉したタンクの中に流入せしめられ、次いで嫌気性微生物(X)は汚水中の分解性有機物(BOD)を分解して液化させ、遂には低級脂肪酸(VFA)を生成して自己増殖(△X)し、次いで別の種類の嫌気性微生物(X)はこの低級脂肪酸を資化して酢酸等の有機酸(HAC)と水素を生成しつつ自己増殖(△X)を図り、さらにメタン細菌(X)は上述の酢酸等の有機酸を分解してメタンと炭酸ガスとしつつ自己増殖(△X)する。尚、嫌気消化法では硫黄化合物から硫化水素、メルカプタン等を生成するので、汚水の嫌気処理では、一般に排水の好気処理に比し悪臭を発する。以上の嫌気消化における共生生態系での反応を式に示せば次の如くである(非特許文献4参照)。
【0013】
【数3】
Figure 0003589659
【0014】
これらの関係式を総括して、1つの式にまとめて示せば次のようになる。
【数4】
Figure 0003589659
【0015】
さらに、汚水の嫌気浄化に活躍したこれらの微生物群が、排水中の分解性有機物を充分に消費すると、前述の好気的汚水処理の場合と同様に、この微生物は呼吸用エネルギー源を自己の細胞内栄養源に求める結果、遂には自己消化によって死滅し菌体成分は分解されてアンモニア等を生成して残骸微生物体となる。この残骸微生物体と生存微生物体(以下、単に該微生物体という)、難消化浮遊性有機物と難消化可溶性有機物及び生活雑排水中の合成界面活性剤等は相互の絡み合い又は表面吸着などにより消化槽において沈殿を形成する。この沈殿は、いわゆる消化汚泥と呼ばれ、一部は種汚泥として消化槽に残され、他は引き抜き汚泥として廃棄処分される。
【0016】
また、汚水処理施設の排水貯留槽で発生した生汚泥を嫌気的に浄化処理する場合、処理前の生汚泥の組成が灰分33%、ヒューマス(腐植:微生物による広範な分解を経て、さらに変化することには抵抗的な有機物)33%、分解性有機物34%であるのに対して、嫌気消化後の消化汚泥の組成は灰分50%、ヒューマス50%となり、ヒューマスはその全量が未分解のまま難分解性有機物として消化汚泥中に残存する(非特許文献5参照)。このことから、前述した排水の好気並びに嫌気処理において発生する汚泥中の残骸微生物体及び難分解性有機物はいずれもヒュ−マスに相当する有機物であり、通常の汚水処理に利用される好気性菌及び嫌気性菌のいずれによっても極めて分解され難いものであることが理解できる。ましてや、生活雑排水を含む汚水では、洗剤中の有害合成界面活性剤が存在するため、好気並びに嫌気汚水処理により発生する汚泥の微生物処理は一層困難となる。
【0017】
【非特許文献1】
「怖い洗剤1000種」舟瀬俊介監修、株式会社ナショナル出版、東京、1991年、136〜137頁
【非特許文献2】
「合成洗剤の話」日本消費連盟編、株式会社三一書房東京、1991年、175〜187頁
【非特許文献3】
「小規模下水処理ハンドブック」産業用水調査会編・発行、東京、昭和50年、158〜159頁
【非特許文献4】
「化学工学」54(11)、800頁、1991年
【非特許文献5】
「小規模下水処理ハンドブック」産業用水調査会編集・発行、東京、昭和50年、139〜140頁
【特許文献1】
特公昭62−42678号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
下水、生活系排水又は屎尿を含む汚水の浄化処理に際して発生する余剰活性汚泥量又は消化汚泥量は汚水中のBOD量の約5%程度であるが、これらの泥状物である汚泥は通常水分97〜98%を含む引き抜き汚泥として醗酵タンクから引き抜かれ、加圧濃縮法、遠心濃縮法、または無機系及び有機系凝集剤の添加等によって固形物濃度20〜30%の脱水汚泥とした後、埋立て処理するか、焼却される。しかしながら、脱水汚泥の埋立て処理は、投棄場所の設定やこの汚泥の臭気等による公害問題に難点があり、また焼却処分は過剰のコストを要し、いずれも大きな問題となっており、強くその合理的解決が望まれている。
本発明はこの問題を解決するために鋭意研究を行って完成されたものであり、本発明の目的とするところは、下水,生活系排水又は屎尿を含む汚水の好気性微生物及び/又は嫌気性微生物による生物処理法によって生じた少なくとも該微生物体と難分解性有機物とを含有してなる泥状物である汚泥を再度好気的中高温醗酵処理する良好な汚泥の処理方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、下水、生活系排水又は屎尿を含む汚水の好気性微生物及び/又は嫌気性微生物による生物処理法によって生じた少なくとも該微生物体と難分解性有機物とを含有してなる泥状物である汚泥の有効な処理方法について鋭意研究した結果、全く意外にも本発明に係る好気的中高温醗酵処理は泥状物である汚泥のCOD量(化学的酸素消費量:酸性にした100℃、1/40規定過マンガン酸加里において消費された過マンガン酸加里に相当する酸素の量)、TOC量(総有機物炭素量)及び総窒素量(T−N)を著しく減少せしめることを見い出し、実用に供し得る本発明の好気的中高温醗酵処理法を確立した。
【0020】
すでに、生屎尿を好気的に高温処理する公知の方法として、「少なくともリパーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼを含有する酵素製剤を生屎尿に対して0.01%以上添加し、次いでスクリーン処理してこの屎尿中の夾雑物を固液分離処理した後これを約25Nm/BODkg/日以上の曝気条件で好気的にて、約50〜80℃の高温条件下で好気的高温醗酵処理せしめて処理された屎尿が生屎尿中のアンモニア態窒素分、リン分およびカリウム分の肥料用成分を損失することなく含有し、かつpHが弱塩基性であることを特徴とする屎尿の処理法(特許文献1)」が存在するが、この方法は生屎尿の窒素成分をアンモニア態窒素に分解して液体肥料とするために、高温醗酵(約50〜80℃)に際してリパーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ等の酵素を添加し、且つ好気的曝気条件として約25Nm/BODkg/日以上(約13.4Nm/m/時間以上に相当。但し、生屎尿の負荷BODを12900mg/Lとして計算)もの多量の通気量を必要とするのに対して、本発明は、もはや通常の生物処理法では分解できない泥状物である汚泥を低通気量(0.4〜1.2Nm/m/時間)の好気的中高温醗酵により容易に処理し得るものであり、公知の生屎尿の好気的高温醗酵処理法とは根本的にその技術思想を異にする全く画期的な新規方法である。
【0021】
即ち、本発明者らは通気攪拌装置を、泥状物である汚泥を好気的に浄化処理すべく醗酵槽内に設け、かつ消泡装置を該醗酵槽の上面に構成せしめて、該醗酵槽中の泥状物である汚泥を通気攪拌装置の駆動によって好気的に0.4〜1.2Nm/m/時間で曝気処理しつつ汚泥液の温度を40〜60℃の中高温にするとともに、消泡装置の攪拌翼を1000〜3600回転/分の速度で該汚泥液面上を攪拌して発泡することなく有効に泥状物である汚泥を浄化する好気的中高温醗酵処理法を見出した。
【0022】
本発明は上記の知見に基づいて完成されたもので、醗酵槽内の水中に配設された通気攪拌装置を用いて、下水、生活系排水又は屎尿を含む汚水の好気的微生物及び/又は嫌気的微生物による生物処理法によって生じた少なくとも該微生物体と難分解性有機物とを含有してなる泥状物である汚泥を、好気的通気条件のもとに中高温の温度で、かつ醗酵槽液面上に設けられた攪拌翼を用いて醗酵槽の液面上を攪拌することにより液面に発生する泡を消去しつつ泥状物である汚泥を処理することを特徴とする汚泥の好気的中高温醗酵処理方法である。
【0023】
また、本発明の目的は下水、生活系排水又は屎尿を含む汚水の好気的微生物及び/又は嫌気的微生物による生物処理法によって生じた少なくとも該微生物体と難分解性有機物とを含有してなる泥状物である汚泥を醗酵槽において好気的通気条件のもとに加温し浄化して最終処理液のBOD量、COD量、TOC量及びT−N量を減少せしめ、さらに処理前の泥状物である汚泥に存在した大部分の糸状及びコロイド状沈殿性微生物体及び難分解性物質をも処理するものである。したっがて、該処理液中には少量の難分解性有機物のみが単なる微細な浮遊物として存在するだけで、沈殿物は一切ないしは殆ど発生しない良好な汚泥の処理方法を提供し得るものである。
【0024】
まず、本発明で云う好気的中高温醗酵処理の対象となる泥状物である汚泥とは生屎尿、水洗屎尿、屎尿と生活雑排水との混合排水及び下水等のいわゆる汚水を好気的微生物又は嫌気的微生物あるいはこれらの微生物の併用によって処理する種々の汚水処理施設で発生する余剰活性汚泥又は消化汚泥或はこれらの混合物である通常汚泥と言われるものである。即ち、この汚泥を構成する成分について例示すれば、前述した如く、例えば余剰活性汚泥においては、好気的な細菌、酵母、糸状菌、原生動物、微細藻類などの多量の微生物とそれらの遺骸が、難分解性有機物や生活系排水に存在して微生物に有害に作用する合成界面活性剤等と凝集・付着し不定型フロックを形成したものである。また消化汚泥では、共生関係にある各種微生物菌体とその残骸であるという点だけが余剰活性汚泥と異なるだけで、他は余剰活性汚泥の場合と全く同様な泥状の不定型フロックである。
【0025】
このように、これらの泥状物である汚泥は汚水の生物処理によって生成された微生物菌体とその遺骸及び汚水中の難分解性有機物の泥状沈殿生成物であるため、この沈殿物中のCOD及びTOCに係る物質は生物処理後の該微生物菌体とその遺骸及び汚水中の難分解性物質の濃縮物そのものである。以下にこのことを物語る資料として新鮮屎尿、生屎尿並びにこれらの嫌気処理によって生じた消化汚泥のそれぞれにおける分析例(屎尿浄化槽清掃時の汚泥に関する調査研究、都市廃棄物処理対策研究会特殊汚物調査研究部会著、昭和44年3月、58〜59頁)を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0003589659
【0027】
上記の分析例に見られる如く、新鮮屎尿、生屎尿、消化汚泥における水分含量には生物処理前のそれと大差が認められないが、消化汚泥の蒸発残留物量、強熱減量、粗繊維量、COD量では生物処理前のそれらに比していずれも著しく増加し、一方BOD量のみが著減している。これらの結果は、屎尿の嫌気的消化処理によって屎尿中のBOD量を著しく低下させるが、それによって増殖した微生物を含む生存微生物体とその遺骸微生物体並びに屎尿中に存在した難分解性有機物であるヒューマス等を意味する蒸発残留物量、強熱減量、粗繊維量、COD量が増加し、泥状物である汚泥は、もはや微生物によっては極めて処理され難い有機物の集合であることを意味する。それ故に、従来から余剰活性汚泥並びに消化汚泥が加圧濃縮法や、凝集剤添加等によって濃縮され、もはや生物処理することなく専ら埋立て投棄されるか、焼却処分されてきた理由がここにあるのである。
【0028】
本発明に係る好気的中高温醗酵装置の醗酵槽内の水中に構成される通気攪拌装置並びに加温装置での泥状物である汚泥の処理における通気条件及び加温条件について、バキュームカーで収集した生屎尿の嫌気的微生物処理によって発生した消化汚泥を回分的に、そして農業集落生活系排水処理場における嫌気性濾床槽の消化汚泥と接触曝気槽の余剰活性汚泥との混合汚泥を連続的に、実験用好気的中高温醗酵装置で処理した時の該消化汚泥及び該混合汚泥のBOD量、COD量、TOC量及びT−N量の経時的変化を指標として検討した。
【0029】
検討に当たり、先づ好気的曝気操作により醗酵槽の処理汚泥液面上に多量に発生する泡の状態を観察しつつ通気条件を0.4〜1.2Nm/m/時間、消泡のための攪拌翼の回転条件を1000〜3600回転/分の範囲内に随時適宜調節し、かつ泥状物である汚泥の加温温度を常温から漸次上昇せしめると共に、処理汚泥を経時的に採取してBOD、COD、TOC及びT−Nを測定した。この測定結果によれば、図1及び図2に見られる如く、回分処理並びに連続処理の各泥状物である汚泥のCOD量,TOC量及びT−N量の減少は、意外にも加温温度40℃において明らかな変曲点が認められた。
【0030】
かくして、本発明に係る汚泥の好気的中高温醗酵処理は、好気的曝気が0.4〜1.2Nm/m/時間,消泡のための攪拌翼の回転が1000〜3600回転/分、並びに加温温度が40〜60℃の条件のもとで、如何なる汚水の処理方式によって生じた泥状物である汚泥であっても、そのCOD量、TOC量及びT−N量を減少せしめて、難分解性有機物を有効に処理できる泥状物である汚泥の処理方法を提供するものである。
【0031】
さらに、詳しく本発明に係る好気的中高温醗酵装置の操作について述べれば、好気的中高温醗酵装置の醗酵槽液面上に設けられた攪拌翼は、該装置の醗酵槽に投入された処理すべき泥状物である汚泥の液面上を水平に回転することによって汚泥の好気的曝気処理時に発生する醗酵槽の液面上の泡を消泡せしめて処理を円滑に行うためのものであり、簡便には電動式として用いればよく、またその攪拌翼の回転速度は、例えば1000〜3600回転/分であり、醗酵槽の発泡状況を勘案して適宜回転速度を定めればよい。
【0032】
そして、醗酵槽内の水中に構成された通気攪拌装置は、攪拌翼と同様に醗酵槽の液面上に発生する泡の状況により、その通気条件を例えば0.4〜1.2Nm/m/時間に適宜変動しつつ醗酵槽中の汚泥の曝気処理を行なう。一方、好気的中高温醗酵装置への下水、生活系排水又は屎尿を含む汚水の好気性微生物及び/又は嫌気性微生物による生物処理法によって生じた少なくとも該微生物体と難分解性有機物とを含有してなる泥状物である汚泥の投入量は醗酵槽の全容量に対して約85%以下がよく、これより多ければ攪拌翼による消泡効果が低くなり、泡が醗酵槽から流出することとなる。
【0033】
いづれにしても、以上述べた諸条件のもとに下水、生活系排水又は屎尿を含む汚水の好気性微生物及び/又は嫌気性微生物による生物処理法によって生じた少なくとも該微生物体と難分解性有機物とを含有してなる泥状物である汚泥が好気的中高温醗酵槽で回分処理される場合には、醗酵開始後7〜10日以上で汚泥の処理が完了する。これに反して、泥状物である汚泥の好気的中高温醗酵槽での連続処理の場合には、汚水の好気性微生物及び/又は嫌気性微生物による生物処理法によって生じた少なくとも該微生物体と難分解性有機物とを含有してなる泥状物である汚泥の一定量を日毎に好気的中高温醗酵装置の醗酵槽に移送して好気的中高温醗酵処理すると同時に、すでにこのようにして醗酵槽において好気的中高温醗酵処理された醗酵槽の汚泥は上述の1日当たり醗酵槽に移送された泥状物である汚泥の量と等分量が、毎日、排水処理施設の汚水流入原水槽にもどされることを繰り返して行なう汚泥の連続処理方式である。
【0034】
かくして得られる下水、生活系排水又は屎尿を含む汚水の好気性微生物及び/又は嫌気性微生物による生物処理法によって生じた少なくとも該微生物体と難分解性有機物とを含有してなる泥状物である汚泥の好気的中高温醗酵最終処理液は、微細浮遊物が若干認められるが、沈殿物は全くなく、BOD、COD、TOC及びT−Nの含量が著しく低く、比較的アンモニア態窒素量の少くない透明液であるため、適宜水で稀釈して河川へ放流するか、もしくは、排水処理施設の汚水流入原水槽に流入される汚水に混合して再び排水処理施設の醗酵槽において微生物処理を連続的に行いつつ最終処理液を河川等に放流することが可能となる。
【0035】
それ故に、本発明は従来の微生物処理法によって全く浄化処理し得ないとされていた各種排水処理施設から発生した種々の汚泥を好気的に中高温醗酵処理する良好な処理法を確立したものである。したがって、下水、生活系排水又は屎尿を含む汚水の好気性微生物及び/又は嫌気性微生物による生物処理法によって生じた少なくとも該微生物体と難分解性有機物とを含有してなる泥状物である汚泥を処理する本発明は極めて画期的な優れた方法である。
【0036】
【実施例】
次ぎに本発明の実施例を挙げるが、本発明は何らこれによって限定されるものではない。
(実施例)
1.供試した汚泥
バキュームカーで採取した生屎尿の嫌気性微生物処理によって発生した消化汚泥を回分的に好気的中高温醗酵処理するための供試汚泥とした。そして農村集落生活系排水処理施設における嫌気性濾床槽の消化汚泥と接触曝気槽の余剰活性汚泥との混合汚泥を連続的に好気的中高温醗酵処理するための供試汚泥として使用した。
【0037】
(1)消化汚泥(回分処理)
好気的中高温醗酵装置の醗酵槽内の水中に配設された通気攪拌装置並びに加温装置の消化汚泥回分処理時における通気条件並びに温度条件の検討には、静岡県田方郡修善寺町外2町衛生処理施設組合屎尿処理場の消化汚泥を使用した。本処理場は、修善寺町及びその近隣町である天城湯ケ島町、中伊豆町の在住各家庭における生屎尿をバキュームカーで収集し嫌気的に消化処理している。その処理能力は36kl/日、実際の投入量は34kl/日程度である。
【0038】
処理場へ搬入された生屎尿中のゴム製品、ビニール製品、プラスチック製品等の夾雑物をロータリースクリーンで除去した生屎尿は貯留槽に貯留され、次いで嫌気醗酵槽(第一消化槽)に投入され、38℃に加温されて嫌気醗酵が行われる。第一消化槽で醗酵処理された汚水は第二消化槽に送られ、静置して消化汚泥を沈殿させる。通常は、この消化汚泥の沈殿は1日約5mが抜き取られ、陽イオン高分子凝集剤を添加して遠心脱水機で脱水されるが、今回はこの陽イオン高分子凝集剤添加前の引抜き汚泥38mを汚泥搬出用バキュームカーで採取し、以下に述べる静岡県田方郡天城湯ヶ島町吉奈の農業集落排水処理施設の汚泥濃縮貯留槽である実験用好気的中高温醗酵槽に投入し、加温温度を23〜50℃に漸次上昇し、通気量を0.4〜1.2Nm/m/時間、消泡のための攪拌翼の回転を1000〜3600回転/分の範囲内に随時適宜調節して、消化汚泥の回分処理状況を検討した。
【0039】
(2)消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥(連続処理)
静岡県田方郡天城湯ケ島町吉奈の農業集落排水処理施設から発生した嫌気性濾床槽の消化汚泥と接触曝気槽の余剰活性汚泥との混合汚泥を実験用好気的中高温醗酵装置を用いて連続処理した。本農業集落排水処理施設は処理対象人口410人の生活系排水(汚水量111m/日)を各家庭毎に配置された配管経由で回収し、先ず自動荒目並びに細目スクリ−ンにより排水中の不溶物を除去し、次いで嫌気性濾床槽での処理を経て接触曝気槽による好気的処理を行って浄化する生活系排水の処理場である。
【0040】
本発明において、嫌気性濾床槽の消化汚泥と接触曝気槽の余剰活性汚泥との混合汚泥の実験的な好気的中高温醗酵処理を行なうに当たり、先ず、上述の農業集落排水処理施設の汚泥濃縮貯留槽を実験用好気的中高温醗酵槽とし、すでに、該汚泥濃縮貯留槽に滞留していた上述の消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥38mをそのまま実験用汚泥として使用した。実験開始と同時に実験用好気的中高温醗酵槽に投入した防水投込み電熱ヒーター(キャップレス潜水性石英ステンレス・チタンヒーター、株式会社谷口製作所製)で実験開始より14日間に実験用汚泥の液温を18〜35℃に昇温し、その後、35日間は実験用汚泥の液温を35℃に保持して、消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥を通気(0.4〜1.2Nm/m/時間)しつつ好気的に酸化処理し、その後は、上述の排水処理施設で生じた消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥1.8m/日を実験用好気的中高温醗酵槽に流入させるとともに、該醗酵槽の温度を35〜60℃へ上昇させつつ、該醗酵槽で好気的中高温醗酵処理した消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥1.8m/日を再び上述した排水処理施設の生活系排水が流入する原水槽にもどすことを毎日繰返し行って、排水処理施設で生じた消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥を好気的に連続して行なう好気的中高温醗酵処理条件を検討した。尚、処理汚泥の水面上に生ずる泡を消泡する攪拌翼の回転条件は泡の発生状況を勘案しつつ1000〜3600回転/分とした。
【0041】
2.実験用好気的中高温醗酵装置
静岡県田方郡天城湯ヶ島町吉奈の農業集落排水処理施設における容積50m(4.2m×3.2m×3.7m)である汚泥濃縮貯留槽を実験用好気的中高温醗酵槽に用い、この醗酵槽の底部に汚水の好気性微生物及び/又は嫌気性微生物による生物処理法によって生じた少なくとも該微生物と難分解性有機物とを含有してなる泥状物である汚泥を通気攪拌するための水中攪拌型エアレーター(ツルミ製作所製、1.5Kw、200V、50Hz)を設けるとともに、好気的中高温醗酵時に液面に発生する泡を泡切りカッタ−で消泡するための攪拌翼(直径15cm)を有する消泡装置(ツルミ製作所製、0.4Kw、200V、50Hz)を好気的中高温醗酵槽のタンク上面に設置し、かつ好気的中高温醗酵時の加温のために処理される汚泥液中にキャップレス潜水性石英ステンレス・チタンヒーター(2Kw、200V、50Hz)2本を吊り下げ、実験計画に従って温度を18〜60℃に漸次変動させ、好気的中高温醗酵槽時の条件を検討した。
【0042】
3.実験方法
消化汚泥の回分処理の場合は、回分処理用の消化汚泥量38mを上述の実験用好気的中高温醗酵槽に投入し、水中型エアレーターの通気条件を0.4〜1.2Nm/m/時間、消泡のための攪拌翼の回転条件を1000〜3600回転/分とし、醗酵槽の温度を23〜50℃に漸次上昇させつつ回分的に好気的中高温醗酵処理した。しかし、消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥の連続処理の場合には、先づ農業集落排水処理施設の汚泥濃縮貯留槽である実験用好気的中高温醗酵槽中にすでに貯留されている38mの消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥の液温を最初の14日間は18℃から35℃に上昇させ、その後、35日間は消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥の液温を35℃に保持し、次いで図2に示す如く、液温を60℃まで漸増させた。
【0043】
そして、実験用好気的中高温醗酵槽に投入されて通気処理された消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥1.8m/日は、実験開始40日後から農業集落排水処理施設における生活系排水の流入する原水槽にもどされると同時に、農業集落排水処理施設で新たに生じた消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥1.8m/日を実験用好気的中高温醗酵槽に投入することを毎日反復し、消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥を連続的に好気的中高温醗酵処理して浄化することを行った。
尚、消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥の連続処理での通気条件は醗酵槽の発泡状況を勘案しながら0.4〜1.2Nm/m/時間の範囲を適宜使用した。また、上記の2つの実験に於ける消泡装置の攪拌翼の回転数は、発泡状況により1000〜3600回転/分の間で適宜調整して消泡した。各供試汚泥の好気的中高温醗酵処理における経日的な試料採取は実験用好気的中高温醗酵槽の上、中、下層からそれぞれ、1L(リットル)を採取して混合し、試料の採取日は実験目的により適宜な間隔で行なった。採取した試料の分析項目は好気的中高温醗酵処理汚泥の液温、pH、BOD、COD、TOC、T−Nとした。
【0044】
尚、各分析項目に於ける分析法の概要を表2に示す。
【表2】
Figure 0003589659
【0045】
4.結果
(1)消化汚泥の好気的中高温醗酵処理に於ける回分処理
通気量が0.4〜1.2Nm/m/時間、加温温度が23〜50℃、消泡攪拌翼の回転速度が1000〜3600回転である各条件で行なった消化汚泥の浄化処理経過を図1に示した。図1において、符号1は生物化学的酸素消費量(BOD量)、符号2は化学的酸素消費量(COD量)、符号3は総有機物炭素量(TOC量)、符号4は総窒素量(T−N量)、符号5は好気的中高温醗酵槽の液温を意味するもので、この図1に見られるが如く、好気的中高温醗酵回分処理における消化汚泥のBOD量、COD量、TOC量、T−N量減少の変曲点が40℃に存在した。したがって、これは消化汚泥の難分解性有機物が回分的に40℃以上の温度で好気的中高温醗酵処理法により、容易に分解処理されたものであった。
【0046】
(2)好気的中高温醗酵処理による消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥の連続処理前述した農業集落排水処理施設の消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥に対して、通気量が0.4〜1.2Nm/m/時間、加温温度が18〜60、消泡攪拌翼の回転速度が1000〜3600回転/分である各条件で連続浄化処理を行った結果を図2に示した。図2において、符号1は生物化学的酸素消費量(BOD量)、符号2は化学的酸素消費量(COD量)、符号3は総有機物炭素量(TOC量)、符号4は総窒素量(T−N量)、符号5は好気的中高温醗酵槽の液温、符号6は排水処理施設の汚泥濃縮貯留槽に、すでに滞留していた消化汚泥と余剰汚泥との混合汚泥(38m)の18〜35℃における好気的醗酵処理期間を意味するもので、この図2に見られる如く、前述の消化汚泥の好気的中高温醗酵回分処理の場合と同様にBOD量、COD量、TOC量、T−N量減少の変曲点が40℃に認められ、消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥の難分解性有機物を40℃以上の温度で連続的に好気的中高温醗酵処理できることを立証し得たものであり、したがって本発明は泥状物である汚泥の難分解性有機物の浄化処理に対して極めて優れた技術である。
【0047】
【発明の効果】
本発明における汚泥の好気的中高温醗酵処理方法は対象とする泥状物である汚泥を処理することによりBOD量は著滅し、さらに通常の微生物処理では分解が困難とされている難分解性有機物(TOC、COD及びT−N)を著しいアンモニアの生成なく良好に低減せしめ得たものである。また本発明の好気的中高温醗酵処理法により消化汚泥を回分処理せしめた最終浄化処理液は適宜稀釈して河川などに放流することも可能である。一方消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥を本発明に係る好気的中高温醗酵槽にて連続処理して浄化された処理液を最終的には排水処理施設で処理された放流水と共に公共水域に排出することのできる新規な汚水の処理方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】消化汚泥の好気的中高温醗酵回分処理での処理日数における該汚泥成分の経過を示すグラフである。
【図2】消化汚泥と余剰活性汚泥との混合汚泥の好気的中高温醗酵連続処理での処理日数における該混合汚泥成分の経過を示すグラフである。
【符号の説明】
1.生物化学的酸素消費量(BOD量)
2.化学的酸素消費量(COD量)
3.総有機物炭素量(TOC量)
4.総窒素量(T−N量)
5.好気的中高温醗酵槽の液温
6.排水処理施設の汚泥濃度貯留槽に、すでに滞留していた消化汚泥と余剰汚泥との混合汚泥(38m)の18〜35℃における好気的醗酵処理期間

Claims (2)

  1. 醗酵槽内の水中に配設された通気攪拌装置と加温装置とを用いて、下水、生活系排水又は屎尿を含む汚水の好気性微生物及び/又は嫌気性微生物による微生物処理法によって生じた少なくとも該微生物体と難分解性有機物とを含有してなる泥状物である汚泥を、通気攪拌装置による好気的通気条件が0.4〜1.2Nm/m/時間である通気条件のもとに、40〜60℃の中高温の温度で泥状物である汚泥を処理して浄化処理液とすることを特徴とする汚泥の好気的中高温処理方法。
  2. 浄化処理液を汚水に混合して再び排水処理施設の醗酵槽において微生物処理を連続的に行うことを特徴とする請求項1記載の汚泥の好気的中高温処理方法。
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