JPH11269752A - 積層板用不織布 - Google Patents

積層板用不織布

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JPH11269752A
JPH11269752A JP10065699A JP6569998A JPH11269752A JP H11269752 A JPH11269752 A JP H11269752A JP 10065699 A JP10065699 A JP 10065699A JP 6569998 A JP6569998 A JP 6569998A JP H11269752 A JPH11269752 A JP H11269752A
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JP
Japan
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nonwoven fabric
filler
weight
resin
fiber
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Application number
JP10065699A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Shinozuka
啓 篠塚
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱膨張率が低く、スルーホール信頼性が大き
く、層間剥離しない積層板用不織布を得ること。 【解決手段】融点または作業点下限温度または分解温度
が260℃以上の主体繊維(A)が熱硬化性バインダー樹
脂または無機系バインダー樹脂(B)によって結合され
ている不織布に、融点が130℃以下の熱可塑性バインダ
ー樹脂(C)で結合された充填剤(D)が分散されてい
る不織布であって、その構成比は(A)と(D)の合計
重量に対して(A)が5〜80wt%、(D)が20〜9
5wt%であり、また(B)が(A)の重量に対して3〜
20wt%、(C)が(D)の重量に対して3〜20wt%
である積層板用不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱的寸法安定性、
強度を要求される積層板用不織布に関するものであり、
さらに詳しくはプリント配線基板、絶縁板等の積層板用
不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常多く用いられているプリント配線基
板、絶縁板等に用いる積層板は、繊維からなるクロスま
たは不織布に熱硬化性樹脂等のワニスを含浸させてプリ
プレグとし、これを積層して熱プレスすることによって
板状に成形している。このため、繊維の熱膨張率が樹脂
の熱膨張率よりも小さいとき、積層板中に埋め込まれた
繊維によって、繊維と樹脂のXY方向の合成熱膨張率は樹
脂自体の熱膨張率よりも小さくなり、熱的寸法安定性が
向上する。また繊維強化によって強度も向上する。
【0003】しかし基材となっているクロスまたは不織
布を形成する繊維は、積層板のZ軸方向の配向に寄与す
る成分が少ないため、 繊維と樹脂のZ軸方向の合成熱膨
張率は樹脂自体の熱膨張率と比べてほとんど変わらな
い。したがって、熱的寸法安定性は顕著に改善されるこ
とはなく、プリント配線基板の場合には、そりやねじれ
が発生したり、バレルクラック、コーナークラック、パ
ッドリフティング等を原因とするスルーホール信頼性の
低下が起こる。
【0004】これを改良するため、従来から積層板用基
材に含浸させるワニス中に無機填料を混入することが行
われてきた。ワニス中に無機填料を混入すると、一定方
向に配向しにくいため、積層板のZ軸方向に関しても熱
的寸法安定性の改善および繊維強化の効果が得られる。
同時に基材の密度が大きくなるため空隙率が減少し、熱
プレス時のボイドやカスレが減少する効果も期待でき
る。また、充填剤に使用するフィラーの種類によって
は、加工性や耐電食性も向上できる。実際にこの方法を
利用した特許や技術は数多くあり、生産面でも一般的に
取り入れられている。
【0005】このことに関する技術例として、次のよう
な特許が提案されているので、いくつか紹介する。特開
平5-327150には、熱硬化性樹脂に対して無機充填剤が10
〜200重量%含有されている樹脂を含浸したガラス不織
布プリプレグを中間層に使用することにより、寸法収縮
率、そりを大幅に低減できるとある。特開平7-176843に
は、アスペクト比の大きな無機フィラー含有ワニスを調
製し、これをガラス不織布に含浸し積層成形することに
よって、寸法変化率のほとんど無い積層板を得たとあ
る。特開平3-139897には、厚さの異なるガラス不織布を
使用し、かつ不織布に無機質フィラーの含有率の異なる
プリプレグを配して加熱加圧成形することにより、加熱
加圧成型時の歪みによるそりやねじれを小さくするとあ
る。
【0006】プリント配線基板は複数枚のプリプレグを
重ね、これを熱プレスして成形するものが主流である。
その一つであるコンポジット積層板の場合、中間層にガ
ラス不織布を配し、その上下層をガラスクロスで構成し
て樹脂を含浸し熱プレスを行うが、基板の表面平滑性を
損なわないために、上下層のガラスクロスには充填剤を
加えず、中間層のガラスペーパーに充填剤を分散したワ
ニスを含浸させるのがよい。
【0007】しかし、基材を重ね合わせたものに樹脂を
一括して含浸する方法では、上下層のガラスクロスにも
充填剤が供給されてしまうばかりか、充填剤はガラスク
ロスに目詰まりして中間層のガラス不織布に到達し難く
なり、結果として基板の表面平滑性を損ねたうえ、充填
剤添加の効果も低下することになる。これを防ぐために
は、中間層と上下層を別々に樹脂ワニスに含浸してから
重ね合わせて熱プレスすればよいのであるが、ライン数
が増えるなどの工程の増加につながり効率的ではない。
【0008】上記の技術の共通するところは、充填剤を
樹脂ワニス中にあらかじめ分散しておいて、しかる後に
基材に含浸してプリプレグとすることである。したがっ
て、この操作を経ずに充填剤の入っていない通常の樹脂
ワニスを直接含浸できれば、積層板製造工程の簡略化と
なると考えられる。即ち、充填剤が基材中にあらかじめ
含まれているのであれば、樹脂ワニス中に分散する必要
が無くなるため、基材を重ね合わせたものに樹脂ワニス
を一括して含浸する方法で、表面平滑性を損なうことな
く熱的寸法安定性や強度を向上させることができ、工程
は増加せず効率的である。
【0009】また、この方法では充填剤のはいる部分を
比較的精密に設定できるため、コンポジット積層板以外
の構成にも応用できる。例えば、上下層がガラス不織布
で中間層がガラスクロスになる構造の積層板では、使用
するガラス不織布のうち表面に近い層に通常のガラス不
織布を用い、ガラスクロスに近い層には充填剤含有のガ
ラス不織布を用いることで、表面平滑性を損なうことな
く基板性能を向上できる。
【0010】充填剤を樹脂ワニス中に分散しない方法と
して、次のような特許が提案されている。特開平4-1226
35には、水酸化アルミニウム充填剤を不織布に抄き込
み、樹脂含浸ガラス布と共に積層成形することにより、
強度が大きくかつそりの少ない積層板について記載され
ている。また特開平1-97634には、不織布基材に有機バ
インダーを用いて無機充填剤をあらかじめ付着すること
により、厚み方向の寸法安定性を改良しスルーホール信
頼性を向上した積層板について記載されている。
【0011】これらの技術は充填剤を不織布に抄き込
む、或いはバインダーで接着することにより取り入れて
いることが特徴である。しかし、これらの方法では積層
板に成形する際に充填剤はその厚さ方向に効果的に分散
することが難しい。即ち、熱プレス成形後も充填剤のほ
とんどが基材に付着しているか、或いは基材付近に存在
することになるため、積層板の樹脂含有率にもよるが、
積層された不織布と不織布の間に存在する樹脂の層には
充填剤があまり存在しなくなり、結果としてZ軸方向に
関する充填剤配合効果が不十分となってしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから本発明
の課題は、プリント配線基板、絶縁板等に用いる積層板
に関して、熱的寸法安定性(そり、ねじれ、スルーホー
ル信頼性を含む)、強度等を改善し、かつ実用上便利な
不織布基材を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、熱硬化性
樹脂あるいは熱融着によって主体繊維同士を結合してシ
ート化した不織布に、融点130℃以下の熱可塑性樹脂を
用いて充填剤を結合し、プリント配線板用基材として用
いることを検討した結果、樹脂ワニス含浸後の熱プレス
成形時に熱可塑性樹脂が融解して、充填剤のほとんどが
基材から遊離し、樹脂流れと共に厚さ方向も含め自由に
拡散することによって、Z軸方向の充填剤配合効果が向
上することを見出して本発明に到達した。
【0014】すなわち本発明の第1の発明は、融点また
は作業点下限温度または分解温度が260℃以上の主体繊
維(A)が熱硬化性バインダー樹脂または無機系バイン
ダー樹脂(B)によって結合されている不織布に、融点
が130℃以下の熱可塑性バインダー樹脂(C)で結合さ
れた充填剤(D)が分散されている不織布であって、そ
の構成比は(A)と(D)の合計重量に対して(A)が
5〜80wt%、(D)が20〜95wt%であり、また
(B)が(A)の重量に対して3〜20wt%、(C)が
(D)の重量に対して3〜20wt%である積層板用不織
布に関するものである。本発明の第2の発明は、融点ま
たは作業点下限温度または分解温度が260℃以上の主体
繊維(A)が自己融着によって結合されている不織布
に、融点が130℃以下の熱可塑性バインダー樹脂(C)
で結合された充填剤(D)が分散されている不織布であ
って、その構成比は(A)と(D)の合計重量に対して
(A)が5〜80wt%、(D)が20〜95wt%であ
り、また(C)が(D)の重量に対して3〜20wt%で
ある積層板用不織布に関するものである。本発明の第3
の発明は上記した第1又は第2の発明において、主体繊
維は有機系または無機系の繊維であってチョップドスト
ランド、カットファイバー、パルプ、ステープルのいず
れかの形態を有する積層板用不織布に関するものであ
る。本発明の第4の発明は上記した第1〜3のいずれか
の発明において、充填剤は無機フィラー、ウィスカー、
微細繊維のいずれかの形態を有する積層板用不織布に関
するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、主体繊維は主体
繊維と充填剤の合計重量に対して5〜80wt%、充填剤は
主体繊維と充填剤の合計重量に対して20〜95wt%配合す
る。これは充填剤が20wt%に満たないと配合効果が低下
し、本発明の目的である熱的寸法安定性(そりねじれ、
スルーホール信頼性)や強度発現に関して大きな改善効
果がみられなくなるからである。また充填剤が95wt%を
超えると強度が低下したり不織布にムラが出たりしてシ
ート化が困難になってくるのみならず、充填剤の種類に
よってはワニス含浸性が低下して工程上不都合が生じ
る。
【0016】本発明における主体繊維として、有機系ま
たは無機系から選ばれた少なくとも1種類のチョップド
ストランド、カットファイバー、パルプ、ステープル等
が用いられる。主体繊維の成分はアラミド系繊維やポリ
イミド系繊維などに代表される合成高分子、アルミナや
電気絶縁用のEガラス等に代表される無機高分子で何を
用いてもよいが、絶縁性であることが必要であり、かつ
主体繊維の融点または作業点下限温度または分解温度は
260℃以上であることが必要である。主体繊維の融点ま
たは作業点下限温度または分解温度が260℃に満たない
と、プリント配線基板製造工程中において半田耐熱が不
十分となるため、実用上好ましくない。本発明において
「主体繊維の作業点下限温度」とはアモルファス物質の
熱的成形作業に適した温度範囲の下限を意味する。例え
ばガラスのようなアモルファスの物質では融点が存在せ
ず、ガラス転移点以上の温度になると徐々に粘度が低下
していくが、粘度104〜106ポイズの温度範囲が成形作業
に適している。作業温度範囲の上限を作業点といい、作
業温度範囲の下限は形が崩れない粘度(粘度106ポイズ)
を維持する温度である。本発明の実施例の場合、Eガラ
スの熱融着に適した温度領域は成形作業に適した温度範
囲の下限が好ましく860℃付近である。また本発明にお
いて「主体繊維の分解温度」とは、熱エネルギーによっ
て主体繊維を構成する物質の化学構造が破壊される温度
を意味する。結晶性の物質のなかには、温度を上げてい
くと融点に達する前に分解温度に到達するものもあり、
例えばセルロースが該当する。またアモルファスの物質
や非結晶性の物質のなかにも、成形作業に適した温度に
達する前に分解してしまうものがある。本発明の場合、
パラ系アラミド樹脂には融点や作業点下限温度に該当す
るものはなく、耐熱限界として分解温度を用いるのが妥
当である。
【0017】本発明における主体繊維の不織布の形成方
法は特に限定せず、湿式法または乾式法を用いるのが通
常であるが、より高密度の基材とするためには湿式法を
採用するのがよい。
【0018】本発明において、主体繊維同士を結合する
バインダー樹脂(1次バインダー樹脂)として、絶縁性
の熱硬化性樹脂または無機系樹脂が該当する。熱硬化性
樹脂の例として、フェノール樹脂系、メラミン樹脂系、
エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、エポキシアクリレー
ト樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリエステルア
クリレート樹脂系、ウレタンアクリレート樹脂系、スピ
ラン樹脂系、ジアリルフタレート樹脂系等が挙げられ
る。また無機系樹脂の例として、コロイダルシリカ、シ
リコーンモノマーを加水分解してから重合させるものな
どが挙げられる。これらの中から選ばれた1種類以上の
成分を混合して使用するが、必要に応じて各種硬化剤、
カップリング剤等を適量添加して用いると効果的であ
る。
【0019】主体繊維同士を結合する1次バインダー樹
脂の配合率は、主体繊維の重量に対して3〜20wt%、好ま
しくは5〜10wt%である。主体繊維不織布の坪量、バイン
ダー樹脂の種類、主体繊維の種類にもよるが、1次バイ
ンダー樹脂は主体繊維に対して3〜20wt%程度で十分
に不織布に強度を与えることが出来るため、不必要に多
くすると不織布の柔軟性や電気特性を損ねるばかりか、
経済的でもない。また1次バインダー樹脂が少なすぎる
と、不織布自体の強度が低下して2次バインダー樹脂添
加工程や積層板製造工程に強度的に耐えられなくなり、
また不織布表面にケバが発生して好ましくない。
【0020】バインダーの形状には繊維、粉末、エマル
ジョン、水溶液等があり、それぞれ適切な添加方法を選
択することによってどのバインダーも使用可能である。
添加方法は内添法として、1次バインダー樹脂の繊維ま
たは粉を主体繊維と混抄する方法、外添法として、シー
ト化した主体繊維不織布に1次バインダー樹脂のエマル
ジョンまたは水溶液をスプレーとして散布する方法、シ
ート化した主体繊維不織布をエマルジョンまたは水溶液
からなる1次バインダー樹脂に含浸する方法、シート化
した主体繊維不織布にエマルジョンまたは水溶液からな
る1次バインダー樹脂をコートする方法等があり、また
それらの組み合わせも考えられるが、そのいずれでもよ
い。
【0021】本発明においては、主体繊維は1次バイン
ダー樹脂を用いずに主体繊維同士の熱融着によって結合
することも可能である。この場合、主体繊維の成分を2
種類以上に設定して、融点または作業点下限温度の低い
成分を使って繊維同士を結合すると温度コントロールが
容易になる。
【0022】本発明における充填剤として、無機系のフ
ィラー、ウィスカー、微細繊維等が該当するが、絶縁性
であることが必要である。例としてタルク、マイカ、カ
オリン、セリサイト、モンモリロナイト、ワラストナイ
ト、ハイドロタルサイト、クレー、シリカ、アルミナ、
ジルコニア、マグネシア、珪酸カルシウム、珪酸マグネ
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、一
酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、二酸化珪素、二酸化チタン、石英、
高珪酸ガラス、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、カルシ
ウムアルミネート、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、
チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、その他各種天然
鉱物、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、不溶性
塩類、セラミックス類が挙げられる。
【0023】充填剤の粒子径は20μm以下のものを用い
るが、好ましくは10μm以下である。粒子径が20μmを超
える大きな充填剤は、熱プレス時の樹脂流れにのって主
体繊維不織布の中を自由に動きまわることが困難になる
こと、および充填剤の比重にもよるが熱可塑性バインダ
ー樹脂(2次バインダー樹脂とする)液中への均一な分
散が沈殿形成のため困難になることが問題となってく
る。
【0024】本発明では、これらの充填剤は130℃以下
の融点を持つ熱可塑性バインダー樹脂によって主体繊維
不織布と結合する必要がある。熱可塑性バインダー樹脂
の融点が130℃を超えると、本発明の最大の特徴である
熱プレス時における熱可塑性バインダー樹脂の融解が起
こり難くなるため、充填剤の遊離、拡散が出来ず、発明
の目的を達成できなくなる。したがって2次バインダー
樹脂として対象となるものは、130℃以下の融点を持つ
絶縁性のものであり、例えばアクリル系、アクリロニト
リル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリスチレ
ン系、ポリビニルアルコール系のような低融点高分子が
該当する。これらの低融点高分子は、エマルジョンや水
溶液の状態で不織布に添加するのが一般的である。ま
た、融点を持たないアモルファスの物質は、融解のよう
に1次転移で急激に粘性が低下するのではなく、徐々に
粘度が低下するため、熱プレス直前まで充填剤を繋ぎ止
めておいて、熱プレス時には一気に充填剤を放出しなけ
ればならない本発明の2次バインダー用途としては好ま
しくない。
【0025】本発明における充填剤の添加方法として、
2次バインダー中に充填剤をあらかじめ分散しておき、
外添法を基本として1次バインダー樹脂で先にシート化
した主体繊維不織布に添加する。具体的には、シート化
した主体繊維不織布に2次バインダー樹脂(充填剤入
り)のエマルジョンまたは水溶液をスプレーとして散布
する方法、シート化した主体繊維不織布をエマルジョン
または水溶液からなる2次バインダー樹脂(充填剤入
り)に含浸する方法、シート化した主体繊維不織布にエ
マルジョンまたは水溶液からなる2次バインダー樹脂
(充填剤入り)をロール式、バー式、またはカーテン式
等によって塗工する方法があり、またそれらの組み合わ
せも考えられるが、そのいずれでもよい。なお、スプレ
ー法では充填剤がスプレーノズルに詰まってしまうこと
を考慮して、スパイラルノズル等の特殊なノズルチップ
の採用が必要である。
【0026】本発明では、2次バインダー樹脂の配合率
は充填剤の重量に対して3〜20wt%、好ましくは5〜10wt%
程度である。2次バインダー樹脂は、熱プレス時に速や
かに融解して充填剤を放出しなければならないため、過
剰に添加するのは好ましくなく、主体繊維に対する充填
剤の配合比を考慮して必要最低限の量を使用する。
【0027】本発明の不織布はたとえば以下の要領で製
造される。 主体繊維を湿式法でシート化し、1次バインダー液を
添加して不織布を得る。 この不織布を120〜180℃で1〜20分処理し、主体繊維
をバインダーによって結合する。 主体繊維を自己融着によって結合する場合は、1次バ
インダー液を添加せず、不織布を260℃〜主体繊維の融
点または作業点下限温度または分解温度の温度で処理し
て主体繊維を結合する。処理時間は主体繊維の材質、太
さ、熱伝導率、不織布の密度、加熱機器の熱容量にもよ
るので一概には決まらないが、できるだけ短時間の処理
が好ましい。 次に充填剤と2次バインダー液を混合攪拌して2次バイ
ンダー液中に充填剤を均一に分散し、不織布に添加して
充填剤入り不織布を得る。 充填剤入り不織布を80〜120℃(熱可塑性バインダー樹
脂の融点より低い温度)で1〜5分加熱乾燥し、本発明の
不織布を得る。 さらに積層板を得るには本発明の不織布を適当枚数重
ねて中間層とし、上下層にガラスクロスを重ね合わせ、
エポキシ樹脂ワニスを含浸して余剰分を取り除き、130
〜150℃で5〜10分間熱硬化してプリプレグとする。 プリプレグの上下面に銅箔を重ねて、160〜200℃で60
〜120分間熱プレスにより硬化して両面銅張り積層板を
得る。
【0028】
【実施例】次に、本発明を以下の実施例にしたがって具
体的に説明する。
【0029】実施例1 Eガラス製ガラス繊維チョップドストランド(日本電気
ガラス株式会社製、繊維径φ9μm、繊維長13 mm、軟化
点846℃、作業点下限温度 860℃ )の20重量部(対充
填剤)を湿式法でシート化し、1次バインダー液(アク
リル樹脂エマルジョンおよびシランカップリング剤を有
効成分重量比 10:0.1 で混合したもの)を対ガラス繊維
有効固形分7wt%となるようスプレー法でこのシートに散
布し145℃で10分間乾燥、キュアして米坪16.0g/m2の不
織布を得た。次に充填剤としてチタン酸カリウムウィス
カー(大塚化学製、0.2〜0.5μmφ×10〜20μm)、2次
バインダー液としてポリオレフィン系エマルジョン(樹
脂の融点90℃)を有効成分重量比94:6で準備し、これら
を混合攪拌して2次バインダー液中に充填剤を均一に分
散し、充填剤が主体繊維不織布20重量部に対して80重量
部になるように含浸法で2次バインダー液(充填剤入
り)を添加し、80℃で10分間乾燥させて米坪79.5g/m2
充填剤入り不織布を得た。この充填剤入り不織布5枚を
中間層とし、上下層として厚さ160μm坪量185 g/m2のガ
ラスクロス各1枚を重ね合わせ、エポキシ樹脂ワニスを
含浸して余剰分を取り除き140℃で5分間熱硬化してプリ
プレグとした。次に、このプリプレグの上下面に厚さ35
μmの銅箔を重ねて、165℃で1時間熱プレスにより硬化
して厚さ1.6mmの両面銅張り積層板を得た。
【0030】実施例2 主体繊維としてパラ系アラミド樹脂(商標テクノーラ、
帝人株式会社製、分解温度500℃)を用いること以外は、
実施例1と全く同じ操作を行い、厚さ1.6mmの両面銅張
り積層板を得た。
【0031】実施例3 主体繊維であるEガラス製ガラス繊維チョップドストラ
ンドと、充填剤であるチタン酸カリウムウィスカーの構
成比が70:30であること以外は、実施例1と全く同じ操
作を行い、厚さ1.6mmの両面銅張り積層板を得た。
【0032】実施例4 主体繊維であるEガラス製ガラス繊維チョップドストラ
ンドを湿式法でシート化し、これを860℃の電気炉中で1
0分間処理して繊維同士を熱融着することで不織布を形
成する(1次バインダーは使用しない)こと以外は、実施
例1と全く同じ操作を行い、厚さ1.6mmの両面銅張り積
層板を得た。
【0033】比較例1 主体繊維不織布に対して充填剤入り2次バインダー液の
添加処理を行わないこと以外は、実施例1と全く同じ操
作を行い、厚さ1.5mmの両面銅張り積層板を得た。
【0034】比較例2 2次バインダー液の成分が、1次バインダー液と同じ(エ
ポキシ樹脂エマルジョン、メラミン樹脂硬化剤およびシ
ランカップリング剤を固形分比 10:4:1 で混合したも
の)液体に充填剤(チタン酸カリウムウィスカー、0.2
〜0.5μmφ×10〜20μm)を分散したものであること以
外は、実施例1と全く同じ操作を行い、厚さ1.5mmの両
面銅張り積層板を得た。
【0035】比較例3 基材不織布とガラスクロスを重ね合わせたものに対して
充填剤(チタン酸カリウムウィスカー、0.2〜0.5μmφ
×10〜20μm)入りエポキシ樹脂ワニス(充填剤濃度46w
t%)を含浸すること以外は、比較例1と全く同じ操作を
行い、厚さ1.6mmの両面銅張り積層板を得た。
【0036】以上の不織布について米坪、厚さ、密度、
乾紙強度を測定した。また積層板について以下の方法
で、スルーホール信頼性、層間強度、表面平滑性、熱膨
張率を測定した。結果を表1、2に示す。 試験方法 (1)乾紙強度は巾15mm、スパン100mmで測定
した。 (1)スルーホール信頼性 直径1mmφの両面銅スルーホール(ランド径1.3mm)を20
0穴直列接続したサンプルを用意し、260℃オイルで10
秒、20℃水で10秒浸漬後エアブローする操作を1サイク
ルとして繰り返し、電気抵抗の変化率が高温中で10%を
超えたときを試験終了として、終了時までのサイクル数
をスルーホール信頼性とした。 (2)層間強度 JIS C-5012 による。 (3)表面平滑性 積層板から銅箔を取り除き、3次元表面粗さ計によりX軸
方向、Y軸方向にそれぞれ3回凹凸を測定して求めた。 (4)熱膨張率 TMA 法により、Z軸方向に関して30℃からTgまでの線膨
張係数α1を求めた。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明の積層板用不織布基材を用いて銅
張積層板を製作すると、熱プレス時に低融点の2次バイ
ンダーによって保持されていた無機充填剤がレジンフロ
ーにのって積層板中にくまなく分散することにより、従
来のワニスに充填剤を添加し基材に含浸する方法や、熱
硬化性樹脂をバインダーとして基材に抄き込む方法に比
べて、低熱膨張率で、スルーホール信頼性が大きく、表
面平滑性はなめらかで、層間剥離強度の低下しない積層
板を得ることが出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点または作業点下限温度または分解温度
    が260℃以上の主体繊維(A)が熱硬化性バインダー樹
    脂または無機系バインダー樹脂(B)によって結合され
    ている不織布に、融点が130℃以下の熱可塑性バインダ
    ー樹脂(C)で結合された充填剤(D)が分散されてい
    る不織布であって、その構成比は(A)と(D)の合計
    重量に対して(A)が5〜80wt%、(D)が20〜9
    5wt%であり、また(B)が(A)の重量に対して3〜
    20wt%、(C)が(D)の重量に対して3〜20wt%
    である積層板用不織布。
  2. 【請求項2】融点または作業点下限温度または分解温度
    が260℃以上の主体繊維(A)が自己融着によって結合
    されている不織布に、融点が130℃以下の熱可塑性バイ
    ンダー樹脂(C)で結合された充填剤(D)が分散され
    ている不織布であって、その構成比は(A)と(D)の
    合計重量に対して(A)が5〜80wt%、(D)が20
    〜95wt%であり、また(C)が(D)の重量に対して
    3〜20wt%である積層板用不織布。
  3. 【請求項3】主体繊維は有機系または無機系の繊維であ
    ってチョップドストランド、カットファイバー、パル
    プ、ステープルのいずれかの形態を有する請求項1又は
    2に記載された積層板用不織布。
  4. 【請求項4】、充填剤は無機フィラー、ウィスカー、微
    細繊維のいずれかの形態を有する請求項1〜3のいずれ
    かに記載された積層板用不織布。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003082569A (ja) * 2001-04-13 2003-03-19 Toshiba Monofrax Co Ltd 無機繊維製品

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