JPH11268276A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH11268276A
JPH11268276A JP7080298A JP7080298A JPH11268276A JP H11268276 A JPH11268276 A JP H11268276A JP 7080298 A JP7080298 A JP 7080298A JP 7080298 A JP7080298 A JP 7080298A JP H11268276 A JPH11268276 A JP H11268276A
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control electrode
insulating substrate
hole
holes
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Kazushi Nagato
一志 永戸
Shuzo Hirahara
修三 平原
Teruo Murakami
照夫 村上
Yasuo Hosaka
靖夫 保坂
Hideyuki Nakao
英之 中尾
Koichi Ishii
浩一 石井
Kazuhiko Higuchi
和彦 樋口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク中の色材成分を安定して供給し、また
インク滴の吐出位置が安定であって、インク滴を目詰ま
りなく安定して吐出・飛翔させる。 【構成】 複数の貫通孔を有する多層絶縁性基板、貫通
孔周囲表面に形成された制御電極、制御電極から各々引
き出され、スルーホールを介して該多層絶縁性基板の層
間に導かれた引き出し線、貫通孔から突出された凸状イ
ンクガイド、及び貫通孔を通して凸状インクガイドにイ
ンクを供給する手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を飛翔さ
せて記録を行うインクジェット記録装置に係わるもので
あり、特に記録ヘッドに設けた個別電極により静電力を
発生させてインク滴を吐出させるタイプのインクジェッ
ト記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、他の記録方
法の記録方式と比べて騒音が少なく、現像や定着などの
処理が不要であるという利点を有し、普通紙記録技術と
して注目されている。
【0003】インクジェット記録装置は、現在までに数
多く考案されているが、例えば特公昭56−9429
号、特公昭61−59911号など記載されているよう
に、発熱体の熱により発生する蒸気の圧力でインク滴を
飛翔させる方式、例えば特公昭53−12138号など
に記載されているように、圧電素子によって発生される
機械的な圧力パルスによりインク滴を飛翔させる方式が
代表的なものである。
【0004】インクジェット記録装置に使用されるヘッ
ドとしては、キャリッジに搭載されて記録紙の搬送方向
(以下、副走査方向という)に対し直行する方向(以
下、主走査方向という)に移動しながら記録を行うシリ
アル走査型ヘッドが実用化されている。しかしながら、
このシリアル走査型ヘッドは、記録スピードを速くする
ことが難しい。そこで、記録ヘッドの長さを記録紙の幅
と同じサイズにした長尺ヘッドいわゆるライン走査型ヘ
ッドを用いて記録スピードを上げることが考えられてい
るが、このようなライン走査型ヘッドを実現すること
は、次の理由から簡単ではなかった。
【0005】インクジェット記録方式は、本質的に、溶
媒の蒸発や揮発によって局部的なインクの濃縮が生じや
すく、これが解像度に対応した個別の細いノズルでの目
詰まりの原因となっていた。
【0006】さらに、インクジェットの形成に蒸気の圧
力を使う方式では、インクとの熱的あるいは化学的な反
応などによる不溶物の付着が、ノズルの目詰まりを誘起
しやすかった。
【0007】また、圧電素子による圧力を使う方式で
は、インク流路等などでの複雑な構造がさらに目詰まり
を誘起しやすくしていた。数十から百数十程度のノズル
を使用するシリアル走査型ヘッドよりもさらに多い数千
もの多数のノズルを必要とするライン走査型ヘッドで
は、確率的にかなり高い頻度で目詰まりが発生し、信頼
性の点で大きな問題となる。
【0008】さらに、従来のインクジェット記録装置は
解像度の向上には適していないという問題点もある。つ
まり蒸気の圧力を使う方法では、直径20μm(これは
記録紙上に直径50数μmくらいの記録ドットに相当す
る)以下の粒径のインク粒を生成するのが難しい。
【0009】また、圧電素子が発生する圧力を使う方式
では、記録ヘッドが複雑な構造となるために加工技術上
の問題で解像度の高いヘッドが作りにくいからである。
これらの欠点を克服するために、基板上に薄膜からなる
複数の制御電極を配列した電極アレイに電圧を印加し、
静電力を用いてインク液面からインクあるいはその中の
色材成分をインク滴として飛翔させるインクジェット記
録方式が考案されている。例えば特開昭49−6202
4号、及び特開昭56−4467号に示すように、静電
的引力を使ってインク滴を飛翔させる方式や、例えばW
O93/11866、PCT/AU92/00665、
及び特表平7−502218号に記載されているよう
に、帯電した色材成分を含むインクを用い色材の濃度を
高めてインク滴を飛翔させる方式などが考案されてい
る。これらの方式では、記録ヘッドの構成が個別のドッ
ト毎のノズルを必要としないスリット状ノズル構成か、
あるいは個別のドット毎のインク流路の隔壁を必要とし
ないノズルレス構成であるために、ライン走査型記録ヘ
ッドを実現する上で大きな障害であった目詰まりの防止
と復旧に対して有効である。また、後者は非常に小さい
径のインク粒を安定に生成し飛翔させることができるた
め、高解像度化にも適している。
【0010】しかし、上述した静電力で色材成分をイン
ク滴として飛翔させる方式のインクジェット記録装置で
は、記録ヘッドがノズルレスであることから、目詰まり
防止に有効である反面、記録ヘッドの基板上でインクが
主走査方向に対して自由に移動できるためにインク滴の
吐出位置が不安定となるという問題があった。
【0011】また、色材の帯電極性と同極性の電圧でイ
ンク滴を吐出させ記録媒体に飛翔させることから、記録
ヘッド上の電極位置から色材成分が反発して逃げてしま
い、色材成分をインク滴の吐出位置に安定に供給できな
いという問題点も有していた。従って、インク滴を所定
の吐出点から安定に十分な量だけ吐出させて飛翔させる
ことが難しく、文字や画像を記録媒体上に良好に記録で
きなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インク中の
色材成分をインク滴の吐出位置に安定して供給し、また
インク滴の吐出位置が安定であって、インク滴を目詰ま
りなく安定して吐出・飛翔させることができるインクジ
ェット記録装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録装置は、溶媒中に色材成分を分散させたインクに静
電力を作用させて、少なくともこの色材成分を含むイン
ク滴を記録媒体に向けて飛翔させることにより記録を行
うインクジェット記録装置において、配列された複数の
貫通孔を有する多層絶縁性基板、該多層絶縁性基板表面
の該貫通孔周囲に形成され、前記静電力を作用させるた
めの複数の制御電極、及び該制御電極から各々引き出さ
れ、スルーホールを介して該多層絶縁性基板の層間に導
かれた引き出し線を有する制御電極基板と、前記貫通孔
の略中心位置に配置され、インク滴飛翔方向に突出され
た凸状インクガイドと、該貫通孔を通して凸状インクガ
イドに前記インクを供給するインク供給手段とを具備す
ることを特徴とする。
【0014】また、本発明のインクジェット記録装置
は、溶媒中に色材成分を分散させたインクに静電力を作
用させて、少なくともこの色材成分を含むインク滴を記
録媒体に向けて飛翔させることにより記録を行うインク
ジェット記録装置において、配列された複数の貫通孔を
有する多層絶縁性基板、該多層絶縁性基板表面の該貫通
孔周囲に形成され、前記静電力を作用させるための複数
の制御電極、及び該制御電極から各々引き出され、該多
層絶縁性基板表面、あるいはスルーホールを介して該多
層絶縁性基板の各層間のいずれかに分けて導かれた引き
出し線を有する制御電極基板と、前記貫通孔の略中心位
置に配置され、インク滴飛翔方向に突出された凸状イン
クガイドと、該貫通孔を通して凸状インクガイドに前記
インクを供給するインク供給手段とを具備することを特
徴とするインクジェット記録装置を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録装置
は、配列された複数の貫通孔を有する絶縁性基板、絶縁
性基板表面の貫通孔周囲に形成され、静電力を作用させ
るための複数の制御電極、及び制御電極から各々引き出
され、スルーホールを介して多層絶縁性基板の層間に導
かれた引き出し線を有する制御電極基板と、貫通孔の略
中心位置に配置され、インク滴飛翔方向に突出された凸
状インクガイドと、貫通孔を通して凸状インクガイドに
インクを供給するインク供給手段とを備える。
【0016】色材成分は、プラスあるいはマイナス帯電
性のもので、この色材成分と同極性の静電力を作用させ
て少なくとも色材成分を含むインク滴を記録媒体に向け
て飛翔させることにより記録を行うことが好ましい。
【0017】また、凸状インクガイドは、略中心位置に
スリット状の溝が形成されていることが好ましい。本発
明によれば、画点に対応して、インク突出部を構成する
複数の貫通孔及びこの貫通孔からインク滴飛翔方向に突
出された凸状インクガイドが設けられた構成を有するた
め、インクは画点に対応して分離して各凸状インクガイ
ドのインク滴飛翔位置まで供給される。このとき、イン
クはぬれや表面張力を利用して凸状インクガイド上をイ
ンク滴飛翔位置まで移動する。このため、ノズルでの目
詰まりがなく、しかもインク滴飛翔位置やインク滴飛翔
位置でのメニスカスが一様に決まるので、インクの圧力
や大気圧、機械的な振動、および隣接ドットの影響を受
けることなく、インク滴の飛翔が安定化され、濃度の安
定した高品質の記録を行うことができる。このようにし
て、インク中の色材成分をインク滴の吐出位置である制
御電極の最先端に安定して供給することでき、またイン
ク滴の吐出位置を安定化し、インク滴を目詰まりを起こ
すことなく吐出・飛翔させることが可能となる。
【0018】また、本願発明では、絶縁性基板として多
層基板を用い、制御電極から各々引き出された引き出し
線を、スルーホールを介して多層基板の層間に導き、制
御電極のないより広い領域に引き出し線を形成してい
る。これは、絶縁性基板表面に引き出し線を設けた場合
には、この表面に形成された制御電極間の狭い間隔を通
して複数の引き出し線を導くよう設定しなければならな
いため、インク吐出部のピッチに限界があり、高解像度
化が困難となるからである。
【0019】この様子を図面を用いて以下に説明する。
図1に、絶縁性基板表面に引き出し線を設けたインクジ
ェット記録装置のヘッド主要部の構造を表わす該略図、
図2にその表面領域の斜視図を示す。
【0020】図1に示すように、インク16で満たされ
たインクタンク17の一面には、貫通孔10が形成され
た絶縁性基板11が設けられている。図1及び図2に示
すよように、貫通孔10の中央には、真ん中にスリット
12の形成された突起状のインクガイド13が挿入され
ている。また貫通孔10の周辺には、制御電極14が形
成されており、更に個々の制御電極14に個別に電圧を
印加するための引き出し線15が形成されている。イン
クガイド13は例えばポリイミドなどの絶縁性樹脂やセ
ラミックスから構成され、絶縁性基板11に形成された
貫通孔10と同じピッチで、一列につながった状態で形
成されており、インク吐出方向に向けて立たせた構造と
なっている。この様な構造のヘッドでインクを吐出させ
た制御電極14に記録電圧を印加すると、インクガイド
13のスリット12を上っていたインクが、制御電極1
4と対向電極20の間の電界により飛び出し、対向して
配置された記録媒体21上に画像を形成することができ
る。インクガイド13の突起があることにより、インク
吐出点が安定するので、綺麗な安定した画像を記録でき
る。また、スリット12を毛管力によりインクが上るた
め、吐出点までインクを安定して供給できる。
【0021】しかしながら、図1に示す方式のインクジ
ェットヘッドでは、高解像度の記録ヘッドを作製できな
い。現在、他のインクジェット記録方式では720dp
i程度の解像度のヘッドも作製されている。しかし、こ
の方式では、貫通孔10の大きさは約200μm程度で
あり、更に、それより大きな制御電極14が貫通孔10
の周辺に形成されているために、一列で形成できるヘッ
ドの解像度は約50ドット/inch程度が限界であ
る。50dpiのヘッドを斜めに配置すれば、高解像度
化は限りなく実現できる。しかし、ヘッドの大きさは非
常に大きくなってしまう。例えば50dpiのヘッドを
斜めに置いて800dpiにする場合には、210mm
のA4幅を一度に記録するために、理論的に、約3.3
mの幅のヘッドが必要なことになり、現実的ではない。
【0022】これを避ける一つの方法としては、記録紙
をドラム状に保持して、50dpiのヘッドで記録しな
がら、ドラムをヘッドに対して1周で800dpiづつ
横方向に移動させ、16回転させることにより800d
piの画像を記録する。この様な方法で高解像度化が可
能であるが、この場合には、記録速度が800dpiの
高解像度ヘッドを使用した場合と比較すると、1/16
まで遅くなってしまう。
【0023】更にこの様な問題を回避する別の方法とし
ては、インクの吐出部を一列ではなく、多数列にして平
面上に多数展開する方法がある。インク吐出部を平面上
に千鳥配置するので、理論的には高解像度化できるはず
である。しかし、実際にヘッドを設計して見ると、制御
電極10の引出し線が多数になり、制御電極間の狭い部
分に多数の引き出し線を形成しなければならず、引き出
し線が非常に高密度になってしまう。その結果、インク
吐出部を平面上に並べる方法でも、実用的にはやはり5
0ドット/inch程度が限界であり、これ以上の高解
像度ヘッドが作製できない。
【0024】これに対し、本発明では、絶縁性基板とし
て多層基板を用い、制御電極から各々引き出された引き
出し線を、スルーホールを介して多層基板の層間に導く
ことにより、制御電極のない広い領域に引き出し線を形
成することができる。これにより、インク吐出部の貫通
孔のピッチをより狭くすることが可能となり、高解像度
のインクジェット装置が得られる。
【0025】さらに、本発明によれば、絶縁性基板表面
あるいは多層絶縁性基板の各層間に分けて引き出し線を
導くことができる。これにより、各引き出し線は、導通
することなく深さ方向に重ねられ、インク吐出部の貫通
孔のピッチをさらに狭くすることが可能となり、より高
解像度のインクジェット装置が得られる。
【0026】図3に、本発明に係るインクジェット記録
装置のヘッド主要部の構成を表わす概略断面図、及び図
4に、図3の表面領域の斜視図を示す。図3及び図4
は、制御基板111が多層例えば4層になっており、制
御電極14と接続される引き出し線15′各々、多層基
板の層間に分けて導かれていること以外は、図1及び図
2と同様である。各制御電極14に電圧を印加するため
の引き出し線15,115,125,135は、多層絶
縁性基板表面及び多層絶縁性基板の各層間からスルーホ
ール18を通して、表面の制御電極14へと接続されて
いる。具体的には、1番目の制御電極14への引き出し
線15は制御基板111の表面層に形成し、2番目の制
御電極14への引き出し線115は制御基板111の2
層目に形成し、3番目の制御電極14への引き出し線1
25は制御基板111の3層目に形成し、4番目の制御
電極14への引き出し線135は制御基板111の4層
目に形成されている。この様なヘッド構成にすることに
より、図1及び図2の例では、制御基板の表面層には4
本の引き出し線15を形成する領域が必要であったが、
図3及び図4に示した例では、4本の引き出し線15,
115,125,及び135を深さ方向で重ねることが
可能であるため、1本分の配線領域があれば充分であ
る。
【0027】図3及び図4では一列の例を示したが、高
解像度化する場合は、さらにこの様な列を多数並べるこ
とができる。図5を用いて、多数列になった場合につい
て説明する。図5は、4個のインク吐出部が3列並んだ
ヘッドを、貫通孔10の上から見た図である。この場
合、インクガイド13は、図の点線のように3列に並ん
でいる。ここで、矢印Aの方向から見た解像度を例えば
200dpiとする場合を考える。各列の間の距離を5
0dpi相当に配置し、各列の角度を調整することによ
って、矢印Aの方向から見た解像度を200dpiにす
ることができる。各列の間の距離は50dpi相当であ
るので約500μm、貫通孔10の穴径が200μm、
制御電極14の幅が50μmとすると、制御電極間で引
き出し線15を配線できる領域の最も短い部分は、約2
00μmとなる。図1及び図2に示したインクジェット
記録装置では、最も厳しい場合を考えると、図のように
制御電極14の間に、3本の引き出し線15を形成しな
ければならない。つまりこの部分では、200μmの間
に3本の引き出し線15を形成することになるので、引
き出し線15のライン/スペースは、ほぼ30μm/3
0μmとなる。この様な配線を通常のエッチング技術で
安定に形成することは困難であり、実用に適していな
い。更に高解像度のヘッドは作製することが困難であ
る。
【0028】これに対し、本発明の方式では各層にそれ
ぞれ一本の引き出し線を形成すれば良いので、ライン/
スペースも70μm程度になるため、通常の技術で歩留
まり良く容易に作製できるようになる。
【0029】以上述べた様に本発明よれば、十分な高解
像度を有するインクジェット記録装置が得られる。な
お、上述の例は一例であり、インクガイドの突起の数や
制御基板の層数は、この例に限定されるものではない。
また、図3の例では、表面に引き出し線を一本形成して
あるが、全ての引き出し線が多層基板の層間に形成され
ていても問題ない。また制御電極および表面に形成され
た引き出し線は、表面に薄い樹脂などで絶縁膜を形成す
ることができる。これは、各制御電極間には数100V
の電圧が印加されるので、距離が狭くなっている部分で
は放電を生ずることを防ぐためである。また、特に長時
間使用したり、埃の多い場所などで使用すると、導電性
の埃が制御電極に付着することで、ますます放電し易く
なる。導電性のインクを使用した場合にも、放電を生じ
易くなる。これらの放電を避けるためにも、電極部分に
は絶縁層を形成しておくことが好ましい。但し、厚い絶
縁層を形成してしまうと制御電極に印加した電圧が、イ
ンクガイド先端に十分にかからなくなるので、絶縁膜と
しては、例えば絶縁性の高いパリレンなどの樹脂を例え
ば数μm〜10数μm程度、蒸着などで付着させること
が好ましい。
【0030】図6に、本発明のインクジェット記録装置
の他の例のインク吐出部の配列を表わす概略断面図を示
す。この例では、制御電極および貫通孔が、主走査・副
走査方向とも50dpi相当の解像度で平面上に多数形
成されている例である。引き出し線の伸びている方向を
副走査方向、これと直交する方向を主走査方向とする
と、このヘッドの場合には、副走査方向に走査すること
により、主走査方向に400dpiの解像度の画像を形
成することができる。この例では主走査方向に16列並
んでいるが、この数を大きくして記録紙の幅と同じにす
るとラインヘッドを構成することができる。A4幅のラ
インヘッドの場合には、約400列必要になる。この様
なラインヘッドを構成する場合には、インクガイドは図
6に示した点線の方向に並べるのが望ましい。どの様に
長いヘッドの場合でもインクガイドは8本で間に合うか
らである。図5に示した様な方向にすると、インクガイ
ドの数がA4幅の場合には400個も必要になるためで
ある。また、インクガイドの作製時のばらつきも、イン
クガイドを図の様に並べた場合には、吸収されて見えに
くくなる。
【0031】図3及び図4と比較すると、副走査方向に
8列並んでいるので、4層の多層制御基板で作製する場
合には、一層当たり2本の引き出し線を形成する。ここ
で貫通孔を200μm、制御電極を300μmの正方形
とすると、制御電極間の距離は図5で示した例と同様、
約200μmである。図6の様に、表面の層ではこの電
極が最も近づいている場所で200μmであり、ここに
一本の引き出し線が通れば良い。従って引き出し線のラ
イン/スペースは約70μmとなり、これは十分に作製
可能な値である。また内部の層に形成されている引き出
し線は、貫通孔の間にそれぞれ2本づつの引き出し線が
通される。図7、図8、及び図9には、それぞれ2層
目、3層目、及び4層目の上の引き出し線の配線パター
ンの一例を示す。2層目、3層目、及び4層目上には、
制御電極が形成されていないので、多層絶縁性基板内部
の引き出し線は、スルーホールを通して1層目の上の制
御電極に接続されている。従って、引き出し線は、貫通
孔の間すなわち約300μmの間に2本の引き出し線を
通せば良いことになる。内部の引き出し線のライン/ス
ペースは約60μmとなり、この程度なら通常のエッチ
ング技術でも対応可能な値である。つまり400dpi
程度の解像度のヘッドを造る場合にも、4層の多層基板
を使用すれば、造ることが可能である。もちろん、4層
以上の多層基板を使えば条件が緩くなるが、インクガイ
ドの突起の長さが長くなってしまうので、できる限り層
数は小さくするのが望ましい。
【0032】なお、この例では、制御電極は円形、角型
のいずれでも構わない。エッチングなどで貫通孔を形成
すれば、円形でなく角型の貫通孔も作製可能である。ま
た、この例では、8個の制御電極を端から2個毎に1層
目〜4層目に配線してあるが、本発明はこれに制限され
るものではない。例えば、左端から1番目と5番目の制
御電極の引き出しを線を一層目に配線し、同様に2番目
と6番目を二層目、3番目と7番目を三層目、4番目と
8番目を四層目に配線する様な方法でも構わない。つま
り、各層に2つの引き出し線を配線するのであれば、ど
の制御電極の引き出し線を、どの層に配線しても問題無
い。
【0033】さらに、図10に、本発明のインクジェッ
ト記録装置のさらに他の例について示す。今までの例で
は全て引き出し線を一方向だけに取り出していたが、こ
の例では両方向に引き出し線を取り出す例を示してあ
る。両側に引き出し線を形成することで、ヘッドは更に
2倍まで高解像度化される。つまり副走査方向に更に8
列増やし16列にし、新たに増やした部分の貫通孔が、
主走査方向で図3に示した貫通孔の間に入るように、ま
た副走査方向では副走査の制御電極ピッチの1.5倍離
れた位置に配置する。
【0034】このようにすることで、主走査方向の解像
度が800dpiのヘッドを実現することができる。多
層基板の層数は多ければ何層でも構わないが、現在の技
術でも多層基板は4層で充分であり、それぞれの層には
4本の引き出し線が2本づつ両側に引き出される構造と
なっている。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット記録装置を用いると、インク中の色材成分をイン
ク滴の吐出位置である制御電極の最先端に安定して供給
し、またインク滴の吐出位置が安定であって、インク滴
を目詰まりなく安定して吐出・飛翔させることができ
る。
【0036】さらに、本発明のインクジェット記録装置
では、インク吐出に必要な静電力を付与する制御電極に
電圧を供給する引き出し線を、多層構造の制御基板の内
部の層間に配線したことにより、引き出し線間の導通を
発生することなく、インク吐出部の貫通孔のピッチをよ
り狭くし、解像度をあげることができる。
【0037】さらにまた、引き出し線を、絶縁性基板表
面あるいは多層絶縁性基板の各層間に分けて形成するこ
とより、インク吐出部の貫通孔のピッチをさらに狭くす
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 絶縁性基板表面に引き出し線を設けたインク
ジェット記録装置のヘッド主要部の構造を表わす該略図
【図2】 図1の表面領域の斜視図
【図3】 本発明に係るインクジェット記録装置のヘッ
ド主要部の構成を表わす概略断面図
【図4】 図3の表面領域の斜視図
【図5】 4個のインク吐出部が3列並んだヘッドの様
子を表わす該略図
【図6】 本発明のインクジェット記録装置の他の例の
インク吐出部の配列を表わす概略断面図
【図7】 図6の二層目の上の引き出し線パターンの一
【図8】 図6の三層目の上の引き出し線パターンの一
【図9】 図6の四層目の上の引き出し線パターンの一
【図10】 本発明のインクジェット記録装置のさらに
他の例のインク吐出部の配列を表わす概略断面図
【符号の説明】
10…貫通孔 11…制御基板 12…スリット 13…インクガイド 14…制御電極 15,115,125,135…引き出し線 16…インク 17…インクタンク 18…スルーホール 20…対向電極 21…記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保坂 靖夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中尾 英之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 石井 浩一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 樋口 和彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒中に色材成分を分散させたインクに
    静電力を作用させて、少なくともこの色材成分を含むイ
    ンク滴を記録媒体に向けて飛翔させることにより記録を
    行うインクジェット記録装置において、 配列された複数の貫通孔を有する多層絶縁性基板、該多
    層絶縁性基板表面の該貫通孔周囲に形成され、前記静電
    力を作用させるための複数の制御電極、及び該制御電極
    から各々引き出され、スルーホールを介して該多層絶縁
    性基板の層間に導かれた引き出し線を有する制御電極基
    板と、 前記貫通孔の略中心位置に配置され、インク滴飛翔方向
    に突出された凸状インクガイドと、 該貫通孔を通して凸状インクガイドに前記インクを供給
    するインク供給手段とを具備することを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 溶媒中に色材成分を分散させたインクに
    静電力を作用させて、少なくともこの色材成分を含むイ
    ンク滴を記録媒体に向けて飛翔させることにより記録を
    行うインクジェット記録装置において、 配列された複数の貫通孔を有する多層絶縁性基板、該多
    層絶縁性基板表面の該貫通孔周囲に形成され、前記静電
    力を作用させるための複数の制御電極、及び該制御電極
    から各々引き出され、該多層絶縁性基板表面、あるいは
    スルーホールを介して該多層絶縁性基板の各層間のいず
    れかに分けて導かれた引き出し線を有する制御電極基板
    と、 前記貫通孔の略中心位置に配置され、インク滴飛翔方向
    に突出された凸状インクガイドと、 該貫通孔を通して凸状インクガイドに前記インクを供給
    するインク供給手段とを具備することを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
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