JPH11268275A - ライン型静電式インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

ライン型静電式インクジェットヘッドおよびその製造方法

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JPH11268275A
JPH11268275A JP7014698A JP7014698A JPH11268275A JP H11268275 A JPH11268275 A JP H11268275A JP 7014698 A JP7014698 A JP 7014698A JP 7014698 A JP7014698 A JP 7014698A JP H11268275 A JPH11268275 A JP H11268275A
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ink
recording
type electrostatic
line type
resistance
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JP7014698A
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Hiroshi Shibata
寛 柴田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マトリックス形の駆動回路を簡単な構造で実
現することのできるライン型静電式インクジェットヘッ
ドを得ることを目的とする。 【解決手段】 ヘッド基板10と、ヘッド基板10に取
り付けられ、所定の比抵抗を有するインクが吐出される
スリット状のインク吐出孔が形成されたノズル板と、イ
ンク吐出孔に沿って配設され、インク吐出孔と直交して
延びてインク吐出用の電界を発生させる複数の記録電極
13と、それぞれの記録電極13に2本が電気的に接続
され、インク吐出孔のインクを吐出させるパルス電圧を
記録電極13に伝送するリード線14と、リード線14
に設けられ、1MΩ〜100MΩの抵抗値を有する高抵
抗リード15とを備えたライン型静電式インクジェット
ヘッドとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電力によりイン
クを吐出させて記録紙に印字を行うライン型静電式イン
クジェットヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ノンインパクト記録技術は、記録時にお
ける騒音の発生が無視し得る程度に極めて小さいという
点において、最近関心を集めている。特に、簡単な機構
で普通紙に高速記録を行うことができるインクジェット
記録技術は極めて有力な記録技術であって、これまでに
も様々な方式が提案されており、現在もなお、高速記録
化、高解像度化、フルカラー化に適した技術が鋭意研究
されている。なかでも発熱体の熱により発生する蒸気の
圧力でインク滴を吐出させるバブルジェット方式(特公
昭61−59911号)や、圧電素子によって発生され
る機械的な圧力パルスによりインク滴を吐出させるピエ
ゾ方式(特公昭53−12138号)のように、複数の
ドットを並列に記録するマルチノズルタイプが代表的な
ものである。
【0003】インクジェットプリンタに使用される記録
ヘッドとしては、キャリッジに搭載されて記録紙の搬送
方向(副走査方向)に対し直交する方向(主走査方向)
に移動して記録を行うシリアル走査型ヘッドが実用化さ
れている。このシリアル走査型ヘッドでは、機械的に移
動して記録を行うため、記録速度を速くすることが難し
い。
【0004】そこで、記録ヘッドを記録紙の幅と同じサ
イズの長尺ヘッドとして機械的な可動部分を減らし、記
録速度を上げることができるいわゆるライン走査型ヘッ
ドを使用したインクジェットプリンタが提案されてい
る。
【0005】しかし、このようなインクジェットプリン
タを実現することはノズル数が従来のシリアルインクジ
ェットプリンタと比較して10倍程度増加するので、ノ
ズルの目詰まりの防止と目詰まりしたノズルの復旧の観
点から問題がある。しかも、高消費電力のインクジェッ
トプリンタとなるので、省エネルギーの電気製品が推奨
されている現在では好ましいものとはいえない。さら
に、従来のインクジェットプリンタでは解像度の向上が
困難であるという問題点もある。つまり、蒸気の圧力を
使うバブルジェット方式では、直径20μm(これは記
録紙上に直径50数μmくらいの記録ドットに相当す
る)以下の粒径のインク粒を生成するのが難しく、また
圧電素子が発生する圧力を使うピエゾ方式では、記録ヘ
ッドが複雑な構造となるために加工技術上の問題で解像
度の高いヘッドが作りにくいからである。
【0006】これらの欠点を克服するために、薄膜の電
極アレイに電圧を印加し、静電気力を用いてインクを吐
出させるライン型静電式インクジェット記録技術が提案
されている。具体的には、特開昭49−62024号公
報記載の炭化水素系溶剤に着色材を分散させたインクを
スリット状ノズルをからインクを吐出させる技術があ
る。この技術では、記録ヘッドの構成が個別のドット毎
のノズルを必要としないスリット状のノズル構成あるた
めに、ライン走査型記録ヘッドを実現する上で大きな障
害であった目詰まりの防止と復旧に対して有効である。
【0007】また、静電式インクジェット記録方式は記
録信号パルス長により直径10μm程度の記録ドットを
容易に形成でき、信号電圧幅を変化させることにより、
直径100μm以上の大きな記録ドットも形成できる。
従って、高解像度化と同時に多値面積階調も可能である
ために、高解像度化フルカラー化に最も適したインクジ
ェット技術といえる。
【0008】さらに、静電式インクジェット記録技術は
インク滴を吐出させるエネルギーが前述した他の技術と
比較して1桁以上小さいので、従来のシリアルインクジ
ェットプリンタと同等の低消費電力のラインインクジェ
ットプリンタを実現することができる。
【0009】以下、従来のライン型静電式インクジェッ
トヘッドの構成とインク吐出過程及びその駆動について
説明する。
【0010】図14は従来のライン型静電式インクジェ
ットヘッドの概略構成を示す斜視図、図15は従来のラ
イン型静電式インクジェットヘッドのヘッド基板の構成
を示す斜視図である。
【0011】図14および図15に示すように、ヘッド
基板10には、インク吐出孔19となるスリット状開口
部を持つノズル板11が接着されている。また、ヘッド
基板10には、インク吐出孔19と直交してこのインク
吐出孔19に沿って複数設けられた記録電極13の先端
にインクを供給するためのインクタンク12が搭載され
ている。このように、従来のライン型静電式インクジェ
ットヘッドは、インク(図示せず)を保持するインク吐
出孔19が設けられ、このインク吐出孔19と直交する
複数の記録電極13が配設されており、記録電極13の
先端近傍に存在するインクに電界が集中するように構成
されている。なお、記録電極13の先端は凸状の形状に
なっていれば電界の集中性が一層良好になる。
【0012】ヘッド基板10は、記録電極13の他に、
この記録電極13から延びるリード線14と、リード線
14を介して記録電極13をドライバに電気的に接合す
るためのパッド16が設けられている。このパッド16
はFPC配線基板(図示せず)にボンディングされる。
なお、一般に、FPC配線基板にはマトリックス回路及
びドライバIC等が搭載されている。
【0013】次に、図16を参照して、従来のライン型
静電式インクジェットヘッドの記録部について説明す
る。ここで、図16は従来のライン型静電式インクジェ
ットヘッドの記録部の概略構成を示す説明図である。
【0014】インクタンク12内とスリット状のインク
流路内にインクが充填された状態において、インクは表
面張力によりインク吐出孔19の周囲内にメニスカス3
1を形成する。インクタンク12内のインクには100
Pa程度の正圧が付与されているために、メニスカス3
1はインク吐出孔19から緩やかに飛び出した状態で形
成される。そして、インク吐出方向には、インクの記録
媒体となる記録紙(図示せず)と、この記録紙の背面に
位置してインクを静電力で吐出させる対向電極33が配
置される。対向電極33は記録時には−1kV程度の電
圧が印加され、記録電極の電位が制御されることにな
る。
【0015】次に、従来のライン型静電式インクジェッ
トヘッドのインク吐出過程を図17を参照して詳細に説
明する。ここで、図17は従来のライン型静電式インク
ジェットヘッドのインク吐出の動作を連続的に示す説明
図である。
【0016】非記録時においては、図17(a)に示す
ように、対向電極33に電圧印加されており、記録電極
13には電圧が印加されていない。この状態において
は、メニスカス31はノズル板11の開口部において記
録電極13の先端形状に沿って緩やかに飛び出した形状
になっている。次に、記録時には、ドライバ3により記
録電極13に信号パルス電圧が印加され、記録電極13
の先端に電界が集中するとともにメニスカス31表面に
電荷がチャージされるので、図17(b)に示すよう
に、静電力によりメニスカス31が対向電極33に向か
い成長していく。そして、ついには、図17(c)に示
すように、インク30は記録紙32に向かって吐出す
る。さらに、図17(d)に示すように、ドライバ3に
より信号パルス電圧が切られると、吐出したインク30
は対向電極33との間に配置された記録紙32に付着
し、ヒータ(図示せず)により加熱され、定着される。
これにより、記録紙32への記録が行われる。所望のイ
ンクの吐出が終わると、インク30がインク吐出孔19
に移動することによりインク30が補給され、図17
(e)に示すように、インク30のメニスカス31は、
インク吐出前の初期状態と同じくインク吐出孔19にお
いて記録電極13の先端形状に沿って緩やかに飛び出し
た形状になる。そして、以後は以上説明したインク吐出
の動作が繰り返され、継続して記録が行われる。
【0017】次に、このインクが吐出する際の駆動法を
説明する。一般に、ライン型静電式インクジェットヘッ
ドでは時分割駆動法が行われている。そして、複数の記
録電極13の時分割駆動には、マトリックス形駆動法が
採用されている。また、マトリックス形駆動法の記録電
極13の選択は、外部のマトリックス構成の回路すなわ
ちFPC配線基板等の外部電気回路で行なわれる。
【0018】ここでは、図18を参照して一般的なマト
リックス形駆動法について説明を行う。図18はm×n
マトリックス形駆動法の駆動原理を示す説明図である。
【0019】図示するように、記録電極13に対応し
て、この記録電極13に電圧を印加するためのドライバ
X1〜Xm,Y1〜Ynが設けられている。そして、所
定の記録電極13をドライバX1〜Xm,Y1〜Ynで
駆動するため、記録電極13は、AND回路を構成する
抵抗やダイオード等の素子を介してドライバX1〜X
m,Y1〜Ynと電気的に接続されている。記録電極は
m×n本、ドライバはm+n個設けられている。そし
て、記録電極Emnを選択するには、X側m、Y側nの
ドライバにより記録に必要な電圧を印加することによ
る。
【0020】ライン型静電式インクジェットヘッドのマ
トリックス形駆動法としてよく用いられるものは、抵抗
マトリックス形駆動法と抵抗ダイオードマトリックス形
駆動法である。このマトリックス形駆動法の長所は、ド
ライバICを少なくできることにある。図18の場合に
おいては、m×n−(m+n)個の削減が可能となる。
従って、低コストのライン型静電式インクジェットヘッ
ドの実現には不可欠な駆動技術となっている。
【0021】さらに、詳細に抵抗マトリックス形駆動法
の具体例を以下に説明する。具体例として16本の記録
電極について説明する。図19および図20は記録電極
と記録電極ドライバとの接続関係を示す説明図である。
ここで、図19は抵抗マトリックス形駆動法の駆動原理
を示す説明図、図20は抵抗マトリックス形駆動法を用
いたFPC配線基板40とライン型静電式インクジェッ
トヘッド41との接続状態を示す回路図である。なお、
図20においてはライン型静電式インクジェットヘッド
41はヘッド基板のみを図示し、ノズル板やインクタン
クは図示していない。また、図19と図20は回路的に
は等価である。
【0022】図19および図20に示すように、16本
の記録電極E1〜E16が各インク吐出孔に対応して設
けられている。また、複数(ここでは4つ)の第1の記
録電極ドライバ1a〜1dが第1の抵抗R1〜R16を
介して記録電極E1〜E16と電気的に接続されてい
る。第1の記録電極ドライバ1aは記録電極E1〜E4
と、第1の記録電極ドライバ1bは記録電極E5〜E8
と、第1の記録電極ドライバ1cは記録電極E9〜E1
2と、第1の記録電極ドライバ1dは記録電極E13〜
E16とそれぞれ接続されている。そして、このように
相互に異なるグループの記録電極E1〜E16と接続さ
れた第1の記録電極ドライバ1a〜1dは、それぞれグ
ループ単位で記録電極E1〜E16に所定の電圧を印加
する。
【0023】また、複数(ここでは4つ)の第2の記録
電極ドライバ2a〜2dが第2の抵抗R17〜R32を
介して記録電極E1〜E16と電気的に接続されてい
る。第2の記録電極ドライバ2aは記録電極E1,E
5,E9,E13と、第2の記録電極ドライバ2bは記
録電極E2,E6,E10,E14と,第2の記録電極
ドライバ9は記録電極E3,E7,E11,E15と、
第2の記録電極ドライバ2dは記録電極E4,E8,E
12,E16とそれぞれ接続されている。そして、この
ように第1の記録電極ドライバ1a〜1dに対するグル
ープ分けで相互に異なるグループが同一のグループとな
る記録電極E1〜E16と電気的に接続された第2の記
録電極ドライバ2a〜2dは、第1の記録電極ドライバ
1a〜1dの場合と同じように、グループ単位で記録電
極E1〜E16に所定の電圧を印加する。従って、この
ような第1の記録電極ドライバ1a〜1dによる電圧印
加タイミング及び第2の記録電極ドライバ2a〜2dに
よる電圧印加タイミングの組み合わせにより記録電極E
1〜E16が時分割駆動される(ここでは4分割駆
動)。なお、第1の抵抗R1〜R16の抵抗値は全て同
一となっている。また、第2の抵抗R17〜R32の抵
抗値も全て同一となっている。但し、第1の抵抗R1〜
R16と第2の抵抗R17〜R32の抵抗値は同一でな
くてもよい。
【0024】静電方式によるインク吐出原理は、記録電
極E1〜E16と対向電極(図示せず)とに電圧を印加
すること、あるいは印加しないことによる両者間の電界
の強弱、つまり対向電極と記録電極の電位の大小によ
り、それぞれの記録電極E1〜E16に対応して設けら
れたインク吐出孔からインクの吐出あるいは非吐出を行
うものである。
【0025】そして、記録電極E1〜E4と対向電極と
の間の電位差は、第1分割期間中では第1の記録電極ド
ライバ1aと第2の記録電極ドライバ2a〜2dとで制
御される。同様に記録電極E5〜E8と対向電極との間
の電位差は、第2分割期間中では第1の記録電極ドライ
バ1bと第2の記録電極ドライバ2a〜2dとで制御さ
れる。従って、第1の記録電極ドライバ1aをHレベル
(300V)、第1の記録電極ドライバ1b〜1dをL
レベル(GND)とすることにより、第1分割期間がア
クティブとなる。第1分割期間中においては第1の記録
電極ドライバ1aが接続された記録電極E1〜E4が選
択されると同時に、例えば第2の記録電極ドライバ2
a,2cをHレベル(300V)、第2の記録電極ドラ
イバ2b,2dをLレベル(GND)とすることによ
り、記録電極E1〜E4と対向電極との間の電位の大小
が決定され、インク吐出孔からインクの吐出、非吐出が
行われる。
【0026】次に、記録電極E1〜E16からのインク
の吐出及び非吐出状態の電位について説明する。なお、
ここではインクの吐出電位は1.3kVとする。
【0027】第1分割期間中の記録電極E1,E3に印
加される電圧は、第1の記録電極ドライバ1aがHレベ
ル(300V)、第2の記録電極ドライバ2a、2cが
Hレベル(300V)のため、抵抗分割から、 (300×R+300×R)/(R+R)=600R/
(2R)=300V となる。また、対向電極には−1kVが印加されている
ので、記録電極E1,E3と対向電極との電位差はイン
クの吐出電位である1.3kVとなり、記録電極E1,
E3に対応したインク吐出孔からインクが吐出される。
【0028】一方、第1分割期間中の記録電極E2,E
4に印加される電圧は、第1の記録電極ドライバ1aが
Hレベル(300V)、第2の記録電極ドライバ2a、
2dがLレベル(GND)のため、抵抗分割から、 (300×R+0×R)/(R+R)=300R/(2
R)=150V となり、対向電極との電位差は1.15kVとなる。従
って、吐出電位である1.3kVには到達せず、インク
の非吐出状態が維持される。一般に、抵抗のみを用いた
抵抗マトリックス形駆動法では半選択電圧が記録電極に
誘起されるが、この半選択電圧を記録のインクの吐出電
圧(ここでは1.3kV)以下にしておけば不要な記録
を生じない。
【0029】同様にして、第2分割期間中では第1の記
録電極ドライバ1bがHレベルとなり、第2の記録電極
ドライバ2a、2b、2dがHレベル、第2の記録電極
ドライバ2cがLレベルとなる場合では、対向電極と記
録電極E5,E6,E8との電位差が吐出電位である
1.3kVとなり、対向電極と記録電極E7との電位差
が非吐出電位である1.15kVとなる。
【0030】第1,2分割期間中における対向電極と記
録電極E1〜E4、E5〜E8との電位差及び第3、4
分割期間以降の対向電極と記録電極E9〜E12,E1
3〜E16との電位差もこのようにして第1の記録電極
ドライバ1a〜1dと第2の記録電極ドライバ2a〜2
dとが協働した印加電圧制御を行うことで時分割駆動が
可能となる。
【0031】なお、抵抗ダイオードマトリックス形駆動
法も同様の構成と動作であるが、この場合はR1〜R1
6をダイオードとし、ドライバ側をカソード、記録電極
側をアノードにして置き換え接続する。なお、抵抗ダイ
オードマトリックス形駆動法では半選択電圧が生じない
ので、制御電圧の余裕度が高い。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のマトリックス形駆動技術を採用したライン
型静電式インクジェットヘッドの場合、FPC配線基板
上に多数の抵抗またはダイオードを配置する必要があ
る。そして、抵抗マトリックス形駆動法の場合は、電極
総数の2倍の数の抵抗が必要となるし、抵抗ダイオード
マトリックス形駆動法の場合は、電極総数の同数の抵抗
とダイオードが必要となる。従って、マトリックス形駆
動技術によりドライバICの数を激減できても、FPC
配線基板上には、非常に多くの抵抗またはダイオード部
品を搭載することが必要となる。
【0033】具体的には、300dpiA4カラーライ
ンヘッドにおいては、抵抗マトリックス形駆動法の場合
は、20000個の抵抗が必要となるし、抵抗ダイオー
ドマトリックス形駆動法の場合は、10000個の抵抗
とダイオードが必要となる。そして、その電気的接点の
煩雑さと共に、FPC配線基板面積の肥大化は避けられ
ない。
【0034】さらに、画質の高密度化及び高速度化に伴
って記録電極の数が多くなるために、必ずしも低コスト
のマトリックス形駆動法によるライン型静電式インクジ
ェットヘッドが実現できるとは限らない。
【0035】また、静電式インクジェットヘッドのイン
クの吐出は高電圧が必要なことから、放電の可能性があ
る。しかも、ライン型静電式インクジェットヘッドの場
合になると、さらにその可能性は増大する。そして、放
電が生じた場合、すなわち記録電極間放電や記録電極と
対向電極間放電を生じた場合には、放電時の熱で記録電
極や対向電極の金属部分が溶融してしまい記録ヘッドと
しての機能が失われるおそれがある。
【0036】このように、従来のライン型静電式インク
ジェットヘッドでは、駆動手段をなす回路パターンの構
成が複雑でスペース的にもかさばるものとなり、このこ
とは、特に電極数の多いラインヘッドにおいては製造と
コストの両面で克服すべき大きな障害となっている。ま
た、動作の安定性や品質の観点からも克服すべき課題は
多い。
【0037】そこで、本発明は、マトリックス形の駆動
回路を簡単な構造で実現することのできるライン型静電
式インクジェットヘッドを提供することを目的とする。
【0038】また、本発明は、インク吐出時に印加され
る高電圧による放電を防止することのできるライン型静
電式インクジェットヘッドを提供することを目的とす
る。
【0039】そして、本発明は、このようなライン型静
電式インクジェットヘッドを安定して作製することので
きるライン型静電式インクジェットヘッドの製造方法を
提供することを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明のライン型静電式インクジェットヘッドは、
ヘッド基板と、ヘッド基板に取り付けられ、所定の比抵
抗を有するインクが吐出されるスリット状のインク吐出
孔が形成されたノズル板と、インク吐出孔に沿って配設
され、インク吐出孔と直交して延びてインク吐出用の電
界を発生させる複数の記録電極と、それぞれの記録電極
に2本が電気的に接続され、インク吐出孔のインクを吐
出させるパルス電圧を記録電極に伝送するリード線と、
リード線に設けられ、1MΩ〜100MΩの抵抗値を有
する抵抗部材とを備えたものである。
【0041】これにより、マトリックス回路の一部及び
マトリックス形駆動に必要な抵抗がヘッド基板上に集積
されるので、マトリックス形の駆動回路を簡単な構造で
実現することが可能になる。
【0042】また、本発明のライン型静電式インクジェ
ットヘッドは、ヘッド基板と、ヘッド基板に取り付けら
れ、所定の比抵抗を有するインクが吐出されるスリット
状のインク吐出孔が形成されたノズル板と、インク吐出
孔に沿って配設され、インク吐出孔と直交して延びてイ
ンク吐出用の電界を発生させる複数の記録電極と、それ
ぞれの記録電極に2本が電気的に接続され、インク吐出
孔のインクを吐出させるパルス電圧を記録電極に伝送す
るリード線と、各記録電極の一方のリード線に設けら
れ、1MΩ〜100MΩの抵抗値を有する抵抗部材と、
各記録電極の他方のリード線に設けられ、300V以上
の降伏電圧を有するダイオードとを備えたものである。
【0043】これにより、マトリックス回路の一部及び
マトリックス形駆動に必要な抵抗がヘッド基板上に集積
されるので、マトリックス形の駆動回路を簡単な構造で
実現することが可能になる。
【0044】本発明のライン型静電式インクジェットヘ
ッドは、ヘッド基板と、ヘッド基板に取り付けられ、所
定の比抵抗を有するインクが吐出されるスリット状のイ
ンク吐出孔が形成されたノズル板と、インク吐出孔に沿
って配設され、インク吐出孔と直交して延びてインク吐
出用の電界を発生させる複数の記録電極と、それぞれの
記録電極に対して電気的に接続され、インク吐出孔のイ
ンクを吐出させるパルス電圧を記録電極に伝送するリー
ド線と、リード線に設けられ、1MΩ〜100MΩの抵
抗値を有する抵抗部材とを備えたものである。
【0045】これにより、放電時に流れる電流を大幅に
低減させることができるので、インク吐出時に印加され
る高電圧による放電を防止することが可能になる。
【0046】本発明のライン型静電式インクジェットヘ
ッドの製造方法は、前述したライン型静電式インクジェ
ットヘッドにおけるリード線、記録電極および抵抗部材
を、スパッタリング法または蒸着法で導伝性膜を成膜
し、この導伝性膜をフォトリソグラフィー法でパターン
形成し、リフトオフ法またはエッチング法で形状加工し
て形成したものである。
【0047】これにより、製造公差の蓄積なく多数の記
録電極を形成することができて記録電極間の抵抗値のバ
ラツキを極めて小さくすることができるので、高品質の
ライン型静電式インクジェットヘッドを安定して作製す
ることが可能になる。
【0048】本発明のライン型静電式インクジェットヘ
ッドの製造方法は、前述したライン型静電式インクジェ
ットヘッドにおけるダイオードを、所定の導電性を有す
る半導体領域に不純物を選択拡散して形成したものであ
る。
【0049】これにより、製造公差の蓄積なく多数の記
録電極を形成することができて記録電極間の抵抗値のバ
ラツキを極めて小さくすることができるので、高品質の
ライン型静電式インクジェットヘッドを安定して作製す
ることが可能になる。
【0050】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、ヘッド基板と、ヘッド基板に取り付けられ、所定の
比抵抗を有するインクが吐出されるスリット状のインク
吐出孔が形成されたノズル板と、インク吐出孔に沿って
配設され、インク吐出孔と直交して延びてインク吐出用
の電界を発生させる複数の記録電極と、それぞれの記録
電極に2本が電気的に接続され、インク吐出孔のインク
を吐出させるパルス電圧を記録電極に伝送するリード線
と、リード線に設けられ、1MΩ〜100MΩの抵抗値
を有する抵抗部材とを備えたライン型静電式インクジェ
ットヘッドであり、マトリックス回路の一部及びマトリ
ックス形駆動に必要な抵抗がヘッド基板上に集積される
ので、マトリックス形の駆動回路を簡単な構造で実現す
ることが可能になるという作用を有する。
【0051】また、本発明の請求項2に記載の発明は、
ヘッド基板と、ヘッド基板に取り付けられ、所定の比抵
抗を有するインクが吐出されるスリット状のインク吐出
孔が形成されたノズル板と、インク吐出孔に沿って配設
され、インク吐出孔と直交して延びてインク吐出用の電
界を発生させる複数の記録電極と、それぞれの記録電極
に2本が電気的に接続され、インク吐出孔のインクを吐
出させるパルス電圧を記録電極に伝送するリード線と、
各記録電極の一方のリード線に設けられ、1MΩ〜10
0MΩの抵抗値を有する抵抗部材と、各記録電極の他方
のリード線に設けられ、300V以上の降伏電圧を有す
るダイオードとを備えたライン型静電式インクジェット
ヘッドであり、マトリックス回路の一部及びマトリック
ス形駆動に必要な抵抗がヘッド基板上に集積されるの
で、マトリックス形の駆動回路を簡単な構造で実現する
ことが可能になるという作用を有する。
【0052】本発明の請求項3に記載の発明は、ヘッド
基板と、ヘッド基板に取り付けられ、所定の比抵抗を有
するインクが吐出されるスリット状のインク吐出孔が形
成されたノズル板と、インク吐出孔に沿って配設され、
インク吐出孔と直交して延びてインク吐出用の電界を発
生させる複数の記録電極と、それぞれの記録電極に対し
て電気的に接続され、インク吐出孔のインクを吐出させ
るパルス電圧を記録電極に伝送するリード線と、リード
線に設けられ、1MΩ〜100MΩの抵抗値を有する抵
抗部材とを備えたライン型静電式インクジェットヘッド
であり、放電時に流れる電流を大幅に低減させることが
できるので、インク吐出時に印加される高電圧による放
電を防止することが可能になるという作用を有する。
【0053】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1、2または3記載の発明において、抵抗部材には、金
属と酸化物または炭化物との化合物であるサーメットが
用られているライン型静電式インクジェットヘッドであ
り、サーメットにより抵抗値の温度変化の小さくするこ
とができるので、環境温度が変化しても印字性能のバラ
ツキを抑制することが可能になるという作用を有する。
【0054】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1、2、3または4記載のライン型静電式インクジェッ
トヘッドの製造方法であって、リード線、記録電極およ
び抵抗部材を、スパッタリング法または蒸着法で導伝性
膜を成膜し、この導伝性膜をフォトリソグラフィー法で
パターン形成し、リフトオフ法またはエッチング法で形
状加工して形成するライン型静電式インクジェットヘッ
ドの製造方法であり、製造公差の蓄積なく多数の記録電
極を形成することができて記録電極間の抵抗値のバラツ
キを極めて小さくすることができるので、高品質のライ
ン型静電式インクジェットヘッドを安定して作製するこ
とが可能になるという作用を有する。
【0055】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
2または5記載のライン型静電式インクジェットヘッド
の製造方法であって、ダイオードを、所定の導電性を有
する半導体領域に不純物を選択拡散して形成するライン
型静電式インクジェットヘッドの製造方法であり、製造
公差の蓄積なく多数の記録電極を形成することができて
記録電極間の抵抗値のバラツキを極めて小さくすること
ができるので、高品質のライン型静電式インクジェット
ヘッドを安定して作製することが可能になるという作用
を有する。
【0056】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図13を用いて説明する。なお、これらの図面にお
いて同一の部材には同一の符号を付しており、重複した
説明は省略されている。また、これらの図面において、
既に説明した図14から図20と同一の部材にも同一の
符号を付しており、重複した説明は省略されている。
【0057】(実施の形態1)本実施の形態では、抵抗
マトリックス形駆動によるライン型静電式インクジェッ
トヘッドに関して説明を行う。
【0058】ここで、図1は本発明の実施の形態1によ
るライン型静電式インクジェットヘッドの概略構成を示
す斜視図、図2は本発明の実施の形態1によるライン型
静電式インクジェットヘッドのヘッド基板の構成を示す
斜視図、図3〜図8は図1のライン型静電式インクジェ
ットヘッドの製造プロセスを連続的に示す斜視図であ
る。
【0059】実施の形態1におけるライン型静電式イン
クジェットヘッドの構成が従来のライン型静電式インク
ジェットヘッドと異なっている点は、抵抗マトリックス
回路をヘッド基板上に設けたことであり、インクの吐出
形態及びその制御も従来のライン型静電式インクジェッ
トヘッドと同一である。従って、ここではヘッド基板を
中心として説明する。
【0060】図1に示すように、ヘッド基板10には、
インク吐出孔19となるスリット状開口部を持つノズル
板11が取り付けられている。このような実施の形態1
のライン型静電式インクジェットヘッドは、インク(図
示せず)を保持するインク吐出孔19を設け、このイン
ク吐出孔19と直交して延びる複数の記録電極13をイ
ンク吐出孔19に沿って配設し、記録電極13の先端近
傍に存在するインクに電界が集中されるよう構成されて
いる。
【0061】また、図2に示すように、1本の記録電極
13に対して2本のリード線14が接続されている。2
本のリード線14には高抵抗値を有する高抵抗リード
(抵抗部材)15が設けられている。そして、リード線
14と高抵抗リード15とをインクや他のリード線14
と絶縁するために、リード線14および高抵抗リード1
5は絶縁膜17によりコーティングされている。さら
に、リード線14には、このリード線を介して記録電極
13をFPC配線基板(図示せず)と電気的に接合する
ためのパッド16がヘッド基板10上に設けられてい
る。このヘッド基板10のパッド16は、FPC配線基
板にワイヤボンディング等で電気的に接合される。
【0062】なお、リード線14に高抵抗リード15が
付与されているので、実施の形態1におけるFPC配線
基板には抵抗マトリックス形駆動に使用される抵抗部品
が不要となり、当該FPC配線基板は従来と比較して非
常に単純な構成で小型化される。
【0063】次に、図3〜図8を参照して、実施の形態
1におけるライン型静電式インクジェットヘッドの製造
方法を以下に説明する。
【0064】実施の形態1のライン型静電式インクジェ
ットヘッドの製造には半導体プロセスが利用されてい
る。これは、寸法精度が良く、その結果、製造公差の蓄
積のない安定した形状のヘッド基板を形成することがで
きるからである。
【0065】図3に示すヘッド基板10の基板材料に
は、石英や青板ガラス等のガラスやアルミナセラミック
等の絶縁性を有し且つ鏡面からなるものが使用されてい
る。なお、実施の形態1においては、石英ガラスがヘッ
ド基板10の基板材料に用いられている。基板の形状や
寸法及び厚みは特に限定されるものではないが、ここで
は250mm角で厚み1mmとなっている。なお、本実
施の形態のヘッド基板10の寸法は230mm×7mm
であり、250mm角の基板から約30個のヘッド基板
10が作製されることになる。なお、ここでは、ヘッド
基板10が1個の場合で説明されている。
【0066】まず最初に、ヘッド基板10上に高抵抗リ
ード15の形成を行う。ここで、高抵抗となる膜はスパ
ッタリング法または蒸着法で行う。そして、パターン形
成をフォトリソグラフィー法で行い、形状加工をリフト
オフ法またはプラズマエッチング法で行うことにより、
図4に示すような高抵抗リード15が形成される。高抵
抗となる膜は高融点金属(Ta,Nb,Cr等)と酸化
物、炭化物等の化合物であるサーメットを使用する。サ
ーメット抵抗は温度に対する抵抗変化が他の抵抗材料に
比較して低いため好適に用いられる。また、化合物の構
成比により抵抗値を幅広く設定できる点で設計自由度が
高い。
【0067】実施の形態1においては、クロムとSiO
の化合物を使用し、抵抗リード幅20μm、抵抗リード
長さ1mm、厚み0.1μmの形状とした。また、抵抗
膜の比抵抗は2Ωcmで、クロムとSiOの原子比は互
いに50%とした。高抵抗リード15の抵抗値は10M
Ωとした。
【0068】次に記録電極13、パッド16及び通常の
リード線14(低抵抗のリード線)の形成を行う。記録
電極13、パッド16及びリード線15となる導伝性膜
はスパッタリング法または蒸着法で行う。そして、パタ
ーン形成をフォトリソグラフィー法で行い、形状加工を
リフトオフ法または化学エッチング法で行うことによ
り、図5に示すような記録電極13とパッド16とリー
ド線14が形成される。そして、リード線14を介して
高抵抗リード15と記録電極13及びパッド16が接合
される。
【0069】実施の形態1においては、記録電極13と
パッド16となる導伝性膜は、金及び金の密着強化層と
なるTiを蒸着法を用いて形成した。また、パターン形
成はリフトオフ法でおこなった。金及び金の密着強化層
となるTiの形状、厚み等は特に限定されないが、ここ
では、金の厚みが1.0μm、Tiの厚みが0.05μ
mとした。
【0070】次に、リード線14及び高抵抗リード15
の保護を目的に絶縁膜17を形成し、フォトリソグラフ
ィー法によりパッド部と不要な記録電極上の絶縁膜を除
去することにより、図6に示すようなヘッド基板10が
形成される。
【0071】なお、絶縁膜17の材料は、耐インク性及
び絶縁性に優れたものであれば良い。これには無機絶縁
膜や有機絶縁膜等あるが、特に限定されるものではな
い。実施の形態1においては、感光性ポリイミド樹脂が
用いられている。
【0072】ここでヘッド基10板上のパターン形成プ
ロセスは終了する。前述のように、ライン型静電式イン
クジェットヘッドは250mm角基板上に一括して多数
作製される。また、多数作製されたヘッド基板10はダ
イサで個々の基板に切断される。
【0073】ノズル板11は、マイクログラインダ等を
用いてガラス等の絶縁性の基板を溝加工し、インク流路
及びインク吐出孔となるスリット状開口部を形成するこ
とにより作製される。そして、これにより、多数のノズ
ル板11が一括して作製される。ここで、溝加工の深さ
すなわちスリット内高さは、これが高くなるとインク洩
れが発生しやすく、低いとインク流路抵抗が大きくなっ
て記録周波数が低下するために、所定の範囲であること
が必要となり、50〜300μmの範囲で好適である。
実施の形態1においては100μmとした。なお、一括
作製されたノズル板11を1個づつにダイサで切断する
と、個々に分離されたノズル板11が得られる。
【0074】ノズル板11を形成したならば、インク吐
出孔の表面に発インク処理を行う。発インク処理はイン
クのメニスカスを安定的に形成するためにおこなわれ
る。実施の形態1においては、このような発インク処理
にアモルファスフッ素樹脂を使用した。
【0075】次に、図7に示すように、以上の様に作製
されたノズル板11とヘッド基板10とを接着する。そ
してインクタンク12の接着を行い、これが固化されれ
ば、図8に示すようなライン型静電式インクジェットヘ
ッドが完成する。完成後、パッド16とFPC配線基板
とがワイヤボンディング等で接続される。
【0076】ここで、実施の形態1の製造方法に従って
ライン型静電式インクジェットヘッドを作製し、その記
録特性を調べた。ヘッドの形態としては、記録電極13
のピッチは150dpi、高抵抗リード抵抗値は10M
Ω(材料Cr−SiO)とした。また、比較のための従
来のライン型静電式インクジェットヘッドも、記録電極
13のピッチは150dpiとし、10MΩの市販の抵
抗部品をFPC配線基板上に取り付けて使用した。
【0077】これによれば、記録特性は両者ほぼ同等で
あった。唯一異なる点は、記録電極間のドット径のバラ
ツキが従来のライン型静電式インクジェットヘッドの方
が大きく、実施の形態1のライン型静電式インクジェッ
トヘッドの方が印字品質に優れることがわかった。ま
た、環境温度5、25、45℃の範囲で記録電極間のド
ット径のバラツキを調べても同様の結果であった。
【0078】この原因は、(表1)に示すように、記録
電極の抵抗値バラツキと抵抗値の温度変化によることが
わかった。
【0079】
【表1】
【0080】このことにより、各抵抗にバラツキがある
と、記録電極には抵抗分割による電圧が印加されるため
に各記録電極間に電圧にバラツキが生じることになる。
そして、実施の形態1のライン型静電式インクジェット
ヘッドは抵抗材料及び形成方法が優れていることが明ら
かになった。
【0081】すなわち、実施の形態1のライン型静電式
インクジェットヘッドの製造は、一貫した半導体プロセ
スで見られるような高精度の作製技術を使用しているた
め、製造公差の蓄積がなく抵抗値等のバラツキを極めて
小さくできる。、また、高抵抗リードも半導体プロセス
により一括で作製されるので、低コストのライン型静電
式インクジェットヘッドを実現することができる。され
に、実施の形態1の抵抗材料は抵抗部品に比較して抵抗
値の温度変化が小さいため、環境温度変化による抵抗値
等のバラツキも極めて小さくできる。
【0082】なお、実施の形態1においては、高抵抗リ
ード15に10MΩの抵抗を使用したが、1MΩ〜10
0MΩの範囲で同様の効果が確認できた。抵抗値が1M
Ω以下の場合は、記録電極に電圧を印加した時の電流値
が大きくなっていくために消費電力が増加する。その結
果、不要な熱が発生してインクの温度が変化するために
安定したインク吐出が困難となった。また、抵抗値が1
00MΩ以上の場合は、記録電極間の浮遊容量のため
に、記録電極先端に所望の電圧を印加するのに時間遅れ
が発生する。その結果、安定したインク吐出が困難とな
った。
【0083】以上のように、本実施の形態のライン型静
電式インクジェットヘッドによれば、マトリックス形の
駆動回路に必要な抵抗をヘッド基板10上に高抵抗リー
ド15として集積しているので、電気的接点の煩雑さが
解消されてマトリックス形の駆動回路を簡単な構造で実
現することが可能になる。これにより、FPC配線基板
の小型化を図ることができ、コンパクトなライン型静電
式インクジェットヘッドを得ることができる。
【0084】また、本実施の形態のライン型静電式イン
クジェットヘッドによれば、高抵抗リード15により記
録電極と対向電極との間の電位が正確に制御されるの
で、インク吐出時に印加される高電圧による放電を防止
することが可能になる。これにより、インクの吐出制御
を安定的に行うことが可能になって、信頼性の高いライ
ン型静電式インクジェットヘッドを得ることができる。
【0085】さらに、本実施の形態のライン型静電式イ
ンクジェットヘッドによれば、半導体プロセスで用いら
れるスパッタリング法、フォトリソグラフィー法、エッ
チング法といった高精度の作製技術を使用しているの
で、製造公差の蓄積がなく、記録電極間の抵抗値のバラ
ツキを極めて小さくなり、高品質なライン型静電式イン
クジェットヘッドを安定して作製することが可能にな
る。
【0086】そして、高抵抗リード15はこのような半
導体プロセスにより一括して作製されるので、低コスト
のライン型静電式インクジェットヘッドを得ることが可
能になる。なお、このメリットは、記録電極数の増加と
ともに増大する。
【0087】(実施の形態2)本実施の形態において
は、抵抗ダイオードマトリックス形駆動によるライン型
静電式インクジェットヘッドに関して説明を行う。
【0088】ここで、図9は本発明の実施の形態2によ
るライン型静電式インクジェットヘッドの概略構成を示
す斜視図、図10は本発明の実施の形態2によるライン
型静電式インクジェットヘッドのヘッド基板の構成を示
す斜視図、図11は図9および図10のライン型静電式
インクジェットヘッドに形成されたダイオードを示す断
面図である。
【0089】実施の形態2におけるライン型静電式イン
クジェットヘッドの構成が従来のライン型静電式インク
ジェットヘッドと異なっている点は、抵抗ダイオードマ
トリックス回路をヘッド基板上に設けたことであり、イ
ンクの吐出形態及びその制御も従来のライン型静電式イ
ンクジェットヘッドと同一である。さらに、実施の形態
2におけるライン型静電式インクジェットヘッドの構成
が実施の形態1のライン型静電式インクジェットヘッド
と異なっている点は、実施の形態1では、1本の記録電
極13に2本の高抵抗リード15が付与されているのに
対して、本実施の形態では、1本の記録電極13に2本
のリード線14が接続され、一方のリード線14には高
抵抗値を有する高抵抗リード15が付与され、他方のリ
ード線14にはダイオード18が付与されているところ
にある。つまり、本実施の形態のライン型静電式インク
ジェットヘッドはダイオード18を除いて、他は実施の
形態1のライン型静電式インクジェットヘッドと同様で
ある。そこで、ここではダイオード18を中心として説
明する。
【0090】図10に示すように、ダイオード18は1
本の記録電極13に接続された2本のリード線14の一
方側に形成されている。なお、ダイオード18は、カソ
ード電極がパッド16側に、アノード電極が記録電極1
3側に接続されている。また、記録電極13には300
Vの電圧が印加されるために、ダイオード18は高耐圧
性を有するものとなっている。
【0091】実施の形態2におけるライン型静電式イン
クジェットヘッドの製造方法は実施の形態1のそれとほ
ぼ同様であるが、ダイオード18の作製プロセスが追加
されている点で異なっている。従って、本実施の形態に
おける製造方法についてはダイオード18の作製プロセ
スのみを説明する。なお、実施の形態2のヘッド基板の
製造もまた半導体プロセスを利用している。これは、寸
法精度が良く、その結果安定した形状のヘッド基板の形
成が行えるとともに、ダイオード18を形成するのに不
可欠だからである。
【0092】実施の形態2におけるライン型静電式イン
クジェットヘッドの高耐圧性を有するダイオード18の
一例を図11を参照して説明する。
【0093】図11に示すように、ダイオード18の一
部をなすN型シリコンで形成されたN領域(半導体領
域)20には、このN型の導電性を有するN領域20の
表面部に高濃度のN型不純物を選択拡散してなるN+領
域21および高濃度のP型不純物を選択拡散してなるP
+領域22が形成されている。N領域20の表面はフィ
ールド絶縁膜23で覆われている。そして、このフィー
ルド絶縁膜23に形成されたスルーホールを介してN+
領域21とP+領域22がリード線14と接合され、そ
れぞれカソード電極とアノード電極を構成している。
【0094】上記構成において、アノード電極とカソー
ド電極との間に逆方向電圧を印加すると、N領域20と
ヘッド基板表面との接合部からN領域20内に空乏層が
拡がる。さらにより高い電圧を印加すると、空乏層がフ
ィールド絶縁膜23に接触するので、P+領域22とN
+領域間23との距離によって所定の降伏電圧が決ま
る。それはN領域20の不純物濃度に影響されず、しか
もP+領域22とN+領域21間の距離を大きくするこ
とにより高耐圧を得る。従って、実施の形態2において
は、P+領域22とN+領域23間の距離を200μm
として高耐圧を安定して維持できるダイオードとした。
【0095】このような実施の形態2の製造方法に従っ
てライン型静電式インクジェットヘッドを作製し、その
記録特性を調べた。ヘッドの形態としては、記録電極1
3のピッチは150dpi、高抵抗リード15の抵抗値
10MΩ(材料Cr−SiO)、ダイオード18の耐圧
は300Vとした。また、比較のための従来のライン型
静電式インクジェットヘッドも、記録電極13のピッチ
は150dpiとし、10MΩの市販の抵抗部品と耐圧
が300VのダイオードをFPC配線基板上に取り付け
て使用した。なお、信号電圧は300Vとした。
【0096】これによれば、記録特性は両者ほぼ同等で
あった。唯一異なる点は、記録速度に差が出たことであ
り、実施の形態2のライン型静電式インクジェットヘッ
ドの方は、10kHzの印字速度まで環境温度に関係な
く安定して印字動作が行われた。これに対し、従来のラ
イン型静電式インクジェットヘッドは、環境温度25℃
では10kHzまでは安定に印字動作が行われたが、環
境温度45℃では10kHzでは印字不良が見られた。
【0097】この理由は、FPC配線基板に抵抗及びダ
イオードを配置した従来のライン型静電式インクジェッ
トヘッドでは、抵抗と記録電極の配線長さが実施の形態
2のライン型静電式インクジェットヘッドに比較して非
常に長くなって配線間の浮遊容量が大きくなるので、記
録電極先端に所望の電圧を印加するのに時間遅れが発生
したためである。また、環境温度が高くなれば抵抗値も
大きくなるために、より一層、所望の電圧を印加する時
間遅れが生じ、その結果、安定なインク吐出が困難とな
ったためである。
【0098】なお、実施の形態2においても、実施の形
態1と同様に高抵抗リード15に10MΩの抵抗を使用
したが、1MΩ〜100MΩの範囲で同様の効果が確認
できた。この理由は実施の形態1において述べたものと
同様である。
【0099】また、実施の形態2においては、耐圧が3
00Vのダイオード18を使用したが、300V以上の
耐圧のダイオードでも同様の効果が確認できた。しか
し、300V以下ではダイオードの異常が多発して記録
特性を安定に維持できなかった。
【0100】以上のように、本実施の形態のライン型静
電式インクジェットヘッドによれば、マトリックス形の
駆動回路に必要な抵抗とダイオードとをヘッド基板10
上に高抵抗リード15とダイオード18として集積して
いるので、電気的接点の煩雑さが解消されてマトリック
ス形の駆動回路を簡単な構造で実現することが可能にな
る。これにより、FPC配線基板の小型化を図ることが
でき、コンパクトなライン型静電式インクジェットヘッ
ドを得ることができる。
【0101】また、本実施の形態のライン型静電式イン
クジェットヘッドによれば、高抵抗リード15とダイオ
ード18により記録電極と対向電極との間の電位が正確
に制御されるので、インク吐出時に印加される高電圧に
よる放電を防止することが可能になる。これにより、イ
ンクの吐出制御を安定的に行うことが可能になって、信
頼性の高いライン型静電式インクジェットヘッドを得る
ことができる。
【0102】さらに、本実施の形態のライン型静電式イ
ンクジェットヘッドによれば、半導体プロセスで用いら
れるスパッタリング法、フォトリソグラフィー法、エッ
チング法といった高精度の作製技術を使用しているの
で、製造公差の蓄積がなく、記録電極間の抵抗値のバラ
ツキを極めて小さくなり、高品質なライン型静電式イン
クジェットヘッドを安定して作製することが可能にな
る。
【0103】そして、高抵抗リード15及びダイオード
18はこのような半導体プロセスにより一括して作製さ
れるので、低コストのライン型静電式インクジェットヘ
ッドを得ることが可能になる。なお、このメリットは、
記録電極数の増加とともに増大する。
【0104】(実施の形態3)本実施の形態において
は、ライン型静電式インクジェットヘッドの駆動につい
ての説明を行う。
【0105】ここで、図12は本発明の実施の形態3に
よるライン型静電式インクジェットヘッドの概略構成を
示す斜視図、図13は本発明の実施の形態3によるライ
ン型静電式インクジェットヘッドのヘッド基板の構成を
示す斜視図である。
【0106】実施の形態3におけるライン型静電式イン
クジェットヘッドの構成が従来のライン型静電式インク
ジェットヘッドと異なっている点は、高抵抗値を有する
高抵抗リード15が設けられていることであり、インク
の吐出形態及びその制御については同一である。
【0107】また、実施の形態3におけるライン型静電
式インクジェットヘッドの製造方法は実施の形態1と同
様であり、ここでは説明を省く。
【0108】ここで、実施の形態3のライン型静電式イ
ンクジェットヘッドにおける放電特性を説明する。
【0109】本実施の形態においては、1kHz、50
0Vの記録信号を偶数番めの記録電極に1時間印加し、
また奇数番めの記録電極は0Vとして放電特性を調べ
た。また、ヘッドの形態としては、記録電極13のピッ
チは150dpi、高抵抗リード15の抵抗値は10M
Ω(材料Cr−SiO)とした。また、比較のための従
来のライン型静電式インクジェットヘッドも、記録電極
13のピッチは150dpiとし、抵抗は取り付けなか
った。
【0110】その結果、従来のライン型静電式インクジ
ェットヘッドでは隣接間の記録電極で放電が生じ、記録
電極は溶融して安定な吐出を行うことができなくなっ
た。さらに、対向電極にも溶融した跡が観察された。
【0111】これに対し、本実施の形態のライン型静電
式インクジェットヘッドでは放電が生じることはなく、
安定な吐出が維持された。これは、記録電極間や記録電
極と対向電極間で放電を生じた場合には、高抵抗リード
15により放電電流を極端に小さくすることができるた
め、放電時の熱で記録電極や対向電極の金属部分が溶融
することがなくなることによる。
【0112】なお、実施の形態3においては、高抵抗リ
ード15に10MΩの抵抗を使用したが、1MΩ〜10
0MΩの範囲で同様の効果が確認できた。抵抗値が1M
Ω以下の場合は、放電時の電流値が大きくなっていくた
めに放電時の局部的な熱発生が大きくなる。その結果、
記録電極先端が熱により溶融して変形するために、安定
なインク吐出が困難となった。また、抵抗値が100M
Ω以上の場合は、記録電極間の浮遊容量のために、記録
電極先端に所望の電圧を印加するのに時間遅れが発生す
る。その結果安定なインク吐出が困難となった。
【0113】このように、本実施の形態のライン型静電
式インクジェットヘッドによれば、リード線14に設け
られた高抵抗リード15により記録電極間の放電や記録
電極と対向電極間の放電が防止されるので、インクの吐
出制御を安定して行うことが可能になる。これにより、
印字動作を安定的に行うことができる。
【0114】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、マトリ
ックス回路の一部及びマトリックス形駆動に必要な抵抗
をヘッド基板上に集積することにより、電気的接点の煩
雑さが解消されてFPC配線基板の小型化が可能にな
る。これにより、マトリックス形の駆動回路を簡単な構
造で実現することができるという有効な効果が得られ
る。
【0115】また、本発明によれば、抵抗部材の抵抗材
料に金属と酸化物または炭化物との化合物であるサーメ
ットを使用すれば抵抗値の温度変化の小さくすることが
できるので、環境温度が変化しても印字性能のバラツキ
を抑制することが可能になるという有効な効果が得られ
る。
【0116】さらに、本発明によれば、リードに抵抗部
材を設けることにより放電時に流れる電流を大幅に低減
させることができるので、インク吐出時に印加される高
電圧による放電を防止することが可能になるという有効
な効果が得られる。
【0117】そして、本発明によれば、製造公差の蓄積
なく多数の記録電極を形成することができて記録電極間
の抵抗値のバラツキを極めて小さくすることができるの
で、高品質のライン型静電式インクジェットヘッドを安
定して作製することが可能になるという有効な効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるライン型静電式イ
ンクジェットヘッドの概略構成を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1によるライン型静電式イ
ンクジェットヘッドのヘッド基板の構成を示す斜視図
【図3】図1のライン型静電式インクジェットヘッドの
製造プロセスの一部を示す斜視図
【図4】図1のライン型静電式インクジェットヘッドの
図3に続く製造プロセスを示す斜視図
【図5】図1のライン型静電式インクジェットヘッドの
図4に続く製造プロセスを示す斜視図
【図6】図1のライン型静電式インクジェットヘッドの
図5に続く製造プロセスを示す斜視図
【図7】図1のライン型静電式インクジェットヘッドの
図6に続く製造プロセスを示す斜視図
【図8】図1のライン型静電式インクジェットヘッドの
図7に続く製造プロセスを示す斜視図
【図9】本発明の実施の形態2によるライン型静電式イ
ンクジェットヘッドの概略構成を示す斜視図
【図10】本発明の実施の形態2によるライン型静電式
インクジェットヘッドのヘッド基板の構成を示す斜視図
【図11】図9および図10のライン型静電式インクジ
ェットヘッドに形成されたダイオードを示す断面図
【図12】本発明の実施の形態3によるライン型静電式
インクジェットヘッドの概略構成を示す斜視図
【図13】本発明の実施の形態3によるライン型静電式
インクジェットヘッドのヘッド基板の構成を示す斜視図
【図14】従来のライン型静電式インクジェットヘッド
の概略構成を示す斜視図
【図15】従来のライン型静電式インクジェットヘッド
のヘッド基板の構成を示す斜視図
【図16】従来のライン型静電式インクジェットヘッド
の記録部の概略構成を示す説明図
【図17】従来のライン型静電式インクジェットヘッド
のインク吐出の動作を連続的に示す説明図
【図18】m×nマトリックス形駆動法の駆動原理を示
す説明図
【図19】抵抗マトリックス形駆動法の駆動原理を示す
説明図
【図20】抵抗マトリックス形駆動法を用いたFPC配
線基板とライン型静電式インクジェットヘッドとの接続
状態を示す回路図
【符号の説明】
10 ヘッド基板 11 ノズル板 13 記録電極 14 リード線 15 高抵抗リード(抵抗部材) 18 ダイオード 19 インク吐出孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘッド基板と、 前記ヘッド基板に取り付けられ、所定の比抵抗を有する
    インクが吐出されるスリット状のインク吐出孔が形成さ
    れたノズル板と、 前記インク吐出孔に沿って配設され、前記インク吐出孔
    と直交して延びてインク吐出用の電界を発生させる複数
    の記録電極と、 それぞれの前記記録電極に2本が電気的に接続され、前
    記インク吐出孔の前記インクを吐出させるパルス電圧を
    前記記録電極に伝送するリード線と、 前記リード線に設けられ、1MΩ〜100MΩの抵抗値
    を有する抵抗部材とを備えたことを特徴とするライン型
    静電式インクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】ヘッド基板と、 前記ヘッド基板に取り付けられ、所定の比抵抗を有する
    インクが吐出されるスリット状のインク吐出孔が形成さ
    れたノズル板と、 前記インク吐出孔に沿って配設され、前記インク吐出孔
    と直交して延びてインク吐出用の電界を発生させる複数
    の記録電極と、 それぞれの前記記録電極に2本が電気的に接続され、前
    記インク吐出孔の前記インクを吐出させるパルス電圧を
    前記記録電極に伝送するリード線と、 前記各記録電極の一方の前記リード線に設けられ、1M
    Ω〜100MΩの抵抗値を有する抵抗部材と、 前記各記録電極の他方の前記リード線に設けられ、30
    0V以上の降伏電圧を有するダイオードとを備えたこと
    を特徴とするライン型静電式インクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】ヘッド基板と、 前記ヘッド基板に取り付けられ、所定の比抵抗を有する
    インクが吐出されるスリット状のインク吐出孔が形成さ
    れたノズル板と、 前記インク吐出孔に沿って配設され、前記インク吐出孔
    と直交して延びてインク吐出用の電界を発生させる複数
    の記録電極と、 それぞれの前記記録電極に対して電気的に接続され、前
    記インク吐出孔の前記インクを吐出させるパルス電圧を
    前記記録電極に伝送するリード線と、 前記リード線に設けられ、1MΩ〜100MΩの抵抗値
    を有する抵抗部材とを備えたことを特徴とするライン型
    静電式インクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】前記抵抗部材には、金属と酸化物または炭
    化物との化合物であるサーメットが用られていることを
    特徴とする請求項1、2または3記載のライン型静電式
    インクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4記載のライン型
    静電式インクジェットヘッドの製造方法であって、 前記リード線、前記記録電極および前記抵抗部材を、 スパッタリング法または蒸着法で導伝性膜を成膜し、 この導伝性膜をフォトリソグラフィー法でパターン形成
    し、 リフトオフ法またはエッチング法で形状加工して形成す
    ることを特徴とするライン型静電式インクジェットヘッ
    ドの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項2または5記載のライン型静電式イ
    ンクジェットヘッドの製造方法であって、前記ダイオー
    ドを、所定の導電性を有する半導体領域に不純物を選択
    拡散して形成することを特徴とするライン型静電式イン
    クジェットヘッドの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1591262A2 (en) 2004-04-28 2005-11-02 Ricoh Company Ink jet recording apparatus, controlling method for computer program and a computer readable storage medium

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