JPH1126822A - 高温超伝導ジョセフソン素子およびその製造方法 - Google Patents

高温超伝導ジョセフソン素子およびその製造方法

Info

Publication number
JPH1126822A
JPH1126822A JP9177420A JP17742097A JPH1126822A JP H1126822 A JPH1126822 A JP H1126822A JP 9177420 A JP9177420 A JP 9177420A JP 17742097 A JP17742097 A JP 17742097A JP H1126822 A JPH1126822 A JP H1126822A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature superconducting
film
copper oxide
single crystal
metal film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9177420A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadatami Bun
忠民 文
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP9177420A priority Critical patent/JPH1126822A/ja
Publication of JPH1126822A publication Critical patent/JPH1126822A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大規模集積化が可能な高温超伝導ジョセフソ
ン素子の実現が望まれていた。 【解決手段】 SrTiO3 の単結晶基板10上にエピ
タキシャル成長させたC軸配向のYBa2 Cu37
12からなる銅酸化物高温超伝導膜12を以って構成し
てあり、この銅酸化物高温超伝導膜12は、表面14a
の一部分がC軸方向に突出したメサ部16を具えてい
る。このメサ部16の厚さは、50〜100nm程度で
ある。そして、メサ部16の上面16aに第1電流電極
18および第1電圧電極20を具え、メサ部16以外の
銅酸化物高温超伝導膜12の表面14aに第2電流電極
22および第2電圧電極24を具えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば超伝導量
子干渉素子(SQUID)の高感度磁気センサ、磁束フ
ロー型発振器のミリ波回路若しくはサブミリ波回路、ま
たは、超伝導トンネル接合の高感度サブミリ波センサに
用いて好適な高温超伝導ジョセフソン素子およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高温超伝導ジョセフソン素子の一
例が、文献1:「IEEE Trans.Superc
ond.Vol.5,1995,pp.2543−25
46」、および、文献2:「Appl.Phys.le
tt.B,Vol.67,1995,pp.1471−
1473」に開示されている。この文献1および文献2
に開示の技術によれば、銅酸化物高温超伝導体であるB
2 Sr2 CaCu28 の単結晶のC軸配向の表面
に、この表面に垂直なC軸方向に部分的に突出したメサ
部を画成してある。そして、このメサ部の上面に第1電
流電極および第1電圧電極をそれぞれ蒸着で形成してあ
る。また、メサ部以外の単結晶表面に第2電流電極およ
び第2電圧電極をそれぞれ蒸着で形成してある。
【0003】このメサ部を含めたBi2 Sr2 CaCu
28 の単結晶は、C軸方向に沿って、Bi23 層、
SrO層、CuO層、Ca層、CuO層、SrO層およ
びBi23 層が順次に繰返し積層された層状結晶構造
を有している。この層状結晶構造では、CuO層および
Ca層が超伝導性を有し、Bi23 層およびSrO層
が絶縁性を有すると考えられる。すなわち、この単結晶
は、超伝導性の層の間に、絶縁性の層が障壁として挟ま
れたSIS(超伝導層/絶縁層/超伝導層)構造を有す
る。この超伝導性の層どうし間のC軸方向に沿った距離
は、約1.2nmである。この距離は、超伝導電子対の
コヒーレンス長と同じオーダーである。従って、電子対
は、超伝導性の層の間の絶縁膜をトンネル効果で通過す
ることができる。このため、この層状結晶構造のメサ部
にC軸方向に沿って電流を流すと、この層状結晶構造に
起因した、すなわち、この層状結晶構造固有のジョセフ
ソン効果が生じる。このように超伝導層間のトンネル効
果によりジョセフソン効果を得るトンネリング型のジョ
セフソン素子は、粒界の弱結合によりジョセフソン効果
を得るジョセフソン素子に比べて、ジョセフソン効果が
安定的に得やすいという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
文献1および文献2に開示の技術によれば、ジョセフソ
ン素子を銅酸化物高温超伝導体の単結晶を以って構成し
ている。通常、銅酸化物高温超伝導体(以下、高温超伝
導体とも称する。)は、材料を高温炉で焼結して形成さ
れる。このようにして形成された高温超伝導体は多結晶
であり、個々の単結晶の大きさは高々数ミリ角程度であ
る。従って、従来は、大きな寸法の高温超伝導体の単結
晶を得ることが困難であった。このため、主表面の面積
の狭い高温超伝導体の単結晶を用いたのでは、フォトリ
ソグラフィによる微細加工技術を用いて、ジョセフソン
素子を大量生産することは困難であった。その結果、従
来は、上記の文献1および文献2に開示のジョセフソン
素子を大規模集積化することが困難であった。
【0005】このため、大規模集積化が可能な高温超伝
導ジョセフソン素子およびその製造方法の出現が望まれ
ていた。
【0006】また、高温超伝導体の単結晶が空気に触れ
ると、単結晶の表面付近に酸素原子等が入って単結晶中
に欠陥格子(変質層)が発生することがあった。そし
て、この欠陥層が発生した部分に電極を蒸着技術を用い
て形成すると、電極と高温超伝導体との密着度が不均一
となり、かつ、この界面での電気抵抗が大きくなってし
まうという問題点があった。
【0007】このため、欠陥層を生じさせることなく電
極を設けることができる高温超伝導ジョセフソン素子の
製造方法の出現が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】この出願に係る発明者
は、従来の焼結により形成された高温超伝導体の単結晶
を利用しないでトンネリング型の高温超伝導体ジョセフ
ソン素子を構成する方法について、種々の検討および実
験を重ねた結果、単結晶基板上に銅酸化物高温超伝導膜
をエピタキシャル成長により形成すると、C軸配向の銅
酸化物高温超伝導体の単結晶膜が広い面積にわたり形成
できることを発見した。従って、このように広い面積の
主表面を有する銅酸化物高温超伝導体の単結晶膜を用い
れば、トンネリング型のジョセフソン素子の大規模集積
化が図れるという結論に達した。
【0009】そこで、この発明の第1の要旨の高温超伝
導ジョセフソン素子によれば、単結晶基板と、この単結
晶基板上にエピタキシャル成長させたC軸配向の銅酸化
物高温超伝導膜と、当該銅酸化物高温超伝導膜にC軸方
向に沿った電流を印加するための電極とを具えることを
特徴とする。
【0010】このように、この発明の第1の要旨の高温
超伝導ジョセフソン素子によれば、膜の表面に垂直な方
向がC軸方向であるC軸配向の銅酸化物高温超伝導膜を
用いる。C軸配向の銅酸化物高温超伝導膜においても、
C軸方向に沿って、超伝導性の層と絶縁性の層とが繰返
し積層された積層構造を有している。そして、隣り合っ
た超伝導性の層どうしのC軸方向に沿った距離は、電子
対のコヒーレンス長と同じオーダーである。従って、電
子対は、超伝導性の層の間の絶縁膜をトンネル効果によ
り通過することができる。このため、C軸方向に沿って
電流を流すと、この積層構造に起因した、すなわち、こ
の積層構造固有のジョセフソン効果が生じる。このよう
に超伝導層間のトンネル効果によるトンネリング型のジ
ョセフソン素子は、一般に、粒界の弱結合を用いたジョ
セフソン素子に比べて、ジョセフソン効果がより安定的
に得やすいという利点がある。
【0011】また、第1の要旨の高温超伝導ジョセフソ
ン素子は、従来の焼結により形成された高温超伝導体の
単結晶ではなく、単結晶基板上にエピタキシャル成長さ
せて得られたC軸配向の、単結晶の高温超伝導膜(この
膜を、以下、高温超伝導エピ成長膜とも称する。)を用
いて構成してある。従って、高温超伝導の単結晶に比べ
て、高温超伝導エピ成長膜は、素子を作り込める有効面
積が広い。従って、この構造であると、高温超伝導体ジ
ョセフソン素子を製造するにあたって、広い面積の単結
晶基板上に高温超伝導エピ成長膜を形成し、この高温超
伝導エピ成長膜に対してフォトリソグラフィによる微細
加工技術を適用すれば、ジョセフソン素子を大量生産す
ることが可能となる。すなわち、この発明の素子構造で
あれば、高温超伝導ジョセフソン素子を大規模集積化す
ることが可能となる。
【0012】また、この発明の第2の要旨の高温超伝導
ジョセフソン素子によれば、単結晶基板と、該単結晶基
板上にエピタキシャル成長させたC軸配向の銅酸化物高
温超伝導膜とを具え、この銅酸化物高温超伝導膜は、メ
サ部を具え、このメサ部は、当該銅酸化物高温超伝導膜
の表面の一部分をC軸方向に突出させた形状としてあ
り、メサ部の上面に、第1電流電極および第1電圧電極
を具え、メサ部以外の銅酸化物高温超伝導膜部分の表面
部分に、第2電流電極および第2電圧電極を具えてなる
ことを特徴とする。
【0013】このように、この発明の第2の要旨の高温
超伝導ジョセフソン素子によれば、単結晶基板上に形成
された、C軸配向の単結晶の銅酸化物高温超伝導膜を用
いており、そして、第1電流電極と第2電流電極との間
の電流は、メサ部をC軸方向に流れる。すなわち、第1
電流電極、メサ部、メサ部以外の主表面および第2電流
電極の経路に沿って電流は流れる。但し電流の向きは限
定されない。また、第1電圧電極および第2電圧電極に
よって、メサ部にC軸方向の電圧を印加若しくは測定す
ることができる。
【0014】ところで、第2電流電極および第2電流電
極上に銅酸化物高温超伝導膜を直接エピタキシャル成長
させることも考えられる。しかし、現在の技術では、導
電膜上、例えば金属膜上に高温超伝導膜をエピタキシャ
ル成長させることは困難である。これに対して、高温超
伝導膜の一部分にメサ部を設けて、メサ部の上面とメサ
部以外の高温超伝導膜の表面上とにそれぞれ電極を設け
れば、金属膜上に高温超伝導膜をエピタキシャル成長さ
せなくても、メサ部にC軸方向に沿って電流を印加する
ことが可能となる。
【0015】また、この発明の第3の要旨の高温超伝導
ジョセフソン素子の製造方法によれば、(a)単結晶基
板の主表面上に金属膜を形成する工程と、(b)金属膜
が形成された単結晶基板の上側に銅酸化物高温超伝導膜
をエピタキシャル成長させることにより、主表面上に、
C軸配向の銅酸化物高温超伝導膜と金属膜を構成してい
た材料を含む金属膜とが順次に積層された積層体を形成
する工程と、(c)積層体の上面から、金属膜と銅酸化
物高温超伝導膜との界面よりも深くかつ単結晶基板の主
表面に未到達の深さの溝であって、主表面の上方から見
た形状が閉ループ状の当該溝を形成することにより、銅
酸化物高温超伝導膜のうちの当該溝に包囲された残存部
分であるメサ部と、銅酸化物高温超伝導膜のうちの当該
溝に非包囲の残存部分である外周残存部分と、金属膜の
うちのメサ部上および外周残存部分上の残存部分である
残存金属膜とをそれぞれ形成する工程と、(d)メサ部
上の残存金属膜を画成して第1電流電極および第1電圧
電極をそれぞれ形成し、かつ、外周残存部分上の残存金
属膜を画成して第2電流電極および第2電圧電極をそれ
ぞれ形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0016】このように、この発明の第3の要旨の高温
超伝導ジョセフソン素子の製造方法によれば、金属膜を
形成した単結晶基板の上側に銅酸化物高温超伝導膜(以
下、高温超伝導膜とも称する。)をエピタキシャル成長
させる。すると、高温超伝導膜は、金属膜上ではなくて
単結晶基板の主表面上に直接形成され、その高温超伝導
膜の上に金属膜が積層された構造が得られる。この金属
膜は、エピタキシャル成長前に形成されていた金属膜を
構成していた材料を含む。
【0017】このような積層構造が形成される現象は従
来から知られているが、なぜこのような構造に形成され
るかの理由は現在のところ解明されていない。例えば、
単結晶基板の格子定数が金属膜の格子定数よりも高温超
伝導膜の格子定数に近いために、高温超伝導膜が金属膜
に優先して単結晶基板上に成膜するのではないかと考え
られる。
【0018】そして、高温超伝導膜を形成する際に金属
膜が当該高温超伝導膜上に形成されるため、高温超伝導
膜と金属膜との界面は大気に触れることがない。従っ
て、この金属膜を画成して電極を形成することにより、
欠陥層を生じさせることなく電極を形成することができ
る。このため、この界面における変質層による電気抵抗
の増大を抑制することができる。
【0019】また、この発明の第3の要旨の高温超伝導
ジョセフソン素子の製造方法において、好ましくは、
(a)の工程において、単結晶基板をSrTiO3 基板
とし、および、金属膜を銀(Ag)薄膜とし、(b)の
工程において、銅酸化物高温超伝導膜としてYBa2
37-d 膜を、MOCVD法によりエピタキシャル成
長させるのが良い。
【0020】この条件で銅酸化物高温超伝導膜をエピタ
キシャル成長させれば、単結晶基板上に銅酸化物高温超
伝導膜および金属膜が順次に積層された積層体を形成す
ることができる。
【0021】尚、YBa2 Cu37-d の「7−d」
は、酸素原子の係数が正確に7であるとは限らないこと
を表している。以下、YBa2 Cu37-d をYBa2
Cu37 とも表記する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の高温超伝導ジョセフソン素子およびその製造方法の実
施の形態の例について説明する。尚、参照する図面は、
この発明が理解できる程度に各構成成分の大きさ、形状
および配置関係を概略的に示してあるに過ぎない。従っ
て、この発明は図示例に限定されるものではない。
【0023】(比較例)この発明の実施の形態の説明に
先立ち、この発明の理解を容易にするため、従来の高温
超伝導体の単結晶を用いたトンネリング型の高温超伝導
ジョセフソン素子の例について比較例として説明する。
図7は、比較例の高温超伝導ジョセフソン素子の構造の
説明に供する要部斜視図である。
【0024】比較例の高温超伝導ジョセフソン素子(単
に「素子」とも称する。)300は、数ミリ角の寸法の
高温超伝導体のBi2 Sr2 CaCu28 の単結晶5
0を以って構成してある。この単結晶50は、焼結して
得られた多結晶体を構成している単結晶部分を取り出し
て形成したものである。そして、この単結晶50の主単
結晶部分52のC軸配向の表面(C軸に垂直な面)52
a、すなわちab面(a軸およびb軸を含む面)52a
に対して、C軸方向に突出したメサ部54を画成してあ
る。このメサ部54の上面54aには、第1電流電極5
6および第1電圧電極58を蒸着により形成してある。
この上面54aもab面である。また、メサ部54以外
の主単結晶部分52の表面52aには、第2電流電極6
0および第2電圧電極62を蒸着により形成してある。
これらの電極は、いずれも金(Au)を材料としてい
る。そして、これら4つの電極を具えた素子300は、
4端子素子として動作する。そして、第1および第2電
流電極56および60により、メサ部54にC軸方向に
沿って電流を流すことによってトンネル効果によるジョ
セフソン効果を得る。また、図7中、メサ部54におけ
る電流の方向を矢印Iで模式的に示す。但し、電流の向
きは矢印Iの向きに限定されるものではない。
【0025】(第1の実施の形態)次に、図1を参照し
て、この発明の第1の要旨の高温超伝導ジョセフソン素
子の構造の一例について説明する。図1は、第1の実施
の形態の高温超伝導ジョセフソン素子の説明に供する要
部斜視図である。
【0026】この第1の実施の形態の高温超伝導ジョセ
フソン素子(以下、単に「素子」とも称する。)100
は、単結晶基板としてSrTiO3 基板10を具え、こ
の単結晶基板10上にエピタキシャル成長させたC軸配
向の銅酸化物高温超伝導膜12を具えている。この単結
晶基板10の寸法は、例えば10mm×10mm×0.
5mmである。そして、ここでは、銅酸化物高温超伝導
膜12として、単結晶基板のab面である10mm×1
0mmの寸法の主表面10a上にエピタキシャル成長さ
せたYBa2 Cu37 膜12を用いる。尚、エピタキ
シャル成長の際の条件例は後述する。
【0027】また、この銅酸化物高温超伝導膜12は、
メサ部16を具えている。このメサ部16は、銅酸化物
高温超伝導膜12の表面14aの一部分をC軸方向(主
表面14aに垂直な方向)に突出させた形状としてあ
る。このメサ部16の厚さは、50〜100nm程度で
ある。また、メサ部16の厚さとメサ部以外の銅酸化物
高温超伝導膜部分14の厚さとを合計した厚さは、20
0nm程度である。また、メサ部16の上面からみた平
面パターンでの形状を例えば矩形とし、その寸法を例え
ば6μm×2μmとする。
【0028】また、この素子100は、メサ部16の上
面16aに、第1電流電極18および第1電圧電極20
を互いに離間させて具えている。また、この素子100
は、メサ部16以外の銅酸化物超伝導膜部分14の表面
14aに、メサ部16を真中に挟んで、メサ部16の両
側に、第2電流電極22および第2電圧電極24を互い
に離間させて具えている。従って、この銅酸化物高温超
伝導膜12上に、第2電流電極22、第1電流電極1
8、第1電圧電極20および第2電圧電極24を順に並
列している。これらの電極は、いずれも銀(Ag)を以
って構成してある。
【0029】このYBa2 Cu37 膜12は、従来周
知のように、その主表面に垂直なC軸方向に沿って、C
uO層、BaO層およびYO層が繰返し積層した層状結
晶構造を有する。そして、CuO層は超伝導性を有し、
BaO層およびYO層は絶縁性を有すると考えられる。
そして、CuO層間には、BaO層およびYO層が介在
している。すなわち、YBa2 Cu37 膜12は、超
伝導性の層11の間に絶縁性の層13が障壁として挟ま
れた、SIS構造の層状結晶構造を有する。
【0030】この超伝導性の層どうし間のC軸方向に沿
った距離は、約0.84nm程度であり、超伝導電子対
のコヒーレンス長(2〜10nm程度)と同程度以下で
ある。従って、電子対は、超伝導性の層の間の絶縁膜を
トンネル効果で通過することができる。従って、この素
子100は、銅酸化物高温超伝導膜12のメサ部16に
C軸方向に沿って電流を流すことによってジョセフソン
素子として動作する。そして、この素子100は、高臨
界電流ノーマル抵抗積(IcRn)を示すトンネリング
型のジョセフソン素子となる。
【0031】そして、メサ部16は、その厚さを例えば
約60nmとすると、一組のSIS構造がC軸方向に沿
って数十層の直列に接続された構造に相当する。従っ
て、この素子100は、各SIS構造でのジョセフソン
効果が合わさったものとしてのジョセフソン効果を示
す。
【0032】また、この高温超伝導ジョセフソン素子1
00は、従来の焼結により形成された銅酸化物高温超伝
導体の単結晶ではなく、単結晶基板上にエピタキシャル
成長させて得られたC軸配向の単結晶の銅酸化物高温超
伝導膜12を以って構成してある。この銅酸化物高温超
伝導膜12、すなわち、高温超伝導エピ成長膜12は、
従来の銅酸化物高温超伝導の単結晶に比べて、素子を作
り込める有効面積が広い。従って、この構造であると、
高温超伝導ジョセフソン素子を製造するにあたって、広
い面積の単結晶基板上に高温超伝導エピ成長膜を形成
し、この高温超伝導エピ成長膜に対してフォトリソグラ
フィによる微細加工技術を適用すれば、ジョセフソン素
子を大量生産することが可能となる。すなわちこの高温
超伝導ジョセフソン素子100の構造であれば、高温超
伝導ジョセフソン素子を大規模集積化することが可能と
なる。
【0033】次に、図2および図3を参照して、上述の
第1の実施の形態の高温超伝導ジョセフソン素子の製造
方法の一例について説明する。図2の(A)〜(C)
は、第1の実施の形態の高温超伝導ジョセフソン素子の
製造方法の説明に供する要部断面工程図である。また、
図3の(A)〜(C)は、第1の実施の形態の高温超伝
導ジョセフソン素子の製造方法の説明に供する要部平面
工程図である。図2の(A)〜(C)は、それぞれ図3
の(A)〜(C)のA−Aにおける断面図に相当する。
尚、図3においては、断面ではないが、一部にハッチン
グ付して示す。
【0034】高温超伝導ジョセフソン素子100の製造
にあたり、先ず、SrTiO3 の単結晶基板10の表面
を有機洗剤で洗浄する。
【0035】次に、この単結晶基板10の主表面10a
上に、予備銅酸化物高温超伝導膜12aを形成する。こ
こでは、予備銅酸化物高温超伝導膜12aとして、厚さ
200nm程度のC軸配向のYBa2 Cu37 膜12
aを主表面10a上にエピタキシャル成長させる。ここ
では、予備銅酸化物高温超伝導膜12aを、MOCVD
法を用いてエピタキシャル成長させる。エピタキシャル
成長にあたっては、MOCVD装置の真空チャンバ(図
示せず)に載置した単結晶基板10をマイクロ波によっ
て800℃の温度に加熱する。そして、この真空チャン
バには、アルゴンガス(Ar)を150SCCMの流量
で、および、酸素ガス(O2 )を400SCCMの流量
で導入する。また、真空チャンバ中の酸素分圧を10P
aとする。
【0036】また、エピタキシャル成長にあたっては、
YBa2 Cu37 膜を形成するバリウム(Ba)のソ
ースを260℃に加熱し、イットリウム(Y)のソース
および銅(Cu)のソースをそれぞれ200℃に加熱す
る。そして、加熱により発生した各ソースの蒸気を同時
にキャリアガスと共に真空チャンバに導入する。ここで
は、キャリアガスとして、窒素ガス(N2 )を50SC
CMの流量で導入する(図2の(A)および図3の
(A))。
【0037】次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、
予備銅酸化物高温超伝導膜12aの一部分にメサ部16
を画成する。ここでは、ドライエッチングを用いてメサ
部16を画成する。また、ここでは、図3の(B)に示
すように、メサ部16の平面パタンでの寸法を、W=6
μm、L=2μmとする。また、図2の(B)に示すよ
うに、メサ部16の高さを、H=60nmとする(図2
の(B)および図3の(B))。
【0038】次に、メサ部16の上面16aおよび非メ
サ部14の表面14aにAg薄膜(図示せず)を真空蒸
着する。次に、Ag薄膜に対してフォトリソグラフィ技
術を用いて、メサ部16の上面16aに、第1電流電極
18および第1電圧電極20を画成し、かつ、非メサ部
14の表面14aに、第2電流電極22および第2電圧
電極24を画成する。ここでは、ドライエッチングを用
いて各電極をそれぞれ画成する。また、ここでは、第1
電流電極18および第1電圧電極20の平面パタンでの
寸法を2μm×2μmとする(図2の(C)および図3
の(C))。
【0039】(第2の実施の形態)次に、図4を参照し
て、この発明の第1の要旨の高温超伝導ジョセフソン素
子の構造の他の例について説明する。図4は、第2の実
施の形態の高温超伝導ジョセフソン素子の構造の説明に
供する要部斜視図である。
【0040】この第2の実施の形態の高温超伝導ジョセ
フソン素子(以下、単に「素子」とも称する。)200
は、単結晶基板としてSrTiO3 基板10を具え、こ
の単結晶基板10上にエピタキシャル成長させたC軸配
向の銅酸化物高温超伝導膜32を以って構成してある。
この単結晶基板10の寸法は、10mm×10mm×
0.5mmである。そして、この単結晶基板10の10
mm×10mmの主表面10aに、銅酸化物高温超伝導
膜32として、YBa2 Cu37 膜12をエピタキシ
ャル成長させる。エピタキシャル成長の条件等は、第3
の実施の形態において後述する。
【0041】また、この銅酸化物高温超伝導膜32は、
当該銅酸化物高温超伝導膜32の表面34aの中央部分
にC軸方向に突出したメサ部36を具えている。このメ
サ部36の厚さは、50〜100nm程度である。ま
た、メサ部36の厚さとメサ部以外の銅酸化物高温超伝
導膜部分(非メサ部)34の厚さとを合計した厚さは、
200nm程度である。また、メサ部36の平面からみ
た寸法は、6μm×2μmである。
【0042】また、第2の実施の形態の素子200は、
非メサ部34の銅酸化物高温超伝導膜部分34のうち、
中央のメサ部36と離間した一部分(外周残存部分)3
4bを、メサ部36と同じ厚さとしてある。
【0043】また、この素子200は、中央のメサ部3
6の上面36aに、第1電流電極38および第1電圧電
極40を互いに離間させて具えている。また、この素子
200は、外周残存部分34b上に、第2電流電極42
および第2電圧電極44を互いに離間させて具えてい
る。これらの電極は、いずれも銀(Ag)を以って構成
してある。
【0044】この素子200は、上述した第1の実施の
形態の素子100と同様に、当該銅酸化物高温超伝導膜
32のメサ部36にC軸方向に沿って電流を流すことに
よってジョセフソン素子として動作する。そして、この
素子200も、上述の素子100と同様に、高臨界電流
ノーマル抵抗積(IcRn)を示すトンネリング型のジ
ョセフソン素子となる。また、メサ部36以外の銅酸化
物高温超伝導膜部分34のうちの外周残存部分34b、
例えば第2電流電極42直下の部分においても、C軸方
向に沿って電流が流れる。
【0045】(第3の実施の形態)次に、図5および図
6を参照して、この発明の第3の要旨の高温超伝導ジョ
セフソン素子の製造方法の一例について説明する。図5
の(A)〜(D)は、第3の実施の形態の高温超伝導ジ
ョセフソン素子の製造方法の説明に供する要部断面工程
図である。また、図6の(A)〜(C)は、第3の実施
の形態の高温超伝導ジョセフソン素子の製造方法の説明
に供する要部平面工程図である。図5の(B)〜(D)
は、それぞれ図6の(A)〜(C)のA−Aにおける断
面図に相当する。
【0046】この実施の形態の高温超伝導ジョセフソン
素子の製造方法によれば、(a)先ず、SrTiO3
単結晶基板10の主表面10a上に、予備金属膜26を
形成する。ここでは、予備金属膜26として、厚さ25
0nmのAg薄膜26をMOCVD法を用いて形成する
(図5の(A))。
【0047】(b)次に、予備金属膜26が形成された
単結晶基板10の上側に銅酸化物高温超伝導膜32をエ
ピタキシャル成長させることにより、単結晶基板10の
主表面10a上に、C軸配向の銅酸化物高温超伝導膜3
2と予備金属膜26を構成していた材料の金属膜26a
すなわちAg薄膜26aとが順次に積層された積層体2
8を形成する(図5の(B))および図6の(A))。
【0048】ここでは、銅酸化物高温超伝導膜32とし
て、厚さ200nm程度のC軸配向のYBa2 Cu3
7 膜32をMOCVD法を用いてエピタキシャル成長さ
せる。エピタキシャル成長にあたっては、MOCVD装
置の真空チャンバ(図示せず)に載置した単結晶基板1
0をマイクロ波によって800℃の温度に加熱する。そ
して、この真空チャンバには、アルゴンガス(Ar)を
150SCCMの流量で、および、酸素ガス(O2 )を
400SCCMの流量で導入する。また、真空チャンバ
中の酸素分圧を10Paとする。各成膜成分は予備金属
膜26側から降り注ぐが、実際には、これらの成膜成分
による膜は予備金属膜26下側の基板10上に形成され
る。
【0049】また、エピタキシャル成長にあたっては、
YBa2 Cu37 膜を形成するバリウム(Ba)のソ
ースを260℃に加熱し、イットリウム(Y)のソース
および銅(Cu)のソースをそれぞれ200℃に加熱す
る。そして、加熱により発生した各ソースの蒸気を同時
にキャリアガスと共に真空チャンバに導入する。ここで
は、キャリアガスとして、窒素ガス(N2 )を50SC
CMの流量で導入する。
【0050】(c)次に、積層体28に溝を形成する。
この場合には、この積層体28の上面、すなわち、金属
膜26aの上面26sから、当該金属膜26aと銅酸化
物高温超伝導膜32との界面33よりも深くかつ単結晶
基板10の主表面10aに未到達の深さの溝30を形成
する。そして、主表面10aの上方から見た溝の形状が
閉ループ状となるように形成する。この溝30の形成に
より、銅酸化物高温超伝導膜32のうちの当該溝30に
包囲された残存部分であるメサ部36と、銅酸化物高温
超伝導膜32のうちの当該溝30に非包囲の残存部分で
ある外周残存部34bと、金属膜26aのうちのメサ部
36上の残存部分26bおよび外周残存部分34b上の
残存部分である残存金属膜26cとをそれぞれ形成す
る。ここでは、図6の(B)に示すように、積層体28
の上方からみて矩形の平面パタンを有するメサ部36を
形成する。この矩形の平面パタンの寸法は、例えば、前
述の第1の実施の形態におけるメサ部16の平面パタン
の寸法と同じとすると良い(図5の(C)および図6の
(B))。
【0051】(d)次に、メサ部36上の残存金属膜2
6bを画成して第1電流電極38および第1電圧電極4
0をそれぞれ形成し、かつ、外周残存部分34b上の残
存金属膜26cを画成して第2電流電極42および第2
電圧電極44をそれぞれ形成する(図5の(D)および
図6の(C))。
【0052】このように、第3の実施の形態の高温超伝
導ジョセフソン素子の製造方法によれば、予備金属膜2
6を形成した単結晶基板10上に銅酸化物高温超伝導膜
(高温超伝導膜)32をエピタキシャル成長させると、
予備金属膜26の上側ではなくて、単結晶基板10と予
備金属膜26との間に、高温超伝導膜32が形成され
る。従って、このエピタキシャル成長によって、単結晶
基板10上に、高温超伝導膜32および金属膜26aを
順次に積層した積層体28が形成される。このため、高
温超伝導膜32の表面が酸化などによってダメージを受
けることなく、電極となる金属膜26aを高温超伝導膜
32上に形成することができる。その結果、電極と高温
超伝導膜との界面に変質層が生じることがない。このた
め、変質層による電気抵抗の増大を抑制することができ
る。また、変質層が生じないので、電極を高温超伝導膜
に均一に密着させることができる。
【0053】上述した各実施の形態では、これらの発明
を特定の材料を用い、特定の条件で構成した例について
のみ説明したが、これらの発明は多くの変更および変形
を行うことができる。例えば、上述した実施の形態で
は、単結晶基板としてSrTiO3 を用いた例について
説明したが、この発明では、単結晶基板の材質は、高温
超伝導膜のエピタキシャル成長が可能なものならば良
く、例えば、MgO、LaAlO3 、ZrO2 またはサ
ファイアを用いても良い。
【0054】また、上述した実施の形態では、銅酸化物
高温超伝導膜としてYBa2 Cu37 膜を用いた例に
ついて説明したが、この発明では、銅酸化物高温超伝導
膜の材質として、例えば、Bi2 SrCaCu28
(Bi,Pb)2 Sr2 Ca2 Cu38 、TlBa2
CaCu27 またはTlBa2 Ca2 Cu39 を用
いても良い。
【0055】また、上述した実施の形態では電極として
銀(Ag)薄膜を用いたが、この発明では、電極の材質
は良電性の材料ならば良く、例えば金(Au)、アルミ
ニウム(Al)、銅(Cu)を用いても良い。
【0056】また、上述した第2の実施の形態では、電
極の真空蒸着にあたり加熱抵抗法を用いたが、電極の蒸
着にあたっては、例えば、電子ビーム蒸着またはスパッ
タリング法を用いても良い。
【0057】また、上述した第2および第3の実施の形
態では、高温超伝導膜をMOCVD法により成膜した
が、この発明では、成膜方法はこれに限定されるもので
はなく、例えば、電子ビーム蒸着、レーザアプレッショ
ン法、スパッタリング法を用いても良い。
【0058】また、高温超伝導ジョセフソン素子を製造
するにあたり、単結晶基板上に、高温超伝導膜と金属膜
とを同時に形成することにより、単結晶基板上に、高温
超伝導膜および金属膜が順次に積層された積層体を形成
しても良い。具体的には、例えば、高温超伝導膜をスパ
ッタリングで形成する際に、高温超伝導膜の材料のター
ゲットに加えて、金属膜の材料(例えば銀(Ag))の
ターゲットを同時にスパッタすると良い。その場合、単
結晶基板上には、金属膜に優先して高温超伝導膜が形成
される。
【0059】また、例えば、高温超伝導膜をMOCVD
法で形成する際に、高温超伝導膜の材料のソースに加え
て、金属膜の材料(例えば(Ag))のソースを用いて
一度に成膜すると良い。その場合も、単結晶基板上に
は、金属膜に優先して高温超伝導膜が形成される。
【0060】また、高温超伝導ジョセフソン素子を製造
するにあたり、高温超伝導膜の材料に金属膜の材料を添
加して焼結することにより、単結晶基板上に、高温超伝
導膜および金属膜が順次に積層された積層体を形成して
も良い。
【0061】
【発明の効果】この発明の第1の要旨の高温超伝導ジョ
セフソン素子によれば、膜の主表面に垂直な方向がC軸
方向であるC軸配向の銅酸化物高温超伝導膜を用いる。
C軸配向の銅酸化物高温超伝導膜においても、C軸方向
に沿って、超伝導性の層と絶縁性の層とが繰返し積層さ
れた積層構造を有している。そして、隣り合った超伝導
性の層どうしのC軸方向に沿った距離は、電子対のコヒ
ーレンス長と同じオーダーである。従って、電子対は、
超伝導性の層の間の絶縁膜をトンネル効果で通過するこ
とができる。このため、C軸方向に沿って電流を流す
と、この積層構造に起因した、すなわち、この積層構造
固有のジョセフソン効果が生じる。この超伝導層間のト
ンネル効果によるトンネリング型のジョセフソン素子
は、一般に、粒界の弱結合を用いたジョセフソン素子に
比べて、ジョセフソン効果がより安定的に得やすいとい
う利点がある。
【0062】また、第1の要旨の高温超伝導ジョセフソ
ン素子は、従来の焼結により形成された高温超伝導体の
単結晶ではなく、単結晶基板上にエピタキシャル成長さ
せたC軸配向の高温超伝導膜を以って構成してある。従
って、高温超伝導の単結晶に比べて、高温超伝導膜は、
広い面積のものを容易に形成することができる。このた
め、高温超伝導体ジョセフソン素子を製造するにあたっ
て、フォトリソグラフィによる微細加工技術を用いて大
量生産することが可能となる。その結果、高温超伝導ジ
ョセフソン素子を大規模集積化することが可能となる。
【0063】また、この発明の第2の要旨の高温超伝導
ジョセフソン素子によれば、メサ部を具えたC軸配向の
銅酸化物高温超伝導膜を用いており、そして、金属膜上
に高温超伝導膜をエピタキシャル成長させなくても、メ
サ部にC軸方向に沿って電流を印加することができる。
【0064】また、この発明の第3の要旨の高温超伝導
ジョセフソン素子の製造方法によれば、高温超伝導膜を
形成する際に金属膜が当該高温超伝導膜上に形成される
ため、高温超伝導膜と金属膜との界面は大気に触れるこ
とがない。従って、この金属膜を画成して電極を形成す
ることにより、欠陥層を生じさせることなく電極を形成
することができる。このため、変質層による電気抵抗の
増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の高温超伝導ジョセフソン素
子の構造の説明に供する要部斜視図である。
【図2】(A)〜(C)は、第1の実施の形態の高温超
伝導ジョセフソン素子の製造方法の説明に供する要部断
面工程図である。
【図3】(A)〜(C)は、第1実施の形態の高温超伝
導ジョセフソン素子の製造方法の説明に供する要部平面
工程図である。
【図4】第2の実施の形態の高温超伝導ジョセフソン素
子の構造の説明に供する要部斜視図である。
【図5】(A)〜(D)は、第3の実施の形態の高温超
伝導ジョセフソン素子の製造方法の説明に供する要部断
面工程図である。
【図6】(A)〜(C)は、第3の実施の形態の高温超
伝導ジョセフソン素子の製造方法の説明に供する要部平
面工程図である。
【図7】比較例の高温超伝導ジョセフソン素子の構造の
説明に供する要部斜視図である。
【符号の説明】
10:単結晶基板(SrTiO3 基板) 10a:主表面 12、32:銅酸化物高温超伝導膜(YBa2 Cu3
7 膜) 14、34:銅酸化物高温超伝導膜部分、非メサ部 14a、34a:表面 16、36:メサ部 16a,36a:上面 18、38:第1電流電極 20、40:第1電圧電極 22、42:第2電流電極 24、44:第2電圧電極 26:予備金属膜 26a:金属膜 26b、26c:残存金属膜 26s:上面 28:積層体 30:溝 33:界面 34b:外周残存部分 50:単結晶 52:主単結晶部分 52a:表面 54:メサ部 54a:上面 56:第1電流電極 58:第1電圧電極 60:第2電流電極 62:第2電圧電極 100、200、300:高温超伝導ジョセフソン素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶基板上と、該単結晶基板にエピタ
    キシャル成長させたC軸配向の銅酸化物高温超伝導膜
    と、 該銅酸化物高温超伝導膜にC軸方向に沿った電流を印加
    するための電極とを具えてなることを特徴とする高温超
    伝導ジョセフソン素子。
  2. 【請求項2】 単結晶基板と、該単結晶基板上にエピタ
    キシャル成長させたC軸配向の銅酸化物高温超伝導膜と
    を具え、 該銅酸化物高温超伝導膜は、メサ部を具え、 該メサ部は、該銅酸化物高温超伝導膜の表面の一部分を
    C軸方向に突出させた形状としてあり、 前記メサ部の上面に、第1電流電極および第1電圧電極
    を具え、 前記メサ部以外の銅酸化物高温超伝導膜部分の前記表面
    部分に、第2電流電極および第2電圧電極を具えてなる
    ことを特徴とする高温超伝導ジョセフソン素子。
  3. 【請求項3】 (a)単結晶基板の主表面上に金属膜を
    形成する工程と、 (b)前記金属膜が形成された前記単結晶基板の上側に
    銅酸化物高温超伝導膜をエピタキシャル成長させること
    により、前記主表面上に、C軸配向の銅酸化物高温超伝
    導膜と前記金属膜を構成していた材料を含む金属膜とが
    順次に積層された積層体を形成する工程と、 (c)前記積層体の上面から、当該金属膜と前記銅酸化
    物高温超伝導膜との界面よりも深くかつ前記単結晶基板
    の主表面に未到達の深さの溝であって、前記主表面の上
    方から見た形状が閉ループ状の当該溝を形成することに
    より、前記銅酸化物高温超伝導膜のうちの当該溝に包囲
    された残存部分であるメサ部と、前記銅酸化物高温超伝
    導膜のうちの当該溝に非包囲の残存部分である外周残存
    部分と、前記金属膜のうちの該メサ部上および該外周残
    存部分上の残存部分である残存金属膜とをそれぞれ形成
    する工程と、 (d)前記メサ部上の残存金属膜を画成して第1電流電
    極および第1電圧電極をそれぞれ形成し、かつ、前記外
    周残存部分上の残存金属膜を画成して第2電流電極およ
    び第2電圧電極をそれぞれ形成する工程とを含むことを
    特徴とする高温超伝導ジョセフソン素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の高温超伝導ジョセフソ
    ン素子の製造方法において、 前記(a)の工程において、前記単結晶基板をSrTi
    3 基板としおよび前記金属膜を銀(Ag)薄膜とし、 前記(b)の工程において、前記銅酸化物高温超伝導膜
    としてYBa2 Cu37-d 膜を、MOCVD法により
    エピタキシャル成長させることを特徴とする高温超伝導
    ジョセフソン素子の製造方法。
JP9177420A 1997-07-02 1997-07-02 高温超伝導ジョセフソン素子およびその製造方法 Withdrawn JPH1126822A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9177420A JPH1126822A (ja) 1997-07-02 1997-07-02 高温超伝導ジョセフソン素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9177420A JPH1126822A (ja) 1997-07-02 1997-07-02 高温超伝導ジョセフソン素子およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1126822A true JPH1126822A (ja) 1999-01-29

Family

ID=16030624

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9177420A Withdrawn JPH1126822A (ja) 1997-07-02 1997-07-02 高温超伝導ジョセフソン素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1126822A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100346491C (zh) * 2003-06-18 2007-10-31 南京大学 高温超导材料本征结的制备方法
JP2019145800A (ja) * 2011-03-30 2019-08-29 アンバチュア インコーポレイテッド 非常に低い抵抗材料で形成された、電気的デバイス、機械的デバイス、コンピュータデバイス、および/または、他のデバイス

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100346491C (zh) * 2003-06-18 2007-10-31 南京大学 高温超导材料本征结的制备方法
JP2019145800A (ja) * 2011-03-30 2019-08-29 アンバチュア インコーポレイテッド 非常に低い抵抗材料で形成された、電気的デバイス、機械的デバイス、コンピュータデバイス、および/または、他のデバイス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR910002311B1 (ko) 초전도 디바이스
JP3278638B2 (ja) 高温超伝導ジョセフソン接合およびその製造方法
US5981443A (en) Method of manufacturing a high temperature superconducting Josephson device
JP2963614B2 (ja) 酸化物超電導体接合素子の製造方法
JPH05335638A (ja) ジョセフソン接合構造体およびその作製方法
JP3189403B2 (ja) 超電導接合を有する素子およびその作製方法
JPH05335637A (ja) ジョセフソン接合構造体
JPH0714079B2 (ja) 酸化物超電導三端子素子
JPH1126822A (ja) 高温超伝導ジョセフソン素子およびその製造方法
EP0476687B1 (en) Superconductor junction structure and process for fabricating the same
JPH104223A (ja) 酸化物超電導体ジョセフソン素子
JP2539584B2 (ja) 超電導量子干渉素子
JP3186035B2 (ja) 電界効果素子用積層薄膜および該積層薄膜を用いた電界効果トランジスター
JP2976427B2 (ja) ジョセフソン素子の製造方法
JP3379533B2 (ja) 超電導デバイスの製造方法
JP2679610B2 (ja) 超電導素子の製造方法
JP3570418B2 (ja) 超伝導デバイス
JP2022136441A (ja) 超伝導体素子、及び、超伝導体素子の製造方法
JP2599500B2 (ja) 超電導素子および作製方法
JP2647251B2 (ja) 超電導素子および作製方法
JP2977935B2 (ja) 超電導三端子素子
JP3155641B2 (ja) 超伝導トンネル接合デバイス
JP2868286B2 (ja) 超電導素子およびこれを備えた回路素子
JPH05291632A (ja) 超電導接合構造体
JPH05160448A (ja) 階段型ジョセフソン素子

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040907