JPH11267923A - ボールねじの適合製造方法 - Google Patents

ボールねじの適合製造方法

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JPH11267923A
JPH11267923A JP7391098A JP7391098A JPH11267923A JP H11267923 A JPH11267923 A JP H11267923A JP 7391098 A JP7391098 A JP 7391098A JP 7391098 A JP7391098 A JP 7391098A JP H11267923 A JPH11267923 A JP H11267923A
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JP
Japan
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nut
screw shaft
screw
ball
bcd
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JP7391098A
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Hidenori Kurahashi
秀範 倉橋
Toshiya Watanabe
寿也 渡辺
Shuichi Tone
修一 刀根
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Honda Motor Co Ltd
Showa Corp
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Honda Motor Co Ltd
Showa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ねじ軸の加工精度の如何にかかわらず無駄な
部品在庫を出すことなく精密ボールねじを高い生産効率
の下で製造できるボールねじの適合製造方法を供する。 【解決手段】 ねじ軸のねじ溝を加工するねじ軸加工工
程と、加工されたねじ軸のねじ溝を測定するねじ軸測定
工程と、前記ねじ軸の測定データに基づきナットのねじ
溝を加工するナット加工工程と、加工されたナットのね
じ溝を測定するナット測定工程と、前記工程により測定
された複数の前記ねじ軸の測定データと同数の前記ナッ
トの測定データに基づきねじ軸とナットの適正な組合せ
を決定するねじ軸・ナット組合せ工程と、組み合わされ
たねじ軸とナットの測定データに基づきボールを選択す
るボール選択工程と、前記組み合わされたねじ軸とナッ
トを前記選択されたボールを介して螺合して組付けるボ
ールねじ組立て工程と、からなるボールねじの適合製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールねじの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にボールねじのように2つ以上の部
品を組み合わせて用いる製品の場合、従来は目標の寸法
に対する公差の範囲を定め、各部品の加工精度をこの公
差内にするように加工することで、組付け精度を確保し
製品要求を満足するようにしていた。
【0003】また要求される加工精度が高く、全ての部
品をこの要求精度内に加工することが困難な場合に、各
部品の寸法を事前に測定しておき、互いの寸法がマッチ
する部品どうしを選択して組み合わせる方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ボールねじの場合、一
般にねじ軸のねじ溝を転造加工により成形する所謂転造
ボールねじと、ねじ溝を研削加工により成形する所謂研
削ボールねじとがある。
【0005】研削ボールねじは、加工精度を目標の寸法
の公差内にして組付け精度を確保することが可能である
が、生産性が低い。転造ボールねじの場合は、転造加工
によりねじ軸を成形するため生産性が高く強度的にも優
れているが、研削加工に比べて高い加工精度が期待でき
ず公差内におさめることが困難である。
【0006】そこで互いに別個に加工製造されたねじ軸
とナットの寸法から適合する組合せを選択する方法があ
るが、組合せが複雑であり、組み直し等の無駄な作業も
あって効率が良くなく、またそれぞれの寸法のずれが同
じ寸法だけずれていて組み合わせ可能な組が、製造した
ねじ軸およびナットの数だけ揃うことは稀であり、相当
数の寸法の合わないねじ軸,ナットが残ってしまう。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みなされたもの
で、その目的とする処は、ねじ軸の加工精度の如何にか
かわらず無駄な部品在庫を出すことなく精密ボールねじ
を高い生産効率の下で製造できるボールねじの適合製造
方法を供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用効果】上記目的
を達成するために、本発明は、ねじ軸のねじ溝を加工す
るねじ軸加工工程と、加工されたねじ軸のねじ溝を測定
するねじ軸測定工程と、前記ねじ軸の測定データに基づ
きナットのねじ溝を加工するナット加工工程と、加工さ
れたナットのねじ溝を測定するナット測定工程と、前記
工程により測定された複数の前記ねじ軸の測定データと
同数の前記ナットの測定データに基づきねじ軸とナット
の適正な組合せを決定するねじ軸・ナット組合せ工程
と、組み合わされたねじ軸とナットの測定データに基づ
きボールを選択するボール選択工程と、前記組み合わさ
れたねじ軸とナットを前記選択されたボールを介して螺
合して組付けるボールねじ組立て工程と、からなるボー
ルねじの適合製造方法とした。
【0009】ボールねじの場合、ねじ軸の方がナットよ
りも加工するねじ溝の長さが長く、高い加工精度を確保
することが困難である。そこで高い加工精度の維持が困
難なねじ軸のねじ溝を先に加工製造し、加工成形された
ねじ溝を測定して、その測定データに基づいて十分な加
工精度が期待できるナットのねじ溝を加工することで、
ねじ軸に合ったナットを成形することができる。
【0010】こうして複数のねじ軸のそれぞれについて
ナットを成形し、各ナットを測定して、同数のねじ軸と
ナットの測定データをもとにねじ軸とナットの適正な組
合せを見つけることで、より高い組付け精度を確保しな
がら、さらに組み合わされたねじ軸とナットの測定デー
タから両者の誤差を最小にするような最適なボールを選
択し、精密なボールねじを製造することができる。
【0011】ねじ軸の加工に高い精度が要求されないの
で、生産効率を向上させることができ、常にねじ軸に合
ったナットが成形されるので、最適組合せ後に全く合わ
ないねじ軸とナットが残るようなことは回避され無駄な
在庫部品が出ることは少ない。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載のボ
ールねじの適合製造方法において、前記ねじ軸測定工程
では、ねじ軸のねじ溝のBCDとリードを測定し、前記
ナット測定工程では、ナットのねじ溝のBCDとリード
を測定し、前記ねじ軸・ナット組合せ決定工程が、1ね
じ軸のリードと一致または所定範囲内で近似するリード
のナットを選択するリード選択工程と、前記選択された
ナットから前記1ねじ軸のBCDと一致または最も近似
するBCDのナットを選択するBCD選択工程と、から
なることを特徴とする。
【0013】ねじ軸に対して最適な組合せとなるナット
を選択するのに、まず組立時に影響の大きいリードにつ
いてねじ軸に一致または近似するナットを選択して一定
以上の組付け精度を確保した上で、さらに選択されたナ
ットの中からBCDの一致または最も近似するナットを
選択することで、より高い組付け精度を得ることがで
き、かつ複雑な組合せ選択を自動的に効率良く行うこと
ができる。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2記載のボールねじの適合製造方法において、前記
ねじ軸加工工程では、転造によりねじ溝を加工すること
を特徴とする。
【0015】転造によりねじ溝を加工するねじ軸の成形
方法は、研削加工に比べ生産性に優れるとともに、成形
されたねじ部の繊維組織が連続していて強度も高い。し
かし研削加工に比べて高い加工精度が期待できない。
【0016】そこで加工精度が劣ってもねじ軸を先に転
造加工し、その測定データに基づいて十分な加工精度が
期待できるナットのねじ溝を加工し、こうして加工され
たねじ軸とナットの最適組合せを見つけ出し、最適ボー
ルを選択してボールねじを組立てることで、高い組付け
精度を確保し、精密なボールねじを高い生産性と強度を
維持したまま製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る一実施の形態に
ついて図1ないし図4に図示し説明する。本実施の形態
に係るボールねじの適合製造を実行する製造システムを
工程順に説明する説明図を図1に示し、製造手順をフロ
ーチャートで図2および図3に示す。以下同図1を参照
しながら図2および図3に従って説明する。
【0018】本ボールねじは、自動車の電動パワーステ
アリング装置に使用されるボールねじ機構であり、図4
に示すようにねじ軸1にはねじ溝が形成されるねじ部2
とラック部3とが同時に設けられる。最終的にはこのね
じ軸1のねじ部2には、ボール4を介してナット5が螺
合されボールねじ機構が構成される。
【0019】まず予めラック部3が形成された丸棒状の
素材が、図1に示すねじ軸転造機10に供給されてねじ
軸1の転造加工が行われる(ステップ1)。ねじ軸転造
機10は、素材のねじ加工する部分の長さより短い幅のダ
イスで順次成形していくスルー転造加工を行うもので、
1対の転造用ロールダイス11,12が回転しながら棒状素
材を挟圧して連続的にねじ溝を成形する。
【0020】したがって転造加工は、研削加工に比べて
生産効率が高いとともに、繊維組織の連続性を維持する
ことができるので、強度的に優れている。しかし素材の
硬度や径等が影響して高い加工精度は期待できない。
【0021】転造加工されたねじ軸1は、加熱により後
処理され(ステップ2)、図1に示すねじ軸測定機20
によりねじ溝の測定が行われる(ステップ3)。ねじ軸
測定機20は、ねじ軸1のラック側端部を回転駆動するコ
レットチャック21に支持され、3点式接触子22がねじ溝
に係合支持して回転とともに移動して連続的に測定を行
う。
【0022】3点式接触子22の3点の相互位置関係から
ボール中心径BCD(ねじ軸と理論的接触点で接触する
球の中心を包含する円筒径)を測定し、3点式接触子22
の移動距離からリードを測定する。
【0023】ねじ軸測定機20により測定された測定値
は、データ処理コンピュータ23により演算処理されて平
均BCDと平均リードが算出され(ステップ4)、この
値をねじ軸1のBCD,リードとする。
【0024】データ処理コンピュータ23により算出され
たねじ軸1のBCD,リードは、ラベルプリンタ24によ
りラベル26に印字される(ステップ5)。このラベルプ
リンタ24は、2次元コードであるQRコードを印字する
ことができるラベルプリンタであり、ラベルシート25に
順次配列された各ラベル26に図3に拡大して示すように
QRコード27と文字と数字を印字する。
【0025】QRコード27には、ねじ軸1のシリアルナ
ンバーと、該ねじ軸1のBCDおよびリードの値がQR
コードで表示されており、その他同じ内容のものが通常
の文字と数字で別個にラベル26に印字される。QRコー
ド27は、桁数の多い数値を3つも含む情報を小さいスペ
ースに表示することができ、ラベル26も小さくて済む。
【0026】印字されたラベル26は、ラベルシート25か
ら剥がして該ねじ軸1に添付する(ステップ6)。ラベ
ル25は、小さくかつ図1および図3に示すようにねじ
軸1のラック部3側の端部に添付されるので、ラベル25
が後工程の作業の邪魔にならず、ねじ軸の物流に制約が
少なく後工程における管理がし易く、ナットとの組合せ
ミス等の不具合が生じない。
【0027】こうして該ラベル26が添付されたねじ軸1
が所定数揃ったところで、図1に示すように台車30に
搭載され、ナット研削機31およびナット研削機1に付随
するナットねじ研削制御盤32の所へ搬送される(ステッ
プ7)。台車30は、複数本のねじ軸1を所定間隔を存し
て上方から縦に差し込むようにして支持して搭載できる
ようになっている。
【0028】ねじ軸1を立設するに際しては、ねじ部2
を下にして差し込み、上側となるラック部3側端部にラ
ベル26が添付されているようにする。差し込まれるねじ
部2は振動等に対して保護されるようになっている。
【0029】ナット研削機31に付随するナットねじ研削
制御盤32からはコード33が延出して、その先端にQRコ
ードリーダ34が設けられている。前記したように台車30
に搭載されて搬送されてきたねじ軸1に対して台車30に
立設された状態のままQRコードリーダ34をラベル26に
あてがいQRコード27を読み取ることができる(ステッ
プ8)。
【0030】QRコード27は、小さい面積に多量の情報
を含めることができるので、1本のねじ軸1に添付され
たラベル26のQRコード27を読み取るのに、QRコード
リーダ34を1回あてがえば当該ねじ軸1についての必要
な情報を読み取ることができ、作業が容易である。
【0031】QRコード27により表示されたねじ軸1の
シリアルナンバーと、該ねじ軸1のBCDおよびリード
の測定データは、QRコードリーダ34により読み取ら
れ、この測定データに基づいてナットねじ研削制御盤32
は、適正なナット寸法を形成するために必要な計算処理
を行い、ねじ軸1の寸法データに応じたナット加工のた
めの値に加工パラメータが変更され、同加工パラメータ
に従ってナット研削機31による研削加工が行われる(ス
テップ9)。
【0032】研削加工は、一般に転造加工よりも加工精
度が高く、かつナットのように加工するねじ部の長さが
短いものについては、極めて高い加工精度を確保するこ
とができる。
【0033】したがってねじ部が長く十分な加工精度が
期待できないねじ軸1を先に、転造加工により生産性と
強度を維持して成形し、成形されたねじ軸1のBCD,
リードに合わせてナット5のねじ溝を研削加工により高
精度に成形することにより、ねじ軸1に合ったナット5
を成形することができる。
【0034】研削加工されたナット5は、後処理がなさ
れ(ステップ10)、図1に示すようにナット測定機
35によりナット5のねじ溝の寸法が測定され(ステップ
11)、ナット5のBCDとリードが算出される(ステ
ップ12)。
【0035】こうしてねじ軸1と同数のナット5が加工
され測定されると、これらねじ軸1とナット5で1グル
ープを構成して、グループ単位でボールねじ組立工程に
搬送される。そして1グル−プのねじ軸1の測定データ
とナット5の測定データは、データ管理組立て指示装置
40に入力される。
【0036】データ管理組立て指示装置40は、同時にボ
ールねじに介装されるボール4をボール径に応じて5種
類程度に分けて管理している。すなわちボール4は、標
準とされるボール径を中心に小さい方へボール径が変位
した程度および大きい方へボール径が変位した程度によ
って5段階に分けられ各段階の代表値を、データ管理組
立て指示装置40は記憶している。
【0037】したがってデータ管理組立て指示装置40に
より、1グループのねじ軸1とナット5の測定データお
よびボール4のボール径データは集中的に管理される
(ステップ13)。そしてデータ管理組立て指示装置40
は、測定データをもとにねじ軸1とナット5の最適組合
せを決定し、次いでボール4を選択する。
【0038】この組合せの決定手順とボールの選択は、
図3のフローチャートに示されている。まずグループの
中の所定数のねじ軸1から1本のねじ軸1を対象として
決定し(ステップ21)、該ねじ軸1に組み合わせるナ
ット5を以下のステップで決める。
【0039】ステップ22では、リードに関して該ねじ
軸1と一致するナット5が有るか否かを判断し、一致す
るナット5があれば一致する全部のナット5を抽出し
(ステップ23)、ステップ24に進み、今度は抽出さ
れたナット5の中からBCDに関して一致するナット5
が有るか否かを判断し、有れば同リードとBCDが一致
したナット5が選択され(ステップ25)、ステップ3
1に進む。
【0040】ステップ31では、リードとBCDが一致
したナット5が選択されているので、ボール径が規定値
の標準ボール4が選択され、1組のねじ軸1,ナット
5,ボール4の組合せが決定される。
【0041】ステップ24でBCDに関して一致するナ
ット5が無いときは、ステップ26に進んで選択された
ナット5の中からBCDが最も近似するナット5が選択
され、ステップ32に進んでBCDの誤差分を最も吸収
するボール径のボール4が選択され、1組のねじ軸1,
ナット5,ボール4の組合せが決定される。
【0042】前記ステップ22でリードに関して一致す
るナット5が無いときは、ステップ27に進んでリード
が近似するすなわちリード差が所定範囲内にあるナット
5が選択されステップ28に進み、選択されたナット5
の中からBCDに関して一致するナット5が有るか否か
を判断する。
【0043】一致するナット5が有れば、当該リードが
近似しBCDが一致するナット5が選択され、ステップ
33に進んでリードの誤差分を最も吸収するボール径の
ボール4が選択され、1組のねじ軸1,ナット5,ボー
ル4の組合せが決定される。
【0044】ステップ28でBCDに関して一致するナ
ット5が無いときは、ステップ30に進んでBCDが最
も近似するナット5が選択され、ステップ34に進んで
BCDとリードの総合誤差分を最も吸収するボール径の
ボール4が選択され、1組のねじ軸1,ナット5,ボー
ル4の組合せが決定される。
【0045】このように1ねじ軸1に対してまずボール
ねじの組合せ精度に影響の大きいリードに関して一致ま
たは近似するナット5を選択し(ステップ23,2
7)、その中からBCDに関して一致または近似するナ
ット5を選択するので(ステップ25,26,29,3
0)、適正なねじ軸1とナット5の組合せが選択され
る。
【0046】そして選択されたねじ軸1とナット5の組
合せに対してリードまたはBCDに関し誤差がないとき
は規定値のボール径のボール4が選択され(ステップ3
1)、誤差があるときは、その誤差を吸収するボール径
のボール4が選択される(ステップ32,33,3
4)。
【0047】このようにして1組のねじ軸1,ナット
5,ボール4の適正な組合せが容易に決定されるので、
従来のように試行錯誤に近い組合せ作業に比べ格段に作
業時間が短縮され組立て工程の効率化と稼働率向上が図
れる。
【0048】そして1組の組合せが決定されると、ステ
ップ35で1グループの組合せが全部決定したか否かを
判別し、決定していなければステップ21に戻り、1グ
ループ内で未だ対象とされていないねじ軸1を選んで同
じようにしてナットとボールの最適組合せを決定する。
【0049】こうして1グループの組合せが全部決定す
ると、図3のメインルーチンのステップ15に戻り、決
定されたねじ軸1,ナット5,ボール4の組合せでボー
ルねじの組立がなされる。
【0050】図1に示すようにデータ管理組立て指示
装置40を付随するボールねじ組立て装置41によって1組
のねじ軸1とナット5と選択されたボール4が組立てら
れる。なおデフレクタ式ボールねじの場合、ナット5に
デフレクタを嵌着させておく。
【0051】ボールねじ組立て装置41は、架台42の中に
ボール挿入治具43を備え、架台42の上に5つのボールス
トッカー44が配列され、各ボールストッカー44からボー
ル導入ホース45がボール挿入治具43に向かって延出して
いる。
【0052】ボール挿入治具43は、軸方向を縦にして保
持されたナット5に、ボール挿入ノズル46が上から挿入
され、ボール挿入ノズル46には選択された1本のボール
導入ホース45からボール4が供給されて、ボール挿入ノ
ズル46を介してナット5のねじ溝の循環路に内側からボ
ールが挿入される。
【0053】次いでボール4を循環路に残してボール挿
入ノズル46に代わってねじ軸1が、ナット5に螺入され
ボールねじの組立てが完了する。こうしてボールねじが
組立てられると、バックラッシュ測定やフリクション測
定等の性能測定と検査を行い(ステップ16)、ボール
ねじとして良品か否かを判別し(ステップ17)、良品
ならば完成品として払い出され(ステップ18)、不良
品ならばステップ19に飛んで別のグループの組合せ候
補として回送される。
【0054】以上のように本実施の形態に係るボールね
じの適合製造方法は、高い加工精度の維持が困難なねじ
軸1のねじ溝を先に転造加工で製造し、同ねじ溝1の測
定データに基づいて十分な加工精度が期待できるナット
5のねじ溝を研削加工することで、ねじ軸1に合ったナ
ット5を成形することができる。
【0055】こうして所定数のねじ軸1のそれぞれにつ
いてナット5を成形して1グループを構成し、各ナット
を測定して、同数のねじ軸1とナット5の測定データを
もとにねじ軸1とナット5の適正な組合せを見つけるこ
とで、より高い組付け精度を確保しながら、さらに組み
合わされたねじ軸1とナット5の測定データから両者の
誤差を最小にするような最適なボール4を選択し、精密
なボールねじを製造することができる。
【0056】ねじ軸1の加工に高い精度が要求されない
ので、転造加工で生産効率を向上させることができ、常
にねじ軸に合ったナット5が成形されるので、最適組合
せ後に全く合わないねじ軸1とナット5が残るようなこ
とは回避され無駄な在庫部品が出ることは少ない。
【0057】ねじ軸1に対してナット5を選択するに際
しては、まず組立時に影響の大きいリードについてねじ
軸1に一致または近似するナット5を選択して一定以上
の組付け精度を確保した上で、さらに選択されたナット
5の中からBCDの一致または最も近似するナット5を
選択することで、より高い組付け精度を得ることができ
る。
【0058】また組み直しなどの無駄な作業が削減さ
れ、複雑な組合せ選択が自動的に瞬時に実行されるの
で、組立て工程を効率化し、同稼働率の向上が図れる。
さらに作業者によるバラツキを少なくできるため、安定
した高い組立て精度を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るボールねじの適合
製造を実行する製造システムを工程順に説明する説明図
である。
【図2】同製造手順を示すフローチャートである。
【図3】組合せ決定ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図4】ねじ軸と添付されたラベルの拡大図を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…ねじ軸、2…ねじ部、3…ラック部、4…ボール、
5…ナット、10…ねじ軸転造機、11,12…ロールダイ
ス、20…ねじ軸測定機、21…コレットチャック、22…3
点式接触子、23…データ処理コンピュータ、24…ラベル
プリンタ、25…ラベルシート、26…ラベル、27…QRコ
ード、30…台車、31…ナット研削機、32…ナットねじ研
削制御盤、33…コード、34…QRコードリーダ、35…ナ
ット測定機、40…データ管理組立て指示装置、41…ボー
ルねじ組立て装置、42…架台、43…ボール挿入治具、44
…ボールストッカー、45…ボール導入ホース、46…ボー
ル挿入ノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 刀根 修一 静岡県御殿場市駒門一丁目140番 株式会 社ショーワ御殿場工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ軸のねじ溝を加工するねじ軸加工工
    程と、 加工されたねじ軸のねじ溝を測定するねじ軸測定工程
    と、 前記ねじ軸の測定データに基づきナットのねじ溝を加工
    するナット加工工程と、 加工されたナットのねじ溝を測定するナット測定工程
    と、 前記工程により測定された複数の前記ねじ軸の測定デー
    タと同数の前記ナットの測定データに基づきねじ軸とナ
    ットの適正な組合せを決定するねじ軸・ナット組合せ決
    定工程と、 組み合わされたねじ軸とナットの測定データに基づきボ
    ールを選択するボール選択工程と、 前記組み合わされたねじ軸とナットを前記選択されたボ
    ールを介して螺合して組付けるボールねじ組立て工程
    と、 からなることを特徴とするボールねじの適合製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ねじ軸測定工程では、ねじ軸のねじ
    溝のBCDとリードを測定し、 前記ナット測定工程では、ナットのねじ溝のBCDとリ
    ードを測定し、 前記ねじ軸・ナット組合せ決定工程は、 1ねじ軸のリードと一致または所定範囲内で近似するリ
    ードのナットを選択するリード選択工程と、 前記選択されたナットから前記1ねじ軸のBCDと一致
    または最も近似するBCDのナットを選択するBCD選
    択工程と、 からなることを特徴とする請求項1記載のボールねじの
    適合製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ねじ軸加工工程では、転造によりね
    じ溝を加工することを特徴とする請求項1または請求項
    2記載のボールねじの適合製造方法。
JP7391098A 1998-03-23 1998-03-23 ボールねじの適合製造方法 Pending JPH11267923A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009059220A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Sharp Corp 生産管理システムおよび生産管理方法、並びに製品の生産方法
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CN104588790A (zh) * 2014-12-03 2015-05-06 湖南南方宇航工业有限公司 一种锯齿形螺纹的加工方法

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