JPH11267838A - 溶接ロボット - Google Patents

溶接ロボット

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Publication number
JPH11267838A
JPH11267838A JP10069085A JP6908598A JPH11267838A JP H11267838 A JPH11267838 A JP H11267838A JP 10069085 A JP10069085 A JP 10069085A JP 6908598 A JP6908598 A JP 6908598A JP H11267838 A JPH11267838 A JP H11267838A
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JP
Japan
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welding
arm
pipe
gripping
axis
Prior art date
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Pending
Application number
JP10069085A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ogawara
孝 大河原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Engineering Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Engineering Corp filed Critical Toshiba Engineering Corp
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Publication of JPH11267838A publication Critical patent/JPH11267838A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】配管周辺の狭隘部において配管および配管関連
機器の溶接箇所に対して溶接を自動的に行なうロボット
の提供。 【解決手段】ライザ管19を包むように配置された略馬
蹄形状のフレーム43およびフレーム43内に設置され
ライザ管19に対して互いに接離する方向に移動してラ
イザ管19の外周面を把持する一対の把持アームを有す
るクランプ部41と、一端部がクランプ部41のフレー
ム43におけるライザ管19の中心軸に直交する一側面
におけるライザ管19を挟んで互いに対向する位置にそ
れぞれ取り付けられ他端部である溶接トーチ支持部56
の溶接トーチ支持用フレーム141が三次元方向に移動
できる一対の双腕・多軸型アーム45と、各多軸型アー
ム45の溶接トーチ支持部56の溶接トーチ支持用フレ
ーム141にそれぞれ取り付けられ溶接トーチ支持用フ
レーム141の移動に応じて一体に移動する溶接作業実
行用の溶接トーチ46とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉等の各種産
業設備内の配管周辺の狭隘部分において当該配管を含む
配管関連機器の溶接または溶断を行なう際に用いられる
溶接ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉等の各種産業設備内には、蒸気や
冷却水等の供給および排出のため、多数の配管およびそ
の配管に関連した設備機器(例えば、配管を支持する支
持金具等、以下、配管関連機器という)が設置されてい
る。
【0003】例えば、原子炉においては、炉心シュラウ
ドの外壁と圧力容器の内壁との間の環状部分に、炉内の
冷却水を循環、撹拌するためのライザ管、ジェットポン
プノズルおよびディフューザ(広がり管)等から構成さ
れたジェットポンプが複数個設置されており、各ジェッ
トポンプには、そのジェットポンプのライザ管を支持し
て圧力容器内壁に対して固定するための支持金具(以
下、ライザブレースという)が取り付けられている。
【0004】ところで、上述した原子炉等の産業設備を
長期間使用していくと、その設備を構成する各設備機器
が次第に老朽化していくため、安全性・信頼性の観点か
ら、老朽化した設備機器を交換する必要が生じてくる。
【0005】例えば、原子炉の場合では、長期間に亘る
中性子照射のために脆化した炉内の各種設備機器(上記
炉心シュラウド、ジェットポンプ、ライザブレース等)
を交換して高い安全性を維持する必要がある。
【0006】産業設備内の設備機器を交換するには、老
朽化した設備機器を切断・除去し、新品の設備機器を溶
接して取り付けることが考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】産業設備内に設置され
た多数の配管および配管関連機器の中で、配管の径方向
に広がる空間が設備建屋の構造や他の配管等の設備機器
の占有スペースの影響で非常に狭くなっている部分(狭
隘部)に設置された配管および配管関連機器を交換する
際には、新品の配管および配管関連機器を狭隘部におい
て溶接しなければならない。
【0008】しかしながら、従来の技術では、そのよう
な狭隘部において溶接部(溶接トーチ)を配管あるいは
配管関連機器の溶接箇所近傍まで搬送して固定し、固定
された溶接部をさらに三次元的に移動させてその溶接箇
所に対して溶接を行なうことは極めて難しく、また、そ
のような狭隘部における溶接部の搬送、固定および溶接
を行なう具体的な手段も何ら考案されてはおらず、狭隘
部に設置された老朽化した配管および配管関連機器を新
品に交換することができなかった。
【0009】また、原子炉等の内部が高放射化した産業
設備においては、溶接作業を遠隔操作で行なわなければ
ならないという制約があるが、遠隔操作による溶接作業
についても具体的な手段は全く考え出されてはいないた
め、原子炉内の狭隘部における配管および配管関連機器
の溶接をさらに難しくしていた。
【0010】例えば、上述した原子炉内の圧力容器内壁
と炉心シュラウドの外壁との間は、その幅が約500mm
と非常に狭い狭隘部であり、そのような狭隘部において
遠隔操作により溶接部をジェットポンプ支持用ライザブ
レース近傍まで搬送して固定し、固定した溶接部を三次
元的に作動させてジェットポンプ支持用ライザブレース
を溶接することは、従来の技術では不可能であり、狭隘
部において上述した溶接作業を実行できる具体的な装置
を開発することが望まれていた。
【0011】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
もので、配管周辺の狭隘部において、その配管および配
管関連機器の溶接箇所に対して溶接を自動的に行なうこ
とができ、その結果狭隘部に設置された配管および配管
関連機器を新品に交換できるようにした溶接ロボットを
提供することをその目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明に係わる溶接ロボットによれば、配管周
辺の狭隘部分における当該配管を含む配管関連機器の溶
接または溶断箇所に対して溶接または溶断を行なう溶接
ロボットであって、前記配管を包むように配置された略
馬蹄形状のフレームおよびこのフレーム内に設置され前
記配管に対して互いに接離する方向に移動して当該配管
の外周面を把持する一対の把持アームを有するクランプ
部と、一端部が前記クランプ部に取り付けられ他端部が
三次元方向に移動できる多軸型アームと、この多軸型ア
ームの他端部に取り付けられ当該他端部の移動に応じて
一体に移動する前記溶接または溶断作業実行用の溶接ト
ーチとを備えている。
【0013】特に、前記多軸型アームは、前記クランプ
部フレームにおける前記配管の中心軸に交わる一側面に
取り付けられた第1の関節部およびこの第1の関節部に
連結され当該第1の関節部の中心軸に対して直交する方
向に延びる第1の上腕部を有し、当該第1の上腕部が前
記第1の関節部を介して前記クランプ部フレームの幅の
範囲内外方向に沿って回動可能な第1のアーム部と、前
記第1の上腕部の先端部に連結された第2の関節部およ
びこの第2の関節部に連結され当該第2の関節部の中心
軸に沿って延びる第2の上腕部を有し、この第2の上腕
部が前記第2の関節部を介して前記第2の関節部の中心
軸を回転軸として回動し、かつその回転軸に沿ってテレ
スコピック状に伸縮自在な第2のアーム部と、前記第2
の上腕部の先端部に連結された第3の関節部およびこの
第3の関節部に連結され当該第3の関節部の中心軸に沿
って延びる前腕部を有し、この前腕部が第3の関節部を
介して前記第3の関節部の中心軸を回転軸として回動
し、かつその回転軸に沿ってテレスコピック状に伸縮自
在な第3のアーム部と、前記前腕部の先端部に取り付け
られ前記溶接トーチを前記前腕部の伸縮方向に直交する
方向に沿って移動自在に支持する溶接トーチ支持部とを
備えている。
【0014】さらに、前記多軸型アームは一対の双腕型
多軸型アームであり、各多軸型アームの前記第1の関節
部は、前記クランプ部フレームの一側面における前記配
管を挟んで互いに対向する位置にそれぞれ取り付けられ
ている。
【0015】また特に、前記クランプ部の一対の把持ア
ームは前記配管を挟んで略対称的に配置され、その把持
アーム本体の両端部の前記配管に対向する側面が当該配
管の中心に対して略円弧状を成す対配管把持面とされて
おり、前記クランプ部は、前記各把持アーム駆動用の駆
動力を生成する駆動手段と、この駆動手段と把持アーム
とを機械的に連結し、前記駆動手段の駆動力に応じて作
動して前記各把持アームを前記配管に対して接離する方
向へ移動させる作動連結手段と、この作動連結手段によ
る前記各把持アームの移動方向を規制することにより当
該各把持アームをその対配管把持面が前記配管の中心軸
を挟んで略向かい合う位置まで移動させ、さらにその向
かい合った状態から前記各把持アームを前記配管に向け
て直線的に移動させるガイド機構とを備えている。
【0016】さらに、前記駆動手段は、前記クランプ部
フレームに設置された把持用モータと、この把持用モー
タの出力軸に回転軸直交変換用の歯車機構を介して連結
され前記把持用モータの駆動に基づく歯車機構を介した
回転駆動力により正逆回転可能な把持アーム駆動用回転
軸と、両端部に対称的に形成された右ネジおよび左ネジ
を有し、前記把持アーム駆動用回転軸に減速機構を介し
て前記把持アームの接離方向に沿うように取り付けられ
当該回転軸の正逆回転に応じて正逆回転する送りネジ
と、この送りネジの右ネジおよび左ネジ部分にそれぞれ
螺合された一対のスライドナットとを備え、前記把持用
モータの駆動に基づいて減速機構を介して前記送りネジ
の右ネジおよび左ネジ部分が正逆方向に回転した時に前
記一対のスライドナットが前記送りネジの軸心に沿って
互いに接離する方向に同時に移動するように構成されて
おり、前記作動連結手段は、一端部が前記スライドナッ
トに第1の支軸を介して回動自在に連結支持されたスラ
イド運動伝達用リンクと、一端部が前記リンクの他端部
に第2の支軸を介して連結支持された前記把持アームの
把持力調整用のリンクと、一端部が前記把持力調整用リ
ンクの略中間部に第3の支軸を介して回動自在に連結支
持され、その中間部が前記フレームに固定された固定軸
を介して回動自在に支持され、かつその他端部に前記把
持アームが第4の支軸を介して回動自在に連結支持され
ており、前記調整用リンクに対して前記配管と反対側に
当該調整用リンクと略平行に並設された把持アーム開閉
動作用リンクと、前記把持力調整用リンクの他端部と把
持アーム開閉動作用リンクとをスプリングを介して連結
するスプリング調整ボルトとを備え、前記スライドナッ
トの互いに接離する方向への同時移動に応じてスライド
運動伝達用リンクが回動し、このスライド運動伝達用リ
ンクの回動に応じて把持力調整用のリンクおよび把持ア
ーム開閉動作用リンクが一体に回動して前記各把持アー
ムが前記ガイド機構を介して移動するようになっている
一方、前記スプリング調整ボルトの締め付け具合を調整
して前記把持力調整用リンクの他端部を前記第3の支軸
を中心に前記把持アーム開閉動作用リンクに対して接離
する方向へ揺動させることにより、前記スプリングの弾
性力を介して前記配管を把持した際の前記把持アームの
把持力を調整可能にしている。
【0017】特に、前記多軸型アームは、前記第1の上
腕部を前記クランプ部フレームの幅の範囲内外方向に沿
って回動させるための第1の回動機構と、前記第2の上
腕部を当該第2の関節部の中心軸を回転軸として回動さ
せるための第2の回動機構と、駆動軸が前記第1の回動
機構と機械的に連結され該駆動軸を回動させることによ
り当該第1の回動機構を駆動させる第1のサーボモータ
と、この第1のサーボモータの駆動軸変位を検出してパ
ルスデータをフィードバックして前記第1の上腕部の回
動位置を検出する第1のエンコーダと、駆動軸が前記第
2の回動機構と機械的に連結され該駆動軸を回動させる
ことにより当該第2の回動機構を駆動させる第2のサー
ボモータと、この第2のサーボモータの駆動軸変位を検
出してパルスデータをフィードバックすることにより前
記第2の上腕部の回動位置を検出する第2のエンコーダ
と、前記第2の上腕部を前記第2の関節部の中心軸に沿
ってテレスコピック状に伸縮させるための上腕用伸縮機
構と、駆動軸がこの上腕用伸縮機構と機械的に連結され
該駆動軸を回動させることによりその上腕用伸縮機構を
駆動させる第3のサーボモータと、この第3のサーボモ
ータの駆動軸変位を検出してパルスデータをフィードバ
ックすることにより前記第2の上腕部の伸縮位置を検出
する第3のエンコーダと、前記前腕部を前記第3の関節
部の中心軸を回転軸として回動させるための前腕用回動
機構と、駆動軸がこの前腕用回動機構と機械的に連結さ
れ該駆動軸を回動させることにより前記前腕用回動機構
を駆動させる第4のサーボモータと、この第4のサーボ
モータの駆動軸変位を検出してパルスデータをフィード
バックすることにより前記前腕部の回動位置を検出する
第4のエンコーダと、前記前腕部を前記第3の関節部の
中心軸に沿ってテレスコピック状に伸縮させるための前
腕用伸縮機構と、駆動軸がこの前腕用伸縮機構と機械的
に連結され該駆動軸を回動させることにより前腕用伸縮
機構を駆動させる第5のサーボモータと、この第5のサ
ーボモータの駆動軸変位を検出してパルスデータをフィ
ードバックすることにより前記前腕部の伸縮位置を検出
する第5のエンコーダと、前記溶接トーチ支持部に設け
られ前記溶接トーチを前記前腕部の伸縮方向に直交する
方向に沿って支持しながらその方向に沿って移動させる
溶接トーチ移動支持機構と、駆動軸が溶接トーチ移動支
持機構と機械的に連結され該駆動軸を回動させることに
より溶接トーチ移動支持機構を駆動させる第6のサーボ
モータと、この第6のサーボモータの駆動軸変位を検出
してパルスデータをフィードバックすることにより溶接
トーチの移動位置を検出する第6のエンコーダと、ワイ
ヤ供給用モータと、このワイヤ供給用モータの駆動に応
じてワイヤドラムに保持されたワイヤを順次送り出して
溶接トーチに供給するワイヤ供給機構と、ワイヤ供給用
モータの駆動軸変位を検出してパルスデータを出力する
ワイヤ供給速度検出用パルスエンコーダとを備えてお
り、前記溶接ロボットは、前記多軸型アームの前記第1
〜第6のパルスエンコーダおよび前記ワイヤ供給速度検
出用パルスエンコーダからフィードバックされたパルス
データに基づいて前記第1〜第6のサーボモータおよび
前記ワイヤ供給用モータを同時あるいは個別に駆動制御
して前記溶接トーチの溶接電極先端の溶接部の軌道を制
御することにより、当該溶接部を前記溶接箇所に対して
自動的に位置決めしてその溶接箇所に対して自動的に溶
接を実行する溶接制御実行手段を備えている。
【0018】また特に、前記クランプ部フレームにおけ
る前記多軸型アームが設置された一側面に対向する他側
面にチェーン等の吊下部材を装着可能な装着部を設けて
いる。
【0019】さらに、前記クランプ部は、このクランプ
部に取り付けられ少なくとも前記クランプ部を前記配管
の中心軸方向および周方向に沿って自動的に走行させる
自動走行装置を備えており、この自動走行装置は、前記
配管を包むように前記クランプ部に対して取り付けられ
た略馬蹄形状の第1の走行用フレームおよびこの第1の
走行用フレーム内に設置され前記配管に対して互いに接
離する方向に移動して当該配管の外周面を把持する一対
の走行用把持アームを有し、当該走行用把持アームを介
して前記配管を把持した状態で当該配管の外周面上を前
記配管の中心軸方向に沿って自動的に走行させる軸方向
走行用クランプ手段と、前記配管を包むように配設され
た略馬蹄形状の第2の走行用フレーム、前記クランプ部
に固設され、かつ前記配管の中心軸を回転中心として回
転自在に前記第2の走行用フレームに支持された回転テ
ーブルおよび前記回転テーブルに機械的に連結しその回
転テーブルを前記配管中心軸を回転中心として回転させ
ることにより前記クランプ部を前記配管の周方向に沿っ
て自動的に走行させる回転機構を有する周方向走行手段
とを備えている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の溶接ロボットの一
実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、
本実施形態においては、産業設備の狭隘部に設置された
配管あるいは配管関連機器として、原子炉内の圧力容器
内壁と炉心シュラウドの外壁との間に設置されたジェッ
トポンプのライザ管支持・固定用の配管支持金具(ライ
ザブレース)を溶接する場合を例にとって説明する。
【0021】(第1の実施の形態)図1は、本実施形態
の溶接対象となるライザブレースを有する原子炉の圧力
容器の構成を示す断面図であり、また、図2は、圧力容
器内壁と炉心シュラウドの外壁との間に設置されたジェ
ットポンプおよびライザブレースを拡大して示す図であ
る。
【0022】図1および図2によれば、原子炉1は圧力
容器2を有し、この圧力容器2内に炉心シュラウド3が
配置されている。この炉心シュラウド3は、シュラウド
サポートシリンダ4により支持されおり、このシュラウ
ドサポートシリンダ4はシュラウドサポートレグ5によ
って圧力容器2の底部に支持されている。また、炉心シ
ュラウド3の上部には上部格子板6が設けられ、下部に
は炉心支持板7が設けられている。炉心シュラウド3お
よび上部格子板6のさらに上方には、蒸気発生器8が設
置されている。
【0023】原子炉1における上記圧力容器2の内壁2
aと炉心シュラウド3の外壁3aとの間は環状部分であ
り、その幅は、約530mmと非常に狭い部分、いわゆる
狭隘部分となっている。
【0024】そして、この環状狭隘部Nに、冷却水を撹
拌して循環させるためのジェットポンプ10が設置され
ている。また、ジェットポンプ10上方の上部格子板6
と圧力容器内壁2aとの間の狭隘部Nには低圧注水配管
11が設置されており、ジェットポンプ10の周囲にも
図示しない各種の配管が多数配置されている。
【0025】図2に示すように、圧力容器内壁2aと炉
心シュラウド外壁3aとの間で多数の配管が配置された
狭隘部Nに設置されたジェットポンプ10は、ジェット
ポンプノズル15、混合室(ミキサ配管)16およびデ
ィフューザ17を有し炉心の中心軸に沿って設置された
一対のジェットポンプ本体18、18と、この一対のジ
ェットポンプ本体18、18の間にそのジェットポンプ
本体18、18に沿って取り付けられ、同ジェットポン
プ本体18、18に再循環ループを介して送られた冷却
水を案内するためのライザ管19と、このライザ管19
を固定支持して圧力容器内壁2aに固定するための配管
支持金具(ライザブレース)20とを備えている。
【0026】次にこのように構成された原子炉1の圧力
容器2内の炉内構造物を交換する際において、老朽化し
た既設のライザブレースを除去して新品のライザブレー
スを溶接により取り付ける際の溶接装置(溶接ロボッ
ト)について、以下に説明する。
【0027】既設のライザブレースを交換する場合に
は、まず、そのライザブレースを圧力容器2の内壁面2
aから突出するパッドから切断してEDM(特殊電解加
工)を用いてその切断面を整形した後で、新品のライザ
ブレースを整形されたパッドに仮止め(仮付け)し、こ
の仮付けされたライザブレースを溶接により原子炉内壁
2aに取り付けている。
【0028】図3〜図5は、このようにして仮付けされ
たライザブレース20の概略構成を示す図であり、図3
は、ライザブレース20の全体構成を示す斜視図であ
る。また、図4は、ライザブレース20の全体構成を示
す平面図であり、図5は、ライザブレース20の全体構
成を示す側面図である。なお、図3〜図5において、ラ
イザ管19の中心軸に沿った方向をZ軸、このZ軸に直
交し、かつ圧力容器内壁面に対向する方向をY軸、およ
びZ軸、Y軸にそれぞれ直交する水平方向をX軸とす
る。
【0029】図3〜図5によれば、ライザ管設置部分に
対応する圧力容器内壁面2aには、略X軸方向に沿って
所定間隔を開けて一対のパッド21、21がそれぞれ突
設されており、この各パッド21、21には、Z軸方向
(上下方向)に所定間隔を開けて上下一対のライザブレ
ース支持部22a、22bおよび23a、23bがそれ
ぞれ突設されている。そして、ライザブレース20は、
パッド21、21のライザブレース支持部22a、22
bおよび23a、23bにそれぞれ仮付けされている。
【0030】すなわち、ライザブレース20は、ライザ
ブレース支持部22a、22bおよび23a、23bに
対して突合わせ溶接を行なうために、Y軸に沿ってその
支持部22a、22bおよび23a、23bと向き合う
ように仮付けされた上下一対のアーム24a、24bお
よび25a、25bと、このアーム24a、24bおよ
び25a、25bのライザ管側先端部24a1 、24b
1 および25a1 、25b1 に対して突合わせ溶接を行
なうためにその先端部24a1 、24b1 および25a
1 、25b1 と向き合うように仮付けされた平面視で略
コの字形のライザ管支持固定用サポート部26とから構
成されている。
【0031】サポート部26は、アーム24a、24b
および25a、25bの間に挿入配置されたライザ管支
持固定部27を有している。このライザ管支持固定部2
7のライザ管側の内面は、ライザ管19に係合してその
ライザ管19を支持固定するために、ライザ管19の外
周面に沿うような円弧面として形成されており、その円
弧状内周面にライザ管支持固定用の支持固定部材28が
取り付けられている。
【0032】また、ライザ管支持固定部27は、ライザ
管側に位置し、かつ各アームのライザ管側先端部24a
1 、24b1 および25a1 、25b1 に向き合う上下
一対の端部29a、29bおよび30a、30bを有し
ており、この端部29a、29bおよび30a、30b
がそれぞれアームのライザ管側先端部24a1 、24b
1 および25a1 、25b1 に仮付けされている。
【0033】各アーム24a、24bおよび25a、2
5bとライザブレース支持部22a、22bおよび23
a、23bとの溶接箇所である継手部35a、35bお
よび36a、36bは、それぞれX軸に略平行な直線X
s およびXt に沿って形成されており、その継手部35
a、35bおよび36a、36bの開先形状は、それぞ
れU字形を成している。一方、ライザ管支持固定部27
の端部29a、29bおよび30a、30bとアームの
ライザ管側先端部24a1 、24b1 および25a1 、
25b1 との溶接箇所である継手部37a、37bおよ
び38a、38bも、それぞれX軸に略平行な直線Xu
およびXv に沿って形成されており、その継手部37
a、37bおよび38a、38bの開先形状も、それぞ
れU字形を成している。
【0034】このようにして、圧力容器2の内壁に仮付
けされた新品のライザブレースを溶接するための溶接ロ
ボットの概略構成を図6〜図9を用いて説明する。な
お、図6は、ライザ管19を把持(クランプ)した状態
での溶接ロボットの全体構成を概略的に示す斜視図、図
7は圧力容器側から見た状態(チェーン等の吊下部材に
より上方から吊り下ろした状態)での溶接ロボットの全
体構成を示す正面図、図8は溶接ロボットの全体構成を
示す平面図および図9は溶接ロボットの全体構成を示す
側面図である。
【0035】図6〜図9に示すように、溶接ロボット4
0は、ライザ管19を把持(クランプ)可能なクランプ
部41と、ライザブレース20における2つの溶接箇所
を同時に溶接可能なアーム型溶接ヘッド42(以下、図
7中向かって左側の溶接ヘッドを左側溶接ヘッド42A
と呼び、向かって右側の溶接ヘッドを右側溶接ヘッド4
2Bと呼ぶ)とを備えている。
【0036】クランプ部41は平面視で略馬蹄形状のフ
レーム43と、このフレーム43に取り付けられライザ
管19に接離する方向に移動してライザ管19の外周面
を挟持可能なクランプ機構44とを備えている。なお、
図中符号44Mは、クランプ機構44のクランプ用モー
タを示している。
【0037】左側および右側溶接ヘッド42A、42B
は、三次元空間内において所要部位を伸縮、回転可能な
一対の双腕型かつ多軸型アーム45を有しており、この
一対の多軸型アーム45の先端には、供給された不活性
ガス(イナートガス)および溶接電流に基づいてアーク
を発生してティグ溶接を行なうための溶接トーチ46が
それぞれ取り付けられている。
【0038】多軸型アーム45は、クランプ部41のフ
レーム43の両端部におけるライザ管19の中心軸方向
(Z軸方向)に沿った一側面(図中下面)に互いに対向
するようにそれぞれ取り付けられた第1の関節部50
と、この第1の関節部50にそれぞれ連結され、第1の
関節部50の中心軸(Z軸方向に平行なZ1a軸およびZ
1b軸)に対して直交する方向に延びる第1の上腕部51
とを備えている。この第1の上腕部51は、第1の関節
部50の作動によりZ1a軸およびZ1b軸を回転軸として
クランプ部41のフレーム43の幅の範囲内外方向(θ
1a、θ1b方向)に沿ってそれぞれ回動可能になってい
る。
【0039】また、多軸型アーム45は、第1の上腕部
51の先端部にそれぞれ連結された第2の関節部52
と、この第2の関節部52にそれぞれ連結され、第2の
関節部52の中心軸(Z2a軸およびZ2b軸)に沿って図
中下方に延びる第2の上腕部53とを備えている。この
第2の上腕部53は、第2の関節部52の作動によりZ
2a軸およびZ2b軸を回転軸としてθ2a、θ2b方向にそれ
ぞれ回動し、かつZ2a軸およびZ2b軸に沿ってテレスコ
ピック状に伸縮自在に構成されている。
【0040】さらに、多軸型アーム45は、第2の上腕
部53の先端部にそれぞれ連結された第3の関節部54
と、この第3の関節部54にそれぞれ連結され、第3の
関節部54の中心軸(Y1a軸およびY1b)に沿って延び
る前腕部55とを備えている。この前腕部55は、第3
の関節部54の作動によりY1a軸およびY1b軸を中心に
θ3a、θ3b方向(図7、図8参照)にそれぞれ回動し、
かつY1a軸およびY1b軸に沿ってテレスコピック状に伸
縮自在に構成されている。
【0041】また、前腕部55の先端部には、溶接トー
チ46を前腕部55の伸縮方向(Y1a軸、Y1b軸方向)
に直交する方向(例えば、図8中X1a、X1b方向)に沿
って移動自在に支持する溶接トーチ支持部56が取り付
けられている。
【0042】また、クランプ部41の上記一側面(下
面)に対向するフレーム43の他側面(上面)には、溶
接トーチ46のワイヤ(ワイヤ電極)を保持するワイヤ
ドラム60を有し、このワイヤドラム60に巻回状に保
持されたワイヤを多軸型アーム45の溶接トーチ46に
供給するためのワイヤ供給装置61が各溶接ヘッド42
A、42B毎に設置されている。
【0043】各ワイヤ供給装置61は、ワイヤ供給用モ
ータ62と、このワイヤ供給モータ62の駆動軸に機械
的に連結されたローラ部材等の送給部を有し、ワイヤ供
給用モータ62の駆動に基づく駆動軸の回転に応じて送
給部が作動してワイヤドラム60に保持されたワイヤを
順次送り出して溶接トーチ46に供給するワイヤ供給機
構63と、ワイヤ供給用モータ62の駆動軸変位を検出
してパルスデータを後述する制御装置に出力することに
よりワイヤ供給速度を検出するワイヤ供給速度検出用パ
ルスエンコーダ(ワイヤ速度検出用エンコーダ)64と
を有しており、このワイヤ速度検出用エンコーダ64の
検出データに基づいて後述する制御装置の制御によりワ
イヤ供給モータ62の速度を変化させることにより、各
溶接トーチ46へのワイヤ供給速度を変化できるように
なっている。
【0044】なお、図7に示すように、溶接ロボット4
0のクランプ部41のフレーム上面には、チェーン等の
吊下部材(以下チェーンとする)を装着可能な装着部6
5が互いに離間して3個設置されており、この装着部6
5に吊下部材である例えばチェーンCを装着することに
より、溶接ロボット40を上方から吊り下ろすことが可
能になっている。また、溶接ロボット40(そのクラン
プ部41ならびに左側および右側溶接ヘッド42Aおよ
び42B)は防水構造を成しており、溶接ロボット40
を水中で移動・動作させることが可能になっている。
【0045】次に、クランプ部41について図10〜図
13を用いて説明する。なお、図10は、クランプ機構
44の概略構成を示す展開図(一部断面図)、図11
は、クランプ部41のフレーム43およびクランプ機構
44の概略構成を示すための図10におけるXI−XI
矢視断面図であり、ライザ管把持(クランプ)前のクラ
ンプ機構44の状態を実線で示し、ライザ管クランプ状
態のクランプ機構44の状態を2点鎖線で示す図であ
る。また、図12は、クランプ機構41のクランプ用モ
ータ44Mおよびモータ駆動軸を示す図および図13
は、図12におけるXII−XII矢視断面図である。
【0046】図10〜図13によれば、クランプ部41
の略馬蹄形状のフレーム43は、その両先端部43a、
43aの内側面が互いに平行であり、かつその離間間隔
がライザ管19の外径よりも若干長くなるように形成さ
れている。また、フレーム43は、そのフレーム内面に
おけるライザ管19に面する部分(フレーム内面におけ
る中央側半周以下の部分、円弧状内周面)43bがライ
ザ管19の外周面に沿うような円弧面となるように形成
されている。
【0047】さらに、クランプ部41のフレーム43
は、その両先端部43a、43aの内側面とフレーム円
弧状内周面43bとが形成する領域Rのライザ管軸方向
に直交する横断面(断面視で略ひづめ形)の面積がライ
ザ管19の軸方向に直交する横断面の面積よりも若干大
きくなるように形成されている。したがって、クランプ
部41をそのフレーム43における両先端部43a、4
3aの間からライザ管19に近付けてライザ管19をフ
レーム43内の円弧状内周面43b近傍に位置させるこ
とにより、クランプ部41(そのフレーム43)をライ
ザ管19を包むように配置させるとともに、ライザ管1
9をクランプ部41のフレーム両先端部43a、43a
の内側面とフレーム円弧状内周面43bとが形成する領
域R(ライザ管クランプ領域)に挿入配置させることが
できる。なお、ライザ管19がクランプ部41のライザ
管クランプ領域Rに挿入配置された状態における円弧状
内周面43bの中心Oとライザ管19の中心O' とを結
ぶ軸をL1 軸とし、また、中心O' を通りラインL1 軸
に直交する軸をL2 軸とする。
【0048】また、図11に示すように、ライザ管19
がライザ管クランプ領域Rに挿入配置された状態におい
て、フレーム内面におけるライザ管19の中心O' を挟
んでL2 軸に沿って互いに対向する部分(例えば、ライ
ザ管19の中心O' を挟んでL2 軸に沿って互いに対向
し、かつその対向角がα=約60°の範囲)は開口部4
3cとなっており、この開口部43cを介してクランプ
機構44の後述する一対の把持アームをフレーム43内
から送り出してライザ管19に近付け、またライザ管1
9から離れてフレーム43内に収納することが可能にな
っている。
【0049】すなわち、クランプ機構44は、上述した
ようにクランプ部41のフレーム43におけるライザ管
クランプ領域Rに挿入配置されたライザ管19を把持す
るもので、前記ライザ管19に対して略対称的に配置さ
れるように、フレーム43内に開口部43dを介して進
退自在に設けられたライザ管把持用の一対の把持アーム
70と、この把持アーム70を互いに接離する方向へ開
閉動作させてライザ管19を把持およびその把持状態を
解除させるための駆動力を生成する駆動手段71と、フ
レーム43内に収納配置され駆動手段71と把持アーム
70とを作動連結しており、駆動手段の駆動力に応じて
作動して前記把持アームを開閉動作させる作動連結手段
72と、各把持アーム70の開閉動作、すなわちライザ
管19に対する移動をガイドして当該各把持アーム70
を前記ライザ管19に対して直線的に移動させるガイド
機構73とを備えている。
【0050】駆動手段71は、図12および図13に示
すように、クランプ部41のフレーム上面に配置された
モータ用フレームFM内に設置されたクランプ用モータ
44Mと、このクランプ用モータ44Mの出力軸に回転
軸直交変換用の第1のかさ歯車75aおよび第2のかさ
歯車75bから成る歯車機構75を介して連結された把
持アーム駆動用の回転軸(回転シャフト)76とを備え
ている。
【0051】この回転軸76は、把持すべきライザ管1
9の中心軸と平行かつ上記円弧状内周面43cの中心O
とライザ管19の中心O' とを結ぶラインL1 上にその
ラインL1 と直交するように配置されており、図13中
における上端側がモータ用フレームFMの上面をベアリ
ングB等を介して回動可能に支持されながら外部に突出
し、下端側がクランプ部41のフレーム43の下面にベ
アリングB等を介して回動可能に支持されている。そし
て、回転軸76は、クランプ用モータ44Mの駆動に基
づく歯車機構75を介した回転駆動力により正逆回転が
可能になっている。なお、回転軸76の外部に突出され
た上端側先端部76Aには、レンチを用いて手動により
回転軸76を回動操作可能なレンチ用ロッド穴77が設
けられている。
【0052】一方、回転軸76のクランプ部フレーム4
3内における所定位置には減速用ウォーム80が設けら
れている。この減速用ウォーム80にはウォームギヤ8
1が噛合され、このウォームギヤ81は、回転軸76に
直交し上記把持アーム70の接離方向(L2 軸方向)に
沿って配置された送りネジ82の中間部82Aに連結さ
れている。また、ウォームギヤ81は、クランプ部フレ
ーム43内における上記L1 軸上、すなわち、フレーム
43内の略中心部分に配置されている。
【0053】送りネジ82におけるウォームギヤ81が
連結された中間部82Aはベアリングホルダ83および
ベアリング84を介して支持されており、その中間部8
2Aを挟んだ両端部には、それぞれ左右の向きが異なる
右ネジ85および左ネジ86が対称的に形成されてい
る。
【0054】この送りネジ82の右ネジ85および左ネ
ジ86にはスライドナット87aおよび87bがそれぞ
れ螺合しており、このスライドナット87aおよび87
bは、それぞれスライドガイド88により送りネジ82
の軸心に沿ってガイドされている。そして、スライドナ
ット87aおよび87bは、クランプ用モータ44Mの
駆動に基づいてウォーム80およびウォームギヤ81が
正逆方向に回動し、この回動に応じて右ネジ85および
左ネジ86が正逆方向に回動した時に、送りネジ82の
軸心に沿ってスライドガイド88にガイドされながら互
いに接離する方向に同時に移動するように構成されてい
る。なお、図中符号89はストッパである。
【0055】作動連結手段72は、図10および図11
に示すように、スライドナット87a、87bのスライ
ド運動を伝達するための第1のリンク90と、この第1
のリンク90の作動に応じて把持アーム70を開閉動作
させ、かつ把持アーム閉動作における把持力を調整する
ための第2のリンク91とを備えている。
【0056】第1のリンク90は、そのスライドナット
側の一端部がスライドナット87にピン(支軸)92を
介して回動自在に連結支持され、この第1のリンク90
の他端部は、第2のリンク91の一端部にピン(支軸)
93を介して回動自在に連結支持されている。
【0057】第2のリンク91は、その一端部が第1の
リンク90の他端部にピン93を介して連結支持された
把持アーム70の把持力調整用のリンク(調整用リン
ク)94と、中間部がフレーム43に固定された固定ピ
ン(固定軸)95を介して回動自在に支持され、かつそ
の一端部が調整用リンク94の略中間部にピン(支軸)
96を介して回動自在に連結支持された把持アーム開閉
動作用のリンク(開閉動作用リンク)97とを備えてい
る。この開閉動作用リンク97は、調整用リンク94に
対してライザ管19と反対側に調整用リンク94と略平
行に並設されており、その他端部には、把持アーム70
がピン(支軸)98を介して回動自在に連結支持されて
いる。
【0058】また、調整用リンク94の他端部94aに
は、ライザ管側の側面から対向する側面に亘って貫通状
に段付き孔(2段孔)100が形成されており、この段
付き孔100に対向する開閉動作用リンク97の一側面
から対向する他側面に亘って同軸状にネジ孔101が設
けられている。
【0059】段付き孔100は、そのライザ管に近接す
る側の一方の孔(1段目の孔)が開閉動作用リンク97
に近接する他方の孔(2段目の孔)よりも大径となるよ
うに形成されており、この段付き孔100を介してネジ
孔101にスプリング調整ボルト102が螺合されてい
る。このスプリング調整ボルト102は、その頭側にス
プリングが予め挿入配置されており、この結果、スプリ
ングが段付き孔100における2段目孔(大径孔)に弾
装されている。
【0060】このように、調整用リンク94と開閉動作
用リンク97とは、スプリング調整ボルト102により
連結されているため、第1のリンク90の回動に応じて
一体に固定軸95を中心に回動するようになっている。
また、調整用リンク94と開閉動作用リンク97との段
付き孔100の周囲における対向する側面間は曲面対偶
を構成しており、スプリング調整ボルト102の締め付
け具合を調整することにより、調整用リンク94の他端
部94aを支軸96を中心に開閉動作用リンク97に対
して接離する方向へ揺動できるように構成されている。
【0061】一対の把持アーム70は、それぞれ図11
に示すように、ピン(支軸)98を介して開閉動作用リ
ンク97に回動自在に連結支持された断面が略T字形の
アームホルダ105と、このアームホルダ105の幅広
かつライザ管対向側の面に取り付けられた断面が亀甲括
弧(〕)形の対称形状の把持アーム本体106とを備え
ている。
【0062】各把持アーム本体106は、図11に示す
ライザ管把持前の状態においては、フレーム43内の対
向する開口部43c近傍に位置するように第1のリンク
90、第2のリンク91およびアームホルダ105を介
してそれぞれ支持されており、開口部43cから出入り
可能な大きさを有している。そして、各把持アーム本体
106の両端部のライザ管19に対向する側面106
a、106aがライザ管19の中心O' に対して略円弧
状を成す例えば吸着部材で形成された対ライザ管把持面
とされており、ライザ管19の外周面の内、中心O' を
挟んでL2 軸に沿って互いに対向し、かつその対向角が
α=約60°の範囲における周縁部19a、19aを、
上述したスライドナット87a、87bのスライド運動
に基づく作動連結手段72(第1のリンク90、第2の
リンク91)の作動により把持アーム70(アームホル
ダ105、把持アーム本体106)をライザ管19に向
けて移動させてその対ライザ管把持面106a、106
aを介して把持(クランプ)するようになっている。
【0063】また、アームホルダ105の固定軸95か
ら離れた側の一端部105aとこの一端部105aに面
する開閉動作用リンク97の至端部97aとの間には、
各把持アーム本体106の開閉動作用リンク側の側面に
沿ったラインLAが開閉動作用リンク97の固定軸95
および支軸98とを結ぶラインLBに対して非平行、か
つ把持アーム本体106の一端部106bが支軸98を
中心に回動して開閉動作用リンク97側へ傾斜しないよ
うに(すなわち、ライザ管側へ傾斜してするように)ス
プリング107が弾装されており、アームホルダ105
の一端部105aおよび把持アーム本体106の一端部
106bがライザ管側に向けて付勢されている(なお、
このときのラインLBに対してラインLAが成す角度を
βとする)。
【0064】このように、把持アーム本体106の開閉
動作用リンク側の側面に沿ったラインLAが開閉動作用
リンク97の固定軸95および支軸98とを結ぶライン
LBに対して傾斜角度βで傾斜した状態において、その
把持アーム本体106の固定軸95に近接する側の先端
部の外斜面106cに当接し、かつフレーム43に固定
されたガイドピン110が設けられている。
【0065】このガイドピン110は、スプリング10
7、把持アーム本体106の外斜面106cおよびこの
外斜面106cに連続してラインLAに対して直交する
方向に延びるアームホルダ105の側面105bと共に
上述したガイド機構73を構成している。
【0066】すなわち、前記βを前記把持アーム本体1
06の外斜面の長さ等により適切に定めることにより、
各把持アーム70は、開閉動作用リンク97の回動に応
じてその把持アーム本体106の外斜面106cがガイ
ドピン110にしゅう接しながら当該外斜面106cの
ラインLAに対する傾斜方向に沿って移動する。そし
て、把持アーム70のガイドピン110に対するしゅう
接位置が把持アーム本体106の外斜面106cとアー
ムホルダ105の側面105bとの境界位置に達したと
き、ラインLAとラインLBは上記L1軸に沿って平行
になり、各把持アーム70の把持面106a、106a
はライザ管19を挟んで略向かい合うように配置されて
把持アーム70のアームホルダ105の側面105bが
L2軸に平行になり、把持アーム本体106の中心がL
2軸上に位置することになる。
【0067】そして、開閉動作用リンク97のさらなる
回動に応じてアームホルダ105の側面105bがガイ
ドピン110にしゅう接しながら側面105bに沿っ
て、すなわちL2軸に沿って移動してライザ管19に対
して接近および離間するようになっている。
【0068】すなわち、図11に示すように、各スライ
ドナット87a、87bが互いに最も近接した状態にお
いて、上述したクランプ用モータ44Mの駆動に基づい
てウォーム80、ウォームギヤ81を介して右ネジ85
および左ネジ86が一方向に回転した場合、この右ネジ
85および左ネジ86に螺合された各スライドナット8
7a、87bが互いに離間する方向に次第に移動してい
く。この各スライドナット87a、87bの移動に応じ
て第1のリンク90が作動してその支軸93がライザ管
19から離れる方向へ略固定軸95を中心に回転する
と、この第1のリンク90の支軸93の回転により第2
のリンク91が作動してその支軸98を含む他端部97
aがライザ管19に近付く方向へ固定軸95を中心に回
転する。
【0069】このとき、スプリング107に付勢され傾
斜していた把持アーム70(アームホルダ105、把持
アーム本体106)は、第2のリンク91の他端部の回
転に応じてライザ管19に近付く方向に回転しながら、
同時に把持アーム本体106の外斜面106cがガイド
ピン110にしゅう接しながらガイドピン110に沿っ
てライザ管19に向かう方向へ移動する。
【0070】次いで、把持アーム70がさらに回転およ
び移動して把持アーム本体106のガイドピン110に
対する当接部分が把持アーム本体106の外斜面106
cとアームホルダ105の側面105bとの境界位置に
到達すると、ラインLAとラインLBは、上記L1軸に
沿って平行になり、把持アーム本体106の対ライザ管
把持面106a、106aはライザ管19の周縁部に向
かい合う。
【0071】続いて、把持アーム70がさらに回転およ
び移動すると、把持アーム70は、そのアームホルダ1
05の側面105aがガイドピン110にしゅう接しな
がらL2軸に沿って直線的にライザ管19に向けて移動
する。
【0072】そして、各スライドナット87a、87b
が最も離れた状態(図11における2点鎖線参照)まで
移動すると、上述した第1のリンク90および第2のリ
ンク91の作動により、各把持アーム70は、把持アー
ム本体106の把持面106a、106aを介してライ
ザ管19の周縁部19a、19aを互いにL1軸を挟ん
で対称的に把持するようになり、この結果、ライザ管1
9は一対の把持アーム70により外周面の計4か所をラ
イザ管19の中心軸に向かって把持されることになる。
この把持によって、溶接ロボット40のクランプ部41
がライザ管19に対して安定的に固定保持されることに
なり、クランプ部41に取り付けられた左側溶接ヘッド
42A、右側溶接ヘッド42B)がライザ管19に安定
して設置されることになる。
【0073】また、クランプ部41の把持アーム70が
ライザ管19を把持した状態、すなわち、各スライドナ
ット87a、87bが最も離間した状態において、クラ
ンプ用モータ44Mの駆動に基づいてウォーム80、ウ
ォームギヤ81を介して右ネジ85および左ネジ86を
上述したライザ管19を把持した方向と逆方向に回転さ
せることにより、上述したライザ管把持動作と反対の動
作が実行されて把持アーム70をライザ管19から離れ
る方向に移動させて把持状態を解除することも可能であ
る。
【0074】なお、スプリング調整ボルト102および
調整用リンク94は、把持アーム70のライザ管19に
対する把持力を調整するために設置されており、そのス
プリング調整ボルト102をきつく締めておくと、調整
用リンク94の他端部94aが支軸96を中心に開閉動
作用リンク97側へ揺動して把持アーム70のライザ管
19に対する把持力を増大させ、一方、スプリング調整
ボルト102を緩めると、スプリングの弾性力により調
整用リンク94の他端部94aが支軸96を中心に開閉
動作用リンク97から離れる方向へ揺動して把持アーム
106のライザ管19に対する把持力を低減させること
ができる。したがって、ライザ管19の変形などにより
管径が変化している部分に対してクランプ部41を把持
させる場合においても、スプリング調整ボルト102の
締め付け具合を調整することにより対応することができ
る。
【0075】また、例えば緊急の状態(例えばクランプ
用モータ44Mの故障)において溶接ロボット40(ク
ランプ部41)をライザ管19から取り外す必要が生じ
た場合においても、ロボット操作者がレンチを用いて手
動によりレンチ用ロッド穴77を介して回転軸76を回
動させて上記逆方向に右ネジ85および左ネジ86を回
転させることにより、容易に把持状態を解除することが
可能である。
【0076】続いて、左側溶接ヘッド42Aおよび右側
溶接ヘッド42Bの駆動機構について、図14〜図19
を用いて説明する。なお、図14は、溶接ロボット40
の左側溶接ヘッド42Aを拡大して示す側面図、図15
は、溶接ロボット40がライザ管19を把持した状態で
の各溶接ヘッド42A、42Bの動作を説明する平面図
である。また、図16は、左側溶接ヘッド42Aの溶接
トーチ46およびその支持部56を拡大して示す平面
図、図17は、図16におけるXVII−XVII矢視
断面図、図18は、左側溶接ヘッド42Aの溶接トーチ
46およびその支持部56を拡大して示す側面図および
図19は、図18に示す溶接トーチ46およびその支持
部56のノズル側から見た図(正面図)である。
【0077】図14〜図19によれば、左側溶接ヘッド
42Aの多軸型アーム45の第1の関節部50は、第1
の上腕部51をZ1a軸を中心にθ1a方向に沿って回動さ
せるための第1の回動機構120を備えており、また、
第2の関節部52は、第2の上腕部53をZ2a軸を中心
にθ2a方向に回動させるための第2の回動機構121を
備えている。
【0078】多軸型アーム45の第1の上腕部51は、
駆動軸が第1の回動機構120と機械的に連結され該駆
動軸を回動させることにより第1の回動機構120を駆
動させる減速機付きサーボモータ(第1のサーボモー
タ)122と、この第1のサーボモータ122の駆動軸
変位を検出してパルスデータを後述する制御装置にフィ
ードバックすることにより第1の上腕部51の回動位置
を検出するパルスエンコーダ(第1のエンコーダ)12
3とを備えている。
【0079】また、第1の上腕部51は、駆動軸が第2
の回動機構121と機械的に連結され該駆動軸を回動さ
せることにより第2の回動機構121を駆動させる減速
機付きサーボモータ(第2のサーボモータ)124と、
この第2のサーボモータ124の駆動軸変位を検出して
パルスデータを後述する制御装置にフィードバックする
ことにより第2の上腕部53の回動位置を検出するパル
スエンコーダ(第2のエンコーダ)125とを備えてい
る。
【0080】第2の上腕部53は、該第2の上腕部53
をZ2a軸に沿ってテレスコピック状に伸縮させるための
上腕用伸縮機構126と、駆動軸が上腕用伸縮機構12
6と機械的に連結され該駆動軸を回動させることにより
その上腕用伸縮機構126を駆動させる減速機付きサー
ボモータ(第3のサーボモータ)127と、この第3の
サーボモータ127の駆動軸変位を検出してパルスデー
タを後述する制御装置にフィードバックすることにより
第2の上腕部53の伸縮位置を検出するパルスエンコー
ダ(第3のエンコーダ)128とを備えている。
【0081】また、多軸型アーム45の第3の関節部5
4は、前腕部55をY1a軸を中心にθ3a方向に沿って回
動させるための前腕用回動機構130を備えており、前
腕部55のクランプ部41側に突出したフレームFM2
内には、駆動軸が前腕用回動機構130と機械的に連結
され該駆動軸を回動させることにより前腕用回動機構1
30を駆動させる減速機付きサーボモータ(第4のサー
ボモータ)131と、この第4のサーボモータ131の
駆動軸変位を検出してパルスデータを後述する制御装置
にフィードバックすることにより前腕部55の回動位置
を検出するパルスエンコーダ(第4のエンコーダ)13
2とが設けられている。
【0082】前腕部55は、その前腕部55をY1a軸に
沿ってテレスコピック状に伸縮させるための前腕用伸縮
機構133と、駆動軸が前腕用伸縮機構133と機械的
に連結され該駆動軸を回動させることにより前腕用伸縮
機構133を駆動させる減速機付きサーボモータ(第5
のサーボモータ)134と、この第5のサーボモータ1
34の駆動軸変位を検出してパルスデータを後述する制
御装置にフィードバックすることにより前腕部55の伸
縮位置を検出するパルスエンコーダ(第5のエンコー
ダ)135とを備えている。
【0083】さらに前腕部55の溶接トーチ支持部側の
先端部には、駆動軸が溶接トーチ支持部56の後述する
溶接トーチ移動用(水平送り用)駆動機構と機械的に連
結され該駆動軸を回動させることにより水平送り用駆動
機構を駆動させる減速機付きサーボモータ(第6のサー
ボモータ)136と、この第6のサーボモータ136の
駆動軸変位を検出してパルスデータを後述する制御装置
にフィードバックすることにより溶接トーチの移動位置
(水平送り位置)を検出するパルスエンコーダ(第6の
エンコーダ)137とが設けられている。
【0084】前腕部55の先端部に取り付けられた溶接
トーチ支持部56は、図16〜図19に示すように、前
腕部55の先端部に連結され、前腕部55の伸縮方向
(Y1a軸、Y1b軸方向)に直交する方向(図中X1a方
向)に通路が形成されたフレーム140と、このフレー
ム140内に長手方向が上記X1a方向に沿うように配設
された矩形状かつその長手方向両側面が開口の溶接トー
チ支持用フレーム141とを備え、溶接トーチ46は、
溶接トーチ支持用フレーム141の中心部分に図中X1a
方向に沿って設置されている。
【0085】また、溶接トーチ支持部56は、溶接トー
チ支持用フレーム141をX1a方向、すなわち、このX
1a方向に平行かつ溶接トーチ46の中心を通る中心軸X
oaに沿ってスライド自在に支持し、かつ第6のサーボモ
ータ136の駆動軸136aに機械的に連結された水平
送り用駆動機構143とを備えており、この水平送り用
駆動機構143は、第6のサーボモータ136の駆動に
基づく駆動軸136aの回転により溶接トーチ支持用フ
レーム141および溶接トーチ46を一体にXoa軸方向
に沿ってスライド(水平送り)させるようになってい
る。
【0086】溶接トーチ46は、その一端が溶接トーチ
支持用フレーム141における一方の開口部からXoa軸
に沿って突出しており、その突出した一端部からXoa軸
に直交する方向(図18、図19中下方(ZT方向))
にさらに突出するように取り付けられたイナートガス供
給用ノズル144と、ノズル144に対して一端部がノ
ズル144からさらにZT方向に突出するように取り付
けられたアーク発生用ティグ電極棒145と、溶接トー
チ46内に配設されノズル144に対して不活性ガス
(イナートガス)を供給し、かつティグ電極棒145に
対して溶接電流を供給するケーブル146とを備えお
り、このケーブル146を介して冷却水をも供給して溶
接トーチ46全体を水冷するように構成されている。
【0087】なお、図中の符号147はワイヤ供給装置
61から供給された電極ワイヤを表しており、電極ワイ
ヤ147は、溶接トーチ支持用フレーム141内の所定
位置(例えば図17に示す溶接トーチ46の下側)にX
oa軸に沿って形成されたワイヤ供給用孔を介してティグ
電極棒145の近傍の溶接可能位置に配設され、上述し
たワイヤ供給装置61の駆動によりワイヤ供給口148
を介して溶接可能位置に対して順次送給されるようにな
っている。
【0088】このように構成された溶接トーチ46は、
ケーブル146から供給されたイナートガス雰囲気中に
おいてティグ電極棒145を溶接箇所に対して近付けて
その溶接箇所とティグ電極棒145との間にアークを発
生させ、そのアーク熱により電極ワイヤ147を溶融す
ることにより溶接箇所の溶接を行なうようになってい
る。
【0089】一方、水平送り用駆動機構143は、溶接
トーチ46の溶接位置、つまり溶接部(ノズル144の
先端のティグ電極棒145(その先端))の中心軸(X
oa軸)方向に沿った位置(水平送り位置)を変化させる
機構であり、フレーム140に取り付けられ溶接トーチ
支持用フレーム141をXoa軸に沿ってガイドしながら
スライド自在に支持するガイド支持部150と、第6の
サーボモータ136の駆動軸136aに噛合され駆動軸
136aと一体に回転するピニオンギヤ151と、溶接
トーチ支持用フレーム141の長手方向に沿った一側面
上の所定位置(例えば図17における上面の前腕部55
側端部)にXoa軸に沿って固設され、かつピニオンギヤ
151に噛合されたラック152とを備えており、第6
のサーボモータ136の駆動軸136aおよびピニオン
ギヤ151が正逆方向に回転した時に、このピニオンギ
ヤ151の正逆方向の回転によりラック152を介して
溶接トーチ支持用フレーム141が溶接トーチ46と一
体にガイド支持部150によりガイドされながらXoa軸
に沿って移動し、この移動に応じて溶接トーチ46の溶
接部145a(ティグ電極棒先端)がXoa軸に沿ってフ
レーム140、すなわち前腕部55に対して接離する方
向へ移動する。この結果、溶接トーチ46のXoa軸上に
おける溶接部145aの位置、すなわち、Xoa軸上の溶
接位置(水平送り位置)を変化できるように構成されて
いる。また、溶接トーチ46を含む溶接トーチ支持部5
6全体は、前腕部55のY1a軸に沿った伸縮により前腕
部55と一体にY1a軸に沿って移動し、かつ第2の上腕
部53のZ2a軸に沿った伸縮により第2の上腕部53お
よび前腕部55と一体にZ2a軸に沿って移動する(図1
8におけるZ2a軸に平行なZ2a' 軸参照)。
【0090】したがって、溶接トーチ46に対して例え
ば下方かつXoa軸に沿って溶接箇所が存在する場合、溶
接トーチ46をXoa軸に沿って移動させながら溶接箇所
に対して溶接を実行するが、このとき、溶接トーチ支持
部56全体をXoa軸(溶接方向)に直交するY1a軸に沿
って交互に動かすことにより、ウイービング溶接を実行
可能になっている。また、溶接トーチ46をXoa軸に沿
って移動させながら溶接トーチ支持部56全体をZ2a'
軸に沿って移動させることにより、溶接箇所と溶接トー
チ46の溶接部145aとの間隔、すなわちアークギャ
ップを制御して良好な溶接を行なうことができるように
構成されている。
【0091】また、溶接トーチ46を含む溶接トーチ支
持部56全体は、第1の関節部50の第1の回動機構1
20の作動により多軸型アーム45と一体にZ1a軸を中
心にθ1a方向に回動し、また、第2関節部52の第2の
回動機構121の作動により第3の関節部54および前
腕部55と一体にY1a軸を中心にθ2a方向に回動するよ
うになっている。
【0092】なお、図16、図17および図19におい
て、符号153は、溶接箇所をモニタするために溶接ト
ーチ支持用フレーム141に対してその溶接箇所をモニ
タ可能な位置(例えば、図19に示すように、ティグ電
極棒先端の溶接部145a近傍を撮像する位置)に取り
付けられた光ファイバースコープを表しており、この光
ファイバースコープ153を介して撮像された画像を後
述する制御装置を介して操作コンソールのディスプレイ
に送信して表示することにより、溶接箇所を正確に把握
することができる。
【0093】また、右側溶接ヘッド42Bの多軸型アー
ム45および溶接トーチ46の構成については、上述し
た左側溶接ヘッド42Aの多軸型アーム45および溶接
トーチ46の構成と同一であるため、その説明を省略す
る(なお、移動方向は、右側溶接ヘッド42Bにおいて
は、θ1a→θ1b、θ2a→θ2b、Z2a→Z2b、Y1a→Y1
b、θ3a→θ3bおよびX1a(Xoa)→X1b(Xob)とな
る)。
【0094】以上のように構成した左側溶接ヘッド42
A、右側溶接ヘッド42Bによれば、多軸型アーム45
の各駆動機構(第1の回動機構120、第2の回動機構
121、上腕用伸縮機構126、前腕用回動機構13
0、前腕用伸縮機構133および水平送り用駆動機構1
43)の動作により、溶接トーチ46をスカラ座標系空
間(円筒座標系空間)内において、すなわち、θ1a方
向,θ1b方向、θ2a方向,θ2b方向およびθ3a方向,θ
3b方向に沿ってそれぞれ移動させることができ、かつ溶
接トーチ46の溶接部145aを直交座標系空間内にお
いて、すなわち、Xoa軸方向,Xob方向、Y1a方向,Y
1b方向およびZ2a' 方向,Z2b' 方向に沿ってそれぞれ
移動させることができるため、溶接トーチ46の溶接部
145aの設定位置に関する自由度を飛躍的に向上させ
て狭隘部における溶接作業を可能にしている。
【0095】特に、第3の関節部54を介して前腕部5
5を回転させて溶接トーチ46をZ軸(Z2a軸,Z2b
軸)に沿うように配置した状態において、第1の関節部
50および第2の関節部52を介して多軸型アーム45
をθ1a方向,θ1b方向およびθ2a方向,θ2b方向に沿っ
てライザ管19に近付く側へ旋回させることにより、図
20に示すように、溶接トーチ46を含む多軸型アーム
45全体を折り畳んでクランプ部41のフレーム43に
沿って配置することができる(なお、この多軸型アーム
45の折り畳み動作を「多軸型アーム45をクランプ部
41に収納する」と表現する)。
【0096】続いて、上述したように構成された溶接ロ
ボット40の制御系システムの概略構成について、図2
1〜図22を用いて説明する。
【0097】図21は、溶接ロボット40の上述した各
溶接ヘッド42A、42Bを遠隔制御するための制御系
システム全体の概略構成を示すブロック図である。
【0098】図21によれば、溶接ロボット40の制御
系システムは、耐ノイズ型の基板に多数の回路素子(半
導体素子等)を搭載して構成され溶接ロボット40全体
(クランプ部41、左側溶接ヘッド42Aおよび右側溶
接ヘッド42B)を統括して制御する制御装置(コント
ローラ)160と、この制御装置160に対して溶接に
係わる情報をマニュアルで入力し、かつ制御装置160
から送られた溶接に係わる情報を表示(アウトプット)
可能なコンソール161と、所定の溶接条件を設定して
制御装置160に送信し、かつ制御装置160から送ら
れた溶接結果データ等を出力するパーソナルコンピュー
タ(パソコン)162と、制御装置160からのコント
ロールの下で左側溶接ヘッド42Aおよび右側溶接ヘッ
ド42Bのティグ電極棒145や各サーボモータ等に電
流を供給し、かつ必要に応じて溶接ロボット40の他の
構成要素に対して駆動電流を供給するための溶接電源1
63Aおよび163Bと、この溶接電源163Aおよび
163Bから送られた電流に基づいて駆動し、冷却水を
各溶接ヘッド42A、42Bの溶接トーチ46にそれぞ
れ供給してその溶接トーチ46を冷却する水冷装置16
4と、所定量のイナートガスを保持する保持部165a
および溶接電源163Aおよび163Bから送られた電
流に基づいて駆動して保持部165aに保持されたイナ
ートガスをその圧力や流量等を調整しながら各溶接ヘッ
ド42A、42Bの溶接トーチ46にそれぞれ供給する
レギュレータ等の供給制御部165bを有するイナート
ガス供給部165とを備えている。
【0099】制御系システムの各構成要素(制御装置1
60、コンソール161、パソコン162、溶接電源1
63A、163B、水冷装置164)は、圧力容器2か
ら離れた遠隔場所に設置されている。
【0100】コンソール161は、図21に示すよう
に、ティーチング・倣い機能を行なうための入力手段お
よび制御装置160に対して各制御機能を実行させる入
力手段として、マニュアル操作用の左側操作パネル16
6Aおよび右側操作パネル166Bを備えており、ロボ
ット操作者は、左側操作パネル166Aおよび右側操作
パネル166Bをマニュアルで操作して制御装置160
に対して左側溶接ヘッド42Aおよび右側溶接ヘッド4
2Bを駆動させるための指令を入力可能になっている。
【0101】また、ロボット操作者は、左側操作パネル
166Aおよび右側操作パネル166Bをマニュアルで
操作して制御装置160を介して左側溶接ヘッド42A
および右側溶接ヘッド42B(その多軸型アーム45)
を実際に動かしてティーチング・倣い機能を実行するこ
とにより、溶接作業における多軸型アーム45の各動作
部(第1の関節部50等)の位置や動作順序等を表すロ
ボット軌道制御データや溶接電流・電圧値等の溶接施工
データを含む溶接作業実行データを該制御装置160に
対して記憶させることが可能になっている。
【0102】また、コンソール161は、各溶接ヘッド
42A、42Bの光ファイバースコープ153から制御
装置160を介して送られた溶接箇所を表す画像を表示
するためのディスプレイ167を備えている。
【0103】パソコン162は、例えば数値やロボット
言語で表された上記ロボット軌道データや溶接施工デー
タを含む溶接作業実行データ(溶接作業プログラム)を
制御装置160に対して送信してその制御装置160に
記憶させることが可能になっている。
【0104】なお、本実施形態においては、上記溶接作
業実行データとして、ライザ管19上において図3乃至
図5に示したライザブレース20に対して所定の溶接実
行位置に支持された溶接ロボット40(クランプ部4
1、左側溶接ヘッド42Aおよび右側溶接ヘッド42
B)がライザブレース20の4つの溶接箇所(継手部3
5a、35b〜38a、38b)に対して適切に溶接作
業を実行するためのデータがコンソール161やパソコ
ン162から送られて制御装置160に記憶されてい
る。
【0105】図22は、制御装置160の機能ブロック
構成として、左側溶接ヘッド42Aを制御するための機
能ブロック構成を示す図である。
【0106】制御装置160は、コンソール161やパ
ソコン162から送られた溶接作業実行データを記憶す
る記憶部170を有しており、コンソール161から送
られたクランプ部把持指令に応じてクランプ部41を制
御して溶接ロボット40をライザ管19の所定位置にク
ランプさせるクランプ制御機能や、コンソール161か
ら送られた溶接作業実行指令に応じて記憶部170に記
憶された溶接作業実行データを読み込んで多軸型アーム
45の各動作部(第1の関節部50、第2の関節部5
2、第1の上腕部51、第2の上腕部53、第3の関節
部54、前腕部55、溶接トーチ46の溶接部145
a)の回動角度および移動位置をそれぞれ制御して溶接
作業を自動的に実行させる機能を備えている。
【0107】クランプ用モータ制御部171は、クラン
プ用モータ44Mの駆動タイミングや駆動速度を制御す
る機能であり、第1の動作制御部172は、第1のエン
コーダ123からフィードバックされたパルスデータに
応じて第1のサーボモータ122の駆動タイミング、駆
動速度および駆動量を制御して、第1の回動機構120
を介して第1の関節部50の回動角度を溶接作業実行デ
ータに基づいて求められた目標角度に一致させる機能を
表している。また、第2の動作制御部173は、第2の
エンコーダ125からフィードバックされたパルスデー
タに応じて第2のサーボモータ124の駆動タイミン
グ、駆動速度および駆動量を制御して、第2の回動機構
121を介して第2の関節部52の回動角度を溶接作業
実行データに基づいて求められた目標角度に一致させる
機能であり、第3の動作制御部174は、第3のエンコ
ーダ128からフィードバックされたパルスデータに応
じて第3のサーボモータ127の駆動タイミング、駆動
速度および駆動量を制御して、上腕用伸縮機構126を
介して第2の上腕部53の伸縮位置を溶接作業実行デー
タに基づいて求められた目標位置に一致させる機能を表
している。
【0108】さらに、第4の動作制御部175は、第4
のエンコーダ132からフィードバックされたパルスデ
ータに応じて第4のサーボモータ131の駆動タイミン
グ、駆動速度および駆動量を制御して、前腕用回動機構
130を介して第3の関節部54の回動角度を溶接作業
実行データに基づいて求められた目標角度に一致させる
機能であり、第5の動作制御部176は、第5のエンコ
ーダ135からフィードバックされたパルスデータに応
じて第5のサーボモータ134の駆動タイミング、駆動
速度および駆動量を制御して、前腕用伸縮機構133を
介して前腕部555の伸縮位置を溶接作業実行データに
基づいて求められた目標位置に一致させる機能を表して
いる。
【0109】そして、第6の動作制御部177は、第6
のエンコーダ137からフィードバックされたパルスデ
ータに応じて第6のサーボモータ136の駆動タイミン
グ、駆動速度および駆動量を制御して、水平送り用駆動
機構143を介して溶接トーチ支持部56の移動位置、
すなわち溶接トーチ46の溶接部145aの水平方向送
り位置を溶接作業実行データに基づいて求められた目標
位置に一致させる機能を表している。
【0110】また、ワイヤ供給制御部178は、ワイヤ
速度検出用エンコーダ64からフィードバックされたパ
ルスデータに応じてワイヤ供給用モータ62の駆動速度
を制御して、ワイヤ供給機構63を介してワイヤ供給速
度を溶接作業実行データに基づいて求められた速度に一
致させる機能を表しており、溶接電源制御部179は、
溶接電源163Aを介してティグ電極棒145に送られ
る電流・電圧値や水冷装置164へ送られる電流・電圧
値を制御する機能を表している。
【0111】そして、イナートガス制御部180は、イ
ナートガス供給部165の供給制御部165bを介して
溶接トーチ46に対するイナートガスの供給開始や供給
停止等の供給制御、および上記溶接トーチ46に供給さ
れるイナートガスの圧力や流量調整等を行なう機能を表
している。
【0112】上述した第1の動作制御部172〜第6の
動作制御部177、ワイヤ供給制御部178、溶接電源
制御部179およびイナートガス制御部180で表した
各機能は、左側溶接ヘッド42Aだけでなく右側溶接ヘ
ッド42Bに対しても個別に実行される機能であり、し
たがって、制御装置160は、各動作制御機能を同時に
実行することにより、左側溶接ヘッド42Aおよび右側
溶接ヘッド42Bの各動作軸(各左側溶接ヘッド42A
および右側溶接ヘッド42Bで第1のサーボモータ〜第
6のサーボモータとワイヤ供給用モータの7軸ずつ都合
14軸)を同時に制御することが可能になっている。
【0113】なお、上述した制御装置160の14軸同
時制御機能を含む各機能(第1の動作制御部171〜第
6の動作制御部177、ワイヤ供給制御部178、溶接
電源制御部179およびイナートガス制御部180)
は、耐ノイズ型の基板上に構成された上記記憶部170
としての半導体メモリ、インターフェース回路および少
なくとも1つのマイクロプロセッサ等を備えたコンピュ
ータ回路により具体化される。
【0114】次に、圧力容器2の内壁2aに仮付けされ
たライザブレースを上述した溶接ロボット40を用いて
溶接する際の全体動作について図23〜38を用いて説
明する。
【0115】既設のライザブレースを切断除去した後に
仮付けされた新品のライザブレース20における溶接箇
所(継手部35a、35b〜38a、38b)を溶接す
る際において、ロボット操作者は、図23に示すよう
に、予め溶接トーチ46を含む多軸型アーム45をクラ
ンプ部41に収納した状態の溶接ロボット40をチェー
ンCおよびチェーン支持部181で吊り下げる。続い
て、溶接ロボット40を予め水が張られた圧力容器2の
上方から圧力容器内壁2aと炉心シュラウド外壁3aと
の間であり多数の配管が配置された狭隘部Nに吊り込
み、ライザ管19の中心軸(図中Z軸、なお、同図中の
X軸〜Z軸は、前掲図3〜図5に示した座標軸と同一と
する)に沿って図中下方に吊り下ろしていく。
【0116】このとき、溶接トーチ46を含む多軸型ア
ーム45がクランプ部41に収納されているため、溶接
ロボット40を狭隘部Nにおいて下方に吊り下ろす際
に、溶接トーチ46を含む多軸型アーム45が狭隘部N
における他の配管等の構造部材に衝突したり、引っ掛か
ったりする危険性が回避され、容易かつ迅速に溶接ロボ
ット40をライザ管配設位置まで吊り下ろすことが可能
になる。
【0117】そして、ライザ管19の最上部付近に溶接
ロボット40が到達すると、ロボット操作者は、溶接ロ
ボット40をそのクランプ部フレーム43の両先端部の
間からライザ管19に近付けてライザ管19をフレーム
43内の円弧状内周面43b近傍のライザ管クランプ領
域R内に配置させる。次いで、溶接ロボット40をさら
にライザ管19の中心軸方向であるZ軸方向に沿って移
動(下降)させていき、溶接ロボット40がライザブレ
ース20に対して所定の溶接実行位置(ライザブレース
20の仮止め位置に対する所定高さ)まで到達すると、
ロボット操作者は、図24に示すように、チェーンCお
よびチェーン支持部181を操作して溶接ロボット40
をZ軸を中心に回転させて、クランプ部41に収納され
た多軸型アーム部45を溶接箇所である上側アーム24
aおよび25aと上側パッド支持部22aおよび23a
との継手部35aおよび36aの略上方に位置させる。
【0118】このとき、ロボット操作者は、コンソール
161(左側操作パネル165Aおよび右側操作パネル
165B)を操作して制御装置160にクランプ部把持
指令を送信し、制御装置160は、送信されたクランプ
部把持指令に応じてクランプ用モータ制御部171の機
能を実行してクランプ用モータ44Mを介してクランプ
機構41を駆動させる。この結果、クランプ機構41が
駆動して一対の把持アーム70によりライザ管19が把
持され(図25におけるクランプ機構41の実線部分参
照)、図26に示すように、溶接ロボット40がライザ
管19におけるライザブレース溶接実行位置に対して固
定保持される。
【0119】溶接ロボット40がライザ管19のライザ
ブレース溶接実行位置に対して固定保持された状態にお
いて、ロボット操作者は、フレーム上面の装着部65か
らチェーンCを外し、さらに圧力容器2から水を抜き去
って容器2内の雰囲気を大気とした後でコンソール16
1を操作して制御装置160に溶接作業実行指令を送信
する。制御装置160は、送信された溶接作業実行指令
に応じて記憶部170に記憶された溶接作業実行データ
を読み込み、この読み込んだ溶接作業実行データに基づ
いて第1〜第6の動作制御部172〜177の機能を実
行し、各多軸型アーム45の先端の溶接トーチ46を最
初の溶接箇所である継手部35aおよび36aにそれぞ
れ移動させる。
【0120】すなわち、制御装置160の制御により第
1の動作部172および第2の動作部173の機能が実
行され第1のサーボモータ122および第2のサーボモ
ータ124を介して第1の回動機構120および第2の
回動機構121が駆動することにより、左側溶接ヘッド
42Aの多軸型アーム45および右側溶接ヘッド42B
の多軸型アーム45は、それぞれクランプ部収納位置か
らライザ管19に対して離れる方向へθ1a、θ1bおよび
θ2a、θ2bに沿って旋回してクランプ部41のフレーム
43から張り出し、各アーム45の前腕部55がライザ
ブレース20の上側アーム24aおよび25aの外側面
側の上方に移動する。
【0121】そして、制御装置160により継手部35
aおよび36aの位置に応じて第3の動作制御部174
〜第6の動作制御部177の機能が実行されて第3のサ
ーボモータ127、第4のサーボモータ131、第5の
サーボモータ134、第6のサーボモータ136を介し
て上腕用伸縮機構126、前腕用回動機構130、前腕
用伸縮機構133および水平送り用駆動機構143が駆
動することにより、各多軸型アーム45の第2上腕部5
3の伸長・回転、前腕部55の伸縮・回転および溶接ト
ーチ46(溶接トーチ支持部56)の水平送りが行われ
る。この結果、図27に示すように、各多軸型アーム4
5の溶接トーチ46の溶接部145aがライザブレース
20の上側アーム24a、25aの継手部35a、36
aの一端部(例えば上側アーム24aおよび25aの外
側面側の端部)の上方に位置し、かつ溶接トーチ46の
中心軸Xoa軸およびXob軸がそれぞれ継手部35aおよ
び36aの形成方向Xs およびXt に平行に位置する。
【0122】次いで制御装置160により第3の動作制
御部174の機能が実行されて第3のサーボモータ12
7および上腕用伸縮機構126を介して各多軸型アーム
45の第2の上腕部53が伸縮し、図28に示すように
溶接トーチ46の溶接部145aが継手部35aおよび
36aの一端部にそれぞれ接触する。そして、この各溶
接部145aの継手部35aおよび36aに対する接触
に応じてその継手部35aおよび36aに対して溶接作
業が開始される。
【0123】すなわち、制御装置160のイナートガス
制御部180の制御の下でイナートガス供給部165の
供給制御部165bを介して保持部165aに保持され
たイナートガスが各溶接トーチ46に供給され、この各
溶接トーチ46に供給されたイナートガスは、ティグ電
極棒145の周囲に噴出して溶接部分を空気等から遮断
するイナートガス雰囲気を形成する。
【0124】次いで、制御装置160のワイヤ供給制御
部178の制御の下でワイヤ供給モータ162およびワ
イヤ供給機構163を介して電極ワイヤ147が所定の
供給速度で供給されながら、制御装置160により溶接
電源制御部179の機能が実行されて各ティグ電極棒1
45に電流が供給される。この結果、イナートガス雰囲
気中において継手部35aおよび36aと各ティグ電極
棒145との間にアークが発生して電極ワイヤ147が
溶融し、継手部35aおよび36aがティグ溶接され
る。
【0125】以下、上述した溶接作業と同時に、制御装
置160により第6の動作制御部177の機能が実行さ
れて第6のサーボモータ136および水平送り用駆動機
構143が駆動することにより、図29乃至図31に示
すように、各溶接トーチ46の溶接部145aがXoa軸
(Xs 軸)およびXob軸(Xt 軸)に沿って各継手部3
5aおよび36a全体に亘って繰り返し移動して各継手
部35aおよび36a全体に対してティグ溶接が行われ
る。
【0126】このとき、溶接部145aのXoa軸(Xs
軸)およびXob軸(Xt 軸)に沿った移動とともに、制
御装置160の制御の下で第5の動作制御部176の機
能を実行して前腕用伸縮機構133を介して各溶接トー
チ46全体(溶接トーチ46、溶接トーチ支持部56)
をXoa軸およびXob軸に直交するY1a軸およびY1b軸に
沿って交互に揺動させることにより、各継手部35aお
よび36aに対してウイービング溶接を行っている。ま
た、溶接トーチ46がXoa軸、Xob軸およびY1a軸、Y
1b軸に沿ってそれぞれ移動してウイービング溶接が実行
されている際において、制御装置160の制御の下で必
要に応じて第3の動作制御部174の機能を実行して上
腕用伸縮機構126を介して溶接トーチ46全体をZ2
a' 軸およびZ2b' に沿って昇降させて溶接箇所である
継手部35aおよび36aと溶接トーチ46の溶接部1
45aとの間隔であるアークギャップを制御しており、
アークギャップを安定的に維持して良好な溶接を行って
いる。
【0127】上述したアークギャップ制御によるウイー
ビングを用いたティグ溶接が継手部35aおよび36a
に対して繰り返し実行され、上側アーム24aおよび2
5aと上側パッド支持部22aおよび23aが溶接され
ると、次の溶接箇所である下側アーム24bおよび25
bの継手部35bおよび36bに溶接トーチ46を移動
させるために、制御装置160により第1の動作部17
2および第2の動作部173の機能が実行されて第1の
サーボモータ122および第2のサーボモータ124を
介して第1の回動機構120および第2の回動機構12
1が駆動する。
【0128】この第1の回動機構120および第2の回
動機構121の駆動の結果、各多軸型アーム45は、そ
れぞれ上側アーム35aおよび36aの上方からその上
側アーム35aおよび36aに対して外方へθ1a、θ1b
およびθ2a、θ2bに沿って旋回し、各多軸型アーム45
における第3の関節部54から溶接トーチ46までは、
図32に示すように、上側アーム35aおよび36aの
上方から離れてその上側アーム35aおよび36aの外
側面からさらに外方へ張り出される。
【0129】続いて制御装置160により第3の動作制
御部174の機能が実行されて第3のサーボモータ12
7を介して上腕用伸縮機構126が駆動する。この結
果、上側アーム35aおよび36aからそれぞれ外方へ
張り出された各多軸型アーム45は、その第2上腕部5
3の作動により伸長して、図33に示すように、各多軸
型アーム45の溶接トーチ46がライザブレース20の
下側アーム24bおよび25b(その継手部35bおよ
び36b)の上面と略同一の高さに位置する。
【0130】そして、制御装置160により次の溶接箇
所である下側アーム24bおよび25bの継手部35b
および36bの位置に応じて第4の動作制御部175〜
第6の動作制御部177の機能が実行されて第4のサー
ボモータ131、第5のサーボモータ134および第6
のサーボモータ136を介して前腕用回動機構130、
前腕用伸縮機構133および水平送り用駆動機構143
が駆動することにより、各多軸型アーム45の第2上腕
部53の回転、前腕部55の伸縮・回転および溶接トー
チ46の水平送りが行われる。この結果、図34に示す
ように各多軸型アーム45の溶接トーチ46の溶接部1
45aがライザブレース20の下側アーム24bおよび
25bの継手部35bおよび36bの一端部上方に位置
し、かつ溶接トーチ46の中心軸Xoa軸およびXob軸が
それぞれ継手部35bおよび36bの形成方向Xs およ
びXt に平行に位置する。
【0131】以下、継手部35a、36aの場合と同様
に、図35に示すように、下側アーム24bおよび25
bの継手部35b、36bに対してアークギャップ制御
によるウイービングを用いたティグ溶接が繰り返し実行
されて下側アーム24bおよび25bと下側パッド支持
部23bおよび24bが溶接され、この結果アーム24
a、24bおよび25a、25bとパッド支持部22
a、22bおよび23a、23bとの溶接が完了する。
【0132】続いて、次の溶接箇所であるライザ管支持
固定部27の端部29a、29bおよび30a、30b
とアームのライザ管側先端部24a1 、24b1 および
25a1 、25b1 との間の継手部37a、37bおよ
び38a、38bに対しても、上述したアーム24a、
24bおよび25a、25bとパッド支持部22a、2
2bおよび23a、23bとの間の継手部35a、35
bおよび36a、36bに対する溶接手順と略同様に溶
接ロボット40を用いてティグ溶接が自動的に行われ、
その結果、ライザブレース20は、パッド支持部22
a、22bおよび23a、23bを介して圧力容器内壁
2aに溶接される。
【0133】以上の動作手順によりライザブレース20
の圧力容器内壁2aに対する溶接作業が全て完了する
と、制御装置160は、第3の動作制御部174の機能
を実行して前腕部55を回転させることにより、溶接ト
ーチ46をZ軸に沿ってその先端の溶接部145aがク
ランプ部41の方を向くように(X軸に対して略直交す
るように)配置し、次いで第1の動作制御部172およ
び第2の動作制御部173の機能を実行して第1のサー
ボモータ122および第2のサーボモータ124を介し
て第1の回動機構120および第2の回動機構121を
駆動させることにより、各多軸型アーム45をθ1a方
向,θ1b方向およびθ2a方向,θ2b方向に沿ってライザ
管19に近付く側へ旋回させる。この結果、溶接トーチ
46を含む各多軸型アーム45全体は図36に示すよう
に折り畳まれてクランプ部41に収納される。
【0134】各多軸型アーム45全体がクランプ41に
収納されると、ロボット操作者は、圧力容器2内に水を
張った後で溶接ロボット40のフレーム上面の図示しな
い装着部(図7参照)に対してチェーンCを装着し、図
示しないチェーン支持部材(図23参照)およびチェー
ンCを介して溶接ロボット40を吊持する。チェーンC
を介して溶接ロボット40が吊持されると、ロボット操
作者は、コンソール161を操作して制御装置160に
クランプ部解除指令を送信し、制御装置160は、送信
されたクランプ部解除指令に応じてクランプ用モータ制
御部171の機能を実行してクランプ用モータ44Mを
介してクランプ機構44を駆動させる。このクランプ機
構44の駆動により一対の把持アーム70によるライザ
管19把持状態が解除され(図11におけるクランプ機
構44の実線部分および図25におけるクランプ機構4
4の2点鎖線部分参照)、溶接ロボット40は、図37
に示すように、チェーンCおよびチェーン支持部により
吊り下げられた状態になる。
【0135】そして、ロボット操作者は、図38に示す
ように、ライザ管19の中心軸(Z軸)に沿って図中上
方へ吊り上げて圧力容器2の外へ出すことにより、溶接
ロボット40を用いた新品のライザブレース20の溶接
作業を終了する。
【0136】以上詳細に述べたように、本実施形態によ
れば、溶接ロボット40の形状を工夫して溶接手段であ
る溶接トーチ46を有する多軸型アーム45をクランプ
部41に収納した状態でその溶接ロボット40をライザ
管19の中心軸方向に沿って移動させることができるた
め、溶接対象となるライザブレース20が原子炉内の圧
力容器内壁2aと炉心シュラウド外壁3aとの間の狭隘
部に設置されていても、その溶接ロボット40を容易か
つ迅速にライザブレース20付近まで搬送し、また溶接
終了後にライザブレース20から狭隘部を介して原子炉
外へ移動することができる。
【0137】さらに、本実施形態によれば、溶接ロボッ
ト40が所定の溶接実行位置に到達した際に溶接ロボッ
ト40自体がライザ管19をクランプしてそのライザ管
19に対して固定配置されるため、溶接ロボット40を
溶接実行位置に対して容易かつ安定的に設置することが
できる。
【0138】そして、本実施形態によれば、溶接ロボッ
ト40における多軸型アーム45の駆動により溶接トー
チ46をスカラ座標系と直交座標系とを含むハイブリッ
ド座標系において三次元方向に移動させることができる
ため、狭隘部に配置された溶接箇所に対しても容易かつ
良好な溶接を行なうことができる。
【0139】すなわち、本実施形態で具体的に示した溶
接ロボット40を用いて、これまで実現が困難とされて
きた狭隘部に設置されたライザブレース20を自動的に
溶接することを可能にしたため、狭隘部に設置された老
朽化したライザブレースを新品に交換して原子炉の安全
性・信頼性を高度に維持することができる。
【0140】なお、本実施形態では、圧力容器2内にお
いて、チェーンC等の吊下部材を用いて人手により溶接
ロボット40をライザブレース20近傍まで吊り下ろし
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、例え
ば、溶接ロボット40をライザ管19の外周面上を自動
的に走行させるようにしてもよい。
【0141】例えば、図39は、本実施形態の変形例と
して、ライザ管19の外壁をその中心軸方向および周方
向に沿って走行可能な自走式の溶接ロボット200の概
略構成を示す斜視図である。図39によれば、本変形例
の溶接ロボット200のライザ管19を把持するクラン
プ部41は、上述したクランプ機構44が取り付けられ
たフレーム43と、このクランプ用フレーム43のアー
ム型溶接ヘッド42(多軸アーム45)取付側の一側面
に対向する他側面(図中上面)に設置された上記ライザ
管周方向および中心軸方向走行用の走行装置201を有
している。
【0142】走行装置201は、フレーム43と略同一
形状である平面視で略馬蹄形状を有し、フレーム43の
他側面(上面)がそのフレーム43の他側面と対向する
一側面(図中下面)における後述する旋回テーブル部に
固設された周方向走行用フレーム202と、この周方向
走行用フレーム202に取り付けられフレーム43およ
びアーム型溶接ヘッド42をライザ管19の周方向に沿
ってその外壁上を一体に走行させる周方向走行機構20
3(後掲図41参照)とを備えている。
【0143】また、走行装置201は、フレーム43と
略同一形状である平面視で略馬蹄形状を有し、周方向走
行用フレーム202の他側面(図中上面)と向かい合う
一側面(図中下面)がその周方向走行用フレーム202
の他側面に固設された軸方向走行用フレーム204と、
この軸方向走行用フレーム204に取り付けられライザ
管19に接離する方向に移動してライザ管19の外周面
を挟持し、そのライザ管19を挟持した状態でクランプ
部41全体、すなわち溶接ロボット200全体をライザ
管19の中心軸に沿ってその外壁上を走行させる走行用
クランプ機構205(後掲図43参照)とを備えてい
る。
【0144】図40は、周方向走行用フレーム202を
その一側面(図39における下面)側から見た際の平面
図であり、図41は、周方向走行機構203の一例を示
すための図39におけるA−A矢視断面図である。ま
た、図42は、図41におけるB−B矢視断面図であ
る。
【0145】図40乃至図42によれば、周方向走行用
フレーム202は、平面視で略馬蹄形状で縦断面が略逆
U字形を成す底面開口のフレーム本体210を有してお
り、そのフレーム本体210の円弧状外周面210aの
上面からの長さは、円弧状内周面210bの上面からの
長さよりも長くなっている。フレーム本体210の円弧
状外周面210aの下端部には、上面と平行に内方に向
けて突出するように底壁部211が固設されている。こ
の底壁部211は、その円弧状内周面側先端部がフレー
ム本体210の円弧状内周面210bに沿った面に対し
てギャップが形成されるように円弧状外周面210aの
下端部に設けられている。
【0146】周方向走行機構203は、フレーム本体2
10の円弧状内周面210aの下端部に対して上記内周
面210aに沿ってL形ガイド212を介してライザ管
19の中心O' を中心として回動自在に取り付けられた
旋回用ギヤ215を備えている。
【0147】この旋回用ギヤ215は、円弧状内周面2
10bの形状に対応した略馬蹄形状を成し、その外側面
の上端部に円弧状(馬蹄状)ギヤが形成されている。
【0148】また、周方向走行機構203は、旋回用ギ
ヤ215の下端部にネジ等で締結された略馬蹄形状の旋
回テーブル216を備えている。この旋回テーブル21
6は、底壁部211の軸方向走行用フレーム側底面(下
面)211aに設置されたL形ガイド217を介してそ
の底壁部下面211aに摺動自在に当接して配置されて
おり、この旋回テーブル216により、底壁部211の
円弧状内周面側先端部と旋回用ギヤ215との間のギャ
ップを塞ぐようになっている。
【0149】この旋回テーブル216は、旋回用ギヤ2
15の回動に応じてその旋回用ギヤ215と一体にライ
ザ管19の中心O' を中心として回動するように構成さ
れている。また、この旋回テーブル216の下面は、フ
レーム43の他側面(上面)に固設されている。
【0150】さらに、周方向走行機構203は、周方向
走行用フレーム202内に設置されており、フレーム本
体210および底壁部211に対してライザ管19の中
心軸に沿うようにベアリングBを介して回動自在に支持
された伝達シャフト220aおよび220bと、これら
の伝達シャフト220aおよび220bに同軸状に取り
付けられ旋回用ギヤ215に噛合連結された平歯車22
1と、伝達シャフト221の上端部に同軸状に取り付け
られた第1のベベルギヤ222aおよび222bとを備
えている。
【0151】伝達シャフト220aおよび220bは、
それらシャフト220aおよび220bの中心およびラ
イザ管19の中心O' を通る線分とL1 軸とが成す角度
γ1およびγ2 が等しくなるように、L1 軸に対して対
称的に配置されている。
【0152】一方、図41に示すように、周方向走行機
構203は、第1のベベルギヤ222aおよび222b
を回動させるための回動機構225を備えており、この
回動機構225は、周方向走行用フレーム202の内部
に配置されている。
【0153】すなわち、回動機構225は、周方向走行
用フレーム202内のL1 軸上に配置され、かつ外部等
に設置され制御装置(図21参照)に接続されたモータ
226Mの出力軸のギヤに噛合連結された第2のベベル
ギヤ227を備えており、この第2のベベルギヤ227
は、モータ226Mの回転に応じてライザ管19の中心
軸に平行な軸を回転軸として回転するようになってい
る。
【0154】また、回動機構225は、ライザ管19の
中心軸に直交する方向に沿い、かつその一端部が伝達シ
ャフト220aおよび220bの近傍に配置されるよう
に、軸受台228aおよび228bを介して前記周方向
走行用フレーム202に回動自在に支持されたシャフト
230aおよび230bを備えており、このシャフト2
30aおよび230bの第2のベベルギヤ227側の他
端部は、回転軸直交変換用の第3のベベルギヤ232a
および232bを介して第2のベベルギヤ227にそれ
ぞれ連結されている。
【0155】一方、上記シャフト230aおよび230
bの伝達シャフト220aおよび220b側の一端部に
は、回転軸直交変換用の第4のベベルギヤ240aおよ
び240bがそれぞれ取り付けられており、この第4の
ベベルギヤ240aおよび240bは、これら第4のベ
ベルギヤ240aおよび240bの軸に対して直交する
軸を有する第1のベベルギヤ222aおよび222bに
それぞれ噛合連結されている。
【0156】このように構成された周方向走行機構20
3によれば、シャフト230aおよび230bは、制御
装置21によるモータ226Mの駆動に基づく第2のベ
ベルギヤ227の回動に応じて第3のベベルギヤ232
aおよび232bを介してライザ管19の中心軸に直交
する軸を回転軸として回動し、第1のベベルギヤ222
aおよび222bは、そのシャフト230aおよび23
0bの回動に応じて第4のベベルギヤ240aおよび2
40bを介して回動する。そして、この第1のベベルギ
ヤ222aおよび222bの回動に応じて伝達シャフト
220aおよび220bを介して平歯車221が回動す
ることにより、旋回用ギヤ215および旋回テーブル2
16が一体に回動するようになっている。
【0157】また、図43は、軸方向走行用フレーム2
04および走行用クランプ機構205の一例の概略構成
を示すための図39におけるC−C矢視断面図である。
図43によれば、軸方向走行用フレーム204は、クラ
ンプ部41のフレーム43と略同一の形状(馬蹄形状)
および構成を成している(なお、符号は、43a〜43
cから204a〜204cに変更している)。
【0158】また、走行用クランプ機構205は、クラ
ンプ部41のクランプ機構44と比べて把持アームの一
部の構成が異なるのみであり、その他の構成はクランプ
機構44と同等であるため、同一の符号を付してその説
明は省略する。
【0159】図43に示すように、走行用クランプ機構
205の各把持アーム本体106Aの両端部には、ライ
ザ管19を把持し、かつライザ管19の外壁上を走行す
るためのローラ244、244がそれぞれ設置されてい
る。
【0160】図44は、把持アーム本体106Aの端部
に設置されたローラ244を拡大して示す斜視図であ
り、図45は、ローラ244がライザ管19を把持した
状態での図44におけるD−D矢視断面図である。
【0161】図44および図45によれば、ローラ24
4、244は、弾性部材(例えばゴム)等のライザ管1
9の金属表面に対して摩擦力を生じる材質で構成されて
おり、円筒状を成している。また、把持アーム本体10
6Aの一端部には、ローラ244の直径よりも短く半径
よりも長い深さでそのライザ管19に面する側の内側面
106a' から長方形状にローラ設置用の溝245が形
成されており、ローラ244は、その長手方向(支軸の
軸心方向)がライザ管19の中心軸に対して直交し、か
つその支軸244aが溝245の長手方向に沿って溝2
45の中央に位置するように配設されている。この結
果、ローラ244のライザ管19側に対向する部分の外
周面が溝245および把持アーム本体106Aの内側面
106a'からライザ管19に向かって突出しており、
その突出した外周面244bが対ライザ管把持面となっ
ている。
【0162】また、ローラ244の支軸244aは把持
アーム本体106Aの先端部に設置された回動機構(例
えば走行用モータ、走行用ギヤ等)246に取り付けら
れており、この回動機構246は制御装置(図21参
照)に接続されている。
【0163】そして、ローラ244は、制御装置の制御
に基づく回動機構246の作動に応じて支軸244aを
介して図中α方向に回動するようになっている(なお、
回動機構246が作動しなければ、支軸244aは回動
せず、ローラ244も回動せずに固定されている)。
【0164】このように構成された本変形例に係わる溶
接ロボット200によれば、クランプ機構44と同様
に、走行装置201の走行用クランプ機構205のスラ
イドナット87a、87bのスライド運動に基づく作動
連結手段72(第1のリンク90、第2のリンク91)
の作動により把持アーム70(アームホルダ105、把
持アーム本体106A)をライザ管19に向けて移動さ
せて、ライザ管19の外周面の内、中心O' を挟んでL
2 軸に沿って互いに対向し、かつその対向角がβ=約6
0°の範囲における周縁部19b、19bをローラ24
4の突出した外周面244bで押圧するように構成され
ている。
【0165】したがって、ライザ管19は、一対の把持
アーム70の把持アーム本体106Aの各ローラ24
4、244により外周面の計4か所を、ライザ管19の
中心軸に向かう押圧力により把持されることになり、溶
接ロボット200がライザ管19に対して安定して固定
保持される。
【0166】上述した一対の把持アーム70(アームホ
ルダ105、把持アーム本体106A)のローラ244
がライザ管19を把持した状態において、例えばスプリ
ング調整ボルト101をきつく締めて把持アーム70の
ライザ管19に対する把持力、すなわちローラ244、
244のライザ管19への押圧力をさらに増大させる。
そして、制御装置160を介して回動機構246を作動
させてローラ244、244を所定方向へ回動させる
と、ローラ244、244とライザ管19外壁との摩擦
力により走行装置201を含む溶接ロボット200は、
ライザ管19の外周面上をその中心軸方向に沿って例え
ば下方へ走行する。そして、溶接ロボット200のクラ
ンプ部41に収納された多軸型アーム部45が溶接実行
位置にまで到達すると、回動機構246の作動を終了さ
せて溶接ロボット200の走行を停止させる。
【0167】このとき、例えばクランプ部41に収納さ
れた多軸型アーム部45が溶接箇所の上方に位置してい
ない場合においては、制御装置160によりモータ22
6Mが駆動して第2のベベルギヤ227および第3のベ
ベルギヤ232aおよび232bを介してシャフト23
0aおよび230bが回動し、第1のベベルギヤ222
aおよび222bは、このシャフト230aおよび23
0bの回動に応じて第4のベベルギヤ240aおよび2
40bを介して回動する。
【0168】第1のベベルギヤ222aおよび222b
が回動すると、伝達シャフト220aおよび220bを
介して平歯車221が回動するため、旋回用ギヤ215
および旋回テーブル216が一体に回動し、この結果、
旋回テーブル216の上面に固設されたクランプ用フレ
ーム43は、旋回用ギヤ215および旋回テーブル21
6と一体にライザ管19の中心軸を中心に回転する。
【0169】そして、クランプ部41に収納された多軸
型アーム部45が溶接箇所の上方に位置すると、モータ
226Mの駆動を停止させて旋回用ギヤ215・旋回テ
ーブル216およびクランプ用フレーム43の回転を停
止させる。
【0170】以下、前掲図25〜図36に示す動作処理
を行なうことにより、溶接箇所に対して自動的に溶接を
行なうことができ、この溶接終了後に、上記制御装置1
60を介して回動機構246を作動させてローラ24
4、244を上述した溶接前の所定方向とは逆方向に回
転させることにより、ローラ244、244とライザ管
19外壁との摩擦力により走行装置201を含む溶接ロ
ボット200をライザ管19の外周面上をその中心軸方
向に沿って例えば上方へ走行させて溶接ロボット200
の自動回収作業を行なって、全ての溶接工程を終了す
る。
【0171】すなわち、本変形例によれば、走行装置2
01を用いることにより溶接ロボット200をライザ管
19を把持した状態でその中心軸に沿って制御装置の制
御の下で自動的に走行させることができ、かつ必要に応
じて溶接ロボット200をライザ管19の中心軸を中心
に自動的に回転させることができるため、溶接ロボット
200を圧力容器2内においてライザ管19の中心軸に
沿って移動させ、ライザ管19の中心軸を中心に回転さ
せて溶接実行位置に設置する際に、上述したチェーン等
の吊下部材を用いた人手による吊り下ろし作業、吊り上
げ作業および回転作業を行なう必要がない。この結果、
上述した本実施形態の溶接ロボットを用いた効果に加え
て、溶接ロボットの溶接実行位置への設置工程および溶
接ロボットの溶接実行位置からの回収工程が非常に容易
になり、溶接作業(溶接ロボット設置作業)に係る作業
人員およびそのコストを低減させるといった新たな効果
を得ることができる。
【0172】なお、本変形例によれば、走行装置の周方
向走行機構の一例として、回動機構225等に基づいて
旋回用ギヤ215および旋回テーブル216を回転させ
ることによりクランプ用フレーム43をライザ管の中心
軸を中心に回転させたが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、溶接ロボット200(アーム型溶接ヘッド
42が取り付けられたクランプ用フレーム43)をライ
ザ管19の中心軸を中心に回転させることができる構成
であれば、どのような構成であってもよい。
【0173】また、本変形例では、走行用クランプ機構
の一例として、一対の把持アーム70の把持アーム本体
106Aの内周面側に設けたローラ244、244によ
り溶接ロボットをライザ管19の外周面上でその中心軸
方向に沿って走行させたが、本発明はこれに限定される
ものではなく、溶接ロボットをライザ管19を把持した
状態でその外周面上を走行できるものであれば、どのよ
うな構成であってもよい。
【0174】さらに、本実施形態およびその変形例によ
れば、多軸型アームとして、一対の双腕型かつ7軸同時
制御型アームを用いたが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、多軸型アームの先端に取り付けられる溶接
トーチを三次元的に移動できるアームであれば1本ある
いは複数本でもよく、また、制御軸も7軸に限定される
ものではない。
【0175】そして、本実施形態およびその変形例によ
れば、産業設備の狭隘部に設置された配管あるいは配管
関連機器として、原子炉内の圧力容器内壁と炉心シュラ
ウドの外壁との間に設置されたジェットポンプのライザ
ブレースを溶接する場合を例にとって説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、各種産業設備(火
力発電プラント、水力発電プラント等)の狭隘部に設置
された配管自体、あるいは配管に取り付けられる支持金
具等の各種の部材に対する溶接に用いることが可能であ
る。
【0176】なお、本実施形態およびその変形例によれ
ば、溶接箇所に対する溶接としてティグ溶接を用いた
が、本発明はこれに限定されるものではなく、ミグ溶接
等各種の溶接を用いることが可能である。
【0177】また、上記説明はほとんど全て溶接につい
て行なったが、本発明は溶断にも適用することができ
る。
【0178】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、配管
あるいは配管関連機器の溶接・溶断箇所が配管周辺の狭
隘部分に配設されていても、遠隔からの操作により溶接
ロボットを配管に沿って搬送し、その溶接ロボットを配
管上の溶接・溶断箇所に応じた溶接・溶断実行位置に対
して安定的に固定配置することができ、しかも、配管上
に固定配置した溶接ロボットにおける溶接トーチを多軸
型アームを介して三次元的に移動させることができるた
め、狭隘部中の溶接・溶断箇所に対して容易かつ良好な
溶接・溶断を行なうことができる。
【0179】したがって、本発明で詳細に説明した溶接
ロボットを用いることにより、これまで実現が困難とさ
れてきた狭隘部に設置された配管自体あるいは配管関連
機器の溶接・溶断箇所を自動的に溶接・溶断することが
できるため、狭隘部に設置された老朽化した配管自体あ
るいは配管関連機器の補修、あるいは新品への交換を行
なうことが可能になり、原子炉等の産業設備の安全性・
信頼性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における溶接対象となるラ
イザブレースを有する原子炉の圧力容器の構成を示す断
面図。
【図2】図1における圧力容器内壁と炉心シュラウドの
外壁との間に設置されたジェットポンプおよびライザブ
レースを拡大して示す図。
【図3】本発明の実施の形態における溶接対象となるラ
イザブレースの全体構成を示す斜視図。
【図4】本発明の実施の形態における溶接対象となるラ
イザブレースの全体構成を示す平面図。
【図5】本発明の実施の形態における溶接対象となるラ
イザブレースの全体構成を示す側面図。
【図6】ライザ管を把持した状態での本発明の実施の形
態に係わる溶接ロボットの全体構成を概略的に示す斜視
図。
【図7】圧力容器側から見た状態での本実施形態の溶接
ロボットの全体構成を示す正面図。
【図8】本実施形態の溶接ロボットの全体構成を示す平
面図。
【図9】本実施形態の溶接ロボットの全体構成を示す側
面図。
【図10】図6〜図9に示した溶接ロボットにおけるク
ランプ部のクランプ機構の概略構成を示す展開図(一部
断面図)。
【図11】クランプ部のフレームおよびクランプ機構の
概略構成を示すための図10におけるXI−XI矢視断
面図。
【図12】クランプ部のクランプ機構のクランプ用モー
タおよびモータ駆動軸を示す図。
【図13】図12におけるXII−XII矢視断面図。
【図14】溶接ロボットの左側溶接ヘッドを拡大して示
す側面図。
【図15】溶接ロボットがライザ管を把持した状態での
各溶接ヘッドの動作を説明する平面図。
【図16】左側溶接ヘッドの溶接トーチ部を拡大して示
す平面図。
【図17】図16におけるXVII−XVII矢視断面
図。
【図18】左側溶接ヘッドの溶接トーチ部を拡大して示
す側面図。
【図19】図18に示す溶接トーチ部のノズル側から見
た正面図。
【図20】多軸型アーム全体を折り畳んでクランプ部の
フレームに沿って配置した多軸型アーム収納状態を示す
図。
【図21】本実施形態の溶接ロボットの制御系システム
全体の概略構成を示すブロック図。
【図22】左側溶接ヘッドを制御するための制御装置の
機能ブロック構成を示す図。
【図23】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、溶接ロボットを吊り下ろ
す動作を説明するための図。
【図24】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、溶接ロボットを吊り下ろ
しながら方向転換する動作を説明するための図。
【図25】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、溶接ロボットのクランプ
部によりライザ管を把持する動作を説明するための図。
【図26】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、溶接ロボットをライザ管
におけるライザブレース溶接実行位置に対して設置する
動作を説明するための図。
【図27】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、溶接ロボットの溶接トー
チをライザブレースの上側アームの継手部に位置決めす
る動作を説明するための図。
【図28】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、溶接作業の開始動作を説
明するための図。
【図29】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、上側アームの継手部に沿
った溶接トーチのを繰り返し移動に基づく溶接動作を説
明するための図。
【図30】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、上側アームの継手部に沿
った溶接トーチのを繰り返し移動に基づく溶接動作を説
明するための図。
【図31】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、上側アームの継手部に沿
った溶接トーチのを繰り返し移動に基づく溶接動作を説
明するための図。
【図32】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、溶接ロボットの多軸型ア
ームの張り出し動作を説明するための図。
【図33】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、溶接ロボットの多軸型ア
ームを下側アーム側へ移動する際の動作を説明するため
の図。
【図34】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、溶接ロボットの溶接トー
チをライザブレースの下側アームの継手部に位置決めす
る動作を説明するための図。
【図35】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、溶接作業の繰り返し動作
を説明するための図。
【図36】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、溶接終了後に多軸型アー
ムをクランプ部に収納する動作を説明するための図。
【図37】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、溶接ロボットのライザ管
に対する把持状態を解除してチェーンにより吊持した状
態を示す図。
【図38】本実施形態の溶接ロボットを用いて溶接する
際の全体動作を表す図であり、溶接ロボットの吊り上げ
動作を説明するための図。
【図39】ライザ管を把持した状態での本実施形態の変
形例に係わる溶接ロボットの全体構成を概略的に示す斜
視図。
【図40】図39における周方向走行用フレームをその
一側面(図39中下面)側から見た際の平面図。
【図41】図39におけるA−A矢視断面図。
【図42】図41におけるB−B矢視断面図。
【図43】図39に係わる変形例の溶接ロボットにおけ
るクランプ部のフレームおよびクランプ機構の概略構成
を示すための図39におけるC−C矢視断面図。
【図44】一方の把持アームの一端部に設置されたロー
ラを拡大して示す斜視図。
【図45】ローラがライザ管を把持した状態での図44
におけるD−D矢視断面図。
【符号の説明】
2a 原子炉内壁 3a 炉心シュラウド外壁 19 ライザ管 19a,19b 周縁部 20 ライザブレース 22a、22bおよび23a、23b パッド支持部 24a、24bおよび25a、25b アーム 35a、35bおよび36a、36b 継手部 37a、37bおよび38a、38b 継手部 40、200 溶接ロボット 41 クランプ部 42 アーム型溶接ヘッド 42A 左側溶接ヘッド 42B 右側溶接ヘッド 43 フレーム 43a フレーム先端部 43b フレーム円弧状内周面 43c 開口部 44 クランプ機構 44M クランプ用モータ 45 多軸型アーム 46 溶接トーチ 50 第1の関節部 51 第1の上腕部 52 第2の関節部 53 第2の上腕部 54 第3の関節部 55 前腕部 56 溶接トーチ支持部 60 ワイヤドラム 61 ワイヤ供給装置 62 ワイヤ供給モータ 63 ワイヤ供給機構 64 ワイヤ供給速度検出用エンコーダ 65 装着部 70 把持アーム 71 駆動手段 72 作動連結種だ 73 ガイド機構 75 歯車機構 76 回転軸 77 レンチ用ロッド穴 80 減速用ウォーム 81 ウォームギヤ 82 送りネジ 85 右ネジ 86 左ネジ 87a、87b スライドナット 88 スライドガイド 90 第1のリンク 91 第2のリンク 92、93、96、98 ピン(支軸) 94 調整用リンク 95 固定軸 97 開閉動作用リンク 100 段付き孔 101 ネジ孔 102 スプリング調整ボルト 105 アームホルダ 106、106A 把持アーム本体 106a 対ライザ管把持面 106c 外斜面 110 ガイドピン 120 第1の回動機構 121 第2の回動機構 122 第1のサーボモータ 123 第1のエンコーダ 124 第2のサーボモータ 125 第2のエンコーダ 126 上腕用伸縮機構 127 第3のサーボモータ 128 第3のエンコーダ 130 前腕用回動機構 131 第4のサーボモータ 132 第4のエンコーダ 133 前腕用伸縮機構 134 第5のサーボモータ 135 第5のエンコーダ 136 第6のサーボモータ 137 第6のエンコーダ 141 溶接トーチ支持用フレーム 143 水平送り用駆動機構 144 イナートガス供給用ノズル 145 ティグ電極棒 147 電極ワイヤ 150 ガイド支持部 151 ピニオンギヤ 152 ラック 160 制御装置 161 コンソール 162 パーソナルコンピュータ 163A、163B 溶接電源 166A 左側操作パネル 166B 右側操作パネル 170 記憶部 171 クランプ用モータ制御部 172 第1の動作制御部 173 第2の動作制御部 174 第3の動作制御部 175 第4の動作制御部 176 第5の動作制御部 177 第6の動作制御部 178 ワイヤ供給制御部 179 溶接電源制御部 201 走行装置 202 周方向走行用フレーム 203 周方向走行機構 204 軸方向走行用フレーム 205 走行用クランプ機構 215 旋回用ギヤ 216 旋回テーブル 220a、220b 伝達シャフト 221 平歯車 222a、222b 第1のベベルギヤ 225 回動機構 227 第2のベベルギヤ 228a、228b 軸受台 230a、230b シャフト 232a、232b 第3のベベルギヤ 240a、240b 第4のベベルギヤ 244 ローラ 244a 支軸 245 溝 246 回動機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G21C 19/02 G21C 19/02 J

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配管周辺の狭隘部分における当該配管を
    含む配管関連機器の溶接または溶断箇所に対して溶接ま
    たは溶断を行なう溶接ロボットであって、 前記配管を包むように配置された略馬蹄形状のフレーム
    およびこのフレーム内に設置され前記配管に対して互い
    に接離する方向に移動して当該配管の外周面を把持する
    一対の把持アームを有するクランプ部と、一端部が前記
    クランプ部に取り付けられ他端部が三次元方向に移動で
    きる多軸型アームと、この多軸型アームの他端部に取り
    付けられ当該他端部の移動に応じて一体に移動する前記
    溶接または溶断作業実行用の溶接トーチとを備えたこと
    を特徴とする溶接ロボット。
  2. 【請求項2】 前記多軸型アームは、前記クランプ部フ
    レームにおける前記配管の中心軸に交わる一側面に取り
    付けられた第1の関節部およびこの第1の関節部に連結
    され当該第1の関節部の中心軸に対して直交する方向に
    延びる第1の上腕部を有し、当該第1の上腕部が前記第
    1の関節部を介して前記クランプ部フレームの幅の範囲
    内外方向に沿って回動可能な第1のアーム部と、前記第
    1の上腕部の先端部に連結された第2の関節部およびこ
    の第2の関節部に連結され当該第2の関節部の中心軸に
    沿って延びる第2の上腕部を有し、この第2の上腕部が
    前記第2の関節部を介して前記第2の関節部の中心軸を
    回転軸として回動し、かつその回転軸に沿ってテレスコ
    ピック状に伸縮自在な第2のアーム部と、前記第2の上
    腕部の先端部に連結された第3の関節部およびこの第3
    の関節部に連結され当該第3の関節部の中心軸に沿って
    延びる前腕部を有し、この前腕部が第3の関節部を介し
    て前記第3の関節部の中心軸を回転軸として回動し、か
    つその回転軸に沿ってテレスコピック状に伸縮自在な第
    3のアーム部と、前記前腕部の先端部に取り付けられ前
    記溶接トーチを前記前腕部の伸縮方向に直交する方向に
    沿って移動自在に支持する溶接トーチ支持部とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の溶接ロボット。
  3. 【請求項3】 前記多軸型アームは一対の双腕型多軸型
    アームであり、各多軸型アームの前記第1の関節部は、
    前記クランプ部フレームの一側面における前記配管を挟
    んで互いに対向する位置にそれぞれ取り付けられたこと
    を特徴する請求項2記載の溶接ロボット。
  4. 【請求項4】 前記クランプ部の一対の把持アームは前
    記配管を挟んで略対称的に配置され、その把持アーム本
    体の両端部の前記配管に対向する側面が当該配管の中心
    に対して略円弧状を成す対配管把持面とされており、前
    記クランプ部は、前記各把持アーム駆動用の駆動力を生
    成する駆動手段と、この駆動手段と把持アームとを機械
    的に連結し、前記駆動手段の駆動力に応じて作動して前
    記各把持アームを前記配管に対して接離する方向へ移動
    させる作動連結手段と、この作動連結手段による前記各
    把持アームの移動方向を規制することにより当該各把持
    アームをその対配管把持面が前記配管の中心軸を挟んで
    略向かい合う位置まで移動させ、さらにその向かい合っ
    た状態から前記各把持アームを前記配管に向けて直線的
    に移動させるガイド機構とを備えたことを特徴とする請
    求項3記載の溶接ロボット。
  5. 【請求項5】 前記駆動手段は、前記クランプ部フレー
    ムに設置された把持用モータと、この把持用モータの出
    力軸に回転軸直交変換用の歯車機構を介して連結され前
    記把持用モータの駆動に基づく歯車機構を介した回転駆
    動力により正逆回転可能な把持アーム駆動用回転軸と、
    両端部に対称的に形成された右ネジおよび左ネジを有
    し、前記把持アーム駆動用回転軸に減速機構を介して前
    記把持アームの接離方向に沿うように取り付けられ当該
    回転軸の正逆回転に応じて正逆回転する送りネジと、こ
    の送りネジの右ネジおよび左ネジ部分にそれぞれ螺合さ
    れた一対のスライドナットとを備え、前記把持用モータ
    の駆動に基づいて減速機構を介して前記送りネジの右ネ
    ジおよび左ネジ部分が正逆方向に回転した時に前記一対
    のスライドナットが前記送りネジの軸心に沿って互いに
    接離する方向に同時に移動するように構成されており、 前記作動連結手段は、一端部が前記スライドナットに第
    1の支軸を介して回動自在に連結支持されたスライド運
    動伝達用リンクと、一端部が前記リンクの他端部に第2
    の支軸を介して連結支持された前記把持アームの把持力
    調整用のリンクと、一端部が前記把持力調整用リンクの
    略中間部に第3の支軸を介して回動自在に連結支持さ
    れ、その中間部が前記フレームに固定された固定軸を介
    して回動自在に支持され、かつその他端部に前記把持ア
    ームが第4の支軸を介して回動自在に連結支持されてお
    り、前記把持力調整用リンクに対して前記配管と反対側
    に当該調整用リンクと略平行に並設された把持アーム開
    閉動作用リンクと、前記把持力調整用リンクの他端部と
    把持アーム開閉動作用リンクとをスプリングを介して連
    結するスプリング調整ボルトとを備え、前記各スライド
    ナットの互いに接離する方向への同時移動に応じてスラ
    イド運動伝達用リンクが回動し、このスライド運動伝達
    用リンクの回動に応じて把持力調整用リンクおよび把持
    アーム開閉動作用リンクが一体に回動して前記各把持ア
    ームが前記ガイド機構を介して移動するようになってい
    る一方、 前記スプリング調整ボルトの締め付け具合を調整して前
    記把持力調整用リンクの他端部を前記第3の支軸を中心
    に前記把持アーム開閉動作用リンクに対して接離する方
    向へ揺動させることにより、前記スプリングの弾性力を
    介して前記配管を把持した際の前記把持アームの把持力
    を調整可能にしたことを特徴とする請求項4記載の溶接
    ロボット。
  6. 【請求項6】 前記各多軸型アームは、前記第1の上腕
    部を前記クランプ部フレームの幅の範囲内外方向に沿っ
    て回動させるための第1の回動機構と、前記第2の上腕
    部を当該第2の関節部の中心軸を回転軸として回動させ
    るための第2の回動機構と、駆動軸が前記第1の回動機
    構と機械的に連結され該駆動軸を回動させることにより
    当該第1の回動機構を駆動させる第1のサーボモータ
    と、この第1のサーボモータの駆動軸変位を検出してパ
    ルスデータをフィードバックして前記第1の上腕部の回
    動位置を検出する第1のエンコーダと、駆動軸が前記第
    2の回動機構と機械的に連結され該駆動軸を回動させる
    ことにより当該第2の回動機構を駆動させる第2のサー
    ボモータと、この第2のサーボモータの駆動軸変位を検
    出してパルスデータをフィードバックすることにより前
    記第2の上腕部の回動位置を検出する第2のエンコーダ
    と、前記第2の上腕部を前記第2の関節部の中心軸に沿
    ってテレスコピック状に伸縮させるための上腕用伸縮機
    構と、駆動軸がこの上腕用伸縮機構と機械的に連結され
    該駆動軸を回動させることによりその上腕用伸縮機構を
    駆動させる第3のサーボモータと、この第3のサーボモ
    ータの駆動軸変位を検出してパルスデータをフィードバ
    ックすることにより前記第2の上腕部の伸縮位置を検出
    する第3のエンコーダと、前記前腕部を前記第3の関節
    部の中心軸を回転軸として回動させるための前腕用回動
    機構と、駆動軸がこの前腕用回動機構と機械的に連結さ
    れ該駆動軸を回動させることにより前記前腕用回動機構
    を駆動させる第4のサーボモータと、この第4のサーボ
    モータの駆動軸変位を検出してパルスデータをフィード
    バックすることにより前記前腕部の回動位置を検出する
    第4のエンコーダと、前記前腕部を前記第3の関節部の
    中心軸に沿ってテレスコピック状に伸縮させるための前
    腕用伸縮機構と、駆動軸がこの前腕用伸縮機構と機械的
    に連結され該駆動軸を回動させることにより前腕用伸縮
    機構を駆動させる第5のサーボモータと、この第5のサ
    ーボモータの駆動軸変位を検出してパルスデータをフィ
    ードバックすることにより前記前腕部の伸縮位置を検出
    する第5のエンコーダと、前記溶接トーチ支持部に設け
    られ前記溶接トーチを前記前腕部の伸縮方向に直交する
    方向に沿って支持しながらその方向に沿って移動させる
    溶接トーチ移動支持機構と、駆動軸が溶接トーチ移動支
    持機構と機械的に連結され該駆動軸を回動させることに
    より溶接トーチ移動支持機構を駆動させる第6のサーボ
    モータと、この第6のサーボモータの駆動軸変位を検出
    してパルスデータをフィードバックすることにより溶接
    トーチの移動位置を検出する第6のエンコーダと、ワイ
    ヤ供給用モータと、このワイヤ供給用モータの駆動に応
    じてワイヤドラムに保持されたワイヤを順次送り出して
    溶接トーチに供給するワイヤ供給機構と、ワイヤ供給用
    モータの駆動軸変位を検出してパルスデータを出力する
    ワイヤ供給速度検出用パルスエンコーダとをそれぞれ備
    えており、 前記溶接ロボットは、前記各多軸型アームの前記第1〜
    第6のパルスエンコーダおよび前記ワイヤ供給速度検出
    用パルスエンコーダからフィードバックされたパルスデ
    ータに基づいて前記第1〜第6のサーボモータおよび前
    記ワイヤ供給用モータを同時あるいは個別に駆動制御し
    て前記溶接トーチの溶接電極先端の溶接部の軌道を制御
    することにより、当該溶接部を前記溶接箇所に対して自
    動的に位置決めしてその溶接箇所に対して自動的に溶接
    を実行する溶接制御実行手段を備えたことを特徴とする
    請求項5記載の溶接ロボット。
  7. 【請求項7】 前記把持アーム駆動用回転軸における減
    速機構取り付け側と反対側の一端部はクランプ部フレー
    ム外部に突出しており、この突出側先端部にレンチ用ロ
    ッド穴を設けたことを特徴とする請求項6記載の溶接ロ
    ボット。
  8. 【請求項8】 前記クランプ部フレームにおける前記多
    軸型アームが設置された一側面に対向する他側面にチェ
    ーン等の吊下部材を装着可能な装着部を設けたことを特
    徴とする請求項7記載の溶接ロボット。
  9. 【請求項9】 前記クランプ部は、このクランプ部に取
    り付けられ少なくとも前記クランプ部を前記配管の中心
    軸方向および周方向に沿って自動的に走行させる自動走
    行装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の溶接ロ
    ボット。
  10. 【請求項10】 前記自動走行装置は、前記配管を包む
    ように前記クランプ部に対して取り付けられた略馬蹄形
    状の第1の走行用フレームおよびこの第1の走行用フレ
    ーム内に設置され前記配管に対して互いに接離する方向
    に移動して当該配管の外周面を把持する一対の走行用把
    持アームを有し、当該走行用把持アームを介して前記配
    管を把持した状態で当該配管の外周面上を前記配管の中
    心軸方向に沿って自動的に走行させる軸方向走行用クラ
    ンプ手段と、前記配管を包むように配設された略馬蹄形
    状の第2の走行用フレーム、前記クランプ部に固設さ
    れ、かつ前記配管の中心軸を回転中心として回転自在に
    前記第2の走行用フレームに支持された回転テーブルお
    よび前記回転テーブルに機械的に連結しその回転テーブ
    ルを前記配管中心軸を回転中心として回転させることに
    より前記クランプ部を前記配管の周方向に沿って自動的
    に走行させる回転機構を有する周方向走行手段とを備え
    たことを特徴とする請求項9記載の溶接ロボット。
  11. 【請求項11】 前記軸方向走行用クランプ手段の第1
    の走行用フレームは前記クランプ部フレームに対して前
    記配管の中心軸方向に沿って並設されており、 前記軸方向走行用クランプ手段は、支軸の軸心方向が前
    記配管の中心軸に対して直交し、かつ前記配管側に対向
    する外周面が前記把持アームの内側面から前記配管に向
    かって突出するように前記一対の走行用把持アームの両
    端部の前記配管に対向する内側面に対して取り付けられ
    た略円筒状のローラと、このローラの支軸に機械的に取
    り付けられ当該支軸を回転軸として前記ローラを回転さ
    せる回動機構とを備え、前記一対の走行用把持アームに
    より前記配管の外周面がそのローラの突出した外周面を
    介して把持された状態において前記回動機構を作動させ
    て当該ローラを回動させることにより、前記走行用クラ
    ンプ部を含む溶接ロボットが前記配管の外周面上で自動
    的に走行するように構成されたことを特徴とする請求項
    10記載の溶接ロボット。
  12. 【請求項12】 前記周方向走行手段の第2の走行用フ
    レームは前記クランプ部フレームに対して前記配管の中
    心軸方向に沿って並設されており、 前記周方向走行手段の回転機構は、前記回転テーブルに
    取り付けられ当該回転テーブルと一体に前記配管中心軸
    を中心に回転可能な回転ギヤと、前記配管の中心軸に沿
    うように前記第2の走行用フレームに回転自在に支持さ
    れた第1のシャフトと、この第1のシャフトに同軸状に
    取り付けられ前記回転ギヤに噛合連結された歯車機構
    と、前記第1のシャフトに同軸状に取り付けられた第1
    のシャフト回転用ベベルギヤと、前記配管の中心軸に略
    直交する方向に沿い、かつその一端部が前記第1のシャ
    フトの近傍に配置されるように前記第2の走行用フレー
    ムに回動自在に支持された第2のシャフトと、この第2
    のシャフトの他端部に連結され当該第2のシャフトを回
    転駆動させる回転駆動部と、前記第2のシャフトにおけ
    る一端部に取り付けられ前記第1のシャフト回転用ベベ
    ルギヤに噛合連結された回転力伝達用ベベルギヤとを備
    えたことを特徴とする請求項10または11記載の溶接
    ロボット。
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