JPH11266067A - スルーホール用貫通孔の形成方法 - Google Patents

スルーホール用貫通孔の形成方法

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JPH11266067A
JPH11266067A JP10068357A JP6835798A JPH11266067A JP H11266067 A JPH11266067 A JP H11266067A JP 10068357 A JP10068357 A JP 10068357A JP 6835798 A JP6835798 A JP 6835798A JP H11266067 A JPH11266067 A JP H11266067A
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hole
copper
copper foil
carbon dioxide
holes
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JP10068357A
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Morio Take
杜夫 岳
Nobuyuki Ikeguchi
信之 池口
Yasuo Tanaka
恭夫 田中
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅張積層板に、炭酸ガスレーザーを用いて小
径のスルーホール用貫通孔を精度良く、直接高速であけ
る。 【解決手段】 銅箔を炭酸ガスガスレーザーで除去でき
るに十分な20〜60mJ/パルスから選ばれた1つのエネル
ギーを用いて、少なくとも2層以上の銅の層を有する熱
硬化性樹脂銅張積層板の銅箔の上に、融点 900℃以上
で、且つ原子結合エネルギーが 300kJ/mol以上の金属化
合物粉、カーボン粉の1種或いは2種以上の成分を 3〜
97 vol%含む有機物の塗料又はシートを配置して、炭酸
ガスレーザーを直接照射してスルーホール用貫通孔を形
成してから、金属箔の両表面を0.02〜1.0 μm/秒の速
さで平面的にエッチングし、もとの金属箔の 1/3〜1/2
を厚さをエッチング除去すると同時に孔部のバリをもエ
ッチング除去してスルーホール貫通孔を形成する。 【効果】 表裏の孔位置のヅレがなく、スルーホール信
頼性に優れた貫通孔が、高速で形成でき、且つ高密度の
回路形成に適したものが得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、両面銅張積層板或いは
銅張積層板を内層板用に加工し、内層銅箔表面処理を施
し、その上に、好適にはガラス布基材のプリプレグを用
いて製造した多層プリント配線板に直接炭酸ガスレーザ
ーでスルーホール用貫通孔をあける方法に関するもので
あり、得られた小型プリント配線板は、新規な半導体プ
ラスチックパッケージ用等として主に使用される。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体プラスチックパッケージ等
に用いられる高密度のプリント配線板は、スルーホール
用の貫通孔をドリルであけていた。近年、ますますドリ
ルの径は小径となり、孔径が0.15mmφ以下となってきて
おり、このような小径の孔をあける場合、ドリル径が細
いため、孔あけ時にドリルが曲がる、折れる、加工速度
が遅い等の欠点があり、生産性、信頼性等に問題のある
ものであった。また、高密度のプリント配線板の回路の
幅とスペースとはますます狭くなり、ライン/スペース
が 100μm/100μm以下となるものも作成されており、
この場合もパターン切れ、或いはショート不良が多く、
歩留りの悪いものであった。
【0003】さらに、上下の銅箔にあらかじめネガフィ
ルムを使用して所定の方法で同じ大きさの孔をあけてお
き、炭酸ガスレーザーで上下を貫通するスルーホールを
形成しようとすると、上下の孔の位置にズレを生じ、ラ
ンドが形成しにくい等の欠点があった。ガラス布基材の
熱硬化性樹脂銅張積層板は、出力の小さい場合、ガラス
の加工が困難で、孔壁にケバが残る等の問題点が見ら
れ、一方、直接銅箔の上に炭酸ガスレーザーを照射した
場合、孔があかなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決した、小径のスルーホール用貫通孔を形成する
方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、銅
箔を炭酸ガスレーザーで除去できるに十分な20〜60mJ/
パルスから選ばれた1つのエネルギーを用いて、炭酸ガ
スレーザーのパルス発振により、直接炭酸ガスレーザー
を照射し、少なくとも2層以上の銅の層を有する熱硬化
性樹脂銅張積層板の銅箔を加工して貫通孔をあける孔あ
けにおいて、炭酸ガスレーザーが照射される銅箔表面
に、融点 900℃以上で、且つ原子の結合エネルギーが 3
00kJ/mol以上の金属化合物粉、カーボン粉の1種或いは
2種以上の成分を 3〜97%含む有機物の塗料又はシート
を配置してスルーホール用貫通孔を形成する方法であっ
て、炭酸ガスレーザーを照射する面の孔形成位置の銅箔
表面に金属化合物粉塗料或いはシートを配置し、直接炭
酸ガスレーザーを照射してスルーホール用貫通孔を形成
した後、銅箔の両表面を0.02〜1.0 μm/秒の速さで平
面的にエッチングし、もとの銅箔の 1/3〜1/2 の厚さを
エッチング除去すると同時に孔部のバリをもエッチング
除去してスルーホールメッキ用孔を形成することを特徴
とするスルーホール用貫通孔の形成方法である。
【0006】本発明においては、熱硬化性樹脂組成物の
中に10〜60重量%の無機充填剤、 0.1〜10重量%の黒
色、又は褐色の染料或いは顔料を含む樹脂組成物をガラ
ス布基材に、ガラス含有量が40〜65重量%となるように
含浸、乾燥して作成したプリプレグを使用して製造した
銅張積層板、その多層板の銅箔の表面に、融点 850℃以
上で、且つ原子の結合エネルギーが 300kJ/mol以上の、
好適には平均粒子径が、1μm以下の金属化合物粉、カ
ーボン粉の1種或いは2種以上の成分を 3〜97%含む樹
脂で構成された塗料又はシートを、好適にはレーザー光
が反射しない程度の凹凸 0.5〜3μmとなるように形成
し、その後、高出力20〜60mJ/パルスの中の1つのエネ
ルギーの炭酸ガスレーザーを、直接照射してスルーホー
ル用貫通孔を形成する。本発明の方法によれば、上下の
孔の銅箔位置がズレることもなく、ランドが形成でき、
スルーホールは上下曲がることもなく形成でき、且つ、
銅箔が薄くなるために、その後の金属メッキでメッキア
ップして得られた表裏銅箔の細線の回路形成において、
ショートやパターン切れ等の不良の発生もなく、高密度
のプリント配線板を作成することができた。また、加工
速度はドリルであける場合に比べて格段に速く、生産性
も良好で、経済性にも優れているものが得られた。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、高出力炭酸ガスレーザ
ーの1つのエネルギーを用いて、少なくとも2層以上の
銅の層を有するガラス布基材銅張積層板の銅箔表面に直
接レーザーを照射してスルーホール用貫通孔、特に小径
の孔をあける方法に関する。孔あけされたプリント配線
板は、主に半導体チップの搭載用として使用される。銅
張積層板の炭酸ガスレーザーによる孔あけにおいて、高
出力の炭酸ガスレーザーの1つのエネルギーを直接金属
表面に照射し、スルーホール用貫通孔を形成する方法で
ある。
【0008】本発明で使用する銅張積層板は、全体がガ
ラス布基材補強の熱硬化性樹脂組成物に両面銅箔を接着
させた両面板、その多層板、内層がガラス布基材補強銅
張積層板であり、その外側に紫外線硬化樹脂組成物を配
置し、銅メッキすることを繰り返して多層化したもの、
また、外側が熱硬化性樹脂付き銅箔を使用して、同様に
多層化したもの、ポリイミドフィルムに接着剤で銅箔を
接着させたもの等、一般に公知の銅張の積層板(多層
板)が使用され得る。
【0009】基材としては、一般に公知の有機、無機の
織布、不織布が使用できる。具体的には、ガラス繊維と
してはE、A、C、M、S、D、Nガラス等が挙げられ
る。有機では、全芳香族ポリアミド繊維、液晶ポリエス
テル繊維等が挙げられる。これらは、混抄でも良い。
【0010】本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物の
樹脂としては、一般に公知の熱硬化性樹脂が使用され
る。具体的には、エポキシ樹脂、多官能性シアン酸エス
テル樹脂、多官能性マレイミド−シアン酸エステル樹
脂、多官能性マレイミド樹脂、不飽和基含有ポリフェニ
レンエーテル樹脂等が挙げられ、1種或いは2種類以上
が組み合わせて使用される。出力の高い炭酸ガスレーザ
ー照射による加工でのスルーホール形状の点からは、ガ
ラス転移温度が 150℃以上の熱硬化性樹脂組成物が好ま
しく、耐湿性、耐マイグレーション性、吸湿後の電気的
特性等の点から多官能性シアン酸エステル樹脂組成物が
好適である。
【0011】本発明の熱硬化性樹脂分である多官能性シ
アン酸エステル化合物とは、分子内に2個以上のシアナ
ト基を有する化合物である。具体的に例示すると、1,3-
又は1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベン
ゼン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシアナ
トナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4-ジ
シアナトビフェニル、ビス(4-ジシアナトフェニル)メ
タン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-
ビス(3,5-ジブロモ-4- シアナトフェニル)プロパン、
ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナ
トフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニ
ル)スルホン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファ
イト、トリス(4-シアナトフェニル)ホスフェート、お
よびノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得ら
れるシアネート類などである。
【0012】これらのほかに特公昭41-1928 、同43-184
68、同44-4791 、同45-11712、同46-41112、同47-26853
及び特開昭51-63149等に記載の多官能性シアン酸エステ
ル化合物類も用いら得る。また、これら多官能性シアン
酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって形成さ
れるトリアジン環を有する分子量 400〜6,000 のプレポ
リマーが使用される。このプレポリマーは、上記の多官
能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ルイス
酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級アミン
類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒として重
合させることにより得られる。このプレポリマー中には
一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーとプレ
ポリマーとの混合物の形態をしており、このような原料
は本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶な有
機溶剤に溶解させて使用する。
【0013】エポキシ樹脂としては、一般に公知のもの
が使用できる。具体的には、液状或いは固形のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂;ブ
タジエン、ペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、ジシ
クロペンチルエーテル等の二重結合をエポキシ化したポ
リエポキシ化合物類;ポリオール、水酸基含有シリコン
樹脂類とエポハロヒドリンとの反応によって得られるポ
リグリシジル化合物類等が挙げられる。これらは1種或
いは2種類以上が組み合わせて使用され得る。
【0014】ポリイミド樹脂としては、一般に公知のも
のが使用され得る。具体的には、多官能性マレイミド類
とポリアミン類との反応物、特公昭57-005406 に記載の
末端三重結合のポリイミド類が挙げられる。
【0015】これらの熱硬化性樹脂は、単独でも使用さ
れるが、特性のバランスを考え、適宜組み合わせて使用
するのが良い。
【0016】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物
本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の
添加物を配合することができる。これらの添加物として
は、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマ
ー類及びそのプレポリマー類;ポリブタジエン、エポキ
シ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジ
エン−スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム、天然ゴム等の低分子量液状〜高分子量
のelastic なゴム類;ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン、ポリ-4- メチルペンテン、ポリスチレン、
AS樹脂、ABS 樹脂、MBS 樹脂、スチレン−イソプレンゴ
ム、ポリエチレン−プロピレン共重合体、4-フッ化エチ
レン-6- フッ化エチレン共重合体類;ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエス
テル、ポリフェニレンサルファイド等の高分子量プレポ
リマー若しくはオリゴマー;ポリウレタン等が例示さ
れ、適宜使用される。また、その他、公知の有機の充填
剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベ
リング剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チ
キソ性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み
合わせて用いられる。必要により、反応基を有する化合
物は硬化剤、触媒が適宜配合される。
【0017】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、それ自体
は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済
性等に劣るため使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱
硬化触媒を用い得る。使用量は、熱硬化性樹脂 100重量
部に対して 0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量
部である。
【0018】無機充填剤としては、一般に公知のものが
使用できる。具体的には、天然シリカ、焼成シリカ、ア
モルファスシリカ等のシリカ類;ホワイトカーボン、チ
タンホワイト、アエロジル、クレー、タルク、ウォラス
トナイト、天然マイカ、合成マイカ、カオリン、マグネ
シア、アルミナ、パーライト等が挙げられる。添加量
は、10〜60重量%、好適には15〜50重量%である。ま
た、炭酸ガスレーザーの照射で、光が分散しないように
樹脂に黒色又は褐色の染料、或いは顔料を添加すること
が好ましい。染料、顔料の種類は、一般に公知のものが
使用され得る。添加量は、 0.1〜10重量%が好適であ
る。さらには、繊維の表面を黒色に染める方法、有機繊
維の中に黒色の染料等を配合する方法等も使用し得る。
【0019】最外層の銅箔は、一般に公知のものが使用
できる。好適には厚さ3〜18μmの銅箔、銅合金箔等が
使用される。
【0020】基材補強銅張積層板は、まず上記基材に熱
硬化性樹脂組成物を含浸、乾燥させてBステージとし、
プリプレグを作成する。次に、このプリプレグを所定枚
数用い、上下に銅箔を配置して、加熱、加圧下に積層成
形し、両面銅張積層板とする。
【0021】この銅張積層板或いは多層板の、炭酸ガス
レーザーを照射する面の孔形成位置の銅箔表面に、融点
850℃以上で、且つ原子の結合エネルギーが 300kJ/mol
以上の金属化合物粉又はカーボン粉 3〜97 vol%含む樹
脂組成物からなる塗料又はシートを、好適にはレーザー
光の反射を少なくするために 0.5〜3μmの微細な凹凸
を付けて形成し、直接目的とする径まで絞った、高出力
の20〜60mJ/パルスの中の1つのエネルギーの炭酸ガス
レーザーを直接照射することにより孔あけを行う。
【0022】本発明で使用する補助材料の中の、融点 9
00℃以上で、且つ原子の結合エネルギーが 300kJ/mol以
上の金属化合物としては、一般に公知のものが使用でき
る。具体的には、酸化物としては、酸化チタン等のチタ
ニア類、酸化マグネシウム等のマグネシア類、酸化鉄等
の鉄酸化物、酸化ニッケル等のニッケル酸化物、二酸化
マンガン、酸化亜鉛等の亜鉛酸化物、二酸化珪素、酸化
アルミニウム、希土類酸化物、酸化コバルト等のコバル
ト酸化物、酸化スズ等のスズ酸化物、酸化タングステン
等のタングステン酸化物、等が挙げられる。E、A、
C、L、D、S、M WYC或いはアルカリガラス粉等
の各種ガラス粉は上記金属酸化物の混合物であり、これ
らも好適に用いられる。
【0023】非酸化物としては、炭化珪素、炭化タング
ステン、窒化硼素、窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ
ニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、希土類酸硫化
物等、一般に公知のものが挙げられる。その他、無定型
カーボン、黒鉛等のカーボン類も使用できる。これらは
1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。
【0024】炭酸ガスレーザーの照射で分子が原子に解
離するために金属が孔壁等に付着して、半導体チップ、
孔壁密着性等に悪影響を及ぼさないようなものが好まし
い。Na、K 、Clイオン等は特に半導体の信頼性に悪影響
を及ぼすため、これらの成分を含むものは好適ではな
い。配合量は、 3〜97 vol%、好適には 5〜95 vol%が
使用され、通常、 5μm以下の粉体で、有機物、特に樹
脂組成物に配合され、均一に分散され、均一に分散され
る。粒径は、1 μm以下が好ましい。
【0025】補助材料の有機物としては、特に制限はし
ないが、混練して銅箔表面に塗布、乾燥した場合或いは
シート状とした場合、剥離欠落しないものを選択する。
好ましくは、樹脂が使用される。特に、環境或いは加工
後の銅箔洗浄の点からも水溶性の樹脂、例えばポリビニ
ルアルコール、ポリエステル、澱粉等、一般に公知のも
のが使用される。
【0026】金属化合物、カーボンと樹脂からなる組成
物を作成する方法は、特に限定しないが、ニーダー等で
無用材にて高温で練り、シート状に押し出す方法、用材
或いは水に溶解する樹脂組成物を用い、これを金属化合
物粉、カーボン粉を加え、均一に混合して、これを用
い、塗料として銅箔表面に塗布、乾燥して膜を形成する
方法、有機、無機基材に含侵乾燥して基材入りシートと
する方法等、一般に公知の方法が使用できる。厚さは10
〜100 μm、好適には25〜80μmである。いずれにして
も、金属化合物粉、カーボン粉が樹脂の中で均一に分散
し、表面に微小な凹凸を作ることが、レーザー光の照射
効率の点からも好ましい。
【0027】炭酸ガスレーザーを、高出力20〜60mJ/パ
ルスで照射して貫通孔を形成した場合、孔周辺は銅箔の
バリが発生する。そのため、炭酸ガスレーザー照射後、
銅箔の両表面を0.02〜1.0 μm/秒の速さで平面的にエ
ッチングし、もとの金属箔の1/3〜1/2 の厚さをエッチ
ング除去することにより、同時にバリもエッチング除去
し、且つ、得られた銅箔は細密パターン形成に適してお
り、高密度のプリント配線板に適したスルーホールメッ
キ用貫通孔を形成する。尚、バリ取りは機械研磨で実施
することもできるが、研磨により薄い銅張積層板の場
合、寸法が変化する、バリが完全に除去できない等の問
題が生じる。
【0028】本発明の孔部に発生した銅のバリをエッチ
ング除去する方法としては、特に限定しないが、例え
ば、特開平02-22887、同02-22896、同02-25089、同02-2
5090、同02-59337、同02-60189、同02-166789 、同03-2
5995、同03-60183、同03-94491、同04-199592 、同04-2
63488 で開示された、薬品で金属表面を溶解除去する方
法(SUEP法と呼ぶ)による。エッチング速度は、0.02〜
1.0 μm/秒で行う。炭酸ガスレーザーは、赤外線波長
域にある 9.3〜10.6μmの波長が一般に使用される。出
力は20〜60mJ/パルス、好適には22〜55mJ/パルスに
て、銅張積層板を加工する。
【0029】
【実施例】以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表
す。 実施例1 2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン 900部、ビス
(4-マレイミドフェニル)メタン 100部を 150℃で熔融
させ撹拌しながら4時間反応させ、プレポリマーを得
た。これをメチルエチルケトンとジメチルホルムアミド
の混合溶剤に溶解した。これにビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(商品名:エピコート1001、油化シェルエポキ
シ<株>製) 400部、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂(商品名:ESCN-220F 、住友化学工業<株>製) 6
00部を加え、均一に溶解混合した。更に触媒としてオク
チル酸亜鉛 0.4部を加え、溶解混合し、これに無機充填
剤(商品名:焼成タルクBST-200 、日本タルク<株>
製) 500部及び黒色顔料2部を加え、均一撹拌混合して
ワニスAを得た。
【0030】このワニスAを厚さ 100μmのガラス織布
に含浸し 150℃で乾燥して、ゲル化時間(at170℃)120
秒、ガラス布の含有量が57重量%のプリプレグ(プリプ
レグB)を作成した。厚さ12μmの電解銅箔を、上記プ
リプレグB4枚の上下に配置し、 200℃、20kgf/cm2
30mmHg以下の真空下で2時間積層成形し、絶縁層厚み 4
00μmの両面銅張積層板Bを得た。
【0031】一方、金属酸化物粉として酸化銅粉 (平均
粒子径 0.9μm) 800部に、ポリビニルアルコール粉体
を水に溶解したワニスに加え、均一に撹拌混合した(ワ
ニスC)。これを上記両面銅張積層板の上に、厚さ60μ
m塗布し、 110℃で30分間乾燥して、酸化物含有量90vo
l%の皮膜を形成した。この表面の凹凸は 0.7〜1.0 μm
であった。この上から、間隔 300μmで、孔径 100μm
の孔を 900個直接炭酸ガスレーザーで、出力40mJ/パル
スで8パルス(ショット)かけ、70ブロックのスルーホ
ール用貫通孔をあけた。
【0032】表面の塗膜を60℃の温水で洗浄除去した
後、デスミア処理後、SUEP法にて、孔周辺の銅箔バリを
溶解除去すると同時に、表面の銅箔も7μm まで溶解し
た。この板に通常の方法にて銅メッキを15μm(総厚
み:22μm)施した。この孔周辺のランド用の銅箔は全
て残存していた。この表裏に、通常の方法にて回路(ラ
イン/スペース=50/50 μm を 200個)、ソルダーボー
ル用ランド等を形成し、少なくとも半導体チップ、ボン
ディング用パッド、ハンダボールパッドを除いてメッキ
レジストで被覆し、ニッケル、金メッキを施し、プリン
ト配線板を作成した。このプリント配線板の評価結果を
表1に示す。
【0033】実施例2 実施例1で、樹脂組成物の中に黒色染料を入れずに同様
に両面銅張積層板を作成し、同様に表面に黒色塗料を塗
布、乾燥して被膜を形成後、炭酸ガスレーザーの出力40
mJ/ パルスにて、9パルス(ショット)照射し、孔あけ
を行った。後は同様にしてプリント配線板を作成した。
評価結果を表1に示す。
【0034】実施例3 エポキシ樹脂(商品名:エピコート5045) 700部、及び
エポキシ樹脂(商品名:ESCN220F) 300部、ジシアンジ
アミド35部、2-エチル-4- メチルイミダゾール1部をメ
チルエチルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤に
溶解し、さらに焼成タルク(商品名:BST-200 )を 800
部加え、強制撹拌して均一分散し、ワニスDを得た。こ
れを厚さ 100μm のガラス織布に含浸、乾燥して、ゲル
化時間 150秒、ガラス布含有量53重量%のプリプレグ
(プリプレグE)を作成した。このプリプレグEを2枚
使用し、両面に12μmの電解銅箔を置き、 190℃、20kg
f/cm2,30mmHg以下の真空下で2時間積層成形して両面銅
張積層板を作成した。絶縁層の厚みは 200μmであっ
た。これの表裏に回路を形成し、黒色酸化銅処理を施し
て内層板(内層板Fとする)。
【0035】また、厚さ80μmの液晶ポリエステル繊維
不織布に上記ワニスDを含浸、乾燥してゲル化時間 105
秒のプリプレグを得た。このプリプレグを上記内層板F
の上下に配置し、その外側に12μmの電解銅箔を置き、
同様に積層成形して4層板を得た。一方、ポリビニルア
ルコールと澱粉よりなる樹脂水溶液の中に、金属化合物
粉(SiO2:57wt%、MgO:43wt%、平均粒子径:0.4μm) を
加え、均一に拡販混合した後、これを50μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルムに、厚さ25μmとなるよう
に塗布し、 110℃で25分間乾燥し、金属化合物 10vol%
のフィルム状補助材料Dとした。
【0036】上記の両面銅張多層板の上に、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを上にしてにフィルム状補助
材料Dを配置し、炭酸ガスレーザーの出力30mJ/パルス
にて9パルス(ショット)でスルーホール用貫通孔をあ
けた。後は同様にして加工し、多層プリント配線板を作
成した。評価結果を表1に示す。
【0037】比較例1 実施例1の両面銅張積層板を用い、表面処理を行わずに
炭酸ガスレーザーで同様に孔あけを行ったが、孔はあか
なかった。 比較例2 実施例1の両面銅張積層板を用い、黒のマジックで孔あ
けする箇所の表面に塗り、炭酸ガスレーザーを同様に照
射したが、孔はあかなかった。
【0038】比較例3 実施例3において、エポキシ樹脂としてエピコート5045
単独を 1,000部使用し、他は同様にして作成した両面銅
張積層板を用い、銅箔面に同様にワニスCを塗布、乾燥
し、被膜を60μm形成してから、出力17mJ/パルスにて
炭酸ガスレーザーで同様に19ショット照射し、スルーホ
ール用貫通孔をあけた。この孔壁は、ガラス繊維が孔内
に見られ、孔形状は真円ではなく、楕円形状であった。
【0039】比較例4 実施例1の両面銅張積層板を用い、径 100μmのメカニ
カルドリルにて、回転数10万rpm 、送り速度1m/min に
て同様に 300μm間隔で孔をあけた。デスミア処理後に
同様に銅メッキを15μm 施し、表裏に回路形成し、同様
に加工してプリント配線板を作成した。途中でドリルの
折れが2本発生した。評価結果を表1に示す。
【0040】比較例5 実施例1の両面銅張積層板の銅箔表面に間隔 300μmに
て、孔径 100μmの孔を 900個、銅箔をエッチングして
あけた。同様に裏面にも同じ位置に孔径 100μmの孔を
900個あけ、1パターン 900個を70ブロック、合計63,0
00の孔を、表面から炭酸ガスレーザーで、出力40mJ/パ
ルスにて8パルス(ショット)かけ、スルーホール用貫
通孔をあけた。後は比較例4と同様にして、デスミア処
理を施し、銅メッキを15μm 施し、表裏に回路を形成
し、同様にプリント配線板を作成した。評価結果を表1
に示す。
【0041】
【表1】 実施例 比較例 1 2 3 3 4 5 表裏孔位置のズレ (μm) 0 0 0 0 0 25 孔形状 円形 やや 円形 楕円形 円形 円形 楕円 パターン切れ及び 0/200 同左 同左 55/200 57/ 57/ ショート 200 200 ガラス転移温度 (℃) 235 235 160 139 234 234 スルーホール・ヒートサイクル 試験 2.5 2.8 5.7 25.0 2.6 5.0 プレッシャークッ 常態 6×1013 − − 6×1013 カー処理後の絶縁 200hrs 4×1012 3×109 抵抗値 (Ω) 500hrs 5×1011 < 108 700hrs 3×1011 1000hrs 9×1010 耐マイグレーシ 常態 5×1013 − − 6×1013 ョン性 200hrs 4×1012 8×109 (Ω) 500hrs 5×1011 1×109 700hrs 3×1011 < 108 1000hrs 1×1011 孔明け加工時間 (分) 24 26 26 − 630 −
【0042】<測定方法> 1)表裏孔位置のズレ及び孔あけ時間 図1のごとく、ワークサイズ 250mm角内に、孔径 100μ
mの孔を、銅箔をエッチングすることにより 900孔/ブ
ロックとして70ブロック作成し(孔計63,000孔)作成し
た。炭酸ガスレーザー及びメカニカルドリルで孔あけを
行った。要した時間、及び表裏の孔位置のズレの最大値
を示した。 2)回路パターン切れ及びショート 実施例、比較例で、孔のあいていない板を同様に作成
し、ライン/スペース=50/50 μmの櫛形パターンを作
成した後、拡大鏡でエッチング後の 200パターンを目視
にて観察し、パターン切れ、及びショートしているパタ
ーンの合計を分子に示した。 3)ガラス転移温度 DMA法にて測定した。
【0043】4)スルーホール・ヒートサイクル試験 各スルーホールにランド径 200μmを作成し、 900孔を
表裏交互につなぎ、1サイクルが、 260℃・ハンダ・浸
漬30秒→室温・5分で、 200サイクル実施し、抵抗値の
変化率の最大値を示した。 5)プレッシャークッカー処理後の絶縁抵抗値 実施例、比較例において、ライン/スペース=50/50 μ
mのパターンのパターン切れ、ショートのないものを選
び、これに黒化処理を施した後、この上に同一のプリプ
レグを1枚配置し、その上に12μmの電解銅箔を配し、
同一条件で積層成形して、多層板とした。この上に回路
を形成した後、これを 121℃・2気圧中に所定時間入
れ、取り出してから、25℃・60%RH で2時間放置し、50
0VDCを60秒印加して、その端子間の絶縁抵抗値を測定し
た。 6)耐マイグレーション性 孔間 300μm、孔径 100μmのスルーホールをそれぞれ
独立して1個ずつつなぎ、これを 100セット作成し、85
℃・85%RH の雰囲気下に50VDC 印加して入れ、所定時間
処理後のスルーホール間の絶縁抵抗値を測定した。
【0044】
【発明の効果】銅箔を炭酸ガスレーザーで除去できるに
十分な20〜60mJ/パルスから選ばれた1つのエネルギー
を用いて、炭酸ガスレーザーのパルス発振により、直接
炭酸ガスレーザーを照射し、少なくとも2層以上の銅の
層を有する熱硬化性樹脂銅張積層板の銅箔を加工して貫
通孔をあける孔あけにおいて、炭酸ガスレーザーが照射
される銅箔表面に、融点 900℃以上で、且つ原子の結合
エネルギーが 300kJ/mol以上の金属化合物粉、カーボン
粉の1種或いは2種以上の成分を 3〜97%含む有機物の
塗料又はシートを配置してスルーホール用貫通孔を形成
する方法であって、炭酸ガスレーザーを照射する面の孔
形成位置の銅箔表面に金属化合物粉塗料或いはシートを
配置し、直接炭酸ガスレーザーを照射してスルーホール
用貫通孔を形成した後、銅箔の両表面を0.02〜1.0 μm
/秒の速さで平面的にエッチングし、もとの銅箔の 1/3
〜1/2 の厚さをエッチング除去することにより、同時に
孔部に発生した銅箔のバリをエッチング除去し、孔周囲
の両面の銅箔が残存したスルーホールメッキ用孔を形成
することにより、上下の孔の銅箔位置がズレることもな
く、ランドが形成でき、スルーホールは上下曲がること
もなく形成でき、且つ、孔部のバリを除去する時に、同
時に銅箔表面もエッチング除去でき、その後の銅メッキ
でメッキアップして得られた表裏銅箔の回路形成におい
ても、ショートやパターン切れ等の不良発生もなく高密
度のプリント配線板を作成でき、回路及びスルーホール
信頼性に優れたものを得ることができた。また、加工速
度はドリルであけるのに比べて格段に速く、生産性につ
いても大幅に改善できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2の炭酸ガスレーザーによるスルー
ホール用貫通孔あけ工程図であり、(1):金属化合物入り
樹脂皮膜形成、(2):孔明け及び皮膜除去、(3):SUEPによ
るバリ除去及び表裏銅箔溶解、(4):銅メッキの工程をそ
れぞれ示す。
【図2】比較例5の炭酸ガスレーザーによる同様の貫通
孔あけ工程図である。但し、SUEPは使用せず。
【符号の説明】
a:金属化合物粉含有樹脂層、b:銅箔、c:ガラス布
基材熱硬化性樹脂層、d:炭酸ガスレーザーによるスル
ーホール貫通孔あけ部、e:発生したバリ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅箔を炭酸ガスレーザーで除去できるに
    十分な20〜60mJ/パルスから選ばれた1つのエネルギー
    を用いて、炭酸ガスレーザーのパルス発振により、直接
    炭酸ガスレーザーを照射し、少なくとも2層以上の銅の
    層を有する熱硬化性樹脂銅張積層板の銅箔を加工して貫
    通孔をあける孔あけにおいて、炭酸ガスレーザーが照射
    される銅箔表面に、融点 900℃以上で、且つ原子の結合
    エネルギーが 300kJ/mol以上の金属化合物粉、カーボン
    粉の1種或いは2種以上の成分を 3〜97%含む有機物の
    塗料又はシートを配置してスルーホール用貫通孔を形成
    する方法であって、炭酸ガスレーザーを照射する面の孔
    形成位置の銅箔表面に金属化合物粉塗料或いはシートを
    配置し、直接炭酸ガスレーザーを照射してスルーホール
    用貫通孔を形成した後、銅箔の両表面を0.02〜1.0 μm
    /秒の速さで平面的にエッチングし、もとの銅箔の 1/3
    〜1/2 の厚さをエッチング除去すると同時に孔部のバリ
    をもエッチング除去してスルーホールメッキ用孔を形成
    することを特徴とするスルーホール用貫通孔の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 該金属化合物粉、カーボン粉の平均粒子
    径が、1μm以下であることを特徴とする請求項1記載
    のスルーホール用貫通孔の形成方法。
JP10068357A 1998-03-18 1998-03-18 スルーホール用貫通孔の形成方法 Pending JPH11266067A (ja)

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DE69918205T DE69918205T2 (de) 1998-03-18 1999-03-18 Ein Verfahren zur Herstellung von Durchgangslöchern mittels Laser, kupferkaschiertes Laminat geeignet zur Herstellung von Löchern, und Zusatzmaterial zur Herstellung von Löchern
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JP2021118275A (ja) * 2020-01-27 2021-08-10 相模ピーシーアイ株式会社 プリント基板の加工方法

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CN109640518B (zh) * 2019-01-30 2024-03-15 无锡深南电路有限公司 激光成孔方法、覆铜板和电路板
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