JPH11264942A - 像振れ補正系を有する観察用光学機器 - Google Patents

像振れ補正系を有する観察用光学機器

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JPH11264942A
JPH11264942A JP150999A JP150999A JPH11264942A JP H11264942 A JPH11264942 A JP H11264942A JP 150999 A JP150999 A JP 150999A JP 150999 A JP150999 A JP 150999A JP H11264942 A JPH11264942 A JP H11264942A
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JP
Japan
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optical system
lens
observation optical
image blur
blur correction
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Application number
JP150999A
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English (en)
Inventor
Moriyasu Kanai
守康 金井
Koichi Maruyama
晃一 丸山
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 手振れによる像振れの発生を抑える像振れ補
正系を備えながらも小型である双眼鏡を提供すること。 【構成】 対物光学系を有する観察光学系を備えた観察
用光学機器において、対物光学系は、正のパワーを有す
る前群と負のパワーを有する後群で構成され、上記対物
光学系の後群は、少なくともその片面が近軸曲率半径が
等しい球面と比べて周辺部でレンズ厚が薄くなる非球面
の単レンズからなる、光軸と直交する方向に変位可能な
像振れ補正系として構成され、かつ以下の条件式(1)
を満足する。 (1) 1.2<m<4.0 但し、 m:対物光学系の後群の倍率。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、手振れによる像振れの発生を抑
える像振れ補正系を備えた双眼鏡等の観察用光学機器に
関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来、双眼鏡等の観察用光
学機器の手振れによる像振れの発生を抑える装置とし
て、例えば特開平6−308431号公報や特開平6−
43365号公報が開示するような装置が知られてい
る。
【0003】特開平6−308431号公報が開示する
装置は、対物レンズ群とプリズムの間に像振れ補正系
(防振系)としての可変頂角プリズムを備え、この可変
頂角プリズムを光学機器の振れに応じて駆動して観察光
学系の光軸位置を変化させて像安定を図るものである。
しかしこの装置では、可変頂角プリズムが集光光束中に
あるため、プリズムの角度が変わると偏心コマ収差が発
生するという問題がある。
【0004】他方、特開平6−43365号公報が開示
する装置は、双眼鏡の対物レンズ群の前(双眼鏡本体の
前部)に着脱可能に構成されたアダプター内に像振れ補
正系としての可変頂角プリズムを備えたものである。こ
の装置では、比較的大きな口径の対物レンズ群の前にア
ダプターを装着する構造のため、可変頂角プリズムを含
む像振れ機構が大型化するという問題がある。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上述した従来の問題点に鑑み
てなされたもので、手振れによる像振れの発生を抑える
像振れ補正系を備えながらも小型な観察用光学機器を提
供することを目的とする。
【0006】
【発明の概要】本発明の像振れ補正系(防振系)を有す
る観察用光学機器は、対物光学系を有する観察光学系を
備えた観察用光学機器において、対物光学系は、正のパ
ワーを有する前群と負のパワーを有する後群で構成さ
れ、この対物光学系の後群は、少なくともその片面が近
軸曲率半径が等しい球面と比べて周辺部でレンズ厚が薄
くなる非球面の単レンズからなる、光軸と直交する方向
に変位可能な像振れ補正系として構成され、かつ以下の
条件式(1)を満足することを特徴としている。 (1) 1.2<m<4.0 但し、mは対物光学系の後群の倍率である。
【0007】対物光学系の後群は、さらに以下の条件式
(2)を満足することが好ましい。 (2) −5<(R1+R2)/(R1−R2)<1
【0008】対物光学系の前群は、2枚のレンズが貼り
合わされた接合型ダブレットからなっていてもよい。
【0009】また本発明の像振れ補正系を有する観察用
光学機器は、観察像を肉眼で直接観察する場合、観察光
学系はさらに接眼光学系を有する。
【0010】本発明の像振れ補正系を有する観察用光学
機器は、観察光学系を左右に一対備える構成にすれば、
手振れ等により発生する像振れの少ない良好な観察視野
を得ることができる双眼鏡または双眼装置を提供するこ
とができるので好ましい。本発明の像振れ補正系を有す
る観察用光学機器は、対物光学系で結像される倒立像を
正立像にかえる正立光学系を有することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】一般に、双眼鏡に用いられる対物
レンズ群(対物光学系)は、一群構成の接合レンズから
構成され、正立光学系の前方に配置される。このような
正立光学系の前方に配置された一群構成の対物レンズ群
を可動の像振れ補正系(防振系)として構成すると、比
較的大きな対物レンズ群を変位させることになり、よっ
て双眼鏡が大型になる。また、双眼鏡の対物レンズ群の
前(双眼鏡本体の前部)に、像振れ補正系を内蔵したア
ダプターを取り付ける構成の場合も、装置全体が大型に
なる。さらに、像振れ補正レンズ群を駆動して変位させ
ることで像振れ補正を行う制御、所謂アクティブ制御を
行う場合には、レンズ重量の点を考慮すると比較的重量
のある対物レンズ群を変位させるのは、該対物レンズ群
を変位させる駆動系に負担がかかり不利である。
【0012】また、対物レンズ群のタイプをテレフォト
タイプにすればレンズの全長を短くすることができる。
さらに、対物レンズ群の後群に適切な倍率を持たせれ
ば、その後群を適当なシフト量だけシフトさせることで
像振れ補正を行うことができる。即ち、対物レンズ群の
後群に適切な倍率を持たせれば、その後群に適切な防振
の感度(手振れの角度/像振れ補正レンズ群の偏心量)
を持たせることができる。
【0013】そこで本発明では、対物レンズ群を、正の
パワーを有する前群と負のパワーを有する後群で構成す
る。そして対物レンズ群の後群を、少なくともその片面
が近軸曲率半径が等しい球面と比べて周辺部でレンズ厚
が薄くなる非球面の単レンズからなる、光軸と直交する
方向に変位可能な像振れ補正系として構成し、さらに対
物レンズ群全体をコンパクトに設計するために上述の条
件式(1)を満足させる。
【0014】条件式(1)は、対物レンズ群の後群に適
切な防振の感度を持たせるための条件である。条件式
(1)の下限を越えると、倍率が小さすぎるために必要
な防振の感度が得られない。条件式(1)の上限を越え
ると、防振の感度が高すぎて機械的ノイズを拾い易くな
る。
【0015】アクティブ制御では、像振れ補正レンズ群
を変位させる駆動系の負担を軽減するために、像振れ補
正レンズ群の慣性質量ができるだけ小さいことが望まし
い。このため、像振れ補正レンズ群は1枚のレンズから
構成することが望ましい。
【0016】像振れ補正のための像振れ補正レンズ群の
偏心の範囲が大きくなると、偏心によるメリジオナル像
面の像倒れ、つまり片ボケが無視できない。つまりこの
場合、対物レンズ群の前群の像倒れを対物レンズ群の後
群が拡大してしまう。この問題を解決するために、対物
レンズ群の後群に適切なコマ収差を持たせることで像倒
れを打ち消し、片ボケを小さくする。つまり、コマ収差
を持つレンズ群が偏心するとメリジオナル像面の像倒れ
が起こるので、この特性を利用して偏心時のメリジオナ
ル像面の像倒れを打ち消す。この場合、対物レンズ群の
後群を、少なくともその片面が近軸曲率半径が等しい球
面と比べて周辺部でレンズ厚が薄くなる非球面の単レン
ズから構成する。
【0017】条件式(2)は、対物レンズ群の後群を、
少なくともその片面が近軸曲率半径が等しい球面と比べ
て周辺部でレンズ厚が薄くなる非球面の単レンズから構
成した場合における、該単レンズの偏心による片ボケを
小さくするための条件式である。条件式(2)の下限を
越えると、対物レンズ群の後群の持つコマ収差が大きす
ぎ、これによって片ボケが大きくなる。条件式(2)の
上限を越えると、対物レンズ群の後群の持つコマ収差が
小さすぎ、光軸の曲がりによる片ボケを打ち消せない。
【0018】小型化より低コスト化を優先させる場合に
は、対物レンズ群の前群を、2枚のレンズが貼り合わさ
れてなる接合型ダブレットから構成してもよい。
【0019】以下、表及び図面を用いて具体的な数値実
施例を説明する。表及び図面中、rはレンズ各面の曲率
半径、dはレンズ厚もしくはレンズ間隔、ndはd線の
屈折率、νはd線のアッベ数を示す。諸収差図中、d
線、g線、C線は、それぞれの波長における、球面収差
によって示される色収差、倍率色収差、Sはサジタル、
Mはメリジオナルを示している。また諸収差図中、ER
は射出瞳径(mm)である。
【0020】また、回転対称非球面形状は次式で定義さ
れる。 X=ch2/{1+[1−(1+K)c221/2}+A
4h4+A6h6+A8h8+A10h10+・・・・・ (cは曲率(1/r)、hは光軸からの高さ、Kは円錐
係数、A4、A6、A8、A10・・・・・は各次数の
非球面係数)
【0021】[実施例1]図1は本発明を適用した観察
光学系の第1の実施例のレンズ構成図、図2はそのレン
ズ系の諸収差図、図3は軸上コマ収差の量を示す図、図
4及び図5の各図は対物光学系OLの後群でブレ角1°
を補正する場合に発生する非点収差の量を示す図、図6
は対物光学系OLの後群でブレ角1°を補正する場合に
発生する軸上コマ収差の量を示す図である。図3及び図
6の各々では視野中心のみのコマ収差を示した。
【0022】レンズ構成は、物体側(図の左側)から順
に、3群4枚からなる対物光学系OL、2つのプリズム
P1、P2からなる正立光学系PS、及び2群3枚から
なる接眼光学系EPからなっている。対物光学系OL
は、第1レンズL1、第2レンズL2及び第3レンズL
3からなる正のパワーを有する前群と、第4レンズL4
単体からなる負のパワーを有する後群とからなってい
る。この後群の後面(r7)は、近軸曲率半径が等しい
球面と比べて周辺部でレンズ厚が薄くなる非球面、即ち
光軸から離れるにしたがってレンズカーブが緩くなる非
球面として構成されている。第2レンズL2及び第3レ
ンズL3は、互いに接合された接合レンズとして構成さ
れている。第4レンズL4(対物光学系OLの後群)
は、光軸Oに垂直な方向に変位可能な像振れ補正系であ
る。
【0023】
【表1】 *は回転対称非球面を示す。 非球面データ(表示のない非球面係数は0である): No.7: K=0.00, A4=-0.51725725×10-5
【0024】[実施例2]図7は本発明を適用した観察
光学系の第2の実施例のレンズ構成図、図8はそのレン
ズ系の諸収差図、図9は軸上コマ収差の量を示す図、図
10及び図11の各図は対物光学系OLの後群でブレ角
1°を補正する場合に発生する非点収差の量を示す図、
図12は対物光学系OLの後群でブレ角1°を補正する
場合に発生する軸上コマ収差の量を示す図である。図9
及び図12の各々では視野中心のみのコマ収差を示し
た。
【0025】レンズ構成は、物体側(図の左側)から順
に、3群4枚からなる対物光学系OL、2つのプリズム
P1、P2からなる正立光学系PS、及び2群3枚から
なる接眼光学系EPからなっている。対物光学系OL
は、第1レンズL1、第2レンズL2及び第3レンズL
3からなる正のパワーを有する前群と、第4レンズL4
単体からなる負のパワーを有する後群とからなってい
る。この後群の前面(r6)は、近軸曲率半径が等しい
球面と比べて周辺部でレンズ厚が薄くなる非球面、即ち
光軸から離れるにしたがってレンズカーブが緩くなる非
球面として構成されている。第2レンズL2及び第3レ
ンズL3は、互いに接合された接合レンズとして構成さ
れている。第4レンズL4(対物光学系OLの後群)
は、光軸Oに垂直な方向に変位可能な像振れ補正系であ
る。
【0026】
【表2】 *は回転対称非球面を示す。 非球面データ(表示のない非球面係数は0である): No.6: K=0.00, A4=-0.91564680×10-5
【0027】[実施例3]図13は本発明を適用した観
察光学系の第3の実施例のレンズ構成図、図14はその
レンズ系の諸収差図、図15は軸上コマ収差の量を示す
図、図16及び図17の各図は対物光学系OLの後群で
ブレ角0.5°を補正する場合に発生する非点収差の量
を示す図、図18は対物光学系OLの後群でブレ角0.
5°を補正する場合に発生する軸上コマ収差の量を示す
図である。図15及び図18の各々では視野中心のみの
コマ収差を示した。
【0028】レンズ構成は、物体側(図の左側)から順
に、2群3枚からなる対物光学系OL、2つのプリズム
P1、P2からなる正立光学系PS、及び2群3枚から
なる接眼光学系EPからなっている。対物光学系OL
は、第1レンズL1及び第2レンズL2からなる正のパ
ワーを有する前群と、第3レンズL3単体からなる負の
パワーを有する後群とからなっている。この後群の前面
(r4)は、近軸曲率半径が等しい球面と比べて周辺部
でレンズ厚が薄くなる非球面、即ち光軸から離れるにし
たがってレンズカーブが緩くなる非球面として構成され
ている。第1レンズL1及び第2レンズL2からなる対
物光学系OLの前群は接合型ダブレットである。第3レ
ンズL3(対物光学系OLの後群)は、光軸Oに垂直な
方向に変位可能な像振れ補正系である。
【0029】
【表3】 *は回転対称非球面を示す。 非球面データ(表示のない非球面係数は0である): No.4: K=0.00, A4=-0.11111807×10-5
【0030】以下、上記第1の実施例の観察光学系(図
1)を備えた双眼鏡を図示実施形態に基づいて説明す
る。図19及び図20は、本発明を適用した像振れ補正
系を有する双眼鏡10を示している。図19は、双眼鏡
10を下から視た図であり、左右一対の光学系(観察光
学系)のうち左側の光学系のみを透視図として示してい
る。双眼鏡10は、その前部に一対の対物光学系OLを
有する中央ボディ部11と、この中央ボディ部11に対
して所定角度範囲内で回動自在とされた左右のグリップ
部12とを有している。中央ボディ部11の後部中央に
は、視度調整つまみ13が設けられている。
【0031】各グリップ部12後部(接眼部)内には接
眼光学系EPが配置されている。また、各グリップ部1
2前部内には、対応の対物光学系OLから入射した観察
物体光束を左右上下に反転させて対応の接眼光学系EP
に入射させる正立光学系PSが配置されている。
【0032】双眼鏡10の眼幅調整は、左右グリップ部
12を互いに接近または離間させる方向に回転させて左
右の接眼光学系EPの光軸間距離を変化させることで行
われる。即ち、左側の正立光学系PS及び接眼光学系E
Pの一組と右側の正立光学系PS及び接眼光学系EPの
一組との間隔を調整することで眼幅調整がなされる。
【0033】正立光学系PSは、第1直角プリズムP1
と第2直角プリズムP2からなる第一ポロプリズムタイ
プである。図1、図7及び図13の各図では各直角プリ
ズムP1、P2は展開図として図示されているので、実
際の形状とは異なる。
【0034】以上の構成を有する双眼鏡10では、水平
に構えられた双眼鏡10が上下方向で振れた場合に生じ
る像振れを打ち消すように第4レンズL4(対物光学系
OLの後群)を光軸Oに垂直な平面内で上下方向にシフ
トさせて像振れ補正制御が行われる。
【0035】以上のように双眼鏡10では、像振れ補正
系として、正立光学系より前にあるレンズ系を利用する
ので、対物光学系の位置関係を変えることなく正立光学
系以後の光学系を左右の対物光学系の光軸を中心に回転
させ、左右グリップ部12を互いに接近または離反させ
て左右の接眼光学系の光軸間距離を変化させる従来の折
曲げ式による眼幅調整機構の採用を可能にしている。
【0036】図21は、双眼鏡10における左右の第4
レンズL4を、互いの距離を一定に保った状態で、光軸
Oに垂直な平面内で上下方向に一体に変位させる機構
(像振れ補正系駆動機構)の一実施例を示している。左
右の第4レンズL4は共に横長矩形の可動レンズ枠51
に固定されている。この可動レンズ枠51の左右の各端
部には、上下方向に延びるガイドシャフト部52aを有
するコ字形状の被ガイド部材52が固定されている。各
ガイドシャフト部52aは、中央ボディ部11の内側に
固定した対応のガイド部53に摺動可能に嵌められ、上
下方向に移動可能に案内されている。よって左右の第4
レンズL4は、可動レンズ枠51、被ガイド部材52、
ガイド部53等からなるガイド機構により上下方向に移
動可能に案内されている。
【0037】可動レンズ枠51には、左右の第4レンズ
L4の間に係合突出部54が設けられており、この係合
突出部54には、中央ボディ部11の内側に固定したモ
ーター55の上下方向に延びる回転軸55aの先端が当
接している。この回転軸55aは、モーター55の回転
方向に応じて該モーター55から突出または退避し、ま
たモーター55の回転量に応じた量だけ突出または退避
する。各ガイドシャフト部52aとガイド部53の間に
は圧縮バネ56が縮設され、この圧縮バネ56により可
動レンズ枠51は上方(図21の上方)向かって常時付
勢されている。つまりモーター55の回転軸55aの先
端は、上方に向けて付勢される突出部54に当接して可
動レンズ枠51の上方への移動を規制している。以上の
構造により、モーター55を駆動させると、左右の第4
レンズL4を、双眼鏡10の上下方向に手振れの振幅の
方向と量に応じた量だけ一体に変位させることができ
る。
【0038】水平に構えられた双眼鏡10が上下方向で
振れた場合に生じる像振れを打ち消すように第4レンズ
L4(対物光学系OLの後群)を光軸Oに垂直な平面内
で上下方向(第1の方向)にシフトさせて像振れ補正制
御を行い、同時に、水平に構えられた同双眼鏡10が左
右方向で振れた場合に生じる像振れを打ち消すように第
4レンズL4を光軸Oに垂直な平面内で左右方向(第2
の方向)にシフトさせて像振れ補正制御を行なうことも
できる。図22は、双眼鏡10における左右の第4レン
ズL4を、互いの距離を一定に保った状態で、光軸Oに
垂直な平面内で上下方向及び左右方向に一体に変位させ
る機構(像振れ補正系駆動機構)の一実施例を示してい
る。
【0039】図22中、図21に示した機構と同一部材
には同一の符号が付してある。この図22に示す機構に
は、図21に示した機構に加えて、可動レンズ枠51を
左右方向に案内するガイド機構と、可動レンズ枠51を
左右方向に移動させる駆動機構が増設されている。各ガ
イド部53は、コ字形状の被ガイド部材52’を上下方
向に移動可能に支持しており、各被ガイド部材52’の
左右方向に延びる各端部52bは、可動レンズ枠51に
形成された左右方向に延びる対応のガイド溝56に摺動
可能に嵌入している。この構造により、可動レンズ枠5
1は、上下方向及び左右方向の夫々の方向で移動可能に
案内されている。
【0040】さらに可動レンズ枠51には、下縁の一部
に係合突出部57が設けられており、この係合突出部5
7には、中央ボディ部11の内側に固定した第2モータ
ー58の左右方向に延びる回転軸58aの先端が当接し
ている。第2モーター58は、モーター55(第1モー
ター)と同様のモーターである。一方(図22での左
方)の被ガイド部材52’の各端部52bと可動レンズ
枠51の間には圧縮バネ59が縮設され、この圧縮バネ
59により可動レンズ枠51は図22の右方に向かって
常時付勢されている。つまりモーター58の回転軸58
aの先端は、図22の右方に向けて付勢される突出部5
7に当接して可動レンズ枠51の同方向への移動を規制
している。以上の構造により、モーター55、58を駆
動させると、左右の像振れ補正系(第4レンズL4)
を、双眼鏡10の上下方向及び左右方向の夫々に手振れ
の振幅の方向と量に応じた量だけ一体に変位させること
ができる。
【0041】以上では、上記第1の実施例の観察光学系
(図1)を備えた双眼鏡10に関して説明したが、図7
及び図13に示した第2及び第3の実施例のいずれかの
観察光学系を左右に備える双眼鏡10にしても勿論構わ
ない。
【0042】図1、図7及び図13の各実施例に示した
観察光学系は、観察物体を接眼光学系EPを通して肉眼
で直接観察する光学系として構成されているが、観察物
体をCCD等の撮像素子を介して観察する構成にするこ
とも可能である。この場合、接眼光学系EPに代えて結
像光学系を設け、この結像光学系の像面側にCCD等の
撮像素子を配置する構成とすればよい。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明を適用した像振れ
補正系を有する観察用光学機器によれば、手振れによる
像振れの発生を抑える像振れ補正系を備えながらも小型
な観察用光学機器を提供することができる。また、本発
明を双眼鏡に適用すれば、各正立光学系の前方に、変位
可能な像振れ補正レンズ群を設ける構成なので、手振れ
による像振れの発生を抑える像振れ補正系を備えながら
も小型である双眼鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した観察光学系の第1の実施例の
レンズ構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す観察光学系に係る諸収差図である。
【図3】図1に示す観察光学系に係る軸上コマ収差の量
を示す図である。
【図4】図1に示す観察光学系に係る対物光学系の後群
でブレ角1°を補正する場合に発生する非点収差の量を
示す図である。
【図5】図1に示す観察光学系に係る対物光学系の後群
でブレ角1°を補正する場合に発生する非点収差の量を
示す図である。
【図6】図1に示す観察光学系に係る対物光学系の後群
でブレ角1°を補正する場合に発生する軸上コマ収差の
量を示す図である。
【図7】本発明を適用した観察光学系の第2の実施例の
レンズ構成を示す断面図である。
【図8】図7に示す観察光学系に係る諸収差図である。
【図9】図7に示す観察光学系に係る軸上コマ収差の量
を示す図である。
【図10】図7に示す観察光学系に係る対物光学系の後
群でブレ角1°を補正する場合に発生する非点収差の量
を示す図である。
【図11】図7に示す観察光学系に係る対物光学系の後
群でブレ角1°を補正する場合に発生する非点収差の量
を示す図である。
【図12】図7に示す観察光学系に係る対物光学系の後
群でブレ角1°を補正する場合に発生する軸上コマ収差
図である。
【図13】本発明を適用した観察光学系の第3の実施例
のレンズ構成を示す断面図である。
【図14】図13に示す観察光学系に係る諸収差図であ
る。
【図15】図13に示す観察光学系に係る軸上コマ収差
の量を示す図である。
【図16】図13に示す観察光学系に係る対物光学系の
後群でブレ角0.5°を補正する場合に発生する非点収
差の量を示す図である。
【図17】図13に示す観察光学系に係る対物光学系の
後群でブレ角0.5°を補正する場合に発生する非点収
差の量を示す図である。
【図18】図13に示す観察光学系に係る対物光学系の
後群でブレ角0.5°を補正する場合に発生する軸上コ
マ収差図である。
【図19】本発明を適用した観察光学系が備わる双眼鏡
の一方の観察光学系を透視して示す、双眼鏡の底面図で
ある。
【図20】図19に示す双眼鏡の正面図である。
【図21】本発明を適用した光学系が備わる双眼鏡に設
けられる像振れ補正駆動機構の一実施例を示す正面図で
ある。
【図22】本発明を適用した光学系が備わる双眼鏡に設
けられる像振れ補正駆動機構の一実施例を示す正面図で
ある。
【符号の説明】
10 双眼鏡 11 中央ボディ部 12 グリップ部 13 視度調整つまみ OL 対物光学系 PS 正立光学系 EP 接眼光学系

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物光学系を有する観察光学系を備えた
    観察用光学機器において、 対物光学系は、正のパワーを有する前群と負のパワーを
    有する後群で構成され、 上記対物光学系の後群は、少なくともその片面が近軸曲
    率半径が等しい球面と比べて周辺部でレンズ厚が薄くな
    る非球面の単レンズからなる、光軸と直交する方向に変
    位可能な像振れ補正系として構成され、かつ以下の条件
    式(1)を満足することを特徴とする、像振れ補正系を
    有する観察用光学機器。 (1) 1.2<m<4.0 但し、 m:対物光学系の後群の倍率。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の観察用光学機器におい
    て、さらに以下の条件式(2)を満足する像振れ補正系
    を有する観察用光学機器。 (2)−5<(R1+R2)/(R1−R2)<1
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の観察用光学機
    器において、対物光学系の前群は、2枚のレンズが貼り
    合わされた接合型ダブレットからなっている、像振れ補
    正系を有する観察用光学機器。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の観察用光学機器において、観察光学系はさらに接眼光
    学系を有している、像振れ補正系を有する観察用光学機
    器。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の観察用光学機器において、観察用光学機器は観察光学
    系を左右に一対備えている、像振れ補正系を有する観察
    用光学機器。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の観察用光学機器において、観察用光学機器は正立光学
    系を備えている、像振れ補正系を有する観察用光学機
    器。
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