JPH11264775A - 管測定解析方法及び管解析装置 - Google Patents

管測定解析方法及び管解析装置

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JPH11264775A
JPH11264775A JP10068094A JP6809498A JPH11264775A JP H11264775 A JPH11264775 A JP H11264775A JP 10068094 A JP10068094 A JP 10068094A JP 6809498 A JP6809498 A JP 6809498A JP H11264775 A JPH11264775 A JP H11264775A
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stress
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JP10068094A
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Takao Nishizawa
隆夫 西澤
Hiromi Toda
裕己 戸田
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 音弾性法に基づき、円管の弾塑性領域に於け
る最大曲げ応力(若しくはこれと等価な全歪み)を測定
解析する管測定解析方法を得る。 【解決手段】 材料の応力−歪み適合関数F(ε0x)、
みかけの複屈折量と塑性歪みとの線形関係の勾配α、及
び音弾性定数CAを予め求めておき、曲げを受ける円管
1に於ける、最大全歪みをパラメータとする円周方向の
みかけの複屈折量Btの変化式を予め求めておき、別
途、測定対象管の円周方向のみかけの複屈折量Btの変
化情報を測定し、この測定結果と、変化式を対照すると
ともに、これらの適合関係を求め、最大全歪みE0xを求
め、最大曲げ応力を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円管の曲げ応力を
測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】円管の曲げ応力を測定できる方法として
は、1バルクハウゼン法、2磁気歪み法、3音弾性法等
が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術におい
て、1、2に示す方法は、原理的には弾塑性域まで測定
できるとされているが、信頼できるデータを得られるも
のとして、実用化されているものは、弾性範囲内での測
定に限られる。一方、3の方法では、弾性域内での測定
解析方法が提案され、すでに多くの実施例があるが、弾
塑性域での測定については、いまだに、そのアイデアさ
え出されていない。即ち、音弾性法によって実配管の最
大曲げ応力を測定しようとする場合、現状技術では弾性
域内に限定される。しかし、現場のニーズとしては、弾
塑性域での最大曲げ応力の測定技術が強く望まれる。
【0004】そこで、本発明の目的は、音弾性法に基づ
き、円管の弾塑性領域に於ける最大曲げ応力(若しくは
これと等価な全歪み)を測定解析する管測定解析方法及
びこの方法を使用する装置を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明による管測定解析方法の特徴手段は、準備工程
において、測定対象管を構成する材料の塑性域までの応
力−歪み曲線(一軸引張もしくは圧縮)と、前記応力−
歪み曲線に適合する応力−歪み適合関数F(ε0x)を予
め求めておくとともに、前記材料の複屈折量と塑性歪み
との関係を測定してその線形関係の勾配αと、音弾性定
数CAを予めらじめ求めておき、前記応力−歪み適合関
数F(ε0x)に基づいて、曲げを受ける円管の最大全歪
みE0xをパラメータとする、みかけの複屈折量Btの円
管周方向における分布関係式を求め、みかけの複屈折量
測定工程において、曲げを受けている測定対象管に於け
る、管周方向の複数部位のみかけの複屈折量を測定し、
前記みかけの複屈折量測定工程で計測される管周方向に
於けるみかけの複屈折量の計測結果の分布に対して、前
記分布関係式を適合対象(例えばカーブフィティング対
象)の適合関係式とする適合処理(例えばカーブフィテ
ィング処理)を行い、適合したパラメータ値を、測定対
象管に発生している最大全歪みE0xとして求めることに
ある。即ち、円管を構成する材料の塑性域までの応力−
歪み適合関数F(ε0x)を求めるとともに、この応力−
歪み適合関数F(ε0x)から、管周方向のみかけの複屈
折量Btの分布を求めておく。さらに、上記のような材
料定数及び材料関数を求めておくと、例えば、図5に示
すような曲げMを受ける円管にあっては、曲げが塑性域
に及んでいる場合、その円周方向のみかけの複屈折量の
分布を、頂部(最大引張を受ける部位)あるいは、その
底部(最大圧縮を受ける部位)とに於ける歪みの絶対値
である最大全歪みE0xをパラメータとして、以下のよう
に記載することができる。 Bt= Bt0+α(E0xsinθ−F(E0xsin
θ)/E)+CA×F(E0xsinθ) ここで、θは管周方向に計測した円周角であり、さら
に、Eは弾性係数である。このような弾性係数Eは、そ
の材料に対応して一般に公知である。さらに、Bt0
無負荷時のみかけの複屈折量である。従って、応力−歪
み適合関数F(ε0x)、上記式、その他の材料定数が、
既知な場合は、対応する分布関係式とともに、周方向の
みかけの複屈折量の分布を、図6に示すように求めるこ
とができる。ここで、E0xは、パラメータとなる。さら
に、Bt0に関しては、あらかじめ求まったり、計測デ
ータの平均値とすることができるとともに、パラメータ
的な数値と見なすこともできる。図において、横軸は円
周角(θ)であり、縦軸はBt−Bt0を示している。
この図の場合、応力−歪み適合関数F(ε0x)は、JI
S−SGPを対象とする以下の関係式を利用した例を示
している。 σ=37×tanh(2100×ln(1+1.8×ε
0x)/4) 一方、みかけの複屈折量測定工程においては、実際に曲
げを受けている測定対象管の円周方向に於けるみかけの
複屈折量の変化を測定する。例えば、周方向で20〜3
0点程度の部位でみかけの複屈折量を測定する。そし
て、この測定結果(この結果は、周方向に分布するもの
となる)と、先に求めておいた分布関係式を適合関係式
とする適合処理(例えばカーブフィティング処理)をお
こなう。実質上は、分布関係式を満足し、計測値と関係
式から求ます理論式との差が最小となる分布を与える、
パラメータ値を求める。そして、適合するパラメータ値
を、この最大全歪みを測定対象管に発生している最大全
歪みとするのである。このようにすることにより、音弾
性法を使用して、塑性歪み領域までの歪みを得ることが
できる。さて、この場合に、得られた管軸方向の最大全
歪みE0xから、予め求められている応力−歪み適合関数
F(ε0x)に基づいて最大曲げ応力σ0xを得ることによ
り、最終目的である最大曲げ応力まで求めることができ
る。
【0006】上記の管測定解析方法を採用する装置とし
ては、これを、以下のように構成することとなる。測定
対象管を構成する材料の塑性域までの応力−歪み曲線
と、前記応力−歪み曲線に適合する応力−歪み適合関数
F(ε0x)を予め格納されて備えるとともに、前記材料
の複屈折量と塑性歪みとの関係を測定してその線形関係
の勾配αと、音弾性定数CAを予め格納されて備え、前
記応力−歪み適合関数F(ε0x)に基づいた、曲げを受
ける円管の最大全歪みE0xをパラメータとするみかけの
複屈折量Btの円管周方向における分布関係式を、予め
格納して備えた関係情報記憶手段を備え、前記分布関係
式を適合対象(例えばカーブフィティング対象)の適合
関係式とし、適合処理(例えばカーブフィティング処
理)を行うことによって、適合するパラメータ値を導出
可能な適合手段(例えばカーブフィティング手段)を備
え、曲げを受けている測定対象管に於ける、管周方向の
複数部位に於けるみかけの複屈折量を外部入力により
得、管周方向に於けるみかけの複屈折量の計測結果の分
布を得るとともに、前記分布関係式を適合関数とする適
合処理(例えばカーブフィティング処理)を施し、適合
するパラメータ値を、測定対象管に発生している最大全
歪みE0xとする第1解析手段を備えるとともに、前記第
1解析手段により得られた最大全歪みを出力する出力手
段を備える。即ち、応力−歪み適合関数F(ε0x)、勾
配α、音弾性定数CA等から、先に説明した下記式に基
づいて、分布関係式が求められ、これが関係情報記憶手
段に格納されている。 Bt= Bt0+α(E0xsinθ−F(E0xsin
θ)/E)+CA×F(E0xsinθ) この関係式は、E0xをパラメータとして、図6に示すよ
うなものとなる。一方、測定対象管に於ける管周方向の
みかけの複屈折量の分布は、別途、測定され、これが外
部入力される。そして、このような外部入力される測定
結果データは、管周方向に於けるみかけの複屈折量の分
布として、図6に対応して整理されるとともに、測定結
果が示す分布に対して適合処理(例えばカーブフィティ
ング処理)が行われ、適合する分布を与えるパラメータ
値が特定される。そして、適合する分布を示すパラメー
タ値を測定対象管に発生している最大全歪みE0xとする
のである。このような適合操作を、第1解析手段がおこ
なう。結果、この装置を使用して、音弾性法により、塑
性域までの歪みを求めることができる。この構成の場合
も、前記第1解析手段により得られる最大全歪みE0x
基づいて、前記応力−歪み適合関数F(ε0x)より最大
曲げ応力σ0xを得る第2解析手段を備え、前記出力手段
が前記最大曲げ応力σ0xも出力する構成とすることが好
ましい。この構成とすることにより、第2解析手段を働
かせて、最大全歪みE0xから最大曲げ応力σ0xを得て、
出力することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本願の手法をその手順に従って説
明する。この場合、最大曲げ応力測定対象の円管(測定
対象管)は特定されており、その材質も特定され、同一
材料の一軸引張用の試験片が得られているものとする。 1 測定対象とする円管と同じ材質の試験片を使用し
て、一軸引張(あるいは圧縮)の応力−歪み曲線を測定
する。この曲線の例を図1に示した。 2 求められた応力−歪み曲線に対して、この曲線に適
合する応力−歪み適合関数σ=F(ε0x)を求める。例
えばJIS−SGPの場合、応力−歪み曲線は、以下の
式で表現できる。 σ=37×tanh(2100×ln(1+1.8×ε
0x)/4) 3 次に、同じ材質の試験片で、複屈折量と塑性歪みの
関係を測定して、その線形関係の勾配α(単位塑性歪み
あたりの複屈折量の変化量)を求める。ここで求められ
る複屈折量と塑性歪みの関係は、材料を一軸引張とした
場合において、その引張方向に発生する歪みと、このよ
うな一軸引張方向と、この方向に直交する方向において
定義される複屈折量である。即ち、後に示すみかけの複
屈折量の測定にあって、φ=0とした場合に於ける複屈
折量と塑性歪みの関係を意味する。さて、例えばJIS
−SGPの場合、この関係線は図2に示すようになり、
線形関係の勾配αは0.09となる。ここで、この勾配
に関しては、同一鋼管からの切り出し材であってもαの
測定結果には、若干のバラツキ(0.05〜0.13程
度の範囲)がある。従って、ε0xの計算結果は、若干信
頼性を欠くこととなるが、塑性歪みの大きい場合には、
ε0xの誤差が大きくても応力の変動幅が小さいので、応
力の測定結果としてあまり大きな誤差となり難い。ま
た、塑性歪みの小さい場合には、関係式 Bt= Bt0+α(E0xsinθ−F(E0xsin
θ)/E)+CA×F(E0xsinθ) の右辺内、第3項に比べて、第2項は小さいものとなる
ので、αのばらつきの影響は軽減されると考えられる。
従って、代表値として、0.09を選んで実用に用いて
も、あまり大きく信頼性を欠くことなく、この手法を用
いることができる。 4 同じ材量で、音弾性定数CAを求める。例えばJI
S−SGPの場合、CA=7.3 ×10-6(1/MP
a)となる。 5 以上求められている、応力−歪み適合関数σ=F
(ε0x)、勾配α、音弾性定数CA及び公知の材料の弾
性係数Eから、以下の式に基づいて、曲げを受ける円管
の最大引張もしくは最大圧縮を受ける部位の歪みである
最大全歪みE0xをパラメータとし、無負荷時のみかけの
複屈折量Bt0を考慮したみかけの複屈折量Btの円管
周方向における分布関係式(下式)を、予め求めてお
く。 Bt= Bt0+α(E0xsinθ−F(E0xsin
θ)/E)+CA×F(E0xsinθ) ここで、θは、円周角である。この式の根拠は、後に説
明する。上記のようにして、本願の準備工程を終える。
【0008】次に、曲げを受ける測定対象管に於ける、
円周方向複数箇所(好ましくは20〜30箇所)のみか
けの複屈折量を測定するみかけの複屈折量測定工程とを
行う。 6 即ち、図5に示すような曲げを受けている円管1の
頂部1a及び底部1b等を含む複数箇所に於ける、その
みかけの複屈折量を求める。ここで、みかけの複屈折量
は、以下の式で示される。
【0009】
【数1】
【0010】このみかけの複屈折量の測定にあたって
は、本願独特のみかけの複屈折量測定装置3を利用す
る。このみかけの複屈折量測定装置は、図3に示すよう
な電磁超音波トランスジューサ30と、この電磁超音波
トランスジューサ30に接続される駆動・検出機器31
を備えたものである。
【0011】先ず、電磁超音波トランスジューサ30の
構成について説明する。図3に示すように、この電磁超
音波トランスジューサ30は、本願独特の永久磁石集合
体40の下部側に、楕円状コイル2を2枚十字に重ねて
構成されるものである。即ち、永久磁石集合体40は、
同一正方形断面形状を有し、その長手方向(図3の上下
方向)で極性を異にする永久磁石4を、4個、隣接する
磁石の磁極が逆となるように、縦・横中間面5で隣接さ
せて配設した構成とされている。そして、この永久磁石
集合体40の下面に、前記縦・横中間面5を夫々別個に
長軸とする楕円状コイル2を備えている。即ち、一対の
コイル2の長軸は、相互に90度異なって配設されてい
る。これらのコイル2は永久磁石集合体40の底面に対
して、平行に、絶縁用の膜6を介して配設される構成が
取られている。これらのコイル2に対して、交互に、切
替え状態で高周波電流を流すことができる。
【0012】次に、この電磁超音波トランスジューサ3
0の駆動・検出機器31に関して説明する。図4に示す
ように、この駆動・検出機器31は、一対の楕円状コイ
ル2に対してこれらに択一的に周波数を変えながら高周
波信号を与え、管内に管径方向が超音波の伝播方向で、
その波の振幅方向が管表面に平行な方向となる横波を発
生する構成とされている。即ちこの目的から、楕円状コ
イル2の択一的に選択をおこなうスイッチングディバイ
ス7が備えられている。
【0013】先ず特定のコイル2を使用する構成に関し
て説明する。即ち、スイッチングディバイス7の基端側
には、駆動用に、ドライバ8、可変周波数型高周波発信
器9、増幅器10が備えられるとともに、検出用とし
て、増幅器11、バンドパスフィルター12、A/D変
換器13が備えられている。これらの機器の制御をおこ
なう目的から、端末マイコン14には、共鳴周波数導出
手段15が備えられており、この共鳴周波数導出手段1
5により、ドライバ8を使用して周波数掃引を伴いなが
ら高周波信号をコイル2におくり、管内に超音波を発生
されるとともに、この超音波によって発生する共鳴信号
を同一のコイル2によって検出し、デジタルデータとし
て共鳴周波数導出手段15に受け取ることができる構成
となっている。そして、この共鳴周波数導出手段15内
に於ける処理として、掃引周波数とA/D変換器13か
ら受けられる検出電気信号の強度から、この強度が最大
となる共鳴周波数を得ることができる。さらに、この端
末マイコン14には、みかけの複屈折量導出手段16が
備えられており、一対のコイル2を順次駆動しながら、
駆動されるコイル2の選択状態に従って、各選択状態に
おいて共鳴周波数導出手段15から得られる共鳴周波数
を、先に数1で示したみかけの複屈折量の定義式に当て
はめ、検出部位に於けるみかけの複屈折量を得ることが
できる構成となっている。
【0014】7 以上のようにして得られる円管の周方
向に於けるみかけの複屈折量の測定結果の分布を、図6
に対応して求める(みかけの複屈折量測定工程)。ここ
で、実際の計算にあたっては、Bt0をあらじめ求めて
おくことにより、図6に示すように規格化できる。一
方、カーブフィティング処理において、この値をもパラ
メータとして、求めることもできる。 8 みかけの複屈折量測定工程で計測される管周方向に
於けるみかけの複屈折量の計測結果の分布を、準備工程
で得られている分布関係式を適合関係式としたカーブフ
ィテング処理をおこなう。実際上は、適合関係式がパラ
メータ形式で表現されているため、このパラメータの値
OX,Bt0 を特定する。このような処理にあたって
は、公知の数値解析ソフトが使用できる。例えば、Ma
thmatica(ウルフラム リサーチ インコーポ
レーション(Wolfram Rescerch,Inc. 米国))等を使用で
きる。このプログラムにあっては、最小二乗法的な処理
を、パラメータを所定の状態で変化させながら実行し、
その誤差が最も小さくなるパラメータ値EOX,Bt0
特定する。次に、適合する分布を与えるパラメータ値
を、測定対象管に発生している最大全歪みE0xとして求
める。結果、管軸方向の全歪みε0xを得ることができ
る。 9 得られた管軸方向の最大全歪みから最大曲げ応力を
応力−歪み適合関数に基づいて求める。結果、弾塑性変
形状態にある円管の最大曲げ応力σ0xを得ることができ
る。
【0015】以上が、曲げにより弾塑性変形状態にある
円管における最大曲げ応力を求めるために採られる手法
であるが、この手法を採用する場合に使用する管解析装
置の基本構成は、図5に示すような構造となる。実際上
は、所謂、主マイコン17が使用される。即ち、この主
マイコン17内には、測定対象管を構成する材料の塑性
域までの応力−歪み曲線と、前記応力−歪み曲線に適合
する応力−歪み適合関数F(ε0x)を予め格納されて備
えるとともに、前記材料のみかけの複屈折量と塑性歪み
との関係を測定してその線形関係の勾配αと、音弾性定
数CAを予め格納されて備え、前記応力−歪み適合関数
F(ε0x)に基づいて、曲げを受ける円管の最大全歪み
0xをパラメータとし、みかけの複屈折量Btの円管周
方向における分布関係式を、予め格納して備えた関係情
報記憶手段18を備え、前記分布関係式をカーブフィテ
ィング対象の適合関係式とし、カーブフィティング処理
を行うことによって、適合するパラメータ値を導出可能
なカーブフィティング手段22を備え、外部入力によ
り、曲げを受けている測定対象管に於ける、管周方向の
複数部位に於けるみかけの複屈折量(この場合、みかけ
の複屈折量とそれに対応した円周角が外部入力される)
から、管周方向に於けるみかけの複屈折量の計測結果の
分布を得るとともに、前記カーブフィティング手段22
を使用して、前記分布関係式を適合関数とするカーブフ
ィティング処理をおこなって、適合する分布を成すパラ
メータ値を求め、このパラメータ値(最大全歪みに対応
するパラメータ)を測定対象管に発生している最大全歪
みE0xとする第1解析手段が備えられるとともに、この
第1解析手段19により得られた最大全歪みを出力する
出力手段21が備えられている。さらに、この第1解析
手段により得られる前記最大全歪みに基づいて、応力−
歪み適合関数F(ε0x)より最大曲げ応力σ0xを得る第
2解析手段20を備え、出力手段が前記最大曲げ応力σ
0xも出力する構成とされている。
【0016】ここで、関係情報記憶手段18には、関係
式自体と、円管を構成する材料の複屈折量と塑性歪みと
を線形関係として表した場合の勾配α、材料の塑性域ま
での応力−歪み適合関数F(ε0x)、音弾性定数CA
弾性係数E、分布関係式及び、これらのデータから得ら
れる図6に対応するような、参照データが記憶されてい
る。さらに、必要に応じて、具体的な係数値(α、
A、E)及び適合関数F(ε0x)を特定した状態で、
上記の分布関係式、参照データを得ることができる。さ
らに、例えば、円管の材料が変化した場合にあっては、
これらの係数値(α、CA、E)及び適合関数F
(ε0x)を、外部入力により変更、特定でき、分布関係
式、参照データを自動生成するように構成とされてい
る。
【0017】一方、第1解析手段19は、外部入力され
る管周方向に沿ったみかけの複屈折量の測定値から、円
周角を横軸、みかけの複屈折量の平均値(無負荷時のみ
かけの複屈折量)からの偏差(これは、無負荷時のみか
けの複屈折量を引いた値となっている)を縦軸とする測
定結果の分布データを作成するとともに、この分布デー
タと先に求められている分布関係式(ただしBt0 は滅
算したもの)との適合をおこない、適合する分布のパラ
メータ値を特定する解析ソフトを備えている。そして、
適合する分布のパラメータ値を、測定対象管の最大全歪
みと特定する。この結果は、出力手段21により出力さ
れるとともに、求まった、最大全歪みから、第2解析手
段20は、最大応力を求め、この結果も出力手段21に
より出力される。
【0018】〔関係式の根拠〕以上が、本願の管測定解
析方法及び管解析装置の構成であるが、以下に、先に説
明した円管に於ける円周方向のみかけの複屈折量の分布
を、最大全歪みをパラメータとして記載する場合の関係
式の根拠に関して説明する。
【0019】以下の説明に当たって使用する記号の概略
を以下に記載する。 Bt みかけの複屈折量 Bt0 無負荷時のみかけの複屈折量 ε1p, ε2p 塑性主歪み ε0x x方向(管軸方向)の全歪み εex x方向(管軸方向)の弾性歪み εpx x方向(管軸方向)の塑性歪み σx x方向(管軸方向)の曲げ応力 σ1 ,σ2 主応力 E0x 最大全歪み (円管の管頂部または管底部に生じる歪みの絶対値) E 縦弾性係数 平面応力状態における弾塑性領域における複屈折量Bは
次式で表される。
【0020】
【数2】
【0021】一般的な曲げ状態にある管の頂部と底部に
おいては、その部位の主応力方向と、管軸方向とは一致
する(φ=0)が、管周方向に於ける、その他の部位で
は、主応力方向と管軸方向とは異なるため、本願にあっ
ては、みかけの複屈折量なる物%理量で、統一的に扱う
ものとする。
【0022】さらに、円管の周方向部位における歪みε
0xを最大全歪みE0xで書き換えると、 ε0x=E0x×y/r=E0xsinθ ただし、ここで、y、r、θは、図7に示す物理量であ
る。さらに、 Bt = Bt0+α(ε0x−εex)+CAσx = Bt0+α(ε0x−F(ε0x)/E) +CA×F(ε0x) = Bt0+α(E0xsinθ−F(E0xsinθ)/E) +CA×F(E0xsinθ) ここで、θは管周方向に計測した円周角であり、さら
に、Eは弾性係数である。このような弾性係数Eは、そ
の材料に対応して一般に公知である。従って、応力−歪
み適合関数F(ε0x)、上記式、その他の材料定数が、
既知な場合は、周方向のみかけの複屈折量の分布を、図
6に示すように、求めることができる。同図において、
横軸は円周角(θ)であり、縦軸はBt−Bt0を示し
ている。この図の場合、応力−歪み適合関数F(ε0x
は、JIS−SGPを対象とする以下の関係式を利用し
た例を示している。 σ=37×tanh(2100×ln(1+1.8×ε
0x)/4)
【0023】〔別実施の形態例〕 (イ) 上記の実施の形態例においては、主に、円管を
構成する材料としてJIS−SGPの場合を示したが、
本願手法は、弾性限度内ばかりでなく塑性領域まで測定
解析対象とできるため、応力−歪み曲線が求まる任意の
材料を対象とすることができる。 (ロ) 上記の実施の形態例においては、みかけの複屈
折量の測定にあたって、独特のEMATを使用して、一
時に偏向する2方向のみかけの複屈折量を求めるものと
したが、本願手法は、従来型の横波用の電磁超音波探触
子を使用しておこなってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】JIS−SGP材の応力−歪み曲線を示す図
【図2】JIS−SGP材の塑性歪みと複屈折量との関
係を示す図
【図3】電磁超音波トランスジューサの概略構成を示す
【図4】みかけの複屈折量測定装置の構成を示す図
【図5】本願の管解析装置の構成を示す図
【図6】参照データの形態を示す図
【図7】円管断面の座標関係を示す図
【符号の説明】
18 関係情報記憶手段 19 第1解析手段 20 第2解析手段 21 出力手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 準備工程において、測定対象管を構成す
    る材料の塑性域までの応力−歪み曲線と、前記応力−歪
    み曲線に適合する応力−歪み適合関数F(ε 0x)を予め
    求めておくとともに、 前記材料の複屈折量と塑性歪みとの関係を測定してその
    線形関係の勾配αと、音弾性定数CAを予めらじめ求め
    ておき、 前記応力−歪み適合関数F(ε0x)に基づいて、曲げを
    受ける円管の最大全歪みE0xをパラメータとする、みか
    けの複屈折量Btの円管周方向における分布関係式を求
    めておき、 みかけの複屈折量測定工程において、曲げを受けている
    測定対象管に於ける、管周方向の複数部位のみかけの複
    屈折量を測定し、 前記みかけの複屈折量測定工程で計測される管周方向に
    於けるみかけの複屈折量の計測結果の分布を求め、前記
    分布関係式を適合対象の適合関係式とする適合処理を行
    い、適合したパラメータ値を、測定対象管に発生してい
    る最大全歪みE 0xとして求める管測定解析方法。
  2. 【請求項2】 得られた前記最大全歪みE0xから前記応
    力−歪み適合関数F(ε0x)に基づいて最大曲げ応力σ
    0xを求める請求項1記載の管測定解析方法。
  3. 【請求項3】 測定対象管を構成する材料の塑性域まで
    の応力−歪み曲線と、前記応力−歪み曲線に適合する応
    力−歪み適合関数F(ε0x)を予め格納されて備えると
    ともに、 前記材料の複屈折量と塑性歪みとの関係を測定してその
    線形関係の勾配αと、 音弾性定数CAを予め格納されて備え、 前記応力−歪み適合関数F(ε0x)に基づいた、曲げを
    受ける円管の最大全歪みE0xをパラメータとするみかけ
    の複屈折量Btの円管周方向における分布関係式を、予
    め格納して備えた関係情報記憶手段を備え、 前記分布関係式を適合対象の適合関係式とし、適合処理
    を行うことによって、適合するパラメータ値を導出可能
    な適合手段を備え、 曲げを受けている測定対象管に於ける、管周方向の複数
    部位に於けるみかけの複屈折量を外部入力により得、管
    周方向に於けるみかけの複屈折量の計測結果の分布を得
    るとともに、前記計測結果の分布に対して、前記分布関
    係式を適合関係式とする適合処理を施し、適合するパラ
    メータ値を測定対象管に発生している最大全歪みE0x
    する第1解析手段を備えるとともに、 前記第1解析手段により得られた最大全歪みE0xを出力
    する出力手段を備えた管解析装置。
  4. 【請求項4】 前記第1解析手段により得られる前記最
    大全歪みに基づいて、前記応力−歪み適合関数F
    (ε0x)より最大曲げ応力σ0xを得る第2解析手段を備
    え、前記出力手段が前記最大曲げ応力σ0xも出力する請
    求項3記載の管解析装置。
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